JP2696934B2 - ポリフェニレンスルフィドケトン重合体及びその製造法 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィドケトン重合体及びその製造法

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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、熱安定性が良好で射出成形可能なポリフェ
ニレンスルフィドケトン重合体及びその製造法に関する
ものである。
本発明の樹脂は熱可塑性であり、特に耐熱性、難燃
性、耐薬品性に優れている。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 一般式 で示されるポリフェニレンスルフィドケトン(以下PPSK
と略)は、ガラス転移点137℃、結晶融点352℃と優れた
耐熱性を有するため、電気・電子、自動車等幅広い分野
への応用が期待される。
このPPSKの合成法としては、例えばジハロ芳香族化合
物とアルカリ金属硫化物より極性溶媒中で製造する方法
でもPPSKは合成可能で、これはインディアン ジャーナ
ル オブ ケミストリー,21,501(1982)及び特開昭60
−58435号公報に記載されている。しかし、前者におい
ては170〜180℃と重合温度が低い上に1段階の昇温で反
応を行っている。その結果得られたものの溶液粘度は0.
26dl/g(H2SO4,0.5g/dl,28℃)と低い。また後者はポリ
フェニレンスルフィドの製造において使用されている行
程、即ち加熱によりアルカリ金属硫化物の遊離水や水和
水を除去した後、さらに2段階の昇温で重合を行ってい
るが、融点は低くまた得られた成形物も非常に脆い。
また米国特許4716212号では苛性ソーダと若干過剰の
水硫化ソーダを系内に添加することにより高分子量のPP
SKが得られているが、その実施例に示されているように
空気雰囲気下316℃で120分間処理すると処理前に可溶で
あったものが濃硫酸に不溶となる旨が記載されている。
しかし、この事実は架橋反応による著しい構造変化を示
唆しており、言い換えれば熱安定性が悪いと考えられ
る。
PPSKは、結晶性で高い融点を有するが故に加工温度が
高く成形を行うにあたってはその熱安定性が重要な問題
となる。しかしながら、これまでPPSKの熱安定性に関す
る検討は行われていない。
[課題を解決するための手段] 本発明者らはこれらの要望に答えるべく鋭意研究を重
ねた結果、重合条件の改良、具体的には加熱によるアル
カリ金属硫化物の遊離水や水和水の除去を行わず、未反
応ジハロゲン化合物の残存率が少なくとも2%以下にな
るまでの重合初期においてはより低い温度で反応を行
い、さらに得られた重合体を加熱硬化処理することによ
り非常に熱安定性のよいPPSKが得られることを見出し、
本発明に至ったものである。
本発明の第一の発明は、重合体の構成単位が下式繰返
し単位から成り、 還元粘度[η](ここで還元粘度[η]は、30℃で濃硫
酸中0.5g/dlの濃度で測定した相対粘度から、次式 還元粘度[η]=(相対粘度−1)/ポリマー濃度 に従い算出した値である)が0.10〜2.00dl/gであり、融
点+30℃の温度で5分間及び30分間溶融後の溶融粘度を
それぞれη1、η2とすると、η2/η1≦2.0であるポ
リフェニレンスルフィドケトン重合体にある。
本発明の第二の発明は、一般式 (X,X′はそれぞれフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を示
し、それぞれ同一あるいは異なっていてもよい)で示さ
れるジハロゲン化合物とアルカリ金属硫化物の極性溶媒
中での反応において、重合前に極性溶媒中でアルカリ金
属硫化物の遊離水や水和水の除去を行わず、かつ未反応
ジハロゲン化合物の残存率が少なくとも2%以下になる
までの重合初期においては80〜170℃の範囲で、それ以
後は200〜345℃の範囲で反応を行い、さらに得られた重
合体を酸素雰囲気下で融点より20〜80℃低い温度で熱処
理を行うことを特徴とするポリフェニレンスルフィドケ
