JPH06287820A - 紡機における管糸形成方法及び管糸形成装置 - Google Patents

紡機における管糸形成方法及び管糸形成装置

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JPH06287820A
JPH06287820A JP7714993A JP7714993A JPH06287820A JP H06287820 A JPH06287820 A JP H06287820A JP 7714993 A JP7714993 A JP 7714993A JP 7714993 A JP7714993 A JP 7714993A JP H06287820 A JPH06287820 A JP H06287820A
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誠 渋谷
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Naoki Kojima
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 設定生産糸長だけ糸を巻き取って管糸を形成
した際に、管糸のリフト長を設定リフト長とほぼ等しく
する。 【構成】 機台の運転に先立ってCPU23は生産糸長
LB、リフト長Lt等の入力データに基づいて管糸形成
のシミュレーションを行い、基準シェーパステップSS
Cの最適値を算出する。CPU23はS1で生産糸長L
B、リフト長Lt等の入力データを読み出し、S2〜S
3の処理により基準シェーパステップSSCの初期値を
算出する。この初期値に基づく生産糸長をS4〜S8の
処理で算出する。S9で|LB−LBX|<δであるか
否かを判断し、|LB−LBX|<δでない場合はS1
0で初期値を補正してS4に移行する。以下S9で|L
B−LBX|<δとなるまでS4〜S10の処理を繰り
返す。|LB−LBX|<δとなると、そのときの基準
シェーパステップSSCで機台の運転を開始させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリング精紡機、リング撚
糸機等の紡機における管糸形成方法及び管糸形成装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の紡機では、フロントロー
ラからの紡出量とボビンへの巻取量が同量となるよう
に、フロントローラの回転速度とスピンドルの回転数が
一定の比となるように設定されている。リングレール
は、ボビンの軸方向に所定ストローク(チェイス長)で
昇降動しながらリングレールの1回の昇降毎にその位置
が所定量すなわち基準シェーパステップずつ上方へスラ
イドされるようになっている。こうして1回の昇降毎に
リングレールの位置が基準シェーパステップずつ上方へ
スライドされることによりボビンの下部から上部へ向か
って管糸は形成されてゆく。
【0003】管糸は満管時に巻き取られた生産糸長LB
と管糸の軸方向の幅すなわちリフト長Ltとが予め設定
された値となるように形成される必要がある。生産糸長
LBとリフト長Ltとの関係は基準シェーパステップに
より決まるため、管糸の生産糸長LBとリフト長Ltと
を設定どおりにするために適正な基準シェーパステップ
SSCを設定する必要がある。
【0004】図5はチェイス回数に対するリングレール
の高さすなわち紡出糸のボビンへの巻取り位置を示した
グラフである。2本の線A,Bはそれぞれリフティング
の上端位置及び下端位置を示し、リングレールは各チェ
イス毎に2本の線A,Bの間を昇降し、同図右側の管糸
Gのように形成される。
【0005】機台の運転前に設定する基準シェーパステ
ップSSCは通常同図の斜線部における巻取り量を生産
糸長LBとして次式より算出される。 SSC=(Lt−C)/(LB/L) ここで、Cはチェイス長、Lは平均ダブルストローク糸
長でリングレールの1回昇降当たりの平均巻取り糸長で
あり次式から算出される。
【0006】 L=(3/2)・(π(DE+D)・C/2000P) ただし、DEは平均ボビン裸径、Dは管糸外径、Pは糸
