JPH06287946A - Ｐｃ鋼線のシ−ス材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 産業廃棄物としての煩雑な処理が不要である
とともに、ＰＣ鋼線を小さな摩擦抵抗で容易に引き抜く
ことができ、しかもドリルパイプのカップリングなどの
突起物と接触して損傷することなくスム−ズに挿入でき
る、ＰＣ鋼線のシ−ス材を提供する。 【構成】 ＰＣ鋼線２を被覆するシ−ス材において、Ｐ
Ｃ鋼線の径よりも大きい内径を有する直管型のシ−ス管
１の内周面に、シ−ス管内に挿入するＰＣ鋼線の周面と
シ−ス管内周面との間に空隙部１２を形成する突起１１
を設けたことを特徴とする、ＰＣ鋼線のシ−ス材であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＰＣ鋼線を被覆するシ
−ス材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図２は、従来からアンカ−の施工に用い
られるアンボンドタイプの引張材である。この引張材
は、アンカ−に引張力を導入するためのＰＣ鋼線ａを、
グリスｂを介してシ−スｃにより被覆して形成される。
このアンボンドタイプの引張材を除去式アンカ−に使用
した場合、ＰＣ鋼線ａはシ−スｃに被覆されているため
グラウトと接着せず、しかもグリスｂが介在するため、
小さい抵抗で容易に引き抜くことができる利点を有す
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術には、
次のような問題点が存在する。即ち、従来のアンボンド
タイプのシ−ス材の場合、ＰＣ鋼線の引き抜き時に、グ
リスｂが介在することにより摩擦抵抗が減じられるとい
う利点はあるが、しかしここで使用されるグリスｂは、
産業廃棄物としての処理が必要となるため、廃棄処分の
コストが高くなるという欠点を有している。そこで、図
３に示すようなシ−ス材ｄを波型に形成し、内部にグリ
スを充填せず、シ−ス材ｄ内周面と内部に挿入するＰＣ
鋼線ａの周面との間に空隙を設けた構造の引張材が開発
されている。この引張材は、グリスを充填しない代わり
に、シ−ス材ｄ内周面とＰＣ鋼線ａ周面との接触面積を
少なくして、ＰＣ鋼線ａ引き抜き時の摩擦抵抗を小さく
できる利点を有している。ところで、アンカ−孔の削孔
方法の一つに、いわゆるドリルパイプと呼ばれる中空管
体ｅの先端に掘削ビットを装着し、管体ｅを継ぎ足しな
がら所定の深度まで清水を利用して掘進させ、孔壁の保
持を兼ねる管体ｅを設置させた状態でアンカ−を造成す
る方法が一般に行われている。この場合、ドリルパイプ
は地中に残留させ、ドリルパイプ内にアンカ−テンドン
を挿入して設置が行われる。そのため、上記のような波
型のシ−ス材ｄを用いた場合、ドリルパイプを継ぎ足す
ためのカップリングの内面の突起部ｆ等に、波型の外周
面が引っ掛かって損傷したり、また突起部ｆと接触した
場合に、摩擦によってシ−ス材ｄを損傷させてしまうお
それがある。従って、この損傷部よりグラウトがシ−ス
材ｄ内に侵入し、固化してしまうため、ＰＣ鋼線ａを引
き抜けないという事態が発生する。

【０００４】

【本考案の目的】本発明は、上記のような問題点を解決
するためになされたもので、産業廃棄物としての煩雑な
処理が不要であるとともに、ＰＣ鋼線を小さな摩擦抵抗
で容易に引き抜くことができ、しかもドリルパイプのカ
ップリングなどの突起物と接触して損傷することなくス
ム−ズに挿入できる、ＰＣ鋼線のシ−ス材を提供するこ
とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ＰＣ鋼
線を被覆するシ−ス材において、ＰＣ鋼線の径よりも大
きい内径を有する直管型のシ−ス管の内周面に、シ−ス
管内に挿入するＰＣ鋼線の周面とシ−ス管内周面との間
に空隙部を形成する突起を設けたことを特徴とする、Ｐ
Ｃ鋼線のシ−ス材である。

【０００６】

【実施例】以下、図１を参照しながら、本発明の一実施
例について説明する。 ＜イ＞シ−ス材の構造 シ−ス１は、合成樹脂等で作製した可撓性を有する直管
型の管体である。このシ−ス１の内径は、内部に位置さ
せるＰＣ鋼線２の径よりもやや大きく形成する。

【０００７】また、シ−ス１の内周面には複数の突起１
１を設ける。この突起１１は、図１に示すように、ＰＣ
鋼線２の周面とシ−ス１の内周面との間に空隙部１２を
確保できれば、形状あるいは設ける位置については特に
限定しない。

【０００８】但し、突起１１をあまり密集させて設ける
と、ＰＣ鋼線２の引き抜き時に、突起１１とＰＣ鋼線２
の周面との間の摩擦抵抗が大きくなるため、適度に間隔
をおいて突起１１を設ける。

【０００９】また、空隙部１２は、ＰＣ鋼線２の周面と
シ−ス１の内周面とを接触させないためのものであり、
僅かな隙間で足りるため、突起１１を余り高く形成する
必要はない。以上のように、ＰＣ鋼線２の周面とシ−ス
１の内周面とは、突起１１の僅かな部分でしか接触しな
いため、ＰＣ鋼線２の緊張時の摩擦抵抗が減じられ、容
易に引っ張ることが可能となる。

【００１０】＜ロ＞作製方法 上記構造のシ−ス１は、例えばプレオレフィン樹脂また
は塩化ビニ−ル材料などを用い、突起１１となる硬質樹
脂を螺旋状に押し出し成形を行い、この周囲に軟質樹脂
を連続的に被覆押し出し成形して製造することができ
る。そして、このようにして得られたシ−ス１内にＰＣ
鋼線２を挿入して、シ−ス材が出来上がる。

【００１１】

【本発明の効果】本発明は以上説明したようになるた
め、次のような効果を得ることができる。 ＜イ＞シ−ス材の内周面に突起を形成することによっ
て、従来のアンボンドタイプのようなグリスを用いるこ
と無く、引き抜き時の摩擦抵抗を減じて容易にＰＣ鋼線
を除去することができる。従って、産業廃棄物としての
処理が不要であるため、処理コストの低減を図ることが
可能となる。

【００１２】＜ロ＞シ−ス材の外周面は直管型で凹凸が
無いため、ドリルパイプ内にスム−ズに挿入及び引き抜
きでき、パイプ内のカップリング等の突起物にぶつかっ
て損傷するおそれがない。そのため、従来のように損傷
箇所からグラウトが侵入し、ＰＣ鋼線の引き抜きが困難
となる事態を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のシ−ス材の説明図

【図２】 従来のアンボンドタイプのシ−ス材の説明図

【図３】 従来の波型シ−ス材の説明図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＰＣ鋼線を被覆するシ−ス材において、 ＰＣ鋼線の径よりも大きい内径を有する直管型のシ−ス
   管の内周面に、 シ−ス管内に挿入するＰＣ鋼線の周面とシ−ス管内周面
   との間に空隙部を形成する突起を設けたことを特徴とす
   る、 ＰＣ鋼線のシ−ス材。