トン重合体の製造方法にある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用されるジハロゲン化合物としては例え
ば、4,4′−ジフルオロベンゾフェノン、4,4′−ジクロ
ロベンゾフェノン、4,4′−ジブロモベンゾフェノン、
4,4′−ジヨードベンゾフェノン等が挙げられる。
これら化合物は耐熱性の面ではすべてパラ位の結合か
ら成ることが好ましいが、得られるスルフィドケトン重
合体の溶解性、及び成形性の向上を目的としてメタ位及
び/又はオルト位の結合を導入するため30モル%未満好
ましくは10モル%未満の範囲で、2,4′−ジフルオロベ
ンゾフェノン、3,3′−ジフルオロベンゾフェノン、3,
4′−ジフルオロベンゾフェノン、2,4′−ジクロロベン
ゾフェノン、3,3′−ジクロロベンゾフェノン、3,4′−
ジクロロベンゾフェノン、2,4′−ジブロモベンゾフェ
ノン、3,3′−ジブロモベンゾフェノン、3,4′−ジブロ
モベンゾフェノン等を共重合させることができる。
また繰返し単位の30モル%未満好ましくは10モル%未
満の共重合可能なその他の成分としては Rはアルキル基、ニトロ基、フェニル基、アルコキシ
基、アミノ基、シアノ基、アルボン酸基、またはカルボ
ン酸の金属塩を示す)、3官能結合 を含有していても、ポリマーの結晶性に大きく影響を及
ぼさない程度であれば構わない。
有機極性溶媒としては非プロトン性で高温でアルカリ
に対して安定な溶媒が好ましい。例えば、N,N−ジメチ
ルアセトアミド(DMA)、N−エチル−2−ピロリド
ン、ヘキサメチルホスホルトリアミド(HMPA)、ジメチ
ルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン
(NMP)、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられ
る。本発明で使用されるアルカリ金属硫化物としては例
えば硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫
化セシウムおよびこれらの混合物を挙げることができ
る。これらのアルカリ金属硫化物は無水物の形で使用し
ても、水和物(0.5〜10モル等量)の形で使用してもよ
い。
これらのアルカリ金属硫化物の中では硫化ナトリウム
が最も安価であって工業的には好ましい。
またこれらのアルカリ金属硫化物はジハロゲン化合物
の重合系内への添加に先立って系内でその場で調製され
ても、系外で調製されたものを添加してもさしつかえな
い。
重合時には、相間移動触媒として知られているクラウ
ンエーテル化合物や、リン塩,アンモニウム塩化合物の
使用や、アルカリ金属カルボキシレート等の助剤を使用
すると得られるポリマーの分子量向上に有効な場合もあ
る。
また重合の前に加熱によりアルカリ金属硫化物の遊離
水や水和水を除去しないことが熱安定性改良に効果的で
ある理由は現在のところ明らかではないが、熱履歴によ
るアルカリ金属硫化物の分解を防ぎ、モル等量比のずれ
や副反応を抑止するためであると考えられる。
重合は未反応ジハロゲン化合物の残存率が少なくとも
2%以下になるまでの重合初期においては80〜170℃の
範囲で行う。さらにそれ以後の重合後期には200〜345
℃、好ましくは230℃〜280℃の範囲で重合を行い反応を
完結させる。その延べ重合時間は0.5〜24時間、好まし
くは1〜12時間撹はん下に行われる。
本発明において使用されるジハロゲン化合物とアルカ
リ金属硫化物とのモル比は0.9〜1.1:1.0の範囲が好まし
く、溶媒の量は重合中に生成するポリマーの量が系の5
〜50重量%、好ましくは5〜30重量%になるように調節
して使用することができる。得られたポリマーは公知の
回収法を用いることができ、例えば減圧蒸溜、フラッシ
ュ法や水あるいは有機溶剤による再沈澱により単離さ
れ、水や有機溶媒により洗浄後乾燥する。
本発明におけるポリフェニレンスルフィドケトンは酸
素雰囲気下で加熱することにより鎖伸長や架橋、分岐な
どを生じさせることができるが、同時にポリマーの安定
性が向上する現象が見られた。熱処理の具体的条件は融
点より20〜80℃低い温度範囲において1〜24時間、好ま
