JPH0773878B2 - 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents
二軸配向熱可塑性樹脂フィルムInfo
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- JPH0773878B2 JPH0773878B2 JP32776989A JP32776989A JPH0773878B2 JP H0773878 B2 JPH0773878 B2 JP H0773878B2 JP 32776989 A JP32776989 A JP 32776989A JP 32776989 A JP32776989 A JP 32776989A JP H0773878 B2 JPH0773878 B2 JP H0773878B2
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Description
である。
の走行性が改良されたフィルムが知られている(例え
ば、特開昭59−171623号公報等)。
ムでは、例えば、磁気媒体用途における磁性層塗布、カ
レンダー工程、あるいは、できたビデオテープ等をダビ
ングしてソフトテープ等を製造する工程等の工程速度の
増大に伴い、接触するロールやガイドでフィルム表面に
傷がつくという欠点があった。また、従来のものでは、
上記ダビング時の画質低下のために、ビデオテープにし
た時の画質、すなわち、S/N(シグナル/ノイズ比)も
不十分という欠点があった。
に傷がつきにくく(以下耐スクラッチ性に優れるとい
う)、しかもダビング時の画質低下の少ない(以下耐ダ
ビング性に優れるという)二軸配向熱可塑性樹脂フィル
ムを提供することを目的とする。
るフィルムであって、粒子の平均粒径がフィルム厚さの
0.1〜10倍、該粒子の含有量が0.5〜50重量%、該フィル
ム表面のMD方向の厚みむら(%)とTD方向の厚みむら
(%)の積が750以下であることを特徴とする厚さ0.005
〜3μmの二軸配向熱可塑性樹脂フィルムに関するもの
である。
オレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィドな
ど特に限定されないが、特に、ポリエステル、なかで
も、エチレンテレフタレート、エチレンα,β−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキ
シレート、エチレン2,6−ナフタレート単位から選ばれ
た少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とする場合
に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となる
ので望ましい。また、本発明を構成する熱可塑性樹脂A
は結晶性、あるいは溶融時光学異方性である場合に耐ス
クラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となるのでき
わめて望ましい。ここでいう結晶性とはいはゆる非晶質
でないことを示すものであり、定量的には結晶化パラメ
ータにおける冷結晶化温度Tccが検出され、かつ結晶化
パラメータΔTcgが150℃以下のものである。さらに、示
差走査熱量計で測定された融解熱(融解エンタルピー変
化)が7.5cal/g以上の結晶性を示す場合に耐スクラッチ
性、耐ダビング性がより一層良好となるのできわめて望
ましい。また、エチレンテレフタレートを主要構成成分
とするポリエステルの場合に耐ダビング性、耐スクラッ
チ性がより一層良好となるので特に望ましい。なお、本
発明を阻害しない範囲内で、2種以上の熱可塑性樹脂を
混合しても良いし、共重合ポリマを用いても良い。
径/短径)が1.0〜1.3の粒子、特に、球形状の粒子の場
合に耐スクラッチ性がより一層良好となるので望まし
い。
対標準偏差が0.6以下、好ましくは0.5以下の場合に耐ス
クラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となるので望
ましい。
ないが、フィルムを構成する樹脂に対して不活性な粒子
であることが望ましく、さらに上記の好ましい粒子特性
を満足するにはアルミナ珪酸塩、1次粒子が凝集した状
態のシリカ、内部析出粒子などは好ましくなく、コロイ
ダルシリカに起因する実質的に球形のシリカ粒子、架橋
高分子による粒子(たとえば架橋ポリスチレン)などの
場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好と
なるので特に望ましい。
脂Aを主成分とするフィルム厚さの0.1〜10倍、好まし
くは0.2〜5倍、さらに好ましくは1〜3倍の範囲であ
ることが必要である。平均粒径/フィルム厚さ比が上記
の範囲より小さいと耐スクラッチ性が不良となり、逆に
大きくても耐スクラッチ性、耐ダビング性が不良となる
ので好ましくない。
〜1μm、特に0.02〜0.5μmの範囲である場合に、耐
スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好となるので
望ましい。
量%、好ましくは2〜20重量%、さらに好ましくは3〜
10重量%であることが必要である。粒子の含有量が上記
