JP2971930B2 - 易結晶性ポリフェニレンスルフィド共重合体およびその製造方法 - Google Patents

易結晶性ポリフェニレンスルフィド共重合体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は易結晶性ポリフェニレンスルフィド共重合体
およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しく
はポリフェニレンスルフィドとポリオレフィンまたはポ
リアルキレングリコールとの共重合体およびその製造方
法に関するものである。
ポリフェニレンスルフィドは、その優れた耐熱性,耐
薬品性を生かして電気,電子機器部材,自動車機器部材
として注目を集めている。また、射出成形,押出成形等
により各種成型部品,フィルム,シート,繊維等に成形
可能であり、耐熱性,耐薬品性の要求される分野に幅広
く用いられている。
[従来の技術] ポリフェニレンスルフィドの一般的な製造方法として
は、N−メチルピロリドン等の極性非プロトン溶媒中で
ジハロ芳香族化合物と硫化ナトリウム等のアルカリ金属
硫化物とを反応させる方法が特公昭45−3368号公報に開
示されている。
しかしながら、この方法で得られたポリフェニレンス
ルフィド、特に結晶性であるポリ(p−フェニレンスル
フィド)(以下PPSと略す)は、ガラス転移温度が約90
℃と比較的高く、また結晶化速度も遅いため射出成形に
おいて成形品を得ようとする場合、金型温度を130〜150
℃に設定しなければ良品が得られなかった。このことは
他の汎用エンジニアリングプラスチック、例えばナイロ
ンやPBTが100℃以下の金型温度で成形できることと比べ
ると、成形加工上のPPSの大きな欠点であり、PPSの用途
的拡大の阻害要因と考えられるが、100℃以下の低温金
型で十分に結晶化し得る結晶化速度の速いPPSを得る技
術は従来知られていない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明はPPSにポリオレフィンまたはポリアルキレン
グリコールセグメントを導入することにより著しく結晶
化速度を速めて、低温金型でも十分に結晶化し得る易結
晶性ポリフェニレンスルフィド共重合体ならびにその製
造方法を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 即ち本発明は下記式(I) (式中Rは炭素数1〜24の有機基または水素であり、
R′は炭素数2〜6のアルキレン基、Y,Y′はそれぞれ
1価および2価の電子吸引性基、Xはハロゲンを表わ
し、は0または1、mは10〜10000、nは0〜4、p,
p′はそれぞれ0〜4、qは1〜10、rは20〜2000のそ
れぞれ整数を表わす) で示される構造を有する易結晶性ポリフェニレンスルフ
ィド共重合体およびその製造方法を提供するものであ
る。
本発明の好適な実施態様としては、式(I)中のRが
炭素数1〜12の有機基であり、R′が炭素数2〜4のア
ルキレン基、Yがシアノ基、Y′がスルホン基またはカ
ルボニル基、Xがフッ素,塩素または臭素、mが10〜70
00、nが0または1、p,p′がそれぞれ0または1、q
は1〜6、が1であり、rが20〜1000であるPPSとポ
リアルキレングリコールとのブロック共重合体やが0
であることを除き、他のパラメーターは同様であるPPS
とポリオレフィンのブロック共重合体が挙げられる。
ここで式(I)中のRについて炭素数1〜24の有機基
とあるが、これはR中にエーテル,ケトン,アミド,ス
ルホン等のヘテロ原子含有官能基を含んでいてもさしつ
かえがないことを意味するものである。
式(I)のmは共重合体中のポリオレフィンまたはポ
リアルキレングリコールセグメントの重合度を示すもの
でmは10〜7000が好ましい。重合度が上記範囲から外れ
ると、PPSの結晶化速度を速める効果が少なくなるため
好ましくない。したがって、本発明の共重合体中のポリ
オレフィンまたはポリアルキレングリコールセグメント
の分子量は500〜500000が好ましい。
また式(I)中のY,Y′は、電子吸引性基であり、言
い換えればハメットの置換基定数σが正の値をとるよう
な置換基に相当する。Yの例としては、−CN,−NO2,−C
OOR,−CO3R,−CONR2(上記式中Rは水素または炭素数1
〜24の有機基またはアルカリ金属を表わす)などが挙げ
られ、Y′の例としては、−CO−,−N=N−,−CONH
−,−SO2−などが挙げられる。
次に本発明の易結晶性PPS共重合体の製造法について