しくは1〜12時間で行うのが良い。融点以下80℃より更
に低い温度では熱処理による安定化の効果が少ない。酸
素雰囲気下の具体例としては酸素単独、酸素含有気体又
は空気等を挙げることができる。酸素雰囲気下で加熱処
理することが熱安定性改良に効果的である理由も現在の
ところ明らかではないが、反応後残存している活性反応
末端が酸化され失活しているためではないかと考えられ
る。
また、前述の米国特許4716212に記載されているよう
な加熱処理によって濃硫酸に不溶となる現象は見られ
ず、本発明で得られた樹脂を320℃で8時間処理を行っ
ても可溶であった。
本発明のポリフェニレンスルフィドケトン重合体は一
般に30℃で濃硫酸中0.5g/dlの濃度で測定した相対粘度
から、次式 還元粘度[η]=(相対粘度−1)/ポリマー濃度 に従い算出した還元粘度[η]が0.10〜2.00dl/gのもの
であり、0.10dl/g未満であると成形品は非常に脆いもの
となる。
以上のようにして得られた熱安定性のよいポリフェニ
レンスルフィドケトンは、必要に応じてガラス繊維、炭
素繊維、アルミナ繊維等のセラミック繊維、アラミド繊
維、全芳香族ポリエステル繊維、金属繊維、チタン酸カ
リウムウィスカー等の補強用充填剤や炭酸カルシウム、
マイカ、タルク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、カオリン、クレー、パイロフェライト、ペントナイ
ト、セリサイト、ゼオライト、ネファリンシナイト、ア
タパルジャイト、ウォラストナイト、フェライト、ケイ
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化
アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、酸化鉄、二硫化モリブデン、黒鉛、石こう、ガラス
ビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン、石英、石英
ガラス等の無機充填剤や有機、無機顔料を配合すること
もできる。
また、芳香族ヒドロキシ誘導体などの離型剤、シラン
系、チタネート系のカップリング剤、滑剤、耐熱安定
剤、耐候性安定剤、結晶核剤、発泡剤、防錆剤、イオン
トラップ剤、難燃剤、難燃助剤等を必要に応じて添加し
てもよい。
さらに必要に応じて、ポリエチレン、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリスチレ
ン、ポリブテン、ポリα−メチルスチレン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリ
メタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロ
ン11、ナイロン46等のポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリレ
ート等ポリエステル、ポリウレタン、ポリアセタール、
ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホ
ン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリル
スルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド、シリコーン樹
脂、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂などの単独重合体、ラ
ンダムまたはブロック、グラフト共重合体の一種以上を
混合して使用することもできる。
(実施例) 以下、本発明を実施例により本発明の実施について更
に詳しく説明するがそれらは本発明の範囲をなんら制限
するものではない。
なお本発明で得られたPPSKは濃硫酸のような特殊溶媒
に溶けるのみで、一般の有機溶媒には不溶であるので平
均分子量を求めることは困難である。従って還元粘度及
び溶融粘度でその分子量の尺度とする。
ここでの還元粘度[η]は、30℃で濃硫酸中0.5g/dl
