JPH0628545B2 - 食品用加熱装置 - Google Patents

食品用加熱装置

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JPH0628545B2
JPH0628545B2 JP1314340A JP31434089A JPH0628545B2 JP H0628545 B2 JPH0628545 B2 JP H0628545B2 JP 1314340 A JP1314340 A JP 1314340A JP 31434089 A JP31434089 A JP 31434089A JP H0628545 B2 JPH0628545 B2 JP H0628545B2
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moisture
food material
thin film
permeable thin
electrode
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明 星野
義則 太田
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は蒲鉾で代表される魚肉すり身練り製品、その
他各種の練り製品などの食品を製造するにあたって、魚
肉すり身などの食品材料に通電することに伴うジュール
発熱によってその食品材料の加熱を行なう装置に関する
ものである。
従来の技術 蒲鉾などの練り製品の製造過程においては、魚肉等のす
り身を混練して所定の形状に成形した後に加熱すること
は周知の通りであり、その場合の加熱手段の一つとして
は、通電に伴うジュール発熱を利用する装置が種々知ら
れている(例えば特公昭55−48789号、特開昭6
3−207372号など)。これら従来一般の加熱装置
は、すり身などの生の食品材料を微細通電孔を有する包
装袋や包装膜に包み、その状態で電極間に位置させて通
電を行なうことにより加熱する構成である。
前述のような装置では、食品材料から染み出た塩分など
を含有する液体が、包装袋や膜に浸漬して電極と食品材
料との間の通電を媒介し、したがって食品材料が電極に
直接接触しないから、食品材料が電極に付着することを
防止でき、また電極の汚れが食品材料に付くなどのこと
をある程度は防止することができる。
しかしながら食品材料から染み出た塩分などの電解質を
含む液体は包装袋や膜を浸透して電極表面に接するた
め、電極表面で電気分解や腐食、酸化が生じ、そのため
電極表面が電気分解による生成物質や腐食生成物、酸化
物等によって汚れ、長期間繰返し安定して通電すること
が困難となったり、あるいは電極表面のこれらの汚れが
食品材料に付いてしまい、製品品質を低下させる不都合
が生じるおそれがあった。
このような不都合を解消するために、電極を開いて食品
材料から離隔させた際に電極の表面をブラッシングする
ことが考えられるが、その場合にはブラッシングの手間
が煩雑となる問題があるほか、食品材料の加熱サイクル
が短い場合に電極の表面を必ずしも充分にブラッシング
できないことがあり、またブラッシングによっても電極
表面に生じた腐食はそのままであるため、根本的な解決
とはならないのが実情である。
そこで本発明者等は既に特願平1−79586号(特開
平2−257863号)において、食品材料および電極
の汚れを未然にかつ簡単に防止することのできるように
した、ジュール発熱による加熱装置を提案している。す
なわち上記提案は、導電性のある食品材料を相互に接近
・離隔する一対の電極の間に配置し、これらの電極から
前記食品材料に通電して発熱させることにより食品材料
の加熱を行なう食品用加熱装置において、前記電極と食
品材料との間にセロファン紙などの透湿性薄膜を移動可
能に配置し、かつその透湿性薄膜のうち前記電極側の面
にアルミニウム膜を少なくとも電極に対して移動可能に
配置したことを特徴とするものである。
このような加熱装置では、電極と食品材料とは直接接触
せずに、両者の間に透湿性薄膜とアルミニウム膜とが介
在し、かつ透湿性薄膜が食品材料に接触するとともにア
ルミニウム膜がその透湿性薄膜と電極との間に介在す
