JPH0648026A - 可逆的感熱記録媒体 - Google Patents

可逆的感熱記録媒体

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JPH0648026A
JPH0648026A JP4223207A JP22320792A JPH0648026A JP H0648026 A JPH0648026 A JP H0648026A JP 4223207 A JP4223207 A JP 4223207A JP 22320792 A JP22320792 A JP 22320792A JP H0648026 A JPH0648026 A JP H0648026A
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JP
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acid
color
recording medium
layer
reversible thermosensitive
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JP4223207A
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Inventor
Masaru Shimada
勝 島田
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発色剤と顕色剤の間の反応を利用した可逆的
感熱記録媒体において、発色画像を長時間屋外に放置し
たり蛍光灯下の室内に放置したりした場合に見られる消
色不良を改善し、耐光性に優れた可逆的感熱記録媒体を
提供すること。 【構成】 支持体上に、電子供与性呈色性化合物と電子
受容性化合物を含有する記録層を備え、加熱・溶融によ
って発色記録状態を形成し、発色温度より低い温度に加
熱することで記録の消えた消色状態を形成する可逆的感
熱記録媒体において、染料又は顔料含有層を存在させる
ことを特徴とする可逆的感熱記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子供与性呈色性化合
物と電子受容性化合物の間の発色反応を利用した可逆的
感熱記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来、電子供与性呈色性化
合物(以下、発色剤とも言う)と電子受容性化合物(以
下、顕色剤とも言う)との間の発色反応を利用した感熱
記録媒体は広く知られ、電子計算機のアウトプット、フ
ァクシミリ、自動券売機、科学計測機のプリンター、C
RT医療計測用プリンター等に広く応用されている。し
かし、従来の製品はいずれもその発色が不可逆的なもの
で、発色と消色を交互に繰り返し行わせることができな
い。一方、特許公報によれば発色剤と顕色剤との間の発
色反応を利用した感熱記録媒体において、発色と消色を
可逆的に行わせるものもいくつか提案されている。例え
ば、特開昭60−193691号によれば顕色剤として
没食子酸とフロログルシノールとの組合せを用いたもの
が示されている。このものを熱発色させて得られる発色
体は、水または水蒸気で消色するものである。しかし、
この感熱記録媒体の場合、その耐水化に困難が伴う上に
記録保存性に難点があり、さらに発色体を消色させるた
めの消色装置が大型になるという問題がある。
【0003】特開昭61−237684号には、顕色剤
にフェノールフタレン、チモールフタレン、ビスフェノ
ール等の化合物を用いた書換形光記録媒体が示されてい
る。このものは、これを加熱・徐冷することにより発色
体を形成し、一方、発色体を発色温度よりもいったん高
い温度に加熱後に急冷することで消色させることができ
る。しかし、この記録媒体の場合、その発色及び消色の
工程が複雑である上、発色体を消色させて得られる消色
体に未だ幾分の着色が見られ、コントラストの良い発色
画像を得ることができない。特開昭62−140881
号、特開昭62−138568号及び特開昭62−13
8556号には、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステル
の均質相溶体が示されている。このものは低温で完全着
色状態、高温で完全消色状態を示し、それらの中間温度
で着色または消色状態を保持させることができるもの
で、この媒体にサーマルヘッドで印字することにより、
着色地肌(発色体)の上に白色文字(消色体)を記録す
ることができる。従って、この記録媒体の場合、記録さ
れる画像がネガ画像であることからその用途が限定され
るうえ、記録画像の保存のために画像を特定の温度範囲
内に保持する必要がある。
【0004】特開平2−188294号及び特開平2−
188293号には、それぞれ顕色剤として顕色作用と
減色作用を可逆的に行う没食子酸と高級脂肪族アミンと
の塩、及びビス(ヒドロキシフェニル)酢酸又は酪酸と
高級脂肪族アミンとの塩を用いたものが示されている。
このものは、特定温度域で熱発色させそれより高温での
加熱により消色させることができるが、その顕色作用と
減色作用とは競争的に起るためこれらの作用を熱的に制
御することがむつかしく、良好な画像コントラストが得
られにくい。以上のように、発色剤と顕色剤との反応を
利用した従来の可逆的感熱記録媒体は種々の問題点を含
み、未だ不満足のものであった。
【0005】本発明者らは、先に、顕色剤として長鎖脂
肪族基を持つ有機リン酸や、カルボキシル化合物、フェ
ノール化合物、ヒドロキシホスホン酸等の化合物を用
い、これを発色剤としてのフルオラン化合物等と組合せ
ることによって、その発色と消色を加熱のみで容易に行
わせることができ、しかもその発色状態と消色状態を常
温において保持することが可能で、かつ消色温度が発色
温度よりも低く、そのうえ、画像の形成及び消去を温度
変化により何度も繰り返すことのできる可逆的熱発色性
組成物、及びこれを記録層に含有する可逆的感熱記録媒
体を提案した(特願平3−355078号)。本発明者
らが提案した前記可逆的感熱記録媒体は、従来の可逆的
感熱記録媒体からは考えられないほどの多数回繰り返し
使用が可能であり、画像の鮮明度や画像保存性の点でも
従来品を大幅に上廻っているが、該記録媒体では発色画
