JP2004277358A - ビスフェノールモノアルデヒド化合物及びその製造方法並びにこれを用いたテトラキスフェノール化合物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フェノール性水酸基の反応性の違いを利用して特定の部位をエステル化することができるテトラキスフェノール化合物及び該化合物の製造方法並びにその原料のビスフェノールモノアルデヒド化合物及びその製造方法の提供。
【解決手段】下記一般式(1):
【化1】
[式中、X1は下記一般式(2):
【化2】
(RはそれぞれC1〜C6の直鎖状若しくは分枝状またはC3〜C6の環状アルキル基、フェニル基、ハロゲンを表す)で示されるフェノール類の反応残基を表し、Yはフェニレンまたは−(CH2)n−(n=0〜4)を表す]で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物。下記一般式(3)
【化3】
[式中、X2はフェノール類の反応残基(ただし、該フェノール類の反応残基がX1=X2となる場合を除く)を表す]で示されるテトラキスフェノール化合物。
【選択図】 なし
【解決手段】下記一般式(1):
【化1】
[式中、X1は下記一般式(2):
【化2】
(RはそれぞれC1〜C6の直鎖状若しくは分枝状またはC3〜C6の環状アルキル基、フェニル基、ハロゲンを表す)で示されるフェノール類の反応残基を表し、Yはフェニレンまたは−(CH2)n−(n=0〜4)を表す]で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物。下記一般式(3)
【化3】
[式中、X2はフェノール類の反応残基(ただし、該フェノール類の反応残基がX1=X2となる場合を除く)を表す]で示されるテトラキスフェノール化合物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビスフェノールモノアルデヒド化合物及びその製造方法、並びにテトラキスフェノール化合物及びその製造方法に関する。更に詳しく言えば、ジアルデヒド類の片側のホルミル基のみに一般式(2)で示されるフェノール類を導入することで得られる一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物及びその製造方法、並びに一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物にフェノール類を導入することで得られる一般式(3)で示されるテトラキスフェノール化合物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テトラキスフェノール化合物は、集積回路の封止材料、積層材料、電気絶縁材料等に用いられるエポキシ樹脂の原料、エポキシ樹脂の硬化剤、感熱記録に用いられる顕色剤や退色防止剤、電子材料や感光性材料の原料等として有用に用いられており、また、酸化防止剤、殺菌剤、防菌防黴剤等の添加剤、包接化合物としても広く有用に用いられている。
【0003】
この様なテトラキスフェノール化合物として、例えば特開平05−249665号公報では、α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェノール)−p−キシレンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−(及び/又は−4−)スルホニルクロライドとを反応させて得られる感光物、及びアルカリ可溶性樹脂とを含有することを特徴とするポジ型フォトレジスト組成物が、解像性が極めて良好であることを報告されている。このα,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェノール)−p−キシレンは、テレフタルアルデヒドとフェノールを反応させた放射状テトラキスフェノール類である。
【0004】
また、この様なテトラキスフェノール化合物の製造方法に関して種々の報告がなされており、その一つとしてフェノールとグリオキザールとを反応させたテトラキスフェノールエタンの製造方法(特開平10−87537)が報告されている。これは、フェノール類とグリオキザールとを、フェノール類に対して5重量%以上のアセトンの共存下に酸触媒を用いて60℃以下の温度で反応させることで、グリオキザール中の二つのホルミル基に同一のフェノール類を導入しテトラキスフェノール化合物を合成する方法を提唱している。
【0005】
近年、半導体集積回路の高集積化が求められている中で、このようなテトラキスフェノールは、半導体集積回路の形成に用いられるフォトレジスト用感光剤の原料として使用されている。フォトレジスト用感光剤は、ポリフェノール化合物とナフトキノンジアジド化合物(感光基)とを反応させてエステル化したものであり、これらのポリフェノール化合物中でもテトラキスフェノール化合物が、性能的に優れていることから有用に用いられている。
【0006】
しかしながら、上記で示されているテトラキスフェノール化合物は、ジアルデヒド類に四つの同一のフェノール類が反応した構造の化合物であり、それぞれのフェノール性水酸基の反応性に差はなく、選択的なエステル化をすることができないため、高度な要求に応じたフォトレジスト用感光剤を設計するのは困難である。
【0007】
また、一般的なテトラキスフェノール化合物はフェノール類とジアルデヒド類との縮合反応により製造することができるが、一般にジアルデヒド類は、フェノール類に対し極めて高い反応性を有するため、高次縮合物の生成を伴う樹脂化を生じ易く、高純度のテトラキスフェノール化合物を製造することは困難であった。また、得られる樹脂状の反応生成物は、種々の分子量を有する混合物であり、しかも構造的にも不明確であるため、フォトレジスト用感光剤の原料として用いた場合、ナフトキノンジアジド化合物(感光基)との部分的かつ選択的なエステル化など、高度の性能改善を目指した繊細な分子設計要求を満たすことができないばかりか、バラツキが非常に大きいという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平05−249665号公報
【特許文献2】
特開平10−87537号公報
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記のような先行技術の有する問題点を解決すると共に、フォトレジスト用感光剤を設計する場合等において有用である、フェノール性水酸基の反応性の違いを利用して特定の部位をエステル化することができるテトラキスフェノール化合物及び該化合物を高純度で製造する方法並びにその原料であるビスフェノールモノアルデヒド化合物及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、酸性触媒の存在下、フタルアルデヒド類またはOHC−(CH2)n−CHO(n=0〜4)で示されるジアルデヒド類と下記一般式(2):
【化4】
(式中、RはそれぞれC1〜C6の直鎖状若しくは分枝状またはC3〜C6の環状アルキル基、フェニル基、ハロゲンを表す)
で示されるフェノール類とを、一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒中で反応させることにより、本発明のテトラキスフェノール化合物の原料である下記一般式(1):
【化5】
(式中、X1は上記一般式(2)で示されるフェノール類の反応残基を表し、Yはo−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレンまたは−(CH2)n−(n=0〜4)を表す)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物を、テトラキスフェノール化を抑制しつつ高純度で製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
また、酸触媒の存在下、前記ビスフェノールモノアルデヒド化合物を用いて任意のフェノール類(ただし、該フェノール類の反応残基がX1=X2となる場合を除く)とを反応させることにより、下記一般式(3)
【化6】
[式中、X2は任意のフェノール類の反応残基(ただし、該フェノール類の反応残基がX1=X2となる場合を除く)を表す]
で示されるテトラキスフェノール化合物を高純度で容易に得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、酸性触媒の存在下、フタルアルデヒド類またはOHC−(CH2)n−CHO(n=0〜4)で示されるジアルデヒド類と一般式(2)で示されるフェノール類とを一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒中で反応させることを特徴とする一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物及びその製造方法である。
【0013】
さらに、本発明は、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物と任意のフェノール類(ただし、該フェノール類の反応残基がX1=X2となる場合を除く)とを酸触媒の存在下、反応させることを特徴とする一般式(3)で示されるテトラキスフェノール化合物及びその製造方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において一般式(2)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物の製造に用いられるフェノール類は、酸性触媒の存在下、ジアルデヒド類と、一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒中で穏和な条件下で反応させることにより、結晶性が高く有機溶媒より析出するビスフェノールモノアルデヒド化合物を生成するものであり、一般式(2)で示されるp−置換フェノール(P1)、2,4−ジ置換フェノール(P2)、2,5−ジ置換フェノール(P3)、2,6−ジ置換フェノール(P4)、2,3,5−トリ置換フェノール(P5)、2,3,6−トリ置換フェノール(P6)、2,3,5,6−テトラ置換フェノール(P7)、4−置換カテコール(P8)、4−置換レゾルシノール(P9)(置換基RはそれぞれC1〜C6の直鎖状若しくは分枝状またはC3〜C6の環状アルキル基、フェニル基、ハロゲンを表す)が用いられる。例としては、p−クレゾール、p−エチルフェノール、p−sec−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−シクロへキシルフェノール、p−フェニルフェノール、p−クロロフェノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−イソプロピル−4−メチル−フェノール、チモール、2−イソプロピル−6−メチル−フェノール、2−tert−ブチル−4−メチル−フェノール、2−tert−ブチル−5−メチル−フェノール、2−tert−ブチル−6−メチル−フェノール、4−メチルカテコール、4−メチルレゾルシン、4−クロロレゾルシンなどを挙げることができ、これらの中でも、一官能性フェノール類である2,4−ジ置換フェノール(P2)、2,6−ジ置換フェノール(P4)、2,3,6−トリ置換フェノール(P6)、2,3,5,6−テトラ置換フェノール(P7)、これらに代表される2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5,6−テトラメチルフェノールなどは、反応点が一箇所しかないため、高次縮合化がおこりにくく、特に好ましい。また、p−クレゾール、2,5−キシレノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノールなども生成したビスフェノールモノアルデヒド化合物の結晶性が高いため、高純度で得られ特に好ましい。
【0015】
本発明において一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物の製造に用いられるジアルデヒド類は、全てのフタルアルデヒド類及び、OHC−(CH2)n−CHO(n=0〜4)が用いられ、例えばフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、グリオキザール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒドなどが挙げられる。
