JPH06312947A - トリスフェノール類へのヒドロキシベンジル基付加体の混合物からなる組成物及びその製造方法 - Google Patents

トリスフェノール類へのヒドロキシベンジル基付加体の混合物からなる組成物及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06312947A
JPH06312947A JP10547193A JP10547193A JPH06312947A JP H06312947 A JPH06312947 A JP H06312947A JP 10547193 A JP10547193 A JP 10547193A JP 10547193 A JP10547193 A JP 10547193A JP H06312947 A JPH06312947 A JP H06312947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
adduct
hydroxy
hydroxyphenyl
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10547193A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3534787B2 (ja
Inventor
Takehiro Yamashita
雄大 山下
Takeshi Kimura
毅 木村
Kiyoshi Kumaki
潔 熊木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HONSYU KAGAKU KOGYO KK
Honshu Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
HONSYU KAGAKU KOGYO KK
Honshu Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HONSYU KAGAKU KOGYO KK, Honshu Chemical Industry Co Ltd filed Critical HONSYU KAGAKU KOGYO KK
Priority to JP10547193A priority Critical patent/JP3534787B2/ja
Publication of JPH06312947A publication Critical patent/JPH06312947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3534787B2 publication Critical patent/JP3534787B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】エポキシ樹脂の硬化剤として均一硬化反応性に
すぐれ、或いは非揮発性で且つ酸化防止能の長期維持性
にすぐれ、分子量分布が単分散に近いトリスフェノール
類へのヒドロキシベンジル基付加体の混合物からなる組
成物を提供する。 【構成】 (具体的には、例えば、1,1,1−トリス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン)で表わされるトリスフェノール類へ
のヒドロキシベンジル基付加体の混合物からなり、これ
らトリスフェノール類へのヒドロキシベンジル基付加体
の1分子当たりの平均のヒドロキシベンジル基の数が3
〜6の範囲にある混合物からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、均一硬化反応性にすぐ
れたエポキシ樹脂硬化剤、非揮発性で酸化防止能の長期
維持性にすぐれた樹脂添加剤等として有用である新規な
トリスフェノール類へのヒドロキシベンジル基付加体の
混合物からなる組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エポキシ樹脂の硬化剤として
は、アミン類、酸無水物、フェノールノボラック樹脂等
が用いられているが、近年、積層板、封止材、粉体塗料
の用途においても、製品高性能化の要請から、フェノー
ルノボラック樹脂が見直されて、特に、電気・電子材料
関係に好適に利用されている。
【0003】フェノールノボラック樹脂は、一般に、フ
ェノール類とホルムアルデヒドとを酸触媒の存在化下に
付加縮合反応させて得られるものである。従つて、フェ
ノールノボラック樹脂は、主として、フェノール核がメ
チレン結合により結合されており、通常、フェノール核
が2〜20個の範囲から構成される分子量分布の広い樹
脂である。このように、フェノールノボラック樹脂は、
分子量分布が広いために、エポキシ樹脂の硬化剤として
用いた場合は、高架橋密度の硬化物を得ることが困難で
あり、また、繰返し製造を行なった場合、原料の調合や
製造条件の僅かな違いによって、分子量及び分子量分布
の再現性に問題があり、それ故、硬化物の品質の信頼性
に問題があった。
【0004】他方、プラスチックスには、通常、その劣
化を防止するために、各種の添加剤が用いられており、
特に、酸化を防止するためには、通常、ヒンダードフェ
ノール化合物といわれる酸化防止剤が用いられている。
しかしながら、従来、ヒンダードフェノール酸化防止剤
としては、モノフェノール型或いはビスフェノール型の
ものが用いられており、これらは、プラスチックスに添
加した場合、それらの分子量が小さいために、揮発し、
蒸散し、或いは樹脂中で表面に移動したりするので、長
期間にわたる酸化防止能の保持性に課題があった。
【0005】フェノール化合物へのヒドロキシベンジル
基付加体については、フェノール化合物として、ビス−
フェノールA及びp,p'−ビスフェノールFを用いた場合
が特願平3−200776号公報に記載されているが、
フェノール化合物として、トリスフェノール類を用いた
場合については、従来、知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、上述した
従来の技術に鑑み、特に、エポキシ樹脂の硬化剤として
均一硬化反応性にすぐれ、或いは非揮発性で、且つ、酸
化防止能の長期維持性にすぐれ、分子量分布が単分散に
近い新規なトリスフェノール類へのヒドロキシベンジル
基付加体の混合物からなる組成物、及びそのような組成
物の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるトリスフェ
ノール類へのヒドロキシベンジル基付加体の混合物から
なる組成物は、一般式(I)
【0008】
【化4】
【0009】〔式中、Xは、
【0010】
【化5】
【0011】よりなる群から選ばれる3価の基を示し、
各芳香環上のRi (i=1〜5、6〜10及び11〜1
5)の少なくとも1つは水酸基を示し、各芳香環上のそ
の水酸基に隣接するRi-1 及びRi+1 の少なくとも1つ
は一般式(II)
【0012】
【化6】
【0013】(式中、Qj (j=1〜5)の少なくとも
1つは水酸基を示し、残余は水素、低級アルキル基、低
級シクロアルキル基、又は芳香族基を示す。)で表わさ
れる無置換又は置換のヒドロキシベンジル基を示し、前
記Ri の残余は水素、低級アルキル基、低級シクロアル
キル基又は芳香族基を示す。〕で表わされるトリスフェ
ノール類へのヒドロキシベンジル基付加体の混合物から
なり、これらトリスフェノール類へのヒドロキシベンジ
ル基付加体の1分子当たりの平均のヒドロキシベンジル
基の数が3〜6の範囲にある混合物からなることを特徴