像を長時間屋外又は蛍光灯下の室内に放置後に消色する
と、画像の一部が消色不可能になる現象が発生すること
を認めた。これは、一部の可逆的熱発色性組成物が非可
逆性発色体に転換したことを意味しており、本現象の生
起を防止することも前記可逆的感熱記録媒体を発展させ
るための重要課題の一つである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発色剤と顕
色剤との間の反応を利用した可逆的感熱記録媒体におい
て、該記録媒体の発色画像に見られる前記の問題を改善
し、耐光性に優れた可逆的感熱記録媒体を提供すること
をその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の可逆
的熱発色性組成物が非可逆性発色体に変化する現象につ
いて詳細に検討し、この現象が発色剤の酸化によるもの
と推定した。この推定に基づいて、種々の酸化防止剤や
紫外線吸収剤の添加効果について検討したが、これらの
添加効果はほとんど認められなかった。その後も可逆的
熱発色性組成物が非可逆性発色体に変化する現象を解明
するため鋭意検討を重ねたところ、意外にもこの効果は
可視光によって生起するものであることが分かり、この
結果に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明によれば、支持体上に発色剤と顕色剤を含む記録
層を備え、加熱・溶融によって発色記録状態を形成し、
発色温度より低い温度に加熱すると記録の消えた消色状
態を形成する可逆的感熱記録媒体において、染料又は顔
料含有層が一層以上存在することを特徴とする可逆的感
熱記録媒体が提供される。
【0008】本発明の可逆的感熱記録媒体は加熱により
瞬時に発色し、その発色状態は常温でも安定的に存在す
る。一方、発色状態にある記録層は発色温度以下の加熱
で消色させることができ、その消色状態は常温でも安定
的に存在するものである。本発明の可逆的感熱記録媒体
について、その発色と消色、すなわち画像形成と画像消
去の原理を図1に示したグラフによって説明する。グラ
フの縦軸は発色濃度を表わし横軸は温度を表わしてお
り、実線1は加熱による画像形成過程を、破線3は加熱
による画像消去過程を示したものである。Aは完全消去
状態の濃度であり、BはT1以上の温度に加熱した時の
飽和発色状態の濃度であり、Cは飽和発色状態のT0
下の温度における濃度であり、DはT0〜T1間の温度で
加熱消去した時の濃度を示している。
【0009】本発明の可逆的感熱記録媒体は、T0以下
の温度では無色の状態(A)にある。記録を行うには、
サーマルヘッド等でT1以上の温度に加熱すれば良く、
発色(B)して記録画像を形成する。この記録画像は実
線2に従ってT0以下の温度に戻してもそのままの状態
(C)を保ち、記録のメモリー性は失われない。なお、
記録画像形成時の発色濃度は、T1以上の温度において
温度上昇と共に増加しB点で飽和濃度に到達する。次に
記録画像の消去を行うには、形成された記録画像を発色
温度より低いT0〜T1間の温度に加熱すれば良く、無色
の状態(D)になる。この状態はT0以下の温度に戻し
てもそのまま保持される(A)。すなわち、記録画像の形
成過程は実線ABCの経路により、Cに至り記録が保持
される。記録画像の消去過程は破線CDAの経路によ
り、Aに至り消去状態が保持される。この記録画像の形
成と消去の挙動特性は可逆性を持ち、何回も繰り返し行
うことができる。
【0010】図2は、本発明の可逆的感熱記録媒体によ
る画像形成及び画像消去の一例を示した説明図であっ
て、1は支持体、2は記録層である。画像形成工程
(A)→(B)は画像形成用熱源、例えばサーマルヘッ
ド4によって図1のT1以上の温度で記録印字を行うこ
とによって達成される。次に画像消去工程(B)→
(A)は画像消去熱源、例えば加熱ローラー5によって
0〜T1間の温度に加熱することにより達成される。図
2において、3は発色画像を示す。本発明の可逆的感熱
記録媒体は発色剤と顕色剤を必須成分としている。該可
逆的感熱記録媒体の発色は、記録層を構成する顕色剤と
発色剤が加熱・溶融・混合して形成される発色体組成物
を室温まで冷却して得られるものである。この発色体組
成物は、溶融温度より低温側に消色温度領域を持つた
め、溶融発色状態から発色を保持したまま冷却して常温
にするには急冷が好ましい。徐冷になると消色温度領域
を通るときに多少の消色が起き、濃度が低下することが
多い。
【0011】発色体組成物は、発色剤と顕色剤の分子が
相互作用し、発色剤のラクトン環が開環して発色してい
るものと考えられる。溶融状態から急冷された状態の該
組成物は、発色体分子のほか発色体の形成には直接関与
していない顕色剤分子と発色剤分子を含んでいる。本発
明の可逆的感熱記録媒体において、常温時の発色体組成
物はこれらの分子間に凝集力が働き固化した状態にあ
る。このような凝集構造の形成は、発色体を形成してい
る顕色剤分子と、発色体を形成していない過剰分の顕色
剤分子との間に働く凝集力が主に作用しているためと推
定され、このような凝集構造を形成していることが該発
色体組成物の消色現象と関係しているものと推定され
る。
【0012】発色体組成物は、その発色状態を特定の温
度領域に加熱することにより消色させることができる。
この消色過程では、発色状態の凝集構造が変化し、最終
的に発色体組成物から顕色剤分子が分離・結晶化して顕
色剤単独の結晶を作り、安定した消色状態となることが
X線によって確認されている。このように本発明の可逆
的感熱記録媒体では、凝集した発色状態の形成とその消
色過程に対し顕色剤のアルキル鎖部分が大きな役割を果
していることが明白であり、これが本発明の記録媒体に
形成される熱発色性組成物の特徴である。
【0013】本発明で記録層に形成される熱発色性組成
物は、前記顕色剤と発色剤とを組合せた組成物であり、
個々の顕色剤に対して好ましい発色剤が存在する。この
熱発色性組成物に用いる顕色剤と発色剤の組合せは、両
者を溶融温度以上に加熱して得られる発色状態の組成物
を、溶融温度より低い温度へ加熱したときに起きる消色
のし易さ、すなわち消色性と、発色状態の色調などの特
性により適当に選択される。このうち消色性について
は、その組合わせによって得られた発色状態の組成物の
示差熱分析(DTA)、または示差走査熱量分析(DS
C)における昇温過程に現われる発熱ピークの有無で判
