JPH0626856B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH0626856B2
JPH0626856B2 JP16568288A JP16568288A JPH0626856B2 JP H0626856 B2 JPH0626856 B2 JP H0626856B2 JP 16568288 A JP16568288 A JP 16568288A JP 16568288 A JP16568288 A JP 16568288A JP H0626856 B2 JPH0626856 B2 JP H0626856B2
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聡 西野
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は二軸配向ポリエステルフィルムに関するもので
ある。
[従来の技術] 二軸配向ポリエステルフィルムとしては、エチレンナフ
タレートを主要構成成分とするポリエステルからなるフ
ィルムが知られている(たとえば、特開昭63−607
32号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記従来の二軸配向ポリエステルフィルムは、
フィルムの加工工程、たとえば包装用途における印刷工
程、磁気媒体用途における磁性層塗布・カレンダー工程
などの工程速度の増大にともない、接触するロールなど
でフィルムの表面が削られて発生した粉が加工工程上、
製品性能上のトラブルとなるという欠点が、最近、問題
となってきている。また、フイルム加工工程の雰囲気が
高温高湿になるとその製品ロールの巻姿が不良となる欠
点が問題となってきている。
本発明はかかる問題点を改善し、表面の耐削れ性と巻姿
がともにすぐれたフィルムを提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 熱可塑性樹脂の少なくとも片面に0.01〜2.5μm
の厚さのエチレンナフタレートまたはエチレンα,β−
ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカル
ボキシレートを主要構成成分とするポリエステルを積層
したフイルムであって、該ポリエステル層の表面の突起
の高さ20nm以上の全突起のうち、その80%以上の
突起が、突起高さh(単位μm)と突起先端曲率半径β
(単位μm)の関係が下式(1)を満足し、長手方向と幅
方向のヤング率の和が700〜1700kg/mm
かつ、熱可塑性樹脂とポリエステルの結晶化パラメータ
ΔTcgの差が10℃以上であることを特徴とする二軸
配向ポリエステルフィルムとしたものである。
0.1×h-0.3<β<1.0×h-0.9・・(1) 本発明におけるポリエステルはエチレン2,6−ナフタレ
ートまたはエチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート単位を主要構
成成分とする。ただし、本発明を阻害しない範囲内、好
ましくは15モル%以内であれば他成分が共重合されて
いてもよい。
また、エチレンナフタレートを主要構成成分とするポリ
エステルの場合に耐削れ性、巻姿がより一層良好となる
ので特に望ましい。
本発明のポリエステル層中には不活性粒子が含有されて
いることが本発明範囲の突起曲率半径を得るのに有効で
ある。その場合の不活性粒子の平均粒径は特に限定され
ないが、10〜1000nmの範囲である場合に耐削れ
性、巻姿がより一層良好となるので特に望ましい。ま
た、ポリエステル層中での不活性粒子の含有量は特に限
定されないが、1.0〜20重量%の範囲である場合
に、耐削れ性、巻姿がより一層良好となるので特に望ま
しい。不活性粒子の種類は特に限定されないがコロイダ
ルシリカに起因するシリカ粒子、α−アルミナ、加熱1
0%重量減量時温度が360℃以上の有機高分子粒子の
場合に耐削れ性、巻姿がより一層良好となるので特に望
ましい。また粒子の真球度が1.5以下、特に1.3以
下の場合に耐削れ性、巻姿がより一層良好となるので特
に望ましい。
本発明を構成するポリエステルは、上記組成物を主要成
分とするが、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他種
ポリマをブレンドしてもよいし、酸化防止剤、熱安定
剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生成剤などの無機または有
機添加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
本発明を構成する熱可塑性樹脂の種類は特に限定されな
いが、ポリエステルとの結晶化パラメータΔTcgの差
(絶対値)が10℃以上、好ましくは15℃以上あるも
のであることが必要である。ΔTcgの差(絶対値)が
上記の範囲未満の熱可塑性樹脂では巻姿が不良となるの
で好ましくない。ΔTcgの差(絶対値)の上限は特に
限定されないが通常100℃位が製造上の限界である。
具体例として、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニ
レンスルフィドが挙げられるが、ポリエステルの場合に
巻姿がより一層良好となるので特に望ましい。また、ポ
リエステルとしてはエチレンテレフタレート単位から選
ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とする
場合に巻姿が特に良好となるので望ましい。
本発明フイルムのポリエステル、熱可塑性樹脂の溶融粘
度は、ポリエステルが熱可塑性樹脂よりも1000ポイ
ズ、好ましくは2000ポイズ高い場合に耐削れ性、巻
姿がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明フイルムは上記熱可塑性樹脂の少なくとも片面に
上記ポリエステルを積層してなるフイルムを二軸配向せ
しめたフイルムである。無配向および一軸配向フィルム
では、耐削れ性、巻姿が不良となるので好ましくない。
二軸配向の程度は特に限定されないが配向程度を表わす
パラメータである面配向指数が0.935〜0.970
の範囲の場合に耐削れ性がより一層良好となるので望ま
しい。
また、本発明フイルムのポリエステル層の厚さは0.0
1〜2.5μm、好ましくは、0.05〜2μm、さら
に好ましくは0.1〜1.5μmである必要がある。ポ
リエステル層の厚さが上記の範囲より小さいと耐削れ性
が不良となり、逆に大きいと巻姿が不良となるので好ま
しくない。
また、本発明のポリエステルフイルムにおいて、フイル
ム表面にある突起の高さ20nm以上の全突起の80%
以上の突起について、突起高さh(単位μm)と突起先
端曲率半径β(単位μm)の関係が下式(1)、好ましく
は下式(2)、特に好ましくは下式(3)を満足している必要
がある。
0.1×h-0.3<β<1.0×h-0.9・・(1) 0.1×h-0.3<β<0.8×h-0.8・・(2) 0.1×h-0.3<β<0.6×h-0.7・・(3) 突起高さh(単位μm)と突起先端曲率半径β(単位μ
m)の関係が上記の範囲内である突起が高さ20nm以
上の全突起の80%未満では、耐削れ性、巻姿ともに不
良となるので好ましくない。
本発明フイルムは長手方向と幅方向のヤング率の和が7
00〜1700kg/mm、好ましくは800〜14
00kg/mm、さらに好ましくは800〜1300
kg/mmの範囲であることが必要である。ヤング率
が上記の範囲より小さいと巻姿が不良となり、逆に大き
いフイルムは製造安定性が悪く、たとえできたとして
も、耐削れ性が不良となるので好ましくない。
本発明フイルムは、ポリエステル層中の不活性粒子の平
均粒径をc(μm)とした時、ポリエステル層の厚さが
0.1c〜4c、好ましくは、0.2c〜1.5cの範
囲である場合に耐削れ性と巻姿がより一層良好となるの
で特に望ましい。
本発明フイルムは、ポリエステル層中の不活性粒子の平
均粒径をc(μm)とした時、その表面の突起平均高さ
が0.1c〜0.5cの範囲の場合に耐削れ性がより一
層良好となるので特に望ましい。
本発明フイルムのポリエステル層の表面の幅方向の表面
平均粗さRa(nm)とポリマ層の厚さd(nm)の
比、Ra/dが0.01〜0.5、好ましくは0.05
〜0.5の範囲である場合に耐削れ性と巻姿がより一層
良好となるので特に望ましい。
本発明フイルムのポリエステル層の表面の突起平均間隔
は15μm以下、好ましくは10μm以下の場合に耐削
れ性と巻姿がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明フイルムのポリエステル層の表面の比抵抗が10
10Ω・cm以下の場合に耐削れ性がより一層良好となる
ので特に望ましい。
次に本発明フィルムの製造方法について説明する。
まず、ポリエステルには不活性粒子を含有せしめる方法
が本発明の突起高さh(単位μm)と突起先端曲率半径
β(単位μm)の関係を得るのに有効である。ただし、
延伸条件、押し出し条件のコントロールによっても可能
であるが安定性に不安があるので好ましくない。
所定のポリエステルに不活性粒子を含有せしめる方法と
しては、重合前、重合中、重合後のいずれに添加しても
よいが、ポリエステルのジオール成分であるエチレング
リコールに、スラリーの形で混合、分散せしめて添加す
る方法が本発明の突起高さh(単位μm)と突起先端曲
率半径β(単位μm)の関係を得るのに有効である。ま
た、不活性粒子の含有量を調節する方法としては、高濃
度のマスターペレットを製膜時に稀釈する方法が本発明
の突起高さh(単位μm)と突起先端曲率半径β(単位
μm)の関係を得るのに有効である。また、エチレング
リコールのスラリーを140〜200℃、特に180〜
200℃の温度で30分〜5時間、特に1〜3時間熱処
理する方法は、本発明の突起高さh(単位μm)と突起
先端曲率半径β(単位μm)の関係を得るのに有効であ
る。また、高濃度、好ましくは1〜5重量%のマスター
ペレットの溶融粘度、共重合成分を調整して、結晶化パ
ラメータΔTcgを65〜80℃にしておき、製膜前に
このマスタペレットよりも結晶化パラメータΔTcgの
大きい好ましくは結晶化パラメータΔTcgが75〜9
5℃の実質的に不活性粒子を含有しないポリエステルの
