JPH06270543A - 可逆的感熱記録媒体 - Google Patents

可逆的感熱記録媒体

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JPH06270543A
JPH06270543A JP5085374A JP8537493A JPH06270543A JP H06270543 A JPH06270543 A JP H06270543A JP 5085374 A JP5085374 A JP 5085374A JP 8537493 A JP8537493 A JP 8537493A JP H06270543 A JPH06270543 A JP H06270543A
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Masaru Shimada
勝 島田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録消去時に前回記録の印字跡を判読するこ
とが不可能な可逆的感熱記録媒体を提供すること。 【構成】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物
を含む記録層を備え、加熱・溶融によって発色記録状態
を形成し、発色記録温度より低温に加熱すると記録の消
えた消色状態を形成する可逆的感熱記録媒体において、
蛍光白色染料を含有する層を備えていることを特徴とす
る可逆的感熱記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子供与性呈色性化合
物と電子受容性化合物間の発色反応を利用した可逆的感
熱記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来、電子供与性呈色性化
合物(以下、発色剤とも言う)と電子受容性化合物(以
下、顕色剤とも言う)との間の発色反応を利用した感熱
記録媒体は広く知られ、電子計算機のアウトプット、フ
ァクシミリ、自動券売機、科学計測機のプリンター、C
RT医療計測用プリンター等に広く応用されている。し
かし、従来の製品はいずれもその発色が不可逆的なもの
で、発色と消色を交互に繰り返し行わせることができな
い。
【0003】一方、特許公報によれば発色と消色を可逆
的に行わせるものも提案されており、例えば、顕色剤
として没食子酸とフロログルシノールを組合せたものを
用いる特開昭60−193691号公報、顕色剤にフ
ェノールフタレインやチモールフタレイン等の化合物を
用いる特開昭61−237684号公報、発色剤と顕
色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有
する特開昭62−138556号、特開昭62−138
568号及び特開昭62−140881号公報、顕色
剤に没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いる特開平
2−188294号公報、顕色剤にビス(ヒドロキシ
フェニル)酢酸又は酪酸と高級脂肪族アミンとの塩を用
いる特開平2−188293号公報等が開示されてい
る。しかしながら、以上に示した従来の可逆的感熱記録
媒体には種々の問題が残されており、未だ充分満足し得
るものではない。
【0004】本出願人は、先に顕色剤として長鎖脂肪族
基を持つ有機リン酸やカルボキシル化合物、フェノール
化合物、ヒドロキシホスホン酸等の化合物を用い、これ
を発色剤としてのフルオラン化合物等と組合せることに
よって、その発色と消色を加熱のみで容易に行わせるこ
とができ、しかもその発色状態と消色状態を常温におい
て保持することが可能で、且つ消色温度が発色温度より
も低く、そのうえ画像の形成及び消去を温度変化により
何度も繰り返すことのできる可逆的熱発色性組成物、及
びこれを記録層に含有する可逆的感熱記録媒体を提案し
た(特願平3−355078)。この可逆的感熱記録媒
体は、従来技術からは考えられないほど多数回の使用が
可能である。しかし、該記録媒体では記録消去後も印字
圧力や印字熱による前回印字の印字跡が判読できる場合
があるから、該記録媒体には改良の余地が認められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発色剤と顕
色剤との間の反応を利用した可逆的感熱記録媒体におい
て、該記録媒体の記録消去時に見られる前記の印字跡を
隠蔽し、記録消去時に前回記録の印字跡が判読できない
可逆的感熱記録媒体を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、発色剤と顕色剤