とする。
【0014】本発明による組成物において、前記一般式
(I)で表わされるトリスフェノール類としては、例え
ば、1,1,1 −トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1,1 −トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ジ(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1
−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ジ(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シク
ロヘキシルフェニル)メタン、1,1−ジ(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−〔4−〔2−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−2−プロピル〕フェニル〕エタン等を挙げるこ
とができる。
【0015】本発明による組成物において、前記一般式
(II)で表わされるヒドロキシベンジル基としては、具
体的には、例えば、4−ヒドロキシベンジル基、2−ヒ
ドロキシベンジル基、4−ヒドロキシ−3−メチルベン
ジル基、2−ヒドロキシ−3−メチルベンジル基、2−
ヒドロキシ−5−メチルベンジル基、4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルベンジル基、4−ヒドロキシ−3,5−ジ
−t−ブチルベンジル基、4−ヒドロキシ−2−メチル
−5−t−ブチルベンジル基、2−ヒドロキシ−6−メ
チル−3−t−ブチルベンジル基、2−ヒドロキシ−5
メチル−3−シルロヘキシルベンジル基、2−ヒドロキ
シ−6−メチル−3−シクロヘキシルベンジル基等を挙
げることができる。
【0016】本発明によるこのようなトリスフェノール
類へのヒドロキシベンジル基付加体の混合物からなる組
成物は、本発明に従って、第一段の工程として、塩基性
触媒の存在下に、トリスフェノール類とホルムアルデヒ
ドとの反応によってメチロール化トリスフェノールを製
造し、次いで、第二段の工程として、酸性触媒の存在下
に、上記メチロール化トリスフェノールに無置換又は置
換のフェノール化合物を反応させることによって得るこ
とができる。
【0017】上記第一段の工程は、通常、塩基性触媒の
存在下、水溶媒又は水と有機溶媒との混合溶媒中にて、
原料であるトリスフェノール類の水酸基に対して、ホル
ムアルデヒドを過剰に反応させることによって行なわれ
る。この第一段の工程に用いられるホルムアルデヒド
は、市販のホルマリン水溶液をそのまま利用できるほ
か、水存在下において、ホルムアルデヒドと同様に作用
するパラホルムアルデヒドやトリオキサンも用いること
ができる。
【0018】上記塩基性触媒としては、例えば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアル
カリ金属の水酸化物や酢酸塩、水酸化カルシウム、水酸
化亜鉛、水酸化マグネシウム等の2価金属、好ましく
は、アルカリ土類金属の水酸化物や酢酸塩、ピリジン、
トリメチルアミン、トリブチルアミン等の第3級アミン
類等を挙げることができる。これらの中では、特に、水
酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが好ましく用いられ
る。
【0019】第一段の工程は、通常、水の存在下で行な
われるが、トリスフェノール類の水に対する親和性を高
めるために、例えば、メタノール、エタノール、n−プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタ
ノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコール、カルビトール
等のアルコール性溶媒、或いはテトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等の水溶性の有機溶媒も、場
合によっては、用いられる。
【0020】第一段の工程において、トリスフェノール
類に対するホルムアルデヒトの使用割合は、トリスフェ
ノール類の水酸基の数に対して、通常、2.0〜10倍モ
ルの範囲、好ましくは、2.5〜5.0倍モルの範囲であ
る。また、塩基性触媒の使用量は、トリスフェノール類
の有する水酸基の数に対して、通常、1.0〜5倍モルの
範囲、好ましくは、1.1〜1.5倍モルの範囲である。溶
媒は、原料であるトリスフェノール類とホルマリンとの
総重量が、通常、10〜50重量%、好ましくは、30
〜45重量%となるような範囲で用いられる。
【0021】また、第一段の工程は、通常、0〜60
℃、好ましくは、30〜40℃の範囲の温度にて、通
常、1〜72時間、好ましくは、4〜12時間程度にわ
たって行なわれるが、しかし、本発明の方法は、これら
の条件に特に制限されるものではない。このような第一
段の工程が終了すれば、得られた反応混合物中の塩基性
触媒を酸で中和した後、反応混合物中の有機溶媒と水と
の溶媒混合比を調整することによって、溶媒から結晶を
析出させ、この結晶を反応混合物から濾取することによ
って、メチロール化トリスフェノールを得ることができ
る。
【0022】次いで、第二段の工程において、上述のよ
うにして得られたメチロール化トリスフェノールに対す
る無置換又は置換フェノール化合物の反応は、通常、酸
性触媒の存在下、無溶媒又は有機溶媒の存在下に、メチ
ロール化トリスフェノールの水酸基の数に対して過剰の
無置換又は置換のフェノール化合物を反応させることに
よって行なわれる。
【0023】このような第二段の工程に用いられる無置
換又は置換フェノール化合物としては、例えば、フェノ
ール、o−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾー
ル、o−イソプロピルフェノール、o−sec−ブチル
フェノール、m−sec−ブチルフェノール、p−se
c−ブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、m
−t−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、
o−スチレン化フェノール、o−シクロヘキシルフェノ
ール、p−シクロヘキシルフェノール、2,4−ジメチル
フェノール(2,4−キシレノール)、2,5−ジメチルフ
ェノール(2,5−キシレノール)、2,6−ジメチルフェ
ノール(2,6−キシレノール)、2,4−ジ−sec−ブ
チルフェノール、2,6−ジ−sec−ブチルフェノー
ル、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−
ブチルフェノール、2−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール、2−メチル−4−t−ブチルフェノール、3−メ
チル−6−t−ブチルフェノール、4−メチル−2−t
−ブチルフェノール、2−メチル−4−シクロヘキシル
フェノール、3−メチル−6シクロヘキシルフェノール
等を挙げることができる。
【0024】本発明によれば、これらの中では、フェノ
ール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,4キシレノ
ール、2,6キシレノール等、比較的立体障害の小さいフ