る。その状態で電極に通電すると、食品材料の有する液
体が透湿性薄膜に浸透するために、アルミニウム膜およ
び透湿性薄膜を介して食品材料に電流が流れ、それに伴
ってジュール熱が発生し、食品材料が加熱される。その
場合、食品材料の表面には透湿性薄膜が接触し、電極や
アルミニウム膜が直接接触しないから、加熱に伴って製
品の表面が損傷されることはない。また食品材料から染
み出た塩分などを含む液体はアルミニウム膜に接触する
ものの、電極に接触することはない。そして通電加熱が
終了すると、電極が食品材料から離隔されるが、前記透
湿性薄膜およびアルミニウム膜が食品材料と電極との間
に対して挿脱自在であるから、電極の退避に伴ってこれ
ら使用済みの透湿性薄膜およびアルミニウム膜が取除か
れ、新しいものと交換される。
このように、上記提案の発明の加熱装置によれば、食品
材料に接触する透湿性薄膜および食品材料から染み出た
液体が接触するアルミニウム膜が、食品材料と電極との
間に挿脱自在であるから、通電加熱に伴って発生・付着
した汚れが電極と食品材料との間から運び去られ、その
結果、電極の汚れを未然に防止できるとともに、食品材
料に対しては常時、新しい透湿性薄膜およびアルミニウ
ム膜が使用されるので、製品の汚れを未然に防止して高
品質の製品を得ることができる。
しかしながら前述の特願平1−79586号の提案の加
熱装置では、電極と食品材料との間にセロハン紙などの
透湿性薄膜とアルミニウム膜との2枚の膜を挟まなけれ
ばならず、しかも両方の膜を移動可能に配置しなければ
ならないため、装置構成が複雑とならざるを得ず、その
ため装置コストが高くなるとともに保守点検の手間も煩
雑となる問題があり、また透湿性薄膜とアルミニウム膜
との両者が消耗品として扱われるため、ランニングコス
トも高くならざるを得ない問題もあった。
ところで前述のような従来のジュール発熱による食品材
料加熱装置において通電加熱によって電極に汚れが多発
していた原因は、従来の装置では一般に電極としてアル
ミニウムもしくはアルミニウム合金を用いていたためと
考えられる。すなわちアルミニウム製電極では、食品か
ら浸出した塩分やその他各種電解質を含む液体が電極に
接し、電気分解や腐食、酸化が生じて、それが汚れとな
っていたのである。そこで本発明者等は、電極として電
気分解や腐食、酸化の生じにくいチタン(Ti)もしく
はチタン合金を用いることによって、前述の課題を解決
することを考えている。すなわち、電極としてTiもし
くはTi合金を用いることによって、前述の特願平1−
79586号の加熱装置に用いられているアルミニウム
膜を省くことができると考えられる。この場合、Tiも
しくはTi合金からなる電極と食品材料の間には、セロ
ハン等の透湿性薄膜のみが給送可能に介在することにな
る。
発明が解決しようとする課題 ところで前述のように電極と食料材料との間にセロハン
等の透湿性薄膜を介在させて食品材料に通電させる場
合、通常は電極により透湿性薄膜を食品材料の表面に押
し付けることにより食品材料中の水分が透湿性薄膜中に
浸透して透湿性薄膜が導電性を帯、これにより電流が電
極から透湿性薄膜を介して食品材料に流れることにな
る。しかしながら本発明者等がさらに実験・検討を進め
たところ、使用する食品材料が含有する水分量や食品材
料の種類、その他の条件によっては、単に透湿性薄膜を
食品材料表面に押し付けただけでは、充分に透湿性薄膜
に水分が浸透せず、そのため透湿性薄膜を介して食品材
料に充分に電流が流れない場合があることが判明した。
この場合、食料材料が充分に加熱されず、そのため食品
材料の殺菌や調理等の処理が充分になされないことにな
る。また食品材料に流れる電流にムラが生じて加熱ムラ
が生じることもある。
この発明は以上のような事情を背景としてなされたもの
で、所定の移送経路に沿って移送されて来る食品材料と
その食品材料を挟むための電極との間に透湿性薄膜を連
続的に給送可能に配置して、電極から透湿性薄膜を介し
て食品材料に通電して食品材料をジュール加熱するよう
にした食品用加熱装置において、食品材料に対して電流
ムラが生じたりすることなく充分な電流を流して、確実
かつ均一に食品材料を加熱し得るようになすことを目的
とするものである。
