JP2555717B2 - 二軸配向ポリエスルテルフィルム及びその製造方法 - Google Patents
二軸配向ポリエスルテルフィルム及びその製造方法Info
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- JP2555717B2 JP2555717B2 JP29906588A JP29906588A JP2555717B2 JP 2555717 B2 JP2555717 B2 JP 2555717B2 JP 29906588 A JP29906588 A JP 29906588A JP 29906588 A JP29906588 A JP 29906588A JP 2555717 B2 JP2555717 B2 JP 2555717B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、二軸配向ポリエステルフィルム及びその製
造法に関するものである。
造法に関するものである。
[従来の技術] 二軸配向ポリエステルフィルムとしては少なくとも片
面の走行性が改良されたフィルムが知られている(例え
ば、特公昭63−18249号公報等)。
面の走行性が改良されたフィルムが知られている(例え
ば、特公昭63−18249号公報等)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の二軸配向ポリエステルフィ
ルムでは、例えば、磁気媒体用途における磁性層塗布、
カレンダー工程、あるいは、できたビデオテープ等をダ
ビングしてソフトテープ等を製造する工程等の工程速度
の増大に伴い、接触するロールやガイドでフィルム表面
に傷がつくという欠点があった。また、従来のもので
は、上記ダビング時の画質低下のために、ビデオテープ
にした時の画質、すなわち、S/N(シグナル/ノイズ
比)も不十分という欠点があった。本発明はかかる課題
を解決し、特に高速工程でフィルムに傷がつきにくく
(以下耐スクラッチ性に優れるという)、しかもダビン
グ時の画質低下の少ない(以下耐ダビング性に優れると
いう)二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法
を提供することを目的とする。
ルムでは、例えば、磁気媒体用途における磁性層塗布、
カレンダー工程、あるいは、できたビデオテープ等をダ
ビングしてソフトテープ等を製造する工程等の工程速度
の増大に伴い、接触するロールやガイドでフィルム表面
に傷がつくという欠点があった。また、従来のもので
は、上記ダビング時の画質低下のために、ビデオテープ
にした時の画質、すなわち、S/N(シグナル/ノイズ
比)も不十分という欠点があった。本発明はかかる課題
を解決し、特に高速工程でフィルムに傷がつきにくく
(以下耐スクラッチ性に優れるという)、しかもダビン
グ時の画質低下の少ない(以下耐ダビング性に優れると
いう)二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法
を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、(1)少なくとも片面の表面粗さパラメー
タRt/Raが8.0以下であることを特徴とする二軸配向ポリ
エステルフィルム、(2)少なくとも片面の表面粗さパ
ラメータσ/Hが0.8以下であることを特徴とする二軸配
向ポリエステルフィルム、(3)少なくとも片面の全反
射ラマン結晶化指数が15cm-1以上であることを特徴とす
る上記(1)又は(2)に記載の二軸配向ポリエステル
フィルム、(4)ポリエステルフィルムの少なくとも片
面に、平均粒径0.02〜1.0μmの粒子を含有する極限粘
度が0.56〜0.8であるポリエステルを0.2〜5μm積層し
た後、縦横の延伸倍率の積が10倍以上となるように二軸
延伸することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれ
かに記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に
関するものである。
タRt/Raが8.0以下であることを特徴とする二軸配向ポリ
エステルフィルム、(2)少なくとも片面の表面粗さパ
ラメータσ/Hが0.8以下であることを特徴とする二軸配
向ポリエステルフィルム、(3)少なくとも片面の全反
射ラマン結晶化指数が15cm-1以上であることを特徴とす
る上記(1)又は(2)に記載の二軸配向ポリエステル
フィルム、(4)ポリエステルフィルムの少なくとも片
面に、平均粒径0.02〜1.0μmの粒子を含有する極限粘
度が0.56〜0.8であるポリエステルを0.2〜5μm積層し
た後、縦横の延伸倍率の積が10倍以上となるように二軸
延伸することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれ
かに記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に
関するものである。
本発明におけるポリエステルは、芳香族ジカルボン酸
を主たる酸成分とし、芳香族または脂肪族ジオールを主
たるグリコール成分とするポリエステルである。フィル
ム成形性を有するものであれば特に限定されないが、エ
チレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−
クロロフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレー
ト、エチレン−2,6−ナフタレート単位を主要構成成分
とするのが望ましい。但し、本発明を阻害しない範囲
内、好ましくは15モル%以内であれば他成分が共重合さ
れていてもよい。また、エテレンテレフタレートを主要
構成成分とするポリエステルの場合に、耐ダビング性が
より一層良好となるので特に望ましい。
を主たる酸成分とし、芳香族または脂肪族ジオールを主
たるグリコール成分とするポリエステルである。フィル
ム成形性を有するものであれば特に限定されないが、エ
チレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−
クロロフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレー
ト、エチレン−2,6−ナフタレート単位を主要構成成分
とするのが望ましい。但し、本発明を阻害しない範囲
内、好ましくは15モル%以内であれば他成分が共重合さ
れていてもよい。また、エテレンテレフタレートを主要
構成成分とするポリエステルの場合に、耐ダビング性が
より一層良好となるので特に望ましい。
本発明における二軸配向ポリエステルフィルムの少な
くともその片面は、ポリエステル中に含有される粒子に
より表面突起が形成されている。本発明で用いられる粒
子は相対標準偏差が0.5以下、好ましくは0.4以下の場合
に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となる
ので極めて望ましい。さらに、粒子の形状は球形である
場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好と
なるので極めて望ましい。粒子としては、ポリエステル
に対し不活性なものであれば、その種類は特に限定され
ないが、コロイダルシリカに起因するシリカ、有機高分
子粒子、特に高分子架橋重合体粒子、例えば架橋球状ス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体粒子が望ましい。ま
た、その表面は表面改質がなされていてもよい。
くともその片面は、ポリエステル中に含有される粒子に
より表面突起が形成されている。本発明で用いられる粒
子は相対標準偏差が0.5以下、好ましくは0.4以下の場合
に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となる
ので極めて望ましい。さらに、粒子の形状は球形である
場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好と
なるので極めて望ましい。粒子としては、ポリエステル
に対し不活性なものであれば、その種類は特に限定され
ないが、コロイダルシリカに起因するシリカ、有機高分
子粒子、特に高分子架橋重合体粒子、例えば架橋球状ス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体粒子が望ましい。ま
た、その表面は表面改質がなされていてもよい。
添加粒子の平均粒径は特に限定されないが、0.02〜1.