説明する。本発明の共重合体は式(II) (式中Rは炭素数1〜24の有機基または水素であり、
R′は炭素数2〜6のアルキレン基、Y,Y′はそれぞれ
1価および2価の電子吸引性基、Xはハロゲンを表わ
し、は0または1、mは10〜10000、nは0〜4、p,
p′はそれぞれ0〜4、qは1〜10のそれぞれ整数を表
わす) で示される末端ハロゲン含有ポリオレフィンまたは末端
ハロゲン含有ポリアルキレングリコールをジハロベンゼ
ン,アルカリ金属硫化物とともに極性非プロトン溶媒中
で加熱,反応させることによって得られる。ここで式
(II)で示される末端ハロゲン含有重合体は、先に本発
明者らが提案した特願平1−264056号公報に記載した方
法、即ち末端水酸基含有ポリオレフィンまたはポリアル
キレングリコールを塩基存在下電子吸引性基で活性化さ
れた芳香族ジハロゲン化合物と共に非プロトン溶媒中で
反応させることにより得ることができる。
本発明で使用されるジハロベンゼンとしては、p−ジ
ハロベンゼンが好ましく、その若干の例としてはp−ジ
クロルベンゼン,p−ジブロモベンゼン,p−ジヨードベン
ゼンおよびそれらの混合物が挙げられるが、その中でも
p−ジクロルベンゼンが最も好ましい。結晶化度が高
く、耐熱性に優れたPPSを得るためには、ジハロベンゼ
ンとしてp−ジハロベンゼンを用いることが必要であ
る。ただしp−ジハロベンゼンに対して30モル%未満で
あればm−ジクロルベンゼン等のm−ジハロベンゼンや
o−ジクロルベンゼン等のo−ジハロベンゼンおよびジ
クロルナフタレン,ジブロモナフタレン,ジクロルジフ
ェニルスルホン,ジクロルベンゾフェノン,ジクロルジ
フェニルエーテル,ジクロルジフェニルスルフィド,ジ
クロルジフェニル,ジブロモジフェニル,ジクロルジフ
ェニルスルホキシド等のジハロ芳香族化合物を共重合し
てもさしつかえない。さらに1分子当り3個以上のハロ
ゲンを含有するポリハロ芳香族化合物、例えばトリクロ
ルベンゼン,トリブロモベンゼン,トリヨードベンゼ
ン,テトラクロルベンゼン,トリクロルナフタレン,テ
トラクロルナフタレン等を組み合わせて使用することも
できる。
本発明で使用するアルカリ金属硫化物としては、硫化
リチウム,硫化ナトリウム,硫化カリウム,硫化ルビジ
ウム,硫化セシウムおよびそれらの混合物が挙げられ、
これらは水和物の形で使用されてもさしつかえない。こ
れらアルカリ金属硫化物は、水硫化アルカリ金属とアル
カリ金属塩基,硫化水素とアルカリ金属塩基とを反応さ
せることによって得られるが、ジハロベンゼンの重合系
内への添加に先立ってその場で調製されても、また系外
で調製されたものを用いてもさしつかえない。上記アル
カリ金属硫化物中で本発明に使用するのに好ましいもの
は硫化ナトリウムである。
ジハロベンゼンを添加して重合を行う前には系内の水
を蒸留等によって除去し、アルカリ金属硫化物1モル当
り約4モル以下にしておくことが好ましく、また重合途
中で系内の水の量を変化させることも可能である。
本発明で使用する重合溶媒としては極性溶媒が好まし
く、特に非プロトン性で高温でアルカリに対して安定な
溶媒が好ましい。例えばN,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルア
ミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、N−エチル−
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−
ジメチルイミダゾリジン、ジメチルスルホキシド、スル
ホラン、テトラメチル尿素等およびその混合物が挙げら
れる。
また、本発明において使用される式(II)で示される
末端ハロゲン含有重合体の系への添加時期については、
脱水,重合のいかなる時期においても添加が可能である
が、アルカリ金属硫化物の脱水が終了した後、ジハロベ
ンゼンと共に添加するかまたはアルカリ金属硫化物とジ
ハロベンゼンを反応させた後添加することが好ましい。
末端ハロゲン重合体を重合系に添加する際の末端ハロ
ゲン重合体の形態としては、ポリアルキレングリコール
末端水酸基含有ポリオレフィンを芳香族ジハロゲン化合
物と非プロトン溶媒中で反応させた後、そのまま重合系
に添加してもよいし一旦末端ハロゲン重合体を単離した
後、重合系に添加してもよい。
重合は200〜300℃、好ましくは220〜280℃にて0.5〜3
0時間好ましくは1〜15時間撹拌下に行われる。また本
発明において使用されるアルカリ金属硫化物とジハロベ