課題を解決するための手段 この発明は、基本的には、導電性を有する食品材料を所
定の移送経路に沿って移送させる移送手段を有し、かつ
前記移送経路の両側に、前記食品材料に対し接近・隔離
する方向へ移動可能な一対の電極を設け、これらの電極
により前記食品材料を挟み、通電して発熱させることに
より食品材料の加熱を行なう食品加熱装置において、前
記電極と前記移送経路との間に浸透性薄膜が連続的に給
送可能に配置されて、前記一対の電極が食品材料を挟ん
だ状態で電極と食品材料との間に透湿性薄膜が介在され
るように構成され、しかも前記透湿性薄膜の給送経路に
は、電極と食品材料との間に挟まれる位置よりも手前の
位置で透湿性薄膜に対して水分を加える加湿手段が設け
られていることを特徴とするものである。
ここで、前記加湿手段としては、透湿性薄膜がその給送
中に浸漬される水槽を用いても良く、あるいは透湿性薄
膜薄膜の表面に水をスプレーするスプレー装置を用いて
も良い。
作用 この発明の加熱装置では、食品材料の移送経路と電極と
の間に給送される透湿性薄膜に対して加湿手段によって
水分が与えられ、これによって透湿性薄膜には充分な導
電性が付与される。そして移送手段によって移送されて
来た食品材料が一対の電極間に位置した状態で電極を相
互に近接する方向へ移動させれば、食品材料の両側に透
湿性薄膜が接し、その裏面側に電極が接する状態とな
る。その状態で電極に通電すれば、電極から透湿性薄膜
を介して食品材料に電流が流れ、それに伴って食品材料
内部にジュール熱が発生し、食品材料が加熱される。
食品材料に対する所定時間の加熱が完了すれば電極が互
いに隔離する方向へ移動し、電極および透湿性薄膜が食
品材料から離れる。この後、加熱済みの食品材料は移送
手段によって移送経路に沿い次工程へ移送され、次の新
たな食品材料が電極間に移送されて来て、再び同じ過程
が繰返される。
ここで、透湿性薄膜は連続的に給送可能となっているか
ら、加熱済みの食品材料から離隔された後に透湿性薄膜
を給送させて、使用済みの部分すなわち加熱が終了した
食品材料に接していた部分を送り出し、未使用の部分
(但し加湿されている部分)を電極間の位置に位置させ
る。このようにすることによって、透湿性薄膜は常に新
しい部分が食品材料に接することになるから、食品材料
からの浸出物や付着物による透湿性薄膜の汚れが製品の
食品に悪影響を及ぼすことを防止できる。そして透湿性
薄膜は、前述のように食品材料の移送経路と電極との間
に連続的に給送可能であってしかも電極と食品材料との
間に挟まれる手前の位置で加湿されるから、1つの食品
材料を通電加熱するたびごとに透湿性薄膜を加湿して挟
み込んだり食品材料を包み込んだりする作業は不要とな
り、連続的に次々と食品材料を加熱処理することができ
る。
そしてまた、電極と食品材料との間に挟まれる透湿性薄
膜は、前述のように加湿手段によって水分が与えられて
るため、充分な導電性が付与されており、そのため食品
材料に充分に電流が流れずに加熱が充分に行なわれなか
ったり、あるいは電流ムラが生じて加熱ムラが発生する
ような事態の発生を有効に防止でき、食品材料を確実か
つ均一に加熱することができる。
実施例 第1図および第2図には、予め成形されている食品材料
の加熱工程、例えば板付き蒲鉾の製造工程中における成
形後の加熱工程に適用した実施例を示す。
第1図において、コンベヤ1は、板2上において成形し
た蒲鉾3すなわち板付き蒲鉾3を所定の移送経路4に沿
って移送するための移送手段を構成するものであって、
この移送経路4の所定の位置6には、この発明の一実施
例の加熱装置5が配設されている。この加熱装置5の具
体的構成を第2図に示す。
第2図において、コンベヤ1による移送経路4における
所定位置(通電位置)6の両側には、セロハン紙、紙、
布等からる透湿性薄膜7が配置されている。この透湿性
薄膜7は長尺帯状に作られていて、送り出しロール8か
ら通電位置6を経て巻取りロール9によって巻取られる
ようになっている。そしてこの透湿性薄膜7の走行経路
における送り出しロール8と通電位置6との間には、加
湿手段として、水もしくは霧を透湿性薄膜7に吹付ける
ためのスプレー装置10が設けられている。一方通電位
置6における各透湿性薄膜7の背面側には、それぞれチ