0μm、好ましくは0.02〜0.5μmの場合に耐スクラッチ
性、耐ダビング性がより一層良好となるので望ましい。
本発明の粒子の含有量は0.3〜50重量%、好ましくは0.5
〜30重量%、さらに好ましくは0.8〜20重量%の場合に
本発明の表面形態を得るのに有効である。
0μm、好ましくは0.02〜0.5μmの場合に耐スクラッチ
性、耐ダビング性がより一層良好となるので望ましい。
本発明の粒子の含有量は0.3〜50重量%、好ましくは0.5
〜30重量%、さらに好ましくは0.8〜20重量%の場合に
本発明の表面形態を得るのに有効である。
本発明のフィルムは、上記組成物を主要成分とする
が、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他種ポリマを
ブレンドしてもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑
剤、紫外線吸収剤、核生成剤等の無機または有機添加剤
が、通常添加される程度添加されていてもよい。本発明
は上記組成物を二軸配向せしめたフィルムであって、そ
の配向の程度を示す厚さ方向の屈折率比は特に限定され
ないが、0.935〜0.970の範囲である場合に、耐スクラッ
チ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特に望ま
しい。さらに、ガラス転移点Tgと冷結晶化温度Tccとの
差ΔTcg(=Tcc−Tg)が30〜120℃である場合に、耐ス
クラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特
に望ましい。
が、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他種ポリマを
ブレンドしてもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑
剤、紫外線吸収剤、核生成剤等の無機または有機添加剤
が、通常添加される程度添加されていてもよい。本発明
は上記組成物を二軸配向せしめたフィルムであって、そ
の配向の程度を示す厚さ方向の屈折率比は特に限定され
ないが、0.935〜0.970の範囲である場合に、耐スクラッ
チ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特に望ま
しい。さらに、ガラス転移点Tgと冷結晶化温度Tccとの
差ΔTcg(=Tcc−Tg)が30〜120℃である場合に、耐ス
クラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特
に望ましい。
本発明(1)のフィルムは耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性の点で、少なくとも片面の表面粗さパラメータRt/R
aが8.0以下であることが必要である。より好ましくは、
Rt/Raが7.5以下、さらに好ましくはRt/Raが7.0以下であ
る。Rt/Raの下限はおよそ4.0が製造上の限界である。
グ性の点で、少なくとも片面の表面粗さパラメータRt/R
aが8.0以下であることが必要である。より好ましくは、
Rt/Raが7.5以下、さらに好ましくはRt/Raが7.0以下であ
る。Rt/Raの下限はおよそ4.0が製造上の限界である。
本発明(2)のフィルムは耐スクラッチ性、耐ダビン
グ性の点で、少なくとも片面の表面粗さパラメータσ/H
が0.8以下であることが必要である。より好ましくはσ/
Hが0.7以下、さらに好ましくはσ/Hが0.6以下である。
σ/Hの下限はおよそ0.01が製造上の限界である。
グ性の点で、少なくとも片面の表面粗さパラメータσ/H
が0.8以下であることが必要である。より好ましくはσ/
Hが0.7以下、さらに好ましくはσ/Hが0.6以下である。
σ/Hの下限はおよそ0.01が製造上の限界である。
さらに、本発明のフィルムは耐スクラッチ性、耐ダビ
ング性の点で、少なくとも片面の全反射ラマン結晶化指
数が15cm-1以上であることが望ましい。より望ましくは
全反射ラマン結晶化指数が17cm-1以上、さらに望ましく
は全反射ラマン結晶化指数が18cm-1以上である。全反射
ラマン結晶化指数がおよそ25cm-1が製造上の限界であ
る。
ング性の点で、少なくとも片面の全反射ラマン結晶化指
数が15cm-1以上であることが望ましい。より望ましくは
全反射ラマン結晶化指数が17cm-1以上、さらに望ましく
は全反射ラマン結晶化指数が18cm-1以上である。全反射
ラマン結晶化指数がおよそ25cm-1が製造上の限界であ
る。
本発明のフィルムのヤング率は特に限定されないが、
長手方向、幅方向のヤング率が共に400kg/mm2以上であ
る場合に耐ダビング性がより一層良好となるので特に望
ましい。さらに、幅方向のヤング率が長手方向のヤング
率より100kg/mm2以上高い場合に耐ダビング性がより一
層良好となるので特に望ましい。また、本発明のフィル
ムは、表面突起数N(1/mm2)、粒子含有量C(wt
%)、及び粒子径D(nm)から得られる値ND3/Cが4×1
013以上、好ましくは7×1013以上、さらに好ましくは1
0×1013以上の場合に耐ダビング性がより一層良好とな
るので特に望ましい。
長手方向、幅方向のヤング率が共に400kg/mm2以上であ
