JP2000034247A - ポリフェノール化合物およびその製造方法 - Google Patents

ポリフェノール化合物およびその製造方法

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JP2000034247A
JP2000034247A JP10201632A JP20163298A JP2000034247A JP 2000034247 A JP2000034247 A JP 2000034247A JP 10201632 A JP10201632 A JP 10201632A JP 20163298 A JP20163298 A JP 20163298A JP 2000034247 A JP2000034247 A JP 2000034247A
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polyphenol compound
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mol
polymethylol
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JP10201632A
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English (en)
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Seiji Takahashi
聖治 高橋
Koshi Ogawa
幸志 小川
Yasuoki Fujikawa
八洲興 藤川
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Showa Highpolymer Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未反応モノマーを除く5核体以下の低分子量
物の含有量の少ない新規なポリフェノール化合物および
その製造方法の提供。 【解決手段】 4,4’−シクロヘキシリデンビスフェ
ノール1モルまたは4,4’−(1−フェニルエチリデ
ン)ビスフェノール1モルと、4から6モルのホルムア
ルデヒドとを、塩基性触媒の存在下に反応させ、得られ
たポリメチロール化合物(A)とフェノール類(B)と
を、酸性触媒の存在下で反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェノール化
合物とその製造方法に関するものである。本発明のポリ
フェノール化合物はエポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂
原料、レジスト分野、および他のフェノール樹脂の使用
が可能な分野に適用できる。
【0002】
【従来の技術】多官能ポリフェノールであるノボラック
樹脂は、エポキシ樹脂と組み合わせて耐熱性の優れた熱
硬化性樹脂として、またそのグリシジルエーテルは多官
能エポキシ樹脂として多用されている。
【0003】従来ノボラック樹脂は、フェノール類とホ
ルムアルデヒドとを酸性触媒の存在下に縮合反応させる
ことにより製造され、用いたフェノール類をメチレン基
で結合した構造を持ち、2核体および3核体以上からな
る分子量分布を持つことはよく知られている。
【0004】またノボラック樹脂およびそのグリシジル
エーテルを用いた熱硬化性樹脂は2核体含有量を低減す
ることにより、より優れた耐熱性、耐湿性を持つ熱硬化
性樹脂になることも知られている。
【0005】従来、2核体含有量を低減するためには、
貧溶媒による分別沈澱法などがあるが、多量の有機溶媒
を使用し、その廃液を処理するなどの問題があり工業的
には有利な方法ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、貧溶媒によ
る分別沈澱法を用いずに、未反応モノマーを除く5核体
以下の低分子量物の含有量の少ない新規なポリフェノー
ル化合物を提供すること、また前記ポリフェノール化合
物の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明らは鋭意研究を続
けた結果、上記のような従来の課題を解決することがで
きた。すなわち本発明は、下記式(1)で示されるポリ
フェノール化合物を提供するものである。
【0008】
【化10】
【0009】式中、R、RおよびRは、それぞれ
独立して、HまたはC1〜C2のアルキル基を表し、
a、b、cおよびdは、それぞれ独立して、0〜3の整
数を表し、e、f、gおよびhは、それぞれ独立して、
0〜2の整数を表し(ただし、e、f、gまたはhが2
の場合は、R、RおよびRのうちの少なくとも1
つはHである)、Xは下記式(i)または(ii)を表
し、Yは下記式(iii)を表し、
【0010】
【化11】
【0011】
【化12】
【0012】
【化13】
【0013】Aは、基
【0014】
【化14】
【0015】あるいは、基
【0016】
【化15】
【0017】を表す。また本発明は、下記式(2)で示
される4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール1
モルまたは下記式(3)で示される4,4’−(1−フ
ェニルエチリデン)ビスフェノール1モルと、4から6
モルのホルムアルデヒドとを、塩基性触媒の存在下に反
応させ、得られたポリメチロール化合物(A)と下記式
(4)で示されるフェノール類(B)の1種類または2
種類以上とを、酸性触媒の存在下で反応させて得られた
ポリフェノール化合物を提供するものである。
【0018】
【化16】
【0019】
【化17】
【0020】
【化18】