ェノール化合物は、エポキシ樹脂の硬化剤用途の組成物
に好ましく用いられ、また、o−t−ブチルフェノー
ル、o−スチレン化フェノール、o−シクロヘキシルフ
ェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール、3−メチル−6−t−
ブチルフェノール、3−メチル−6シクロヘキシルフェ
ノール等の比較的立体障害の大きなフェノール化合物
は、樹脂の酸化防止用添加剤用途に好適に用いられる
が、これらに制限されるものではない。
【0025】これらの無置換又は置換フェノール化合物
は、単独にて、又は2種以上の混合物として用いられ
る。第二段の工程において、酸性触媒としては、例え
ば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、p−トルエンスル
ホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸類、シュ
ウ酸、酢酸等のカルボン酸類等が用いられ、これらの中
では、特に、塩酸が好ましく用いられる。
【0026】第二段の工程は、無溶媒下に行なうことが
できるが、反応時における反応温度の調整、反応系の粘
度の調整等を容易にするために、有機溶媒の存在下で行
なうこともできる。ここに、有機溶媒としては、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド等の脂肪族アミド等を挙げることが
できるが、これらに限定されるものではない。
【0027】また、第二段の工程において、メチロール
化トリスフェノールに対する上記無置換又は置換フェノ
ール化合物の使用割合は、メチロール化トリスフェノー
ルのメチロール基の数に対して、通常、1〜100倍モ
ルの範囲、好ましくは、5〜20倍モルの範囲である。
酸性触媒の使用量は、メチロール化トリスフェノールに
対して、通常、0.01〜1倍モルの範囲、好ましくは、
0.1〜0.5倍モルの範囲である。溶媒を用いる場合に
は、メチロール化トリスフェノールと無置換又は置換の
フェノール化合物の総重量が、通常、20〜95重量
%、好ましくは、50〜90%となるような範囲で用い
られる。
【0028】また、第二段の工程において、反応は、通
常、10〜100℃、好ましくは、20〜50℃の範囲
の温度にて、通常、1〜48時間、好ましくは、5〜2
0時間程度にわたって行なわれるが、本発明は、これら
の条件に特に制限されるものではない。このような第二
段の工程が終了すれば、用いた酸性触媒を中和して除去
し、更に、過剰のフェノール化合物と、溶媒を用いた場
合にはその溶媒を留去することによって、本発明による
トリスフェノール類へのヒドロキシベンジル基付加体の
混合物からなる組成物を得ることができる。
【0029】即ち、本発明による組成物は、第一段の工
程として、トリスフェノール類に塩基性触媒の存在下に
ホルムアルデヒドを反応させて、メチロール化トリスフ
ェノールを製造し、次いで、第二段の工程として、この
メチロール化トリスフェノールに酸性触媒の存在下にフ
ェノール化合物を反応させることによって得ることがで
きる上記トリスフェノール類へのヒドロキシベンジル基
付加体の混合物からなり、上記トリスフェノールの芳香
核上のヒドロキシベンジル基の数は、芳香核1個につき
1〜2の範囲にあり、従って、平均として、トリスフェ
ノール類へのヒドロキシベンジル基付加体の1分子当た
りのヒドロキシベンジル基の数は4〜6の範囲にある。
【0030】本発明による組成物は、トリスフェノール
類へのヒドロキシベンジル基のヘキサ付加体の高純度品
を主成分とするものであってもよい。例えば、単一のト
リスフェノール類へのヒドロキシベンジル基の付加体が
60%以上、場合によっては80%以上、又は90%以
上の高純度品を主成分とするものであってもよい。本発
明による組成物がこのような高純度品を主成分とする場
合、トリスフェノール類へのヒドロキシベンジル付加体
の芳香核上の水酸基に隣接したヒドロキシベンジル基が
付加していない位置の構造は、原料として用いたトリス
フェノール類の構造がそのまま保持されていてもよい
し、また、メチロール基が付加したままの構造となって
もよい。
【0031】本発明による組成物は、原料として用いる
トリスフェノールによって、その主成分が異なるが、上
述したようなトリスフェノールに、先ず、ホルムアルデ
ヒドを反応させ、次いで、フェノール化合物を反応させ
る方法によって、次のようなトリスフェノール類へのヒ
ドロキシベンジル基付加体主成分とする混合物からなる
組成物を得ることができる。
【0032】即ち、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタンへのヒドロキシベンジル基付加体の具体
例としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタンへの4−ヒドロキシベル基付加体及び2−ヒ
ドロキシベンジル基付加体、1,1,1−トリス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタンへの4−ヒドロキシ−3−メチ
ルベンジル基付加体及び2−ヒドロキシ−3−メチルベ
ンジル基付加体、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタンへの2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル
基付加体、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)
メタンへの4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル基
付加体、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タンへの4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジ
ル基付加体、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタンへの4−ヒドロキシ−2−メチル−5−t−
ブチルベンジル基付加体及び2−ヒドロキシ−6−メチ
ル−3−t−ブチルベンジル基付加体、1,1,1−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)メタンへの2−ヒドロキシ
−5−メチル−3−t−ブチルベンジル基付加体、1,1,
1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンへの4−
ヒドロキシ−2−メチル−5−シクロヘキシルヘンジル
基付加体及び2−ヒドロキシ−6−メチル−3−シクロ
ヘキシルヘンジル基付加体等を挙げることができる。
【0033】1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタンへのヒドロキシベル基付加体の具体例として
は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン
への4−ヒドロキシベル基付加体及び2−ヒドロキシベ
ンジル基付加体、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタンへの4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル
基付加体及び2−ヒドロキシ−3−メチルベンジル基付
