JPH06304937A - 表皮一体発泡品の製造方法 - Google Patents

表皮一体発泡品の製造方法

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JPH06304937A
JPH06304937A JP5120832A JP12083293A JPH06304937A JP H06304937 A JPH06304937 A JP H06304937A JP 5120832 A JP5120832 A JP 5120832A JP 12083293 A JP12083293 A JP 12083293A JP H06304937 A JPH06304937 A JP H06304937A
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浩 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表皮と型面との密着性を完全にし、多少の表
皮の変形等に対しても、柔軟に対応して、良品を造る表
皮一体発泡品の製造方法を提供する。 【構成】 発泡成形型の型面23へプラスチック製表皮
4を配置し、型面23に通じる透孔24を利用して表皮
4と型面23間に真空吸引をかけながら表皮4内面へ液
状発泡原料を注入し、表皮と一体に発泡成形する表皮一
体発泡品の製造方法において、発泡成形型Aのスカート
部21に製品成形部23a外周を包囲する環状溝22を
設け、斯る環状溝22に係合する断面凹部形状の弾性長
尺体3を固着する一方、弾性長尺体3と嵌合するアジャ
スタ部41を表皮4の外面に形成することで、アジャス
タ部41を弾性長尺体3に嵌合させ、環状シール帯cを
つくるようにして表皮4を型面23に載置し、次いで、
環状シール帯cが囲んだ表皮4,型面23間に真空吸引
をかけながら、液状発泡原料Fの注入,発泡を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スラッシュ成形等で造
られたプラスチック製表皮を用いて、この表皮と一体に
発泡成形する表皮一体発泡品の製造方法に関する。自動
車の内装品等の製造分野に利用される。
【0002】
【従来の技術】発泡成形体の表面をプラスチック製表皮
で覆った表皮一体発泡品が出回っている。製品に弾力
性,軽量化等が求められる場合、そのクッション性,軽
量性等を発泡体にもたせる傍ら、外観の美的処理は表皮
に担わせることができ、好都合だからである。こうした
表皮一体発泡品は、従来、以下のような製法によった。
まず、所望のキャビティを形成した上型6,下型7を製
作し、下型7には、型面71に通じる透孔72を設け
る。また、スラッシュ成形,真空成形型等で造ったプラ
スチック製表皮8を準備する。そして、この型面71に
表皮8を載せ(図8)、次に、真空ポンプ5で表皮,型
面間に存在する空気を吸引し、表皮8を型面71に密着
させる(図9)。続いて、斯るバキュームがかかった状
態を確保しながら、表皮内面81へ液状発泡原料を注入
して、表皮と一体になる発泡成形を行うのである(従来
技術1)。
【0003】ここで、表皮8の位置決めを容易にし、型
面71へのフィット性を高めるべく、型上面73ヘ一定
間隔毎に円筒状のダボ74を植設し(図10)、これに
対応する表皮側にも円筒窪82(図11)を形成したも
のがあった(従来技術2)。更に、本出願人によって、
型面71に表皮8を正しい位置で保持させ、表皮8と型
面71とのシール性を一段と高めた表皮一体発泡品の製
造方法(特開平4−107109号公報)も開示されて
いる(従来技術3)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来のいず
れの製法にも欠陥があった。従来技術1は、表皮8がず
れ易かった。そして、ダボ74によって、位置ずれ防止
を図った従来技術2では、ダボ74にピッタリと整合す
る表皮8の製造が難しく、歩留りの低下等を招いた。表
皮8は、その成形過程で、とりわけ表皮型からの脱型時
に、部分的な伸びが発生し易くなっている。このため、
全ての地点のダボ74について、円筒窪82が精度よく
整合するような表皮を生産するのは至難であった。そこ
で、多少の許容範囲ならば、その表皮を使ってダボ74
へ嵌め込んでいくことになるが、型から表皮8が浮き上
ってしまう解離部9が現われた(図12)。解離部9の
範囲は広がりをみせ、スカート部75の表皮において顕