【0021】式中、R、RおよびRは、それぞれ
独立して、HまたはC1〜C2のアルキル基を表す。さ
らに本発明は、前記の式(2)で示される4,4’−シ
クロヘキシリデンビスフェノール1モルまたは前記の式
(3)で示される4,4’−(1−フェニルエチリデ
ン)ビスフェノール1モルと、4から6モルのホルムア
ルデヒドとを、塩基性触媒の存在下に反応させ、得られ
たポリメチロール化合物(A)と前記の式(4)で示さ
れるフェノール類(B)の1種類または2種類以上と
を、酸性触媒の存在下で反応させることを特徴とするポ
リフェノール化合物の製造方法を提供するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】上記式(1)で示される本発明の
ポリフェノール化合物は、上記式(2)で示される4,
4’−シクロヘキシリデンビスフェノールまたは上記式
(3)で示される4,4’−(1−フェニルエチリデ
ン)ビスフェノールを、塩基性触媒の存在下、ホルムア
ルデヒドと反応させ、得られたポリメチロール化合物
(A)と上記式(4)で示されるフェノール類(B)と
を酸性触媒の存在下に反応させることにより得られる。
得られたポリフェノール化合物は、5核体以下の低分子
量物の含有量が少ない(未反応モノマーを除く)。
【0023】ポリメチロール化合物(A)は、4,4’
−シクロヘキシリデンビスフェノール1モル、または
4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール
1モルに対し、4〜6モルのホルムアルデヒドを加え、
塩基性触媒の存在下、無溶媒または溶媒中で反応させ、
反応終了後、酸性化合物で中和し、必要に応じて更に中
和塩を水等で洗浄し、その後未反応ホルムアルデヒド、
水等を減圧下除去して得られる。また得られたポリメチ
ロール化合物(A)は、溶媒で溶解し溶液として得ても
よい。
【0024】次に、得られたポリメチロール化合物
(A)とフェノール類(B)とを酸性触媒の存在下、無
溶媒または有機溶媒中で反応し、その後未反応フェノー
ル類、水等を減圧下除去しポリフェノール化合物が得ら
れる。
【0025】ポリメチロール化合物(A)を合成する際
のホルムアルデヒドとして、ホルマリン、パラホルムア
ルデヒド、トリオキサン、ポリオキシメチレン等を挙げ
ることが出来るが、これらに限定されるものではない。
ホルムアルデヒド源は単独、または2種類以上を用いて
もかまわない。
【0026】これらのホルムアルデヒド源の中でホルマ
リン、パラホルムアルデヒドが好ましく、特にホルマリ
ンがより好ましい。
【0027】上記において、ポリメチロール化合物
(A)を合成する際のホルムアルデヒドの添加量を4〜
6モルとした理由は、ホルムアルデヒドが4モル未満で
は、テトラメチロール体が少なくなり、逆に6モルを超
えると、過剰のホルムアルデヒドの除去に手間がかか
り、コスト的に問題があるからである。好適なホルムア
ルデヒドの添加量は、4〜5モルの範囲である。
【0028】ポリメチロール化合物(A)を合成する際
の塩基性触媒として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸
化マグネシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属
水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ
金属炭酸塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の
3級アミン、ピリジン等を挙げることが出来るが、これ
らに限定されるものではない。塩基性触媒は単独、また
は2種類以上を用いてもかまわない。
【0029】これら塩基性触媒の中でアルカリ金属水酸
化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩
等が好ましく、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウ
ムがより好ましい。
【0030】ポリメチロール化合物(A)を合成する際
の反応温度は、30〜120℃が好ましく、40〜70
℃がより好ましい。
【0031】ポリメチロール化合物(A)を合成する際
の反応時間は、30分から10時間が好ましく、1時間
から8時間がより好ましい。
【0032】ポリメチロール化合物(A)を合成する際
に用いることが出来る反応溶媒としては、実質的に反応
に関与しない溶媒であれば特に限定はされない。具体的
には、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルイソブチ
ルケトンなどが挙げられるがこれらに限定されるもので
はない。溶媒は単独、または2種類以上を用いてもかま
わない。
【0033】ポリメチロール化合物(A)を合成する際
の中和に用いることが出来る酸性化合物として、塩酸、
硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、シュウ酸等の有機酸等
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。酸性
化合物は単独、または2種類以上を用いてもかまわな
い。
【0034】ポリメチロール化合物(A)を溶解する際
に用いることが出来る溶剤として、メタノール、エタノ
ール、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルイソブチ
ルケトン、酢酸エチルにどが挙げられるがこれらに限定
されるものではない。溶媒は単独、または2種類以上を
用いてもかまわない。
【0035】ポリフェノール化合物を合成する際のポリ
メチロール化合物(A)中のメチロール基に対するフェ
