JPH0629320B2 - ポリフエニレンスルフイドおよびその製造方法 - Google Patents

ポリフエニレンスルフイドおよびその製造方法

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JPH0629320B2
JPH0629320B2 JP60245318A JP24531885A JPH0629320B2 JP H0629320 B2 JPH0629320 B2 JP H0629320B2 JP 60245318 A JP60245318 A JP 60245318A JP 24531885 A JP24531885 A JP 24531885A JP H0629320 B2 JPH0629320 B2 JP H0629320B2
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリマー中の結合塩素含有量が500ppm以下
であるポリフェニレンスルフィドおよびその製造方法に
関するものである。ポリフェニレンスルフィド(以下P
PSと略す)は、優れた耐熱性,耐薬品性を有し、その
特性を生かして電気,電子部品,自動車等の機械部品等
に広く用いられている。また、射出成形,押出成形等に
より成形品,フィルムシート,繊維等に成形可能であ
り、近年急速にその用途を拡大している。
〔従来の技術〕
PPSの一般的な製法としては、非プロトン極性溶媒中
でアルカリ金属硫化物を加熱し、結晶水を除去した後、
ジハロベンゼンを加えて加熱重合する方法が特公昭45
−3368号公報に開示されている。また、高重合度の
PPSを得る方法として、アルカリ金属カルボン酸塩を
重合助剤として添加,重合する方法が特公昭52−12
240号公報に開示されている。
しかし、このようなPPSの製造法による場合、生成ポ
リマーとほぼ同量の食塩が副生してくる。そのため、水
洗等の通常の処理では食塩の完全な除去は難しく、その
上ポリマー鎖末端には塩素やナトリウムが含有されてい
るため、PPS中にはナトリウム含有量で1000〜3
000ppm程度、塩素含有量で2000〜4000ppm程
度が含有されている。このようなPPSを原料として用
いた成形品を電気,電子部品の分野に適用しようとする
と、PPS中の食塩等の多量のナトリウムおよび塩素に
よる電気特性の低下が大きな障害となる。すなわち、ナ
トリウムおよび塩素を多量に含有するPPSを例えばI
C等の電子部品の封止に使用した場合には、吸湿により
回路の絶縁性を低下させたり、電極やリードフレームな
どが腐食されて断線したりなどの素子の特性劣化や故障
を引き起こすことが知られている。
そこで、これらの欠点を改善するための方法として、熱
水でPPS粉末を数回抽出することにより、水抽出可能
なナトリウム量を100ppm以下にするという方法が特
開昭55−156342号公報に開示されている。しか
し、本発明者らの研究によれば、この方法においては、
極めて長い時間抽出をくり返したにもかかわらず、抽出
されるナトリウム量はポリマー粒子表面に付着している
ものや、極く表面層にあるものだけあり、依然ポリマー
中には1000ppm以上のナトリウムが存在しており、
除去効果に乏しいものであった。さらにこの方法により
精製したPPS中の塩素含有量を定量してみると200
0〜3000ppm程度存在しており、PPS中の塩素低
減効果は見られなかった。
また、特開昭59−219331号公報には、PPSを
芳香族溶媒中で加熱処理して、ナトリウム含有量を低減
する方法が開示されている。この方法によれば、ナトリ
ウム含有量については低減が可能であるが、塩素につい
ては処理後のポリマー中に2000〜3000ppm程度
含まれており、除去効果は見られなかった。
このように、従来の技術でPPSの精製を試みても、ナ
トリウム含有量の低減は可能でも塩素含有量の低減は不
可能で、そのようなPPSは電気,電子部品類の被覆や
封止材料として用いるのに依然として満足すべき純度の
ものではなかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明はこれらの要望に答えるべく鋭意研究の結果、従
