JP2555700B2 - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムに関するも
のである。
[従来の技術] 二軸配向ポリエステルフィルムとしては少なくとも片
面の走行性が改良されたフィルムが知られている(例え
ば、特公昭63−18249号公報等)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の二軸配向ポリエステルフィ
ルムでは、フィルムの加工工程、例えば包装用途いおけ
る印刷工程、磁気媒体用途における磁性層塗布・カレン
ダー工程等の工程速度の増大に伴い、接触するロール等
でフィルム表面にスクラッチ傷が生じ、加工工程上、製
品性能上のトラブルとなる問題が出てきている。さら
に、その耐スクラッチ性を満足しようとして、加工工程
内又は工程外でフィルム表面にコーティング等の処理を
行なうと、例えば使用条件が苛酷な場合、高温高湿での
摩擦係数が大きいため走行トラブルが生じるという問題
点があった。本発明はかかる課題を解決し、高速での耐
スクラッチ性(以下耐スクラッチ性という)と高温高湿
での滑り性(以下高温μkという)に優れた二軸配向ポ
リエステルフィルムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、(1)少なくとも片面の、表面粗さパラメ
ータRz/Rtが0.85以上、Smが6.0μm以上、自己相関距離
が3.0μm以下であることを特徴とする二軸配向ポリエ
ステルフィルム、(2)少なくとも片面の、表面粗さパ
ラメータRt2/Rt1が0.9以上、Rt3/Rt2が0.8以上であるこ
とを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルムである。
本発明におけるポリエステルとは、方向族ジカルボン
酸を主たる酸成分とし、芳香族又は脂肪族ジオールを主
たるグリコール成分とするポリエステルである。フィル
ム成形性を有するものであれば特に限定されないが、エ
チレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−
クロロフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレー
ト、エチレン−2,6−ナフタレート単位を主要構成成分
とするのが望ましい。但し、本発明を阻害しない範囲
内、好ましくは15モル%以内であれば他成分が共重合さ
れていてもよい。また、エチレンテレフタレートを主要
構成成分とするポリエステルの場合に、高温がμkがよ
り一層良好となるので特に望ましい。
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムの少な
くとも片面は、ポリエステル中に含有される粒子により
表面突起が形成されている。本発明で使用する粒子は相
対標準偏差が0.5以下、好ましくは0.4以下の場合に耐ス
クラッチ性、高温μkがより一層良好となるので極めて
望ましい。更に、粒子の形状は球形である場合に耐スク
ラッチ性、高温μkがより一層良好となるので極めて望
ましい。粒子としては、ポリエステルに対し不活性なも
のであれば、その種類は特に限定されないが、コロイダ
ルシリカに起因するシリカ、球形有機粒子、特に架橋型
の球形有機粒子、例えばスチレンジビニルベンゼン共重
合体粒子が望ましい。また、その表面は表面改質がなさ
れていてもよい。
添加粒子の平均粒径は特に限定されないが0.02〜0.3
μm、好ましくは0.1〜1.5μm、さらに好ましくは0.15
〜1.2μmの場合に耐スクラッチ性、高温μkがより一
層良好となるので望ましい。本発明の粒子の含有量は0.
3〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%、さらに好まし
くは0.8〜10重量%の場合に本発明の表面形態を得るの
に有効である。
本発明のフィルムは、上記組成物を主要成分とする
が、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他種ポリマを
ブレンドしてもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑
剤、紫外線吸収剤、核生成剤等の無機または有機添加剤
が、通常添加される程度添加されていてもよい。本発明
は上記組成物を二軸配向せしめたフィルムであって、そ
の配向の程度を示す厚さ方向の屈折率比は特に限定され
ないが、0.935〜0.970の範囲である場合に、耐スクラッ
チ性、高温μkがより一層良好となるので特に望まし
い。さらに、本発明のフィルムは厚み方向全範囲にわた
り、熱可塑性樹脂で結晶化度が高い場合に耐スクラッチ
性、高温μkがより一層良好となるので特に好ましい。
また、ガラス転移点Tgと冷結晶化温度Tccとの差ΔTcg
(=Tcc−Tg)が30〜120℃である場合に、耐スクラッチ
性、高温μkがより一層良好となるので特に望ましい。
本発明(1)のフィルムは、少なくとも片面の表面粗
さパラメータRz/Rtが0.85以上であることが必要であ
る。Rz/Rtが0.85未満であると耐スクラッチ性を満足す
ることができない。好ましくはRz/Rtが0.87以上、さら
に好ましくはRz/Rtが0.9以上である。Rz/Rtの上限は1.0
である。Smは6.0μm以下であることが必要である。Sm
が6.0μmを超えると耐スクラッチ性を満足することが
できない。好ましくはSmが5.0μm以下、さらに好まし
くはSmが4.0μmである。Smの下限はおよそ2.0μmが製
造上の限界である。さらに、自己相関距離が3.0μm以
下であることが必要である。自己相関距離が3.0μmを
超えると耐スクラッチ性、高温μkを満足することがで
きない。好ましくは自己相関距離が2.5μm以下、さら
に好ましくは自己相関距離が2.0μm以下である。自己
相関距離の下限はおよそ0.5μmくらいが製造上の限界
である。
また、本発明(2)のフィルムは、少なくとも片面の
表面粗さパラメータRt2/Rt1が0.9以上であることが必要
である。Rt2/Rt1が0.9未満であると耐スクラッチ性、高
温μkを満足することができない。好ましくはRt2/Rt1
が0.92以上である。Rt2/Rt1の上限は1.0である。さら
に、Rt3/Rt2が0.8以上であることが必要である。Rt3/Rt
2が0.8未満であると耐スクラッチ性、高温μkを満足す
ることができない。好ましくはRt3/Rt2が0.83以上であ
る。Rt3/Rt2の上限は1.0である。
本発明のフィルムは、フィルム表面の全反射ラマン結
晶化指数が13cm-1以上、好ましくは17cm-1以上の場合に
耐スクラッチ性、高温μkがより一層良好となるので特
に望ましい。さらに、本発明のフィルムのヤング率は特
に限定されないが、長手方向、幅方向のヤング率が共に
400kg/mm2以上である場合に高温μkがより一層良好と
なるので特に望ましい。さらに、幅方向のヤング率が長
手方向のヤング率より100kg/mm2以上高い場合に高温μ
kがより一層良好となるので特に望ましい。
次に、本発明のフィルムの製造方法について述べる。
本発明のフィルムを構成するポリエステルは、直接エ
ステル化を経る重縮合を行なって、あるいはエステル交
換反応を経る重縮合を行なって得られる。粒子をスラリ
ーでポリマに添加する方法としては、重合時に添加する
方法を採用することができる。粒子の含有量を調節する
方法として、高濃度のマスタペレット、好ましくは3〜
50重量%の粒子濃度のマスタペレットを製膜時に希釈す
るマスタペレット法が好ましい。その場合マスタペレッ
トの固有粘度、共重合成分を調整して、ΔTcg(=Tcc−
Tg)を70〜100℃の範囲とし、かつ、該マスタポリマを
実質的に粒子を含有しないポリエステルで希釈する時、
該マスタポリマのΔTcg1と実質的に粒子を含有しないポ
リエステルのΔTcg0との差(dΔTcg=ΔTcg0−ΔTcg
1)を10℃以下、好ましくは5℃以下にしておくこと
は、本発明の表面パラメータを得るのに極めて有効であ
る。
上記で得られた粒子含有ポリエステルをポリエステ
ル、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリオレ
フィン等の熱可塑性樹脂フイルムの少なくとも片面に積
層するのが本発明の表面パラメータを得るのに極めて有
効である。粒子含有ポリエステルと熱可塑性樹脂なかで
もポリエステル樹脂を、公知の溶融積層用押出し機に供
給し、スリット状のダイからシート状に押出し冷却固化
せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、複数(2又
は3)台の押出し機を用いて、ポリエステルと熱可塑性
樹脂を積層し、口金から複数層のシートを押し出し、冷
却固化して未延伸フイルムを作る。その場合、積層部の
厚さは0.05〜20μm、好ましくは0.1〜5μm、さらに
好ましくは0.5〜3μmである。また、添加粒子の大き
さは、平均流径が延伸後の積層部厚さの0.1〜4倍、好
ましくは0.2〜2倍、さらに好ましくは0.5〜1.5倍であ
る。
次に、この未延伸フィルムを二軸延伸し配向させる。
延伸方法としては、逐次二軸延伸法、または同時二軸延
伸法を用いることができる。この場合の延伸条件として
は、まず長手方向に3〜5倍、次に幅方向に3〜5倍延
伸を行なうのが本発明の表面パラメータを得るのに有効
である。長手方向の延伸において、ロール間で機械的に
ニップするのではなく、静電気的にニップする方法を用
いるのが本発明の表面パラメータを得るのに特に有効で
ある。延伸温度はTg〜Tg+20℃の範囲が本発明の表面パ
ラメータを得るのに有効であるが、延伸温度の設定は熱
可塑性樹脂のTgを基準として設定する必要がある。長手
方向延伸の後、幅方向に延伸を行ない、さらに必要に応
じて、長手方向の再延伸を行なう方法を用いることがで
きるが、その場合においてもロール間で機械的にニップ
するのではなく、静電気的的にニップする方法を用いる
のが本発明の表面パラメータを得るのに特に有効であ
る。次に、延伸フィルムを熱処理するが、その時の熱処
理条件としては、温度180〜230℃、好ましくは190〜220
℃の範囲で、0.5〜60秒間熱処理する方法が一般的であ
るが、積層フィルムの場合ポリエステル層に吹き付ける
熱風温度を熱可塑性樹脂よりも3〜20℃低くすること
が、本発明の表面パラメータを得るのに有効である。
[特性の測定方法並びに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は
次の通りである。
(1)粒子の平均粒径、粒径の相対標準偏差 粒子をエチレングリコール中にまたは水スラリーとし
て分散させ、延伸沈降式粒度分布測定装置(堀場製作所
製CAPA500)を用いて、体積平均径Di(μm)を測定し
た。粒径の相対標準偏差は平均径D、粒子総数Nから計
算される標準偏差 を平均径Dで割った値(σ/D)で定義した。
(2)粒子の含有量 ポリエステルに、該ポリエステルを溶解し含有粒子を
溶解しない溶媒を加え加熱した後、日立工機製超遠心機
55P−72を用い遠心分離を行ない、得られた粒子を真空
乾燥する。その粒子を走査型差動熱量計にて測定した
時、ポリマに相当する溶解ピークが認められる場合には
さらに溶媒を加え、加熱後再び遠心操作を行なう。溶解
ピークが認められなくなった時、粒子を析出粒子とす
る。通常遠心分離操作は2回で足りる。かくして分離さ
れた粒子の全体重量に対する比率(重量%)をもって含
有量とする。
(3)極限粘度 ASTM D1601に従って、o−クロロフェノール中で測
定したもので、dl/gで表わす。
(4)ガラス転移点Tg、冷結晶化温度Tcc パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次のとおりであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、300℃の
温度で5分間溶解した後、液体窒素中に急冷する。この
急冷試料を10℃/minで昇温し、ガラス転移点Tgを検知し
た。さらに昇温を続け、ガラス状態からの結晶化発熱ピ
ーク温度をもって冷結晶化温度Tccとした。
(5)表面粗さパラメータRt、Rz、Sm 小板研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて
測定した。最大高さRtは粗さ曲線の最大の山と最深の谷
の距離、十点平均粗さRzは高い方から5点の山の平均と
深い方から5点の谷の平均の差で表わされる。また、平
均間隔Smは粗さ曲線の中心線と交わる一組の山と谷の平
均間隔で表わされる。測定条件は下記のとおりであり、
20回の測定の平均値をもって値とした。
・触針先端半径:0.50μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、各パラメータの定義の詳細は、たとえば、奈良
治郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センタ
ー、1983)に示されている。
(6)自己相関距離 上記(5)項と同条件で、得られた粗さ曲線を高速フ
ーリエ変換し、周波数成分の2乗(パアースペクトラ
ム)を求め、さらに高速逆フーリエ変換して自己相関関
数を求めた。自己相関距離はその自己相関関数が0.1(1
0%)となる距離で定義した。
(7)表面粗さパラメータRt1、Rt2、Rt3 上記(5)項と同様にして、得られた粗さ曲線のカッ