断できる。この発熱ピークは本発明を特徴づける消色現
象と対応するものであり、消色性の良好な組合わせを選
択する基準となる。なお、本発明の可逆的感熱記録層に
は第3物質が存在して良く、例えば高分子化合物が存在
してもその可逆的な消発色挙動を保つことができる。
【0014】本発明の可逆的感熱記録媒体において、発
色剤と組合わせて用いられる顕色剤は、基本的に分子内
に発色剤を発色させることができる顕色能を示す構造
と、分子間の凝集力をコントロールする脂肪族鎖構造部
分を併せ持つ化合物であり、炭素数12以上の脂肪族基
を持つ有機リン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物、あ
るいはフェノール化合物、または炭素数10〜18の脂
肪族基を持つメルカプト酢酸の金属塩、さらには炭素数
5〜8の脂肪族基を持つカフェー酸アルキルエステルが
挙げられる。脂肪族基には直鎖状または分枝状のアルキ
ル基やアルケニル基が包含され、ハロゲン、アルコキシ
基、エステル基等の置換基を持っていてもよい。
【0015】有機リン酸化合物には下記一般式(1)で
表わされる化合物が用いられる。 R1−PO(OH)2 (1) (但し、R1は炭素数12以上の脂肪族基を表わす)一
般式(1)で表わされる有機リン酸化合物の具体例とし
ては、例えば以下のものが挙げられる。ドデシルホスホ
ン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン
酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、
ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキサ
コシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸等。
【0016】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(2)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪酸類が用い
られる。 R2−CH(OH)−COOH (2) (但し、R2は炭素数12以上の脂肪族基を表わす)一
般式(2)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪族カルボン
酸化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。α
-ヒドロキシドデカン酸、α-ヒドロキシテトラデカン
酸、α-ヒドロキシヘキサデカン酸、α-ヒドロキシオク
タデカン酸、α-ヒドロキシペンタデカン酸、α-ヒドロ
キシエイコサン酸、α-ヒドロキシドコサン酸、α-ヒド
ロキシテトラコサン酸、α-ヒドロキシヘキサコサン
酸、α-ヒドロキシオクタコサン酸等。
【0017】脂肪族カルボン酸化合物としては、ハロゲ
ン元素で置換された炭素数12以上の脂肪族基を備えた
脂肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位または
β位の炭素にハロゲン元素を持つものも用いられる。こ
のような化合物の具体例としては、例えば以下のものを
挙げることができる。2−クロルオクタデカン酸、ヘプ
タデカフロルノナデカン酸、2−ブロモヘキサデカン
酸、2−ブロモヘプタデカン酸、2−ブロモオクタデカ
ン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン
酸、2−ブロモテトラコサン酸、3−ブロモオクタデカ
ン酸、3−ブロモエイコサン酸、2,3−ジブロモオク
タデカン酸、2−フロルドデカン酸、2−フロルテトラ
デカン酸、2−フロルヘキサデカン酸、2−フロルオク
タデカン酸、2−フロルエイコサン酸、2−フロルドコ
サン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタ
デカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオク
タデカン酸、パーフロルオクタデカン酸等。
【0018】脂肪族カルボン酸化合物としては、炭素鎖
中にオキソ基を持つ炭素数12以上の脂肪族基を持つ脂
肪族カルボン酸化合物で、その少なくともα位、β位ま
たはγ位の炭素がオキソ基となっているものも用いられ
る。このような化合物の具体例としては、例えば以下の
ものを挙げることができる。2−オキソドデカン酸、2
−オキソテトラデカン酸、2−オキソヘキサデカン酸、
2−オキソオクタデカン酸、2−オキソエイコサン酸、
2−オキソテトラコサン酸、3−オキソドデカン酸、3
−オキソテトラデカン酸、3−オキソヘキサデカン酸、
3−オキソオクタデカン酸、3−オキソエイコサン酸、
3−オキソテトラコサン酸、4−オキソヘキサデカン
酸、4−オキソヘプタデカン酸、4−オキソオクタデカ
ン酸、4−オキソドコサン酸等。
【0019】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(3)で表わされる二塩基酸も用いられる。 (但し、R3は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、X
は酸素原子又はイオウ原子を表わしnは1又は2を表わ
すが、Xnが−SO2−基であっても良い)一般式
(3)で表わされる二塩基酸の具体例としては、例え
ば、以下のものが挙げられる。ドデシルリンゴ酸、テト
ラデシルリンゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オクタデシ
ルリンゴ酸、エイコシルリンゴ酸、ドコシルリンゴ酸、
テトラコシルリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テトラ
デシルチオリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、オク
タデシルチオリンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、ドコ
シルチオリンゴ酸、テトラコシルチオリンゴ酸、ドデシ
ルジチオリンゴ酸、テトラデシルジチオリンゴ酸、ヘキ
サデシルジチオリンゴ酸、オクタデシルジチオリンゴ