来にないPPS、すなわちPPS中にイオン結合性の塩
素を実質的に含まず、ナトリウム含有量のみならず共有
結合性塩素含有量をも極度に低減した新規なPPSおよ
びその製造方法を確立し、本発明を完成した。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち、本発明はポリマー中の結合塩素含有量が500pp
m以下である新規なPPSおよびその製造方法を提供す
るものである。本発明で云う結合塩素とは、炭素原子に
直接結合した共有結合性の塩素であり、NaCl等としてポ
リマー中に含まれているようなイオン結合性の塩素を意
味するものではない。共有結合性塩素は、ポリマー鎖末
端のベンゼン環に結合しており、具体的には として示される。尚、この共有結合性の塩素中には、残
存モノマーとしてのジクロルベンゼンの塩素は含まな
い。このようなポリマー中に含まれる共有結合性塩素の
定量はイオンクロマト等により共有結合性塩素とイオン
結合性塩素の総和を定量した後、ESCA(Electron Sp
ectroscopy for Chemical Analysis)により、共有結合
性塩素とイオン結合性塩素の比を求め、定量することが
できる。
本発明のPPSは少なくとも90モル%以上、さらに好
ましくは95モル%以上が 構成単位からなるポリ(p−フェニレンスルフィド)で
あり、残りの構成単位は、共重合可能な単位であればよ
く、オルトおよびメタフェニレン結合,ビフェニレン結
合,ナフタレン結合あるいは3価,4価のフェニレン結
合等が挙げられる。さらに、本発明のPPSは酸素共存
下に加熱処理することにより、酸化架橋したものであっ
てもよい。本発明のPPSの重合度nは20以上500
0以下が好ましい。また高化式フローテスター(ダイ
ス:穴径0.5mm,穴長2mm)により300℃,10kg荷
重で測定した溶融粘度は10〜50000ポイズの範囲
内にあることが好ましい。
次に本発明のPPSの製造法について以下に具体例を上
げて詳細に説明する。
本発明のPPSはアルカリ金属硫化物とハロベンゼンか
らPPSを製造した後、PPSと一般式(1)で示される
メルカプト基含有化合物のアルカリ金属塩 (Rは炭化水素基または複素環式化合物残基であり、M
はアルカリ金属であり、Aはカルボキシル基または水酸
基または置換,未置換アミノ基またはニトロ基であり、
xは1〜6の整数、yは0〜6の整数である) または、一般式(2)で示されるメルカプト基含有化合物 (Rは炭化水素基または複素環式化合物残基であり、A
はカルボキシル基または水酸基または置換,未置換アミ
ノ基またはニトロ基であり、xは1〜6の整数、yは0
〜6の整数である) とをPPSを溶解し得る溶媒中で加熱処理することによ
り製造される。
このような処理により、PPS中のイオン結合性塩素を
実質的に含まず、さらに結合塩素含有量を500ppm以
下、更には100ppm以下に低減することができる。こ
こでイオン結合性塩素を実質的に含まないとは、PPS
中のイオン結合性塩素含有量が100ppm以下程度であ
ることを意味する。
本発明において使用することのできるメルカプト基含有
化合物のアルカリ金属塩は、更に詳しくは一般式(1)に
よって表わされる。
(式中Rはアルキル,シクロアルキルおよびアリールの
ような炭素原子数1〜20個の炭素水素基または原子数
6〜20の複素環式化合物残基であり、Aはカルボキシ
ル基または水酸基または置換,未置換アミノ基またはニ
トロ基であり、Mはリチウム,ナトリウム,カリウム,
ルビジウムおよびセシウムから選ばれるアルカリ金属で
あり、xは1〜6の整数、yは0〜6の整数である) また、本発明において使用することのできるメルカプト
基含有化合物は、更に詳しくは一般式(2)によって表わ
される。
(式中R,A,x,yは一般式(1)中のR,A,x,y
と同一である) 式(1)および式(2)中のRは炭素数1〜12個を有するア
ルキル基,フェニル基,ナフチル基または1個のヘテロ
原子を含む6員複素環、2個のヘテロ原子を含む5員複
素環のベンゾローグ縮合環、3個のヘテロ原子を含む6