著であった。そして、この解離部9がつくる隙間から空
気が入り込むため、真空ポンプ5でいくら引いてもきか
なかった(図13)。かくして、表皮8が型面71に密
着しなくなり、製品表面に皺等のある不良品を生む結果
になった。
【0005】従来技術1,2を改善した従来技術3によ
れば、小物の製品を造る場合は、特に問題なかった。し
かし、大物製品では、具合が悪かった。大物製品の表皮
となると、表皮厚みに比べ、その面積は極めて大きくな
る。従って、型面シール部76に表皮8を収めようとし
ても、波打つ状態となり、どこかが浮上がってしまった
(図14)。また、型面シール部76に表皮シール部8
3を順番に合せながら先へ進んでいっても、型面シール
部76には表皮シール部83を捕捉する力がないため、
既に嵌合させたところが次々と外れてしまった。こうし
たことから、表皮8の型面71へのセットには苦労し
た。更に、型面シール部76は、剛性体で構成されてい
るため、融通がきかなかった。表皮8の僅かな変形等に
対しても、表皮,型面間に空隙をつくった。そして、こ
の空隙からエアが入り込むことになり、真空ポンプの吸
引力が急激に落ちた。吸引力の低下は、不良品が増える
ことに直結した。
【0006】本発明は上記問題点を解決するもので、一
度、嵌めてしまえば、弾性長尺体がアジャスタ部を確実
に保持し続けることで、表皮と型面との密着性を完全な
ものにするだけでなく、多少の表皮の変形等に対して
も、柔軟に対応して、良品を造る表皮一体発泡品の製造
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の表皮一体発泡品
の製造方法は、発泡成形型の型面へプラスチック製表皮
を配置し、型面に通じる透孔を利用してこの表皮と型面
間に真空吸引をかけながら、表皮内面へ液状発泡原料を
注入し、表皮と一体に発泡成形する表皮一体発泡品の製
造方法において、上記発泡成形型のスカート部に製品成
形部外周を包囲する環状溝を設け、斯る環状溝に係合す
る断面凹部(又は凸部)形状の弾性長尺体を固着する一
方、弾性長尺体と嵌合するアジャスタ部を上記表皮の外
面に形成することで、アジャスタ部を弾性長尺体に嵌合
させ、環状シール帯をつくるようにして表皮を型面に載
置し、次いで、環状シール帯が囲んだ表皮,型面間に真
空吸引をかけながら、液状発泡原料の注入,発泡を行う
ことを特徴とする。
【0008】ここで、「弾性長尺体」とは、ゴム材等の
弾性材料からなり、断面が凹状で、窪んだ部分を型面外
側に向けてセットする(断面が凸状の場合は膨らんだ部
分を型面外側に向けてセットする)細長い形状のものを
いい、環状溝に固着され、製品成形部外周を取囲むよう
配されるものである。「環状シール帯」とは、アジャス
タ部と弾性長尺体を嵌め合わせることで形成される封止
帯をいい、製品成形部外周を包囲している。
【0009】
【作用】本発明に係る表皮一体発泡品の製造方法によれ
ば、表皮形状と下型形状とを合わすようにして、アジャ
スタ部を弾性長尺体に嵌め込んでいく。すると、嵌め込
んだ部分では、弾性長尺体がその弾性復元力でアジャス
タ部を締付けようとする力が働き、一旦嵌め込めばアジ
ャスタ部を確実に保持する。一方、表皮に変形等がある
と、弾性長尺体自身が変形を伴って表皮の変形を緩和す
るように対応していく。従って、表皮の下型へのセット
は円滑に進む。こうしたアジャスタ部と弾性長尺体とで
形成する環状シール帯は、スカート部に設けられる。環
状シール帯がスカート部に設けられることで、型閉じが
進んでいくと、弾性長尺体とアジャスタ部は、押しつぶ
されながら、アジャスタ部と弾性長尺体との間に隙間が
あってもその隙間が埋められるように噛み合うことにな
り、環状シール帯の気密性が一層高まることになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳述する。 (1)表皮と発泡成形型の構成 図1〜図6は、本発明に係る表皮一体発泡品の製造方法
に用いる表皮と発泡成形型の一実施例を示す。インスト
ルメント・パネル・パッドの表皮一体発泡品を造るもの
である。
【0011】発泡成形型Aは、上型1と下型2からな
り、上型1と下型2間に製品形状のキャビティを形成す
る。下型2は、内部が中空の上下ブロック2a,2bか
らなる(図1)。下型2の上ブロック2aにスカート部
21が位置し、スカート部21中央寄りには、断面がコ
字状に窪んだ環状溝22を有する(図2)。環状溝22
