JPH079761A - 可逆的感熱記録媒体に対する記録方法及び記録消去方法とそれに用いる装置 - Google Patents

可逆的感熱記録媒体に対する記録方法及び記録消去方法とそれに用いる装置

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JPH079761A
JPH079761A JP4046793A JP4046793A JPH079761A JP H079761 A JPH079761 A JP H079761A JP 4046793 A JP4046793 A JP 4046793A JP 4046793 A JP4046793 A JP 4046793A JP H079761 A JPH079761 A JP H079761A
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color
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erasing
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JP4046793A
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Ichiro Sawamura
一郎 澤村
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像の形成及び消去時に記録媒体の表面温度
が必要以上の高温になることを防止し、それによって多
数回繰り返し使用しても記録媒体の劣化が少ない上、画
像解像度が高いため鮮明な記録画像の提供可能な可逆的
感熱記録媒体への記録方法、及び前記目的を達成するた
めの記録装置を提供すること。 【構成】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物
を含む記録層を備え、加熱・溶融によって発色記録状態
を形成し、発色記録温度より低温に加熱すると記録の消
えた消色状態を形成する可逆的感熱記録媒体を発色記録
させる発色記録工程及び/又はその発色記録を消去する
消去工程を含む方法において、前記発色記録工程及び/
又は記録消去工程の直前に該記録媒体を室温より高い温
度に予備加熱することを特徴とする可逆的感熱記録方法
及びそれに用いる装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子供与性呈色性化合
物と電子受容性化合物間の発色反応を利用した記録媒体
に対する記録方法及び記録消去方法と、それに用いる装
置に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来、電子供与性呈色性化
合物(以下、発色剤とも言う)と電子受容性化合物(以
下、顕色剤とも言う)との間の発色反応を利用した感熱
記録媒体は広く知られ、電子計算機のアウトプット、フ
ァクシミリ、自動券売機、科学計測機のプリンター、C
RT医療計測用プリンター等に広く応用されている。し
かし、従来の製品はいずれもその発色が不可逆的なもの
で、発色と消色を交互に繰り返し行わせることができな
い。
【0003】一方、特許公報によれば発色と消色を可逆
的に行わせるものも提案されており、例えば、顕色剤
として没食子酸とフロログルシノールを組合せたものを
用いる特開昭60−193691号公報、顕色剤にフ
ェノールフタレインやチモールフタレイン等の化合物を
用いる特開昭61−237684号公報、発色剤と顕
色剤とカルボン酸エステルの均質相溶体を記録層に含有
する特開昭62−138556号、特開昭62−138
568号及び特開昭62−140881号公報、顕色
剤に没食子酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いる特開平
2−188294号公報、顕色剤にビス(ヒドロキシ
フェニル)酢酸又は酪酸と高級脂肪族アミンとの塩を用
いる特開平2−188293号公報等が開示されてい
る。しかしながら、以上に示した従来の可逆的感熱記録
媒体には種々の問題が残されており、未だ充分満足し得
