JPH078230A - 練り製品の通電加熱方法および装置 - Google Patents
練り製品の通電加熱方法および装置Info
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- JPH078230A JPH078230A JP5177447A JP17744793A JPH078230A JP H078230 A JPH078230 A JP H078230A JP 5177447 A JP5177447 A JP 5177447A JP 17744793 A JP17744793 A JP 17744793A JP H078230 A JPH078230 A JP H078230A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 練り製品を製造するために魚肉すり身成形体
を通電加熱する方法、装置として、中心部と表面層との
加熱温度差を少なくして、全体を均一に加熱できるよう
にする。 【構成】 成形された魚肉すり身をその両側から電極に
よって挟み、電極間に電流を流すことによってすり身を
通電加熱する方法において、前記電流として1〜500
kHz 程度の高周波電流を用いる。またそのための装置。
を通電加熱する方法、装置として、中心部と表面層との
加熱温度差を少なくして、全体を均一に加熱できるよう
にする。 【構成】 成形された魚肉すり身をその両側から電極に
よって挟み、電極間に電流を流すことによってすり身を
通電加熱する方法において、前記電流として1〜500
kHz 程度の高周波電流を用いる。またそのための装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、蒲鉾等の練り製品を
製造するにあたって、その材料となる魚肉すり身の成形
体を通電加熱するための装置および方法に関するもので
ある。
製造するにあたって、その材料となる魚肉すり身の成形
体を通電加熱するための装置および方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】最近に至り、蒲鉾等の練り製品の製造過
程において、成形したすり身を加熱する工程に通電加熱
を適用する方法が開発されるようになった。この方法を
板付き蒲鉾の場合について説明すれば、調味料等を添加
して調整、混練した魚肉すり身を板の上で成形した後、
必要に応じて坐りを与え、その後に板の上のすり身成形
体を一対の電極によって挟み、その電極間に電流を流し
て、すり身成形体自体の有する電気抵抗によってジュー
ル発熱させ、すり身成形体をその内部から加熱する方法
である。このような通電加熱によれば、すり身成形体を
比較的短時間で昇温させることができ、また通電電流が
均一であれば均一な加熱が可能となるとされている。な
お一般にこのような通電加熱を量産的規模で実施するに
あたっては、商用交流電流、すなわち50Hzもしくは6
0Hzの交流電流をすり身成形体に通電させるのが通常で
ある。
程において、成形したすり身を加熱する工程に通電加熱
を適用する方法が開発されるようになった。この方法を
板付き蒲鉾の場合について説明すれば、調味料等を添加
して調整、混練した魚肉すり身を板の上で成形した後、
必要に応じて坐りを与え、その後に板の上のすり身成形
体を一対の電極によって挟み、その電極間に電流を流し
て、すり身成形体自体の有する電気抵抗によってジュー
ル発熱させ、すり身成形体をその内部から加熱する方法
である。このような通電加熱によれば、すり身成形体を
比較的短時間で昇温させることができ、また通電電流が
均一であれば均一な加熱が可能となるとされている。な
お一般にこのような通電加熱を量産的規模で実施するに
あたっては、商用交流電流、すなわち50Hzもしくは6
0Hzの交流電流をすり身成形体に通電させるのが通常で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等が、蒲鉾等
の練り製品の製造工程における魚肉すり身成形体の加熱