ピッチである。糸ピッチPは糸ピッチ係数k及び番手N
eを用いて次式から算出される。
【0007】P=k/(1.06√(Ne)) また、管糸外径Dは直接求めることができないため簡易
的にリングの直径Rを基準とした値とされ、一般にD=
R−3に設定される。また、管糸の下部は満管時の生産
糸長LBを多くするため増量巻きが行われて外側に膨ら
んだ形状に形成されている(例えば、特開平2−277
827号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、平均ダブル
ストローク糸長Lを算出するときに管糸外径Dをリング
径Rを基準にして一般にD=R−3に簡易的に設定して
いるので、実際には必ずしもD=R−3とはならず、適
正な基準シェーパステップSSCが算出されない場合が
あった。その結果、管糸の実際の生産糸長及びリフト長
が、必ずしも共に設定どおりにならないという問題があ
った。また、前記のように増量巻きが行われた管糸で
は、実際の生産糸長は設定した生産糸長LBよりもΔL
B(ΔLB=(S1/S2)・LB、ただし(S1/S
2)は図5における面積比S1/S2)だけ多く糸が巻
かれており、実際の生産糸長と設定した生産糸長LBと
が一致しないという問題があった。
【0009】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は設定生産糸長だけ糸を巻
き取って管糸を形成した際に、管糸のリフト長を設定リ
フト長とほぼ等しくすることができる紡機における管糸
形成方法及び管糸形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明では、リングレールの昇降速
度とスピンドル回転数とが所定の比例関係となるように
駆動する紡機において、管糸形成開始前に、管糸に対し
て所望する生産糸長及びリフト長等をデータとして入力
装置を介して記憶装置に入力し、該記憶装置に記憶され
た前記のデータに基づいて演算手段により1チェイス当
たりのリングレールの昇降切換位置の変位量である基準
シェーパステップを算出し、算出した基準シェーパステ
ップに基づいて演算手段により管糸形成のシミュレーシ
ョンを行って生産糸長及びリフト長を算出し、算出した
生産糸長及びリフト長が所望する生産糸長及びリフト長
とほぼ一致するか否かを判定し、両者がほぼ一致しない
場合には基準シェーパステップを補正し、当該基準シェ
ーパステップに基づく管糸形成のシミュレーションによ
る生産糸長及びリフト長が所望する生産糸長及びリフト
長とほぼ一致することを確認した後に当該基準シェーパ
ステップに基づいてリングレールの昇降切換位置を制御
して管糸を形成するようにした。
【0011】請求項2に記載の発明では、リングレール
の昇降速度とスピンドル回転数とが所定の比例関係とな
るように駆動する精紡機において、所望する生産糸長及
びリフト長等のデータを入力する入力装置と、前記入力
装置により入力されたデータを記憶する第1の記憶装置
と、管糸形成のシミュレーションのプログラムデータ
と、該シミュレーションに基づく管糸の生産糸長及びリ
フト長が所望する生産糸長及びリフト長とほぼ一致する
ようにさせる1チェイス当たりのリングレールの昇降切
換位置の変位量である基準シェーパステップを算出する
ためのプログラムデータを記憶する第2の記憶装置と、
前記第1の記憶装置及び第2の記憶装置に記憶された生
産糸長及びリフト長等のデータ及びプログラムデータに
基づいて基準シェーパステップを算出する演算手段と、
前記基準シェーパステップに基づいてリングレールの昇
降切換を制御する制御装置とを備えた。
【0012】
【作用】上記構成により請求項1に記載の発明によれ
ば、紡機はリングレールの昇降速度とスピンドル回転数
とが所定の比例関係となるように駆動される。まず管糸
形成開始前に、管糸に対して所望する生産糸長及びリフ
ト長等のデータが入力装置を介して記憶装置に入力され
る。演算手段はこの入力データに基づいて1チェイス当
たりのリングレールの昇降切換位置の変位量である基準