るものではない。
【0004】本出願人は、先に顕色剤として長鎖脂肪族
基を持つ有機リン酸やカルボキシル化合物、フェノール
化合物、ヒドロキシホスホン酸等の化合物を用い、これ
を発色剤としてのフルオラン化合物等と組合せることに
よって、その発色と消色を加熱のみで容易に行わせるこ
とができ、しかもその発色状態と消色状態を常温におい
て保持することが可能で、且つ消色温度が発色温度より
も低く、そのうえ画像の形成及び消去を温度変化により
何度も繰り返すことのできる可逆的熱発色性組成物、及
びこれを記録層に含有する可逆的感熱記録媒体を提案し
た(特願平3−355078)。この可逆的感熱記録媒
体は、多数回の繰り返し使用においても発色濃度の低下
や消色不良などの問題を起こさず、従来技術からは考え
られないほど多数回の使用が可能である。
【0005】本出願人の提案した前記可逆的感熱記録媒
体は、所定温度に加熱するだけで記録の形成・消去を繰
り返し行うことができ、この場合の加熱手段は所定温度
に加熱可能なら何でも良い。そのため、通常の記録形成
にはサーマルヘッドやホットスタンプ等が使用され、記
録消去には加熱ローラーや加熱ランプ等が使用される。
これらのうちサーマルヘッドは、従来の不可逆的感熱記
録材料使用時と同様に最も一般的であり、記録消去にも
使用できる。しかし、サーマルヘッドで該記録媒体を室
温から一気に発色記録温度や記録消去温度まで加熱する
と、サーマルヘッドの表面温度が発色記録時や記録消去
時に必要とする温度より大幅に高いために、サーマルヘ
ッドで加熱される記録媒体の表面温度が必要以上に上昇
し、そのため該記録媒体の寿命低下が避けられない。こ
の記録媒体の寿命低下は、記録媒体を必要以上の高温に
したために生起するものと考えられる。一方、加熱ロー
ラーやホットプレートを使って低温加熱下に加熱時間を
長くて記録の形成・消去を繰り返した場合には、記録媒
体の劣化は小さいものの、加熱時間が長いために熱が等
方的に広がり、画像の解像度が低下して鮮明な画像が得
られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記可逆的
感熱記録媒体を加熱して記録及び記録の消去を行う方法
において、記録媒体を必要以上の高温に加熱することな
く、かつ短時間の加熱で記録画像の形成や消去を行う方
法、及びそれに用いる装置を提供することをその課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明によれば、発色剤と顕色剤
を含む記録層を備え、加熱・溶融によって発色記録状態
を形成し、発色記録温度より低温に加熱すると記録の消
えた消色状態を形成する可逆的感熱記録媒体を発色記録
させる発色記録工程及び/又はその発色記録を消去する
消去工程を含む方法において、前記発色記録工程及び/
又は記録消去工程の直前に、該記録媒体を室温より高い
温度に加熱する予備加熱工程を付設したことを特徴とす
る可逆的感熱記録媒体に対する記録方法及び記録消去方
法が提供される。また、本発明によれば、発色剤と顕色
剤を含む記録層を備え、加熱・溶融によって発色記録状
態を形成し、発色記録温度より低温に加熱すると記録の
消えた消色状態を形成する可逆的感熱記録媒体を発色記
録させる発色記録装置及び/又はその発色記録を消去す
る消去装置を含む装置において、前記発色記録装置及び
/又は記録消去装置の前段に、該記録媒体を室温より高
い温度に加熱する予備加熱装置を備えた可逆的感熱記録
媒体に対する記録装置及び記録消去用装置が提供され
る。
【0008】本発明で用いる可逆的感熱記録媒体は加熱
により瞬時に発色し、その発色状態は常温でも安定的に
存在するが、発色状態の記録層は発色温度以下の加熱に
より消色し、その消色状態は常温においても安定的に存
在するものである。本発明で用いる可逆的感熱記録媒体
の発色と消色、すなわち画像形成と画像消去の原理を図
1に示したグラフによって説明する。グラフの縦軸は発
色濃度を表わし横軸は温度を表わしており、実線1は加
熱による画像形成過程を、破線3は加熱による画像消去
過程を示したものである。Aは完全消去状態における濃
度であり、BはT1以上の温度に加熱した時の飽和発色