加体、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ンへの2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル基付加体、
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンへの
4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル基付加体、1,
1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンへの4
−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル基付加
体、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン
への4−ヒドロキシ−2−メチル−5−t−ブチルベン
ジル基付加体及び2−ヒドロキシ−6−メチル−3−t
−ブチルベンジル基付加体、1,1,1−トリス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタンへの2−ヒドロキシ−5−メチ
ル−3−t−ブチルベンジル基付加体、1,1,1−トリス
(4−ヒドロキシフェニル)エタンへの4−ヒドロキシ
−2−メチル−5−シクロヘキシルベンジル基付加体2
−ヒドロキシ−6−メチル−3−シクロヘキシルベンジ
ル基付加体等を挙げることができる。
【0034】また、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−〔4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−
2−プロピル〕フェニル〕エタンへのヒドロキシベンジ
ル基付加体の具体例として、1,1−ジ(4−ヒドロキシ
フェニル)−1−〔4−〔2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロピル〕フェニル〕エタンへの4−ヒドロ
キシベンジル基付加体及び2−ヒドロキシベンジル基付
加体、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4
−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕
フェニル〕エタンへの4−ヒドロキシ−3−メチルベン
ジル基付加体及び2−ヒドロキシ−3−メチルベンジル
基付加体、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−
〔4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピ
ル〕フェニル〕エタンへの2−ヒドロキシ−5−メチル
ベンジル基付加体、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−〔4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−
2−プロピル〕フェニル〕エタンへの4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルベンジル基付加体、1,1−ジ(4−ヒド
ロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4−ヒドロキシ
フェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エタンへの4−
ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル基付加体、
1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2
−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニ
ル〕エタンへの4−ヒドロキシ−2−メチル−5−t−
ブチルベンジル基付加体及び2−ヒドロキシ−6−メチ
ル−3−t−ブチルベンジル基付加体、1,1−ジ(4−
ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エタンへの
2−ヒドロキシ−5−メチル−3−t−ブチルベンジル
基付加体、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−
〔4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピ
ル〕フェニル〕エタンへの4−ヒドロキシ−2−メチル
−5−シクロヘキシルベンジル基付加体及び2−ヒドロ
キシ−6−メチル−3−シクロヘキシルベンジル基付加
体等を挙げることができる。
【0035】本発明による好ましい様態によれば、単一
のトリスフェノールを原料として用いて、これに塩基性
触媒の存在下に、トリスフェノールの水酸基に対して過
剰のホルムアルデヒドを反応させて、メチロール化トリ
スフェノールを得た後、更に、このメチロール化トリス
フェノールに対して酸性触媒の存在下メチロール基に対
して過剰のフェノール化合物を反応させることによっ
て、上述したように単一のトリスフェノール類のヒドロ
キシベンジル基付加体を60%以上、好ましくは80%
以上、特に好ましくは90%以上の純度で得ることがで
きる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、新規なトリスフェノー
ル類へのヒドロキシベンジル基付加体の混合物からなる
組成物が提供され、特に好ましい様態によれば、単一の
トリスフェノール類へのヒドロキシベンジル基のヘキサ
付加体を60%以上の純度で含む組成物が提供される。
【0037】本発明によるこのような組成物は、エポキ
シ樹脂の均一硬化反応性にすぐれた硬化剤や、又は非揮
発性で酸化防止能の長期保持性にすぐれた樹脂添加剤と
して、有利に用いることができる。
【0038】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、実施例において、トリスフェルール類とホルム
アルデヒドとの反応生成物の解析は、(株)島津製作所
製SPD−10A高速液体クロマトグラフに(株)島津
製作所製のカラム(Shim pack CLC−ODS(6φ×
150mm)を装着し、溶媒にメチルアルコール、移動相
溶媒にメチルアルコール/0.2%酢酸水を60分でメチ
ルアルコール50%から100%までのリニアグラジエ
ントとし、流量1ml/分、カラム温度50℃、波長28
0nmの条件にて測定した。
【0039】トリスフェノール類へのヒドロキシベンジ
ル基付加体の混合物からなる組成物中の構成成分の割合
は、(株)島津製作所LC−6A型ゲル・パーミエーシ
ョン・クロマトグラフに昭和電工(株)製のカラム(Sh
odex KF-80M を1本、KF-802を一本、KF-802を2本)を
装着し、溶媒にテトラヒドロフランを用いて、0.8m1/
分の条件にて測定した。また、反応中間体及び反応生成
物の同定は、IR及びNMRによって常法に従って行な
った。実施例中の部数は重量部数を示す。
【0040】実施例1 17%水酸化ナトリウム水溶液79部に1,1−ジ(4−
ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4−ヒドロ
キシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エタン42