を含む記録層を備え、加熱・溶融によって発色記録状態
を形成し、発色記録温度より低温に加熱すると記録の消
えた消色状態を形成する可逆的感熱記録媒体において、
蛍光白色染料を含有する層を備えていることを特徴とす
る可逆的感熱記録媒体が提供される。
【0007】本発明の可逆的感熱記録媒体は加熱により
瞬時に発色し、その発色状態は常温でも安定的に存在す
るが、発色状態の記録層は発色温度以下の加熱により消
色し、その消色状態は常温においても安定的に存在する
ものである。本発明の可逆的感熱記録媒体の発色と消
色、すなわち画像形成と画像消去の原理を図1に示した
グラフによって説明する。グラフの縦軸は発色濃度を表
わし横軸は温度を表わしており、実線1は加熱による画
像形成過程を、破線3は加熱による画像消去過程を示し
たものである。Aは完全消去状態における濃度であり、
BはT1以上の温度に加熱した時の飽和発色状態におけ
る濃度であり、Cは飽和発色状態のT0以下の温度にお
ける濃度であり、DはT0〜T1間の温度で加熱消去した
時の濃度を示している。
【0008】本発明の可逆的感熱記録媒体は、T0以下
の温度では無色の状態(A)にある。記録を行うには、
サーマルヘッド等でT1以上の温度に加熱すれば良く、
発色(B)して記録画像を形成する。該記録画像は実線
2に従ってT0以下の温度に戻してもそのままの状態
(C)を保ち、記録のメモリー性は失われない。次に記
録画像の消去を行うには、形成された記録画像を発色温
度より低いT0〜T1間の温度に加熱すれば良く、無色の
状態(D)になる。この状態はT0以下の温度に戻して
もそのまま保持される(A)。すなわち、記録画像の形
成過程は実線ABCの経路により、Cに至り記録が保持
される。記録画像の消去過程は破線CDAの経路によ
り、Aに至り消去状態が保持される。この記録画像の形
成と消去の挙動特性は可逆性を持ち、何回も繰り返し行
うことができる。
【0009】図2は画像形成及び画像消去の一例を示す
説明図であり、1は支持体、2は可逆的感熱記録層、3
は発色画像である。画像形成工程(A)→(B)は画像
形成用熱源、例えばサーマルヘッド4によって図1のT
1以上の温度で記録印字を行えばよい。画像消去工程
(B)→(A)は画像消去用熱源、例えば加熱ローラー
5によってT0〜T1間の温度に加熱することで達成され
る。本発明の可逆的感熱記録媒体は、発色剤と顕色剤と
蛍光白色染料を必須成分としている。そして、該可逆的
感熱記録媒体の発色は、記録層にある顕色剤と発色剤が
加熱・溶融して形成される発色体組成物を室温まで冷却
することで得られる。この発色体組成物は溶融温度より
低温側に消色温度領域を持つため、溶融発色状態から発
色を保ったまま冷却して常温にする場合は急冷が好まし
い。徐冷の場合は消色温度領域を通るときに多少の消色
が起き、濃度が低下することが多い。
【0010】発色体組成物は、発色剤と顕色剤の分子が
相互作用し、発色剤のラクトン環が開環して発色してい
ると考えられる。溶融状態から急冷された状態の組成物
は、発色体分子のほか発色体の形成には直接関与してい
ない顕色剤分子と発色剤分子を含んでいる。本発明の可
逆的感熱記録媒体では、常温時の発色体組成物はこれら
の分子間に凝集力が働いて固化した状態にある。また、
発色体組成物の凝集構造は何らかの規則性を示すが、非
常に規則性の高い場合とあまり規則性の高くない場合が
ある。これは、顕色剤と発色剤の組合せや量比や冷却条
件に依存する。このような凝集構造は、発色体を形成し
ている顕色剤分子のアルキル鎖構造部分と、発色体を形
成していない過剰分の顕色剤分子のアルキル鎖構造部分
の間に働く凝集力が基本となって、形成されるものと推
定される。このような凝集構造の形成が、該発色体組成
物の消色現象と関係している。
【0011】発色体組成物は、その発色状態を特定の温
度領域に加熱することにより消色させることができる。
この消色過程では発色状態の凝集構造が変化し、最終的
に発色体組成物から顕色剤分子が分離・結晶化して顕色
剤単独の結晶を作り、安定した消色状態となることがX
線によって確認されている。このように本発明の可逆的
感熱記録媒体では、発色状態の形成とその消色過程に顕
色剤のアルキル鎖部分が大きな役割を果していることが
明白であり、これが該可逆的感熱記録媒体に形成される
発色体組成物の特徴である。また、そのため顕色剤の持
つアルキル鎖部分の長さで消色温度の制御が可能とな
り、鎖長が長くなるほど発色及び消色温度が高温側へシ
フトする事が多い。これは、この部分の長さによって顕