トオフ値を変えて最大高さRtを求めた。Rt1はカットオ
フ値0.08mm、Rt2はカットオフ値0.025mm、Rt3はカット
オフ値0.008mmでの最大高さRtである。
(8)ヤング率 JIS−Z−1702に準拠し、インストロンタイプの引っ
張り試験機を用いて、25℃相対湿度65%にて測定した。
(9)屈折率、屈折率比 ナトリウムD線(波長589nm)を光源としてアッベ屈
折率計を用いて20℃、相対湿度60%にて測定した。な
お、マウント液にはイオウ−ヨウ化メチレン溶液を用い
た。また、二軸配向フィルムの厚さ方向の屈折率(Aと
する)及び溶融プレス後10℃の水中へ急冷して作った無
配向(アモルファス)フィルムの厚さ方向の屈折率(B
とする)を測定し、A/Bをもって厚さ方向の屈折率比と
した。
(10)表面の全反射ラマン結晶化指数 Jobin−Yvon社製Ramanor U−1000ラマンシステムによ
り、全反射ラマンスペクトルを測定し、カルボニル基の
伸縮振動である1730cm-1の半価幅をもって表面の全反射
ラマン結晶化指数とした。測定深さは表面から500〜1,0
00Åであり、測定条件は次のとおりである。
光源 アルゴンイオンレーザー(5,145cm-1) 試料のセッティング レーザー偏光方向(S偏光)とフィルム長手方向が平
行となるようにフィルム表面を全反射プリズムに圧着さ
せ、レーザーのプリズムへの入射角(フィルム厚さ方向
との角度)は60゜とした。
検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C1
230)(supply 1,600V) 測定条件 SLIT 1,000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAC SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (11)高温μk 60℃相対湿度80%の雰囲気下で、外径6mmφの固定軸
(表面粗度0.2S)に1/2インチ幅のテープ状フィルムを
角度θ=πradで接触させ、3.3cm/sの速さで走行させ
る。入口テンションT1を25gとした時の出口テンションT
2を測定し、次式から動摩擦係数(μk)を算出する。
μk=(1/θ)In(T2/T1) =(1/π)In(T2/25) このμk値が0.25以下の場合走行性が良好、それを超
える場合走行性が不良である。
(12)耐スクラッチ性 20℃相対湿度60%の雰囲気下で(11)項と同様にし、
500m/min(=833cm/s)の速さで100回走行させた後のフ
ィルム表面をアルミ蒸着して、スクラッチ傷の本数、幅
の大きさ及び白粉の発生状態を微分干渉顕微鏡で観察し
た。全くスクラッチ傷が見られずかつ白粉の発生のない
ものを耐スクラッチ性:5、スクラッチ傷が3本/cm未満
でかつ白粉の発生がほとんどないものを耐スクラッチ
性:4、スクラッチ傷が3〜10本/cmで幅の大きいものも
あり、かつ白粉がかなり発生しているものを耐スクラッ
チ性:3、スクラッチ傷が10本cm以上で幅も大きくかつ白
粉が著しく発生しているものを耐スクラッチ性:2、それ
以外を耐スクラッチ性:1と判定した。耐スクラッチ性が
5または4であれば実用上問題なく使用できる。
[実施例] 本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1 粒子として、平均粒径0.3μmのコロダイルシリカを
含有するエチレングリコールスラリーを調製した。この
スラリーを常法によりエステル交換反応を行ない重合し
て、粒子を40重量%含有する極限粘度0.65のポリエチレ
ンテレフタレートの粒子マスタペレットを得た。次い
で、これを実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレ
フタレートペレットと混合し、粒子の含有量が6重量%
となるように混合した(ポリエステルA)。また、常法
によって、固有粘度0.62の実質的に粒子を含有しないポ
リエチレンテレフタレートを得た(熱可塑性樹脂B)。
これらの2種類のポリマをそれぞれ180℃で6時間真空
乾燥した後、ポリエステルAを押出機1に供給し、熱可
塑性樹脂Bを押出機2に供給しこれらを積層した。次い
で溶融押出しし、T型口金からシート状に吐出した。こ
の溶融シートを表面温度52℃の冷却ドラムに巻き付け
て、冷却固化せしめて2層構造の未延伸フィルムを作っ
た。この時、それぞれの押出機の吐出量を調節し全厚さ
及びポリエステル層の厚さを調節した。この未延伸シー
トを長手方向に静電気的なニップにより85℃で4.0部延
伸した。延伸速度の平均は8,000%/minであった。この
一軸延伸フィルムをステンタを用いて延伸速度3,000%/
min、100℃で幅方向に3.8倍延伸した。次いで、このフ
ィルムを冷却することなく、そのまま熱処理ゾーンへ置
き、210℃で3秒間熱固定し、全厚さ15μm、ポリエス