【0016】
上記一般式(2)で示されるフェノール類とジアルデヒド類との使用割合は通常、ジアルデヒド類に対するフェノール類のモル比が1.6〜3.6の範囲で用いられることが好ましい。モル比が1.6未満では、ジアルデヒド類の反応が完結せず系内に多量残留し、未反応ジアルデヒド類の除去に労力とコストがかかる。逆にモル比が3.6以上では高次縮合化が起こりやすく、純度が低下する傾向があり、また残留フェノール類の除去に労力とコストを要し、経済的に不利であるので好ましくない。収率及び経済性などの面を考慮すると、1.8〜3.4の範囲が好ましい。
【0017】
本発明において一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物の製造に用いられる有機溶媒は一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)に対しては貧溶媒であるものが用いられる。この溶媒は、反応の過程で目的とする一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物の他に生成する副生成物に対しても良溶媒として働くことが望ましい。つまり、この溶媒は、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対してのみ貧溶媒として作用することが望ましい。具体例としては、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどが適宜使用されるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも特にビスフェノールモノアルデヒド化合物の結晶析出の観点から、ジアルデヒド類としてフタルアルデヒド類を使用する場合には、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素系化合物が好ましく、OHC−(CH2)n−CHO(n=0〜4)を使用する場合には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類が好ましい。有機溶媒の使用量は、フェノール類100質量部に対して、2000質量部〜100質量部が好ましく、さらに好ましくは1000質量部〜150質量部で用いられることが好ましい。2000質量部を超えると、ビスフェノールモノアルデヒド化合物の結晶が析出しにくく、高次縮合物ができてしまう。又、100質量部未満では原料であるジアルデヒド類が溶解しなくなるため反応が効率的に進まなくなる、反応系の粘度が上昇し攪拌がしづらくなるなどの問題が生ずる。
【0018】
一般式(2)で示されるフェノール類とジアルデヒド類を反応させて一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物を合成するのに用いられる酸触媒としては、例えばシュウ酸、フェノールスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸、強酸性イオン交換樹脂などの樹脂酸、硫酸、塩酸、りん酸、過塩素酸などの無機酸などを挙げることができる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、メルカプト酢酸のような助触媒を用いてもよい。酸触媒の使用量は、通常使用されている範囲を選ぶことができ特に制限はないが、一般的にはフェノール類に対して、0.5〜50質量%の範囲内である。
【0019】
次に、本発明のビスフェノールモノアルデヒド化合物の製造方法について説明する。まず、一般式(2)で示されるフェノール類とジアルデヒド類とを一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒に加温溶解し、酸触媒を加え、所定温度で反応が終了するまで行う。反応温度は、高次縮合物の生成を抑えて収率を高めるために、0〜60℃の範囲で行うことが好ましく、さらには15〜45℃の範囲が好ましい。反応温度が60℃を超えると高次縮合物の生成量が多くなり、残存しているホルミル基と反応生成物を形成して収率が低下する傾向があり、逆に反応温度が0℃未満であると反応速度が遅くなって反応が進まなくなる。反応時間は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCとする)により、反応がこれ以上進行しないことが確認されるまで行われるが、一般式(2)で示されるフェノール類とジアルデヒド類との使用割合、酸触媒の種類及び量、反応温度などにより左右され、一般的には1〜48時間の範囲内である。反応中及び反応後0℃付近まで冷却することで、結晶性の高いビスフェノールモノアルデヒド化合物は析出し、反応系外に出る。析出したビスフェノールモノアルデヒド化合物は濾過し、得られた粗結晶を精製することで、ジアルデヒド類の片側のホルミル基のみが反応した一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物を得ることができる。上記反応は、周囲環境圧下に実施できる。
【0020】
次に、本発明のテトラキスフェノール化合物について説明する。本発明において一般式(3)で示されるテトラキスフェノール化合物の製造に用いられるフェノール類は、ビスフェノールモノアルデヒド化合物を製造する際に用いたフェノール類以外のものであれば何れであっても良い。即ち、一般式(2)で規定するフェノールを含めて、フェノール類の反応残基がX1=X2とならないような任意のフェノール類を用いることができる。一般式(2)で規定するフェノール類以外のフェノール類としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、2,3−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシン、2−メチルレゾルシンなどが挙げられる。勿論、使用すべきX1及びX2に係るそれぞれのフェノールの組み合わせは、得られたテトラキスフェノール化合物の各フェノール類の反応残基に係る反応性が異なることが重要である点を考慮して決定すべきである。フェノール類の使用量は、ビスフェノールモノアルデヒド化合物に対して当量または過剰量のフェノール類を用いれば良い。例えば、ビスフェノールモノアルデヒド化合物1モルに対してフェノール類を2モル〜30モル程度用いれば良い。
【0021】
テトラキスフェノール化合物を合成する過程において、ビスフェノールモノアルデヒド化合物が、反応に用いられるフェノール類に完全に溶解するのであれば、溶媒は特に使用する必要はないが、反応に用いられるフェノール類が固体である場合またはビスフェノールモノアルデヒド化合物がフェノール類に完全に溶解しない場合は、溶媒を用いる必要がある。かかる溶媒は、反応に用いるフェノール類やビスフェノールモノアルデヒド化合物の種類、得られるテトラキスフェノール化合物の析出性、反応条件、反応後の精製方法、反応の経済性等を考慮して、適宜に選択されるが、例えばトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系化合物、純水、THF、メタノールなどの低級アルコール類などが挙げられる。これらの溶媒は単独でも又混合溶媒としても使用可能である。
【0022】
テトラキスフェノール化合物を合成するのに用いられる酸触媒としては、例えばシュウ酸、フェノールスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸、強酸性イオン交換樹脂などの樹脂酸、硫酸、塩酸、りん酸、過塩素酸などの無機酸などを挙げることができる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。酸触媒の使用量は、通常使用されている範囲を選ぶことができ特に制限はないが、一般的にはフェノール類に対して、0.5〜50質量%の範囲内である。
【0023】
次に、本発明のテトラキスフェノール化合物の製造方法について説明する。まず、任意のフェノール類とビスフェノールモノアルデヒド化合物、必要に応じて溶媒を用いて加温溶解し、酸触媒を加え、所定温度でビスフェノールモノアルデヒド化合物が反応完結するまで反応を行う。反応温度は、高次縮合物の生成を抑えて収率を高めるために、0〜60℃の範囲で行うことが好ましく、さらには15〜45℃の範囲が好ましい。反応温度が60℃を超えると高次縮合物の生成量が多くなり、残存しているホルミル基と反応生成物を形成して収率が低下する傾向があり、逆に反応温度が0℃未満であると反応速度が遅くなって反応が進まなくなる。反応時間は、GPCによりビスフェノールモノアルデヒド化合物が確認されなくなるまで行われるが、フェノール類とビスフェノールモノアルデヒド化合物との使用割合、酸触媒の種類及び量、反応温度などにより左右され、一般的には1〜48時間の範囲内である。反応中及び反応後0℃付近まで冷却することで、結晶性の高いテトラキスフェノール化合物は析出し、反応系外に出る。反応終了後、中和し、析出したテトラキスフェノール化合物を濾過し、(テトラキスフェノール化合物が析出しない場合は、蒸留を行いフェノール類及び溶媒を留去する)得られた粗結晶を精製することで目的とするテトラキスフェノール化合物を得ることができる。上記反応は、周囲環境圧下に実施できる。
【0024】
以上の製造方法の理解を容易にするために反応式にまとめると次のようになる。
【化7】
上記のように、第1段階では、ジアルデヒドと式(2)で規定するフェノールX1の反応により、式(1)のビスフェノールモノアルデヒド化合物を生成し、次いで、第2段階では、上記第1段階の反応により得られた式(1)のビスフェノールモノアルデヒド化合物と上記第1段階の反応において使用されたフェノールとは異なるフェノールX2との反応により式(3)のテトラキスフェノール化合物を生成する。第1段階の反応においては、一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒中で反応させることにより、選択的に、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物の結晶を析出させることができる。この各段階の反応において、各フェノール類(X1、X2)の反応点は、反応点が1つのものは該反応点で、2つ以上のものはフェノール類の反応しやすい点、立体障害の小さな点で優先的に反応する。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、ビスフェノールモノアルデヒド化合物及びテトラキスフェノール化合物の純度は東ソー製HLC8010型ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム:GXL1000+2000、キャリア:テトラヒドロフラン1cc/分、検出器:屈折率計)を用いて得られたピークの面積比により求めた。また、ビスフェノールモノアルデヒド化合物及びテトラキスフェノール化合物の構造は、水素核磁器共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定し、解析することにより確認した。
【0026】
(ビスフェノールモノアルデヒド化合物の合成)
実施例1
1L三口フラスコ内にp−クレゾール108g(1.00mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン216gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸10.8gを投入し、40℃で40時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。反応終了後、キシレンを75g投入して5℃まで冷却させた後、結晶を濾過して取りだし、粗結晶156gを得た。粗結晶をMEK330g、純水110gで撹拌溶解させた後、分液して下層をカットしてから純水110gで水洗を二回行った。その後、減圧蒸留にてMEKを除去、キシレン190gで溶媒置換を行い、5℃で一晩撹拌を行った後、濾過して減圧乾燥を行い、純度99.67%のα,α−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン62.0gの結晶を得た。
