JPH04259535A - ポリエステルフイルムロール - Google Patents

ポリエステルフイルムロール

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Publication number
JPH04259535A
JPH04259535A JP3040724A JP4072491A JPH04259535A JP H04259535 A JPH04259535 A JP H04259535A JP 3040724 A JP3040724 A JP 3040724A JP 4072491 A JP4072491 A JP 4072491A JP H04259535 A JPH04259535 A JP H04259535A
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JP
Japan
Prior art keywords
polyester
layer
film
film roll
particles
Prior art date
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Pending
Application number
JP3040724A
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English (en)
Inventor
Koichi Abe
晃一 阿部
Iwao Okazaki
巌 岡崎
Shoji Nakajima
彰二 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP3040724A priority Critical patent/JPH04259535A/ja
Publication of JPH04259535A publication Critical patent/JPH04259535A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロール状に巻き取られ
たポリエステルフイルムロールに関し、特にコンタクト
ロールに押圧されながら巻き取られるものに適用して最
適なポリエステルフイルムロールに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフイルムロールとしては、
フイルムの中心線平均粗さ(Ra)と巻き硬さの関係を
特定範囲としたフイルムロールが知られている(例えば
、特開昭57−193322号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のポ
リエステルフイルムロールは、ロールを暑い湿気の多い
雰囲気に長く放置すると、縦シワ(フイルム長手方向(
巻取方向)に沿った細かいレコードのようなシワ)が経
時的に発生しそれが例えば磁気テープ等にした時の製品
性能に悪影響し、したがって例えば赤道直下を船舶で通
過した後には、縦シワのため使用に耐えないフイルムロ
ールがある割合で発生するという問題点があった。
【0004】本発明は、かかる問題点を改善し、高温高
湿度下で保存しても「縦シワ」が発生しにくい(以下縦
シワ発生率良好という)ポリエステルフイルムロールを
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
ポリエステルフイルムロールは、粒子を含有するポリエ
ステルAをポリエステルBの片面に積層してなる二軸配
向フイルムがポリエステルA層を外側にして巻かれてな
るフイルムロールであって、該A層の厚さtとA層に含
有する粒子の平均粒径dの比t/dが0.1〜2.5で
あり、かつ、該A層表面の3次元表面粗さパラメータS
RaとSRmaxの比SRmax/SRaが20以下で
あるものからなる。
【0006】本発明におけるポリエステルAは、特に限
定されないが、ポリエステルAが結晶性である場合に縦
シワ発生率がより一層良好となるのできわめて望ましい
。ここでいう結晶性とはいわゆる非晶質ではないことを
示すものであり、定量的には示差走査熱量計の測定で冷
結晶化温度Tccが検出され、かつ結晶化パラメータΔ
Tcgが150℃以下のものである。さらに、示差走査