る場合に耐ダビング性がより一層良好となるので特に望
ましい。さらに、幅方向のヤング率が長手方向のヤング
率より100kg/mm2以上高い場合に耐ダビング性がより一
層良好となるので特に望ましい。また、本発明のフィル
ムは、表面突起数N(1/mm2)、粒子含有量C(wt
%)、及び粒子径D(nm)から得られる値ND3/Cが4×1
013以上、好ましくは7×1013以上、さらに好ましくは1
0×1013以上の場合に耐ダビング性がより一層良好とな
るので特に望ましい。
次に、本発明のフィルムの製造方法について述べる。
本発明フィルムのポリエステルは、直接エステル化を
経る重縮合を行なって、あるいはエステル交換反応を経
る重縮合を行なって得られる。粒子をポリマに添加する
方法としては、重合時に添加する方法を用いることがで
きる。粒子の含有量を調節する方法として、高濃度のマ
スタペレット、好ましくは3〜50重量%の粒子濃度のマ
スタペレットを製膜時に希釈するマスタペレット法が好
ましい。この場合の極限粘度は0.56〜0.8の範囲が望ま
しい。さらに、マスタペレットの極限粘度、共重合成分
を調整して、ΔTcgを70〜100℃の範囲とし、かつ、該マ
スタポリマを実質的に粒子を含有しないポリエステルで
希釈する時、該マスタポリマのΔTcg1と実質的に粒子を
含有しないポリエステルのΔTcg0との差(dΔTcg=ΔT
cg0−ΔTcg1)を10℃以下、好ましくは5℃以下にして
おくことは、本発明の表面パラメータを得るのに極めて
有効である。その場合、添加粒子の平均粒径は、延伸後
の積層部厚さの0.1〜20倍、さらに0.2〜10倍が望まし
い。
経る重縮合を行なって、あるいはエステル交換反応を経
る重縮合を行なって得られる。粒子をポリマに添加する
方法としては、重合時に添加する方法を用いることがで
きる。粒子の含有量を調節する方法として、高濃度のマ
スタペレット、好ましくは3〜50重量%の粒子濃度のマ
スタペレットを製膜時に希釈するマスタペレット法が好
ましい。この場合の極限粘度は0.56〜0.8の範囲が望ま
しい。さらに、マスタペレットの極限粘度、共重合成分
を調整して、ΔTcgを70〜100℃の範囲とし、かつ、該マ
スタポリマを実質的に粒子を含有しないポリエステルで
希釈する時、該マスタポリマのΔTcg1と実質的に粒子を
含有しないポリエステルのΔTcg0との差(dΔTcg=ΔT
cg0−ΔTcg1)を10℃以下、好ましくは5℃以下にして
おくことは、本発明の表面パラメータを得るのに極めて
有効である。その場合、添加粒子の平均粒径は、延伸後
の積層部厚さの0.1〜20倍、さらに0.2〜10倍が望まし
い。
上記で得られた粒子含有ポリエステルを、ポリエステ
ルフィルムの少なくとも片面に0.2〜5μm積層するの
が、本発明の表面パラメータを得るのに極めて有効であ
る。つまり、粒子含有ポリエステルAとポリエステルB
を異なる溶融押出し機に供給し、それらをポリマ流路の
断面形状を矩形としたピノール、フィードブロックを通
し、スリット状の口金からシート状に吐出し冷却固化せ
しめて未延伸フィルムを作る。この場合、未延伸フィル
ムに押出し成形する時の、口金スリット間隙/未延伸フ
ィルム厚さの比を5〜30、好ましくは8〜20の範囲にす
るのが本発明範囲の表面パラメータを得るのに極めて有
効である。その場合、積層部の厚さは0.2〜5μm、さ
らに0.2〜3μmが望ましい。
ルフィルムの少なくとも片面に0.2〜5μm積層するの
が、本発明の表面パラメータを得るのに極めて有効であ
る。つまり、粒子含有ポリエステルAとポリエステルB
を異なる溶融押出し機に供給し、それらをポリマ流路の
断面形状を矩形としたピノール、フィードブロックを通
し、スリット状の口金からシート状に吐出し冷却固化せ
しめて未延伸フィルムを作る。この場合、未延伸フィル
ムに押出し成形する時の、口金スリット間隙/未延伸フ
ィルム厚さの比を5〜30、好ましくは8〜20の範囲にす
るのが本発明範囲の表面パラメータを得るのに極めて有
効である。その場合、積層部の厚さは0.2〜5μm、さ
らに0.2〜3μmが望ましい。
次に、この未延伸フィルムを二軸延伸し配向させるこ
とにより、本発明のフィルムは積層部も二軸延伸され
る。延伸方法としては、逐次二軸延伸法、または同時二
軸延伸法を用いることができる。この場合の延伸条件と
しては、まず長手方向に3〜5倍、次に幅方向に3〜5
倍延伸を行ない、縦横の延伸倍率の積が10倍以上とする
のが本発明の表面パラメータを得るのに有効である。長
手方向の延伸において、ロール間で機械的にニップする
のではなく、静電気的にニップする方法を用いるのが本
発明の表面パラメータを得るのに特に有効である。延伸
温度はTg〜Tg+20℃の範囲が本発明の表面パラメータを
得るのに有効である。長手方向延伸の後、幅方向に延伸
を行ない、さらに必要に応じて、長手方向の再延伸を行
なう方法を用いることができるが、その場合においても
ロール間で機械的にニップするのではなく、静電気的に
ニップする方法を用いるのが本発明の表面パラメータを
得るのに特に有効である。次に、延伸フィルムを熱処理
する。その時の熱処理条件としては、温度180〜230℃、
好ましくは190〜220℃の範囲で、0.5〜60秒間熱処理す
る方法が一般的である。
とにより、本発明のフィルムは積層部も二軸延伸され
る。延伸方法としては、逐次二軸延伸法、または同時二