状態における濃度であり、Cは飽和発色状態のT0以下
の温度における濃度であり、DはT0〜T1間の温度で加
熱消去した時の濃度を示している。
【0009】本発明で用いる可逆的感熱記録媒体は、T
0以下の温度では無色の状態(A)にある。記録を行う
には、サーマルヘッド等でT1以上の温度に加熱すれば
良く、発色(B)して記録画像を形成する。該記録画像
は実線2に従ってT0以下の温度に戻してもそのままの
状態(C)を保ち、記録のメモリー性は失われない。次
に記録画像の消去を行うには、形成された記録画像を発
色温度より低いT0〜T1間の温度に加熱すれば良く、無
色の状態(D)になる。この状態はT0以下の温度に戻
してもそのまま保持される(A)。すなわち、記録画像
の形成過程は実線ABCの経路により、Cに至り記録が
保持される。記録画像の消去過程は破線CDAの経路に
より、Aに至り消去状態が保持される。この記録画像の
形成と消去の挙動特性は可逆性を持ち、何回も繰り返し
行うことができる。
【0010】図2は画像形成及び画像消去の一例を示す
説明図であり、1は支持体、2は可逆的感熱記録層、3
は発色画像である。画像形成工程(A)→(B)は画像
形成用熱源、例えばサーマルヘッド4によって図1のT
1以上の温度で記録印字を行えばよい。画像消去工程
(B)→(A)は画像消去用熱源、例えば加熱ローラー
5によってT0〜T1間の温度に加熱することで達成され
る。本発明に使用される可逆的感熱記録媒体は、発色剤
と顕色剤を必須成分としている。そして、該可逆的感熱
記録媒体の発色は、記録層にある顕色剤と発色剤が加熱
・溶融して形成される発色体組成物を室温まで冷却する
ことで得られる。この発色体組成物は溶融温度より低温
側に消色温度領域を持つため、溶融発色状態から発色を
保ったまま冷却して常温にする場合は急冷が好ましい。
徐冷の場合は消色温度領域を通るときに多少の消色が起
き、濃度が低下することが多い。
【0011】発色体組成物は、発色剤と顕色剤の分子が
相互作用し、発色剤のラクトン環が開環して発色してい
ると考えられる。溶融状態から急冷された状態の組成物
は、発色体分子のほか発色体の形成には直接関与してい
ない顕色剤分子と発色剤分子を含んでいる。本発明で使
用される可逆的感熱記録媒体において、常温時の発色体
組成物はこれらの分子間に凝集力が働いて固化した状態
にある。また、発色体組成物の凝集構造は何らかの規則
性を示すが、非常に規則性の高い場合とあまり規則性の
高くない場合がある。これは、顕色剤と発色剤の組合せ
や量比や冷却条件に依存する。このような凝集構造は、
発色体を形成している顕色剤分子のアルキル鎖構造部分
と、発色体を形成していない過剰分の顕色剤分子のアル
キル鎖構造部分の間に働く凝集力が基本となって、形成
されるものと推定される。このような凝集構造の形成
が、該発色体組成物の消色現象と関係している。
【0012】発色体組成物は、その発色状態を特定の温
度領域に加熱することにより消色させることができる。
この消色過程では発色状態の凝集構造が変化し、最終的
に発色体組成物から顕色剤分子が分離・結晶化して顕色
剤単独の結晶を作り、安定した消色状態となることがX
線によって確認されている。このように本発明で使用さ
れる可逆的感熱記録媒体では、発色状態の形成とその消
色過程に顕色剤のアルキル鎖部分が大きな役割を果して
いることが明白であり、これが該可逆的感熱記録媒体に
形成される発色体組成物の特徴である。また、そのため
顕色剤の持つアルキル鎖部分の長さで消色温度の制御が
可能となり、鎖長が長くなるほど発色及び消色温度が高
温側へシフトする事が多い。これは、この部分の長さに
よって顕色剤分子の凝集性や運動性が変化するためであ
る。
【0013】本発明で使用される記録媒体の記録層に形
成される前記の可逆的熱発色性組成物は、基本的にはア
ルキル鎖構造を持つ前記顕色剤と発色剤とを組合せた組
成物であり、個々の顕色剤に対して好ましい発色剤が存
在する。この可逆的熱発色性組成物に用いる顕色剤と発
色剤の組合せは、両者を溶融温度以上に加熱して得られ
る発色状態組成物を、溶融温度より低温へ加熱したとき
に起る消色のし易さ(消色性)と、発色状態の色調等の