ンゼンの使用量はモル比で(アルカリ金属硫化物):
(ジハロベンゼン)=1.00:0.90〜1.10の範囲が好まし
く、使用される極性非プロトン溶媒の量は重合によって
生成するPPS共重合体が3〜60重量%、好ましくは7〜4
0重量%となる範囲で使用することができる。
このようにして得られた反応混合物からのPPS共重合
体の回収は従来の通常の技術を使用すればよく、例えば
溶媒を蒸留,フラッシング等による回収した後、ポリマ
ーを水洗し回収する方法や、反応混合物を濾過し溶媒を
回収した後、ポリマーを水洗し回収する方法等が挙げら
れる。
以上の様にして得られたPPS共重合体は結晶化速度が
従来のPPSに比べ著しく速いため、金型温度が100℃以下
の低温金型を用いても射出成形によって十分に結晶化し
た耐熱性に優れた成形品を得ることができる。
また必要に応じてガラス繊維,炭素繊維,アルミナ繊
維等のセラミック繊維,アラミド繊維,全芳香族ポリエ
ステル繊維,金属繊維,チタン酸カリウムウィスカー等
の補強用充てん剤や炭酸カルシウム,マイカ,タルク,
シリカ,硫酸バリウム,硫酸カルシウム,カオリン,ク
レー,パイロフェライト,ベントナイト,セリサイト,
ゼオライト,ネフェリンシナイト,アタパルジャイト,
ウォラストナイト,PMF,フェライト,ケイ酸カルシウ
ム,炭酸マグネシウム,ドロマイト,三酸化アンチモ
ン,酸化亜鉛,酸化チタン,酸化マグネシウム,酸化
鉄,二硫化モリブデン,黒鉛,石こう,ガラスビーズ,
ガラスパウダー,ガラスバルーン,石英,石英ガラス等
の無機充てん剤や有機,無機顔料を配合することもでき
る。
また、可塑剤や離型剤,シラン系,チタネート系のカ
ップリング剤,滑剤,耐熱安定剤,耐候性安定剤,結晶
核剤,発泡剤,防錆剤,イオントラップ剤,難燃剤,離
燃助剤等を必要に応じて添加してもよい。
さらに必要に応じて、ポリエチレン、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリスチレ
ン、ポリブテン、ポリα−メチルスチレン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリ
メタクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ナイロ
ン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン12,ナイロン11,
ナイロン46等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト,ポリブチレンテレフタレート,ポリアリレート等の
ポリエステル、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリエー
テルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、シリコーン樹脂、フェノキシ樹
脂、フッ素樹脂などの単独重合体、ランダムまたはブロ
ック,グラフト共重合体の一種以上を混合して使用する
こともできる。
[実施例] 以下本発明を実施例によって具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例中で製造したPPS共
重合体の分子量は溶媒として1−クロルナフタレン,検
出器としてUV検出器を用いた超高温GPCを用い、標準ポ
リスチレンの検量線から算出した。
また結晶化速度は溶融したサンプルを急冷することに
より得た非晶サンプルを用いて、DSCにて10℃/minの昇
温速度で昇温した際の結晶化温度を測定することにより
評価した。
また共重合体の生成は、IRにより確認し、その組成に
関しては元素分析により決定した。
参考例1 本実施例において使用される末端ハロゲン化ポリエチ
レングリコールの製造例を以下に示す。
撹拌機および冷却管を装備した1容量のセパラブル
フラスコにポリエチレングリコール25g(平均分子量200
0,0.0125モル)、水素化カルシウムを用いて脱水,蒸留
精製したTHF500mlを仕込み窒素雰囲気下30℃にて15分間
撹拌することによりポリエチレングリコールを溶解させ
た。ポリエチレングリコールが均一に溶解した後、水素
化ナトリウム1.0g(60%パラフィンサスペンション,0.0
25モル)を添加し、30℃にて2時間撹拌し、均一に溶
解,反応したことを確認した後、4,4′−ジクロロジフ
ェニルスルホン14.4g(0.05モル)を添加、30℃にて20
時間反応させた。反応終了後、大量のジエチルエーテル