部を加え、攪拌下に均一に溶解させた後、これに30%
ホルムアルデヒド水溶液73部を1時間かけて滴下し、
更に、7時間攪拌し、反応させた。反応中、温度は40
〜45℃に保った。
【0041】反応終了後、得られた反応混合物にメチル
アルコール68部を加えた後、酢酸で中和し、この後、
4時間攪拌して、析出した結晶を濾過した。得られた結
晶を40%メタノール水溶液68部中、室温にて1時間
リスラリー処理を行なった。この後、このスラリーを濾
過して結晶を得、これを50℃で乾燥させて、結晶41
部を得た。
【0042】この結晶は、NMR分析及びIR分析の結
果、1,1−ジ(4−ヒドロキシ−3,5−ジ(ヒドロキシ
メチル)フェニル−1−〔4−〔2−(4−ヒドロキシ
−3,5−ジ(ヒドロキシメチル)フェニル)−2−プロ
ピル〕フェニル〕エタン(以下、1,1−ジ(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−〔4−〔2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エタンへのメチロ
ール基のヘキサ付加体という。)であることが確認され
た。
【0043】次いで、上記1,1−ジ(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1−〔4−〔2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロピル〕フェニル〕エタンへのメチロール
基のヘキサ付加体30部をメチルアルコール160部及
びフェノール376部に溶解させて、均一な溶液を調製
した。次に、この溶液を攪拌下に30℃以下に保持しな
がら、これに35%塩酸水溶液26部を滴下添加し、添
加終了後、30℃で4時間攪拌して、メチロール基に対
するフェノールの付加縮合反応を進行させた。
【0044】反応終了後、得られた反応混合物に16%
水酸化ナトリウム水溶液63部を加えて中和し、減圧下
で濃縮蒸留を行なって、メチルアルコール、未反応フェ
ノール及び水を合計にて537部を反応系外に留去し
た。次いで、このようにして得られた濃縮蒸留残査11
8部にトルエン80部及び水186部を加え、よく攪拌
して、中和によって生成した塩化ナトリムウを残査中か
ら水層に移行させた後、静置し、分液して、反応生成物
を含むトルエン溶液194部を得た。
【0045】このトルエン溶液を常圧、次いで減圧下に
濃縮蒸留することによって、トルエン、未反応フェノー
ル及び水を合計量にて143部を留去して、1,1−ジ
(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4−
ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エタ
ンへのメチロール基のヘキサ付加体とフェノールとの反
応生成物51部を得た。
【0046】この反応生成物のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーを測定した結果、主成分に該当する化
合物のピーク面積の割合は79%であり、また、そのN
MRを測定した結果、その主成分に該当する化合物は、
1,1−ジ〔4−ヒドロキシ−3,5−ジ〔(ヒドロキシフ
ェニル)メチル〕フェニル〕−1−〔4−〔2−〔4−
ヒドロキシ−3,5−ジ〔(ヒドロキシフェニル)メチ
ル〕フェニル〕−2−プロピル〕フェニル〕エタン、即
ち、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−
〔2−〔4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フ
ェニル〕エタンへのヒドロキシベンジル基のヘキサ付加
体(ヒドロキシベンジル基の水酸基の付加位置は4−位
又は2−位)であることが確かめられた。
【0047】実施例2 実施例1において、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−〔4−〔2−〔4−ヒドロキシフェニル)−
2−プロピル〕フェニル〕エタンに代えて、1,1,1 −ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)メタン29部を用いた
以外は、実施例1と同様にして、37%ホルムアルデヒ
ド水溶液を用いてメチロール化反応を行ない、次いで、
実施例1と同様に後処理して、反応生成物31部を取得
した。この反応生成物は、1,1,1 −トリス〔4−ヒドロ
キシ−3,5−ジ〔(ヒドロキシメチル)フェニル〕メタ
ン(以下、1,1,1 −トリス(4−ヒドロキシフェニル)
メタンへのメチロール基のヘキサ付加体という。)であ
ることがIR及びNMR分析によって確かめられた。
【0048】次いで、上記1,1,1 −トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)メタンへのメチロール基のヘキサ付加体
23部を、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−
〔4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピ
ル〕フェニル〕エタンへのメチロール基のヘキサ付加体
に代えて用いた以外は、実施例1と同様にして、1,1,1
−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンへのメチロ
ール基のヘキサ付加体のメチロール基とフェノールとの
反応を行ない、次いで、実施例1と同様に後処理して、
反応生成物44部を取得した。
【0049】この反応生成物のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーを測定した結果、主成分に該当するピ
ーク面積の割合は80%であり、更に、その主成分は、
1,1,1 −トリス〔〔4−ヒドロキシ−3,5−ジ(ヒドロ
キシフェニル)メチル〕フェニル〕メタン、即ち、1,1,
1 −トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンへのヒド
ロキシベンジル基のヘキサ付加体(ヒドロキシベンジル
基の水酸基の付加位置は4−位又は2−位)であること
がNMR分析より確かめられた。
【0050】実施例3 実施例1において、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−〔4−〔2−〔4−ヒドロキシ)−2−プロ
ピル〕フェニル〕エタンに代えて、1,1,1 −トリス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン30部を用いた以外は、
実施例1と同様にして、37%ホルムアルデヒド水溶液
を用いたメチロール化反応を行ない、次いで、実施例1
と同様に後処理して、反応生成物32部を取得した。
【0051】この反応生成物は、1,1,1 −トリス〔(4
−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチル)フェニル〕
エタン(以下、1,1,1 −トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタンへのメチロール基のヘキサ付加体という。)
であることがIR及びNMR分析によって確かめられ
た。