シェーパステップを算出する。演算手段は基準シェーパ
ステップに基づいて管糸形成のシミュレーションを行
い、このシミュレーションに基づく生産糸長及びリフト
長を算出し、算出した生産糸長及びリフト長が所望する
生産糸長及びリフト長とほぼ一致するか否かを判定し、
両者がほぼ一致しない場合には基準シェーパステップを
補正する。さらに、演算手段は当該基準シェーパステッ
プに基づく管糸形成のシミュレーションによる生産糸長
及びリフト長が所望する生産糸長及びリフト長とほぼ一
致することを確認する。その後、演算手段は当該基準シ
ェーパステップに基づいてリングレールの昇降切換位置
を制御して管糸を形成させる。従って、実際に形成され
る管糸の生産糸長及びリフト長は所望する生産糸長及び
リフト長とほぼ一致する。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、紡機はリ
ングレールの昇降速度とスピンドル回転数とが所定の比
例関係となるように駆動される。入力装置は所望する生
産糸長及びリフト長等のデータを入力し、入力されたデ
ータは第1の記憶装置に記憶される。演算手段は第1の
記憶装置及び第2の記憶装置に記憶された生産糸長及び
リフト長等のデータ及びプログラムデータに基づいて基
準シェーパステップを算出する。そして、その基準シェ
ーパステップで管糸形成のシミュレーションを行い、シ
ミュレーション結果が所望の生産糸長及びリフト長とほ
ぼ一致するか否かを判断する。ミュレーション結果が所
望の生産糸長及びリフト長とほぼ一致したとき、制御装
置はその基準シェーパステップに基づいてリングレール
の昇降切換の位置を制御する。従って、実際に形成され
る管糸の生産糸長及びリフト長は所望する生産糸長及び
リフト長とほぼ一致する。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図4に基づいて説明する。精紡機の機台にはリングレー
ルを昇降動させる図4に示すようなリフティング装置が
配設されている。同図に示すように、精紡機の機台の左
右両側(片側のみ図示)にその長手方向に沿ってライン
シャフト1が回転自在に配設され、ラインシャフト1に
ねじ歯車2及びかさ歯車3が一体回転可能に所定間隔で
多数嵌着されている。一方、スピンドルレール(図示せ
ず)にはリングレール4を支持するポーカピラー5がス
ライドガイド(図示せず)を介して上下方向に摺動可能
に支承され、スライドガイドの下方にはナット体6がス
ピンドルレールに対して回転自在に支持されている。ナ
ット体6には前記ポーカピラー5の下部に形成されたス
クリュー部5aが螺入されるとともに、下端には前記ね
じ歯車2と噛合するねじ歯車7が嵌着固定されている。
又、ラペットアングル8を支持するポーカピラー9はス
ライドガイドを介して機台フレーム(いずれも図示せ
ず)に対して上下方向に摺動可能に支承されている。ポ
ーカピラー9は機台フレームに対して回転自在に支持さ
れるとともに、かさ歯車3と噛合するかさ歯車10を備
えたナット体11に対して下端スクリュー部9aが螺入
されている。
【0015】ラインシャフト1にはフロントローラ12
の回転が歯車列13,14,15等を介して伝達され、
歯車列14に設けられた一対の電磁クラッチ16,17
の励消磁に対応してラインシャフト1が正逆回転駆動さ
れるようになっている。なお、このリフティング装置は
特開昭62−133129号公報に開示されたものと同
様な構成である。
【0016】電磁クラッチ16,17による正逆回転の
切換が行われる中間軸18の端部には中間軸18の回転
数を検出するロータリエンコーダ19が取り付けられ、
ロータリエンコーダ19の検出信号は制御装置20に出
力されるようになっている。制御装置20はロータリエ
ンコーダ19からの検出信号に基づいてリングレール4
の位置を演算し、リングレール4が所定位置に到達する
と電磁クラッチ16,17に対して切換駆動信号を出力
するようになっている。電磁クラッチ16,17は切換
駆動信号に基づいて励消磁されるようになっている。制