は、下型2全周を走らせ、型面23の製品成形部23a
外周を包囲する構成をとる。
【0012】符号3は、ゴム材で作られた断面凹形状の
弾性長尺体を示す(図3)。弾性長尺体3は、凹み部が
外面に出るようにして環状溝22に嵌め込んで下型2に
固着される。弾性長尺体3は、下型2に掘り込んだ環状
溝22を埋める形をとり、弾性長尺体3の面を下型2の
面に一致させて、下型全周を走らせている。尚、断面凹
形状とした弾性長尺体3は、その窪み幅Wを約2mm,
深さDを約5mmとしている。符号24は、下型2の下
ブロック2bで、中空部25から型面23へ貫通する透
孔を示す(図6)。透孔24は、製品成形部23aの大
きさ,形状等によって、適当な間隔で数箇所に設けられ
る。透孔24には、下型2側部から吸引チューブ51が
引き込まれ、その吸引チューブ51の先端を差込んでい
る。吸引チューブ51の他端は、真空ポンプ5に連結さ
せている。
【0013】符号4は、下型2の型面23に載置される
プラスチック製表皮を示す(図5)。パウダースラッシ
ュ成形により、インストルメント・パネル・パッドの表
皮形状に成形したものである。上記下型2に固着された
弾性長尺体3位置に対応する表皮4の位置には、アジャ
スタ部41が形成されている。製品成形部23aを包囲
するようにして、表皮スカート部42の外面に設けられ
る。このアジャスタ部41は、表皮成形時に一体成形し
ている。
【0014】アジャスタ部41は、弾性長尺体3と嵌合
する断面が凸状の突起で、弾性長尺体3とは少しきつめ
に嵌め合わさるように設定している。弾性長尺体3が弾
性変形することで嵌め合わせに労せず、また、嵌め合わ
されれば、その復元力でシール性を高めることになるか
らである。アジャスタ部41と弾性長尺体3とが、その
全周にわたって嵌合すると、環状シール帯cが出来上
る。環状シール帯cが出来上ると、これが製品成形部2
3aを取囲んで表皮4,型面23間を封止した状態をつ
くる。ところで、表皮4の外周縁は、型上面231の手
前までしかいっていない(図4,図6)。型上面231
にダボ74を設け、これに係合させる円筒窪82を表皮
4側に形成する必要もないからである。型上面231に
載っていた表皮部分が不要になったおかげで、表皮4の
歩留りは向上している。
【0015】(2)表皮一体発泡品の製造方法 上記表皮4と発泡成形型Aを用いて、本発明に係る表皮
一体発泡品の製造方法の一実施例を説明する。まず、表
皮4を準備し、これを下型2に載せる。ここで、互いの
形状が重ね合わさるように載置する(図4)。すると、
弾性長尺体3の略真上にアジャスタ部41が載った状態
になる。こうした状態を確保して、次に、アジャスタ部
41を押し下げ、アジャスタ部41を弾性長尺体3の凹
部に嵌め込んでいく。
【0016】ここで、どの部分でも一ヶ所アジャスタ部
41を弾性長尺体3に嵌込めば、アジャスタ部41に道
筋をつけ、以後、残り全部を難なく嵌込めることができ
る(図1)。ダボ74のごとく一つずつ別個独立してお
らず、弾性長尺体3,アジャスタ部41は、その断面形
状が変化せず、且つ連続で細長い形状になっているから
である。また、アジャスタ部41の製造誤差等による位
置ズレも、弾性長尺体3が、自らの位置を修正対応して
アジャスタ部41を捕捉していく。弾性長尺体3を構成
するゴム材の弾性変形に基づく。一方、アジャスタ部4
1を弾性長尺体3に嵌込めば、弾性変形した弾性長尺体
3が元に戻ろうとして、アジャスタ部41を締付けるこ
とになる。故に、多少の外力では、アジャスタ部41は
弾性長尺体3から外れなくなる。こうして、従来の如
く、折角嵌め合せたところが外れていくといった不具合
は解消されている。
【0017】アジャスタ部41の嵌込みを進めていき、
アジャスタ部41と弾性長尺体3とが全ての部分にわた
って嵌合すると、環状シール帯cが出来上る(図1)。
かくして、環状シール帯cで取囲んだ表皮4と製品成形
部23aの型面23間は、外部空気と隔絶された状態に
なる。
【0018】その後、真空ポンプ5を起動させる。真空
ポンプ5が働くことによって、環状シール帯cで取囲ん
だ型面23,表皮4間にバキュームがかかり、この中に
存在した空気は、透孔24,吸引チューブ51を通って
外部へ排出される。従って、製品成形部23aに位置す
る表皮4は、型面23へピッタリと密着するようにな
る。
【0019】真空ポンプ5で吸引し、斯る状態を確保し
ながら、次に、表皮内面へポリウレタンフォーム原料か
らなる液状発泡原料Fを注入する。そして、所定量のポ