特性で適当に選択される。このうち消色性は、その組合
せで得られる発色状態組成物の示差熱分析(DTA)、
又は示差走査熱量分析(DSC)における昇温過程に現
れる発熱ピークの有無で判断できる。この発熱ピーク
は、前記組成物を特徴づける消色現象と対応するもので
あり、消色性の良好な組合せを選択する基準となる。な
お、本発明で用いる可逆的感熱記録媒体では、可逆的感
熱記録層に第3物質が存在してもかまわず、例えば高分
子化合物が存在してもその可逆的な消発色挙動を保つこ
とができる。
【0014】本発明で使用される可逆的感熱記録媒体に
おいて、発色剤と組合せて用いられる顕色剤は、分子内
に発色剤を発色させることができる顕色能を示す構造
と、分子間の凝集力をコントロールするアルキル鎖構造
部分を併せ持つ化合物であり、炭素数12以上の脂肪族
基を持つ有機リン酸化合物や脂肪族カルボン酸化合物や
フェノール化合物、又は炭素数10〜18の脂肪族基を
持つメルカプト酢酸の金属塩、或いは炭素数5〜8のア
ルキル基を持つカフェー酸のアルキルエステルである。
脂肪族基には直鎖状又は分枝状のアルキル基及びアルケ
ニル基が包含され、ハロゲン、アルコキシ基、エステル
基等の置換基を持っていてもよい。本発明で使用される
記録媒体を構成する可逆的熱発色性組成物は、前記顕色
剤と発色剤を組合せて構成されるものである。発色剤は
電子供与性を示す無色或いは淡色の染料前駆体であり、
特に限定されず、従来公知のトリフェニルメタンフタリ
ド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化
合物、ロイコオーラミン系化合物、インドリノフタリド
系化合物等が用いられる。なお、本発明に使用される顕
色剤及び発色剤の具体例は、特願平3−355078、
特願平4−191643及び特願平4−207604に
詳記されている。
【0015】本発明で使用される可逆的感熱記録媒体に
おいて、感熱記録層内の発色剤と顕色剤の割合は使用す
る化合物の物性によって適切な比率を選択する必要があ
る。その範囲はおおむねモル比で発色剤1に対し顕色剤
が1から20の範囲であり、好ましくは2から10の範
囲である。この範囲より顕色剤が少なくても多くても発
色状態の濃度が低くなり実用上の問題となる。また、上
記の好ましい範囲にあっても発色剤と顕色剤の割合で消
色特性は変化し、比較的顕色剤が多い場合には消色開始
温度が低くなり、比較的少ない場合には消色が温度に対
してシャープになる。従って、この割合は用途や目的に
応じて適当に選択しなければならない。本発明で使用さ
れる可逆的感熱記録媒体は、前記の可逆的熱発色性組成
物を含む記録層を支持体上に設けたものであり、該記録
媒体の基本的構成は最下層に支持体を備え、その上に記
録層及び保護層を順次積層したものである。ここで用い
られる支持体は、紙、合成紙、プラスチックフィルム或
いはこれらの複合体、ガラス板等であり、記録層を保持
できるものであればよい。
【0016】記録層は、前記の可逆的熱発色性組成物が
存在すればどのような態様のものでも良いが、通常はバ
インダー樹脂内に顕色剤と発色剤を充分良く分散して記
録層とするのが良く、この方法で長寿命の可逆的感熱記
録媒体を得ることができる。顕色剤及び発色剤は、その
まま或いはマイクロカプセル中に内包して用いることが
できる。顕色剤、発色剤のマイクロカプセル化は、コア
セルベーション法、界面重合法、インサイチュ重合法な
ど公知の方法によって行なうことができる。なお、顕色
剤及び発色剤は単独でも2種以上混合して使用してもよ
い。記録層の形成は、発色剤及び顕色剤をバインダー樹
脂と共に水又は有機溶剤により均一に分散もしくは溶解
して、これを支持体上に塗布・乾燥する公知の方法で行
えばよい。記録層のバインダー樹脂の主要な役割は、発
色・消色の繰り返しによって可逆的熱発色性組成物が凝
集するのを防止し、該組成物が均一に分散した状態を保
持することである。そして、発色時の熱印加で該組成物
が凝集することが多いから、バインダー樹脂には耐熱性
の高いものを使用するのが好ましい。
【0017】保護層は、熱印加時の熱と圧力による表面
の変形や変色を防止するから、多数回使用時には保護層