色剤分子の凝集性や運動性が変化するためである。
【0012】本発明の可逆的感熱記録媒体の記録層に形
成される前記の可逆的熱発色性組成物は、基本的にはア
ルキル鎖構造を持つ前記顕色剤と発色剤とを組合せた組
成物であり、個々の顕色剤に対して好ましい発色剤が存
在する。この可逆的熱発色性組成物に用いる顕色剤と発
色剤の組合せは、両者を溶融温度以上に加熱して得られ
る発色状態組成物を、溶融温度より低温へ加熱したとき
に起る消色のし易さ(消色性)と、発色状態の色調等の
特性で適当に選択される。このうち消色性は、その組合
せで得られる発色状態組成物の示差熱分析(DTA)、
又は示差走査熱量分析(DSC)における昇温過程に現
れる発熱ピークの有無で判断できる。この発熱ピーク
は、前記組成物を特徴づける消色現象と対応するもので
あり、消色性の良好な組合せを選択する基準となる。な
お、本発明の可逆的感熱記録媒体では、可逆的感熱記録
層に第3物質が存在しても構わず、例えば蛍光白色染料
や高分子化合物が存在してもその可逆的な消発色挙動を
保つことができる。
【0013】本発明の可逆的感熱記録媒体において、発
色剤と組合せて用いられる顕色剤は、分子内に発色剤を
発色させることができる顕色能を示す構造と、分子間の
凝集力をコントロールするアルキル鎖構造部分を併せ持
つ化合物であり、炭素数12以上の脂肪族基を持つ有機
リン酸化合物や脂肪族カルボン酸化合物やフェノール化
合物、又は炭素数10〜18の脂肪族基を持つメルカプ
ト酢酸の金属塩、或いは炭素数5〜8のアルキル基を持
つカフェー酸のアルキルエステルである。脂肪族基には
直鎖状又は分枝状のアルキル基及びアルケニル基が包含
され、ハロゲン、アルコキシ基、エステル基等の置換基
を持っていてもよい。本発明の可逆的感熱記録媒体を構
成する可逆的熱発色性組成物は、前記顕色剤と発色剤と
を組合せて構成されるものである。発色剤は電子供与性
を示す無色或いは淡色の染料前駆体であり、特に限定さ
れず、従来公知のトリフェニルメタンフタリド系化合
物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロ
イコオーラミン系化合物、インドリノフタリド系化合物
等が用いられる。なお、本発明に使用される顕色剤及び
発色剤の具体例は、特願平3−355078、特願平4
−191643及び特願平4−207604に詳記され
ている。
【0014】本発明の可逆的感熱記録媒体において、感
熱記録層内の発色剤と顕色剤の割合は使用する化合物の
物性によって適切な比率を選択する必要がある。その範
囲はおおむねモル比で発色剤1に対し顕色剤が1から2
0の範囲であり、好ましくは2から10の範囲である。
この範囲より顕色剤が少なくても多くても発色状態の濃
度が低くなり実用上の問題となる。また、上記の好まし
い範囲にあっても発色剤と顕色剤の割合で消色特性は変
化し、比較的顕色剤が多い場合には消色開始温度が低く
なり、比較的少ない場合には消色が温度に対してシャー
プになる。従って、この割合は用途や目的に応じて適当
に選択しなければならない。本発明の可逆的感熱記録媒
体は、前記の可逆的熱発色性組成物を含む記録層を支持
体上に設けたものであり、該記録媒体の基本的構成は最
下層に支持体を備え、その上に記録層及び保護層を順次
積層したものである。ここで用いられる支持体は、紙、
合成紙、プラスチックフィルム或いはこれらの複合体、
ガラス板等であり、記録層を保持できるものであればよ
い。
【0015】本発明を特徴づける蛍光白色染料は支持体
上の任意の層に存在させれば良く、記録層や保護層に添
加するほか蛍光白色染料を含む別の層を新しく設けても
良いが、蛍光白色染料は記録層又はその上に積層した層
に存在させるのが望ましく、記録層に存在させても該層
に積層した層に存在させても効果にはあまり差がない。
なお、蛍光白色染料の含有層は一層でも二層以上であっ
ても良いが、複数層に蛍光白色染料を含有させても本発
明の隠蔽効果が大幅に増加することはない。蛍光白色染
料の添加効果は、記録消去時に前回記録の印字跡が見に
くくなることによる前回記録の判読を困難にする効果で
あり、この効果は蛍光白色染料の添加によって記録媒体
表面から蛍光が出るために発現するものと思われる。蛍
光白色染料の記録層への添加量は、該記録層に含まれる
顕色剤量の0.5〜50重量%、好ましくは1〜10重
量%とするのが良い。添加量が過少では添加効果が少な
く、過大の場合は発色濃度低下や発色画像の保存性低下
等の問題を生じる場合がある。また、記録層に積層した
層に添加する場合の添加量は該層重量の0.5〜50
%、好ましくは1〜30%であり、この場合は添加層が