【0027】
実施例2
1L三口フラスコ内にp−tert−ブチルフェノール90.0g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン360gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸9.0gを投入し、40℃で12時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度95.82%のα,α−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−4−ホルミルトルエン67.1gの結晶を得た。
【0028】
実施例3
1L三口フラスコ中に2,4−キシレノール73.2g(0.6mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.3mol)、キシレン150gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸7.3gを投入し、40℃で24時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度99.18%のα,α−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル) −4−ホルミルトルエン32.6gの結晶を得た。
【0029】
実施例4
1Lフラスコ中に2,5−キシレノール73.2g(0.6mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.3mol)、キシレン293gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸7.3gを投入し、40℃で31時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度99.33%のα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル) −4−ホルミルトルエン82.1gの結晶を得た。
【0030】
実施例5
1L三口フラスコ内に3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール114g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン456gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸11.4gを投入し、40℃で36時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度94.35%のα,α−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン73.4gの結晶を得た。
【0031】
実施例6
1L三口フラスコ内に2,6−キシレノール73.2g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン220gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸7.3gを投入し、40℃で24時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度99.71%のα,α−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン74.3gの結晶を得た。
【0032】
実施例7
1L三口フラスコ内に2,3,5−トリメチルフェノール81.6g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン286gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸8.2gを投入し、40℃で46時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度98.64%のα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン76.6gの結晶を得た。
【0033】
実施例8
1L三口フラスコ内に2,3,6−トリメチルフェノール81.6g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン408gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸8.2gを投入し、40℃で24時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度99.25%のα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン66.5gの結晶を得た。
【0034】
実施例9
1L三口フラスコ内に2,3,5,6−テトラメチルフェノール90.0g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)キシレン300gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸9.0gを投入し、40℃で48時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度98.95%のα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン61.4gの結晶を得た。
【0035】
実施例10
1L三口フラスコ内に4−メチルカテコール74.4g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン150gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸7.4gを投入し、40℃で24時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度92.70%のα,α−ビス(4,5−ジヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン93.0gの結晶を得た。
【0036】
実施例11
1L三口フラスコ内に4−メチルレゾルシン74.4g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン150gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸7.4gを投入し、40℃で48時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度90.18%のα,α−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン42.2gの結晶を得た。
【0037】
実施例12
1L三口フラスコ内に4−クロロレゾルシン87.0g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン696gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸8.7gを投入し、40℃で48時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度90.75%のα,α−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−クロロフェニル)−4−ホルミルトルエン38.00gの結晶を得た。
【0038】
実施例13
1L三口フラスコ内に2,5−キシレノール73.2g(0.60mol)。40%グリオキザール水溶液43.5g(0.30mol)、MIBK150gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸7.3gを投入し、60℃で3時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度99.21%のビス(4−ヒドロキシー2,5−ジメチルフェニル)ホルミルメタン50.9gの結晶を得た。
【0039】
比較例1
1Lフラスコ内にフェノール56.4g(0.6mol)とテレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン230g、パラトルエンスルホン酸5.6gを投入し、40℃に昇温して24時間反応を行った。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶は析出しなかった。その後、MEKを140g入れて純水60gで水洗を行った後、キシレンを100g入れ減圧蒸留を行い、溶媒置換して5℃で晶析させようとしたがフェノールのビスフェノールモノアルデヒド化合物は結晶化せず、樹脂状品がフラスコ底部に沈殿して固まっていた。樹脂状品をGPCによって分析したところ、未反応モノマーや高次縮合物を大量に含んでいた。ビスフェノールモノアルデヒド化合物のものと思われる比率は28.43%であった。
【0040】
比較例2
1Lフラスコ内にo−クレゾール64.8g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン260g、パラトルエンスルホン酸6.5gを投入し、40℃で17時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶は析出しなかった。その後、MEKを130g入れて純水200gで水洗を行った後、キシレンを260g入れ減圧蒸留を行い、溶媒置換して5℃で晶析させようとしたがo−クレゾールのビスフェノールモノアルデヒド化合物は結晶化せず、樹脂状品がフラスコ底部に沈殿して固まっていた。樹脂状品をGPCによって分析したところ、未反応モノマーや高次縮合物を大量に含んでいた。ビスフェノールモノアルデヒド化合物のものと思われる比率は45.59%であった。
【0041】
比較例3
1Lフラスコ内にm―クレゾール64.8g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン130g、パラトルエンスルホン酸6.5gを投入し、40℃で8時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶は析出しなかった。その後、MEKを140g入れて純水60gで水洗を行った後、キシレンを100g入れ減圧蒸留を行い、溶媒置換して5℃で晶析させようとしたがm−クレゾールのビスフェノールモノアルデヒド化合物は結晶化せず、樹脂状品がフラスコ底部に沈殿して固まっていた。樹脂状品をGPCによって分析したところ、未反応モノマーや高次縮合物を大量に含んでいた。ビスフェノールモノアルデヒド化合物のものと思われる比率は31.02%であった。
【0042】
比較例4
1Lフラスコ内に3,5−キシレノール73.2g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン270g、パラトルエンスルホン酸7.3gを投入し、40℃で14時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶は析出しなかった。その後、MEKを140g入れて純水60gで水洗を行った後、キシレンを100g入れ減圧蒸留を行い、溶媒置換して5℃で晶析させようとした3,5−キシレノールのビスフェノールモノアルデヒド化合物は結晶化せず、樹脂状品がフラスコ底部に沈殿して固まっていた。樹脂状品をGPCによって分析したところ、未反応モノマーや高次縮合物を大量に含んでいた。ビスフェノールモノアルデヒド化合物のものと思われる比率は33.77%であった。
【0043】
以上の実施例1〜13及び比較例1〜4の結果を表1に示す。
【表1】
【0044】
(テトラキスフェノール化合物の製造)
実施例14