について実際に通電加熱を適用するための実験・研究を
重ねたところ、次のような問題があることが判明した。
の練り製品の製造工程における魚肉すり身成形体の加熱
について実際に通電加熱を適用するための実験・研究を
重ねたところ、次のような問題があることが判明した。
【0004】すなわち魚肉すり身成形体の通電加熱にあ
たっては、前述のようにその成形体をその両側から一対
の電極によって挟んでその電極間に通電させるのが通常
であり、この場合、すり身成形体の中心部は速やかに温
度上昇して所望の温度に加熱されるが、外表面層(一対
の電極が挟む方向に対し直交する断面で見てその外縁付
近の層;板付き蒲鉾の場合は、板に接する部分の付近の
層も含む)は充分に温度上昇せず、中心部よりも低い温
度にしか加熱されないことが判明した。
たっては、前述のようにその成形体をその両側から一対
の電極によって挟んでその電極間に通電させるのが通常
であり、この場合、すり身成形体の中心部は速やかに温
度上昇して所望の温度に加熱されるが、外表面層(一対
の電極が挟む方向に対し直交する断面で見てその外縁付
近の層;板付き蒲鉾の場合は、板に接する部分の付近の
層も含む)は充分に温度上昇せず、中心部よりも低い温
度にしか加熱されないことが判明した。
【0005】具体的には、一般にすり身成形体の加熱温
度は70℃以上とするのが通常であるが、通電加熱の場
合中心部と表面層との温度差が10℃程度以上あり、中
心部が例えば75℃となるように通電しても、表面層は
65℃程度以下としかならないのが実情である。
度は70℃以上とするのが通常であるが、通電加熱の場
合中心部と表面層との温度差が10℃程度以上あり、中
心部が例えば75℃となるように通電しても、表面層は
65℃程度以下としかならないのが実情である。
【0006】このようにすり身成形体の外表面付近が充
分に高温に加熱されない場合、表面層の殺菌が充分に行
なわれない、などの懸念が生じるおそれがある。もちろ
ん電流や電圧を増して中心部をより高温となるように通
電加熱すれば表面層もある程度高温となるが、その場合
には中心部が過度に高温に加熱されて、練り製品の品質
劣化等の悪影響を招くおそれがある。
分に高温に加熱されない場合、表面層の殺菌が充分に行
なわれない、などの懸念が生じるおそれがある。もちろ
ん電流や電圧を増して中心部をより高温となるように通
電加熱すれば表面層もある程度高温となるが、その場合
には中心部が過度に高温に加熱されて、練り製品の品質
劣化等の悪影響を招くおそれがある。
【0007】このような問題に対処するための方策とし
ては、通電加熱終了後において、熱湯の中へすり身成形
体を浸漬させたり、殺菌液をすり身成形体の表面に注ぎ
かけたり、さらには遠赤外線ですり身成形体の表面を再
加熱する、などの方法が考えられるが、いずれにしても
通電加熱工程のほかに新たに別の工程が必要となり、そ
のため大幅なコスト上昇を招いてしまう問題がある。
ては、通電加熱終了後において、熱湯の中へすり身成形
体を浸漬させたり、殺菌液をすり身成形体の表面に注ぎ
かけたり、さらには遠赤外線ですり身成形体の表面を再
加熱する、などの方法が考えられるが、いずれにしても
通電加熱工程のほかに新たに別の工程が必要となり、そ
のため大幅なコスト上昇を招いてしまう問題がある。
【0008】なお前述のように通電加熱によって表面層
が充分に高温に加熱されない原因は定かではないが、通
電加熱時においてすり身成形体の表面が相対的に低温の
外気に曝されているため、表面からの放熱があること、
また板付き蒲鉾の場合には、板へ熱が逃げてしまうこと
が考えられ、さらには、一般にすり身成形体は表面が若
干膨出した凸湾曲した形状となることが多いため、電極
間の電流が、膨出・凸湾曲した表面層に充分に流れない
ことも一因と考えられる。
が充分に高温に加熱されない原因は定かではないが、通
電加熱時においてすり身成形体の表面が相対的に低温の
外気に曝されているため、表面からの放熱があること、
また板付き蒲鉾の場合には、板へ熱が逃げてしまうこと