リウレタンフォーム原料を注入したら、今度は、上型1
を閉じていく。スカート部21は閉じ方向に対し摺鉢形
状になっており、型閉じ過程で、上型1と下型2とは、
環状シール帯cを挟むようにして、且つこれを潰すよう
にして噛み合っていく。従って、万一、アジャスタ部4
1と弾性長尺体3間に隙間ができていても、上型1が閉
じるにつれて、この隙間を潰し、埋めていくことにな
る。真空ポンプ5が働き続けることによって、製品成形
部23aにあたる型面23と表皮4間は、バキュームが
完全にかかった状態となり、発泡成形時には、表皮4は
型面23へ完璧に密着する状態をつくりあげる(図
6)。
【0020】この後、上型1,下型2の型締め状態で、
表皮4と一体に発泡成形をなす。表皮一体発泡成形の終
了後、上型1を開ける。そして、出来上った表皮一体発
泡品を下型2から取出すと、一連の成形工程は完了す
る。ここで、表皮一体発泡品の取出し時、アジャスタ部
41の一部を弾性長尺体3から引き離し、これを持ち上
げていけば、アジャスタ部41の持上り部分によって道
筋がつけられているので、アジャスタ部41は、弾性長
尺体3から次々と連続的に分離されていく。故に、表皮
一体発泡品の脱型も行い易くなっている。最後に、製品
成形部23aの外側の表皮4を切除して所望の最終製品
を得る。尚、弾性長尺体3は、下型2の環状溝22に固
着された状態で残る。次の表皮一体発泡品の製造に供す
るためである。弾性長尺体3が成形過程で変形した形
は、弾性回復して元の姿になっている。
【0021】(3)実施例の効果 以上の態様からなる表皮一体発泡品の製造方法によれ
ば、表皮4を型面23へ簡単にセットできた。表皮4
は、単に型面シール部76に載っている場合(従来技術
3)と異なり、弾性長尺体3に一度セットしてしまえ
ば、弾性長尺体3の弾性挟持力で外れることはなかっ
た。また、ダボ74を設けたもの(従来技術2)は、二
次元方向で一つづつ位置を確かめながら取付けていくの
に苦労した。しかるに、本実施例では、一部分でもアジ
ャスタ部41が弾性長尺体3に嵌まれば、弾性長尺体3
の凹状溝にまだ嵌合していないアジャスタ部41が既に
近接しているので、アジャスタ部41を上からなぜるよ
うにするだけで残りのアジャスタ部41と弾性長尺体3
との嵌合を難なく成し遂げることができた。一方、表皮
一体成形後、表皮一体発泡品を下型2から外すときも簡
単であった。ダボ74を有するものは、表皮一体発泡品
を引上げるとき、ダボ74の吸着によってそのまま引上
げれず、ダボ74の円柱部を曲げるようにして外してい
かねばならないため、かなりの力でもって引剥すことに
なった。これに対し、本実施例では、一ヶ所が外れれば
嵌合から分離する過渡状態にあるアジャスタ部41がで
き、これが道筋をつけるので、弾性長尺体3に沿って引
上げるだけで抵抗なく分離することができた。こうし
て、斯る作業を行い易くして、生産性向上に寄与した。
【0022】そして、表皮4の多少の変形に対しては、
弾性長尺体3自身が変形して、表皮4の寸法誤差を吸収
することになるので、表皮4の寸法公差を広げ、不良率
を低減させた。更に、本実施例によって、優れた気密性
が得られた。アジャスタ部41と弾性長尺体3は嵌合状
態になり、環状シール帯cをつくる。そのため、単に下
型2に表皮4が載っている場合と異なり、型面23,表
皮4間は、環状シール帯cを境に外気と遮断される。こ
の気密性の確保によって、真空ポンプ5が有効に働い
た。その結果、表皮4が型面23へきれいに密着して、
表面に皺等のない品質的に優れた表皮一体発泡品を造る
ことができた。
【0023】加えて、スカート部21に環状シール帯c
が形成され、この部分で上型1,下型2が摺り合わされ
ることになるので、万一、アジャスタ部41と弾性長尺
体3とに隙間ができていても、型閉じ過程でその隙間を
押し潰すことになった。こうして、環状シール帯cは、
より一層シール性を高め、良品を生む結果につながっ
た。そして、スカート部21に環状シール帯cを形成し
たことで、上ブロック2aに透孔24を設ける必要がな
くなり、下型2の製作コストが下がった。これは、ま
た、必要な狭い範囲にだけバキュームがかかるので、そ
の威力が増し、表面4の型面23への密着性を更に高
め、製品歩留りを向上させた。
【0024】尚、本発明においては、前記実施例に示す
ものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種