テル層厚さ0.3μmの二軸配向積層フィルムを得た。
実施例2〜5 実施例1の諸条件の中で、添加する粒子の種類、平均
粒径、添加量及び積層高さ、延伸条件、処理条件を種々
変更することにより、特性の異なるサンプルを作った。
これらのフィルムの評価結果をまとめて第1表及び第2
表に示した。それらから、フィルムの表面パラメータが
本発明範囲内の場合は耐スクラッチ性、高温μkを両立
するフィルムが得られることがわかる。
比較例1 粒子として、平均粒径0.7μmの炭酸カルシウムを含
有するエチレングリコールスラリーを調製した。そのス
ラリーを常法によりエステル交換反応を行ない重合し
て、粒子を10重量%含有する極限粘度0.615のポリエチ
レンテレフタレートの粒子マスタペレットを得た。これ
を実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレフタレー
トと混合し、粒子の含有量が2重量%となるように混合
し180℃、6時間真空乾燥した後、押出し機に供給して2
80℃で溶融押出し、フィルターを経由してT型口金から
シート状に吐出した。この溶融シートを表面温度55℃の
冷却ドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸シー
トを作った。
この未延伸シートを長手方向に85℃で3.6倍延伸し
た。この延伸はロール間の周速差で行なった。延伸速度
の平均は10,000%/minであった。この一軸延伸フィルム
をステンタを用いて延伸速度3,000/min、100℃で幅方向
に3.8倍延伸した。次いで、このフィルムを冷却するこ
となく、そのまま熱処理ゾーンへ導き、210℃で3秒間
固定し厚さ15μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得
た。
比較例2 常法によりエステル交換反応を行ない重合して、固有
粘度0.62の実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレ
フタレートを得た。このポリマを180℃で6時間真空乾
燥した後、ポリエステルAを押出機に供給し、T型口金
からシート状に吐出した。この溶融シートを表面温度52
℃の冷却ドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸
フィルムを作った。この未延伸シートを長手方向に85℃
で4.0倍延伸した。その後、平均粒径0.3μmのコロイダ
ルシリカを塗布厚が0.1μmとなるように、ポリエステ
ルバインダーとともに上記一軸延伸フィルムに塗布し
た。このコーティングされた一軸延伸フィルムをステン
タを用いて延伸速度3,000%/min、100℃で幅方向に3.8
倍延伸した。次いで、このフィルムを冷却することな
く、そのまま熱処理ゾーンへ導き、210℃で3秒間熱固
定し、全厚さ15μmの二軸配向コーティングフィルムを
得た。
比較例3〜4 比較例1の諸条件の中で、添加する粒子の種類、平均
粒径、添加量及び延伸条件、処理条件を変更することに
より、特性の異なるサンプルを作った。
比較例5 比較例2の諸条件の中で、添加する粒子の平均粒径、
添加量及び延伸条件、処理条件を変更することにより、
特性の異なるサンプルを作った。
これらのフィルムの評価結果をまとめて第1表及び第
2表に示した。それらから、フィルムの表面パラメータ
が本発明範囲内でない場合は耐スクラッチ性、高温μk
を両立するフィルムが得られないことがわかる。
[発明の効果] 本発明は表面粗さパラメータを特定範囲としたので、
耐スクラッチ性、高温μkに優れたフィルムが得られ
た。これはさらにまた、今後の磁気記録媒体の高品質化
のための高出力化にも対応できるものである。
本発明のフィルムは、その片面または両面に磁性層を
設けることによって各種の磁気記録媒体、例えなビデオ
テープ、オーディオテープ、フロッピーディスク等に加
工されて利用される。なお、本発明のフィルムの用途は
磁気記録媒体用として有用であるがその他、例えばグラ
フィック、スタンピングフォイル、電気絶縁材料、コン
デンサー用誘電体、包装用等でも耐削れ性、滑り性が問
題となる用途では、有効に利用され得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも片面の、表面粗さパラメータRz
    /Rtが0.85以上、Smが6.0μm以下、自己相関距離が3.0
    μm以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステル
    フィルム。
  2. 【請求項2】少なくとも片面の、表面粗さパラメータRt
    2/Rt1が0.9以上、Rt3/Rt2が0.8以上であることを特徴と
    する二軸配向ポリエステルフィルム。
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