が考えられ、さらには、一般にすり身成形体は表面が若
干膨出した凸湾曲した形状となることが多いため、電極
間の電流が、膨出・凸湾曲した表面層に充分に流れない
ことも一因と考えられる。
【0009】いずれにしても、通電加熱によりすり身成
形体を加熱するにあたって、表面層と中心部との温度差
が大きく、表面層が充分に高温に加熱されないことは、
すり身成形体の通電加熱の実用化に対して大きなネック
となっていたのが実情である。
形体を加熱するにあたって、表面層と中心部との温度差
が大きく、表面層が充分に高温に加熱されないことは、
すり身成形体の通電加熱の実用化に対して大きなネック
となっていたのが実情である。
【0010】また従来のすり身成形体に対する通電加熱
においては、電極とすり身成形体とを直接接触させた場
合、すり身成形体の材料内に含有される塩分などの物質
が電極表面で電気分解し、これによって電極が変色した
り腐食したりし、またすり身成形体表面も汚れたりする
ことがあり、さらには電極とすり身成形体との間でスパ
ーク(放電)が生じて電極表面を変色させたり、すり身
成形体表面を焦がしたりする問題がある。このような問
題を解決するための方策として、電極とすり身成形体と
の間にセロハン紙などの透湿性フィルムを介在させるこ
とが考えられており、またこの場合透湿性フィルムに導
電性を充分に与えるために、フィルムを予め水や塩水で
濡らしておくことなども考えられている。しかしながら
これらの場合、透湿性フィルムを電極とすり身成形体と
の間に介在させたりさらには透湿性フィルムを水や塩水
で濡らしたりするために、装置が複雑化して装置コスト
の上昇を招くとともに、ランニングコストも高くなり、
さらには装置の故障も生じやすくなる等の新たな問題が
生じる。
においては、電極とすり身成形体とを直接接触させた場
合、すり身成形体の材料内に含有される塩分などの物質
が電極表面で電気分解し、これによって電極が変色した
り腐食したりし、またすり身成形体表面も汚れたりする
ことがあり、さらには電極とすり身成形体との間でスパ
ーク(放電)が生じて電極表面を変色させたり、すり身
成形体表面を焦がしたりする問題がある。このような問
題を解決するための方策として、電極とすり身成形体と
の間にセロハン紙などの透湿性フィルムを介在させるこ
とが考えられており、またこの場合透湿性フィルムに導
電性を充分に与えるために、フィルムを予め水や塩水で
濡らしておくことなども考えられている。しかしながら
これらの場合、透湿性フィルムを電極とすり身成形体と
の間に介在させたりさらには透湿性フィルムを水や塩水
で濡らしたりするために、装置が複雑化して装置コスト
の上昇を招くとともに、ランニングコストも高くなり、
さらには装置の故障も生じやすくなる等の新たな問題が
生じる。
【0011】そしてまた、すり身成形体に対する従来の
通電加熱では、前述のように電極とすり身成形体との間
でスパークが発生することを避けるため、通電電圧を余
り高電圧とすることはできず、通常は80V程度が限度
であり、そのため高電圧化によって通電加熱による加熱
時間を短縮するにも限度があったのが実情である。
通電加熱では、前述のように電極とすり身成形体との間
でスパークが発生することを避けるため、通電電圧を余
り高電圧とすることはできず、通常は80V程度が限度
であり、そのため高電圧化によって通電加熱による加熱
時間を短縮するにも限度があったのが実情である。
【0012】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、すり身成形体の通電加熱に際して、中心部と
表面層との温度差が少なく、表面層をも確実に所要の温
度に加熱することができ、しかも透湿性フィルムを使用
したりさらにはそれを水や塩水で濡らしたりすることも
不要で、さらには従来よりも通電加熱時間を短縮可能
な、通電加熱方法および装置を提供することを目的とす
るものである。
たもので、すり身成形体の通電加熱に際して、中心部と
表面層との温度差が少なく、表面層をも確実に所要の温