軸延伸法を用いることができる。この場合の延伸条件と
しては、まず長手方向に3〜5倍、次に幅方向に3〜5
倍延伸を行ない、縦横の延伸倍率の積が10倍以上とする
のが本発明の表面パラメータを得るのに有効である。長
手方向の延伸において、ロール間で機械的にニップする
のではなく、静電気的にニップする方法を用いるのが本
発明の表面パラメータを得るのに特に有効である。延伸
温度はTg〜Tg+20℃の範囲が本発明の表面パラメータを
得るのに有効である。長手方向延伸の後、幅方向に延伸
を行ない、さらに必要に応じて、長手方向の再延伸を行
なう方法を用いることができるが、その場合においても
ロール間で機械的にニップするのではなく、静電気的に
ニップする方法を用いるのが本発明の表面パラメータを
得るのに特に有効である。次に、延伸フィルムを熱処理
する。その時の熱処理条件としては、温度180〜230℃、
好ましくは190〜220℃の範囲で、0.5〜60秒間熱処理す
る方法が一般的である。
[特性の測定方法並びに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は
次のとおりである。
次のとおりである。
(1)粒子の平均粒径、粒径の相対標準偏差 粒子含有フィルムをエッチング処理し、粒子表層ポリ
マを除去した後、粒子を露出させ、走査型電子顕微鏡下
2万倍で観察し粒子径Diを測定した。粒径の相対標準偏
差は平均粒径D、粒子数Nから計算される標準偏差 を平均粒径Dで割った値(σ/D)で定義した。
マを除去した後、粒子を露出させ、走査型電子顕微鏡下
2万倍で観察し粒子径Diを測定した。粒径の相対標準偏
差は平均粒径D、粒子数Nから計算される標準偏差 を平均粒径Dで割った値(σ/D)で定義した。
(2)粒子含有量 ポリエステルに、該ポリエステルを溶解し含有粒子を
溶解しない溶媒を加え加熱した後、日立工機製超遠心機
55P−72を用い遠心分離を行ない、得られた粒子を真空
乾燥する。その粒子をDSC(示差走査熱量計)にて測定
した時、ポリマに相当する溶解ピークが認められる場合
にはさらに溶媒を加え、加熱後再び遠心分離操作を行な
う。溶解ピークが認められなくなった時、粒子を析出粒
子とする。通常遠心分離操作は2回で足りる。かくして
分離された粒子の全体重量に対する比率(重量%)をも
って含有量とする。
溶解しない溶媒を加え加熱した後、日立工機製超遠心機
55P−72を用い遠心分離を行ない、得られた粒子を真空
乾燥する。その粒子をDSC(示差走査熱量計)にて測定
した時、ポリマに相当する溶解ピークが認められる場合
にはさらに溶媒を加え、加熱後再び遠心分離操作を行な
う。溶解ピークが認められなくなった時、粒子を析出粒
子とする。通常遠心分離操作は2回で足りる。かくして
分離された粒子の全体重量に対する比率(重量%)をも
って含有量とする。
(3)固有粘度[η](単位はdl/g) o−クロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度か
ら下記式で計算される値を用いる。すなわち、 ηSP/C=[η]+K[η]2・C ここでηSP=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒
100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、
Kはハギンス定数(0.343とする)。また、溶液粘度、
溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
ら下記式で計算される値を用いる。すなわち、 ηSP/C=[η]+K[η]2・C ここでηSP=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒
100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、
Kはハギンス定数(0.343とする)。また、溶液粘度、
溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
(4)ガラス転移点Tg、冷結晶化温度Tcc DSC(示差走査熱量計)を用いて測定した。測定条件
は次のとおりである。すなわち、試料10mgをDSC装置に
セットし、300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素
中に急冷する。この急冷試料を10℃/minで昇温し、ガラ
ス転移点Tgを検知した。さらに昇温を続け、ガラス状態
からの結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tcc
とした。
は次のとおりである。すなわち、試料10mgをDSC装置に
セットし、300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素
中に急冷する。この急冷試料を10℃/minで昇温し、ガラ
ス転移点Tgを検知した。さらに昇温を続け、ガラス状態
からの結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tcc
とした。
(5)表面粗さパラメータRa、Rt 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて
測定した。Raは中心線平均粗さ、Rtは最大高さで粗さ曲
線の最大の山と最深の谷の距離で表わす。測定条件は下
記のとおりであり、20回の測定の平均値をもって値とし
た。
測定した。Raは中心線平均粗さ、Rtは最大高さで粗さ曲
線の最大の山と最深の谷の距離で表わす。測定条件は下
記のとおりであり、20回の測定の平均値をもって値とし
た。
・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重:5mg ・測定長:1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、各パラメータの定義の詳細は、たとえば、奈良
治郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センタ
ー、1983)に示されている。
治郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センタ
ー、1983)に示されている。
(6)表面粗さパラメータσ、H 上記(5)と同様にしてフィルム表面粗さ曲線につい
て中心線方向をx軸、それに直交する高さ方向をy軸と
して、表面粗さ曲線yの極小値yi1と最も隣合う極大値y
i2の差yi2−yi1を突起高さHiと定義した。但し、突起高
さHiは3nm以上とした。表面粗さパラメータσ、Hはこ
の突起について次式で定義される。
て中心線方向をx軸、それに直交する高さ方向をy軸と
して、表面粗さ曲線yの極小値yi1と最も隣合う極大値y
i2の差yi2−yi1を突起高さHiと定義した。但し、突起高
さHiは3nm以上とした。表面粗さパラメータσ、Hはこ
の突起について次式で定義される。
(7)ヤング率 JIS−Z−1702に準拠し、インストロンタイプの引っ
張り試験機を用いて、25℃相対湿度65%にて測定した。
張り試験機を用いて、25℃相対湿度65%にて測定した。
(8)屈折率、屈折率比 ナトリウムD線(波長589nm)を光源としてアッベ屈
折率計を用いて20℃、相対湿度60%にて測定した。な
お、マウント液にはイオウ−ヨウ化メチレン溶液を用い
た。また、二軸配向フィルムの厚さ方向の屈折率(Aと
する)及び溶融プレス後10℃の水中へ急冷して作った無
配向(アモルファス)フィルムの厚さ方向の屈折率(B
とする)を測定し、A/Bをもって厚さ方向の屈折率比と
した。
折率計を用いて20℃、相対湿度60%にて測定した。な
お、マウント液にはイオウ−ヨウ化メチレン溶液を用い
た。また、二軸配向フィルムの厚さ方向の屈折率(Aと
する)及び溶融プレス後10℃の水中へ急冷して作った無
配向(アモルファス)フィルムの厚さ方向の屈折率(B
とする)を測定し、A/Bをもって厚さ方向の屈折率比と
した。
(9)表面の全反射ラマン結晶化指数 Jobin−Yvon社製Ramanor U−1000ラマンシステムによ
り、全反射ラマンスペクトルを測定し、カルボニル基の
伸縮振動である1730cm-1の半価幅をもって表面の全反射
ラマン結晶化指数とした。測定深さは表面から500〜1,0
00Åであり、測定条件は次のとおりである。
り、全反射ラマンスペクトルを測定し、カルボニル基の
伸縮振動である1730cm-1の半価幅をもって表面の全反射
ラマン結晶化指数とした。測定深さは表面から500〜1,0
00Åであり、測定条件は次のとおりである。
光源 アルゴンイオンレーザー(5145A) 試料のセッティング レーザー偏光方向(S偏光)とフィルム長手方向が平行
となるようにフィルム表面を全反射プリズムに圧着さ
せ、レーザーのプリズムへの入射角(フィルム厚さ方向
との角度)は60゜とした。
となるようにフィルム表面を全反射プリズムに圧着さ
せ、レーザーのプリズムへの入射角(フィルム厚さ方向
との角度)は60゜とした。
検出器 PM:RCA31034/Photon Counting System(Hamamatsu C123
0)(supply 1,600V) 測定条件 SLIT 1,000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (10)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールによ
り塗布し、磁気配向させ乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダー処理
した後、70℃で48時間キュアリングする。そのテープ原
反を1/2インチにスリットし、パンケーキを作成した。
このパンケーキから長さ250mの長さをVTRカセットに組
み込みVTRカセットテープとした。
0)(supply 1,600V) 測定条件 SLIT 1,000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-1/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (10)耐ダビング性 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールによ
り塗布し、磁気配向させ乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダー処理