【0052】次いで、上記1,1,1 −トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタンへのメチロール基のヘキサ付加体
24部を、1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−
〔4−〔2−〔4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピ
ル〕フェニル〕エタンへのメチロール基のヘキサ付加体
に代えて用いた以外は、実施例1と同様にして、1,1,1
−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンへのメチロ
ール基のヘキサ付加体のメチロール基とフェノールとの
反応を行ない、次いで、実施例1と同様に後処理して、
反応生成物45部を取得した。
【0053】この反応生成物のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーを測定した結果、主成分に該当するピ
ーク面積の割合は79%であり、更に、その主成分は1,
1,1−トリス〔4−ヒドロキシ−3,5−ジ〔(ヒドロキ
シフェニル)メチル〕フェニル〕エタン、即ち、、1,1,
1 −トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンへのヒド
ロキシベンジル基のヘキサ付加体(ヒドロキシベンジル
基の水酸基の付加位置は4−位又は2−位)であること
がNMR分析より確かめられた。
【0054】実施例4 実施例1に記載したと同じ方法によって製造した1,1−
ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4
−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エ
タンへのメチロール基のヘキサ付加体30部を用い、フ
ェノールに代えて、o−クレゾール432部を用いた以
外は、実施例1と同様にして、メチロール基に対するo
−クレゾールの付加縮合反応を進行させ、次いで、実施
例1と同様に後処理を行なって、反応生成物55部を取
得した。
【0055】この反応生成物のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーを測定した結果、主成分に該当するピ
ーク面積の割合は70%であり、また、そのNMRを測
定した結果、その主成分に該当する化合物は、1,1−ジ
(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−〔4−
ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エタ
ンへの4−ヒドロキシ−3−メチルベンジル基及び2−
ヒドロキシ−3−メチルベンジル基のヘキサ付加体(両
ベンジル基の和)であることを確かめられた。
【0056】実施例5 実施例1に記載したと同じ方法によって製造した1,1−
ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4
−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エ
タンへのメチロール基のヘキサ付加体30部を用い、フ
ェノールに代えて、2,6キシレノール488部を用いた
以外は、実施例1と同様にして、メチロール基に対する
2,6キシレノールの付加縮合反応を進行させ、次いで、
実施例1と同様に後処理を行なって、反応生成物57部
を取得した。
【0057】この反応生成物のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーを測定した結果、主成分に該当するピ
ーク面積の割合は69%であり、また、そのNMRを測
定した結果、その主成分に該当する化合物は、1,1−ジ
(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4−
ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エタ
ンへの4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル基のヘ
キサ付加体であることが確かめられた。
【0058】実施例6 実施例1に記載したと同じ方法によって製造した1,1−
ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4
−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エ
タンへのメチロール基のヘキサ付加体30部を用い、フ
ェノールに代えて、2,6−ジ−t−ブチルフェノール8
24部を用いた以外は、実施例1と同様にして、メチロ
ール基に対する2,6−ジ−t−ブチルフェノールの付加
縮合反応を進行させ、次いで、実施例1と同様に後処理
を行なって、反応生成物83部を取得した。
【0059】この反応生成物のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーを測定した結果、主成分に該当するピ
ーク面積の割合は64%であり、また、そのNMRを測
定した結果、その主成分に該当する化合物は、1,1−ジ
(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4−
ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エタ
ンへの4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル
基のヘキサ付加体であることが確かめられた。
【0060】実施例7 実施例1に記載したと同じ方法によって製造した1,1−
ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4
−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エ
タンへのメチロール基のヘキサ付加体30部を用い、フ
ェノールに代えて、3−メチル−6−シクロヘキシルフ
ェノール760部を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、メチロール基に対する3−メチル−6−シクロヘキ
シルフェノールの付加縮合反応を進行させ、次いで、実
施例1と同様に後処理して、反応生成物83部を取得し
た。
【0061】この反応生成物のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーを測定した結果、主成分に該当するピ
ーク面積の割合は66%であり、また、そのNMRを測
定した結果、その主成分に該当する化合物は、1,1−ジ
(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4−
ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エタ
ンへの4−ヒドロキシ−2−メチル−5−シクロヘキシ
ルベンジル基及び2−ヒドロキシ−6−メチル−3−シ
クロヘキシルベンジル基のヘキサ付加体(両ベンジル基
の和)であることが確かめられた。
【0062】実施例8 実施例1に記載したと同じ方法によって製造した1,1−
ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4
−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エ