中に反応溶液を滴下することによりポリマーを析出さ
せ、グラスフィルターにて捕集することにより単離し
た。得られたポリマーはメタノール/ジエチルエーテル
系で再沈精製した後、室温で24時間減圧乾燥し、溶媒を
除去した。ポリマーの収量は27.7g,収率89%であり、GP
Cより求めた数平均分子量,1H−NMRより求めた数平均分
子量はそれぞれ2500,2580であり、ポリマー末端へのハ
ロゲンの導入率である官能基導入率は0.97であった。こ
こで言う官能基導入率とは下記式(III)を用いて算出
した値である。
(官能基導入率)=▲▼(GPC)/▲▼(NMR)
(III) ここで▲▼(GPC)はGPCにより標準ポリスチレン
の検量線を用いて求めた数平均分子量であり、▲▼
(NMR)は末端に導入された芳香族ハロゲン化合物残基
中の芳香族プロトンとポリオレフィンまたはポリアルキ
レングリコール中の脂肪族プロトンの積分比を1H−NMR
により求め、全てのポリマー末端に芳香族ハロゲン化合
物が導入されていると仮定して算出した数平均分子量で
ある。例えば(III)式により算出した官能基導入率が
1.0の場合には全てのポリマー末端にハロゲンが導入さ
れていることを示している。
また、GPCを用いてUV検出器とRI検出器を併用して変
性する前及び変性した後のポリエチレングリコールを測
定した結果を図1及び図2にそれぞれ示す。各図におい
て上部がUV検出器による曲線、下部がRI検出器による曲
線である。変性する前は芳香環が導入されていないの
で、UV検出器では検出できず、RI検出器のみ検出されて
いたが、変性後は末端に芳香族ジハロゲン化合物残基が
導入されるためUV検出器でも検出可能となっている。
又、両検出器による曲線は同じ形になっていること及び
反応前後でピークの形に変化がなく分子量変化も少ない
ことから、末端基導入が定量的であると考えられる。
この様にして得られた末端ハロゲン化ポリエチレング
リコールを以下PEG−1と略す。
参考例2 ポリエチレングリコールとして平均分子量600のポリ
エチレングリコールを用い、参考例1と同様の操作で反
応を行った。得られたポリマーの収率は88%,官能基導
入率は0.96であった。この様にして得られた末端ハロゲ
ン化ポリエチレングリコールを以下PEG−2と略す。
参考例3 ポリエチレングリコールのかわりに平均分子量2000の
ポリプロピレングリコールを用い、参考例1と同様の操
作で反応を行った。得られたポリマーの収率は98%,官
能基導入率は0.89であった。以下この末端ハロゲン化ポ
リプロピレングリコールをPPG−1と略す。
参考例4 ポリエチレングリコールのかわりに平均分子量2000の
ポリテトラメチレングリコール用い、参考例1と同様の
操作で反応を行った。得られたポリマーの収率は89%,
官能基導入率は0.96であった。以下この末端ハロゲン化
ポリテトラメチレングリコールをPTMG−1と略す。
参考例5 ポリエチレングリコールのかわりに平均分子量2400の
ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブ
ロックコポリマーを用い、参考例1と同様の操作で反応
を行った。得られたポリマーの収率は97%,官能基導入
率は0.96であった。以下この末端ハロゲン化ポリエチレ
ングリコール−ポリプロピレングリコールブロックコポ
リマーをPEG−PPG−1と略す。
参考例6 ポリエチレングリコールのかわりに平均分子量2800の
両末端水酸基含有ポリエチレンを用い、参考例1と同様
の操作で反応を行った。得られたポリマーの収率は76
%,官能基導入率は0.91であった。以下この末端ハロゲ
ン化ポリエチレンをPHO−1と略す。
実施例1 500ml容量のオートクレーブに硫化ナトリウムNa2S・
2.9H2O0.6モル,N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと
略す)150gを入れ窒素気流下撹拌して200℃まで昇温
し、主に水からなる流出液21.2gを留去した。系を170℃
まで冷却した後p−ジクロルベンゼン(以下p−DCBと
略す)0.599モル,PEG−1 3.41g(0.0014モル)をNMP5
0gとともに添加し、窒素気流下に系を封入,昇温して25
0℃で3時間重合を行った。重合終了後、系を冷却し、
内容物を水中に投入、ポリマーを沈殿させた後、沈殿し
たポリマーをグラスロートで捕集し、約5の温水で洗
浄,濾過をくり返し、さらに未反応PEG−1を完全に取
