JPH06298483A - 搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単であると共に、メンテナンスの点
でも有利な搬送装置を提供する。 【構成】 所望方向に走行する架台に昇降部材を設ける
とともに、前記昇降部材に複数個のＬ字状のフック１１
を設け、そのフックにより鍛造材１を持ち上げた状態で
前記架台を走行させて前記鍛造材を搬送する搬送装置で
あって、前記複数個のフックのそれぞれに、各フックを
９０°回転させるためのエアモーター１２を設けたこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は各種物品の搬送装置に関
し、特に鍛造材等の熱処理工程に用いるのに適した搬送
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図６は鍛造材を搬送するトラバーサーを
説明するための概略構成図であり、図示を省略した鍛造
機により鍛造された鍛造材１はトラバーサーと称される
搬送装置２によって熱処理炉３に搬送されるようになっ
ている。搬送装置２の概要を説明すると、一対のレール
４ａ、４ｂ上を移動する架台５に昇降部材６を設けら
れ、その昇降部材６に側面Ｌ字状に構成した複数のフッ
ク７が設けられている。鍛造材２は、フック７に載せて
搬送される。この搬送装置でフックに鍛造材２を載せる
場合、フックを鍛造材の下側位置まで下降させ、鍛造材
を載置する位置に移動させた後、昇降部材６を上昇させ
ることによりフックを引き上げる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の搬送装置に
おいては、フックの幅だけ間隔をあけて鍛造材を並べな
ければならず、また、熱処理炉の台車に載置した場合に
も、特定のものを取り上げる際には、フックの幅をあけ
て載置しておかなければならないという問題がある。こ
の点を改善するために、連結部材を用いてフックを９０
°回転するように構成することが本出願人により提案さ
れている。すなわち、連結部材を用いてフックの全部を
９０°回転できるようにすることにより、鍛造材の持ち
上げおよび移動後の載置にさいして、フックが挿入され
る幅が存在していればよくなる。しかしながら、この搬
送装置においては、各フックの全部を９０°回転できる
ようにする連結部材を用いているため、規模が大きく構
造が複雑な装置を必要とすることになり、そのメンテナ
ンスの点でも問題がある。例えば、使用中にフックの一
個に故障が生じて回転不可能になった場合には、搬送作
業を中止してフックの補修をしなければならなくなる。
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、その
目的は構造が簡単であると共に、メンテナンスの点でも
有利な搬送装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、フ
ックのそれぞれに、各フックを９０°回転させるための
エアモーターを設けることにより達成することができ
る。すなわち、本発明の搬送装置は、所望方向に走行す
る架台に昇降部材を設けるとともに、前記昇降部材に複
数個のＬ字状のフックを設け、該フックにより物品を持
ち上げた状態で前記架台を走行させて前記物品を搬送す
る搬送装置において、前記複数個のフックのそれぞれ
に、各フックを９０°回転させるためのエアモーターを
設けたことを特徴とする。

【０００５】

【作用】本発明の搬送装置においては、各フックに個別
にエアモーターを設けたので、鍛造材等の物品を搬送す
る場合に、各フックを物品の長手方向に個別または同時
に回転させ、次いで物品の長手方向に直交する方向、即
ち物品の下側に回転させた状態で昇降部材を上昇させる
ことにより、物品を持ち上げることができる。従って、
各フックのいずれかに故障が生じても、他のフックを回
転駆動して物品の持ち上げと搬送とを行うことができる
ので、搬送作業の効率化を図ることができるうえに、メ
ンテナンスが容易になる。

【０００６】

【実施例】以下、図１〜図５を参照して搬送装置の一実
施例を説明する。なお、図１及び図２は搬送装置の基本
的構成と作用を示す説明図、図３は搬送装置の具体例を
示す側面図、図４はフック部の構造を示す側面図、図５
は鍛造材の持ち上げ状態を示すフックの側面図である。
また、実施例の説明にあたっては、図１及び図２を参照
して基本的構成と作用を説明し、次に具体例を説明す
る。

【０００７】この実施例におけるフック１１は、エアモ
ーター１２により矢印ａ、ｂ方向に９０゜回転するよう
に構成されるとともに、一体に昇降するように構成され
ている。鍛造材１を搬送する場合は、エアモーター１２
を駆動してフック１１を矢印ｂ方向に回転させ、鍛造材
１の隙間に差し込み得るようにして図示を省略した昇降
部材により下降させる。そして、所定位置まで下降させ
た時点で、エアモーター１２を駆動してフック１１を矢
印ａ方向に回転させると、フック１１の腕部１１ａが鍛
造材１の下側に回り込む。この状態で昇降部材を上昇さ
せると、エアモーター１２とフック１１が一体に上昇
し、腕部１１ａによって鍛造材１を矢印ｃ方向に持ち上
げる。この状態で昇降部材とエアモーター１２、フック
１１を横方向に移動することにより、鍛造材１を搬送す
ることができる。

【０００８】前記構成にあっては、各フック１１に個別
にエアモーター１２が設けられているので、前記作業中
に仮に１個のフック１１が故障しても、他のフック１１
は支障なく動作する。エアモーター１２は、１個のフッ
ク１１を回転手駆動すればよいので、大型のものは不要
である。また、各フック１１を同時に、或は個別に回転
駆動することもでき、複雑な構造の連結部材が不要にな
る。