タンへのメチロール基のヘキサ付加体30部を用い、メ
チルアルコールを使わずに、フェノール540部に溶解
させた。
【0063】次いで、このようにして得られた溶液を攪
拌下に30℃以下の温度に保持しながら、これに35%
塩酸水溶液26部を滴下添加し、その添加終了後、反応
系を密封下に40℃で4時間攪拌して、メチロール基に
対するフェノールの付加縮合反応を進行させた。次い
で、反応終了後、実施例1と同様に後処理を行ない、1,
1−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−
(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニ
ル〕エタンへのメチロール基のヘキサ付加体とフェノー
ルとの反応生成物52部を得た。
【0064】この反応生成物のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーを測定した結果、主成分に該当するピ
ーク面積の割合は97%であり、また、そのNMRを測
定した結果、その主成分に該当する化合物は、1,1−ジ
〔4−ヒドロキシ−3,5−ジ〔(ヒドロキシフェニル)
メチル〕フェニル〕−1−〔4−〔2−〔4−ヒドロキ
シ−3,5−ジ〔(ヒドロキシフェニル)メチル〕フェニ
ル〕−2−プロピル〕フェニル〕エタン、即ち、1,1−
ジ(4−ヒドロキシフェニル)−1−〔4−〔2−(4
−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル〕エ
タンへのヒドロキシベンジル基のヘキサ付加体(ヒドロ
キシベンジル基の水酸基の付加位置は4−位又は2−
位)であることが確かめられた。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 〔式中、Xは、 【化2】 よりなる群から選ばれる3価の基を示し、各芳香環上の
    i (i=1〜5、6〜10及び11〜15)の少なく
    とも1つは水酸基を示し、各芳香環上のその水酸基に隣
    接するRi-1 及びRi+1 の少なくとも1つは一般式(I
    I) 【化3】 (式中、Qj (j=1〜5)の少なくとも1つは水酸基
    を示し、残余は水素、低級アルキル基、低級シクロアル
    キル基、又は芳香族基を示す。)で表わされる無置換又
    は置換のヒドロキシベンジル基を示し、前記Ri の残余
    は水素、低級アルキル基、低級シクロアルキル基又は芳
    香族基を示す。〕で表わされるトリスフェノール類への
    ヒドロキシベンジル基付加体の混合物からなり、これら
    トリスフェノール類へのヒドロキシベンジル基付加体の
    1分子当たりの平均のヒドロキシベンジル基の数が3〜
    6の範囲にある混合物からなることを特徴とする組成
    物。
  2. 【請求項2】主成分が1,1,1 −トリス(4−ヒドロキシ
    フェニル)メタンへのヒドロキシベンジル基付加体であ
    る混合物からなることを特徴とする請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】主成分が1,1,1 −トリス(4−ヒドロキシ
    フェニル)エタンへのヒドロキシベンジル基付加体であ
    る混合物からなることを特徴とする請求項1記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】主成分が1,1−ジ(4−ヒドロキシフェニ
    ル)−1−〔4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−
    2−プロピル〕フェニル〕エタンへのヒドロキシベンジ
    ル基付加体である混合物からなることを特徴とする請求
    項1記載の組成物
  5. 【請求項5】主成分がトリスフェノール類への4−ヒド
    ロキシベンジル基付加体及び2−ヒドロキシベンジル基
    付加体である混合物からなることを特徴とする請求項1
    記載の組成物
  6. 【請求項6】主成分がトリスフェノール類への4−ヒド
    ロキシ−3−メチルベンジル基付加体及び2−ヒドロキ
    シ−3−メチルベンジル基付加体である混合物からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の組成物
  7. 【請求項7】主成分がトリスフェノール類への2−ヒド
    ロキシ−5−メチルベンジル基付加体である混合物から
    なることを特徴とする請求項1記載の組成物
  8. 【請求項8】主成分がトリスフェノール類への4−ヒド
    ロキシ−3,5−ジメチルベンジル基付加体である混合物
    からなることを特徴とする請求項1記載の組成物
  9. 【請求項9】主成分がトリスフェノール類への4−ヒド
    ロキシ−3,5−ジ−t−ブチルベンジル基付加体である
    混合物からなることを特徴とする請求項1記載の組成物
  10. 【請求項10】主成分がトリスフェノール類への4−ヒ
    ドロキシ−2−メチル−5−t−ブチルベンジル基付加
    体及び2−ヒドロキシ−6−メチル−3−t−ブチルベ
    ンジル基付加体である混合物からなることを特徴とする
    請求項1記載の組成物
  11. 【請求項11】主成分がトリスフェノール類への2−ヒ
    ドロキシ−5−メチル−3−t−ブチルベンジル基付加
    体である混合物からなることを特徴とする請求項1記載
    の組成物
  12. 【請求項12】主成分がトリスフェノール類への4−ヒ
    ドロキシ−2−メチル−5シクロヘキシルベンジル基付
    加体及び2−ヒドロキシ−6−メチル−3−シクロヘキ
    シルベンジル基基付加体である混合物からなることを特
    徴とする請求項1記載の組成物
  13. 【請求項13】塩基性触媒の存在下に、トリスフェノー
    ル類とホルムアルデヒドとの反応によつてメチロール化
    トリスフェノールを製造し、次いで、酸性触媒の存在下
    に、上記メチロール化トリスフェノールに無置換又は置
    換のフェノール化合物を反応させることを特徴とするト
    リスフェノール類へのヒドロキシベンジル基付加体の混
    合物からなる組成物の製造方法。
JP10547193A 1993-05-06 1993-05-06 トリスフェノールへのヒドロキシベンジル基付加体 Expired - Lifetime JP3534787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10547193A JP3534787B2 (ja) 1993-05-06 1993-05-06 トリスフェノールへのヒドロキシベンジル基付加体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10547193A JP3534787B2 (ja) 1993-05-06 1993-05-06 トリスフェノールへのヒドロキシベンジル基付加体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06312947A true JPH06312947A (ja) 1994-11-08
JP3534787B2 JP3534787B2 (ja) 2004-06-07

Family

ID=14408514