り除くためメタノールで抽出を行い一晩加熱真空乾燥し
ポリマーを単離した。得られたポリマーは61.5g,収率90
%であり、元素分析によって算出した共重合体の組成は
PPS:ポリエチレングリコール=96:4であった。またIRに
よりPPSに由来する吸収の他に2850cm-1にポリエチレン
グリコールのメチレンに由来する吸収が認められ、PPS
とポリエチレングリコールの共重合体が生成しているこ
とを確認した。(図3参照)さらに得られたPPS共重合
体の分子量を超高温GPCにより測定したところ重量平均
分子量で22000であった。一方、DSCを用いてガラス転移
温度Tg,結晶化温度Tcおよび融点Tmを測定したところそ
れぞれ70℃,106℃,281℃であり、PPSホモポリマーに比
べ融点を全く低下させずにTg,Tcが著しく低下してい
た。(表1参照)このことはPPSの耐熱性をそこなうこ
となく、結晶化速度が速くなっていることを示してお
り、射出成形において金型温度100℃以下の低温金型を
用いてもこのPPSコポリマーは十分に結晶化し、アニー
ルなしに高い耐熱性を有する成形品を得ることができ
る。
実施例2〜6 PEG−1のかわりにPEG−2,PPG−1,PTMG−1,PEG−PPG
−1,PHO−1を用い、実施例1と同様の操作で重合を行
った。得られたPPS共重合体はいずれもPPSホモポリマー
に比べTcが低下しており、結晶化速度が速くなっている
ことを示している。(表1参照) 比較例1 PEG−1を用いなかったことを除いて、実施例1と同
様の操作で重合を行った。得られたポリマーのTcは実施
例のPPS共重合体のTcに比べ高く、結晶化速度の遅いも
のしか得られなかった。(表1参照) [発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明によれば著し
く結晶化速度の速いPPSが簡便に得られ、100℃以下の低
温金型を用いた射出成形においても十分に結晶化した成
形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
図1,図2はそれぞれ参考例において使用した変性する前
および後のポリエチレングリコール(平均分子量2000)
のGPC溶出曲線であり、上部にUV検出器による曲線を、
下部にRI検出器による曲線を示している。 図3は実施例において得られたPPS共重合体のIRチャー
トである。PPSに由来する吸収の他に2850cm-1にポリエ
チレングリコールのメチレンに由来する吸収が認められ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−147548(JP,A) 特許2913051(JP,B2) 特公 昭46−12149(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 75/00 - 75/32 C08G 65/32 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I) (式中Rは炭素数1〜24の有機基または水素であり、
    R′は炭素数2〜6のアルキレン基、Y,Y′はそれぞれ
    1価および2価の電子吸引性基、Xはハロゲンを表わ
    し、は0または1、mは10〜10000、nは0〜4、p,
    p′はそれぞれ0〜4、qは1〜10、rは20〜2000のそ
    れぞれ整数を表わす) で示される構造を有する易結晶性ポリフェニレンスルフ
    ィド共重合体。
  2. 【請求項2】下記式(II) (式中Rは炭素数1〜24の有機基または水素であり、
    R′は炭素数2〜6のアルキレン基、Y,Y′はそれぞれ
    1価および2価の電子吸引性基、Xはハロゲンを表わ
    し、は0または1、mは10〜10000、nは0〜4、p,
    p′はそれぞれ0〜4、qは1〜10のそれぞれ整数を表
    わす) で示される末端ハロゲン含有重合体とジハロベンゼン,
    アルカリ金属硫化物を極性非プロトン溶媒中で加熱,反
    応させることを特徴とする易結晶性ポリフェニレンスル
    フィド共重合体の製造方法。
JP2250138A 1989-10-12 1990-09-21 易結晶性ポリフェニレンスルフィド共重合体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2971930B2 (ja)

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