1Lフラスコ内に実施例1で得られたα,α−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン 66.4g(0.20mol)、フェノール 564g(6.00mol)を仕込み、加熱して撹拌溶解を行った後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸5.6gを投入し、40℃で5時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却を行い、MIBK410g、5%HCl440gを加え、分液ろうと内に移した後、撹拌、分液後に水層をカットし、純水500gで水洗を4回行った。その後、窒素気流下で減圧蒸留を行い、MIBKやモノマーを留去させた後、バット上に樹脂状で排出させ、純度94.04%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(2−ヒドロキシ―5−メチルフェニル)―p―キシレン99.3gを得た。
【0045】
実施例15
1Lフラスコ内に実施例2で得られたα,α−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−4−ホルミルトルエン 83.2g(0.20mol)、フェノール564g(6.00mol)、キシレン 282gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸5.6gを投入し、40℃で24時間反応を行った。反応終了後、キシレン141gを投入し、10℃で一晩撹拌を行った。その後、濾過を行って粗結晶を得た。粗結晶をMEK390gで溶解し、5%HCl 195gを加えて0.5時間撹拌させた後、分液して下層をカットしてから純水195gで水洗を4回行った。その後、MEKを減圧留去し、キシレン360gで溶媒置換を行い、10℃で一晩撹拌した後、濾過して減圧乾燥を行い、純度94.52%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)―p―キシレン57.3gの結晶を得た。
【0046】
実施例16
1Lフラスコ内に実施例3で得られたα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル) −4−ホルミルトルエン72.0g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、メタノール94g、キシレン94gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却して、パラトルエンスルホン酸3.7gを投入し、40℃で22時間反応を行った。反応終了後、トリエチルアミンでpH=6まで中和し、メタノールを減圧留去した後、キシレン210gを投入し、5℃で一晩撹拌を行った。その後、濾過を行って粗結晶を得た。粗結晶をMEK325gで溶解し、5%HCl 160gを加えて0.5時間撹拌させた後、分液して下層をカットしてから純水160gで水洗を4回行った。その後、MEKを減圧留去し、キシレン290gで溶媒置換を行い、5℃で一晩撹拌した後、濾過して減圧乾燥を行い、純度97.76%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(4−ヒドロキシ―2,5−ジメチルフェニル)―p―キシレン62.1gの結晶を得た。
【0047】
実施例17
1Lフラスコ内に実施例3で得られたα,α−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル) −4−ホルミルトルエン72.0g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン188gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で24時間反応を行させた。その後、実施例16と同様の処理を行い、純度92.18%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(2−ヒドロキシ―3,5−ジメチルフェニル)―p―キシレン47.7gの結晶を得た。
【0048】
実施例18
3Lフラスコ内に実施例4で得られたα,α−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン 133.2g(0.2mol)、フェノール564g(6.00mol)、キシレン 564gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸5.6gを投入し、40℃で40時間反応を行った。その後、実施例14と同様の操作を行い、純度95.18%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)―p―キシレン68.3gの結晶を得た。
【0049】
実施例19
1Lフラスコ内に実施例5で得られたα,α−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン72.0g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン188gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で28時間反応させた。その後、実施例14と同様の操作を行い、純度98.57のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)―p―キシレン59.7gの結晶を得た。
【0050】
実施例20
1Lフラスコ内に実施例6で得られたα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン77.6g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン 188gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で18時間反応させた。その後、実施例14と同様の操作を行い、純度98.11%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(4−ヒドロキシ−2,3,6−ジメチルフェニル)―p―キシレン56.9gの結晶を得た。
【0051】
実施例21
1Lフラスコ内に実施例7で得られたα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン77.6g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン 188gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で20時間反応させた。その後、実施例14と同様の操作を行い、純度94.00%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−ジメチルフェニル)―p―キシレン43.9gの結晶を得た。
【0052】
実施例22
1Lフラスコ内に実施例8で得られたα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン83.2g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン188gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で30時間反応させた。その後、実施例14と同様の操作を行い、純度98.12%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)―p―キシレン71.6gの結晶を得た。
【0053】
実施例23
1Lフラスコ内に実施例9で得られたα,α−ビス(4,5−ジヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン72.8g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン94g、メタノール94gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で21時間反応させた。その後、実施例15と同様の操作を行い、純度96.92%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(4,5−ジヒドロキシ−2−メチルフェニル)―p―キシレン48.0gの結晶を得た。
【0054】
実施例24
1Lフラスコ内に実施例10で得られたα,α−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン72.8g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン94g、メタノール94gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で28時間反応させた。その後、実施例15と同様の操作を行い、純度90.14%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)―p―キシレン37.7gの結晶を得た。
【0055】
実施例25
1Lフラスコ内に実施例11で得られたα,α−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−クロロフェニル)−4−ホルミルトルエン81.2g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン94g、メタノール94gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で30時間反応させた。その後、実施例15と同様の操作を行い、純度94.59%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−クロロフェニル)―p―キシレン38.2gの結晶を得た。
【0056】
実施例26
1Lフラスコ内に実施例12で得られたビス(4−ヒドロキシー2,5−ジメチルフェニル)ホルミルメタン 56.8g(0.20mol)、o−クレゾール648g(6.00mol)を仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸6.5gを投入し、40℃で10時間反応を行った。実施例13と同様の操作を行い、純度96.08%のα,α―ビス(4−ヒドロキシ―3―メチルフェニル)―α´,α´―ビス(4−ヒドロキシ―2,5−ジメチルフェニル)エタン47.1gの結晶を得た。
【0057】
以上の実施例14〜26の結果を表2に示す。
【表2】
【0058】
以上の実施例及び比較例から、本発明方法においては特定のフェノール類とジアルデヒド類を特定の有機溶媒中で反応させることにより、高次縮合化及び四核体化を抑制しつつ、ジアルデヒドの一方のホルミル基にフェノール類を導入した高純度のビスフェノールモノアルデヒド化合物が合成できるという知見を得、生成したビスフェノールモノアルデヒド化合物と別のフェノール類とを反応させることで、ジアルデヒド類の持つ二つのホルミル基にそれぞれ別のフェノール類を導入したテトラキスフェノール化合物が合成できるという知見が得られた。
【0059】
【発明の効果】
本発明の一般式(3)で示されるテトラキスフェノール化合物は、ジアルデヒド類の二つのホルミル基にそれぞれ別のフェノール類を導入した化合物であるため、フォトレジスト用感光剤を設計する際に、フェノール性水酸基の反応性の違いを利用して特定の部位をエステル化することができる。また、該テトラキスフェノール化合物を高純度で製造することができる。
【0060】
また、別の本発明によれば、一般式(3)で示されるテトラキスフェノール化合物を合成する際、原料として用いられる、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物を、ジアルデヒド類に一般式(2)で示されるフェノール類を酸触媒の存在下、一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒中で反応させることで、高次縮合化やテトラキスフェノール化を抑制しつつ、高純度のビスフェノールモノアルデヒド化合物を合成することが可能である。
【0061】