タンもしくはチタン合金からなる電極11が配設されて
いる。これらの電極11は、流体圧シリンダなどの進退
駆動機構12によって相互に接近・離隔する方向、すな
わち通電位置6にある蒲鉾3に対して接近・離隔する方
向へ移動せしめられように構成されている。
以上の実施例において、加熱前の状態では電極11は後
退位置にある。したがって透湿性薄膜7も通電位置6か
ら退避した位置にある。ここで透湿性薄膜7は、その給
送中にスプレー装置10によって水もしくは霧が吹き付
けられており、したがって透湿性薄膜7における電極1
1に対接している部分は、充分な水分が与えられて、充
分な導電性が付与されている。一方、板2上で成形され
た蒲鉾3は、その板2上に付着したままの状態で移送経
路4に沿ってコンベヤ1上を送られて来る。そして蒲鉾
3が通電位置6に至れば、進退駆動機構12が作動して
電極11が前進し、蒲鉾3がその両側から透湿性薄膜7
を介して電極11によって挟まれる。この状態で電極1
1に通電されれば、透湿性薄膜7を介して蒲鉾3に電流
が流れ、内部抵抗によるジュール発熱によって加熱され
る。
所定時間の通電加熱が終了すれば、進退駆動機構12が
作動して電極11が後退し、透湿性薄膜7および電極1
1が蒲鉾3から離れるとともに、コンベヤ1によって通
電加熱済みの蒲鉾3が次工程へ送られる。またこれと同
時にまたはその後、巻取りロール9が巻取り方向へ回転
して、送り出しロール8から透湿性薄膜7所定長さだけ
送り出され、通電位置6に対向する位置に、透湿性薄膜
7の未使用の部分が位置する状態となる。したがって次
に通電位置に到来して通電加熱される蒲鉾に対しては未
使用の透湿性薄膜が接することになるから、前回の通電
加熱時の透湿性薄膜の汚れ等が製品に悪影響を及ぼすこ
とはない。またこのように送り出しロール8から透湿性
薄膜7が送り出される際には、前述のようにスプレー装
置10により水もしくは霧が透湿性薄膜7に吹付けら
れ、その薄膜7が加湿されて充分な導電性が与えられ
る。
以上のように、順次送られて来る蒲鉾を加熱し、その都
度、透湿性薄膜7を所定長さづつ送り、最終的に送り出
しロール8側の透湿性薄膜7の全量が送り出された場合
には、新たなロールを装填し、また巻取りロール9側に
巻取られた使用済みのものは廃棄する。すなわち透湿性
薄膜7は使い捨てとする。
以上の実施例の加熱装置においては、予め成形された食
品材料を両側から挟んで通電加熱するものとしている
が、場合によっては成形用の型内に充填した食品材料
を、成形と同時に通電加熱するようにしても良い。その
場合の実施例の加熱装置を第3図に示す。
第3図において、成形用の型20は、中空でかつ左右両
側が開口した形状に作られており、この型20内には、
図示しない注入手段によって成形前の生の食品材料、例
えば魚肉すり身21が充填されている。なお型20は、
合成樹脂等の電気絶縁材料からなるかまたは少なくとも
表面を絶縁処理したものである。この型20の開口部の
左右両側には、既に述べたと同様な長尺帯状の透湿性薄
膜7が配設されており、この透湿性薄膜7は送り出しロ
ール8から送り出されて巻取りロール9によって巻取ら
れるように構成されている。さらに型20の開口部の左
右両側における透湿性薄膜7の背面側には、それぞれチ
タンもしくはチタン合金からなる電極11が配設されて
いる。これらの電極11は、流体圧シリンダ等の進退駆
動機構12によって前後動されて、型20との間に透湿
性薄膜7を挟み込んだ状態で型20を挟み付け、これに
より型20の内部に充填した魚肉すり身21を成形し、
同時に通電加熱を行なうものであり、したがってその電
極11の先端面は型20の開口部を閉じる形状とされて
いる。また透湿性薄膜7の走行経路における送り出しロ
ール8と電極11との間には、第2図の例と同様に加湿
手段としてのスプレー装置10が設けられている。
上記の装置によって魚肉すり身21の成形および加熱を
行なうには、先ず魚肉すり身21を型20の内部に充填
するとともに、その左右両側面側に、前記スプレー装置
10によって水分が与えられた透湿性薄膜7を送り込
み、その状態で左右の電極11を前進させて型20を挟
み付け、型20内の魚肉すり身21を加圧し成形する。
