JP2555717B2 - 二軸配向ポリエスルテルフィルム及びその製造方法 - Google Patents

二軸配向ポリエスルテルフィルム及びその製造方法

Info

Publication number
JP2555717B2
JP2555717B2 JP29906588A JP29906588A JP2555717B2 JP 2555717 B2 JP2555717 B2 JP 2555717B2 JP 29906588 A JP29906588 A JP 29906588A JP 29906588 A JP29906588 A JP 29906588A JP 2555717 B2 JP2555717 B2 JP 2555717B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
particles
biaxially oriented
polyester film
polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP29906588A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02143836A (ja
Inventor
巌 岡崎
晃一 阿部
彰二 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP29906588A priority Critical patent/JP2555717B2/ja
Publication of JPH02143836A publication Critical patent/JPH02143836A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2555717B2 publication Critical patent/JP2555717B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、二軸配向ポリエステルフィルム及びその製
造法に関するものである。
[従来の技術] 二軸配向ポリエステルフィルムとしては少なくとも片
面の走行性が改良されたフィルムが知られている(例え
ば、特公昭63−18249号公報等)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の二軸配向ポリエステルフィ
ルムでは、例えば、磁気媒体用途における磁性層塗布、
カレンダー工程、あるいは、できたビデオテープ等をダ
ビングしてソフトテープ等を製造する工程等の工程速度
の増大に伴い、接触するロールやガイドでフィルム表面
に傷がつくという欠点があった。また、従来のもので
は、上記ダビング時の画質低下のために、ビデオテープ
にした時の画質、すなわち、S/N(シグナル/ノイズ
比)も不十分という欠点があった。本発明はかかる課題
を解決し、特に高速工程でフィルムに傷がつきにくく
(以下耐スクラッチ性に優れるという)、しかもダビン
グ時の画質低下の少ない(以下耐ダビング性に優れると
いう)二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法
を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、(1)少なくとも片面の表面粗さパラメー
タRt/Raが8.0以下であることを特徴とする二軸配向ポリ
エステルフィルム、(2)少なくとも片面の表面粗さパ
ラメータσ/Hが0.8以下であることを特徴とする二軸配
向ポリエステルフィルム、(3)少なくとも片面の全反
射ラマン結晶化指数が15cm-1以上であることを特徴とす
る上記(1)又は(2)に記載の二軸配向ポリエステル
フィルム、(4)ポリエステルフィルムの少なくとも片
面に、平均粒径0.02〜1.0μmの粒子を含有する極限粘
度が0.56〜0.8であるポリエステルを0.2〜5μm積層し
た後、縦横の延伸倍率の積が10倍以上となるように二軸
延伸することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれ
かに記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に
関するものである。
本発明におけるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸
を主たる酸成分とし、芳香族または脂肪族ジオールを主
たるグリコール成分とするポリエステルである。フィル
ム成形性を有するものであれば特に限定されないが、エ
チレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−
クロロフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレー
ト、エチレン−2,6−ナフタレート単位を主要構成成分
とするのが望ましい。但し、本発明を阻害しない範囲
内、好ましくは15モル%以内であれば他成分が共重合さ
れていてもよい。また、エテレンテレフタレートを主要
構成成分とするポリエステルの場合に、耐ダビング性が
より一層良好となるので特に望ましい。
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムの少な
くともその片面は、ポリエステル中に含有される粒子に
より表面突起が形成されている。本発明で用いられる粒
子は相対標準偏差が0.5以下、好ましくは0.4以下の場合
に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となる
ので極めて望ましい。さらに、粒子の形状は球形である
場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好と
なるので極めて望ましい。粒子としては、ポリエステル
に対し不活性なものであれば、その種類は特に限定され
ないが、コロイダルシリカに起因するシリカ、有機高分
子粒子、特に高分子架橋重合体粒子、例えば架橋球状ス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体粒子が望ましい。ま
た、その表面は表面改質がなされていてもよい。
添加粒子の平均粒径は特に限定されないが、0.02〜1.
