JP3614571B2 - 新規なポリフェノール化合物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なポリフェノール化合物に関し、詳しくは、原料の一成分として、3,5−ジメチルフェノールを用いて製造される新規なトリスフェニルメタン型のポリフェノール化合物に関する。
このようなポリフェノール化合物は、集積回路の封止材料、積層材料、電気絶縁材料等に用いられるエポキシ樹脂の原料、エポキシ樹脂の硬化剤、感光性材料の基材、感熱記録材料に用いられる顕色剤や退色防止剤、このほか、殺菌剤、殺菌防黴剤等の添加剤としても有用である。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェノール化合物は、従来より、集積回路の封止材料、積層材料、電気絶縁材料等に用いられるエポキシ樹脂の原料、エポキシ樹脂の硬化剤、感熱記録に用いられる顕色剤や退色防止剤、電子材料の原料等として有用に用いられており、また、酸化防止剤、殺菌剤、防菌防黴剤等の添加剤としても広く有用に用いられている。
【0003】
近年、特に、電気電子機器の部品の分野において、機器の小型化と高性能化の要請に伴って、それらに用いられる有機材料についても、従来の機械的特性や熱的特性の向上に止まらず、長期安定性、電気絶縁性、感光材料における高感度、高解像度、易現像性等、ますます諸性能の向上が求められるに至っている。
従来、ポリフェノール化合物は、例えば、Eugen Mueller 編、METHODEN DER ORGANISCHEN CHEMIE (HOUBEN−WEYL), Band VI/1c, “Phenol”, Teil 2, pp. 1021−1061, Georg Thieme Verlag Stuttgart (1976) に多数のものが記載されており、その後も、上述したような樹脂の高性能化、高機能化の要請に応えるために、新たなポリフェノール化合物が多数、提案されている。
【0004】
このようなポリフェノール化合物のなかで、トリスフェニルメタン型のポリフェノール化合物としては、例えば、特開平6−115255号公報、特開平6−100630号公報、特開平6−59446号公報、特開平6−199717号公報、T. Miuraら、J. Phys., IV, 3 (C4, 4th International Workshop on Positron and Positronium Chemistry), 249 (1993) 等に 4,4’,4”−メチリデントリスフェノールが、特開平6−199717号公報、特開平6−115255号公報、特開平5−173326号公報、特開平5−249681号公報、特開平4−11260号公報、特開平3−200254号公報、佐藤ら、油化学、37 (3), 166 (1988)等に4,4’−〔(4−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス〔2−メチルフェノール〕が、特開平4−211257号公報に4,4’−〔(2−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス〔2,5−ジメチルフェノール〕や4,4’−〔(2−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス〔2,6−ジメチルフェノール〕が開示されている。
【0005】
また、いずれも具体的な開示はないが、特開平4−284454号公報には4,4’−〔(2−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス〔3,5−ジメチルフェノール〕が、また、特開平4−301850号公報には4,4’−〔(3−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス〔2,5−ジメチルフェノール〕や4,4’−〔(4−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス〔2,5−ジメチルフェノール〕を含む構造式が記載されている。
【0006】
このようなトリスフェニルメタン型のポリフェノール化合物において、フェノール核がアルキル置換基を有するとき、ポリフェノール化合物の親油性が増大し、種々の有機溶剤に溶解しやすくなるので、種々の溶剤を用いる用途に好適に用いることができるのみならず、それらを原料として用いることによって、得られる材料の低吸水性や低吸湿性等の耐水特性が向上するほか、絶縁性や低誘電性等の電気特性も向上することが期待される。
【0007】
そこで、このようなアルキル置換フェノール核を有するトリスフェニルメタン型のポリフェノール化合物において、アルキル基のサイズが大きくなるほど、親油性が増して、上記のような性能の向上が期待されるが、しかし、実際には、アルキル基のサイズが大きくなると、フェノール核の廻りの自由体積も大きくなり、そのような空隙に水分子が侵入しやすくなるので、サイズの増大によって期待できるほどの上記性能の向上は難しい。言い換えると、フェノール核の廻りに均等にサイズの小さなアルキル基が置換されているほど、上記性能が向上することが期待できる。
【0008】
ポリフェノール化合物の有機溶剤に対する溶解性や、ポリフェノール化合物から得られる材料の耐水特性や電気的特性に影響を与える他の構造上の因子は、そのポリフェノール化合物において、親水性のヒドロキシル基がフェノール核のどの位置にあるかである。即ち、上に引用した公報に記載のポリフェノール化合物においては、いずれの場合も、メチン基に結合する2つのフェノール核のそれぞれのヒドロキシル基がいずれもメチン基に対してパラ位に位置するので、それらヒドロキシル基間の距離が離れており、相互に水素結合を形成し難く、かくして、相互作用を及ぼしあう可能性は小さい。
【0009】
これに対して、メチン基に結合する2つのフェノール核のそれぞれのヒドロキシル基がメチン基に対してオルト位に位置するポリフェノール化合物においては、それら2つのヒドロキシル基は相互に接近して位置するので、相互に水素結合を形成し、容易に相互作用しあうので、その分、分子としての親水性は低下すると考えられる。