安定的に存在し得るなら添加濃度が高くても格別の問題
はない。
【0016】本発明で使われる蛍光白色染料の具体例
を、以下にカラーインデックスで例示するが、本発明で
使われる蛍光白色染料はこれらに限定されるものではな
い。 (1)4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導
体系蛍光白色染料 Fluorescent Brightening A
gent (以下、FBAと略記)85、FBA86、
FBA166、FBA90(FBA30)、FBA13
4、FBA84(FBA92)、FBA24、FBA8
7、FBA169、FBA167、FBA104(FB
A178)、FBA168等。 (2)スチルベン系(トリアジニル誘導体)蛍光白色染
料 FBA22、FBA174、FBA175、FBA17
6、FBA173、FBA14、FBA32、FBA1
77、FBA153、FBA37等。 (3)クマリン誘導体系蛍光白色染料 FBA52、FBA91等。 (4)ビスオキサゾール系蛍光白色染料 FBA172等。 (5)その他の蛍光白色染料 FBA30、FBA45、FBA55、FBA54、F
BA56、FBA171、FBA170、FBA13
5、FBA162、FBA163、FBA164、FB
A112、FBA121等。
【0017】記録層は、前記の可逆的熱発色性組成物が
存在すればどのような態様のものでも良いが、通常はバ
インダー樹脂内に顕色剤と発色剤、或いは顕色剤と発色
剤と蛍光白色染料とを充分良く分散して記録層とするの
が良く、この方法で長寿命の可逆的感熱記録媒体を得る
ことができる。顕色剤及び発色剤は、そのまま或いはマ
イクロカプセル中に内包して用いることができる。顕色
剤及び発色剤のマイクロカプセル化は、コアセルベーシ
ョン法、界面重合法、インサイチュ重合法など公知の方
法によって行うことができる。なお、顕色剤及び発色剤
及び蛍光白色染料は単独でも2種以上混合して使用して
もよい。本発明の可逆的感熱記録媒体では必要に応じ
て、塗布特性或いは記録特性の向上を目的に、通常の感
熱記録紙に用いられている種々の添加剤、例えば分散
剤、界面活性剤、高分子カチオン系導電剤、填料、発色
画像安定剤、酸化防止剤、光安定化剤、滑剤等を記録層
に加えることもできる。
【0018】記録層の形成は、発色剤及び顕色剤(及び
蛍光白色染料)をバインダー樹脂と共に水又は有機溶剤
により均一に分散もしくは溶解して、これを支持体上に
塗布・乾燥する公知の方法で行えばよい。記録層のバイ
ンダー樹脂の主要な役割は、発色・消色の繰り返しによ
って可逆的熱発色性組成物が凝集するのを防止し、該組
成物が均一に分散した状態を保持することである。そし
て、発色時の熱印加で該組成物が凝集することが多いか
ら、バインダー樹脂には耐熱性の高いものを使用するの
が好ましい。このようなバインダー樹脂として、例えば
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ゾニル−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フ
ェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステ
ル類、ポリメタクリル酸エステル類、アクリル酸共重合
体、マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、塩素
化塩化ビニル樹脂、前記バインダー樹脂の混合物等が用
いられる。
【0019】保護層は、熱印加時の熱と圧力による表面
の変形や変色を防止するから、多数回使用時には保護層
設置が極めて有効である。保護層にはこのほか、耐薬品
性、耐水性、耐摩擦性、ヘッドマッチング性等を向上さ
せる役割を持たせることもできる。そのため、保護層形
成材料は耐熱性のほか強度も大きいものが良く、シリコ
ーン系ゴム、シリコーン樹脂、ポリシロキサングラフト
ポリマー、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂等が使用さ
れる。このような保護層の形成で耐熱性が向上すると共
に、有機溶剤、可塑剤、油、汗、水等の接触に対する抵
抗力も増加し、悪い環境でも画像の形成や消去を問題な
く繰り返すことのできる記録媒体が得られる。また、保
護層中に1種或いは2種以上の蛍光白色染料を含有させ
ても良いし、保護層中に光安定化剤を含有させれば画像
及び地肌の耐光性が著しく改良され、高分子カチオン系
導電剤の添加で帯電が防止され、有機又は無機フィラー
及び滑剤の添加でステッキング現像を減少させることが