熱量計で測定された融解熱(融解エンタルピー変化)が
、7.5cal/g 以上の結晶性を示す場合に縦シワ
発生率がより一層良好となるのできわめて望ましい。な
お、本発明を阻害しない範囲内で、2種以上のポリエス
テルを混合しても良いし、共重合ポリマを用いても良い
【0007】また、本発明におけるポリエステルAとし
ては、エチレンテレフタレート、エチレンα,β−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボ
キシレート、エチレン2,6−ナフタレート単位等から
選ばれた少なくとも一種の構造単位、特に、エチレンテ
レフタレート、エチレン2,6−ナフタレート単位を主
要構成成分とする場合に縦シワ発生率がより一層良好と
なるので望ましい。
【0008】本発明のポリエステルA層中の粒子は、粒
径比(粒子の長径/短径)が1.0〜1.3の粒子、特
に、球形状の粒子の場合に縦シワ発生率がより一層良好
となるので望ましい。
【0009】また、本発明のポリエステルA中の粒子は
相対標準偏差が0.6以下、好ましくは0.5以下の場
合に縦シワ発生率がより一層良好となるので望ましい。
【0010】ポリエステルA中の粒子の種類は特に限定
されないが、上記の好ましい粒子特性を満足するにはア
ルミナ珪酸塩、1次粒子が凝集した状態のシリカ、内部
析出粒子などは好ましくなく、コロイダルシリカに起因
する実質的に球形のシリカ粒子、架橋高分子による粒子
(たとえば架橋ポリスチレンや架橋ジビニルベンゼン)
などがあげられる。しかしながら、その他の粒子、例え
ば炭酸カルシウム、二酸化チタン、アルミナ等の粒子で
も、フイルム厚さと平均粒径の適切なコントロールによ
り十分使いこなせるものである。
【0011】粒子の大きさは、特に限定されないが、ポ
リエステルA層中での平均粒径が0.03〜1.5μm
、特に0.03〜1μmの場合に縦シワ発生率がより一
層良好となるので望ましい。
【0012】本発明のポリエステルA中の粒子の含有量
は特に限定されないが、2〜20重量%、好ましくは3
〜15重量%、さらに好ましくは4〜10重量%である
場合に本発明範囲の3次元表面粗さパラメータが得やす
く、また、ロールの巻姿も良く、縦シワ発生率がより一
層良好となるので望ましい。
【0013】上記ポリエステルA層はポリエステルAと
粒子からなる組成物を主要成分とするが、本発明の目的
を阻害しない範囲内で、多種ポリマをブレンドしてもよ
いし、また帯電防止剤、導電剤、酸化防止剤、熱安定剤
、滑剤、紫外線吸収剤などの有機添加剤が通常添加され
る程度添加されていてもよい。
【0014】本発明のフイルムロールを構成するフイル
ムは、上記ポリエステルAと粒子を主成分とする組成物
を、ポリエステルBを主成分とする組成物の少なくとも
片面に積層してなる二軸配向ポリエステルフイルムであ
る。一軸あるいは無配向フイルムでは縦シワ発生率が不
良となるので好ましくない。この配向の程度は特に限定
されないが、高分子の分子配向の程度の目安であるヤン
グ率が長手方向、幅方向ともに350kg/mm 2 
以上である場合に縦シワ発生率がより一層良好となるの
できわめて望ましい。分子配向の程度の目安であるヤン
グ率の上限は特に限定されないが、通常、2000kg
/mm 2程度が製造上の限界である。
【0015】また、本発明におけるフイルムは、フイル
ムの厚さ方向の一部分、例えば、表層付近のポリマ分子
の配向が無配向、あるいは、一軸配向になっていない、
すなわち、厚さ方向の全部分の分子配向が二軸配向であ
る場合に耐削れ性、縦シワ発生率がより一層良好となる
ので特に望ましい。特にアッペ屈折率計、レーザーを用
いた屈折率計、全反射レーザーラマン法などによって測
定される分子配向が、表面、裏面ともに二軸配向である
場合に縦シワ発生率がより一層良好となるので特に望ま
しい。
【0016】さらにポリエステルAが結晶性ポリエステ
ルであり、その表面の全反射ラマン結晶化指数が20c
m−1以下、好ましくは18cm−1以下、さらに17
cm−1以下の場合に縦シワ発生率がより一層良好とな
るのできわめて望ましい。
【0017】また、本発明におけるフイルムのポリエス
テルA層の積層厚さtとA層中に含有される粒子の平均
粒径dの比t/dは、0.1〜2.5の範囲にある必要
があり、好ましくは0.2〜2、さらに好ましくは0.