【0010】
従って、このようなポリフェノール化合物は、上述したようなメチン基に結合する2つのフェノール核のそれぞれのヒドロキシル基がいずれもメチン基に対してパラ位に位置するポリフェノール化合物よりも、有機溶剤に対する溶解性や、得られる材料の耐水特性や電気特性が向上することが期待される。
また、感光性材料の分野でも,感度、解像度、現象性等の要求性能は、感光基を有する化合物との反応性や、現象液との親和性等によって決まるため、アルキル置換基のサイズが小さく、且つ、フェノール核の廻りに均質にアルキル置換基にて置換され、また、ヒドロキシル基の位置が異なる種々のポリフェノール化合物が求められている。
【0011】
従来、このようなトリスフェニルメタン型のポリフェノール化合物であって、そのメチン基に結合する2つのフェノール核のそれぞれのヒドロキシル基がいずれもメチン基に対してオルト位に位置するものとしては、特開平4−211257号公報に2,2’−〔(2−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス〔4,5−ジメチルフェノール〕が開示されているのみである。このポリフェノール化合物は、3,4−ジメチルフェノールとサリチルアルデヒドとの反応によって得られるが、3,4−ジメチルフェノールは、その2つのメチル基が互いに隣接して位置する。
【0012】
そこで、本発明者らは、単一のフェノール核において、2つのメチル基が互いに離れた位置にある3,5−ジメチルフェノールを用いて、トリスフェニルメタン型のポリフェノール化合物の製造について、上記特許文献の記載を含めて詳細に検討した。
【0013】
その結果、3,5−ジメチルフェノールとヒドロキシル基置換ベンズアルデヒドとの反応生成物は、検討したすべての場合において、2,2’−〔(ヒドロキシル基置換フェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)であり、副生する4,4’−〔ヒドロキシル基置換フェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)及び2,4’−〔(ヒドロキシル基置換フェニル)メチレン〕ビス(3,5−トリメチルフェノール)は、いずれも少量であることを確認した。更に、本発明者らは、上記反応によって得られる反応生成物を晶析することによって、高純度の2,2’−〔ヒドロキシル基置換フェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)を得ることができることを見出して、本発明に至ったものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ボリフェノール化合物の上述した事情に鑑みて、種々の有機溶剤への溶解性にすぐれ、種々の用途への展開が可能であるほか、これを原料として用いることによって、低吸水性、低吸湿性等の耐水性や、絶縁性、低誘電性等の電気特性にもすぐれる樹脂を与えることが期待され、更には、感光性材料としても有用に用いられることが期待される新規なポリフェノール化合物、特に、メチン基に結合するそれぞれのフェノール核のヒドロキシル基がいずれもメチン基に対してオルソ位にあり、更に、それぞれのフェノール核の有する2つのメチル基がそのフェノール核のヒドロキシル基に対して共にメタ位にあるトリスフェニルメタン構造を有し、3,5−ジメチルフェノールを原料として用いて得られる新規なポリフェノール化合物を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明による新規なポリフェノール化合物は、一般式(I)
【0016】
【化2】
【0017】
(式中、nは1又は2を示す。)
で表わされる。
【0018】
【発明の実施の形態】
従って、本発明によるポリフェノール化合物の具体例としては、例えば、
(1)2,2’−〔(2−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)、
(2)2,2’−〔(3−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)、
(3)2,2’−〔(4−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)、
(4)2,2’−〔(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)、
(5)2,2’−〔(2,3−ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)、
(6)2,2’−〔(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)
等を挙げることができる。
【0019】
これらのなかでは、原料の一成分であるヒドロキシル基置換ベンズアルデヒドが比較的容易に、且つ、経済的に得られるようなポリフェノール化合物が好ましく、従って、具体的には、サリチルアルデヒドを原料として得られる2,2’−〔(2−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス〔(3,5−ジメチルフェノール) 、m−ヒドロキシベンズアルデヒドを原料として得られる2,2’−〔(3−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)、p−ヒドロキシベンズアルデヒドを原料として得られる2,2’−〔(4 −ヒドロキシフェニル)メチレンビス〔(3,5−ジメチルフェノール) 又は(3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(プロトカテキュアルデヒド)を原料として得られる2,2’−〔(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス〔(3,5−ジメチルフェノール) 等が好ましい。
【0020】
かかる本発明による新規なトリスフェニルメタン型のポリフェノール化合物は、酸触媒の存在下、アルコール溶剤中にて、3,5−ジメチルフェノールと一般式(II)