本発明において得られるテトラキスフェノール化合物は集積回路の封止材料、積層材料、電気絶縁材料等に用いられるエポキシ樹脂の原料、エポキシ樹脂の硬化剤、感熱記録に用いられる顕色剤や退色防止剤、電子材料や感光性材料の原料、また、酸化防止剤、殺菌剤、防菌防黴剤等の添加剤、包接化合物として広く有用に用いられることが期待される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビスフェノールモノアルデヒド化合物及びその製造方法、並びにテトラキスフェノール化合物及びその製造方法に関する。更に詳しく言えば、ジアルデヒド類の片側のホルミル基のみに一般式(2)で示されるフェノール類を導入することで得られる一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物及びその製造方法、並びに一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物にフェノール類を導入することで得られる一般式(3)で示されるテトラキスフェノール化合物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
テトラキスフェノール化合物は、集積回路の封止材料、積層材料、電気絶縁材料等に用いられるエポキシ樹脂の原料、エポキシ樹脂の硬化剤、感熱記録に用いられる顕色剤や退色防止剤、電子材料や感光性材料の原料等として有用に用いられており、また、酸化防止剤、殺菌剤、防菌防黴剤等の添加剤、包接化合物としても広く有用に用いられている。
【0003】
この様なテトラキスフェノール化合物として、例えば特開平05−249665号公報では、α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェノール)−p−キシレンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−(及び/又は−4−)スルホニルクロライドとを反応させて得られる感光物、及びアルカリ可溶性樹脂とを含有することを特徴とするポジ型フォトレジスト組成物が、解像性が極めて良好であることを報告されている。このα,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェノール)−p−キシレンは、テレフタルアルデヒドとフェノールを反応させた放射状テトラキスフェノール類である。
【0004】
また、この様なテトラキスフェノール化合物の製造方法に関して種々の報告がなされており、その一つとしてフェノールとグリオキザールとを反応させたテトラキスフェノールエタンの製造方法(特開平10−87537)が報告されている。これは、フェノール類とグリオキザールとを、フェノール類に対して5重量%以上のアセトンの共存下に酸触媒を用いて60℃以下の温度で反応させることで、グリオキザール中の二つのホルミル基に同一のフェノール類を導入しテトラキスフェノール化合物を合成する方法を提唱している。
【0005】
近年、半導体集積回路の高集積化が求められている中で、このようなテトラキスフェノールは、半導体集積回路の形成に用いられるフォトレジスト用感光剤の原料として使用されている。フォトレジスト用感光剤は、ポリフェノール化合物とナフトキノンジアジド化合物(感光基)とを反応させてエステル化したものであり、これらのポリフェノール化合物中でもテトラキスフェノール化合物が、性能的に優れていることから有用に用いられている。
【0006】
しかしながら、上記で示されているテトラキスフェノール化合物は、ジアルデヒド類に四つの同一のフェノール類が反応した構造の化合物であり、それぞれのフェノール性水酸基の反応性に差はなく、選択的なエステル化をすることができないため、高度な要求に応じたフォトレジスト用感光剤を設計するのは困難である。
【0007】
また、一般的なテトラキスフェノール化合物はフェノール類とジアルデヒド類との縮合反応により製造することができるが、一般にジアルデヒド類は、フェノール類に対し極めて高い反応性を有するため、高次縮合物の生成を伴う樹脂化を生じ易く、高純度のテトラキスフェノール化合物を製造することは困難であった。また、得られる樹脂状の反応生成物は、種々の分子量を有する混合物であり、しかも構造的にも不明確であるため、フォトレジスト用感光剤の原料として用いた場合、ナフトキノンジアジド化合物(感光基)との部分的かつ選択的なエステル化など、高度の性能改善を目指した繊細な分子設計要求を満たすことができないばかりか、バラツキが非常に大きいという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平05−249665号公報
【特許文献2】
特開平10−87537号公報
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記のような先行技術の有する問題点を解決すると共に、フォトレジスト用感光剤を設計する場合等において有用である、フェノール性水酸基の反応性の違いを利用して特定の部位をエステル化することができるテトラキスフェノール化合物及び該化合物を高純度で製造する方法並びにその原料であるビスフェノールモノアルデヒド化合物及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、酸性触媒の存在下、フタルアルデヒド類またはOHC−(CH2)n−CHO(n=0〜4)で示されるジアルデヒド類と下記一般式(2):
【化4】
(式中、RはそれぞれC1〜C6の直鎖状若しくは分枝状またはC3〜C6の環状アルキル基、フェニル基、ハロゲンを表す)
で示されるフェノール類とを、一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒中で反応させることにより、本発明のテトラキスフェノール化合物の原料である下記一般式(1):
【化5】
(式中、X1は上記一般式(2)で示されるフェノール類の反応残基を表し、Yはo−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレンまたは−(CH2)n−(n=0〜4)を表す)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物を、テトラキスフェノール化を抑制しつつ高純度で製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
また、酸触媒の存在下、前記ビスフェノールモノアルデヒド化合物を用いて任意のフェノール類(ただし、該フェノール類の反応残基がX1=X2となる場合を除く)とを反応させることにより、下記一般式(3)
【化6】
[式中、X2は任意のフェノール類の反応残基(ただし、該フェノール類の反応残基がX1=X2となる場合を除く)を表す]
で示されるテトラキスフェノール化合物を高純度で容易に得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、酸性触媒の存在下、フタルアルデヒド類またはOHC−(CH2)n−CHO(n=0〜4)で示されるジアルデヒド類と一般式(2)で示されるフェノール類とを一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒中で反応させることを特徴とする一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物及びその製造方法である。
【0013】
さらに、本発明は、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物と任意のフェノール類(ただし、該フェノール類の反応残基がX1=X2となる場合を除く)とを酸触媒の存在下、反応させることを特徴とする一般式(3)で示されるテトラキスフェノール化合物及びその製造方法を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において一般式(2)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物の製造に用いられるフェノール類は、酸性触媒の存在下、ジアルデヒド類と、一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒中で穏和な条件下で反応させることにより、結晶性が高く有機溶媒より析出するビスフェノールモノアルデヒド化合物を生成するものであり、一般式(2)で示されるp−置換フェノール(P1)、2,4−ジ置換フェノール(P2)、2,5−ジ置換フェノール(P3)、2,6−ジ置換フェノール(P4)、2,3,5−トリ置換フェノール(P5)、2,3,6−トリ置換フェノール(P6)、2,3,5,6−テトラ置換フェノール(P7)、4−置換カテコール(P8)、4−置換レゾルシノール(P9)(置換基RはそれぞれC1〜C6の直鎖状若しくは分枝状またはC3〜C6の環状アルキル基、フェニル基、ハロゲンを表す)が用いられる。例としては、p−クレゾール、p−エチルフェノール、p−sec−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−シクロへキシルフェノール、p−フェニルフェノール、p−クロロフェノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−イソプロピル−4−メチル−フェノール、チモール、2−イソプロピル−6−メチル−フェノール、2−tert−ブチル−4−メチル−フェノール、2−tert−ブチル−5−メチル−フェノール、2−tert−ブチル−6−メチル−フェノール、4−メチルカテコール、4−メチルレゾルシン、4−クロロレゾルシンなどを挙げることができ、これらの中でも、一官能性フェノール類である2,4−ジ置換フェノール(P2)、2,6−ジ置換フェノール(P4)、2,3,6−トリ置換フェノール(P6)、2,3,5,6−テトラ置換フェノール(P7)、これらに代表される2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,3,5,6−テトラメチルフェノールなどは、反応点が一箇所しかないため、高次縮合化がおこりにくく、特に好ましい。また、p−クレゾール、2,5−キシレノール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノールなども生成したビスフェノールモノアルデヒド化合物の結晶性が高いため、高純度で得られ特に好ましい。
【0015】
本発明において一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物の製造に用いられるジアルデヒド類は、全てのフタルアルデヒド類及び、OHC−(CH2)n−CHO(n=0〜4)が用いられ、例えばフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、グリオキザール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒドなどが挙げられる。
【0016】
上記一般式(2)で示されるフェノール類とジアルデヒド類との使用割合は通常、ジアルデヒド類に対するフェノール類のモル比が1.6〜3.6の範囲で用いられることが好ましい。モル比が1.6未満では、ジアルデヒド類の反応が完結せず系内に多量残留し、未反応ジアルデヒド類の除去に労力とコストがかかる。逆にモル比が3.6以上では高次縮合化が起こりやすく、純度が低下する傾向があり、また残留フェノール類の除去に労力とコストを要し、経済的に不利であるので好ましくない。収率及び経済性などの面を考慮すると、1.8〜3.4の範囲が好ましい。
【0017】