度に加熱することができ、しかも透湿性フィルムを使用
したりさらにはそれを水や塩水で濡らしたりすることも
不要で、さらには従来よりも通電加熱時間を短縮可能
な、通電加熱方法および装置を提供することを目的とす
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、本発明者等が種々実験・検討を重ねた結果、
すり身成形体に通電させる電流として、従来適用されて
いた50Hzもしくは60Hzの商用交流電流ではなく、高
周波電流を用いることにより、前述の諸問題を一挙に解
決できることを見出し、この発明をなすに至った。
するため、本発明者等が種々実験・検討を重ねた結果、
すり身成形体に通電させる電流として、従来適用されて
いた50Hzもしくは60Hzの商用交流電流ではなく、高
周波電流を用いることにより、前述の諸問題を一挙に解
決できることを見出し、この発明をなすに至った。
【0014】したがって請求項1の発明の練り製品の通
電加熱方法は、成形された魚肉すり身をその両側から電
極によって挟み、電極間に電流を流すことによってすり
身を通電加熱する方法において、前記電流として高周波
電流を用いることを特徴とするものである。
電加熱方法は、成形された魚肉すり身をその両側から電
極によって挟み、電極間に電流を流すことによってすり
身を通電加熱する方法において、前記電流として高周波
電流を用いることを特徴とするものである。
【0015】また請求項2の発明の通電加熱装置は、魚
肉すり身を両側から挟む電極と、その電極間に電流を通
電させるための電源装置とを有し、前記電源装置は高周
波電流を発生するように構成されていることを特徴とす
るものである。
肉すり身を両側から挟む電極と、その電極間に電流を通
電させるための電源装置とを有し、前記電源装置は高周
波電流を発生するように構成されていることを特徴とす
るものである。
【0016】なおここで高周波電流とは、一般に数百Hz
以上の交流電流を指称するが、この発明の場合は、1kH
z 〜500kHz 程度、より好ましくは5kHz 〜300kH
z 程度の周波数の交流電流を用いることが望ましい。
以上の交流電流を指称するが、この発明の場合は、1kH
z 〜500kHz 程度、より好ましくは5kHz 〜300kH
z 程度の周波数の交流電流を用いることが望ましい。
【0017】
【作用】この発明の方法によって電極間にすり身成形体
を挟み、高周波電流を電極間に通電させれば、その高周
波電流がすり身成形体に流れ、すり身成形体自体の電気
抵抗によってすり身成形体が発熱し、温度上昇する。こ
のとき、通電電流として高周波電流を用いることによっ
て、すり身成形体の表面層の温度と中心部の温度との差
が従来の50Hzまたは60Hzの商用交流を用いた場合よ
りも格段に小さくなる。すなわち、すり身成形体の表面
層も中心部とほぼ同等に加熱される。
を挟み、高周波電流を電極間に通電させれば、その高周
波電流がすり身成形体に流れ、すり身成形体自体の電気
抵抗によってすり身成形体が発熱し、温度上昇する。こ
のとき、通電電流として高周波電流を用いることによっ
て、すり身成形体の表面層の温度と中心部の温度との差
が従来の50Hzまたは60Hzの商用交流を用いた場合よ
りも格段に小さくなる。すなわち、すり身成形体の表面
層も中心部とほぼ同等に加熱される。
【0018】上述のように高周波電流を用いてすり身成
形体に通電加熱することによって、表面層も中心部とほ
ぼ同等に加熱される理由は必ずしも明確ではないが、高
周波電流に特有のいわゆる表皮効果によってすり身成形
体の表面層を流れる電流が多くなり、そのため外気に曝
される表面層の放熱量が中心部よりも多いにもかかわら
ず、表面層の温度が中心部と同等となるものと考えられ
る。
形体に通電加熱することによって、表面層も中心部とほ
ぼ同等に加熱される理由は必ずしも明確ではないが、高
周波電流に特有のいわゆる表皮効果によってすり身成形
体の表面層を流れる電流が多くなり、そのため外気に曝