【０００９】次に、図３を参照して搬送装置の具体例を
説明する。搬送装置２１の構成を大別すると、所定間隔
で配設された左右一対のマスト２２ａ、２２ｂ、その上
を図２の手前側から奥方向に向けて、或は逆方向に移動
する架台２３、昇降部材２４、昇降部材２４に取り付け
られたフック１１、フック１１を回転させるエアモータ
ー１２等により構成されている。左右一対の柱２２ａ、
２２ｂ上にはガイドレール３１ａ、３１ｂが敷設され、
架台２３の両端下部に設けた車輪３２ａ、３２ｂを回転
させながらガイドするように構成されている。したがっ
て、架台２３は、図１の手前から奥方向に、或はこの逆
方向に往復動し、柱２２ａ、２２ｂ間が鍛造材１の搬送
路になる。

【００１０】架台２３を構成する梁３３の上部には、昇
降モータ３４と回転軸３５、回転軸３５を回転自在に支
持する軸受け３６、巻胴ドラム３７が設けられ、巻胴ド
ラム３７に昇降部材２４に固定されたチェーン３８が掛
け回されている。一方、架台２３には一対のガイド枠４
１ａ、４１ｂが固定され、昇降部材２４に垂直に固定し
た一対ガイド部材４２ａ、４２ｂが挿通している。故
に、昇降モータ３４を例えば正回転させるとチェーン３
８が巻き上げられ、昇降部材２４が上昇が実線で示す位
置から想像線で示す位置に上昇する。また、昇降モータ
３４を例えば逆回転させるとチェーン３８が巻下げら
れ、昇降部材２４が想像線で示す位置から実線で示す位
置に下降する。昇降部材２４が昇降する場合、ガイド部
材４２ａ、４２ｂとガイド枠４１ａ、４１ｂとのガイド
作用により、がたつきなく昇降することができる。

【００１１】各フック１１は、図４に示すようにエアモ
ーター１２と一体に昇降部材２４に取り付けられてい
る。そして、各エアモーター１２には図示を省略した空
気導入用のパイプが接続され、空気の導入方向を調整す
ることにより、フック１１を図１及び図２で説明したよ
うに矢印ａ、ｂ方向に回転するようになっている。な
お、各フック１１は図５に示すようにＬ字状に形成さ
れ、水平方向に延長して腕部１１ａの上面には円弧状の
凹部１１ｂが形成され、図５に想像線で示すように鍛造
材１を持ち上げた場合に転がりを防止するようになって
いる。本実施例では、凹部１１ｂは一箇所に形成されて
いるが、これは鍛造材１の径に合わせて設定されたもの
であり、小径の鍛造材を複数持ち上げて搬送する場合
は、二箇所に形成してもよい。

【００１２】次に、前記搬送装置２１による鍛造材１の
搬送作用を説明する。昇降部材２４は少なくとも鍛造材
１の上部、例えば図３に想像線で示す位置に巻き上げら
れ、各フック１１はエアーモーター１２の駆動により、
鍛造材１の長手方向に沿うように、言い換えれば図１で
示した矢印ｂ方向に保持される。この状態で昇降部材２
４を降下させると、各フック１１は鍛造材１間に降り
る。各フック１１の腕部１１ａは隙間に沿うように保た
れているので、鍛造材１の間隔が狭くても降下させるこ
とができる。そして、所定位置まで降ろした後、エアモ
ーター１２を駆動して各フック１１を矢印ａ方向に回転
させると、各フック１１が搬送しようとする鍛造材１の
下側に回り込むことになる。

【００１３】次に、昇降モータ３４を駆動するとチェー
ン３８により昇降部材２４が上昇するので、図５に示す
ように凹部１１ｂに鍛造材１がはまり込み、昇降部材２
４の上昇によってそのまま持ち上げられる。そして、例
えば図３に想像線で示す位置まで持ち上げた後、上昇を
停止させる。このような、下降、停止、上昇、停止等の
動作の切り換えは、センサーにより位置検出を行って制
御してもよい。鍛造材１を持ち上げ、停止した後に架台
２３を手前方向、または奥方向に走行させて所望位置に
搬送する。なお、搬送した鍛造材１を降ろす場合は、昇
降部材２４を降下させ、次いで各フック１１を矢印ｂ方
向に回転させ、次ぎに昇降部材２４と一体に各フック１
１を上昇させる。

【００１４】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の搬送装
置においては、複数個のフックのそれぞれに、各フック
を９０°回転させるためのエアモーターを設けたから、
回転駆動させる機構の規模が小さく、構造が簡単であ
り、また、作動を迅速に行うことができ、動力もかから
ない。さらに鍛造品を搬送する際に、フックの一つが故
障しても、他のフックはそれぞれ回転させることができ
るため、作業を中止することなく搬送を行うことがで
き、搬送作業の効率化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を適用した搬送装置の基本的構成と作
用を説明する概略構成図である。

【図２】 搬送装置の基本的構成と作用を説明する概略
構成図である。

【図３】 搬送装置の具体例を示す側面図である。

【図４】 要部の構成を示す側面図である。

【図５】 フックの形状を示す側面図である。

【図６】 従来の搬送装置の概略構成図である。

【符号の説明】

１…鍛造材 １１…フック １２…エアモーター ２１…搬送装置 ２３…架台 ２４…昇降部材 ３４…昇降モータ ３８…チェーン ４１ａ、４１ｂ…ガイド枠 ４２ａ、４２ｂ…ガイド部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所望方向に走行する架台に昇降部材を設
   けるとともに、前記昇降部材に複数個のＬ字状のフック
   を設け、該フックにより物品を持ち上げた状態で前記架
   台を走行させて前記物品を搬送する搬送装置において、
   前記複数個のフックのそれぞれに、各フックを９０°回
   転させるためのエアシリンダーを設けたことを特徴とす
   る搬送装置。