3〜0.9の範囲である。t/dが上記の範囲より大き
くても、逆に小さくても縦シワ発生率が不良となるので
好ましくない。
【0018】本発明におけるフイルムにあっては、ポリ
エステルA層の積層厚さは特に限定されないが、0.0
1〜2μm、好ましくは0.03〜1.5μm、さらに
好ましくは0.04〜0.5μmの場合に縦シワ発生率
がより一層良好となるので望ましい。
【0019】本発明のフイルムロールにおいては、フイ
ルムのポリエステルA層の表面平均突起高さがA層中に
含有する粒子の平均粒径の1/3以上、特に1/3.5
以上である場合に縦シワ発生率がより一層良好となるの
できわめて望ましい。
【0020】また本発明におけるフイルムは、ポリエス
テルA層の表面突起の平均高さが20〜800nm、特
に、30〜600nmの範囲である場合にロールの巻姿
、縦シワ発生率がより一層良好となるのできわめて望ま
しい。
【0021】本発明においては、ポリエステルAのフイ
ルムの2次イオンマススペクトルによって測定される表
層粒子濃度比は特に限定されないが、ポリエステルA面
の表層粒子濃度比が1/10以下、特に1/50以下で
ある場合に縦シワ発生率がより一層良好となるので特に
望ましい。
【0022】また本発明におけるフイルムは、ポリエス
テルA層の固有粘度が0.5以上、好ましくは0.55
以上、さらに好ましくは0.6以上の場合に縦シワ発生
率がより一層良好となるので特に望ましい。なお、ポリ
エステルA層の固有粘度の測定はフイルム表面からA層
を削り取った試料で行なうが、A層が薄く削り取るのが
難しい場合には、工程中でサンプリングした延伸前の厚
いフイルムの表面からA層を削り取った試料で行なって
も良い(通常の延伸、熱処理では固有粘度は変化しない
)。
【0023】本発明におけるフイルムのB層のポリエス
テルは、ポリエステルAと同種でも異種でも良いが、ポ
リエステルBも結晶性であることが望ましく、特に、結
晶化パラメータΔTcgが20〜100℃の範囲の場合
に、縦シワ発生率がより一層良好となるので望ましい。 具体例として、エチレンテレフタレート、エチレンα,
β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナフタレート単
位等から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成
成分とする場合に、縦シワ発生率が特に良好となるので
望ましい。ただし、本発明を阻害しない範囲内、望まし
い結晶性を損なわない範囲内で、好ましくは5モル%以
内であれば他成分が共重合されていてもよい。また、B
層中にも、本発明の目的を阻害しない範囲内で、多種ポ
リマをブレンドしてもよいし、また酸化防止剤、熱安定
剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有機添加剤が通常添加さ
れる程度添加されていてもよい。
【0024】本発明においては、B層中には粒子が含有
されている必要は特にないが、平均粒径が0.03〜0
.5μmの1種以上の粒子が0.001〜1重量%含有
されていると、縦シワ発生率がより一層良好となるのみ
ならず、フイルムに傷がつきにくくなるので望ましい。 含有する粒子の種類はA層に望ましく用いられるものを
使用することが望ましい。A層とB層に含有する粒子の
種類、大きさは同じでも異なっていても良い。
【0025】本発明のフイルムロールは、上記のフイル
ムをポリエステルA層を外側にして巻かれたものである
。ポリエステルA層が内側の場合は縦シワ発生率が不良
となるので好ましくない。
【0026】本発明のフイルムロールにおいては、ロー
ルの全幅にわたり、ポリエステルA層の表面の3次元表
面粗さパラメータSRaとSRmaxの比SRmax/
SRaが20以下であることが必要であり、好ましくは
16以下、さらに好ましくは13以下である。該パラメ
ータSRmax/SRaが上記の範囲より大きいと縦シ
ワ発生率が不良となるので好ましくない。SRmax/
SRaの下限は特に限定されないが通常4程度が製造上
の限界である。
【0027】また、本発明のフイルムロールにあっては
、ポリエステルA層表面のSRaのロール幅方向のバラ
ツキが30%以下、好ましくは20%以下である場合に
縦シワ発生率がより一層良好となるので特に望ましい。
【0028】また、本発明のフイルムロールは、ポリエ
ステルA層表面のSRaのロール幅方向の平均値が10
〜60nmの範囲である場合に縦シワ発生率がより一層
良好となるので特に望ましい。
【0029】さらにポリエステルB層表面のSRaのロ
ール幅方向の平均値が1〜20nm以下の範囲である場
合に縦シワ発生率がより一層良好となるので特に望まし
い。
【0030】また、本発明のフイルムロールを形成する
フイルムの幅は特に限定されないが、200〜2000
mmの範囲である場合に縦シワ発生率がより一層良好と
なるので特に望ましい。
【0031】また、本発明のフイルムロール巻長さも特
に限定されないが、2000m〜40000mの範囲の
場合に縦シワ発生率がより一層良好となるので特に望ま
しい。
【0032】また、本発明のフイルムロールにおいて、
巻芯となるコアは特に限定されないが、プラスチック製
、特に炭素繊維等で強化されたプラスチック製コアの場
合に縦シワ発生率がより一層良好となるので特に望まし
い。
【0033】また、本発明のフイルムロールの巻硬度特
に限定されないが、88〜97度、好ましくは90〜9
6度の範囲の場合に縦シワ発生率がより一層良好となる
ので特に望ましい。
【0034】次に本発明に係るフイルム及びフイルムロ