御装置20には入力装置21が備えられ、管糸の生産糸
長LBやリフト長Lt等のデータが機台の運転前に入力
されるようになっている。
【0017】制御装置20にはマイクロコンピュータ2
2が内蔵されている。制御装置20はマイクロコンピュ
ータ22により設定された基準シェーパステップSSC
とロータリエンコーダ19からの検出信号に基づきリン
グレール4の昇降切換時期すなわち電磁クラッチ16,
17の励消磁の切換時期を演算し、切換駆動信号を出力
するようになっている。電磁クラッチ16,17は切換
駆動信号に基づいて制御装置20により駆動制御される
ようになっている。
【0018】図3に示すように、制御装置20を構成す
るマイクロコンピュータ22は演算手段としての中央処
理装置(以下CPUという)23と、第2の記憶装置と
してのプログラムメモリ24と、第1の記憶装置として
の作業用メモリ25とからなる。プログラムメモリ24
は制御プログラムを記憶した読出し専用メモリ(RO
M)からなり、作業用メモリ25は入力装置21により
入力された入力データ及びCPU23における演算処理
結果等を一時記憶する読出し及び書替え可能なメモリ
(RAM)からなっている。
【0019】CPU23はプログラムメモリ24に記憶
されたプログラムデータに基づいて動作するようになっ
ている。作業用メモリ25には入力装置21を介して生
産糸長LB、リフト長Lt、番手Ne、増量巻き係数d
0 、チェイス長C、平均ボビン裸径DE等が入力される
ようになっている。また、プログラムメモリ24にはフ
ロントローラ径Rf、フロントローラの回転数とリフテ
ィング速度から決まる機械定数K、糸ピッチを算出する
ための糸ピッチ係数k及び基準シェーパステップSSC
を算出するための算出ルーチン等がプログラムデータと
して記憶されている。
【0020】CPU23はプログラムメモリ24及び作
業用メモリ25に記憶された各種データから基準シェー
パステップの初期値SSC0 を算出するようになってい
る。CPU23は基準シェーパステップSSCに基づい
て管糸形成のシミュレーションを行い、シミュレーショ
ンによる生産糸長LBX及びリフト長Ltがそれぞれの
設定値にほぼ一致するか否かを判定し、ほぼ一致しない
場合には基準シェーパステップSSCの値を逐次補正す
るようになっている。そして、CPU23はシミュレー
ションによる生産糸長LBX及びリフト長Ltと設定さ
れた生産糸長LB及びリフト長Ltとがほぼ一致するこ
とを確認すると、その基準シェーパステップSSCの値
を設定値とするようになっている。
【0021】CPU23は出力インターフェース26を
介してクラッチ切換駆動回路27と接続されている。C
PU23は設定された基準シェーパステップSSCとロ
ータリエンコーダ19からの検出信号に基づきリングレ
ール4の昇降切換時期すなわち電磁クラッチ16,17
の励消磁の切換時期を演算するようになっている。そし
て、その演算結果に基づいてCPU23は出力インター
フェース26を介して切換駆動信号をクラッチ切換駆動
回路27に出力するようになっている。クラッチ切換駆
動回路27は切換駆動信号に基づいて電磁クラッチ1
6,17の励消磁の切換を行うようになっている。
【0022】また、CPU23は出力インターフェース
26を介してモータ駆動回路28と接続され、モータ駆
動回路28に対してモータ駆動信号を出力するようにな
っている。モータ駆動回路28はモータ駆動信号に基づ
いてモータ29を駆動制御するようになっている。モー
タ29の駆動力は図示しない歯車列を介して歯車列13
に一旦伝達され、歯車列13を介してフロントローラ1
2に伝達されるとともに歯車列13〜15を介してライ
ンシャフト1にそれぞれ伝達されるようになっている。
フロントローラ12とラインシャフト1は一定の回転速
度比で同期して回転するようになっている。
【0023】次に、上記のように構成された管糸形成装
置による管糸形成方法について説明する。図2は管糸形
成過程におけるリングレール4の切換位置をチェイス回
数xに対して表したグラフである。同図においてF
U (x)はリフティング上端の関数であり、FD (x)