本発明において一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物の製造に用いられる有機溶媒は一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)に対しては貧溶媒であるものが用いられる。この溶媒は、反応の過程で目的とする一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物の他に生成する副生成物に対しても良溶媒として働くことが望ましい。つまり、この溶媒は、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対してのみ貧溶媒として作用することが望ましい。具体例としては、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどが適宜使用されるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも特にビスフェノールモノアルデヒド化合物の結晶析出の観点から、ジアルデヒド類としてフタルアルデヒド類を使用する場合には、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素系化合物が好ましく、OHC−(CH2)n−CHO(n=0〜4)を使用する場合には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類が好ましい。有機溶媒の使用量は、フェノール類100質量部に対して、2000質量部〜100質量部が好ましく、さらに好ましくは1000質量部〜150質量部で用いられることが好ましい。2000質量部を超えると、ビスフェノールモノアルデヒド化合物の結晶が析出しにくく、高次縮合物ができてしまう。又、100質量部未満では原料であるジアルデヒド類が溶解しなくなるため反応が効率的に進まなくなる、反応系の粘度が上昇し攪拌がしづらくなるなどの問題が生ずる。
【0018】
一般式(2)で示されるフェノール類とジアルデヒド類を反応させて一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物を合成するのに用いられる酸触媒としては、例えばシュウ酸、フェノールスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸、強酸性イオン交換樹脂などの樹脂酸、硫酸、塩酸、りん酸、過塩素酸などの無機酸などを挙げることができる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、メルカプト酢酸のような助触媒を用いてもよい。酸触媒の使用量は、通常使用されている範囲を選ぶことができ特に制限はないが、一般的にはフェノール類に対して、0.5〜50質量%の範囲内である。
【0019】
次に、本発明のビスフェノールモノアルデヒド化合物の製造方法について説明する。まず、一般式(2)で示されるフェノール類とジアルデヒド類とを一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒に加温溶解し、酸触媒を加え、所定温度で反応が終了するまで行う。反応温度は、高次縮合物の生成を抑えて収率を高めるために、0〜60℃の範囲で行うことが好ましく、さらには15〜45℃の範囲が好ましい。反応温度が60℃を超えると高次縮合物の生成量が多くなり、残存しているホルミル基と反応生成物を形成して収率が低下する傾向があり、逆に反応温度が0℃未満であると反応速度が遅くなって反応が進まなくなる。反応時間は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCとする)により、反応がこれ以上進行しないことが確認されるまで行われるが、一般式(2)で示されるフェノール類とジアルデヒド類との使用割合、酸触媒の種類及び量、反応温度などにより左右され、一般的には1〜48時間の範囲内である。反応中及び反応後0℃付近まで冷却することで、結晶性の高いビスフェノールモノアルデヒド化合物は析出し、反応系外に出る。析出したビスフェノールモノアルデヒド化合物は濾過し、得られた粗結晶を精製することで、ジアルデヒド類の片側のホルミル基のみが反応した一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物を得ることができる。上記反応は、周囲環境圧下に実施できる。
【0020】
次に、本発明のテトラキスフェノール化合物について説明する。本発明において一般式(3)で示されるテトラキスフェノール化合物の製造に用いられるフェノール類は、ビスフェノールモノアルデヒド化合物を製造する際に用いたフェノール類以外のものであれば何れであっても良い。即ち、一般式(2)で規定するフェノールを含めて、フェノール類の反応残基がX1=X2とならないような任意のフェノール類を用いることができる。一般式(2)で規定するフェノール類以外のフェノール類としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、2,3−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシン、2−メチルレゾルシンなどが挙げられる。勿論、使用すべきX1及びX2に係るそれぞれのフェノールの組み合わせは、得られたテトラキスフェノール化合物の各フェノール類の反応残基に係る反応性が異なることが重要である点を考慮して決定すべきである。フェノール類の使用量は、ビスフェノールモノアルデヒド化合物に対して当量または過剰量のフェノール類を用いれば良い。例えば、ビスフェノールモノアルデヒド化合物1モルに対してフェノール類を2モル〜30モル程度用いれば良い。
【0021】
テトラキスフェノール化合物を合成する過程において、ビスフェノールモノアルデヒド化合物が、反応に用いられるフェノール類に完全に溶解するのであれば、溶媒は特に使用する必要はないが、反応に用いられるフェノール類が固体である場合またはビスフェノールモノアルデヒド化合物がフェノール類に完全に溶解しない場合は、溶媒を用いる必要がある。かかる溶媒は、反応に用いるフェノール類やビスフェノールモノアルデヒド化合物の種類、得られるテトラキスフェノール化合物の析出性、反応条件、反応後の精製方法、反応の経済性等を考慮して、適宜に選択されるが、例えばトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系化合物、純水、THF、メタノールなどの低級アルコール類などが挙げられる。これらの溶媒は単独でも又混合溶媒としても使用可能である。
【0022】
テトラキスフェノール化合物を合成するのに用いられる酸触媒としては、例えばシュウ酸、フェノールスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸、強酸性イオン交換樹脂などの樹脂酸、硫酸、塩酸、りん酸、過塩素酸などの無機酸などを挙げることができる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。酸触媒の使用量は、通常使用されている範囲を選ぶことができ特に制限はないが、一般的にはフェノール類に対して、0.5〜50質量%の範囲内である。
【0023】
次に、本発明のテトラキスフェノール化合物の製造方法について説明する。まず、任意のフェノール類とビスフェノールモノアルデヒド化合物、必要に応じて溶媒を用いて加温溶解し、酸触媒を加え、所定温度でビスフェノールモノアルデヒド化合物が反応完結するまで反応を行う。反応温度は、高次縮合物の生成を抑えて収率を高めるために、0〜60℃の範囲で行うことが好ましく、さらには15〜45℃の範囲が好ましい。反応温度が60℃を超えると高次縮合物の生成量が多くなり、残存しているホルミル基と反応生成物を形成して収率が低下する傾向があり、逆に反応温度が0℃未満であると反応速度が遅くなって反応が進まなくなる。反応時間は、GPCによりビスフェノールモノアルデヒド化合物が確認されなくなるまで行われるが、フェノール類とビスフェノールモノアルデヒド化合物との使用割合、酸触媒の種類及び量、反応温度などにより左右され、一般的には1〜48時間の範囲内である。反応中及び反応後0℃付近まで冷却することで、結晶性の高いテトラキスフェノール化合物は析出し、反応系外に出る。反応終了後、中和し、析出したテトラキスフェノール化合物を濾過し、(テトラキスフェノール化合物が析出しない場合は、蒸留を行いフェノール類及び溶媒を留去する)得られた粗結晶を精製することで目的とするテトラキスフェノール化合物を得ることができる。上記反応は、周囲環境圧下に実施できる。
【0024】
以上の製造方法の理解を容易にするために反応式にまとめると次のようになる。
【化7】
上記のように、第1段階では、ジアルデヒドと式(2)で規定するフェノールX1の反応により、式(1)のビスフェノールモノアルデヒド化合物を生成し、次いで、第2段階では、上記第1段階の反応により得られた式(1)のビスフェノールモノアルデヒド化合物と上記第1段階の反応において使用されたフェノールとは異なるフェノールX2との反応により式(3)のテトラキスフェノール化合物を生成する。第1段階の反応においては、一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒中で反応させることにより、選択的に、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物の結晶を析出させることができる。この各段階の反応において、各フェノール類(X1、X2)の反応点は、反応点が1つのものは該反応点で、2つ以上のものはフェノール類の反応しやすい点、立体障害の小さな点で優先的に反応する。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、ビスフェノールモノアルデヒド化合物及びテトラキスフェノール化合物の純度は東ソー製HLC8010型ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム:GXL1000+2000、キャリア:テトラヒドロフラン1cc/分、検出器:屈折率計)を用いて得られたピークの面積比により求めた。また、ビスフェノールモノアルデヒド化合物及びテトラキスフェノール化合物の構造は、水素核磁器共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定し、解析することにより確認した。
【0026】
(ビスフェノールモノアルデヒド化合物の合成)
実施例1
1L三口フラスコ内にp−クレゾール108g(1.00mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン216gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸10.8gを投入し、40℃で40時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。反応終了後、キシレンを75g投入して5℃まで冷却させた後、結晶を濾過して取りだし、粗結晶156gを得た。粗結晶をMEK330g、純水110gで撹拌溶解させた後、分液して下層をカットしてから純水110gで水洗を二回行った。その後、減圧蒸留にてMEKを除去、キシレン190gで溶媒置換を行い、5℃で一晩撹拌を行った後、濾過して減圧乾燥を行い、純度99.67%のα,α−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン62.0gの結晶を得た。
【0027】
実施例2
1L三口フラスコ内にp−tert−ブチルフェノール90.0g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン360gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸9.0gを投入し、40℃で12時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度95.82%のα,α−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−4−ホルミルトルエン67.1gの結晶を得た。
【0028】
実施例3
1L三口フラスコ中に2,4−キシレノール73.2g(0.6mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.3mol)、キシレン150gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸7.3gを投入し、40℃で24時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度99.18%のα,α−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル) −4−ホルミルトルエン32.6gの結晶を得た。