される表面層の放熱量が中心部よりも多いにもかかわら
ず、表面層の温度が中心部と同等となるものと考えられ
る。
【0019】またこの発明では、高周波電流を用いるこ
とによって、電極とすり身成形体とを直接接触させて
も、電極とすり身成形体との間で電気分解が生じたり、
スパークが生じたりするおそれが少なくなり、それに伴
なって電極表面の変色や腐食、すり身成形体表面の汚れ
発生などを回避できる。その結果、前述のように電極と
すり身成形体との間にセロハン紙等の透湿性フィルムを
介在させたり、さらにはその透湿性フィルムを予め水や
塩水で濡らしておくことなども不要となる。
とによって、電極とすり身成形体とを直接接触させて
も、電極とすり身成形体との間で電気分解が生じたり、
スパークが生じたりするおそれが少なくなり、それに伴
なって電極表面の変色や腐食、すり身成形体表面の汚れ
発生などを回避できる。その結果、前述のように電極と
すり身成形体との間にセロハン紙等の透湿性フィルムを
介在させたり、さらにはその透湿性フィルムを予め水や
塩水で濡らしておくことなども不要となる。
【0020】そしてまた前述のように電極とすり身成形
体との間でスパークが生じにくくなるため、通電電圧を
高めて、通電加熱を短時間で行なうことが可能となる。
体との間でスパークが生じにくくなるため、通電電圧を
高めて、通電加熱を短時間で行なうことが可能となる。
【0021】
【実施例】図1にこの発明の方法を実施するための装置
の一例を示す。
の一例を示す。
【0022】図1において、一対の電極1A,1Bはチ
タン、チタン合金、あるいは任意の金属基材表面にチタ
ンもしくはチタン合金をクラッドしたクラッド材、さら
にはステンレス鋼等の導電性を有する耐食性金属材料か
らなるものであり、相互に水平方向に対向するように配
設されている。そしてこれらの電極1A,1Bは、図示
しない流体圧シリンダなどの駆動機構によって相互に接
近・離隔する方向へ移動可能に支持されている。
タン、チタン合金、あるいは任意の金属基材表面にチタ
ンもしくはチタン合金をクラッドしたクラッド材、さら
にはステンレス鋼等の導電性を有する耐食性金属材料か
らなるものであり、相互に水平方向に対向するように配
設されている。そしてこれらの電極1A,1Bは、図示
しない流体圧シリンダなどの駆動機構によって相互に接
近・離隔する方向へ移動可能に支持されている。
【0023】一対の電極1A,1B間の下方には、すり
身成形体2を水平に保持するための保持手段3が設けら
れている。この保持手段3は、水平に走行するベルトコ
ンベヤのベルト、あるいは水平もしくは垂直に順次搬送
されて来るトレー、あるいは垂直方向に移動可能な保持
台、さらには単なる固定された保持台であっても良く、
その構成は任意である。
身成形体2を水平に保持するための保持手段3が設けら
れている。この保持手段3は、水平に走行するベルトコ
ンベヤのベルト、あるいは水平もしくは垂直に順次搬送
されて来るトレー、あるいは垂直方向に移動可能な保持
台、さらには単なる固定された保持台であっても良く、
その構成は任意である。
【0024】すり身成形体2としては、図示の例では板
付き蒲鉾用のすり身成形体が示されている。すなわち、
板4上にすり身5が成形されたものが示されている。但
しこのすり身成形体2は板付きのものではなくても良い
ことは勿論である。
付き蒲鉾用のすり身成形体が示されている。すなわち、
板4上にすり身5が成形されたものが示されている。但
しこのすり身成形体2は板付きのものではなくても良い
ことは勿論である。
【0025】前記一対の電極1A,1Bは、高周波電流
発生用の電源装置6に電気的に接続されている。この電
源装置6は、一定の周波数の高周波電流を発生するもの
であっても、あるいは発生周波数を変えられるようにし
た可変周波数型のものであっても良い。
発生用の電源装置6に電気的に接続されている。この電
源装置6は、一定の周波数の高周波電流を発生するもの
であっても、あるいは発生周波数を変えられるようにし
た可変周波数型のものであっても良い。