できる。保護層の形成方法は、記録層形成時と同様に保
護層成分を水又は有機溶剤によって均一に分散もしくは
溶解し、これを記録層の上に均一に塗布・乾燥させれば
良く、保護層の厚さは0.5〜10μm程度が良い。
【0020】本発明の可逆的感熱記録媒体には、アンダ
ーコート層や中間層を設けても良い。中間層は、保護層
と記録層間の接着性向上や蛍光白色染料を含有させるた
めの層等の多様な役割を持つが、熱効率向上等のために
記録媒体の厚さを薄くした方が良いから、中間層には複
数の役割を持たせるのが望ましく、本発明の記録媒体で
は接着能向上と蛍光白色染料添加の役割を持たせる場合
が多い。アンダーコート層は、断熱性向上、支持体と記
録層間の接着性向上、記録層作成時の溶剤に対する支持
体の耐性向上等の目的で設置される。アンダーコート層
の重要な役割の一つは、印加熱エネルギーを無駄なく記
録の形成や消去に役立たせるための断熱性向上であり、
断熱用アンダーコート層の設置で発色及び消色をシャー
プに行うことができる。該層の設層は、支持体上に有機
又は無機材質の微小中空体粒子を塗工すれば良く、具体
的にはガラス又はセラミックス、或いはプラスチック等
で形成された粒径10〜50μm程度の微小中空体を、
バインダー樹脂と共に溶剤に良く分散させて支持体上に
均一に塗布・乾燥させれば良い。
【0021】記録画像の形成及び消去方法は、発色及び
消色の温度条件が与えられていれば特に限定されず、画
像形成にはサーマルヘッドやレーザー加熱や熱ペン等
が、画像消去には加熱ローラーや面状発熱体や加熱ラン
プ等が一般に使用される。また、記録画像を消去温度に
設定したサーマルヘッドで消去しながら、同時に記録温
度に設定した別のサーマルヘッドで記録画像の形成を行
うこともできる。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例で更に詳細
に説明するが、本発明はこの実施例で限定されるもので
はない。なお、以下に示す部はいずれも重量基準であ
る。
【0023】実施例1〜3、比較例1 (記録層)下記組成物をボールミルで粒径1〜2μmに
粉砕・分散し、記録層形成用塗布液を調製した。 2−(o−クロルアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン 3部 ドコシルホスホン酸 10部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社製、VYHH) 10部 蛍光白色染料(Mikawhite conc;日本化薬工業社製) 表1に記載 メチルエチルケトン 45部 トルエン 45部 以上のようにして調製した塗布液を、厚さ100μmの
ポリエステルフィルムにワイヤーバーで塗布厚約7μm
となるように塗布・乾燥して記録層を設けた。
【0024】(中間層)10%ポバール水溶液(PVA
−205;クラレ社製)を、ワイヤーバーで塗布厚約2
μmとなるように前記の記録層上に塗布・乾燥して中間
層(接着層)を設けた。 (保護層)次に、この中間層の上に以下に示す組成物を
塗布・乾燥してから80W/cmの紫外線ランプで紫外
線を照射して硬化させて膜厚約4μmの保護層を設け、
実施例1〜3及び比較例1の可逆的感熱記録媒体の作製
を終了した。 ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の75%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディックC7−157) 75部 酢酸エチル 25部
【0025】実施例4〜6、比較例2 以下に示す組成の記録層形成用塗布液、中間層形成用塗
布液及び保護層形成用塗布液を使用し、実施例1〜3の
場合と同じ方法で実施例4〜6及び比較例2の可逆的感
熱記録媒体を作製した。 (記録層) 2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−P− トルイジノ)フルオラン 3部 オクタデシルホスホン酸 10部 ステアリン酸ステアレート 0.5部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(VYHH) 10部 トルエン 45部 メチルエチルケトン 45部
【0026】 (中間層) ポリビニルアルコール(ゴーセノールNM−11; 日本合成化学社製) 5部 水 95部 蛍光白色染料(Whitex 4BM conc;住友化学工業社製) 表1に記載 (保護層) ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の75% 酢酸ブチル溶液(ユニディックC7−157) 75部 酢酸エチル 25部