0μm、好ましくは0.02〜0.5μmの場合に耐スクラッチ
性、耐ダビング性がより一層良好となるので望ましい。
本発明の粒子の含有量は0.3〜50重量%、好ましくは0.5
〜30重量%、さらに好ましくは0.8〜20重量%の場合に
本発明の表面形態を得るのに有効である。
本発明のフィルムは、上記組成物を主要成分とする
が、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他種ポリマを
ブレンドしてもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑
剤、紫外線吸収剤、核生成剤等の無機または有機添加剤
が、通常添加される程度添加されていてもよい。本発明
は上記組成物を二軸配向せしめたフィルムであって、そ
の配向の程度を示す厚さ方向の屈折率比は特に限定され
ないが、0.935〜0.970の範囲である場合に、耐スクラッ
チ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特に望ま
しい。さらに、ガラス転移点Tgと冷結晶化温度Tccとの
差ΔTcg(=Tcc−Tg)が30〜120℃である場合に、耐ス
クラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特
に望ましい。
本発明(1)のフィルムは耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性の点で、少なくとも片面の表面粗さパラメータRt/R
aが8.0以下であることが必要である。より好ましくは、
Rt/Raが7.5以下、さらに好ましくはRt/Raが7.0以下であ
る。Rt/Raの下限はおよそ4.0が製造上の限界である。
本発明(2)のフィルムは耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性の点で、少なくとも片面の表面粗さパラメータσ/H
が0.8以下であることが必要である。より好ましくはσ/
Hが0.7以下、さらに好ましくはσ/Hが0.6以下である。
σ/Hの下限はおよそ0.01が製造上の限界である。
さらに、本発明のフィルムは耐スクラッチ性、耐ダビ
ング性の点で、少なくとも片面の全反射ラマン結晶化指
数が15cm-1以上であることが望ましい。より望ましくは
全反射ラマン結晶化指数が17cm-1以上、さらに望ましく
は全反射ラマン結晶化指数が18cm-1以上である。全反射
ラマン結晶化指数がおよそ25cm-1が製造上の限界であ
る。
本発明のフィルムのヤング率は特に限定されないが、
長手方向、幅方向のヤング率が共に400kg/mm2以上であ
る場合に耐ダビング性がより一層良好となるので特に望
ましい。さらに、幅方向のヤング率が長手方向のヤング
率より100kg/mm2以上高い場合に耐ダビング性がより一
層良好となるので特に望ましい。また、本発明のフィル
ムは、表面突起数N(1/mm2)、粒子含有量C(wt
%)、及び粒子径D(nm)から得られる値ND3/Cが4×1
013以上、好ましくは7×1013以上、さらに好ましくは1
0×1013以上の場合に耐ダビング性がより一層良好とな
るので特に望ましい。
次に、本発明のフィルムの製造方法について述べる。
本発明フィルムのポリエステルは、直接エステル化を
経る重縮合を行なって、あるいはエステル交換反応を経
る重縮合を行なって得られる。粒子をポリマに添加する
方法としては、重合時に添加する方法を用いることがで
きる。粒子の含有量を調節する方法として、高濃度のマ
スタペレット、好ましくは3〜50重量%の粒子濃度のマ
スタペレットを製膜時に希釈するマスタペレット法が好
ましい。この場合の極限粘度は0.56〜0.8の範囲が望ま
しい。さらに、マスタペレットの極限粘度、共重合成分
を調整して、ΔTcgを70〜100℃の範囲とし、かつ、該マ
スタポリマを実質的に粒子を含有しないポリエステルで
希釈する時、該マスタポリマのΔTcg1と実質的に粒子を
含有しないポリエステルのΔTcg0との差(dΔTcg=ΔT
cg0−ΔTcg1)を10℃以下、好ましくは5℃以下にして
おくことは、本発明の表面パラメータを得るのに極めて
有効である。その場合、添加粒子の平均粒径は、延伸後
の積層部厚さの0.1〜20倍、さらに0.2〜10倍が望まし
い。
上記で得られた粒子含有ポリエステルを、ポリエステ
ルフィルムの少なくとも片面に0.2〜5μm積層するの
が、本発明の表面パラメータを得るのに極めて有効であ
る。つまり、粒子含有ポリエステルAとポリエステルB
を異なる溶融押出し機に供給し、それらをポリマ流路の
断面形状を矩形としたピノール、フィードブロックを通
し、スリット状の口金からシート状に吐出し冷却固化せ
しめて未延伸フィルムを作る。この場合、未延伸フィル
ムに押出し成形する時の、口金スリット間隙/未延伸フ
ィルム厚さの比を5〜30、好ましくは8〜20の範囲にす
るのが本発明範囲の表面パラメータを得るのに極めて有
効である。その場合、積層部の厚さは0.2〜5μm、さ
らに0.2〜3μmが望ましい。
次に、この未延伸フィルムを二軸延伸し配向させるこ
とにより、本発明のフィルムは積層部も二軸延伸され
る。延伸方法としては、逐次二軸延伸法、または同時二
軸延伸法を用いることができる。この場合の延伸条件と
しては、まず長手方向に3〜5倍、次に幅方向に3〜5
倍延伸を行ない、縦横の延伸倍率の積が10倍以上とする