した後、70℃で48時間キュアリングする。そのテープ原
反を1/2インチにスリットし、パンケーキを作成した。
このパンケーキから長さ250mの長さをVTRカセットに組
み込みVTRカセットテープとした。
(磁性塗料の組成) 重量部 ・C0含有酸化鉄(BET値50m2/g) :100 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 : 10 ・ポリウレタンエラストマ : 10 ・ポリイソシアネート : 5 ・レシチン : 1 ・メチルエチルケトン : 75 ・メチルイソブチルケトン : 75 ・トルエン : 75 ・カーボンブラック : 2 ・ラウリン酸 : 1.5 このテープに家庭用VTRを用いてシバソク製のテレビ
試験波形発生器(TG7/U706)により100%クロマ信号を
記録し、その再生信号からシバソク製カラービデオノイ
ズ測定器(925D/1)でクロマS/Nを測定しAとした。ま
た上記と同じ信号を記録したテープのパンケーキを磁界
転写方式のビデオソフト高速プリントシステム(例えば
ソニーマグネスケール(株)製のスプリンタ)を用いて
同じ種類のテープ(未記録)のパンケーキへダビングし
た後のテープのクロマS/Nを上記と同様にして測定し、
Bとした。このダビングによるクロマS/Nの低下(A−
B)が4.0dB未満の場合は耐ダビング性良好、4.0dB以上
の場合は耐ダビング性不良と判定した。
試験波形発生器(TG7/U706)により100%クロマ信号を
記録し、その再生信号からシバソク製カラービデオノイ
ズ測定器(925D/1)でクロマS/Nを測定しAとした。ま
た上記と同じ信号を記録したテープのパンケーキを磁界
転写方式のビデオソフト高速プリントシステム(例えば
ソニーマグネスケール(株)製のスプリンタ)を用いて
同じ種類のテープ(未記録)のパンケーキへダビングし
た後のテープのクロマS/Nを上記と同様にして測定し、
Bとした。このダビングによるクロマS/Nの低下(A−
B)が4.0dB未満の場合は耐ダビング性良好、4.0dB以上
の場合は耐ダビング性不良と判定した。
(11)耐スクラッチ性 20℃相対湿度60%の雰囲気下で、外径6mmφの固定軸
(表面粗度0.2S)に1/2インチ幅のテープ状フィルムを
角度θ=πradで接触させ、入テンション25gで速度500m
/min(=833cm/s)で100回走行させた後のフィルム表面
をアルミ蒸着して、スクラッチ傷の本数、幅の大きさ及
び白粉の発生状態を微分干渉顕微鏡で観察した。全くス
クラッチ傷が見られずかつ白粉の発生のないものを耐ス
クラッチ性:5、スクラッチ傷が3本/cm未満でかつ白粉
の発生がほとんどないものを耐スクラッチ性:4、スクラ
ッチ傷が3〜10本/cmで幅の大きいものもあり、かつ白
粉がかなり発生しているものを耐スクラッチ性:3、スク
ラッチ傷が10本/cm以上で幅も大きくかつ白粉が著しく
発生しているものを耐スクラッチ性:2、それ以外を耐ス
クラッチ性:1と判定した。耐スクラッチ性が5または4
であれば実用上問題なく使用できる。
(表面粗度0.2S)に1/2インチ幅のテープ状フィルムを
角度θ=πradで接触させ、入テンション25gで速度500m
/min(=833cm/s)で100回走行させた後のフィルム表面
をアルミ蒸着して、スクラッチ傷の本数、幅の大きさ及
び白粉の発生状態を微分干渉顕微鏡で観察した。全くス
クラッチ傷が見られずかつ白粉の発生のないものを耐ス
クラッチ性:5、スクラッチ傷が3本/cm未満でかつ白粉
の発生がほとんどないものを耐スクラッチ性:4、スクラ
ッチ傷が3〜10本/cmで幅の大きいものもあり、かつ白
粉がかなり発生しているものを耐スクラッチ性:3、スク
ラッチ傷が10本/cm以上で幅も大きくかつ白粉が著しく
発生しているものを耐スクラッチ性:2、それ以外を耐ス
クラッチ性:1と判定した。耐スクラッチ性が5または4
であれば実用上問題なく使用できる。
[実施例] 本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。
実施例1 粒子として、平均粒径0.3μmのコロイダルシリカを
含有するエチレングリコールスラリーを調製した。この
スラリーを常法によりエステル交換反応を行ない重合し
て、粒子を20重量%含有する極限粘度0.66のポリエチレ
ンテレフタレートの粒子マスタペレットを得た。次い
で、これを実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレ
フタレートペレットと混合し、粒子の含有量が6重量%
とした(ポリエステルA)。また、常法によって、極限
粘度0.62の実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレ
フタレートを得た(ポリエステルB)。これらの2種類
のポリマをそれぞれ180℃で6時間真空乾燥した後、ポ
リエステルAを押出機1に供給し、ポリエステルBを押
出機2に供給し、角型ピノールで合流させ、角型フィー
ドブロックを経由し、T型口金からシート状に吐出し、
冷却固化せしめて3層構造の未延伸フィルムを作った。
この時、それぞれの押出機の吐出量を調節し全厚さ及び
ポリエステル層Aの厚さを調節した。また、口金スリッ
ト間隙/未延伸フィルム厚さの比は10とした。この未延
伸シートを長手方向に静電気的なニップにより85℃で4.