【0029】
実施例4
1Lフラスコ中に2,5−キシレノール73.2g(0.6mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.3mol)、キシレン293gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸7.3gを投入し、40℃で31時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度99.33%のα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル) −4−ホルミルトルエン82.1gの結晶を得た。
【0030】
実施例5
1L三口フラスコ内に3−メチル−6−シクロヘキシルフェノール114g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン456gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸11.4gを投入し、40℃で36時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度94.35%のα,α−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン73.4gの結晶を得た。
【0031】
実施例6
1L三口フラスコ内に2,6−キシレノール73.2g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン220gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸7.3gを投入し、40℃で24時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度99.71%のα,α−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン74.3gの結晶を得た。
【0032】
実施例7
1L三口フラスコ内に2,3,5−トリメチルフェノール81.6g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン286gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸8.2gを投入し、40℃で46時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度98.64%のα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン76.6gの結晶を得た。
【0033】
実施例8
1L三口フラスコ内に2,3,6−トリメチルフェノール81.6g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン408gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸8.2gを投入し、40℃で24時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度99.25%のα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン66.5gの結晶を得た。
【0034】
実施例9
1L三口フラスコ内に2,3,5,6−テトラメチルフェノール90.0g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)キシレン300gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸9.0gを投入し、40℃で48時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度98.95%のα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン61.4gの結晶を得た。
【0035】
実施例10
1L三口フラスコ内に4−メチルカテコール74.4g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン150gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸7.4gを投入し、40℃で24時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度92.70%のα,α−ビス(4,5−ジヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン93.0gの結晶を得た。
【0036】
実施例11
1L三口フラスコ内に4−メチルレゾルシン74.4g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン150gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸7.4gを投入し、40℃で48時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度90.18%のα,α−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン42.2gの結晶を得た。
【0037】
実施例12
1L三口フラスコ内に4−クロロレゾルシン87.0g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン696gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸8.7gを投入し、40℃で48時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度90.75%のα,α−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−クロロフェニル)−4−ホルミルトルエン38.00gの結晶を得た。
【0038】
実施例13
1L三口フラスコ内に2,5−キシレノール73.2g(0.60mol)。40%グリオキザール水溶液43.5g(0.30mol)、MIBK150gを投入し撹拌溶解させた後、パラトルエンスルホン酸7.3gを投入し、60℃で3時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶が析出した。その後、実施例1と同様の操作を行い、純度99.21%のビス(4−ヒドロキシー2,5−ジメチルフェニル)ホルミルメタン50.9gの結晶を得た。
【0039】
比較例1
1Lフラスコ内にフェノール56.4g(0.6mol)とテレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン230g、パラトルエンスルホン酸5.6gを投入し、40℃に昇温して24時間反応を行った。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶は析出しなかった。その後、MEKを140g入れて純水60gで水洗を行った後、キシレンを100g入れ減圧蒸留を行い、溶媒置換して5℃で晶析させようとしたがフェノールのビスフェノールモノアルデヒド化合物は結晶化せず、樹脂状品がフラスコ底部に沈殿して固まっていた。樹脂状品をGPCによって分析したところ、未反応モノマーや高次縮合物を大量に含んでいた。ビスフェノールモノアルデヒド化合物のものと思われる比率は28.43%であった。
【0040】
比較例2
1Lフラスコ内にo−クレゾール64.8g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン260g、パラトルエンスルホン酸6.5gを投入し、40℃で17時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶は析出しなかった。その後、MEKを130g入れて純水200gで水洗を行った後、キシレンを260g入れ減圧蒸留を行い、溶媒置換して5℃で晶析させようとしたがo−クレゾールのビスフェノールモノアルデヒド化合物は結晶化せず、樹脂状品がフラスコ底部に沈殿して固まっていた。樹脂状品をGPCによって分析したところ、未反応モノマーや高次縮合物を大量に含んでいた。ビスフェノールモノアルデヒド化合物のものと思われる比率は45.59%であった。
【0041】
比較例3
1Lフラスコ内にm―クレゾール64.8g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン130g、パラトルエンスルホン酸6.5gを投入し、40℃で8時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶は析出しなかった。その後、MEKを140g入れて純水60gで水洗を行った後、キシレンを100g入れ減圧蒸留を行い、溶媒置換して5℃で晶析させようとしたがm−クレゾールのビスフェノールモノアルデヒド化合物は結晶化せず、樹脂状品がフラスコ底部に沈殿して固まっていた。樹脂状品をGPCによって分析したところ、未反応モノマーや高次縮合物を大量に含んでいた。ビスフェノールモノアルデヒド化合物のものと思われる比率は31.02%であった。
【0042】
比較例4
1Lフラスコ内に3,5−キシレノール73.2g(0.60mol)、テレフタルアルデヒド40.2g(0.30mol)、キシレン270g、パラトルエンスルホン酸7.3gを投入し、40℃で14時間反応させた。反応中、ビスフェノールモノアルデヒド化合物と思われる結晶は析出しなかった。その後、MEKを140g入れて純水60gで水洗を行った後、キシレンを100g入れ減圧蒸留を行い、溶媒置換して5℃で晶析させようとした3,5−キシレノールのビスフェノールモノアルデヒド化合物は結晶化せず、樹脂状品がフラスコ底部に沈殿して固まっていた。樹脂状品をGPCによって分析したところ、未反応モノマーや高次縮合物を大量に含んでいた。ビスフェノールモノアルデヒド化合物のものと思われる比率は33.77%であった。
【0043】
以上の実施例1〜13及び比較例1〜4の結果を表1に示す。
【表1】
【0044】
(テトラキスフェノール化合物の製造)
実施例14
1Lフラスコ内に実施例1で得られたα,α−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン 66.4g(0.20mol)、フェノール 564g(6.00mol)を仕込み、加熱して撹拌溶解を行った後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸5.6gを投入し、40℃で5時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却を行い、MIBK410g、5%HCl440gを加え、分液ろうと内に移した後、撹拌、分液後に水層をカットし、純水500gで水洗を4回行った。その後、窒素気流下で減圧蒸留を行い、MIBKやモノマーを留去させた後、バット上に樹脂状で排出させ、純度94.04%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(2−ヒドロキシ―5−メチルフェニル)―p―キシレン99.3gを得た。
【0045】
実施例15
1Lフラスコ内に実施例2で得られたα,α−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−4−ホルミルトルエン 83.2g(0.20mol)、フェノール564g(6.00mol)、キシレン 282gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸5.6gを投入し、40℃で24時間反応を行った。反応終了後、キシレン141gを投入し、10℃で一晩撹拌を行った。その後、濾過を行って粗結晶を得た。粗結晶をMEK390gで溶解し、5%HCl 195gを加えて0.5時間撹拌させた後、分液して下層をカットしてから純水195gで水洗を4回行った。その後、MEKを減圧留去し、キシレン360gで溶媒置換を行い、10℃で一晩撹拌した後、濾過して減圧乾燥を行い、純度94.52%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)―p―キシレン57.3gの結晶を得た。