の濃度で測定した相対粘度から、次式 還元粘度[η]=(相対粘度−1)/ポリマー濃度 に従い算出した値である。
溶融粘度は島津製作所製高化式フロテスター(ダイ
ス;φ=0.5mm,L=2mm、荷重;10kg)を用いて365℃で測
定した値である。
また熱安定性の評価も高化式フロテスターを用いて行
った。その具体的な方法としては融点+30℃の380℃に
おける溶融粘度(ダイス;φ=0.5mm,L=2mm、荷重;50k
g)の時間変化(加熱時間5分及び30分)を測定した。
未反応のジハロゲン化合物の残存量の決定は島津製作
所製ガスクロマトグラフィーGC−12A(検出器FID、カラ
ムSilicone OV−17 2%)を用いて決定した。
実施例1 撹拌機を装備する内容積15のオートクレーブにN−
メチル−2−ピロリドン 7000ml、硫化ナトリウム(Na
2S・60.4wt%)678g(5.26モル)、4,4′−ジクロロベ
ンゾフェノン1331g(5.36モル)を仕込み撹はん下150℃
で3時間、さらに260℃で3時間反応させた。1段目反
応終了後のジハロゲン化合物残存量は1.02%、2段目終
了後では0.21%であった。
反応終了後、室温まで冷却し、遠心分離機でろ過し、
ポリマーとろ液を分離した。
ポリマーは水7とともに180℃で洗浄し、遠心分離
機でろ過し、ポリマーと水を分離した。
次に、100℃で1晩乾燥し、1070g(収率96%)のPPSK
を得た。DSCの測定より、このポリマーの融点は350℃、
ガラス転移点137℃であった。還元粘度[η]=0.48dl/
g(H2SO4,0.5g/dl,30℃)であった。高化式フロテスタ
ーを用いて測定した溶融粘度(365℃)は92Pa.sであっ
た。
ここで得られたPPSKオーブン中で空気雰囲気下320℃
で8時間処理を行った。
熱処理後の溶融粘度は263Pa.s(365℃)と上昇した。
また380℃における溶融粘度の時間変化は第1表及に示
したように良好であった。
濃硫酸での溶解度を調べたが、米国特許4716212号の
記載とは異なり、可溶であり、還元粘度[η]=0.52dl
/g(H2SO4,0.5g/dl,30℃)であった。
ここで得られた熱安定性の良好なPPSKはコンパウンド
・射出成形可能であり、ガラス繊維(チョップドストラ
ンド)30%を配合した成形品の主な機械物性は第2表に
示した通りである。
尚、本発明の重合体はその赤外分析による吸収スペク
トル(1090cm-1付近のチオエーテル結合に由来する吸
収、1640cm-1付近のカルボニル基に由来する吸収)から
前述の式の構造の繰返し単位を持つ重合体であることが
確認される。
比較例1 実施例1において熱処理前のPPSKの加熱時間5分及び
30分における溶融粘度の時間変化を測定した。その結果
を第1表に示す。
比較例2 実施例1において熱処理前のPPSKをオーブン中で真空
条件下320℃で8時間熱処理を行った。還元粘度[η]
=0.49dl/g(H2SO4,0.5g/dl,30℃)、溶融粘度は196Pa.
s(365℃)であった。
溶融粘度の上昇は見られたが、380℃における溶融粘
度の時間変化に関しては第1表及び第1図に示したよう
に実施例1に見られたような顕著な安定化は見られなか
った。
比較例3 特開昭60−58435号公報に記載されている実施例にも
とずいて硫化ソーダの水和水を加熱により除去後、PPSK
を合成した。
撹拌機を装備する内容積15のオートクレーブ中に酢
酸リチウム841g(12.01モル)、N−メチル−2−ピロ
リドン6000ml、Na2S・9H2O 2885g(12.01モル)を仕込
み、窒素気流下に200℃まで加熱して脱水した。主とし
て水からなる留出液1680gを得た。反応系を120℃まで冷
却後、3016g(12.01モル)の4,4′−ジクロロベンゾフ
ェノンとN−メチル−2−ピロリドン1000mlを添加し撹
はん下230℃で2時間、さらに250℃で1時間反応させ
た。
反応物を冷却後水中に投入し、水洗い・アセトン洗浄
を繰返した後、100℃で乾燥して1016g(収率91%)の粉
末状ポリマーを得た。還元粘度[η]=0.36dl/g(H2SO
4,0.5g/dl,30℃)、溶融粘度は52Pa.s(365℃)であっ
た。