酸、エイコシルジチオリンゴ酸、ドコシルジチオリンゴ
酸、テトラコシルジチオリンゴ酸、ドデシルスルホンブ
タン二酸、テトラデシルスルホンブタン二酸、ヘキサデ
シルスルホンブタン二酸、オクタデシルスルホンブタン
二酸、エイコシルスルホンブタン二酸、ドコシルスルホ
ンブタン二酸等。
【0020】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(4)で表わされる二塩基酸も用いられる。 (但し、R4,R5,R6は水素又は脂肪族基を表わし、
このうち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基で
ある)一般式(4)で表わされる二塩基酸の具体例とし
ては、例えば以下のものが挙げられる。ドデシルブタン
二酸、トリデシルブタン二酸、テトラデシルブタン二
酸、ペンタデシルブタン二酸、オクタデシルブタン二
酸、エイコシルブタン二酸、ドコシルブタン二酸、2,
3−ジヘキサデシルブタン二酸、2,3−ジオクタデシ
ルブタン二酸、2−メチル−3−ドデシルブタン二酸、
2−メチル−3−テトラデシルブタン二酸、2−メチル
−3−ヘキサデシルブタン二酸、2−エチル−3−ドデ
シルブタン二酸、2−プロピル−3−ドデシルブタン二
酸、2−オクチル−3−ヘキサデシルブタン二酸、2−
テトラデシル−3−オクタデシルブタン二酸等。
【0021】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(5)で表わされる二塩基酸も用いられる。 (但し、R7,R8は水素又は脂肪族基を表わし、このう
ち少なくとも一つは炭素数12以上の脂肪族基である)
一般式(5)で表わされる二塩基酸の具体例としては、
例えば以下のものが挙げられる。ドデシルマロン酸、テ
トラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデ
シルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン
酸、テトラコシルマロン酸、ジドデシルマロン酸、ジテ
トラデシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオク
タデシルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシル
マロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルエイコ
シルマロン酸、メチルドコシルマロン酸、メチルテトラ
コシルマロン酸、エチルオクタデシルマロン酸、エチル
エイコシルマロン酸、エチルドコシルマロン酸、エチル
テトラコシルマロン酸等。
【0022】脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一
般式(6)で表わされる二塩基酸も用いられる。 (但し、R9は炭素数12以上の脂肪族基を表わし、n
は0または1を表わし、mは1,2または3を表わし、
nが0の場合、mは2または3であり、nが1の場合は
mは1または2を表わす)一般式(6)で表わされる二
塩基酸の具体例としては、例えば以下のものが挙げられ
る。2−ドデシル−ペンタン二酸、2−ヘキサデシル−
ペンタン二酸、2−オクタデシル−ペンタン二酸、2−
エイコシル−ペンタン二酸、2−ドコシル−ペンタン二
酸、2−ドデシル−ヘキサン二酸、2−ペンタデシル−
ヘキサン二酸、2−オクタデシル−ヘキサン二酸、2−
エイコシル−ヘキサン二酸、2−ドコシル−ヘキサン二
酸等。
【0023】脂肪族カルボン酸化合物としては、長鎖脂
肪酸によりアシル化されたクエン酸などの三塩基酸も用
いられる。その具体例としては、例えば以下のものが挙
げられる。
【0024】フェノール化合物には下記一般式(7)で
表わされる化合物が用いられる。
【化1】 (但し、Yは−S−,−O−,−CONH−、又は−C
OO−を表わし、R10は炭素数12以上の脂肪族基を表
わし、nは1,2または3の整数である)。一般式
(7)で表わされるフェノール化合物の具体例として
は、例えば以下のものが挙げられる。p−(ドデシルチ
オ)フェノール、p−(テトラデシルチオ)フェノー
ル、p−(ヘキサデシルチオ)フェノール、p−(オク
タデシルチオ)フェノール、p−(エイコシルチオ)フ
ェノール、p−(ドコシルチオ)フェノール、p−(テ
トラコシルチオ)フェノール、p−(ドデシルオキシ)
フェノール、p−(テトラデシルオキシ)フェノール、
p−(ヘキサデシルオキシ)フェノール、p−(オクタ
デシルオキシ)フェノール、p−(エイコシルオキシ)
フェノール、p−(ドコシルオキシ)フェノール、p−
(テトラコシルオキシ)フェノール、p−ドデシルカル
バモイルフェノール、p−テトラデシルカルバモイルフ
ェノール、p−ヘキサデシルカルバモイルフェノール、
p−オクタデシルカルバモイルフェノール、p−エイコ
シルカルバモイルフェノール、p−ドコシルカルバモイ
ルフェノール、p−テトラコシルカルバモイルフェノー
ル、没食子酸ヘキサデシルエステル、没食子酸オクタデ
シルエステル、没食子酸エイコシルエステル、没食子酸
ドコシルエステル、没食子酸テトラコシルエステル等。
【0025】有機リン酸化合物として下記一般式(8)
で表わされるα−ヒドロキシアルキルホスホン酸を使用
することもできる。 (但し、R11は炭素数11〜29の脂肪族基である)一
般式(8)で表わされるα−ヒドロキシアルキルホスホ
ン酸を具体的に示すと、α−ヒドロキシドデシルホスホ
ン酸、α−ヒドロキシテトラデシルホスホン酸、α−ヒ
ドロキシヘキサデシルホスホン酸、α−ヒドロキシオク
タデシルホスホン酸、α−ヒドロキシエイコシルホスホ
ン酸、α−ヒドロキシドコシルホスホン酸、α−ヒドロ
キシテトラコシルホスホン酸等があげられる。
【0026】メルカプト酢酸の金属塩としては、一般式
(9)で表わされるアルキル又はアルケニルメルカプト
酢酸の金属塩が用いられる。 (R12−S−CH2−COO)2 M (9) (但し、R12は炭素数10〜18の脂肪族基を表わし、
Mはスズ、マグネシウム、亜鉛又は銅を表わす)一般式
(9)で表わされるメルカプト酢酸金属塩の具体例とし
ては、例えば以下のものが挙げられる。デシルメルカプ
ト酢酸スズ塩、ドデシルメルカプト酢酸スズ塩、テトラ