【0046】
実施例16
1Lフラスコ内に実施例3で得られたα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル) −4−ホルミルトルエン72.0g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、メタノール94g、キシレン94gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却して、パラトルエンスルホン酸3.7gを投入し、40℃で22時間反応を行った。反応終了後、トリエチルアミンでpH=6まで中和し、メタノールを減圧留去した後、キシレン210gを投入し、5℃で一晩撹拌を行った。その後、濾過を行って粗結晶を得た。粗結晶をMEK325gで溶解し、5%HCl 160gを加えて0.5時間撹拌させた後、分液して下層をカットしてから純水160gで水洗を4回行った。その後、MEKを減圧留去し、キシレン290gで溶媒置換を行い、5℃で一晩撹拌した後、濾過して減圧乾燥を行い、純度97.76%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(4−ヒドロキシ―2,5−ジメチルフェニル)―p―キシレン62.1gの結晶を得た。
【0047】
実施例17
1Lフラスコ内に実施例3で得られたα,α−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル) −4−ホルミルトルエン72.0g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン188gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で24時間反応を行させた。その後、実施例16と同様の処理を行い、純度92.18%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(2−ヒドロキシ―3,5−ジメチルフェニル)―p―キシレン47.7gの結晶を得た。
【0048】
実施例18
3Lフラスコ内に実施例4で得られたα,α−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン 133.2g(0.2mol)、フェノール564g(6.00mol)、キシレン 564gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸5.6gを投入し、40℃で40時間反応を行った。その後、実施例14と同様の操作を行い、純度95.18%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)―p―キシレン68.3gの結晶を得た。
【0049】
実施例19
1Lフラスコ内に実施例5で得られたα,α−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン72.0g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン188gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で28時間反応させた。その後、実施例14と同様の操作を行い、純度98.57のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)―p―キシレン59.7gの結晶を得た。
【0050】
実施例20
1Lフラスコ内に実施例6で得られたα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン77.6g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン 188gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で18時間反応させた。その後、実施例14と同様の操作を行い、純度98.11%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(4−ヒドロキシ−2,3,6−ジメチルフェニル)―p―キシレン56.9gの結晶を得た。
【0051】
実施例21
1Lフラスコ内に実施例7で得られたα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン77.6g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン 188gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で20時間反応させた。その後、実施例14と同様の操作を行い、純度94.00%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−ジメチルフェニル)―p―キシレン43.9gの結晶を得た。
【0052】
実施例22
1Lフラスコ内に実施例8で得られたα,α−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−4−ホルミルトルエン83.2g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン188gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で30時間反応させた。その後、実施例14と同様の操作を行い、純度98.12%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)―p―キシレン71.6gの結晶を得た。
【0053】
実施例23
1Lフラスコ内に実施例9で得られたα,α−ビス(4,5−ジヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン72.8g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン94g、メタノール94gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で21時間反応させた。その後、実施例15と同様の操作を行い、純度96.92%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(4,5−ジヒドロキシ−2−メチルフェニル)―p―キシレン48.0gの結晶を得た。
【0054】
実施例24
1Lフラスコ内に実施例10で得られたα,α−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)−4−ホルミルトルエン72.8g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン94g、メタノール94gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で28時間反応させた。その後、実施例15と同様の操作を行い、純度90.14%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)―p―キシレン37.7gの結晶を得た。
【0055】
実施例25
1Lフラスコ内に実施例11で得られたα,α−ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−クロロフェニル)−4−ホルミルトルエン81.2g(0.20mol)、フェノール376g(4.00mol)、キシレン94g、メタノール94gを仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸3.8gを投入し、40℃で30時間反応させた。その後、実施例15と同様の操作を行い、純度94.59%のα,α―ビス(4−ヒドロキシフェニル)―α´,α´―ビス(2,4−ジヒドロキシ−5−クロロフェニル)―p―キシレン38.2gの結晶を得た。
【0056】
実施例26
1Lフラスコ内に実施例12で得られたビス(4−ヒドロキシー2,5−ジメチルフェニル)ホルミルメタン 56.8g(0.20mol)、o−クレゾール648g(6.00mol)を仕込み、加熱して撹拌溶解後、30℃に冷却してパラトルエンスルホン酸6.5gを投入し、40℃で10時間反応を行った。実施例13と同様の操作を行い、純度96.08%のα,α―ビス(4−ヒドロキシ―3―メチルフェニル)―α´,α´―ビス(4−ヒドロキシ―2,5−ジメチルフェニル)エタン47.1gの結晶を得た。
【0057】
以上の実施例14〜26の結果を表2に示す。
【表2】
【0058】
以上の実施例及び比較例から、本発明方法においては特定のフェノール類とジアルデヒド類を特定の有機溶媒中で反応させることにより、高次縮合化及び四核体化を抑制しつつ、ジアルデヒドの一方のホルミル基にフェノール類を導入した高純度のビスフェノールモノアルデヒド化合物が合成できるという知見を得、生成したビスフェノールモノアルデヒド化合物と別のフェノール類とを反応させることで、ジアルデヒド類の持つ二つのホルミル基にそれぞれ別のフェノール類を導入したテトラキスフェノール化合物が合成できるという知見が得られた。
【0059】
【発明の効果】
本発明の一般式(3)で示されるテトラキスフェノール化合物は、ジアルデヒド類の二つのホルミル基にそれぞれ別のフェノール類を導入した化合物であるため、フォトレジスト用感光剤を設計する際に、フェノール性水酸基の反応性の違いを利用して特定の部位をエステル化することができる。また、該テトラキスフェノール化合物を高純度で製造することができる。
【0060】
また、別の本発明によれば、一般式(3)で示されるテトラキスフェノール化合物を合成する際、原料として用いられる、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物を、ジアルデヒド類に一般式(2)で示されるフェノール類を酸触媒の存在下、一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒中で反応させることで、高次縮合化やテトラキスフェノール化を抑制しつつ、高純度のビスフェノールモノアルデヒド化合物を合成することが可能である。
【0061】
本発明において得られるテトラキスフェノール化合物は集積回路の封止材料、積層材料、電気絶縁材料等に用いられるエポキシ樹脂の原料、エポキシ樹脂の硬化剤、感熱記録に用いられる顕色剤や退色防止剤、電子材料や感光性材料の原料、また、酸化防止剤、殺菌剤、防菌防黴剤等の添加剤、包接化合物として広く有用に用いられることが期待される。
Claims (5)
- 酸性触媒の存在下、フタルアルデヒド類またはOHC−(CH2)n−CHO(n=0〜4)で示されるジアルデヒド類と一般式(2)で示されるフェノール類とを、一般式(2)で示されるフェノール類及びジアルデヒド類に対して富溶媒であり、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物に対しては貧溶媒である有機溶媒中で反応させ、そのビスフェノールモノアルデヒド化合物の結晶を析出させることを特徴とする一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物の製造方法。
- フタルアルデヒド類またはOHC−(CH2)n−CHO(n=0〜4)で示されるジアルデヒド類と一般式(2)で示されるフェノール類とのモル比が1.6〜3.6である請求項2記載のビスフェノールモノアルデヒド化合物の製造方法。
- 酸触媒の存在下、一般式(1)で示されるビスフェノールモノアルデヒド化合物とフェノール類(ただし、該フェノール類の反応残基がX1=X2となる場合は除く)とを反応させることを特徴とする一般式(3)で示されるテトラキスフェノール化合物の製造方法。
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