ペレットで希釈して該粒子の含有量を調節することが、
本発明の突起高さh(単位μm)と突起先端曲率半径β
(単位μm)の関係、ヤング率を得るのに有効である。
次に、このポリエステル組成物を熱可塑性樹脂フイルム
の少なくとも片面に積層する方法としては、次の方法が
有効である。
所定のポリエステル組成物と熱可塑性樹脂を公知の溶融
積層用押出機に供給し、スリット状のダイからシート状
に押出し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて
未延伸フィルムを作る。すなわち、2または3台の押出
し機、2または3層のマニホールドを用いて、ポリエス
テルと熱可塑性樹脂を積層し、口金から2または3層の
シートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未
延伸フィルムを作る。この場合、ポリエステルのポリマ
流路に、スタティックミキサー、ギヤポンプを設置する
方法は延伸破れなく、本発明範囲の突起高さh(単位μ
m)と突起先端曲率半径β(単位μm)の関係、ヤング
率を得るのに有効である。また、ポリエステル側の押し
出し機の溶融温度を、熱可塑性樹脂側より、20〜40
℃高くすることが、延伸破れなく、本発明範囲の突起高
さh(単位μm)と突起先端曲率半径β(単位μm)の
関係、ヤング率を得るのに有効である。さらに、口金か
らシートを押し出す時の口金スリット間隙と未延伸フイ
ルムの厚さの比、間隙/未延伸フイルム厚さ、を5〜3
0、このましくは8〜20の範囲にすることが、本発明
範囲の突起高さh(単位μm)と突起先端曲率半径β
(単位μm)の関係、ヤング率を得るのに有効である。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せしめ
る。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時二軸
延伸法を用いることができる。ただし、最初に長手方
向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸法を用い、
長手方向の延伸を70〜100℃、好ましくは75〜9
5℃で、倍率3.0〜5.0倍で行なう方法は、本発明
のポリエステルを用いて本発明範囲の突起高さh(単位
μm)と突起先端曲率半径β(単位μm)の関係を得る
のに極めて有効である。長手方向の延伸速度は、100
00〜100000%/分の範囲が好適である。幅方向
の延伸は、温度70〜100℃、好ましくは75〜95
℃で、倍率3.0〜5.0倍で行なう方法は、本発明の
ポリエステルを用いて本発明範囲の突起高さh(単位μ
m)と突起先端曲率半径β(単位μm)の関係を得るの
に極めて有効である。さらに、面積倍率(=長手方向倍
率×幅方向倍率)を10倍〜20倍の範囲にすること
が、本発明範囲の突起高さh(単位μm)と突起先端曲
率半径β(単位μm)の関係、ヤング率を得るのに有効
である。
次にこの延伸フィルムを熱処理する。この場合の熱処理
条件としては、定長下、微延伸下、弛緩状態のいずれか
で150〜220℃、好ましくは170〜200℃の範
囲で0.5〜60秒間が好適である。
[作用] 本発明は特定のポリエステルと熱可塑性樹脂からなるフ
イルムを積層の形とすることによってポリエステルの従
来の延伸条件とは異なる条件で製膜したため特定の突起
高さh(単位μm)と突起先端曲率半径β(単位μm)
の関係とできたことによって、本発明の効果が得られた
ものと推定される。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の
とおりである。
(1) 粒子の平均粒径 フィルムからポリエステルをプラズマ低温灰化処理法
(たとえばヤマト科学製PR−503型)で除去し粒子
を露出させる。処理条件はポリエステルは灰化されるが
粒子はダメージを受けない条件を選択する。これをSE
M(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子に
よってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たと
えばケンブリッジインストルメント製QTM900)に
結び付け、観察箇所を変えて粒子数5000個以上で次
の数値処理を行ない、それによって求めた数平均径Dを
平均粒径とする。
D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは個数である。
(2) 粒子の含有量 ポリエステルを溶解し不活性粒子は溶解させない溶媒で
粒子を遠心分離し、粒子の全体重量に対する比率(重量
%)をもって粒子含有量とする。
(3) ガラス転移点Tg、冷結晶化温度Tcc パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、3
00℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中に急冷す
る。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点
Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態からの
結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tccとし
た。ここでTccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化
パラメータΔTcgと定義する。
(4) 加熱10%重量減量時温度 島津製作所製の熱重量分析装置TG30M型を用いて、
窒素中、昇温速度10℃/分で測定した。なお、試料重
量は5mgとした。
(5) 屈折率 ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈
折率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレ
ンを用い、25℃、65%RHにて測定した。
(6) 面配向指数 上記の方法で、二軸配向フィルムの厚さ方向の屈折率
(Aとする)および溶融プレス後10℃の水中へ急冷し
て作った無配向(アモルファス)フィルムの厚さ方向の
屈折率(Bとする)を測定し、A/Bをもって面配向指
数とした。
(7) 表面平均粗さRa、突起の平均間隔Sm 小板研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て測定した。条件は下記のとおりであり、20回の測定
の平均値をもって値とした。
・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Ra、突起の平均間隔Smの定義は、たとえば、
奈良治郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術セン
ター、1983)に示されているものである。
(8) 突起固数、突起高さh 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、
エリオニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、
エリオニクス(株)製]においてフィルム表面の平坦面
の高さを0として走査した時の突起の高さ測定値を画像
処理装置[IBAS2000、カールツァイス(株)
製]に送り、画像処理装置上にフイルム表面突起画像を
再構築する。次に、この表面突起画像で突起部分を2値
化して得られた個々の突起の面積から円相当径を求めこ
れをその突起の平均径とする。また、この2値化された
個々の突起部分の中で最も高い値をその突起の高さhと
し、これを個々の突起について求める。この測定を場所
をかえて500回繰返し、測定された突起についてその
高さを把握する。
(9) 突起先端曲率半径β 上記表面突起高さ及び突起個数を測定する時と同様に、
走査型電子顕微鏡及び断面測定装置からの高さ情報を、
画像処理装置(512×512画素)上に送りフイルム
表面突起画像として再構築し、測定された個々の突起の
うち突起高さが20nm以上のものについて、突起先端
曲率半径βを次の定義に基づき計算した。
画像処理装置(512×512画素)上で、フイルム表
面突起画像の突起の頂点を通る突起の断面曲線(y=f
(x))において、突起の頂点を中心とする前後合わせて
9画素の部分に対応する突起高さの値を、下式(I)で
表わす関数に最小二乗法で補間し、下式(II)に従い長
手方向の曲率半径βMDと幅方向の曲率半径βTDを計算し
た。次に、この値より突起先端曲率半径βを下式(II
I)により算出した。
尚、走査型電子顕微鏡の倍率は、通常3000倍である
が、突起の大きさに応じて2000〜5000倍の範囲
の間で最適な倍率を選択することができる。
y=ax+bx+c・・・(I) βMDTD=1=|y″|・・・(II) β=2βMDβTD/(βMD,βTD) (III) (10) 粒子の真球度 上記(1)の測定において、下式で求められる個々の粒子
の長径(平均値)/短径(平均値)の比である。
長径=ΣD1i/N 短径=ΣD2i/N D1i、D2iはそれぞれ個々の粒子の長径(最大径)、短
径(最小径)、Nは総個数である。
(11) 溶融粘度 高化式フローテスターを用いて、温度290℃、ずり速
度200sec-1で測定した。
(12) 耐削れ性 フィルムを幅1/2インチにテープ状にスリットしたも
のに片刃を垂直に押しあて、さらに0.5mm押し込んだ
状態で20cm走行させる(走行張力:500g、走行速
度:6.7cm/秒)。この時片刃の先に付着したフィル
ム表面の削れ物の高さを顕微鏡で読みとり、削れ量とし
た(単位はμm)。少なくとも片面について、この削れ
量が5μm以下の場合は耐削れ性:良好、5μmを越え
る場合は耐削れ性:不良と判定した。この削れ量:3μ
mという値は、印刷工程やカレンダー工程などの加工工
程で、フィルム表面が削れることによって、工程上、製
品性能上のトラブルがおこるか否かを厳しく判定するた
めの臨界点である。
(13) 巻姿 幅1000mmのフイルムをスリッター(シェアカッタ
ー)を用いて、450m/分の速度で、幅300mmに
スリットする(長さは5000m)。このスリットした
後のロールを40℃、80%RHで10日間放置した