デシルメルカプト酢酸スズ塩、ヘキサデシルメルカプト
酢酸スズ塩、オクタデシルメルカプト酢酸スズ塩、デシ
ルメルカプト酢酸マグネシウム塩、ドデシルメルカプト
酢酸マグネシウム塩、テトラデシルメルカプト酢酸マグ
ネシウム塩、ヘキサデシルメルカプト酢酸マグネシウム
塩、オクタデシルメルカプト酢酸マグネシウム塩、デシ
ルメルカプト酢酸亜鉛塩、ドデシルメルカプト酢酸亜鉛
塩、テトラデシルメルカプト酢酸亜鉛塩、ヘキサデシル
メルカプト酢酸亜鉛塩、オクタデシルメルカプト酢酸亜
鉛塩、デシルメルカプト酢酸銅塩、ドデシルメルカプト
酢酸銅塩、テトラデシルメルカプト酢酸銅塩、ヘキサデ
シルメルカプト酢酸銅塩、オクタデシルメルカプト酢酸
銅塩等。
【0027】カフェー酸アルキルエステルとしては、一
般式(10)で表わされるカフェー酸アルキルエステル
が用いられる。
【化2】 (但し、R13は炭素数5〜8のアルキル基を表わす)一
般式(10)で表わされるカフェ−酸アルキルエステル
を具体的に示すと、カフェ−酸−n−ペンチル、カフェ
−酸−n−ヘキシル、カフェ−酸−n−ヘプチル、カフ
ェ−酸−n−オクチル等が挙げられる。
【0028】本発明で用いる発色剤は電子供与性を示す
ものであり、それ自体無色あるいは淡色の染料前駆体で
あり、特に限定されず、従来公知のもの、たとえばトリ
フェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合
物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合
物、インドリノフタリド系化合物などが用いられる。本
発明に用いられる特に好ましい発色剤としては、例えば
以下のものが挙げられる。3,3−ビス(p−ジメチル
アミノフェニル)−6−クロルフタリド、2−クロル−
6−ジエチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−ジエ
チルアミノフルオラン、2−クロル−6−ジプロピルア
ミノフルオラン、2−(o−クロルアニリノ)−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−(o−クロルアニリノ)
−6−ジブチルアミノフルオラン、2−(o−ブロモア
ニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、3−クロル
−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ブロモ−
6−シクロヘキシルアミノフルオラン、2−アニリノ−
3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トル
イジノ)フルオラン、2−アニリノ−3−クロル−6−
ピロリジノフルオラン、2−(m−トリフロルメチルア
ニリノ)−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−(o−クロルアニリノ)−3−クロル−6−シ
クロヘキシルアミノフルオラン、2−(2,3−ジクロ
ルアニリノ)−3−クロル−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−クロル−3−メチル−6−ジエチルアミノフ
ルオラン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロル−6
−ジブチルアミノフルオラン、2−アミノ−6−(N−
プロピルアニリノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N
−メチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−アミノ−
6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、2−
アミノ−6−(N−プロピル−p−トルイジノ)フルオ
ラン、2−アミノ−6−(N−メチル−p−エチルアニ
リノ)フルオラン、2−アミノ−6−(N−エチル−p
−エチルアニリノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−
ジエチルアミノフルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N
−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、1,2
−ベンゾ−6−(N−エチル−N−n−オクチルアミ
ノ)フルオラン、1,2−ベンゾ−6−ジブチルアミノ
フルオラン、1,2−ベンゾ−6−(N−シクロヘキシ
ルアミノ)フルオラン、その他。
【0029】本発明の可逆的感熱記録媒体に形成される
熱発色性組成物の発色剤と顕色剤の割合は、使用する化
合物の物性によって適切な比率を選択する必要がある
が、その範囲は、一般的には、モル比で発色剤1に対し
顕色剤が1から20の範囲、好ましくは2から10の範
囲である。発色剤と顕色剤の割合によって消色特性は変
化し、比較的顕色剤が多い場合には消色開始温度が低く
なり、比較的少ない場合には消色が温度に対してシャー
プになる。したがって、この割合は用途や目的に応じて
適当に選択するのが望ましい。可逆的熱発色性組成物
は、基本的に前記の顕色剤と発色剤によって成り立つも
のであるが、種々の特性、たとえば消色性や保存性など
の改善を目的として、顕色剤の結晶化をコントロールす
る効果のある添加剤を含有させることができる。
【0030】本発明の可逆的感熱記録媒体は、支持体上
に前記の可逆的熱発色性組成物を含む記録層を積層した
ものであり、一般的には記録層の上に保護層を積層して
耐久性を向上させるが、保護層を存在させなくても良
い。支持体は、紙、合成紙、プラスチックフィルム、あ
るいはこれらの複合体、ガラスなどであり、記録層を保
持できるものであれば良い。記録層は、前記の熱発色性
組成物が存在すればどのような態様のものでも良く、顕
色剤と発色剤を混合・溶融して膜とし、これを冷却して
記録層としても良い。しかし、通常はバインダー樹脂内
に顕色剤及び発色剤を充分良く分散して記録層とするの
が良く、この方法で寿命の長い可逆的感熱記録媒体を得
ることができる。また、この場合の記録層形成は従来公
知の方法に従って行うことができる。すなわち、発色剤