ールの製造方法について説明する。まず、ポリエステル
Aに所定の粒子を含有せしめる方法としては、ポリエス
テルの重合工程で粒子を含有せしめる方法、粒子を実質
的に含有しないポリエステルをあらかじめ重合しておき
、そこにベント式二軸混練機等を用いて粒子を練り込む
方法等特に限定されず、粒子の種類によって適切な方法
を用いることができる。
【0035】かくして、粒子を含有するポリエステルA
のペレットを、必要に応じて、実質的に粒子を含有しな
いポリエステルAで希釈し、乾燥したのち、公知の溶融
押出機1に供給し、ポリエステルBからなる組成物(A
、Bは同種、異種どちらでもよい)を押出機2に供給し
、2層のマニホールドまたは合流ブロックを用いて、ポ
リエステルAをポリエステルBの少なくとも片面に積層
し、スリット状の口金から2層のシートを押し出し、キ
ャスティングロールで冷却して未延伸フイルムを作る。 この場合、合流断面が矩形の合流ブロックを用いて積層
する方法が、ポリエステルA層の厚さをフイルム幅方向
に均一にし、本発明範囲のt/dのフイルムを延伸破れ
なく、安定して製造するのに有効であり、また本発明の
3次元表面粗さパラメータ、あるいは望ましい範囲のロ
ール幅方向の表面粗さのバラツキを得るのに有効である
【0036】次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を2段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を3.5〜6.5倍で行なう方法は延伸破れな
く、本発明範囲のt/d、3次元表面粗さパラメータ、
望ましい範囲のロール幅方向の表面粗さのバラツキを得
るのに有効である。長手方向延伸温度は、ポリエステル
の種類によって異なり一概には言えないが、通常、その
1段目を50〜130℃の範囲が好適である。長手方向
延伸速度は、5000〜50000%/分の範囲が好適
である。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる方
法が一般的であり、延伸倍率は、3.0〜5.0倍の範
囲が適当である。幅方向の延伸速度は、1000〜20
000%/分、温度は80〜160℃の範囲が好適であ
る。また、一旦二軸延伸されたフイルムを少なくとも一
方向にさらに延伸しても良い。次にこの延伸フイルムを
熱処理する。この場合の熱処理温度は170〜200℃
、特に170〜190℃、時間は0.5〜60秒の範囲
が好適である。
【0037】次にこの二軸配向ポリエステルフイルムの
ミルロールを、センターワインドとサーフェイスワイン
ド併用方式のスリッターにセットし、外側となるポリエ
ステルA層面に、巻取り時の随伴空気を排除するために
、径が40〜200mmのコンタクトロールを接触させ
、所定長さになるまで巻き上げて本発明のポリエステル
フイルムロールは完成する。巻硬度の調節はミルロール
から製品ロールを巻取る時のスリッターにおいて、フイ
ルムの張力とフイルムロールに接しているコンタクトロ
ールの面圧をコントロールする方法が有効である。
【0038】
【作用】本発明のポリエステルフイルムロールでは、巻
取時外側となるA層の表面を、均一でかつ適切な範囲の
表面粗さとしたので、フイルムロールの巻層間、および
特にコンタクトロールを用いて巻き取る場合のコンタク
トロールと巻き取られるフイルム表面間で、小さくかつ
均一な摩擦係数が得られ、この部分で均一な負荷状態と
されて縦シワの核の発生が抑制され、巻取時あるいは経
時的な縦シワ発生が抑制されるものと考えられる。
【0039】[物性の測定方法ならびに効果の評価方法
]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次
の通りである。 (1)粒子の平均粒径 フイルムからポリエステルをプラズマ低温灰化処理法(
たとえばヤマト科学製PR−503型)で除去し粒子を
露出させる。処理条件はポリエステルは灰化されるが粒
子はダメージを受けない条件を選択する。これをSEM
(走査型電子顕微鏡)で観察し、粒子の画像(粒子によ
ってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえ
ばケンブリッジインストルメント製QTM900)に結
び付け、観察箇所を替えて粒子数5000個以上で次の
数値処理を行ない、それによって求めた数平均径Dを平
均粒径とする。 D=ΣDi /N ここでDi は粒子の円相当径、Nは個数である。
【0040】(2)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択し
、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重量
に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。 場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0041】(3)結晶化パラメータΔTcg、融解熱
パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II
型を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、
300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中で急冷
する。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移
点Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態から
の結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tccと
した。さらに昇温を続け、融解ピークから融解熱を求め
た。ここでTccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化
パラメータΔTcgと定義する。
【0042】(4)表面の分子配向(屈折率)ナトリウ
ムD線(589nm)を光源として、アッペ屈折率計を
用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレンを用い
、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの二軸配向
性は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN1 、N
2 、N3 とした時、(N1 −N2 )の絶対値が
0.07以下、かつ、N3 /[(N1 +N2 )/
2]が0.95以下であることをひとつの基準とできる
。また、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を測定して
もよい。さらに、この方法では測定が難しい場合は全反
射レーザーラマン法を用いることもできる。レーザー全
反射ラマンの測定は、Jobin−Yvon社製Ram
anor U−1000ラマンシステムにより、全反射
ラマンスペクトルを測定し、例えばPETの場合では、
1615cm−1(ベンゼン環の骨格振動)と1730
cm−1(カルボニル基の伸縮振動)のバンド強度比の
偏光測定比(YY/XX比など。 ここでYY:レーザーの偏光方向をYにしてYに対して
平行なラマン光検出、XX:レーザーの偏光方向をXに
してXに対して平行なラマン光検出)が分子配向と対応
することを利用できる。ポリマの二軸配向性はラマン測
定から得られたパラメータを長手方向、幅方向の屈折率
に換算して、その絶対値、差などから判定できる。この
場合の測定条件は次の通りである。 ■光源 アルゴンイオンレーザー(5145A)■試料のセッテ
ィング フイルム表面を全反射プリズムに圧着させ、レーザのプ
リズムへの入射角(フイルム厚さ方向との角度)は60
℃とした。 ■検出器 PM:RCA31034/Photon Counti
ng System(Hamamatsu C1230
)(supply 1600V)■測定条件 スリット                  100
0μmレーザー                  
100mWゲート時間               
 1.0sec スキャン速度           
   12cm−1/minサンプリングインターバル
  0.2cm−1繰り返し回数          
    6
【0043】(5)全反射ラマン結晶化指数
Jobin−Yvon社製Ramanor U−100
0ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクトルを測
定し、カルボニル基の伸縮振動である1730cm−1
の半価幅をもって表面の全反射ラマン結晶化指数とした
。測定条件は次の通りである。測定深さは、表面から5
00〜1000オングストローム程度である。 ■光源 アルゴンイオンレーザー(5145A)■試料のセッテ
ィング レーザーの偏光方向(S偏光)とフイルム長手方向が平
行となるようにフイルム表面を全反射プリズムに圧着さ
せ、レーザのプリズムへの入射角(フイルム厚さ方向と
の角度)は60℃とした。 ■検出器 PM:RCA31034/Photon Counti
ng System(Hamamatsu C1230
)(supply 1600V)■測定条件 スリット                  100
0μmレーザー                  
100mWゲート時間               
 1.0sec スキャン速度           
   12cm−1/minサンプリングインターバル
  0.2cm−1繰り返し回数          
    6
【0044】(6)表面突起の平均高さ2検
出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリ
オニクス(株)製]においてフイルム表面の平坦面の高
さを0として走査した時の突起の高さ測定値を画像処理
装置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に
送り、画像処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築
する。次に、この表面突起画像で突起部分を2値化して
得られた個々の突起の面積から円相当径を求めこれをそ
の突起の平均径とする。また、この2値化された個々の
突起部分の中で最も高い値をその突起の高さとし、これ
を個々の突起について求める。この測定を場所をかえて
500回繰り返し、突起個数を求め、測定された全突起
についてその高さの平均値を平均高さとした。 また個々の突起の高さデータをもとに、高さ分布の標準
偏差を求めた。また走査型電子顕微鏡の倍率は、100
0〜8000倍の間の値を選択する。なお、場合によっ
ては、高精度光干渉式3次元表面解析装置(WYKO社
製TOPO−3D、対物レンズ:40〜200倍、高解
像度カメラ使用が有効)を用いて得られる高さ情報を上
記SEMの値に読み替えて用いてもよい。