後、端面を観察し、凸凹が全くなくフラットであり、表
面にも縦しわがないものが全個数の95%以上の場合は
巻姿:良好、95%未満の場合は巻姿:不良と判定した
(全個数は100本)。
[実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1〜6、比較例1〜8 平均粒径の異なる不活性粒子を含有するエチレングリコ
ールスラリーを調整し、このエチレングリコールスラリ
ーを190℃で1.5時間熱処理した後、ナフタレン
2,6−ジカルボン酸ジメチル、α,β−ビス(2−ク
ロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸ジメチ
ルとエステル交換反応後、重縮合し、粒子を含有するポ
リエチレン2,6−ナフタレート、ポリエチレンα,β
−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカ
ルボキシレートのペレットを作った。また、熱可塑性樹
脂として、固有粘度が異なるポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン2,6−ナフタレート、ナイロン6を
準備した。これらのポリマをそれぞれ減圧乾燥(3Tor
r)した。ポリエステルを押出機1に供給し310℃で
溶融し、さらに、熱可塑性樹脂を押出機2に供給、29
0℃で溶融し、これらのポリマを合流積層し、静電印加
キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティング・
ドラムに巻きつけて冷却固化し、3層構造(ポリエステ
ル/熱可塑性樹脂/ポリエステル)の未延伸フイルムを
作った。この時、口金スリット間隙/未延伸フィルム厚
さの比を種々変更して未延伸フイルムを作った。また、
それぞれの押出機の吐出量を調節しポリエステル層の厚
さを調節した。この未延伸フイルムを温度70〜160
℃にて長手方向に延伸した。この延伸は2組ずつのロー
ルの周速差で、4段階で行なった。延伸温度は70〜1
60℃の範囲で変更した。この一軸未延伸フイルムをス
テンタを用いて延伸速度2000%/分で幅方向に70
〜160℃で延伸し、定長下で、200℃にて5秒間熱
処理し、総厚さ15μm、ポリエステル層厚さを変えた
二軸配向積層フィルムを得た(第1表)。これらのフィ
ルムの本発明のパラメータ、性能は第2表に示したとお
りであり、本発明のパラメータが範囲内の場合は耐削れ
性、巻姿は良好であったが、そうでない場合は耐削れ
性、巻姿をともに満足するフイルムは得られなかった。
[発明の効果] 本発明は特定のポリエステルと熱可塑性樹脂からなるフ
イルムを積層の形とすることによってポリエステルの従
来の延伸条件とは異なる条件で製膜したため、特定の突
起高さh(単位μm)と突起先端曲率半径β(単位μ
m)の関係となり、その結果、耐削れ性、巻姿が共に優
れたフイルムが得られたものであり、各用途でのフイル
ム加工の苛酷化に対応できるものである。さらに、本発
明フイルムはポリエステル面へ熱可塑性樹脂中に含有さ
れる低分子量成分(オリゴマなど)が浸出しにくい効果
(したがって、3層構造のフイルムでは両面ともに浸出
しにくい)もあり、用途によっては有用である。本発明
フイルムの用途は特に限定されないが、加工工程でのフ
ィルム表面が削られることによって発生した粉が加工工
程上、製品性能上特に問題となり、巻姿不良による製品
性能への影響が特に大きい磁気記録媒体用ベースフィル
ムとして特に有用である。また、本発明フイルムのうち
2層構造のものはポリエステルフイルム面が走行面(磁
気記録媒体用では磁性層を塗布しない面、その他の用途
では印刷やその他塗材の塗布などの処理がほどこされな
い面)として用いることが必要である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂の少なくとも片面に0.01
    〜2.5μmの厚さのエチレンナフタレートまたはエチ
    レンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,
    4′−ジカルボキシレートを主要構成成分とするポリエ
    ステルを積層したフイルムであって、該ポリエステル層
    の表面の突起の高さ20nm以上の全突起のうち、その
    80%以上の突起が、突起高さh(単位μm)と突起先
    端曲率半径β(単位μm)の関係が下式(1)を満足し、
    長手方向と幅方向のヤング率の和が700〜1700k
    g/mm、かつ、熱可塑性樹脂とポリエステルの結晶
    化パラメータΔTcgの差が10℃以上であることを特
    徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。 0.1×h-0.3<β<1.0×h-0.9・・(1)
JP16568288A 1988-07-01 1988-07-01 二軸配向ポリエステルフィルム Expired - Fee Related JPH0626856B2 (ja)

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