の範囲より少なくても、逆に大きくても耐スクラッチ性
が不良となるので好ましくない。
成物を主要成分とするが、本発明の目的を阻害しない範
囲内で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、また酸化
防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有機添加
剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
ムである。一軸あるいは無配向フィルムでは耐スクラッ
チ性が不良となるので好ましくない。この配向の程度は
特に限定されないが、高分子の分子配向の程度の目安で
あるヤング率が長手方向、幅方向ともに350kg/mm2以上
である場合に耐スクラッチ性がより一層良好となるので
きわめて望ましい。分子配向の程度の目安であるヤング
率の上限は特に限定されないが、通常、1500kg/mm2程度
が製造上の限界である。
ても、フィルムの厚さ方向の一部分、例えば、表層付近
のポリマ分子の配向が無配向、あるいは、一軸配向にな
っていない、すなわち、厚さ方向の全部分の分子配向が
二軸配向である場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性が
より一層良好となるので特に望ましい。
射レーザーラマン法などによって測定される分子配向
が、表面、裏面ともに二軸配向である場合に耐スクラッ
チ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特に望ま
しい。
れを主成分とするフィルム表面の全反射ラマン結晶化指
数が20cm-1以下、好ましくは18cm-1以下、さらに17cm-7
以下の場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層
良好となるのできわめて望ましい。
は0.005〜3μm、好ましくは0.01〜2μm、さらに好
ましくは0.02〜1μmであることが必要である。フィル
ム厚さが上記の範囲より小さいと耐ダビング性が不良と
なり逆に大きいと耐スクラッチ性が不良となるので好ま
しくない。
MD方向(フィルム長手方向)の厚みむら(%)とTD方向
(フィルム幅方向)の厚みむら(%)の積が750以下、
好ましくは600以下、さらに好ましくは500以下であるこ
とが必要である。熱可塑性樹脂Aを主成分とするフィル
ム表面のMD方向の厚みむら(%)とTD方向の厚みむら
(%)の積が750を越えると耐ダビング性、耐スクラッ
チ性を同時に満足することができない。熱可塑性樹脂A
を主成分とするフィルム表面のMD方向の厚みむら(%)
とTD方向の厚みむら(%)の積の下限は100ぐらいであ
る。
の平均突起高さは5〜500nm、好ましくは10〜300nm、さ
らに好ましくは15〜200nmの範囲である場合に耐スクラ
ッチ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特に望
ましい。
平均突起間隔は6μm以下、好ましくは4μm以下であ
る場合に耐スクラッチ性、耐ダビング性がより一層良好
となるので特に望ましい。
脂が結晶性あるいは溶融光学異方性であることがきわめ
て望ましいが、溶融等方性フィルムの場合、結晶化パラ
メータΔTcgが25〜65℃である場合に耐スクラッチ性が
より一層良好となるので特に望ましい。
樹脂A面の厚さ方向屈折率が1.5以下の場合に耐スクラ
ッチ性、耐ダビング性がより一層良好となるので特に望
ましい。さらにフィルムの固有粘度が0.60以上、特に0.
70以上の場合に耐スクラッチ性がより一層良好となるの
で特に望ましい。
用いられるが、熱可塑性樹脂Bを主成分とするフィルム
の少なくとも片面に上記熱可塑性樹脂Aを主成分とする
フィルムを積層した後、二軸配向したフィルムの形で用
いると、機械的特性が良好となるのみならず、耐スクラ
ッチ性、耐ダビング性もより一層良好となるのできわめ
て望ましい。ここで熱可塑性樹脂AとBは同じ種類で
も、異なるものでも良い。
に、結晶性パラメータΔTcgが20〜100℃の範囲の場合
に、耐ダビング性がより一層良好となるので望ましい。
具体例として、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニ
レンスルフィド、ポリオレフィンが挙げられるが、ポリ
エステルの場合に耐ダビング性がより一層良好となるの
で特に望ましい。また、ポリエステルとしては、エチレ
ンテレフタレート、エチレンα,β−ビス(2−クロル
フェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート、エ
チレン2,6−ナフタレート単位から選ばれた少なくとも
一種の構造単位を主要構成成分とする場合に耐ダビング
性が特に良好となるので望ましい。ただし、本発明を阻
害しない範囲内、望ましい結晶性を損なわない範囲内
で、好ましくは5モル%以内であれば他成分が共重合さ
れていてもよい。
い範囲内で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、また
酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有機