員複素環が好ましく、式(1)中のMはリチウムまたはナ
トリウムまたはカリウムが好ましい。
本発明において使用することのできるメルカプト基含有
化合物の若干の例としては、チオフェノール,o−チオ
クレゾール,m−チオクレゾール,p−チオクレゾー
ル,1−ナフタレンチオール,2−ナフタレンチオー
ル,3,4−ジメルカプトトルエン,1−ヘキサンチオー
ル,1−ヘプタンチオール,1−オクタンチオール,メ
ルカプトシクロペンタン,メルカプトシクロヘキサン,
メルカプト酢酸,α−メルカプトプロピオン酸,β−メ
ルカプトプロピオン酸,メルカプトコハク酸,チオサリ
チル酸,2−メルカプトエタノール,3−メルカプト−
2−ブタノール,3−メルカプト−1,2−プロパンジオ
ール,2−メルカプトエチルアミン,β−メルカプトバ
リン,2−メルカプトベンズイミダゾール,2−メルカ
プトベンゾチアゾール,2−メルカプトベンズオキサゾ
ール,2−メルカプト−1−メチルテトラゾール,2−
メルカプト−4−メチルピリミジン,2−メルカプト−
4,6−ジメチルピリミジン,5−メルカプト−1−メチ
ルテトラゾール,3−メルカプト−4−メチル−4H−
1,2,4−トリアゾール,2−メルカプトニコチン酸,6
−メルカプトプリン,2−メルカプト−6−ヒドロキシ
プリン,6−メルカプト−2−アミノプリン,2−メル
カプトピリジン,4−メルカプトピリジン,2−メルカ
プトピリジン−N−オキシド,2−メルカプトチアゾリ
ン,3−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール,2,5
−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール,5−メルカ
プト−2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール,1,3,5−ト
リアジン−2,4,6−トリチオール,2−メルカプトイミ
ダゾリン,2−メルカプト−4−ピリミドン,2−メル
カプト−5−チアゾリドン等が挙げられ、これらメルカ
プト基含有化合物のアルカリ金属塩は、本発明において
好適に使用され得る。特に好適なメルカプト基含有化合
物としては、チオフェノール,2−メルカプトベンゾチ
アゾール,2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メ
ルカプトベンズオキサゾール,2−メルカプトピリジ
ン,チオサリチル酸,ジメルカプトチアジアゾール,1,
3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオールが挙げられる。
また、これらメルカプト基含有化合物およびそのアルカ
リ金属塩は二種類以上の混合物として用いても何らさし
つかえない。
これらメルカプト基含有化合物またはそのアルカリ金属
塩の添加量はPPSの構成単位当り0.05〜100モル
%、好ましくは0.1〜80モル%、更に好ましくは0.5〜
50モル%の範囲が適当である。
本発明においては、反応系内に上記メルカプト基含有化
合物と塩基とを共存させ、系内でメルカプト基含有化合
物のアルカリ金属塩を調製し、反応に用いることもでき
る。このとき使用される塩基としては、アルカリ金属水
酸化物,アルカリ金属炭酸塩等が好適であり、これらの
若干の例としては、水酸化リチウム,水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等
およびこれらの混合物が挙げられる。
これらの塩基の添加量は、メルカプト基含有化合物に対
して10〜700モル%の範囲が適当である。
本発明において使用される溶媒としては、PPSを溶解
し得る溶媒であればよく、例えばN−メチルピロリド
ン,N−エチルピロリドン,2−ピロリドン,N−メチ
ルカプロラクタム,ヘキサメチルホスホルアミド,N,
N−ジメチルアセトアミド,N,N−ジメチルホルムア
ミド,アセトアミド,ホルムアミド,1,3−ジメチルイ
ミダゾリジノン,テトラメチル尿素,スルホラン,ジメ
チルスルホラン,ベンゾニトリル,メチルフェニルケト
ン,キシレン,ナフタレン,ジフェニル,アニソール,