のが本発明の表面パラメータを得るのに有効である。長
手方向の延伸において、ロール間で機械的にニップする
のではなく、静電気的にニップする方法を用いるのが本
発明の表面パラメータを得るのに特に有効である。延伸
温度はTg〜Tg+20℃の範囲が本発明の表面パラメータを
得るのに有効である。長手方向延伸の後、幅方向に延伸
を行ない、さらに必要に応じて、長手方向の再延伸を行
なう方法を用いることができるが、その場合においても
ロール間で機械的にニップするのではなく、静電気的に
ニップする方法を用いるのが本発明の表面パラメータを
得るのに特に有効である。次に、延伸フィルムを熱処理
する。その時の熱処理条件としては、温度180〜230℃、
好ましくは190〜220℃の範囲で、0.5〜60秒間熱処理す
る方法が一般的である。
[特性の測定方法並びに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は
次のとおりである。
(1)粒子の平均粒径、粒径の相対標準偏差 粒子含有フィルムをエッチング処理し、粒子表層ポリ
マを除去した後、粒子を露出させ、走査型電子顕微鏡下
2万倍で観察し粒子径Diを測定した。粒径の相対標準偏
差は平均粒径D、粒子数Nから計算される標準偏差 を平均粒径Dで割った値(σ/D)で定義した。
(2)粒子含有量 ポリエステルに、該ポリエステルを溶解し含有粒子を
溶解しない溶媒を加え加熱した後、日立工機製超遠心機
55P−72を用い遠心分離を行ない、得られた粒子を真空
乾燥する。その粒子をDSC(示差走査熱量計)にて測定
した時、ポリマに相当する溶解ピークが認められる場合
にはさらに溶媒を加え、加熱後再び遠心分離操作を行な
う。溶解ピークが認められなくなった時、粒子を析出粒
子とする。通常遠心分離操作は2回で足りる。かくして
分離された粒子の全体重量に対する比率(重量%)をも
って含有量とする。
(3)固有粘度[η](単位はdl/g) o−クロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度か
ら下記式で計算される値を用いる。すなわち、 ηSP/C=[η]+K[η]・C ここでηSP=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒
100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、
Kはハギンス定数(0.343とする)。また、溶液粘度、
溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
(4)ガラス転移点Tg、冷結晶化温度Tcc DSC(示差走査熱量計)を用いて測定した。測定条件
は次のとおりである。すなわち、試料10mgをDSC装置に
セットし、300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素
中に急冷する。この急冷試料を10℃/minで昇温し、ガラ
ス転移点Tgを検知した。さらに昇温を続け、ガラス状態
からの結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tcc
とした。
(5)表面粗さパラメータRa、Rt 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて
測定した。Raは中心線平均粗さ、Rtは最大高さで粗さ曲
線の最大の山と最深の谷の距離で表わす。測定条件は下
記のとおりであり、20回の測定の平均値をもって値とし
た。
・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重:5mg ・測定長:1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、各パラメータの定義の詳細は、たとえば、奈良
治郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センタ
ー、1983)に示されている。
(6)表面粗さパラメータσ、H 上記(5)と同様にしてフィルム表面粗さ曲線につい
て中心線方向をx軸、それに直交する高さ方向をy軸と
して、表面粗さ曲線yの極小値yi1と最も隣合う極大値y
i2の差yi2−yi1を突起高さHiと定義した。但し、突起高
さHiは3nm以上とした。表面粗さパラメータσ、Hはこ
の突起について次式で定義される。
(7)ヤング率 JIS−Z−1702に準拠し、インストロンタイプの引っ
張り試験機を用いて、25℃相対湿度65%にて測定した。
(8)屈折率、屈折率比 ナトリウムD線(波長589nm)を光源としてアッベ屈
折率計を用いて20℃、相対湿度60%にて測定した。な
お、マウント液にはイオウ−ヨウ化メチレン溶液を用い
た。また、二軸配向フィルムの厚さ方向の屈折率(Aと
する)及び溶融プレス後10℃の水中へ急冷して作った無
配向(アモルファス)フィルムの厚さ方向の屈折率(B
とする)を測定し、A/Bをもって厚さ方向の屈折率比と
した。
(9)表面の全反射ラマン結晶化指数 Jobin−Yvon社製Ramanor U−1000ラマンシステムによ
り、全反射ラマンスペクトルを測定し、カルボニル基の
伸縮振動である1730cm-1の半価幅をもって表面の全反射
ラマン結晶化指数とした。測定深さは表面から500〜1,0
00Åであり、測定条件は次のとおりである。