及び顕色剤をバインダー樹脂と共に水又は有機溶剤によ
り均一に分散もしくは溶解し、これを支持体上に塗布・
乾燥後、熱処理すればよい。顕色剤及び発色剤は、その
まま或いはマイクロカプセル中に内包して用いることが
できる。顕色剤、発色剤のマイクロカプセル化は、コア
セルベーション法、界面重合法、インサイチュ重合法な
ど公知の方法によって行えばよい。なお、顕色剤及び発
色剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良
い。
【0031】記録層、中間層、アンダーコート層、バッ
クコート層等に用いられるバインダー樹脂は特に限定さ
れず、公知のバインダー樹脂はいずれも使用可能であ
る。バインダー樹脂を具体的に例示すれば、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メ
トキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、酢酸セルロース、ゼラチン、カゼイン、
澱粉、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、
スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、
芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エス
テル類、アクリル酸共重合体、マレイン酸共重合体、ポ
リビニルアルコール、塩素化塩化ビニル樹脂、これらの
樹脂の混合物などが挙げられる。
【0032】記録層のバインダー樹脂の役割は、発色・
消色の繰り返しによって可逆的熱発色性組成物が凝集す
るのを防止し、熱発色性組成物が均一に分散した状態を
保持することにある。特に、発色時の熱の印加で組成物
が凝集して不均一化することが多いため、バインダー樹
脂は耐熱性の高いものが好ましい。なお、バインダー樹
脂の各種特性は顕色剤や発色剤を含む熱発色性組成物の
挙動に大きな影響を与えていると思われる。本発明の可
逆的感熱記録媒体では必要に応じて、塗布特性或いは記
録特性の向上を目的に、通常の感熱記録紙に用いられて
いる種々の添加剤、例えば分散剤、界面活性剤、高分子
カチオン系導電剤、填料、発色画像安定剤、酸化防止
剤、光安定化剤、滑剤等を記録層に加えることも出来
る。
【0033】本発明の可逆的感熱記録媒体は、前記の可
逆的熱発色性組成物が不可逆化する現象を防止するた
め、染料又は顔料含有層を一層以上存在させることを特
徴にしている。この場合の染・顔料は、可視領域に吸収
を持ち透明なフィルター層形成可能なものはいずれも使
用することができる。すなわち、染料では水又は有機溶
媒に可溶なものが望ましく、顔料ではバインダー樹脂内
に分散して透明な薄膜形成が可能な微粉末状のものが良
い。本発明に使用される染・顔料を具体的に例示すれば
アゾ系、スチルベン系、キサンテン系、アクリジン系、
キノリン系、アゾメチン系、チアゾール系、インダミン
系、インドフェノール系、アジン系、アントラキノン
系、インジゴ系、フタロシニン系等の染・顔料である
が、これらの染・顔料自体の耐光性も問題になるからア
ゾ系、アントラキノン系、フタロシアニン系等が特に好
ましい。これらの染・顔料は単独で使用しても2種以上
混合して使用しても良く、色調の異なる2種以上の染・
顔料使用も可能なことは云うまでもない。染・顔料の添
加量は、該層を構成するバインダー樹脂の0.01〜2
0.0重量%、好ましくは0.1〜5.0重量%であ
り、添加量が多すぎると記録画像が見にくくなり、少な
すぎる場合は前記の非可逆性発色体生成反応の阻止が不
十分になる。
【0034】次に、本発明の可視光による非可逆性発色
体生成防止のための染・顔料によるフィルター層形成
を、図によって説明する。図3は、支持体1の上に記録
層2が形成されている可逆的感熱記録媒体であり、この
場合は記録層形成材料と共に染料又は顔料を記録層2に
含有させることができる。図4は、記録層2の上に保護
層6を設けた可逆的感熱記録媒体であり、この場合は記
録層2又は保護層6のいづれか或いは2、6の両方に、
染料又は顔料を含有させることができる。図5は、記録
層2と保護層6の間に中間層7を設けた可逆的感熱記録
媒体であり、この場合は2、6、7のいづれかの単一層
または複数層に、染料又は顔料を含有させることができ
る。図6は、無色透明な支持体1′と記録層2の間にア
ンダーコート層8を設けた可逆的感熱記録媒体であり、
この場合はアンダーコート層8に染料又は顔料を含有さ
せることができる。図7は、無色透明な支持体1′の上
に記録層2を設け、さらに記録層2と反対側の支持体
1′の面にバックコート層9を設けた可逆的感熱記録媒
体であり、この場合はバックコート層9に染料又は顔料
を含有させることができる。また、バックコート層9を
設けず無色透明な支持体1′の代りに染料又は顔料で着
色された透明支持体を用い、これを染顔料含有層として
もよい。
【0035】本発明の染顔料含有層は、記録層に長時間
可視光が照射されることによる非可逆性発色体の生成を
防止する層であるから、無色透明な支持体を使用する場
合は記録層の表面側及び裏面側の両者に染顔料含有層を
設けるのが好ましい。例えば図8のように、無色透明な
支持体1′の裏面にバックコート層9を、表面にアンダ
ーコート層8、記録層2、中間層7及び保護層6を積層
した可逆的感熱記録媒体では、透明支持体とアンダーコ
ート層とバックコート層の中から選ばれる層のいづれか
一層と、中間層と保護層の中から選ばれる層のいずれか
一層に染料又は顔料を添加するのが好ましい。この場
合、支持体が一見不透明であっても多少の可視光透過が
可能であれば、無色透明な支持体使用時と同等の配慮を
することによって、前記の非可逆性発色体形成防止効果
を向上させることができる。
【0036】保護層は、熱印加時の熱と圧力で表面が変
形したり変色したりすることを防止するほか、耐薬品
性、耐水性、耐摩擦性、ヘッドマッチング性等を向上さ
せる役割を持たせることもできる。そのため、保護層形
成材料は耐熱性にすぐれると共に強度の大きいものが良
く、シリコーン系ゴム、シリコーン樹脂(特開昭63−
221087号)、ポリシロキサングラフトポリマー
(特開昭62−152550号、特開昭63−3173