【0026】以上のような装置を用いてすり身成形体の
通電加熱を行なうにあたっては、予め電極1A,1Bを
相互に離隔させておき、適宜の成形手段によって板上で
成形されたすり身成形体2を、前記保持手段3を兼ねる
搬送手段、あるいは保持手段3とは別の適宜の搬送手段
によって電極1A,1B間に位置させ、その状態で電極
1A,1Bを接近させて、すり身成形体2をその両側か
ら挟む。そして電源装置6を作動させて高周波電流を電
極1A,1B間に通電させ、すり身成形体2に高周波電
流を流して加熱する。そして通常はすり身成形体2の中
心部(例えば図1の符号Aの部分)の温度が70〜80
℃程度、望ましくは75℃程度に到達するような時間だ
け通電する。このとき、すり身成形体2の表面層(例え
ば図1の符号Bの部分)も、中心部(A)とほぼ同等の
温度に到達する。そして通電終了後、電極1A,1Bを
相互に離隔する方向へ後退させ、前記同様な適宜の搬送
手段によって次の工程へすり身成形体2を送れば良い。
通電加熱を行なうにあたっては、予め電極1A,1Bを
相互に離隔させておき、適宜の成形手段によって板上で
成形されたすり身成形体2を、前記保持手段3を兼ねる
搬送手段、あるいは保持手段3とは別の適宜の搬送手段
によって電極1A,1B間に位置させ、その状態で電極
1A,1Bを接近させて、すり身成形体2をその両側か
ら挟む。そして電源装置6を作動させて高周波電流を電
極1A,1B間に通電させ、すり身成形体2に高周波電
流を流して加熱する。そして通常はすり身成形体2の中
心部(例えば図1の符号Aの部分)の温度が70〜80
℃程度、望ましくは75℃程度に到達するような時間だ
け通電する。このとき、すり身成形体2の表面層(例え
ば図1の符号Bの部分)も、中心部(A)とほぼ同等の
温度に到達する。そして通電終了後、電極1A,1Bを
相互に離隔する方向へ後退させ、前記同様な適宜の搬送
手段によって次の工程へすり身成形体2を送れば良い。
【0027】ここで、図1においては図面の簡略化のた
めに、1個のすり身成形体2に対して一対の電極1A,
1Bを設けた構成を示しているが、実際に量産的規模で
実施する場合には、例えば図2に示すように、一定の間
隔を置いて平行に配列保持された複数のすり身成形体2
(図2の例では5個のすり身成形体)を、一対の電極1
A,1Bが同時に挟むようにすることが好ましい。ま
た、図3に示すように電極1A,1Bとして無端環状の
ベルト電極を用い、そのベルト電極1A,1Bを連続的
に巡回走行させながら、あるいは間欠的に巡回走行させ
ながら、複数のすり身成形体2を同時に挟んで通電する
ようにした、連続通電加熱型式を適用することも可能で
ある。
めに、1個のすり身成形体2に対して一対の電極1A,
1Bを設けた構成を示しているが、実際に量産的規模で
実施する場合には、例えば図2に示すように、一定の間
隔を置いて平行に配列保持された複数のすり身成形体2
(図2の例では5個のすり身成形体)を、一対の電極1
A,1Bが同時に挟むようにすることが好ましい。ま
た、図3に示すように電極1A,1Bとして無端環状の
ベルト電極を用い、そのベルト電極1A,1Bを連続的
に巡回走行させながら、あるいは間欠的に巡回走行させ
ながら、複数のすり身成形体2を同時に挟んで通電する
ようにした、連続通電加熱型式を適用することも可能で
ある。
【0028】なおこの発明の場合は、既に述べたように
電極とすり身成形体との間に透湿性フィルムを介在させ
る必要性は少ないが、場合によっては念のためその間に
透湿性フィルムを介在させても良く、またその透湿性フ
ィルムを予め水や食塩水等で濡らして導電性を高めてお
いても良い。
電極とすり身成形体との間に透湿性フィルムを介在させ
る必要性は少ないが、場合によっては念のためその間に
透湿性フィルムを介在させても良く、またその透湿性フ
ィルムを予め水や食塩水等で濡らして導電性を高めてお
いても良い。
【0029】実施例:以下に図1に示されるような装置
を用いて実際に板付きのすり身成形体に通電加熱を行な
った実施例を示す。