光源 アルゴンイオンレーザー(5145A) 試料のセッティング レーザー偏光方向(S偏光)とフィルム長手方向が平行
となるようにフィルム表面を全反射プリズムに圧着さ
せ、レーザーのプリズムへの入射角(フィルム厚さ方向
との角度)は60゜とした。
検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C123
0)(supply 1,600V) 測定条件 SLIT 1,000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (10)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールによ
り塗布し、磁気配向させ乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダー処理
した後、70℃で48時間キュアリングする。そのテープ原
反を1/2インチにスリットし、パンケーキを作成した。
このパンケーキから長さ250mの長さをVTRカセットに組
み込みVTRカセットテープとした。
(磁性塗料の組成) 重量部 ・C0含有酸化鉄(BET値50m2/g) :100 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 : 10 ・ポリウレタンエラストマ : 10 ・ポリイソシアネート : 5 ・レシチン : 1 ・メチルエチルケトン : 75 ・メチルイソブチルケトン : 75 ・トルエン : 75 ・カーボンブラック : 2 ・ラウリン酸 : 1.5 このテープに家庭用VTRを用いてシバソク製のテレビ
試験波形発生器(TG7/U706)により100%クロマ信号を
記録し、その再生信号からシバソク製カラービデオノイ
ズ測定器(925D/1)でクロマS/Nを測定しAとした。ま
た上記と同じ信号を記録したテープのパンケーキを磁界
転写方式のビデオソフト高速プリントシステム(例えば
ソニーマグネスケール(株)製のスプリンタ)を用いて
同じ種類のテープ(未記録)のパンケーキへダビングし
た後のテープのクロマS/Nを上記と同様にして測定し、
Bとした。このダビングによるクロマS/Nの低下(A−
B)が4.0dB未満の場合は耐ダビング性良好、4.0dB以上
の場合は耐ダビング性不良と判定した。
(11)耐スクラッチ性 20℃相対湿度60%の雰囲気下で、外径6mmφの固定軸
(表面粗度0.2S)に1/2インチ幅のテープ状フィルムを
角度θ=πradで接触させ、入テンション25gで速度500m
/min(=833cm/s)で100回走行させた後のフィルム表面
をアルミ蒸着して、スクラッチ傷の本数、幅の大きさ及
び白粉の発生状態を微分干渉顕微鏡で観察した。全くス
クラッチ傷が見られずかつ白粉の発生のないものを耐ス
クラッチ性:5、スクラッチ傷が3本/cm未満でかつ白粉
の発生がほとんどないものを耐スクラッチ性:4、スクラ
ッチ傷が3〜10本/cmで幅の大きいものもあり、かつ白
粉がかなり発生しているものを耐スクラッチ性:3、スク
ラッチ傷が10本/cm以上で幅も大きくかつ白粉が著しく
発生しているものを耐スクラッチ性:2、それ以外を耐ス
クラッチ性:1と判定した。耐スクラッチ性が5または4
であれば実用上問題なく使用できる。
[実施例] 本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1 粒子として、平均粒径0.3μmのコロイダルシリカを
含有するエチレングリコールスラリーを調製した。この
スラリーを常法によりエステル交換反応を行ない重合し
て、粒子を20重量%含有する極限粘度0.66のポリエチレ
ンテレフタレートの粒子マスタペレットを得た。次い
で、これを実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレ
フタレートペレットと混合し、粒子の含有量が6重量%
とした(ポリエステルA)。また、常法によって、極限
粘度0.62の実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレ
フタレートを得た(ポリエステルB)。これらの2種類
のポリマをそれぞれ180℃で6時間真空乾燥した後、ポ
リエステルAを押出機1に供給し、ポリエステルBを押
出機2に供給し、角型ピノールで合流させ、角型フィー
ドブロックを経由し、T型口金からシート状に吐出し、
冷却固化せしめて3層構造の未延伸フィルムを作った。
この時、それぞれの押出機の吐出量を調節し全厚さ及び
ポリエステル層Aの厚さを調節した。また、口金スリッ
ト間隙/未延伸フィルム厚さの比は10とした。この未延
伸シートを長手方向に静電気的なニップにより85℃で4.
0倍延伸した。延伸速度の平均は12,000%/minであっ
た。この一軸延伸フィルムをステンタを用いて延伸速度
4,500%/min、100℃で幅方向に4.5倍延伸した。次い
で、このフィルムを冷却することなく、そのまま熱処理
ゾーンへ導き、210℃で10秒間熱固定し、全厚さ15μ
m、ポリエステル層厚さ0.1μmの二軸配向積層フィル
ムを得た。
実施例2〜5 実施例1の諸条件の中で、添加する粒子の種類、平均
粒径、添加量及び積層厚さ、延伸条件、処理条件を種々
変更することにより、特性の異なるサンプルを作った。
これらのフィルムの評価結果をまとめて第1〜2表に
示した。それから、フィルムの表面パラメータが本発明