この状態では電極11が透湿性薄膜7を挟み込んだ状態
で型20を押圧しているから、型20は完全に閉じら
れ、また電極11、水分を含んでいる透湿性薄膜7、魚
肉すり身21のそれぞれがここに挙げた順に相互に密着
している。したがって各電極11に通電すると、透湿性
薄膜7を介して魚肉すり身21に電流が流れ、それに伴
って発生するジュール熱によって魚肉すり身21が加熱
される。
所定時間通電を行なって加熱した後、通電を止めるとと
もに電極11を型21から後退させ、その状態で巻取り
ロール9を回転させることに伴う透湿性薄膜7の走行方
向に型20を透湿性薄膜7と共に移動させ、かつ透湿性
薄膜7を型20から剥離させ、そして型20の内部の加
熱の完了した魚肉すり身21を型20から抜き取る。そ
の結果、電極11の間には透湿性薄膜7のうち未使用の
新しい部分が次の成形・加熱作業のために送り込まれる
ことになる。
以上の説明において、第1図、第2図の実施例では加熱
対象として板付き蒲鉾に適用した場合について示した
が、これに限らないことは勿論であり、また第3図の実
施例でも魚肉すり身を成形・加熱の対象としたがこの場
合も魚肉すり身に限らないことは勿論であり、いずれも
要は通電可能な食品材料であれば適用可能である。
また以上の各実施例では、加湿手段とてのスプレー装置
10を、送り出しロール8から繰出される透湿性薄膜7
の裏面側に配置して、透湿性薄膜7の裏面(電極に接す
る側の面)に水または霧をスプレーするものとしている
が、場合によっては第4図に示すように、透湿性薄膜7
の表側の面(食品材料に接する側の面)にスプレーする
ようにスプレー装置10を配設しても良い。さらに第5
図に示すように、透湿性薄膜7の表側の面と裏側の面と
の両側にスプレーするように、各透湿性薄膜7に対して
それぞれ2基のスプレー装置を配置しても良い。
さらに、前述の各実施例では透湿性薄膜7に水分を与え
るための加湿手段としてスプレー装置10を用いている
が、この加湿手段としては、透湿性薄膜7を浸漬させる
水槽を用いても良い。このように加湿手段として水槽を
用いた実施例を第6図、第7図に示す。
第6図、第7図において、水平に走行するコンベヤ1に
対し、長尺帯状のセロハンなどからなる透湿性薄膜7は
垂直方向(上下方向)に給送されるように構成されてい
る。すなわち、透湿性薄膜7を送り出す送り出しロール
8は電極11の後方の下方位置に配設されており、一方
透湿性薄膜7を巻取るための巻取りロール9は電極11
の上方に配設されている。そして電極11の下側には、
送り出しロール8から繰出された透湿性薄膜7を浸漬さ
せる水槽30と、ガイドロール31とが設けられてい
る。
第6図、第7図の実施例によれば、送り出しロール8か
ら繰出された透湿性薄膜7は、水槽30に浸漬されて充
分な水分が付与され、充分な導電性が与えられる。また
この場合透湿性薄膜7の表面も充分に濡れるため、電極
11と食品材料3との間に挟まれる際に凹凸によってそ
れらとの間で隙間が生じても、その部分に水が介在する
ことになるから、より均一な通電を行なうことができ
る。
第8図には、加湿手段として水槽30を用いた他の実施
例を示す。
この第8図の場合も透湿性薄膜7は垂直方向に給送され
るようになっているが、特に2重の状態で透湿性薄膜7
が電極11と食品材料3との間で挟まれるようになって
いるのが特徴である。すなわち、電極11の下側に送り
出しロール8と、巻取りロール9と、水槽30およびガ
イドロール31とが配設されており、かつ電極11の上
方には送給方向反転用ガイドローラ32が配設されてい
る。
この場合は、送り出しロール8から繰出された透湿性薄
膜7は、水槽30に浸漬されてから上方に送給されて電
極位置へ至り、さらにその上方で送給方向反転用ガイド
ローラ32により反転されて下方へ引き下げられ、再び
電極位置を経て下方の巻取りロール9によって巻取られ
る。したがって電極11と食品材料3との間では透湿性
薄膜7は2重になっていることになる。
このほか加湿手段としては、例えばスポンジロールを用
い、そのスポンジロールに給水するとともにそのスポン
ジロールの表面を透湿性薄膜の表面に接触させる構成と
しても良い。
なお透湿性薄膜としては、セロハンの他、各種の布(不