を用いて実際に板付きのすり身成形体に通電加熱を行な
った実施例を示す。
【0030】すり身原料としては金目鯛とイトヨリ鯛を
主原料とし、塩分約1.2%、水分約30%のものを用
い、板上にすり身を成形した後、3〜5分程度室温に放
置したものを通電加熱試験に供した。なおすり身の下側
の板の寸法は幅51mm、長さ124mm、厚さ12mmであ
り、板上のすり身成形体の幅は約54mm、板上の高さ約
35mmであり、さらに電極としてはチタンからなるもの
を用い、通電時の電極間距離は約120mmとした。
主原料とし、塩分約1.2%、水分約30%のものを用
い、板上にすり身を成形した後、3〜5分程度室温に放
置したものを通電加熱試験に供した。なおすり身の下側
の板の寸法は幅51mm、長さ124mm、厚さ12mmであ
り、板上のすり身成形体の幅は約54mm、板上の高さ約
35mmであり、さらに電極としてはチタンからなるもの
を用い、通電時の電極間距離は約120mmとした。
【0031】50Hzの商用交流電流および8〜400kH
z の種々の高周波電流にて、約100Vの定電圧で前述
のようなすり身成形体に対し通電加熱を行なった。なお
各通電加熱はいずれの場合も通電開始後、中心温度が約
75℃となった時点で通電を停止させた。ここで、通電
加熱時間は、50Hzの商用交流を用いた場合は約4分程
度、また高周波電流を用いた場合は約2〜3分程度であ
った。
z の種々の高周波電流にて、約100Vの定電圧で前述
のようなすり身成形体に対し通電加熱を行なった。なお
各通電加熱はいずれの場合も通電開始後、中心温度が約
75℃となった時点で通電を停止させた。ここで、通電
加熱時間は、50Hzの商用交流を用いた場合は約4分程
度、また高周波電流を用いた場合は約2〜3分程度であ
った。
【0032】各通電加熱試験においては、予めすり身成
形体の中心部(図1の符号Aの位置)および表面層の部
分(表面から約2mm内側の位置;図1の符号Bの位置)
に熱電対を挿入しておき、通電加熱時におけるこれらの
部分の温度を連続的に測定した。各部の最高到達温度を
表1に示す。なお表1において温度差(℃)は、[中心
部最高到達温度]−[表面層最高到達温度]の値を示
す。
形体の中心部(図1の符号Aの位置)および表面層の部
分(表面から約2mm内側の位置;図1の符号Bの位置)
に熱電対を挿入しておき、通電加熱時におけるこれらの
部分の温度を連続的に測定した。各部の最高到達温度を
表1に示す。なお表1において温度差(℃)は、[中心
部最高到達温度]−[表面層最高到達温度]の値を示
す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から判るように、50Hzの商用交流を
用いた場合には中心部と表面層とで11℃もの大きな温
度差が生じたのに対し、8kHz 〜400kHz の高周波電
流を用いた場合には、温度差は最大でも7℃であり、こ
の発明の効果が明らかである。なお高周波電流を用いた
場合には、電極とすり身との間のスパークや電気分解に
よる電極の表面の変色は認められなかった。
用いた場合には中心部と表面層とで11℃もの大きな温
度差が生じたのに対し、8kHz 〜400kHz の高周波電
流を用いた場合には、温度差は最大でも7℃であり、こ
の発明の効果が明らかである。なお高周波電流を用いた
場合には、電極とすり身との間のスパークや電気分解に
よる電極の表面の変色は認められなかった。
【0035】
【発明の効果】この発明の練り製品の通電加熱方法およ
び装置によれば、すり身成形体を通電加熱するにあたっ
て、中心部と表面層との加熱温度差を小さくしてすり身
全体を適切な温度に均一に加熱することができ、したが
って表面層の加熱不足のために通電加熱後に改めて表面
層を別の手段で加熱したり表面層に殺菌液をかけたりす
る等の余計な工程を必要とせず、また逆に中心部が過度
に加熱されて練り製品の品質劣化を招いたりすることも
ない。またこの発明の方法によれば、電極とすり身成形
体とを直接接触させても電気分解が発生したりスパーク