0倍延伸した。延伸速度の平均は12,000%/minであっ
た。この一軸延伸フィルムをステンタを用いて延伸速度
4,500%/min、100℃で幅方向に4.5倍延伸した。次い
で、このフィルムを冷却することなく、そのまま熱処理
ゾーンへ導き、210℃で10秒間熱固定し、全厚さ15μ
m、ポリエステル層厚さ0.1μmの二軸配向積層フィル
ムを得た。
含有するエチレングリコールスラリーを調製した。この
スラリーを常法によりエステル交換反応を行ない重合し
て、粒子を20重量%含有する極限粘度0.66のポリエチレ
ンテレフタレートの粒子マスタペレットを得た。次い
で、これを実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレ
フタレートペレットと混合し、粒子の含有量が6重量%
とした(ポリエステルA)。また、常法によって、極限
粘度0.62の実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレ
フタレートを得た(ポリエステルB)。これらの2種類
のポリマをそれぞれ180℃で6時間真空乾燥した後、ポ
リエステルAを押出機1に供給し、ポリエステルBを押
出機2に供給し、角型ピノールで合流させ、角型フィー
ドブロックを経由し、T型口金からシート状に吐出し、
冷却固化せしめて3層構造の未延伸フィルムを作った。
この時、それぞれの押出機の吐出量を調節し全厚さ及び
ポリエステル層Aの厚さを調節した。また、口金スリッ
ト間隙/未延伸フィルム厚さの比は10とした。この未延
伸シートを長手方向に静電気的なニップにより85℃で4.
0倍延伸した。延伸速度の平均は12,000%/minであっ
た。この一軸延伸フィルムをステンタを用いて延伸速度
4,500%/min、100℃で幅方向に4.5倍延伸した。次い
で、このフィルムを冷却することなく、そのまま熱処理
ゾーンへ導き、210℃で10秒間熱固定し、全厚さ15μ
m、ポリエステル層厚さ0.1μmの二軸配向積層フィル
ムを得た。
実施例2〜5 実施例1の諸条件の中で、添加する粒子の種類、平均
粒径、添加量及び積層厚さ、延伸条件、処理条件を種々
変更することにより、特性の異なるサンプルを作った。
粒径、添加量及び積層厚さ、延伸条件、処理条件を種々
変更することにより、特性の異なるサンプルを作った。
これらのフィルムの評価結果をまとめて第1〜2表に
示した。それから、フィルムの表面パラメータが本発明
範囲内の場合は耐スクラッチ性、耐ダビング性を両立す
るフィルムが得られることがわかる。
示した。それから、フィルムの表面パラメータが本発明
範囲内の場合は耐スクラッチ性、耐ダビング性を両立す
るフィルムが得られることがわかる。
比較例1 粒子として、平均粒径0.8μmの炭酸カルシウムを含
有するエチレングリコールスラリーを調製した。そのス
ラリーを常法によりエステル交換反応を行ない重合し
て、粒子を10重量%含有する極限粘度0.52のポリエチレ
ンテレフタレートの粒子マスタペレットを得た。これを
実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレフタレート
と混合し、粒子の含有量が6重量%となるようにし180
℃、6時間真空乾燥した後、押出し機に供給して280℃
で溶融押出し、フィルターを経由してT型口金からシー
ト状に吐出した。この溶融シートを表面温度55℃の冷却
ドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸シートを
作った。
有するエチレングリコールスラリーを調製した。そのス
ラリーを常法によりエステル交換反応を行ない重合し
て、粒子を10重量%含有する極限粘度0.52のポリエチレ
ンテレフタレートの粒子マスタペレットを得た。これを
実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレフタレート
と混合し、粒子の含有量が6重量%となるようにし180
℃、6時間真空乾燥した後、押出し機に供給して280℃
で溶融押出し、フィルターを経由してT型口金からシー
ト状に吐出した。この溶融シートを表面温度55℃の冷却
ドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸シートを
作った。
この未延伸シートを長手方向に85℃で3.4倍延伸し
た。この延伸はロール間の周速差で行なった。延伸速度
の平均は10,000%/minであった。この一軸延伸フィルム
をステンタを用いて延伸速度3,000%/min、100℃で幅方
向に3.6倍延伸した。次いで、このフィルムを冷却する
ことなく、そのまま熱処理ゾーンへ導き、210℃で10秒
間熱固定し厚さ15μmの二軸配向ポリエステルフィルム
を得た。
た。この延伸はロール間の周速差で行なった。延伸速度
の平均は10,000%/minであった。この一軸延伸フィルム
をステンタを用いて延伸速度3,000%/min、100℃で幅方
向に3.6倍延伸した。次いで、このフィルムを冷却する
ことなく、そのまま熱処理ゾーンへ導き、210℃で10秒
間熱固定し厚さ15μmの二軸配向ポリエステルフィルム
を得た。
比較例2、4、5 比較例1の諸条件の中で、添加する粒子の種類、平均
粒径、添加量及び延伸条件、処理条件を変更することに
より、特性の異なるサンプルを作った。
粒径、添加量及び延伸条件、処理条件を変更することに
より、特性の異なるサンプルを作った。
比較例3 常法によりエステル交換反応を行ない重合して、極限
粘度0.62の実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレ
フタレートを得た。このポリマを180℃で6時間真空乾
燥した後、押出し機に供給し、T型口金からシート状に
吐出した。この溶融シートを表面温度52℃の冷却ドラム
に巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸フィルムを作っ
た。この未延伸シートを長手方向に85℃で3.6倍延伸し
た。その後、平均粒径0.3μmのコロイダルシリカを塗
布厚が0.3μmとなるように、水溶性ポリエステルバイ
ンダーとともに上記一軸延伸フィルムに塗布した。この
コーティングされた一軸延伸フィルムをステンタを用い
て延伸速度3,000%/min、100℃で幅方向に3.8倍延伸し
た。次いで、このフィルムを冷却することなく、そのま
ま熱処理ゾーンへ導き、210℃で10秒間熱固定し、全厚
さ15μmの二軸配向コーティングフィルムを得た。