ノール類(B)の比率は、ポリメチロール化合物(A)
中のメチロール基/フェノール類(B)が、モル比で1
/0.5〜1/15の範囲である。この範囲よりモル比
が大きいと高分子量物の生成する割合が増大し、時にゲ
ル状となり、実質的に製造不可能となることがある。ま
た逆に1/15より小さくなると、工業的には未反応原
料が多く容積効率が悪くなるため、コスト的に不利にな
る傾向がある。
【0036】ポリフェノール化合物を合成する際のフェ
ノール類(B)は、上記式(4)で示される化合物を用
いることができるが、具体的には、フェノール、o−ク
レゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾ
ール類、2,3−キシレノール、2,4−キシレノー
ル、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、
3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシ
レノール類、o−エチルフェノール、m−エチルフェノ
ール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類、
2,3,4−トリメチルフェノール、2,3,5−トリ
メチルフェノール、2,4,5−トリメチルフェノー
ル、3,4,5−トリメチルフェノール等のトリメチル
フェノール類等のフェノール類を示すことが出来る。
【0037】また上記の様なフェノール類(B)は単
独、または2種類以上を用いてもかまわない。
【0038】これらの中で、フェノール、クレゾール
類、キシレノール類等が好ましい。
【0039】ポリフェノール化合物を合成する際の酸性
触媒として、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、シ
ュウ酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸等が挙げら
れるがこれらに限定されるものではない。酸性触媒は単
独、または2種類以上を用いてもかまわない。
【0040】ポリフェノール化合物を合成する際の反応
温度は、50〜180℃が好ましく、80〜150℃が
より好ましい。
【0041】ポリフェノール化合物を合成する際の反応
時間は、30分〜10時間が好ましく、1時間〜8時間
がより好ましい。
【0042】ポリフェノール化合物を合成する際の用い
ることが出来る反応溶媒として、実質的に反応に関与し
ない溶媒であれば特に限定はされない。具体的には、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン
などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
溶媒は単独、または2種類以上を用いてもかまわない。
【0043】このようにして、本発明のポリフェノール
化合物が合成される。得られるポリフェノール化合物
は、上記式(1)で表される。本発明のポリフェノール
化合物は、エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂原料、レ
ジスト分野、および他のフェノール樹脂の使用が可能な
分野に適用できる。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限を受け
るものではない。
【0045】(ポリメチロール化合物(A)の合成)
4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール1000
g(3.73mol)、水300g、37%ホルマリン
1210g(14.92mol)を5Lセパラブルフラ
スコに仕込み40℃以下に保ちながら25%水酸化ナト
リウム水溶液225gを添加した。添加終了後50℃で
6時間反応した。反応終了後40℃まで冷却し37.5
%燐酸水溶液でpH3まで中和した。その後静置し水層
を分離した。分離後メチルイソブチルケトン600gを
仕込み溶解させた。溶液が均一になった後水2370g
を仕込み撹拌、静置後水層3150gを分離した。同様
な水洗を更に2回繰り返した。水洗終了後、50℃以下
で減圧下水、溶媒等を除去した。得られたポリメチロー
ル化合物をメタノール800gに溶解し、メタノール溶
液2250gを得た。得られたメタノール溶液をポリメ
チロール化合物(A)とした。ポリメチロール化合物
(A)の一部を採取し真空乾燥機中室温で乾燥したとこ
ろ、固形分が62.6%、また、NMRによる分析の結
果メチロール量19.2%であった。
【0046】(実施例1)ポリメチロール化合物(A)
332g、メタクレゾール200g(1.85mol)
を、1Lセパラブルフラスコに仕込み、50℃以下の温
度で減圧しメタノールを除去した。その後シュウ酸4g
を加え100℃で4時間反応した。反応終了後180℃
まで常圧で水等を除去、その後180℃、30mmHg
で減圧し未反応モノマー等を除去した。
【0047】得られたポリフェノール化合物をポリフェ
ノール化合物(A)とした。ポリフェノール化合物
(A)の軟化点(ボールアンドリング法)は160℃、
未反応モノマーを除く5核体以下の割合(GPCで測
定)は3.8%であった。
【0048】また、ポリフェノール化合物(A)につい
てGPC測定を行った。測定結果を図1に示す。このG
PCチャートの30.125分の6核体のピーク面積より、6
核体の割合は18.3%であることが分かった。
【0049】また、ポリフェノール化合物(A)につい
て構造確認のためH−NMRによる測定を行った。結
果を図2に示す。図2において、(ジメチルスルオキシ
ド)δ:1.2ppm(brs、6.0H、シクロヘキ
シル環メチレン);1.5〜2.4ppm(m、16.