が発生したりして電極が変色、腐食したりするおそれが
少なく、そのため電極とすり身成形体との間に透湿性フ
ィルムを介在させたりさらにはそれを水や塩水で濡らし
たりする必要性が少なく、そのため装置コスト、ランニ
ングコストを低減することができるとともに装置の故障
も少なくなり、さらに前記のように電極とすり身成形体
との間でスパークが発生するおそれが少ないため、通電
電圧を高めて通電加熱時間を短縮し、これによって生産
性の向上を図ることができる。
び装置によれば、すり身成形体を通電加熱するにあたっ
て、中心部と表面層との加熱温度差を小さくしてすり身
全体を適切な温度に均一に加熱することができ、したが
って表面層の加熱不足のために通電加熱後に改めて表面
層を別の手段で加熱したり表面層に殺菌液をかけたりす
る等の余計な工程を必要とせず、また逆に中心部が過度
に加熱されて練り製品の品質劣化を招いたりすることも
ない。またこの発明の方法によれば、電極とすり身成形
体とを直接接触させても電気分解が発生したりスパーク
が発生したりして電極が変色、腐食したりするおそれが
少なく、そのため電極とすり身成形体との間に透湿性フ
ィルムを介在させたりさらにはそれを水や塩水で濡らし
たりする必要性が少なく、そのため装置コスト、ランニ
ングコストを低減することができるとともに装置の故障
も少なくなり、さらに前記のように電極とすり身成形体
との間でスパークが発生するおそれが少ないため、通電
電圧を高めて通電加熱時間を短縮し、これによって生産
性の向上を図ることができる。
【図1】この発明の通電加熱装置の一例を原理的に示す
部分縦断正面図である。
部分縦断正面図である。
【図2】この発明の通電加熱装置の他の例を示す平面図
である。
である。
【図3】この発明の通電加熱装置のさらに他の例を示す
平面図である。
平面図である。
1A,1B 電極 2 すり身成形体 6 電源装置
Claims (2)
- 【請求項1】 成形された魚肉すり身をその両側から電
極によって挟み、電極間に電流を流すことによってすり
身を通電加熱する方法において、 前記電流として高周波電流を用いることを特徴とする、
練り製品の通電加熱方法。 - 【請求項2】 魚肉すり身を両側から挟む電極と、その
電極間に電流を通電させるための電源装置とを有し、前
記電源装置は高周波電流を発生するように構成されてい
ることを特徴とする、練り製品の通電加熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5177447A JPH078230A (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 練り製品の通電加熱方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5177447A JPH078230A (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 練り製品の通電加熱方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH078230A true JPH078230A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=16031111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5177447A Pending JPH078230A (ja) | 1993-06-24 | 1993-06-24 | 練り製品の通電加熱方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH078230A (ja) |
-
1993
- 1993-06-24 JP JP5177447A patent/JPH078230A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020514 |