織布を含む)や紙などを用いることもできる。
さらに、電極としてはTiやTi合金のほか、アルミニ
ウム合金などを用いることができるが、通常はTiやT
i合金を用いることが望ましい。すなわちTiやTi合
金は電気分解や腐食、酸化が極めて生じにくく、そのた
め通電時の電気分解、や腐食、酸化による生成物によっ
て電極表面が汚れることを有効に防止できる。
発明の効果 この発明の食品用加熱装置によれば、通電加熱時に電極
と食品材料との間に挟まれて食品材料を保護する役割を
果たす透湿性薄膜に対して、これに水分を与える加湿手
段を設けているから、その水分によって透湿性薄膜に充
分な導電性が与えられる。したがって通電時に食品材料
に充分な電流が流れなかったり、食品材料に流れる電極
にムラが発生したりすることを有効に防止し、食品材料
の加熱を充分に行なうことができるとともに、その加熱
ムラの発生を有効に防止することができる。またこの発
明の装置は、特願平1−79586号の提案の装置のよ
うに電極および透湿性薄膜のほかに別途アルミニウム膜
を用いていないため、前記提案の装置と比較して装置構
成が簡単化され、装置コストが低廉となるとともに、消
耗品も少なくランニングコストが低減される効果も得ら
れる。そしてまたこの発明の装置では、通電加熱すべき
食品材料が移送経路に沿って電極間の位置に連続的に移
送され、しかもその電極と食品材料との間に介在される
透湿性薄膜も連続的に給送可能となっているため、加湿
された透湿性薄膜を間に挟んでの食品材料の通電熱処理
を次々に連続的に行なうことができ、そのため高い処理
能率を得ることができるとともに、完全自動化も極めて
容易となる効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の食品用加熱装置を設置した板付き蒲
鉾の移送経路の一例を模式的に示す側面図、第2図は第
1図の移送経路に用いている食品用加熱装置の一例を示
す平面図、第3図はこの発明の食品用加熱装置の他の例
を示す部分切欠正面図、第4図および第5図はそれぞれ
加湿手段としてスプレー装置を用いた場合の食品用加熱
装置の一部を示す平面図、第6図はこの発明の食品用加
熱装置のさらに他の例を示す平面図、第7図は第6図の
VII−VII線における縦断正面図、第8図はこの発明の食
品用加熱装置のさらに別の例を示す縦断正面図である。 3……食品材料の一例としての板付き蒲鉾、7……透湿
性薄膜、10……加湿手段の一例としてのスプレー、1
1……電極、12……進退駆動機構、 21……食品材料の一例としての魚肉すり身、 30……加湿手段の一例としての水槽。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性を有する食品材料を所定の移送経路
    に沿って移送させる移送手段を有し、かつ前記移送経路
    の両側に、前記食品材料に対し接近・離隔する方向へ移
    動可能な一対の電極を設け、これらの電極により前記食
    品材料を挟み、通電して発熱させることにより食品材料
    の加熱を行なう食品加熱装置において、 前記電極と前記移送経路との間に透湿性薄膜が連続的に
    給送可能に配置されて、前記一対の電極が食品材料を挟
    んだ状態で電極と食品材料との間に透湿性薄膜が介在さ
    れるように構成され、しかも前記透湿性薄膜の給送経路
    には、電極と食品材料との間に挟まれる位置よりも手前
    の位置で透湿性薄膜に対して水分を与える加湿手段が設
    けられていることを特徴とする食品用加熱装置。
  2. 【請求項2】前記加湿手段として、透湿性薄膜がその給
    送中に浸漬される水槽が設けられている請求項1に記載
    の食品用加熱装置。
  3. 【請求項3】前記加湿手段として、透湿性薄膜の表面に
    水をスプレーするスプレー装置が設けられている請求項
    1に記載の食品用加熱装置。
JP1314340A 1989-12-05 1989-12-05 食品用加熱装置 Expired - Lifetime JPH0628545B2 (ja)

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