エチルフェニルエーテル,ジフェニルエーテル等が挙げ
られ、これらは二種以上混合する形で用いてもよい。こ
れらのうち特に好ましいのは、N−メチルピロリドン,
ジフェニルエーテルであり、その使用量はPPS1重量
部に対して1〜100重量部となる範囲が好ましい。
本発明において、原料として使用するPPSとしては、
特に制限はなく、特公昭45−3368号公報に開示さ
れている方法で製造されたPPSやそのPPSを酸素共
存下に加熱処理することにより酸化架橋したPPSや特
公昭52−12240号公報に開示されている方法で製造さ
れた高重合度PPS等を含む。
本発明のPPSを製造するには、前記の溶媒中でPPS
と前記メルカプト基含有化合物のアルカリ金属塩および
/またはメルカプト基含有化合物とを通常100〜35
0℃、好ましくは190〜280℃、更に好ましくは2
20〜260℃にて0.5〜10時間、好ましくは1〜4
時間攪拌下に処理すればよい。その際の系内圧力は前記
溶媒を液相に保持し得るのに十分な範囲であればよい。
本発明のPPSを製造するには、一旦単離したPPSと
前記メルカプト基含有化合物のアルカリ金属塩またはメ
ルカプト基含有化合物を前記特定溶媒中で加熱処理する
のが最適であり、前記メルカプト基含有化合物のアルカ
リ金属塩またはメルカプト基含有化合物をPPSの重合
系に添加しても得られたPPS中の塩素低減効果は見ら
れない。
このようにして得られた反応混合物からのPPSの回収
は、従来の通常の技術を使用すればよく、例えば溶媒を
蒸留,フラッシングにより回収した後、ポリマーを水洗
し回収する方法や、反応混合物を過した後、ポリマー
を水洗し回収する方法等が挙げられる。
以上のようにして得られたPPSは単独またはガラス繊
維等の補強用充てび剤やタルク,マイカ等の公知の無機
充てん剤と配合されて、射出成形,押出成形等により各
種成形品,フィルム,シート,パイプ,繊維等に成形可
能であり、さらに本発明のPPSはPPS中にイオン結
合性の塩素を実質的に含まず、ナトリウム含有量のみな
らず、塩素含有量をも極度に低減しているため電気,電
子部品等の被覆や封止材料として用いるのに極めて有用
である。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例中で使用されるPPS
中のナトリウム含有量は約0.5gの試料を石英ビーカー
中で約10mlの硫酸および約10mlの硝酸で湿式分解さ
せた後、脱イオン水を加えて一定量に調製した液を原子
吸光分析により求めた。また、PPS中の結合塩素含有
量は約30mgの試料をフラスコ燃焼法により灰化した
後、N/100NaOHaqに吸収脱イオン水を加えて一定量
に調製した液をイオンクロマトで測定し、塩素の全量を
定量した後、ESCA(島津製作所製ESCA−75
0)により、共有結合性塩素とイオン結合性塩素の比を
求め、これらの値より、共有結合性塩素を定量した。E
SCAの測定は、x線源としてMgターゲットを用い、
エネルギー8KV,30mAで測定した。実際のESC
Aスペクトルを第1図および第2図に示す。
第1図は、実施例において使用した公知の製造法によっ
て得た原料としてのPPSの塩素についてのESCAス
ペクトルであり、第2図は本発明のPPSの塩素につい
てのESCAスペクトルの一例である。これらから明ら
かなように、ESCAを用いれば共有結合性塩素とイオ
ン結合性塩素との区別が可能である。
実施例1〜17 15容量のオートクレーブにNa2S・2.9H2O17.4モル,
N−メチルピロリドン5.8を入れ、窒素気流下攪拌し
て215℃まで昇温し、549gの主に水からなる留出
液を留去した。
その後、系を170℃まで冷却し、p−ジクロルベンゼ
ン17.4モルを添加し、窒素気流下に系を封入,昇温して
250℃にて3時間重合した。重合終了後、減圧下でN
−メチルピロリドンを蒸留回収した後、水でポリマーを
洗浄し、乾燥単離した。得られたポリマーは1790g
であり、ポリマー中のナトリウムおよび塩素含有量はそ
れぞれ2000ppm,2890ppmであった。
次いでこのPPSと第1表に示す反応試薬と溶媒および
必要に応じて塩基とを500ml容量のオートクレーブに