範囲内の場合は耐スクラッチ性、耐ダビング性を両立す
るフィルムが得られることがわかる。
比較例1 粒子として、平均粒径0.8μmの炭酸カルシウムを含
有するエチレングリコールスラリーを調製した。そのス
ラリーを常法によりエステル交換反応を行ない重合し
て、粒子を10重量%含有する極限粘度0.52のポリエチレ
ンテレフタレートの粒子マスタペレットを得た。これを
実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレフタレート
と混合し、粒子の含有量が6重量%となるようにし180
℃、6時間真空乾燥した後、押出し機に供給して280℃
で溶融押出し、フィルターを経由してT型口金からシー
ト状に吐出した。この溶融シートを表面温度55℃の冷却
ドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸シートを
作った。
この未延伸シートを長手方向に85℃で3.4倍延伸し
た。この延伸はロール間の周速差で行なった。延伸速度
の平均は10,000%/minであった。この一軸延伸フィルム
をステンタを用いて延伸速度3,000%/min、100℃で幅方
向に3.6倍延伸した。次いで、このフィルムを冷却する
ことなく、そのまま熱処理ゾーンへ導き、210℃で10秒
間熱固定し厚さ15μmの二軸配向ポリエステルフィルム
を得た。
比較例2、4、5 比較例1の諸条件の中で、添加する粒子の種類、平均
粒径、添加量及び延伸条件、処理条件を変更することに
より、特性の異なるサンプルを作った。
比較例3 常法によりエステル交換反応を行ない重合して、極限
粘度0.62の実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレ
フタレートを得た。このポリマを180℃で6時間真空乾
燥した後、押出し機に供給し、T型口金からシート状に
吐出した。この溶融シートを表面温度52℃の冷却ドラム
に巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸フィルムを作っ
た。この未延伸シートを長手方向に85℃で3.6倍延伸し
た。その後、平均粒径0.3μmのコロイダルシリカを塗
布厚が0.3μmとなるように、水溶性ポリエステルバイ
ンダーとともに上記一軸延伸フィルムに塗布した。この
コーティングされた一軸延伸フィルムをステンタを用い
て延伸速度3,000%/min、100℃で幅方向に3.8倍延伸し
た。次いで、このフィルムを冷却することなく、そのま
ま熱処理ゾーンへ導き、210℃で10秒間熱固定し、全厚
さ15μmの二軸配向コーティングフィルムを得た。
比較例6 比較例3の諸条件の中で、添加する粒子の種類、平均
粒径、添加量、バインダーの種類及び延伸条件、処理条
件を変更することにより、特性の異なるサンプルを作っ
た。
これらのフィルムの評価結果をまとめて第1〜2表に
示した。それらから、フィルムの表面パラメータが本発
明範囲内でない場合は耐スクラッチ性、耐ダビング性を
両立するフィルムが得られないことがわかる。
[発明の効果] 本発明は表面粗さパラメータを特定範囲としたので、
耐スクラッチ性、耐ダビング性に優れたフィルムが得ら
れた。これはさらにまた、今後の磁気記録媒体の高品質
化のための耐摩耗性、高出力化にも対応できるものであ
る。
本発明のフィルムは、その片面または両面に磁性層を
設けることによって各種の磁気記録媒体、例えばビデオ
テープ、オーディオテープ、フロッピーデイスク等に加
工されて利用される。なお、本発明のフィルムの用途は
磁気記録媒体用として有用であるがその他、例えばグラ
フィック、スタンピングフォイル、電気絶縁材料、コン
デンサー用誘電体、包装用等でも耐摩耗性、平滑性が問
題となる用途では、有効に利用され得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも片面の表面粗さパラメータRt/R
    aが8.0以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステ
    ルフィルム。
  2. 【請求項2】少なくとも片面の表面粗さパラメータσ/H
    が0.8以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステ
    ルフィルム。
  3. 【請求項3】少なくとも片面の全反射ラマン結晶化指数
    が15cm-1以上であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、平均粒径0.02〜1.0μmの粒子を含有する極限粘度
    が0.56〜0.8であるポリエステルを0.2〜5μm積層した
    後、縦横の延伸倍率の積が10倍以上となるように二軸延
    伸することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