設置が極めて有効である。保護層にはこのほか、耐薬品
性、耐水性、耐摩擦性、ヘッドマッチング性等を向上さ
せる役割を持たせることもできる。そのため、保護層形
成材料は耐熱性のほか強度も大きいものが良く、シリコ
ーン系ゴム、シリコーン樹脂、ポリシロキサングラフト
ポリマー、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂等が使用さ
れる。このような保護層の形成で耐熱性が向上すると共
に、有機溶剤、可塑剤、油、汗、水等の接触に対する抵
抗力も増加し、悪い環境でも画像の形成や消去を問題な
く繰り返すことのできる記録媒体が得られる。また、保
護層中に光安定化剤を含有させれば画像及び地肌の耐光
性が著しく改良されるし、高分子カチオン系導電剤の添
加で帯電が防止され、有機又は無機フィラー及び滑剤の
添加でステッキング現像を減少させることができる。保
護層の形成方法は、記録層形成時と同様に保護層成分を
水又は有機溶剤によって均一に分散もしくは溶解し、こ
れを記録層の上に均一に塗布・乾燥させれば良く、保護
層の厚さは0.5〜10μm程度が良い。
【0018】本発明に使用される可逆的感熱記録媒体に
は、アンダーコート層や種々の目的を持つ中間層を設け
ても良い。アンダーコート層は、断熱性向上、支持体と
記録層間の接着性向上、記録層作成時の溶剤に対する支
持体の耐性向上等の目的で設置するものである。アンダ
ーコート層の重要な役割の一つは、印加熱エネルギーを
無駄なく記録の形成や消去に役立たせるための断熱性向
上であり、断熱用アンダーコート層の設置で発色及び消
色をシャープに行うことができる。断熱が目的のアンダ
ーコート層は、支持体上に有機又は無機材質の微小中空
体粒子を塗工すれば良く、具体的にはガラス又はセラミ
ックス、或いはプラスチック等で形成された粒径10〜
50μm程度の微小中空体を、バインダー樹脂と共に溶
剤に良く分散させて支持体上に均一に塗布・乾燥させれ
ば良い。
【0019】記録画像の形成及び消去方法は、発色及び
消色の温度条件が与えられていれば特に限定されず、画
像形成にはサーマルヘッドやレーザー加熱や熱ペン等
が、画像消去には加熱ローラーや面状発熱体や加熱ラン
プ等が一般に使用される。また、記録画像を消去温度に
設定したサーマルヘッドで消去すると共に、記録の消去
された記録媒体に対して記録温度に設定した別のサーマ
ルヘッドで記録画像の形成を行うことも可能である。
【0020】本発明は、サーマルヘッド等で可逆的感熱
記録媒体に熱を印加する直前に、該記録媒体を予備加熱
することを骨子としており、この予備加熱によって記録
媒体を必要以上の高温にすることなく短時間で所定温度
にすることが可能になるから、高い解像度の記録画像取
得と記録媒体の長寿命化の両者を達成することができ
る。なお、熱印加時の記録媒体温度が高いほど、短時間
で該記録媒体を所定温度に上げることができ、解像度の
よい画像を得ることができることから、特に支障のない
限り予備加熱で記録媒体温度をできるだけ高温に上昇さ
せておくのが望ましく、画像形成時の最適な予備加熱温
度は、該記録媒体の消色温度である。
【0021】本発明で行なわれる予備加熱時の加熱手段
の代表例を示すと以下のとおりである。 加熱ローラーやホットプレート等の恒温熱源に記録媒
体を接触させる 光やマイクロ波等の電磁波や音波を記録媒体に照射す
る 空気や水等の流体を加熱して記録媒体に接触させる 画像形成時と同様にサーマルヘッドで熱印加する これらの加熱手段には一長一短があるから、記録媒体の
使用目的や画像の形成時の加熱手段及び消去時の加熱手
段等も勘案して、前記〜のうちから適宜選択すれば
良いが、の方法は操作が単純で予備加熱手段の装置費
も低い。また、の方法はエネルギー効率が高いうえ記
録装置の小型化が可能になる。
【0022】本発明の予備加熱法を組込んだ画像形成方
法の一例を図3に示す。図3で記録媒体6は、先ず加熱
ローラー5と加熱ローラー用押えローラー7の間を通っ
て予備加熱され、次いでサーマルヘッド4とプラテンロ
ーラー8の間を通って画像状に熱印加される。この場合
の予備加熱温度は、前記のように消色温度とするのが最