所定量仕込み、所定温度,時間にて加熱反応を行った。
反応終了後、オートクレーブを冷却して内容物を水中に
あけ、温水で洗浄,過をくり返した後、メタノールで
洗浄し、真空乾燥することによりポリマーを単離した。
結果を第1表に示す。
比較例1〜2 実施例の公知法による重合において得られたPPSと溶
媒とを反応試薬の不存在下に240℃にて2時間処理を
行った。結果を第2表に示す。このように本発明で用い
る反応試薬を存在させずに処理を行うと、PPS中のナ
トリウム含有量は低下するけれども、結合塩素含有量は
何ら減少しないことがわかる。
比較例3〜4 実施例の公知法による重合において得られたPPSと反
応試薬とをPPSを溶解しない水を溶媒として用い、2
00℃で2時間処理を行った。結果を第2表に示す。
このように、PPSが溶解しない溶媒を用いてPPSと
反応試薬との反応を試みても、PPS中のナトリウム含
有量,結合塩素含有量ともに低減されないことがわか
る。
比較例5 500ml容量のオートクレーブにNa2S・2.9H2O0.6モル,
N−メチルピロリドン150mlを入れ、窒素気流下攪拌
して215℃まで昇温し、22.9gの主に水からなる留出
液を留去した。その後、系を170℃まで冷却し、p−
ジクロルベンゼン0.6モルをN−メチルピロリドン50m
lとともに添加し、窒素気流下に系を封入、昇温して2
50℃にて3時間重合を行った後、2−メルカプトベン
ズイミダゾールナトリウム塩0.06モルのN−メチルピロ
リドン溶液を重合系へ添加し、250℃にて30分間反
応させた。その後、系を冷却し、反応生成物を水中に投
入し固形物を過捕集、温水にて固形分をくり返し洗浄
することによりポリマーを単離した。得られたポリマー
は61.2gであり、ポリマー中のナトリウムおよび結合塩
素含有量はそれぞれ220ppm,1840ppmであった。
このように、重合系に前記メルカプト含有化合物のアル
カリ金属塩を添加しても得られたPPS中の結合塩素低
減効果は見られなかった。
〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、従来
にないPPS、すなわちPPS中にイオン結合性の塩素
を実質的に含まず、ナトリウム含有量のみならず結合塩
素含有量をも極度に低減した新規なPPSが簡便に製造
でき、この高純度PPSは、電気,電子部品類の被覆や
封止材料として用いるのに極めて有用である。
【図面の簡単な説明】 第1図は、実施例において使用した公知の製造法によっ
て得た原料としてのPPSの塩素についてのESCAス
ペクトルであり、第2図は本発明のPPSの塩素につい
てのESCAスペクトルの一例である。 尚、測定条件は以下の通りである。 測定開始エネルギー210.00eV,測定終了エネルギー19
4.00eV,ステップエネルギー0.05eV,測定時間20
0ms,積算回数25

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (n:20以上)を構成単位として成り、結合塩素含有
    量が500ppm以下であるポリフェニレンスルフィド。
  2. 【請求項2】ポリフェニレンスルフィドと一般式(1)で
    示されるメルカプト基含有化合物のアルカリ金属塩 (Rは炭化水素基または複素環式化合物残基であり、M
    はアルカリ金属であり、Aはカルボキシル基または水酸
    基または置換,未置換アミノ基またはニトロ基であり、
    xは1〜6の整数、yは0〜6の整数である) および/または、一般式(2)で示されるメルカプト基含
    有化合物 (Rは炭化水素基または複素環式化合物残基であり、A
    はカルボキシル基または水酸基または置換,未置換アミ
    ノ基またはニトロ基であり、xは1〜6の整数、yは0
    〜6の整数である) をポリフェニレンスルフィドを溶解し得る溶媒中で加熱
    処理することからなる結合塩素含有量が500ppm以下
    であるポリフェニレンスルフィドの製造方法。
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