々変更できる。例えば、アジャスタ部41は、図7のご
とくの形状とすることができる。斯る場合、アジャスタ
部41の「U」字形状の部分に弾発力が保有され、弾性
長尺体3との密着性が一段と高まることになる。一方、
弾性長尺体3を断面凸状とし、アジャスタ部41を断面
凹状とすることもできる。実施例と同様に、弾性長尺体
3とアジャスタ部41とで環状シール帯cを形成するこ
とができるからである。更には、弾性長尺体3の断面凹
部(又は凸部)形状は、窪んだ部分(又は膨らんだ部
分)を有し、被嵌合体であるアジャスタ部41と嵌め合
うことができれば、その具体的形状を問わない。弾性長
尺体3の材質もゴム材に限らず、スポンジ等に置き換え
てよい。また、吸引チューブ51に代えて、下型2の下
ブロック2bに孔をあけ、これに吸引パイプを接続し、
中空部25を介して透孔24と連通させる構成をとって
もよい。表皮4の広がりも、実施例に限定されず、型上
面73へ載るほどに広がる大きさのものでも構わない。
【0025】
【発明の効果】以上のごとく、本発明に係る表皮一体発
泡品の製造方法は、表皮が多少変形していても、弾性長
尺体がこの変形を吸収できるだけでなく、表皮を型面へ
確実に密着させながら、表皮と一体になる発泡成形を行
うので、製品外観の良好な表皮一体発泡品を造ることが
できる等優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた表皮と下型についての概略斜視
図である。
【図2】図1で、下型の環状溝周りを表す概略斜視図で
ある。
【図3】図1の弾性長尺体を表す概略斜視図である。
【図4】実施例で下型に表皮を載置する状態を示す部分
断面図である。
【図5】実施例で用いた表皮の部分斜視図である。
【図6】実施例で液状発泡原料の発泡時を示す概略断面
図である。
【図7】表皮の他の実施例を示す部分断面図である。
【図8】従来技術1の概略説明図である。
【図9】従来技術1の概略説明図である。
【図10】従来技術2の概略説明図である。
【図11】従来技術2における表皮の部分拡大図であ
る。
【図12】従来技術2でのダボ周りの部分拡大図であ
る。
【図13】従来技術2での下型と表皮のセット状態を示
す説明断面図である。
【図14】従来技術3の概略説明図である。
【符号の説明】
21 スカート部 22 環状溝 23 型面 23a 製品成形部 24 透孔 3 弾性長尺体 4 表皮 41 アジャスタ部 A 発泡成形型 c 環状シール帯 F 液状発泡原料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:20 B29L 9:00 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡成形型の型面へプラスチック製表皮
    を配置し、型面に通じる透孔を利用して該表皮と型面間
    に真空吸引をかけながら、表皮内面へ液状発泡原料を注
    入し、表皮と一体に発泡成形する表皮一体発泡品の製造
    方法において、上記発泡成形型のスカート部に製品成形
    部外周を包囲する環状溝を設け、該環状溝に係合する断
    面凹部(又は凸部)形状の弾性長尺体を固着する一方、
    該弾性長尺体と嵌合するアジャスタ部を上記表皮の外面
    に形成することで、該アジャスタ部を弾性長尺体に嵌合
    させ、環状シール帯をつくるようにして表皮を型面に載
    置し、次いで、環状シール帯が囲んだ表皮,型面間に真
    空吸引をかけながら、液状発泡原料の注入,発泡を行う
    ことを特徴とする表皮一体発泡品の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005041220A (ja) * 2003-07-24 2005-02-17 Ykk Corp フォームバン成型用金型インサート
JP2009184316A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Honda Motor Co Ltd 表皮付き樹脂成形品

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JP2009184316A (ja) * 2008-02-08 2009-08-20 Honda Motor Co Ltd 表皮付き樹脂成形品

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