はリフティング下端の関数である。すなわち、糸は各チ
ェイス毎にそのチェイス回数に対応するFU (x)とF
D (x)との間をリングレールに案内されながら巻き取
られる。
【0024】機台の運転に先立ってまず生産糸長LB
(以下、設定糸長LBという)、リフト長Lt、番手N
e、増量巻き係数d0 、チェイス長C、平均ボビン裸径
DE等の管糸形成のための設定条件が入力装置21を介
して制御装置20に入力される。入力データは作業用メ
モリ25に記憶される。制御装置20は入力データに基
づいて機台の運転前に管糸形成のシミュレーションを行
い、電磁クラッチ16,17の励消磁の切換時期を決め
る基準シェーパステップSSCを算出する。
【0025】以下、図1のフローチャートに従って基準
シェーパステップSSCを算出するCPU23の処理動
作について説明する。まずステップ1(以下、ステップ
をSと記す)において、CPU23は作業用メモリ25
に記憶された設定糸長LB、リフト長Lt、番手Ne、
増量巻き係数d0 、チェイス長C、平均ボビン裸径DE
等のデータを作業メモリ25から読み出す。次に、S2
において、CPU23は読み出したチェイス長Cのデー
タから平均ダブルストローク糸長Lを算出する。平均ダ
ブルストローク糸長Lは次式より算出される。
【0026】 L=(3/2)・(π(DE+D)・C/2000P) ここで、DEは平均ボビン裸径、Dは管糸外径、Pは糸
ピッチである。糸ピッチPは糸ピッチ係数k及び番手N
eを用いてP=k/(1.06√(Ne))で表され
る。また、管糸外径Dは簡易的にリングの直径Rを基準
としてD=R−3に設定されている。
【0027】S3において、CPU23は基準シェーパ
ステップSSCの初期値SSC0 を算出する。この初期
値SSC0 は次式より算出される。 SSC0 =(Lt−d0 )/(LB/L) すなわち、SSC0 は図2におけるリフティング上端の
関数FU (x)の管糸形成過程における変位量(Lt−
0 )をチェイス数の概算値(LB/L)で割ることに
より求められる。
【0028】S4において、CPU23は増量巻き区間
(0≦x≦C/SSC)におけるチェイス長C(x)す
なわち増量巻き区間におけるリングレール4の昇降スト
ロークを算出する。ここで、増量巻き区間におけるリフ
ティング上端の関数FU (x)及びリフティング下端の
関数FD (x)はそれぞれ、 FU (x)=SSC・x+C−d0D (x)=(SSC/C)2 ・(C−d0 )x2 と表される。CPU23はチェイス量C(x)を次式よ
り算出する。
【0029】 C(x)=FU (x)−FD (x) =−(SSC/C)2 ・(C−d0 )x2 +SSC・x+C−d0 S5において、CPU23は増量巻き区間(0≦x≦C
/SSC)におけるダブルストローク糸長L(x)を算
出する。ダブルストローク糸長L(x)は次式より算出
される。
【0030】L(x)=(Rf/K)・C(x) ここで、Rfはフロントローラ径、Kは機械定数でフロ
ントローラの回転数とリフティング速度から決まる定数
である。
【0031】次にS6において、CPU23は増量巻き
区間(0≦x≦C/SSC)で巻き取られる糸長LB1
を算出する。糸長LB1は次式より算出される。
【0032】
【数1】 S7において、CPU23は通常巻き区間(C/SSC
<x≦xn )で巻き取られる糸長LB2を算出する。糸
長LB2は次式より算出される。
【0033】 LB2=L・{Lt−(2C−d0 )}/SSC S8において、CPU23は満管時の全糸長LBXを次
式より算出する。 LBX=LB1+LB2 S9において、CPU23はシミュレーションから求ま
った糸長LBXが作業用メモリ25から読み出した設定
糸長LBに許容値±δ内でほぼ等しいか否かを判断す
る。すなわち、糸長LBXと設定糸長LBの差の絶対値
|LBX−LB|が許容範囲δより小さいか否かが判断
される。
【0034】S9において|LBX−LB|値がδより
小さい場合には、CPU23はS11に移行し、その時
点でのSSC値を実際に使用される基準シェーパステッ