ここで得られたPPSKは硬化速度が速くオーブン中で空
気雰囲気下300℃、2時間の熱処理で溶融粘度は296Pa.s
(365℃)となった。また380℃における溶融粘度の時間
変化を第1表に示した。30分では溶融時に硬化反応が進
行し測定不可能であった。
比較例4 重合を1段階の昇温で、260℃、3時間で行った以外
は実施例1と同様の方法で行い1061g(収率95%)のPPS
Kを得た。途中、170℃に到達時のジハロゲン化合物残存
率は3.50%、反応終了後は0.24%であった。還元粘度
[η]=0.24dl/g(H2SO4,0.5g/dl,30℃)、溶融粘度は
22Pa.s(365℃)であった。
ここで得られたPPSKをオーブン中で空気雰囲気下320
℃で5時間熱処理を行った。熱処理後の溶融粘度は347P
a.s(365℃)であった。また380℃における溶融粘度の
時間変化を第1表に示した。30分では溶融時に硬化反応
が進行し測定不可能であった。
比較例5 重合条件を200℃で3時間、さらに260℃で3時間とし
た以外は実施例1と同様の方法を用い、1095g(収率98
%)のPPSKを得た。
1段目反応終了後のジハロゲン化合物残存量は0.66
%、2段目終了後では0.15%であった。
ポリマーの還元粘度[η]=0.25dl/g(H2SO4,0.5g/d
l,30℃)、溶融粘度は28Pa.s(365℃)であった。
ここで得られたPPSKをオーブン中で空気雰囲気下320
℃で5時間熱処理を行った。熱処理後の溶融粘度は248P
a.s(365℃)と上昇した。還元粘度[η]=0.32dl/g
(H2SO4,0.5g/dl,30℃)であった。また380℃における
溶融粘度の時間変化を第1表に示した。30分経過後でも
測定可能であったがその上昇率は実施例1に比べて大き
かった。
また、実施例1と同様ガラス繊維(チョップドストラ
ンド)30%と配合し、コンパウンドを試みた。しかし、
硬化反応の進行により装置のダイスが詰まりコンパウン
ドすることが出来なかった。この事からも溶融+30℃の
温度で5分間及び30分間溶融後の溶融粘度の比η2/η1
は2.0以下が必要であることが明らかである。
<発明の効果> 以上の説明から明らかなように本発明によれば、本来
優れた耐熱性、難燃性、耐溶剤性、機械的性質を有する
ポリフェニレンスルフィドケトン重合体の熱安定性を向
上させ、より幅広い分野への応用を可能とするすること
が期待され、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたPPSKのIRチャートを示す図
である

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体の構成単位が下式繰返し単位から成
    り、 還元粘度[η](ここで還元粘度[η]は、30℃で濃硫
    酸中0.5g/dlの濃度で測定した相対粘度から、次式 還元粘度[η]=(相対粘度−1)/ポリマー濃度 に従い算出した値である)が0.10〜2.00dl/gであり、融
    点+30℃の温度で5分間及び30分間溶融後の溶融粘度を
    それぞれη1、η2とすると、η2/η1≦2.0であるポ
    リフェニレンスルフィドケトン重合体。
  2. 【請求項2】一般式 (X,X′はそれぞれフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を示
    し、それぞれ同一あるいは異なっていてもよい)で示さ
    れるジハロゲン化合物とアルカリ金属硫化物の極性溶媒
    中での反応において、重合前に極性溶媒中でアルカリ金
    属硫化物の遊離水や水和水の除去を行わず、かつ未反応
    ジハロゲン化合物の残存率が少なくとも2%以下になる
    までの重合初期においては80〜170℃の範囲で、それ以
    後は200〜345℃の範囲で反応を行い、さらに得られた重
    合体を酸素雰囲気下で融点より20〜80℃低い温度で熱処
    理を行うことを特徴とするポリフェニレンスルフィドケ
    トン重合体の製造方法。
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