粘度0.62の実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレ
フタレートを得た。このポリマを180℃で6時間真空乾
燥した後、押出し機に供給し、T型口金からシート状に
吐出した。この溶融シートを表面温度52℃の冷却ドラム
に巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸フィルムを作っ
た。この未延伸シートを長手方向に85℃で3.6倍延伸し
た。その後、平均粒径0.3μmのコロイダルシリカを塗
布厚が0.3μmとなるように、水溶性ポリエステルバイ
ンダーとともに上記一軸延伸フィルムに塗布した。この
コーティングされた一軸延伸フィルムをステンタを用い
て延伸速度3,000%/min、100℃で幅方向に3.8倍延伸し
た。次いで、このフィルムを冷却することなく、そのま
ま熱処理ゾーンへ導き、210℃で10秒間熱固定し、全厚
さ15μmの二軸配向コーティングフィルムを得た。
比較例6 比較例3の諸条件の中で、添加する粒子の種類、平均
粒径、添加量、バインダーの種類及び延伸条件、処理条
件を変更することにより、特性の異なるサンプルを作っ
た。
粒径、添加量、バインダーの種類及び延伸条件、処理条
件を変更することにより、特性の異なるサンプルを作っ
た。
これらのフィルムの評価結果をまとめて第1〜2表に
示した。それらから、フィルムの表面パラメータが本発
明範囲内でない場合は耐スクラッチ性、耐ダビング性を
両立するフィルムが得られないことがわかる。
示した。それらから、フィルムの表面パラメータが本発
明範囲内でない場合は耐スクラッチ性、耐ダビング性を
両立するフィルムが得られないことがわかる。
[発明の効果] 本発明は表面粗さパラメータを特定範囲としたので、
耐スクラッチ性、耐ダビング性に優れたフィルムが得ら
れた。これはさらにまた、今後の磁気記録媒体の高品質
化のための耐摩耗性、高出力化にも対応できるものであ
る。
耐スクラッチ性、耐ダビング性に優れたフィルムが得ら
れた。これはさらにまた、今後の磁気記録媒体の高品質
化のための耐摩耗性、高出力化にも対応できるものであ
る。
本発明のフィルムは、その片面または両面に磁性層を
設けることによって各種の磁気記録媒体、例えばビデオ
テープ、オーディオテープ、フロッピーデイスク等に加
工されて利用される。なお、本発明のフィルムの用途は
磁気記録媒体用として有用であるがその他、例えばグラ
フィック、スタンピングフォイル、電気絶縁材料、コン
デンサー用誘電体、包装用等でも耐摩耗性、平滑性が問
題となる用途では、有効に利用され得るものである。
設けることによって各種の磁気記録媒体、例えばビデオ
テープ、オーディオテープ、フロッピーデイスク等に加
工されて利用される。なお、本発明のフィルムの用途は
磁気記録媒体用として有用であるがその他、例えばグラ
フィック、スタンピングフォイル、電気絶縁材料、コン
デンサー用誘電体、包装用等でも耐摩耗性、平滑性が問
題となる用途では、有効に利用され得るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00
Claims (4)
- 【請求項1】少なくとも片面の表面粗さパラメータRt/R
aが8.0以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステ
ルフィルム。 - 【請求項2】少なくとも片面の表面粗さパラメータσ/H
が0.8以下であることを特徴とする二軸配向ポリエステ
ルフィルム。 - 【請求項3】少なくとも片面の全反射ラマン結晶化指数
が15cm-1以上であることを特徴とする請求項1又は2記
載の二軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項4】ポリエステルフィルムの少なくとも片面
に、平均粒径0.02〜1.0μmの粒子を含有する極限粘度
が0.56〜0.8であるポリエステルを0.2〜5μm積層した
後、縦横の延伸倍率の積が10倍以上となるように二軸延
伸することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29906588A JP2555717B2 (ja) | 1988-11-26 | 1988-11-26 | 二軸配向ポリエスルテルフィルム及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29906588A JP2555717B2 (ja) | 1988-11-26 | 1988-11-26 | 二軸配向ポリエスルテルフィルム及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02143836A JPH02143836A (ja) | 1990-06-01 |
JP2555717B2 true JP2555717B2 (ja) | 1996-11-20 |
Family
ID=17867747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29906588A Expired - Lifetime JP2555717B2 (ja) | 1988-11-26 | 1988-11-26 | 二軸配向ポリエスルテルフィルム及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2555717B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5529832A (en) * | 1994-11-10 | 1996-06-25 | Teijin Limited | Biaxially oriented laminated polyester film |
US7582369B2 (en) | 2004-02-17 | 2009-09-01 | Toray Industries, Inc. | Biaxially oriented polyester film |
-
1988
- 1988-11-26 JP JP29906588A patent/JP2555717B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02143836A (ja) | 1990-06-01 |
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