プとして設定する。そして、CPU23はこのルーチン
の処理動作を終了する。ここで、設定された基準シェー
パステップSSC値は、実際に形成される管糸の生産糸
長LBX及びリフト長Ltが設定された生産糸長LB及
びリフト長Ltとほぼ一致することが管糸形成のシミュ
レーションにより予め確認された値となっている。
【0035】一方、|LBX−LB|値がδより大きい
場合には、S10においてCPU23は基準シェーパス
テップSSCに(LBX/LB)を掛けた値(LBX/
LB)・SSCを新たな基準シェーパステップSSCと
して設定し、S10からS4へ移行する。その後、CP
U23はS9において|LBX−LB|値がδより小さ
くなるまでS4〜S10までの処理動作を繰り返し行
う。そして、|LBX−LB|値がδより小さくなった
時点でS11に移行する。
【0036】その後、CPU23は出力インターフェイ
ス26を介してモータ駆動回路28にモータ駆動信号を
出力し、モータ駆動回路28はモータ駆動信号に基づい
てモータ29の駆動を開始させる。モータ29はの駆動
力は図示しない歯車列を介して歯車列13に一旦伝達さ
れ、歯車列13を介してフロントローラ12に伝達され
るとともに歯車列13〜15を介してラインシャフト1
にそれぞれ伝達される。その結果、フロントローラ12
とラインシャフト1は一定の回転速度比で同期して回転
する。
【0037】CPU23は設定された基準シェーパステ
ップSSCとロータリエンコーダ19からの検出信号に
基づいて切換駆動信号を出力する時期を演算する。その
演算結果に基づいてCPU23は切換駆動信号をクラッ
チ切換駆動回路27に出力する。この切換駆動信号に基
づいて電磁クラッチ16,17はクラッチ切換駆動回路
27により励消磁される。電磁クラッチ16が励磁され
るとともに電磁クラッチ17が消磁された状態ではライ
ンシャフト1が正転駆動され、反対に電磁クラッチ16
が消磁されるとともに電磁クラッチ17が励磁された状
態ではラインシャフト1が逆転駆動される。こうしてラ
インシャフト1は正逆回転する。
【0038】そして、ラインシャフト1の正逆回転に対
応してねじ歯車2,7を介してナット体6が、かさ歯車
3,10を介してナット体11が正逆回転駆動される。
ナット体6,11の正逆回転駆動力はナット体6,11
が螺入されたスクリュー部5a,9aを介してリングレ
ール4及びラペットアングル8に伝達され、リングレー
ル4及びラペットアングル8は同期して昇降動される。
【0039】以上詳述したように本実施例の精紡機にお
ける管糸形成方法及び管糸形成装置によれば、機台の運
転前に管糸形成のシミュレーションを行い、実際の生産
糸長LBX及びリフト長Ltが設定された生産糸長LB
及びリフト長Ltにほぼ一致することを予め確認するこ
とができる。その結果、シミュレーションから求めた基
準シェーパステップSSCに基づいて実際に管糸を形成
することにより、形成された管糸の満管時における生産
糸長LB及びリフト長Ltをほぼ設定値どおりとするこ
とができる。さらに、本実施例のような増量巻きの管糸
において、管糸形成のシミュレーションから求まる生産
糸長LBXは増量巻き分も考慮された値なので、実際の
生産糸長LBXと設定された生産糸長LBとを確実にほ
ぼ一致させることができる。また、生産糸長LB、リフ
ト長Lt及び糸の番手Ne等の各条件が変更されても、
予めシミュレーションにより設定どおりになることが確
認されるので、いつも設定どおりの糸長及び形状等を有
する均質な管糸を提供することができる。
【0040】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で例えば次のよ
うに構成することもできる。 (1)上記実施例では、S7で通常巻き区間の糸長LB
2の算出を計算式から一度に算出したが、チェイス毎に
逐次加算してゆくループにより通常巻き区間の糸長LB
2を算出してもよい。
【0041】(2)フロントローラ12とラインシャフ
ト1を速度制御可能な別々のモータにより駆動させても
よい。この場合、フロントローラ12とラインシャフト