適なので、図3の加熱ローラーに記録消去用加熱ローラ
ーを使用しても良く、この方法は画像形成と画像消去を
別々に行う場合には好ましい方法である。なお、本発明
の予備加熱法は、サーマルヘッドによる熱印加時に生起
する記録媒体の部分的高温化防止が目的なので画像形成
時に特に重要であり、加熱ローラー等の温和な加熱手段
による画像消去時の効果は画像形成時より小さい。しか
し、サーマルヘッドによって画像を消去する場合は、当
然のことながら画像形成時に近い効果が期待できる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例で更に詳細
に説明するが、本発明はこの実施例で限定されるもので
はない。なお、以下に示す部はいずれも重量基準であ
る。また、記録画像の発色濃度及び消色濃度はマクベス
反射濃度計で測定した。
【0024】実施例1 下記組成物をボールミルで粒径1〜4μmに粉砕・分散
し、記録層形成用塗布液を調製した。 2−(o−クロルアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン 10部 ステアリルホスホン酸 30部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社製、VYHH) 30部 メチルエチルケトン 135部 トルエン 135部 以上のようにして調製した塗布液を、厚さ100μmの
ポリエステルフィルムにワイヤーバーで塗布厚5μmと
なるように塗布・乾燥して記録層を設けた。
【0025】次に、この記録層の上に以下に示す組成物
を塗布・乾燥してから紫外線を照射して硬化させ、膜厚
4μmの保護層を設けた。 ウレタンアクリレート系紫外線硬化樹脂の75%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディックC7−157) 100部 酢酸ブチル 50部 以上のようにして作製した可逆的感熱記録媒体の発色温
度は約120℃、消色温度は約70℃であった。この感
熱記録媒体を使用し、図3の記録装置で印字してから別
の加熱ローラーで該印字を消去した。記録媒体温度が室
温まで戻ってから、再び印字及び印字消去を100回繰
り返して行い、該記録媒体の耐久性について調べた結果
を表1に示した。なお、記録装置の予備加熱用ローラー
表面温度は60℃に、印字消去用加熱ローラーの表面温
度は70℃に設定した。
【0026】実施例2 実施例1と同一の可逆的感熱記録媒体及び記録装置を使
用し、予備加熱用加熱ローラーの表面温度を70℃とし
て実施例1と同一の繰り返し試験を行い、その結果を表
1に示した。なお、この実施例では予備加熱時に画像が
消去されるから、繰り返しテストでは画像消去工程と予
備加熱工程を兼ねることにした。 比較例1 予備加熱を行わなかった以外は実施例1と全く同一のテ
ストを行い、その結果を表1に示した。
【0027】実施例3 図4のようにサーマルヘッドを二つ備えた記録装置を作
製した。この記録装置では、最初のサーマルヘッドで予
備加熱が行われ、次のサーマルヘッドで画像形成が行わ
れる。すなわち、記録媒体6は第一のサーマルヘッド4
とプラテンローラー8の間に送入されて予備加熱され、
引続いて第二のサーマルヘッドで熱印加されて画像を形
成する。前記の記録装置に、実施例1の場合と同一の可
逆的感熱記録媒体を送入し、実施例1と同一の繰り返し
画像形成及び画像消去テストを試みた。この場合は、第
一のサーマルヘッドで画像の消去と予備加熱が同時に行
われるため、画像消去用の加熱ローラーは使用しなかっ
た。本実施例のテスト結果を表1に記した。
【0028】比較例2 二つのサーマルヘッド間の距離を長くし、第一のサーマ
ルヘッドで画像消去後に、該記録媒体が室温まで冷却さ
れてから第にのサーマルヘッドへ送入されるようにし
た。この他の点では実施例3と全く同一の方法で繰り返
し画像形成及び画像消去テストを行い、結果を表1に記
した。
【0029】
【表1】
【0030】表1から、予備加熱のない比較例の実験で
は、実施例の実験より繰り返し100回後の発色濃度が
低く消色濃度は高い。これは、比較例の実験に使用した
記録媒体が、実施例の実験に使用した記録媒体より劣化