0H、シクロヘキシル環メチレンおよび芳香族メチ
ル);3.1〜4.3ppm(m、10.5H、メチレ
ン);6.1〜7.1ppm(m、17.1H、フェニ
ル);7.7〜10.0ppm(m、6.2H、フェノ
ール性水酸基)である。なお、特記しない限り、以下の
実施例および比較例については、すべて同様の確認を行
っている。
【0050】(実施例2)ポリメチロール化合物(A)
を310g用い、メタクレゾールの代わりにフェノール
200g(2.13mol)を用いたこと以外は、実施
例1を繰り返した。得られたポリフェノール化合物を
(B)とした。ポリフェノール化合物(B)の軟化点
(ボールアンドリング法)は145℃、未反応モノマー
を除く5核体以下の割合(GPCで測定)は3.2%で
あった。
【0051】(実施例3)ポリメチロール化合物(A)
310gに変更したこと以外は、実施例1を繰り返し
た。得られたポリフェノール化合物をポリフェノール化
合物(C)とした。ポリフェノール化合物(C)の軟化
点(ボールアンドリング法)が150℃、未反応モノマ
ーを除く5核体以下の割合(GPCで測定)が3.5%
であった。
【0052】(実施例4)フェノールの代わりにオルソ
クレゾール200g(1.85mol)を用いたこと以
外は、実施例2を繰り返した。得られたポリフェノール
化合物をポリフェノール化合物(D)とした。ポリフェ
ノール化合物(D)の軟化点(ボールアンドリング法)
が135℃、未反応モノマーを除く5核体以下の割合
(GPCで測定)が3.4%であった。
【0053】(実施例5)フェノールの代わりにパラク
レゾール200g(1.85mol)を用いたこと以外
は、実施例2を繰り返した。得られたポリフェノール化
合物をポリフェノール化合物(E)とした。ポリフェノ
ール化合物(E)の軟化点(ボールアンドリング法)が
150℃、未反応モノマーを除く5核体以下の割合(G
PCで測定)が3.7%であった。
【0054】(比較例1)フェノール200g(2.1
3mol)、37%ホルマリン147g(1.81mo
l)を1Lセパラブルフラスコに仕込み、シュウ酸4g
を加え100℃で10時間反応した。反応終了後180
℃まで常圧で水等を除去、その後180℃、30mmH
gで減圧し未反応モノマー等を除去した。得られたフェ
ノールノボラック樹脂をノボラック樹脂(A)とした。
ノボラック樹脂(A)の軟化点(ボールアンドリング
法)が125℃、未反応モノマーを除く5核体以下の割
合(GPCで測定)が20.0%であった。
【0055】(比較例2)反応原料をメタクレゾール1
10g(1.02mol)、パラクレゾール90g
(0.83mol)、37%ホルマリン104g(1.