【0021】
【化3】
【0022】
(式中、nは1又は2を示す。)
で表わされるヒドロキシル基置換ベンズアルデヒドとを反応させることによって得ることができる。
本発明によるポリフェノール化合物の製造において、上記一般式(II)で表わされるヒドロキシル基置換ベンズアルデヒドとしては、具体的には、サリチルアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(プロトカテキュアルデヒド)、2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド等を挙げることができる。前述したように、これらのなかでは、比較的容易に、また、経済的に入手することができるサリチルアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド又は3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(プロトカテキュアルデヒド)が好ましく用いられる。
【0023】
3,5−ジメチルフェノールとこれらヒドロキシル基置換ベンズアルデヒドとの反応において、3,5−ジメチルフェノールは、ビドロキシル基置換ベンズアルデヒドに対して、2倍モル以上、通常、2〜10倍モルの範囲で用いられるが、好ましくは、3〜7倍モル量の範囲で用いられる。
また、上記アルコール溶剤としては、用いる反応原料、得られる生成物の溶解度、反応条件、反応の経済性等を考慮して、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等のような低級脂肪族アルコールが好ましく用いられる。特に、メタノールが好ましく用いられる。
【0024】
本発明において、このようなアルコール溶剤は、通常、用いるヒドロキシル基置換ベンズアルデヒド100重量部に対して、10〜1000重量部、好ましくは、30〜300重量部の範囲で用いられるが、これに限定されるものではない。
本発明において、上記酸触媒としては、反応溶剤であるアルコール溶剤に溶解する酸が好ましく、従って、例えば、塩酸、硫酸、無水硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、シュウ酸、ギ酸、リン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等を好ましい具体例として挙げることができる。このような酸触媒は、例えば、35%塩酸の場合は、ヒドロキシル基置換ベンズアルデヒド類100重量部に対して、1〜500重量部、好ましくは、20〜100重量部の範囲で用いられる。
【0025】
反応は、通常、室温から80℃、好ましくは、30〜60℃にて、窒素気流下に攪拌しながら、2〜72時間程度、通常、12〜24時間程度行なえばよい。本発明においては、通常、反応によって生成するポリフェノール化合物は、反応溶剤に溶解し難いために、上記反応温度条件下では、反応液中に析出する。
そこで、反応終了後、得られた反応液にアンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリを加えて、酸触媒を中和した後、冷却して粗結晶を得、次いで、この粗結晶を芳香族炭化水素、脂肪族ケトン又はこれらの混合溶剤から晶析することによって、目的とするトリスフェニルメタン型のポリフェノール化合物の高純度品を容易に得ることができる。
【0026】
上記晶析溶剤は、晶析条件、精製効果、経済性等を考慮して、適宜に選択される。芳香族炭化水素としては、例えば、トルエン、キシレン、クメン等を挙げることができ、また、ケトンとしては、例えば、イソプロピルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン等を挙げることができる。また、混合溶剤の具体例として、例えば、トルエン−メチルエチルケトン、トルエン−ジイソプロピルケトン、トルエン−メチルイソブチルケトン、キシレン−メチルエチルケトン、キシレン−ジイソプロピルケトン、キシレン−メチルイソブチルケトン、クメン−メチルエチルケトン、クメン−ジイソプロピルケトン、クメン−メチルイソブチルケトン等を挙げることができる。
【0027】
このような晶析溶剤は、通常、粗結晶100重量部に対して、20〜1000重量部、好ましくは、100〜500重量部の範囲で加えることによって、目的とするトリスフェニルメタン型のポリフェノール化合物を高純度に晶析させることができる。
前述したように、3,5−ジメチルフェノールとこれらヒドロキシル基置換ベンズアルデヒドとの反応によって、目的とする2,2’−〔(ヒドロキシル基置換フェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)が主成分として生成するが、このほかに、4,4’ −〔(ヒドロキシル基置換フェニル)メチレン〕ビス(3,5 −ジメチルフェノール)と2,4’−〔(ヒドロキシル基置換フェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)とが少量副生する。
【0028】
しかし、上述したように、3,5−ジメチルフェノールとヒドロキシル基置換ベンズアルデヒドとを反応させた後、析出したポリフェノール化合物の混合物を含む反応液中の酸触媒を中和し、次いで、反応液から晶析を行なうことによって、目的とする2,2’−〔(ヒドロキシル基置換フェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)を高純度精製品として得ることができる。
【0029】
このように、反応終了後、反応液からの晶析によって、本発明によるトリスフェニルメタン型のポリフェノール化合物の高純度品を得ることができるが、用途等によっては、反応終了後、反応液を中和し、更に、必要に応じて、水を加え、攪拌した後、静置して、水層を分離し、得られた有機層を洗浄した後、蒸留による濃縮や乾燥によって、反応物の全量を回収してもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明によるポリフェノール化合物は、トリスフェニルメタン型の骨格を有すると共に、メチン基に結合するそれぞれのフェノール核のヒドロキシル基がメチン基に対していずれもオルソ位にあり、更に、それぞれのフェノール核の有する2つのメチル基がそのフェノール核のヒドロキシル基に対して共にメタ位に位置し、種々の有機溶剤への溶解性にすぐれるので、広範な用途に有利に用いることができる。