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10547193A Expired - Lifetime JP3534787B2 (ja) 1993-05-06 1993-05-06 トリスフェノールへのヒドロキシベンジル基付加体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3534787B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5900468A (en) * 1997-03-03 1999-05-04 Shell Oil Company Epoxy resin composition
WO2005000597A1 (ja) * 2003-06-25 2005-01-06 Asahi Kasei Chemicals Corporation 記録材料用顕色剤
US7022446B2 (en) 2002-07-15 2006-04-04 Canon Kk Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
CN100446990C (zh) * 2003-06-25 2008-12-31 Chemipro化成株式会社 记录材料用显色剂
JP2010529961A (ja) * 2007-06-04 2010-09-02 ベン グリオン ユニバーシティ オブ ザ ネガフ リサーチ アンド ディベロップメント オーソリティ トリアリール化合物および前記化合物を含む組成物
US7858819B2 (en) 2006-06-09 2010-12-28 Honshu Chemical Industry Co., Ltd. Tris(formylphenyl) and novel polynuclear phenol derived therefrom
WO2012098828A1 (ja) * 2011-01-21 2012-07-26 三菱瓦斯化学株式会社 低分子化合物、感放射線性組成物、およびレジストパターン形成方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5900468A (en) * 1997-03-03 1999-05-04 Shell Oil Company Epoxy resin composition
US7022446B2 (en) 2002-07-15 2006-04-04 Canon Kk Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
WO2005000597A1 (ja) * 2003-06-25 2005-01-06 Asahi Kasei Chemicals Corporation 記録材料用顕色剤
CN100446990C (zh) * 2003-06-25 2008-12-31 Chemipro化成株式会社 记录材料用显色剂
US7858819B2 (en) 2006-06-09 2010-12-28 Honshu Chemical Industry Co., Ltd. Tris(formylphenyl) and novel polynuclear phenol derived therefrom
JP2010529961A (ja) * 2007-06-04 2010-09-02 ベン グリオン ユニバーシティ オブ ザ ネガフ リサーチ アンド ディベロップメント オーソリティ トリアリール化合物および前記化合物を含む組成物
WO2012098828A1 (ja) * 2011-01-21 2012-07-26 三菱瓦斯化学株式会社 低分子化合物、感放射線性組成物、およびレジストパターン形成方法
JPWO2012098828A1 (ja) * 2011-01-21 2014-06-09 三菱瓦斯化学株式会社 低分子化合物、感放射線性組成物、およびレジストパターン形成方法
JP6007793B2 (ja) * 2011-01-21 2016-10-12 三菱瓦斯化学株式会社 低分子化合物、感放射線性組成物、およびレジストパターン形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3534787B2 (ja) 2004-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06312947A (ja) トリスフェノール類へのヒドロキシベンジル基付加体の混合物からなる組成物及びその製造方法
JP4395184B2 (ja) 新規なビス(ヒドロキシベンズアルデヒド)化合物及びそれらから誘導される新規な多核体ポリフェノール化合物及びその製造方法
CN102812060A (zh) 固体甲阶型酚醛树脂及其制造方法
CN102282187B (zh) 酚醛清漆树脂和热固性树脂组合物
JP5476762B2 (ja) フェノール樹脂、該樹脂の製造方法及び該樹脂を含むエポキシ樹脂組成物、ならびにその硬化物
US9102596B2 (en) Method of manufacturing 4,4″-dihydroxy-m-terphenyl
US4102866A (en) Method of making glycidyl ethers of novolak resins
JP4878486B2 (ja) 1,3−ビス(3−ホルミル−4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン類及びそれから誘導される多核体ポリフェノール類
JP4188022B2 (ja) 多価ヒドロキシ樹脂、エポキシ樹脂、それらの製造法、それらを用いたエポキシ樹脂組成物及び硬化物
JPH06313029A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JPH08277235A (ja) 新規なポリフェノール化合物及びその製造方法
JP3604866B2 (ja) フェノ−ルノボラック縮合体の製造方法
KR101828095B1 (ko) 신규한 다핵 폴리(페놀)류
JP3845198B2 (ja) フェノール系樹脂の製造方法
JP4039598B2 (ja) フェノールアラルキル樹脂の製造法
JP2887214B2 (ja) ナフトール化合物、その製造法、エポキシ化合物、組成物及び硬化物
JP2823455B2 (ja) 新規エポキシ樹脂及びその製造方法
JP4093528B2 (ja) 非対称エチリデン多価フェノール類とその製造方法
JPH04316528A (ja) 新規化合物、樹脂、樹脂組成物及び硬化物
JP3614571B2 (ja) 新規なポリフェノール化合物
US20110028752A1 (en) Novel bis(formylphenyl) compound and novel polynuclear polyphenol compound derived from the same
JPH05320290A (ja) ポリヒドロキシ化合物の製造法
CN104513358A (zh) 热固性树脂组合物和将其固化而得的固化物
JP2001064355A (ja) エポキシ樹脂の製造方法
JP2000034247A (ja) ポリフェノール化合物およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040310

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100319

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 9