【0045】(7)3次元表面粗さSRa、最大高さS
Rmax 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10HKを
用いて測定した。条件は下記の通りであり、5回の測定
の平均値をもって値とした。 ・触針先端半径:2μm ・触針荷重    :4mg ・測定長      :0.5mm ・カットオフ値:0.25mm ・送りピッチ  :0.5μm ・本数        :80本
【0046】(8)SRaのバラツキ ロールの幅方向を20等分して各位置でのSRaを上記
の方法で測定し、その中での最大値、最小値、及び平均
値を求め、(最大−最小)/平均の値に100を乗じて
%表示したものをSRaのバラツキとした。
【0047】(9)ヤング率 JIS−Z−1702に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25℃
、65%RHにて測定した。
【0048】(10)固有粘度[η](単位はdl/g
)オルソクロルフェノール中、25℃で測定した溶融粘
度から下記式から計算される値を用いる。すなわち、η
SP/C=[η]+K[η]2 ・CここでηSP=(
溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒100mlあたり
の溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、K
はハギンス定数(0.343とする)。また、溶液粘度
、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
【0049】(11)表層粒子濃度比 2次イオンマススペクトル(SIMS)を用いて、フイ
ルム中の粒子に起因する元素の内のもっとも高濃度の元
素とポリエステルの炭素元素の濃度比を粒子濃度とし、
厚さ方向の分析を行なう。SIMSによって測定される
最表層粒子濃度(深さ0の点)における粒子濃度Aとさ
らに深さ方向の分析を続けて得られる最高濃度Bの比、
A/Bを表層濃度比と定義した。測定装置、条件は下記
の通りである。測定装置、条件は下記の通りである。 ■測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製  A−DIDA3000
■測定条件 1次イオン種  :O2 +  1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域  :400μm□ 分析領域      :ゲート30% 測定真空度    :6.0×10−9TorrE−G
UN    :0.5KV−3.0A
【0050】(1
2)粒径比 上記(1)の測定において個々の粒子の長径の平均値/
短径の平均値の比である。すなわち、下式で求められる
。 長径=ΣD1i /N 短径=ΣD2i /N D1i 、D2i はそれぞれ個々の粒子の長径(最大
径)、短径(最短径)、Nは総個数である。
【0051】(13)粒径の相対標準偏差上記(1)の
方法で測定された個々の突起径Di 、平均径D、粒子
総数Nから計算される標準偏差σ[=√〔Σ(Di −
D)2 /N〕]を平均径Dで割った値(σ/D)で表
した。
【0052】(14)ポリエステルA層の厚さ2次イオ
ン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層から深さ3
000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっとも高濃
度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元素の濃
度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深さ
3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では表
面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかる
につれて粒子濃度は高くなる。本発明フイルムの場合は
一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この
濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2と
なる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を
求め、これを積層厚さとした。条件は次の通り。 ■測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製  A−DIDA3000
■測定条件 1次イオン種  :O2 +  1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域  :400μm□ 分析領域      :ゲート30% 測定真空度    :6.0×10−9TorrE−G
UN    :0.5KV−3.0Aなお、表層から深
さ3000nmの範囲にもっとも多く含有する粒子が有
機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が難しいので、
表面からエッチングしながらXPS(X線光電子分光法
)、IR(赤外分光法)などで上記同様のデプスプロフ
ァイルを測定し積層厚さを求めても良いし、また、電子
顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変化状態やコント