【0027】実施例7〜9、比較例3 下記組成の塗布液を使用し、実施例1〜3と同一方法で
実施例7〜9及び比較例1の可逆的感熱記録媒体を作製
した。 (記録層) 2−(0−クロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン 3部 エイコシルチオリンゴ酸 10部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(VYHH) 10部 トルエン 45部 メチルエチルケトン 45部 (中間層) ポリビニルアルコール(PVA−117;クラレ社製) 5部 水 95部 (保護層) ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の75%酢酸 ブチル溶液(ユニディックC7−157) 75部 蛍光白色染料(Whitex ERN conc;住友化学工業社製) 表1に記載 酢酸エチル 25部
【0028】以上のようにして調製した可逆的感熱記録
媒体を使用し、8ドット/mmのサーマルヘッドによっ
て印加電力0.6W、印加パルス幅0.8mm秒の条件
で印字した叙刷物について以下の評価試験を行った。結
果を表1に示す。 (評価試験) 1.発色濃度:発色記録直後の印字濃度をマクベス濃度
計(マクベス社製;RD−914)で測定した。 2.消色濃度:発色記録状態の可逆的感熱記録媒体を7
5℃の恒温槽に3分間入れて消色(記録消去)し、その
消色濃度をマクベス濃度計で測定した。 3.耐光性試験:発色記録直後のサンプルを5000ル
ックスの蛍光灯下に24時間さらしてから2と同じ方法
で記録を消去してその濃度を測定し、2の場合と比較し
た。 4.保存性試験:発色記録直後のサンプルを40℃、相
対湿度50%で72時間保存してから画像濃度を測定
し、その濃度低下率を求めた。 5.記録消去時の文字判読試験:2で記録消去した画像
の文字部分を判読可能か否かを目視で強べた。判読でき
る場合を×、わずかに判読できる場合を△、判読できな
い場合○で表した。
【0029】
【表1】
【0030】表1から、蛍光白色染料を添加した実施例
の可逆的感熱記録媒体は、実施例3の場合を除いて蛍光
白色染料を含まない比較例のそれより耐光性が良かっ
た。また、記録消去時の前回記録文字判読試験は、どの
実施例でも比較例の場合より優れており、記録を消去し
た場合に前回記録を判読することができなかった。一
方、比較例の記録媒体では記録消去時に前回記録の判読
が可能であった。なお、蛍光白色染料添加量が顕色剤量
の0.5重量%しかない実施例3の記録媒体では、耐光
性試験結果は比較例のそれと同等であったが、記録消去
時の文字判読試験結果は比較例のそれより明らかに優れ
ており、蛍光白色染料添加量を顕色剤量の0.5重量%
にしても添加効果を示すことが明らかである。画像の保
存性は蛍光白色染料添加量が多いと多少低下するが、こ
の場合の低下幅はあまり大きいものではなく、許容範囲
内と言うことができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の可逆的感熱記録媒体は、該記録
媒体を構成するいずれかの層に蛍光白色染料を添加する
ことにより、記録消去時の前回記録文字の判読が困難に
なると共に耐光性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する可逆的熱発色性組成物の発色
濃度と温度との関係を示すグラフである。
【図2】本発明に使用する可逆的感熱記録媒体の画像形
成工程と画像消去工程の説明図である。
【符号の説明】
1 支持体 2 可逆的感熱記録層 3 発色画像 4 サーマルヘッド 5 加熱ローラー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
    合物を含む記録層を備え、加熱・溶融によって発色記録
    状態を形成し、発色記録温度より低温に加熱すると記録
    の消えた消色状態を形成する可逆的感熱記録媒体におい
    て、蛍光白色染料を含有する層を備えていることを特徴
    とする可逆的感熱記録媒体。
JP5085374A 1993-03-19 1993-03-19 可逆的感熱記録媒体 Pending JPH06270543A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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