85号)、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬
化性樹脂等が使用される。このような保護層の形成で、
前記のように耐熱性が向上すると共に、有機溶剤、可塑
剤、油、汗、水等の接触に対する抵抗力も増加し、悪い
環境でも画像の形成及び消去を問題なく繰り返すことの
できる記録媒体を得ることができる。また、保護層中に
光安定化剤を含有させることで画像及び地肌の耐光性が
著しく改良された記録媒体が得られ、高分子カチオン系
導電剤の添加で帯電防止を可能とし、さらに保護層に有
機又は無機フィラー及び滑剤を加えることでサーマルヘ
ッド等との接触で生じるスティッキングも防止され、信
頼性及びヘッドマッチング性の高い感熱記録媒体を得る
ことができる。保護層の形成方法は、保護層成分を水又
は有機溶剤によって均一に分散もしくは溶解し、これを
記録層上に均一に塗布・乾燥させれば良く、保護層の厚
さは0.5〜10μm程度が良い。
【0037】本発明の可逆的感熱記録媒体では、必要に
応じて支持体と記録層の間にアンダーコート層を設置し
ても良い。アンダーコート層は、断熱性向上、支持体と
記録層間の接着性向上、記録層作成時の溶剤に対する支
持体の耐性向上等の目的で設置するものであり、支持体
の種類を勘案して設置の有無を定めれば良い。アンダー
コート層の重要な役割の一つは断熱性向上であるが、こ
れは印加熱エネルギーを無駄なく熱記録形成や熱消去に
役立たせるためのものであり、断熱層の設置によって発
色及び消色をシャープに行うことができる。断熱を目的
とするアンダーコート層を形成するには、支持体上に有
機又は無機材質より成る微小中空体粒子を塗工すれば良
く、具体的にはガラス又はセラミックス、あるいはプラ
スチック等で形成された粒径10〜50μm程度の微小
中空体を、バインダー樹脂と共に溶剤に良く分散させて
支持体上に均一に塗布・乾燥させれば良い。
【0038】中間層は、記録層と保護層の接着性向上や
保護層設層時の溶媒による記録層の劣化防止など多岐に
わたる目的で設けられ、通常はバインダー樹脂を主体と
した樹脂層である。この層は必要に応じて設ければ良
く、目的に応じて種々の添加物を加えることができる。
バックコート層は、支持体裏面の保護や樹脂状支持体に
紙状感触を持たせるなど種々の役割を持ち、必要に応じ
て設ければ良い。この層が有用な例としては、裏面が平
滑のため通常のコピー機で使用される紙送り機による本
発明の記録媒体の送り出しが困難な場合、該記録媒体の
裏面にバックコート層を設ける例を挙げることができ
る。この層も中間層と同様にバインダー樹脂を主体とす
るのが普通であり、前記の紙状感触を得るためには無機
質フィラー等を添加すれば良い。
【0039】記録画像の形成は、使用目的によって熱ペ
ン、サーマルヘッド、レーザー加熱等特に限定されな
い。同様に記録画像の消去も加熱ローラー、面状発熱
体、恒温槽、温風、サーマルヘッド等消去の温度条件が
与えられるものであれば特に限定はされない。また、記
録画像を消去温度に設定したサーマルヘッドにより消去
しながら、同時に記録温度に設定した別のサーマルヘッ
ドにより記録画像の形成を行う、いわゆるオーバーライ
トも可能である。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例でさらに詳細に説明す
るが、本発明はこの実施例で限定されるものではない。
なお、以下における部はいずれも重量基準である。
【0041】実施例1 下記組成物をボールミルで粒径1〜4μmまでそれぞれ
粉砕・分級し、これを原料にして記録用塗布液を調製し
た。 2(o−クロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン 3部 オクダデシルホスホン酸 10部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(VYHH、ユニオンカーバイト社製)10部 染料(Solvent Green 3 ;カラーインデックス番号:61565) 0.05部 トルエン 45部 メチルエチルケトン 45部 以上のようにして調製した塗布液を、厚さ100μmの
白色ポリエステルフィルムにワイヤーバーで塗布厚約7
μmとなるように塗布・乾燥し、可逆的感熱記録シート
を作製した。
【0042】実施例2 記録用塗布液として、下記組成物を用いた以外は実施例
1と同様にして可逆的感熱記録シートを作製した。 2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p− 3部 トルイジノ)フルオラン エイコシルチオリンゴ酸 10部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(VYHH、ユニオンカーバイト社製)10部 トルエン 45部 メチルエチルケトン 45部 次に保護層用塗布液として下記組成物を調製した。 ウレタンアクリレート系樹脂 100部 (大日本インキ化学社製;ユニディック C7-157) 染料(Solvent Blue 25 ;カラーインデックス番号:74350) 0.1部 酢酸エチル 50部 この保護層用塗布液を前記記録シートの記録層上にワイ
ヤーバーで塗布し、乾燥後800W/cmの紫外線ラン
プで硬化させ、約4μm厚の保護層を設けた可逆的感熱
記録シートを作製した。
【0043】実施例3 中間層用塗布液として下記組成物を調製した メチルセルロース(松本油脂社製;マーポローズ M-25 ) 5部 水 95部 この中間層用塗布液を、実施例2の記録シートの記録層
上にワイヤーバーで塗布厚1.5μmとなるように塗布
・乾燥して中間層を設けた。この中間層を設けた記録シ
ートの中間層上に、実施例2の保護層用塗布液を実施例
2と同様の方法で塗布し、可逆的感熱記録シートを作製
した。
【0044】実施例4 記録層用塗布液、中間層用塗布液及び保護層用塗布液と
して下記組成物を用い、実施例3と同様の方法で可逆的
感熱記録シートを作製した。 (記録層用塗布液) 2(o−クロルアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン 3部 α−ヒドロキシオクタデカノイック酸 10部 アクリル樹脂(三菱レイヨン社製;BR-102 ) 10部 トルエン 45部 メチルエチルケトン 45部 (中間層用塗布液) メチルセルロース(マーポローズ M-25) 5部 染料(Acid Violet 42 ;カラーインデックス番号:62026) 0.025部 染料(Acid Yellow 106 ;カラーインデックス番号:18670) 0.025部 水 95部 (保護層用塗布液) ウレタンアクリレート系樹脂 (大日本インキ化学社製;ユニディック 17-824 -19) 100部 酢酸エチル 50部