1との回転速度比は各モータの速度制御により一定とす
ることができる。
【0042】(3)上記実施例では、本発明を管糸の下
部形状が膨らんだ増量巻きの管糸に適用したが、管糸の
下部形状が平坦な通常の管糸に本発明を適用してもよ
い。 (4)ラインシャフト1の正逆転駆動手段として一対の
電磁クラッチ16,17を用いる代わりに正逆転可能な
可変速リフティングモータを用いてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、設
定生産糸長だけ糸を巻き取って管糸を形成した際に、管
糸のリフト長を設定リフト長とほぼ等しくすることがで
きるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例における基準シェ
ーパステップ及び生産糸長を算出するフローチャートで
ある。
【図2】一実施例において管糸形成過程におけるチェイ
ス回数とリングレール高さとの関係を示すグラフであ
る。
【図3】一実施例において管糸形成装置の電気的構成を
示すブロック図である。
【図4】一実施例におけるリフティング装置の概略斜視
図である。
【図5】従来技術において管糸形成過程におけるチェイ
ス回数とリングレール高さとの関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
4…リングレール、20…制御装置、21…入力装置、
23…演算手段としてのCPU、24…第2の記憶装置
としてプログラムメモリ、25…第1の記憶装置として
作業用メモリ、LB…生産糸長、Lt…リフト長、SS
C…基準シェーパステップ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リングレールの昇降速度とスピンドル回
    転数とが所定の比例関係となるように駆動する紡機にお
    いて、 管糸形成開始前に、管糸に対して所望する生産糸長及び
    リフト長等をデータとして入力装置を介して記憶装置に
    入力し、該記憶装置に記憶された前記のデータに基づい
    て演算手段により1チェイス当たりのリングレールの昇
    降切換位置の変位量である基準シェーパステップを算出
    し、算出した基準シェーパステップに基づいて演算手段
    により管糸形成のシミュレーションを行って生産糸長及
    びリフト長を算出し、算出した生産糸長及びリフト長が
    所望する生産糸長及びリフト長とほぼ一致するか否かを
    判定し、両者がほぼ一致しない場合には基準シェーパス
    テップを補正し、当該基準シェーパステップに基づく管
    糸形成のシミュレーションによる生産糸長及びリフト長
    が所望する生産糸長及びリフト長とほぼ一致することを
    確認した後に当該基準シェーパステップに基づいてリン
    グレールの昇降切換位置を制御して管糸を形成する紡機
    における管糸形成方法。
  2. 【請求項2】 リングレールの昇降速度とスピンドル回
    転数とが所定の比例関係となるように駆動する紡機にお
    いて、 所望する生産糸長及びリフト長等のデータを入力する入
    力装置と、 前記入力装置により入力されたデータを記憶する第1の
    記憶装置と、 管糸形成のシミュレーションのプログラムデータと、該
    シミュレーションに基づく管糸の生産糸長及びリフト長
    が所望する生産糸長及びリフト長とほぼ一致するように
    させる1チェイス当たりのリングレールの昇降切換位置
    の変位量である基準シェーパステップを算出するための
    プログラムデータを記憶する第2の記憶装置と、 前記第1の記憶装置及び第2の記憶装置に記憶された生
    産糸長及びリフト長等のデータ及びプログラムデータに
    基づいて基準シェーパステップを算出する演算手段と、 前記基準シェーパステップに基づいてリングレールの昇
    降切換の位置を制御する制御装置とを備えた紡機におけ
    る管糸形成装置。
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