していることを示すものであり、予備加熱の効果は明ら
かである。また、画像消去や予備加熱用の加熱手段とし
ては、サーマルヘッドより加熱ローラーが優ることが表
1から認められる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、画像の形成及び/又は
消去の前に記録媒体を予備加熱したことにより、記録媒
体に対する加熱を短時間でかつ必要以上の高温になるこ
とを防止して行うことができ、その結果、該記録媒体の
熱劣化が防止されると共に鮮明な発色画像が得られるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する可逆的熱発色性組成物の発色
濃度と温度との関係を示すグラフで、発色及び消色原理
の説明図である。実線(A→B→C)は発色過程を、破
線(C→D→A)は消色過程を示している。
【図2】本発明に使用する可逆的感熱記録媒体の画像形
成工程と画像消去工程の説明図である。
【図3】本発明の予備加熱工程を含む場合の画像形成工
程の一例を示す説明図であり、この図では予備加熱用加
熱手段に加熱ローラーを使用している。
【図4】本発明の予備加熱工程を含む場合の画像形成工
程の別の例を示す説明図であり、この図では予備加熱用
加熱手段にサーマルヘッドを使用している。
【符号の説明】
1 支持体 2 可逆的感熱記録層 3 発色画像 4 サーマルヘッド 5 加熱ローラー 6 可逆的感熱記録媒体 7 加熱ローラー用押えローラー 8 プラテンローラー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
    合物を含む記録層を備え、加熱・溶融によって発色記録
    状態を形成し、発色記録温度より低温に加熱すると記録
    の消えた消色状態を形成する可逆的感熱記録媒体を発色
    記録させる発色記録工程及び/又はその発色記録を消去
    する消去工程を含む方法において、前記発色記録工程及
    び/又は記録消去工程の直前に、該記録媒体を室温より
    高い温度に加熱する予備加熱工程を付設したことを特徴
    とする可逆的感熱記録媒体への記録方法及び記録消去方
    法。
  2. 【請求項2】 発色記録工程の直前に行われる予備加熱
    を、該可逆的感熱記録媒体の記録消去温度で行うことを
    特徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
    合物を含む記録層を備え、加熱・溶融によって発色記録
    状態を形成し、発色記録温度より低温に加熱すると記録
    の消えた消色状態を形成する可逆的感熱記録媒体を発色
    記録させる発色記録装置及び/又はその発色記録を消去
    する消去装置を含む装置において、前記発色記録装置及
    び/又は記録消去装置の前段に、該記録媒体を室温より
    高い温度に加熱する予備加熱装置を備えていることを特
    徴とする可逆的感熱記録媒体に対する記録装置及び記録
    消去用装置。
JP4046793A 1993-02-03 1993-02-03 可逆的感熱記録媒体に対する記録方法及び記録消去方法とそれに用いる装置 Pending JPH079761A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100337347B1 (ko) * 1999-10-11 2002-05-21 이계안 납땜용 홀더
JP2009234182A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Teraoka Seiko Co Ltd 印字装置
US7944461B2 (en) 2006-09-08 2011-05-17 Ricoh Company, Ltd. Heating device, erasing device, information recording and erasing device, and transfer device

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