【0045】実施例5 下記組成物をボールミルで粒径1〜4μmまでそれぞれ
粉砕・分級し、これを原料にして記録層用塗布液を調製
した。 2(o−クロルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン 3部 オクダデシルホスホン酸 10部 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(VYHH、ユニオンカーバイト社製)10部 トルエン 45部 メチルエチルケトン 45部 以上のようにして調製した塗布液を、厚さ75μmの白
色ポリエステルフィルムにワイヤーバーで塗布厚約7μ
mとなるように塗布・乾燥し、可逆的感熱記録シートを
作製した。この記録シートの記録層と反対側の支持体面
に、下記組成物をワイヤーバーで塗布厚1.5μmとな
るように塗布・乾燥して、可逆的感熱記録シートを作製
した。 染料(Solvent Blue 11 ;カラーインデックス番号:61525) 0.1部 アクリル樹脂(三菱レーヨン社製;ダイヤナール BR-85) 10部 トルエン 45部 メチルエチルケトン 45部
【0046】実施例6 厚さ75μmのポリエステルフィルムに、下記組成物を
ワイヤーバーで塗布厚約1.5μmとなるように塗布・
乾燥してアンダーコート層を設けた。 染料(Acid Green 38 ;カラーインデックス番号:62550) 0.04部 染料(Acid Orange 27 ;カラーインデックス番号:17750) 0.02部 メチルセルロース(マーポローズ M-25 ) 5部 水 95部 このシートのアンダーコート層上に、実施例4の記録層
用塗布液を実施例4と同様の方法で塗布・乾燥して可逆
的感熱記録シートを作製した。
【0047】実施例7 着色透明支持体としてルミラー染色加工品#75緑色
(東レ社製)を用い、この支持体に実施例4の記録層用
塗布液を実施例4と同様の方法で塗布・乾燥して可逆的
感熱記録シートを作製した。
【0048】実施例8 75μmポリエステルフィルム上に、実施例3の処方で
実施例3と同様にして中間層及び保護層を持つ可逆的感
熱記録シートを作製した。次に、この記録シートの記録
層と反対側の支持体面に、実施例5のバックコート層用
塗布液を実施例5と同様の方法で塗布し、可逆的感熱記
録シートを作製した。
【0049】実施例9 実施例6におけるアンダーコート層を施した75μmポ
リエステルフィルムに、実施例3の処方で実施例3と同
様にして記録層、中間層及び保護層を順次積層し、可逆
的感熱記録シートを作製した。
【0050】比較例1〜6 染料を加えなかった以外は実施例1〜6と同様にして可
逆的感熱記録シートを作製した。
【0051】このようにして作製した可逆的感熱記録シ
ートを、120℃に加熱したプレート上に10秒間接触
させて黒色の画像を得、以下の評価試験を行い結果を表
1に示す。 1.〔発色濃度〕 発色直後の濃度をマクベス濃度計(マクベス社製;RD−9
14)で測定した。 2.〔消色濃度〕 該記録シートを75℃の恒温槽に3分間入れて画像を消
色し、その濃度をマクベス濃度計で測定した。 3.〔耐光性試験〕 発色直後のサンプルを5000Luxの蛍光灯下に24
時間晒した後に濃度計で測定し、初期消色濃度との差を
調べた。
【0052】
【表1】
【0053】表1の結果は染料の添加で非可逆性発色体
の生成が大幅に抑制されることを示している。また、実
施例8では記録層の表面側にも裏面側にも染顔料含有層
を備えているのに、支持体側からの蛍光灯照射時と記録
層側からの蛍光灯照射時の結果がわづかに異なってい
る。これは染顔料含有層の効力に多少の差があるためと
推定される。
【0054】
【発明の効果】本発明の可逆的感熱記録媒体は、該記録
媒体を構成するいずれかの単一層又は複数層に、染料又
は顔料を添加することにより、非可逆性発色体の生成を
大幅に抑制することが可能になり、そのため耐光性を大
幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆的感熱記録媒体の発色濃度と温度
との関係を示すグラフで、発色及び消色原理の説明図で
ある。実線(A→B→C)は画像形成過程を、破線(C
→D→A)は画像消去過程を示す。
【図2】画像形成工程と画像消去工程の説明図である。
【図3】本発明の可逆的感熱記録媒体の構成例を示す断
面図である。
【図4】本発明の可逆的感熱記録媒体の別の構成例を示
す断面図である。
【図5】本発明の可逆的感熱記録媒体のさらに別の構成
例を示す断面図である。
【図6】本発明の可逆的感熱記録媒体のさらに別の構成
例を示す断面図である。
【図7】本発明の可逆的感熱記録媒体のさらに別の構成
例を示す断面図である。
【図8】本発明の可逆的感熱記録媒体のさらに別の構成
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 支持体 1′ 無色透明支持体 2 可逆的感熱記録層 3 発色画像 4 サーマルヘッド 5 加熱ローラ 6 保護層 7 中間層 8 アンダーコート層 9 バック層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、電子供与性呈色性化合物と
    電子受容性化合物を含有する記録層を備え、加熱・溶融
    によって発色記録状態を形成し、発色温度より低い温度
    に加熱することで記録の消えた消色状態を形成する可逆
    的感熱記録媒体において、染料又は顔料含有層が一層以
    上存在することを特徴とする可逆的感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 支持体が透明体又は不透明体で、その内
    部に或いは表面の少なくとも片面上に、染料又は顔料を
    存在させることを特徴とする請求項1の可逆的感熱記録
    媒体。
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