【0031】
更に、本発明によるポリフェノール化合物は、これを原料として用いることによって、低吸水性、低吸湿性のような耐水性、絶縁性や低誘電性などの電気特性にもすぐれる樹脂、例えば、エポキシ樹脂を与える。また、エポキシ樹脂の硬化剤や感光性材料の基材として有用に用いることができる。
【0032】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0033】
実施例1
(2,2’−〔(2−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)の合成)
3,5−ジメチルフェノール366gとメタノール73gと35%塩酸37gとをフラスコに仕込み、溶解させて、溶液とした。この溶液に攪拌下、50℃にてサリチルアルデヒド60gを滴下し、20時間反応させた。反応中に結晶が析出した。
【0034】
反応終了後、得られた反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加えて、塩酸を中和した後、ろ過して、目的物の粗結晶295gを得た。この粗結晶295gにメチルエチルケトン1200gを加え、75℃まで昇温して、結晶を溶解させ、溶液を水洗した後、油層を濃縮し、晶析させて、目的物200gを白色粉末結晶(純度99.1%)として得た。
融点:172.6℃、176.8℃(DSCピークトップ)
マススペクトル:親ピーク 348
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
【0035】
【表1】
【0036】
実施例2
(2,2’−〔(3−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)の合成)
3,5−ジメチルフェノール180gとメタノール25gと35%塩酸50gとをフラスコに仕込み、溶解させて、溶液とした。この溶液に攪拌下、40℃にて3−ヒドロキシベンズアルデヒド60gと3,5−ジメチルフェノール60gとメタノール50gとからなる混合溶液を滴下し、18時間反応させた。反応中に結晶が析出した。
【0037】
反応終了後、得られた反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加えて、塩酸を中和した後、ろ過して、目的物の粗結晶155gを得た。この粗結晶155gにトルエン480gとメチルエチルケトン60gとを加え、75℃まで昇温して、結晶を溶解させ、溶液を水洗した後,油層を濃縮し、晶析させて、目的物80gを白色粉末状結晶(純度99.4%)として得た。
融点:198.4℃(メトラー法)
マススペクトル:親ピーク 348
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
【0038】
【表2】
【0039】
実施例3
(2,2’−〔(4−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)の合成)
3,5−ジメチルフェノール240gとメタノール73gと4−ヒドロキシベンズアルデヒド60gとをフラスコに仕込み、溶解させて、溶液とした。この溶液に攪拌下、40℃にて35%塩酸20gを滴下し、昇温して、50℃で18時間、この後、60℃で4時間反応させた。反応中に結晶が析出した。
【0040】
反応終了後、得られた反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加えて、塩酸を中和した後、ろ過して、目的物の粗結晶170gを得た。この粗結晶170gにトルエン430gとメチルエチルケトン170gとを加え、60℃まで昇温して、結晶を溶解させ、溶液を水洗した後、油層を濃縮し、晶析させて、目的物120gを橙色結晶(純度99.2%)として得た。
融点:207.6℃(JIS光透過法)
マススペクトル:親ピーク 348
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
【0041】
【表3】
【0042】
実施例4
(2,2’−〔(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)の合成)
3,5−ジメチルフェノール366gとメタノール73gと35%塩酸37gとをフラスコに仕込み、溶解させて、溶液とした。この溶液に攪拌下、30℃にて3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド70gを添加し、40℃で18時間反応させた。反応中に結晶が析出した。
【0043】
反応終了後、得られた反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加えて、塩酸を中和した後、ろ過して、目的物の粗結晶137gを得た。この粗結晶137gにトルエン400gとメチルエチルケトン200gとを加え、70℃まで昇温して、結晶を溶解させ、溶液を水洗した後、油層を濃縮し、晶析させて、目的物80gを淡黄色結晶(純度97.8%)として得た。
融点:236.2℃(DSC法)
マススペクトル:親ピーク 364
プロトン核磁気共鳴スペクトル:
【0044】
【表4】
Claims (3)
- 2,2'−〔(3−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)。
- 2,2'−〔(4−ヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)。
- 2,2'−〔(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン〕ビス(3,5−ジメチルフェノール)。
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