JP29906588A 1988-11-26 1988-11-26 二軸配向ポリエスルテルフィルム及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2555717B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29906588A JP2555717B2 (ja) 1988-11-26 1988-11-26 二軸配向ポリエスルテルフィルム及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29906588A JP2555717B2 (ja) 1988-11-26 1988-11-26 二軸配向ポリエスルテルフィルム及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02143836A JPH02143836A (ja) 1990-06-01
JP2555717B2 true JP2555717B2 (ja) 1996-11-20

Family

ID=17867747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29906588A Expired - Lifetime JP2555717B2 (ja) 1988-11-26 1988-11-26 二軸配向ポリエスルテルフィルム及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2555717B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5529832A (en) * 1994-11-10 1996-06-25 Teijin Limited Biaxially oriented laminated polyester film
US7582369B2 (en) 2004-02-17 2009-09-01 Toray Industries, Inc. Biaxially oriented polyester film

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02143836A (ja) 1990-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0780282B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
KR960005445B1 (ko) 2축 연신 폴리에스테르 필름
KR100241146B1 (ko) 2축배향열가소성수지필름
JP2555717B2 (ja) 二軸配向ポリエスルテルフィルム及びその製造方法
JP2692320B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
JP2569853B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムおよびフィルムロール
JP2538641B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2671333B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2555700B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2576215B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2827880B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JP2510791B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフイルム
JP2527246B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JP2569838B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JP2605808B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2892273B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JP2525446B2 (ja) 磁気記録媒体用ポリエステルフィルム
JP2803274B2 (ja) 酸化物塗布型磁気記録媒体
JP2581287B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JP2569937B2 (ja) 二軸配向ポリエステルフィルム
JP2804434B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JP2510741B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JP2985340B2 (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム
JPH03140336A (ja) 二軸配向熱可塑性樹脂フイルム
JP2821270B2 (ja) 二軸配向コポリエステルフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080905

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 13

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090905