28mol)に変更したこと以外は、比較例1を繰り返
した。得られたクレゾールノボラック樹脂をノボラック
樹脂(B)とした。ノボラック樹脂(B)の軟化点(ボ
ールアンドリング法)が150℃、未反応モノマーを除
く5核体以下の割合(GPCで測定)が17.9%であ
った。
【0056】実施例1〜5と比較例1〜2から明らかな
ように、実施例1〜5は未反応モノマーを除く5核体以
下の含有割合が全て5%以下である。
【0057】また実施例3、5と比較例2は、同じ軟化
点を有しているが未反応モノマーを除く5核体以下の含
有割合が実施例3、5が3.5〜3.7%、比較例2が
17.9%の含有割合である。
【0058】以上のことにより、塩基性触媒の存在下、
4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノールとホルム
アルデヒドとを反応し得られたポリメチロール化合物
(A)を、酸性触媒の存在下、フェノール類(B)と反
応させることにより、未反応モノマーを除く5核体以下
の低分子量含有量の少ない高い軟化点のポリフェノール
化合物を製造することが出来る。
【0059】(ポリメチロール化合物(A2)の合成)
4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール
1000g(3.45mol)、水300g、37%ホ
ルマリン1120g(13.81mol)を5Lセパラ
ブルフラスコに仕込み40℃以下に保ちながら25%水
酸化ナトリウム水溶液225gを添加した。添加終了後
50℃で6時間反応した。反応終了後40℃まで冷却し
37.5%燐酸水溶液でpH3まで中和した。その後静
置し水層を分離した。分離後メチルイソブチルケトン6
00gを仕込み溶解させた。溶液が均一になった後水2
200gを仕込み撹拌、静置後水層2500gを分離し
た。同様な水洗を更に2回繰り返した。水洗終了後、5
0℃以下で減圧下水、溶媒等を除去した。得られたポリ
メチロール化合物をメタノール1000gに溶解し、メ
タノール溶液2420gを得た。得られたメタノール溶
液をポリメチロール化合物(A2)とした。ポリメチロ
ール化合物(A2)の一部を採取し真空乾燥機中室温で
乾燥したところ、固形分が67.0%、また、NMRに
よる分析の結果メチロール量19.8%であった。
【0060】(実施例6)ポリメチロール化合物(A
2)304g、メタクレゾール200g(1.85mo
l)を、1Lセパラブルフラスコに仕込み、50℃以下
の温度で減圧しメタノールを除去した。その後シュウ酸
4gを加え100℃で4時間反応した。反応終了後18
0℃まで常圧で水等を除去、その後180℃、30mm
Hgで減圧し未反応モノマー等を除去した。
【0061】得られたポリフェノール化合物をポリフェ
ノール化合物(F)とした。ポリフェノール化合物
(F)の軟化点(ボールアンドリング法)は157℃、
未反応モノマーを除く5核体以下の割合(GPCで測
定)は4.0%であった。
【0062】(実施例7)ポリメチロール化合物(A
2)を284g用い、メタクレゾールの代わりにフェノ
ール200g(2.13mol)を用いたこと以外は、
実施例1を繰り返した。得られたポリフェノール化合物
を(G)とした。ポリフェノール化合物(G)の軟化点
(ボールアンドリング法)は147℃、未反応モノマー
を除く5核体以下の割合(GPCで測定)は3.4%で
あった。
【0063】(実施例8)ポリメチロール化合物(A
2)284gに変更したこと以外は、実施例6を繰り返
した。得られたポリフェノール化合物をポリフェノール
化合物(H)とした。ポリフェノール化合物(H)の軟
化点(ボールアンドリング法)が152℃、未反応モノ
マーを除く5核体以下の割合(GPCで測定)が3.7
%であった。また、ポリフェノール化合物(H)につい
てGPC測定を行った。測定結果を図3に示す。このG
PCチャートの30.213分の6核体のピーク面積より、6
核体の割合は24.6%であることが分かった。また、構造
確認のためH−NMRによる測定を行った。結果を図
4に示す。
【0064】図4において、(ジメチルスルオキシド)
δ:1.4〜2.8ppm(m、15.5H、脂肪族お
よび芳香族メチル);3.1〜4.2ppm(m、1
0.0H、メチレン);6.0〜7.4ppm(m、2
3.6H、フェニル);7.9〜10.0ppm(m、
6.0H、フェノール性水酸基)である。
【0065】(実施例9)フェノールの代わりにオルソ
クレゾール200g(1.85mol)を用いたこと以
外は、実施例7を繰り返した。得られたポリフェノール
化合物をポリフェノール化合物(J)とした。ポリフェ
ノール化合物(J)の軟化点(ボールアンドリング法)
が137℃、未反応モノマーを除く5核体以下の割合
(GPCで測定)が3.6%であった。