ラストの差から界面を認識し積層厚さを求めることもで
きる。
【0053】(15)フイルムロールの巻き硬度フイル
ムロールの外側から高分子計器(株)製のハードネステ
スター(タイプC)を押しあてて測定した。測定点はロ
ールの軸方向に5点ずつ、円周方向に120°間隔で3
か所、合計15点測定し、これらの値の算術平均値をも
ってフイルムロールの巻き硬度とした(ただし、フイル
ムロール両端部の10mmずつは除いた全幅を5等分し
て各等分の中央部を測定した)。
【0054】(16)縦シワ発生率 規定長さに巻き上げたフイルムロールを50℃、80%
RHの雰囲気に1週間放置した後に、肉眼で縦シワの程
度をチェックする(フイルムを巻出した状態でもシワ跡
が見える場合が縦シワ不良のロールである)。フイルム
ロール100本について上記の検査を行ない、縦シワ発
生の本数が3本未満を縦シワ発生率良好、3本以上の場
合を不良とした。
【0055】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。 実施例1〜5、比較例1〜4 平均粒径の異なる各種粒子を10重量%含有するポリエ
チレンテレフタレートを調製した。この高濃度マスタペ
レットと実質的に粒子を含有しないポリエチレンテレフ
タレートとを混合し、ポリエステルAの粒子含有量を調
節した。そして、ポリエステルAを押出機1に供給し3
10℃で溶融し、さらに、平均粒径0.2μmの球形シ
リカを0.2重量%含有するポリエチレンテレフタレー
トを押出機2に供給、溶融し、これらのポリマを矩形の
合流ブロック(フィードブリック)で合流積層し、静電
印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティン
グ・ドラムに巻きつけて冷却固化し、2層構造の未延伸
フイルムを作った。この時、ポリエステルAの押し出し
温度を変更して、SRmax/SRaの異なるものも作
った。また、それぞれの押出機の吐出量を調節しポリエ
ステルA層の厚さを調節した。この未延伸フイルムを温
度80℃にて長手方向に4.5倍延伸した。この延伸は
2組ずつのロールの周速差で、3段階で行なった。この
一軸延伸フイルムをステンタを用いて延伸速度2000
%/分で100℃で幅方向に4.0倍延伸し、さらに再
度長手方向に1.5倍延伸した後、定長下で、200℃
にて5秒間熱処理し、総厚さ6.5μmの二軸配向積層
フイルムを得た。
【0056】これらのフイルムの中間スプールをセンタ
ーワインドとサーフェースワインド併用方式のスリッタ
ーにセットし、1m幅にスリットして、ポリエステルA
層面が外側になるようにして、外径6インチのプラスチ
ックコアに長さ10000m巻き上げた。さらに、比較
のために、フイルムを反転しながらスリットして、ポリ
エステルA層面が内側になったものも作った。これらの
フイルムロールの本発明のパラメータ、巻姿は表1に示
したとおりであり。本発明パラメータが本範囲内の場合
は縦シワ発生率が良好であったが、そうでない場合は縦
シワ発生率は不良であった。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明のポリエステルフイルムロールに
よるときは、所定の均一な表面粗さを有する粒子含有の
A層を外側にして巻かれているので、従来高温高湿度下
で生じやすかった縦シワを防止することができるように
なり、しかもフイルムロールの巻取時にも縦シワの発生
を抑制できることから、該フイルムロール巻き硬度を容
易に目標値にコントロールすることができるようになる

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  粒子を含有するポリエステルAをポリ
    エステルBの片面に積層してなる二軸配向フイルムがポ
    リエステルA層を外側にして巻かれてなるフイルムロー
    ルであって、該A層の厚さtとA層に含有する粒子の平
    均粒径dの比t/dが0.1〜2.5であり、かつ、該
    A層表面の3次元表面粗さパラメータSRaとSRma
    xの比SRmax/SRaが20以下であることを特徴
    とするポリエステルフイルムロール。
  2. 【請求項2】  前記ポリエステルA層表面のSRaの
    フイルムロール幅方向のバラツキが30%以下である請
    求項1のポリエステルフイルムロール。
  3. 【請求項3】  前記ポリエステルA層表面のSRaの
    フイルムロール幅方向の平均値が10〜60nmの範囲
    にある請求項1又は2のポリエステルフイルムロール。
  4. 【請求項4】  前記ポリエステルB層表面のSRaの
    フイルムロール幅方向の平均値が1〜20nmの範囲に
    ある請求項1ないし3のいずれかに記載のポリエステル
    フイルムロール。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0604057A1 (en) * 1992-12-23 1994-06-29 Imperial Chemical Industries Plc Polymeric film

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0604057A1 (en) * 1992-12-23 1994-06-29 Imperial Chemical Industries Plc Polymeric film

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