【0066】(実施例10)フェノールの代わりにパラ
クレゾール200g(1.85mol)を用いたこと以
外は、実施例7を繰り返した。得られたポリフェノール
化合物をポリフェノール化合物(K)とした。ポリフェ
ノール化合物(K)の軟化点(ボールアンドリング法)
が151℃、未反応モノマーを除く5核体以下の割合
(GPCで測定)が3.8%であった。
【0067】実施例6〜10から明らかなように、実施
例6〜10は未反応モノマーを除く5核体以下の含有割
合が全て5%以下である。
【0068】また実施例8、10と比較例2は、同じ軟
化点を有しているが未反応モノマーを除く5核体以下の
含有割合が実施例8、10が3.7〜3.8%、比較例
2が17.9%の含有割合である。
【0069】以上のことにより、塩基性触媒の存在下、
4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール
とホルムアルデヒドとを反応し得られたポリメチロール
化合物(A2)を、酸性触媒の存在下、フェノール類
(B)と反応させることにより、未反応モノマーを除く
5核体以下の低分子量含有量の少ない高い軟化点のポリ
フェノール化合物を製造することが出来る。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、貧溶媒による分別沈澱
法を用いずに、未反応モノマーを除く5核体以下の低分
子量物の含有量の少ない新規なポリフェノール化合物お
よびその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において、ポリフェノール化合物
(A)のGPC測定を行った結果を示す図である。
【図2】実施例1において、ポリフェノール化合物
(A)のH−NMRの分析結果を示す図である。
【図3】実施例8において、ポリフェノール化合物
(H)のGPC測定を行った結果を示す図である。
【図4】実施例8において、ポリフェノール化合物
(H)のH−NMRの分析結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AB46 AB76 AC21 AC25 AC41 BA66 BA69 BC31 FC22 FC52 FE13 4H039 CA11 CA41 CA60 CD10 CD30 CF30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で示されるポリフェノール
    化合物。 【化1】 式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、H
    またはC1〜C2のアルキル基を表し、a、b、cおよ
    びdは、それぞれ独立して、0〜3の整数を表し、e、
    f、gおよびhは、それぞれ独立して、0〜2の整数を
    表し(ただし、e、f、gまたはhが2の場合は、
    、RおよびRのうちの少なくとも1つはHであ
    る)、Xは下記式(i)または(ii)を表し、Yは下
    記式(iii)を表し、 【化2】 【化3】 【化4】 Aは、基 【化5】 あるいは、基 【化6】 を表す。
  2. 【請求項2】 下記式(2)で示される4,4’−シク
    ロヘキシリデンビスフェノール1モルまたは下記式
    (3)で示される4,4’−(1−フェニルエチリデ
    ン)ビスフェノール1モルと、4から6モルのホルムア
    ルデヒドとを、塩基性触媒の存在下に反応させ、得られ
    たポリメチロール化合物(A)と下記式(4)で示され
    るフェノール類(B)の1種類または2種類以上とを、
    酸性触媒の存在下で反応させて得られたポリフェノール
    化合物。 【化7】 【化8】 【化9】 式中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、H
    またはC1〜C2のアルキル基を表す。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の式(2)で示される
    4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール1モルま
    たは請求項2に記載の式(3)で示される4,4’−
    (1−フェニルエチリデン)ビスフェノール1モルと、
    4から6モルのホルムアルデヒドとを、塩基性触媒の存
    在下に反応させ、得られたポリメチロール化合物(A)
    と請求項2に記載の式(4)で示されるフェノール類
    (B)の1種類または2種類以上とを、酸性触媒の存在
    下で反応させることを特徴とするポリフェノール化合物
    の製造方法。
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