添加剤が通常添加される程度添加されていてもよい。
有している必要は特にないが、平均粒径が0.007〜2μ
m、特に0.01〜1μmの粒子が0.001〜0.15重量%、特
に0.005〜0.1重量%含有されていると、耐スクラッチ性
がより一層良好となるのみならず、フィルムの巻姿が良
好となるのできわめて望ましい。含有する粒子の種類は
熱可塑性樹脂Aに望ましく用いられるものを使用するこ
とが望ましい。熱可塑性樹脂AとBに含有する粒子の種
類、大きさは同じでも異なっていても良い。
タΔTcgの差(A−B)は特に限定されないが、−30〜
+20℃の場合に、耐スクラッチ性、耐ダビング性がより
一層良好となるので特に望ましい。
は、熱可塑性樹脂がポリエステルの場合には、ジオール
成分であるエチレングリコールのスラリーの形で分散せ
しめ、このエチレングリコールを所定のジカルボン酸成
分と重合せしめるのが本発明範囲のフィルム厚さと平均
粒径の関係、含有量および厚みむら範囲のフィルムを得
るのに有効である。また、粒子を含有するポリエステル
の溶融粘度、共重合成分などを調節して、その結晶化パ
ラメータΔTcgを40〜65℃の範囲にしておく方法は本発
明範囲のフィルム厚さと平均粒径の関係、含有量および
厚みむら範囲のフィルムを得るのに有効である。
℃、特に180〜200℃の温度で30分〜5時間、特に1〜3
時間熱処理する方法は本発明範囲のフィルム厚さと平均
粒径の関係、含有量および厚みむら範囲のフィルムを得
るのに有効である。
子をエチレングリコール中で熱処理した後、溶媒を水に
置換したスラリーの形で熱可塑性樹脂と混合し、ベント
方式の2軸押出機を用いて混練して熱可塑性樹脂に練り
込む方法も本発明範囲のフィルム厚さと平均粒径の関
係、含有量および厚みむら範囲のフィルムを得るのにき
わめて有効である。
度マスターを作っておき、それを製膜時に粒子を実質的
に含有しない熱可塑性樹脂で希釈して粒子の含有量を調
節する方法が有効である。
て乾燥したのち、公知の溶融押出機に供給し、熱可塑性
樹脂の融点以上、分解点以下でスリット状のダイからシ
ート状に押出し、キャスティングロール上で冷却固化せ
しめて未延伸フィルムを作る。この場合、未延伸フィル
ムに押出し成形する時の口金スリット間隙/未延伸フィ
ルム厚さの比を5〜30、好ましくは8〜20の範囲にする
ことが本発明範囲のフィルム厚さと平均粒径の関係、含
有量および厚みむら範囲のフィルムを得るのに有効であ
る。
る。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時二軸
延伸法を用いることができる。ただし、最初に長手方
向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸法を用い、
長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦延伸倍率を
3.0〜6.5倍で行なう方法は本発明範囲のフィルム厚さと
平均粒径の関係、含有量および厚みむら範囲のフィルム
を得るのに有効である。ただし、熱可塑性樹脂が溶融光
学異方性樹脂である場合は長手方向延伸倍率は1.0〜1.1
倍が適切である。長手方向延伸温度は熱可塑性樹脂の種
類によって異なり一概には言えないが、通常、その1段
目を50〜130℃とし、2段目以降はそれより高くするこ
とが本発明範囲のフィルム厚さと平均粒径の関係、含有
量および厚みむら範囲のフィルムを得るのに有効であ
る。長手方向延伸速度は5,000〜50,000%/分の範囲が
好適である。幅方向の延伸方法としてはステンタを用い
る方法が一般的である。延伸倍率は、3.0〜5.0倍の範囲
が適当である。幅方向の延伸速度は、1,000〜20,000%
/分、温度は80〜160℃の範囲が好適である。次にこの
延伸フィルムを熱処理する。この場合の熱処理温度は17
0〜200℃、特に170〜190℃、時間は0.5〜60秒の範囲が
好適である。
可塑性樹脂Aのフィルムを積層する方法としては、次の
方法が有効である。
は同種、異種どちらでもよい)を公知の溶融積層用押出
機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、
キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィ
ルムを作る。すなわち、2または3台の押出し機、2ま
たは3層のマニホールドまたは合流ブロックを用いて、
熱可塑性樹脂A、Bを積層し、口金から2または3層の
シートを押し出し、キャスティングロールで冷却して未
延伸フィルムを作る。この場合、熱可塑性樹脂Aのポリ
マ流路に、スタティックミキサー、ギヤポンプを設置す
る方法は本発明範囲のフィルム厚さと平均粒径の関係、
含有量および厚みむら範囲のフィルムを得るのに有効で
ある。また、熱可塑性樹脂A側の押し出し機の溶融温度
を熱可塑性樹脂B側より10〜40℃高くすることが本発明
範囲のフィルム厚さと平均粒径の関係、含有量および厚
みむら範囲のフィルムを得るのに有効である。さらに、
合流ブロックは、矩形の合流ブロックを用いるのがよ
く、熱可塑性樹脂Aの流路の端部を閉じた矩形合流ブロ
ックを用いるのがよい。
る方法のポイントは、基本的に上述した単層フィルムと
同様である。ただし、積層フィルムの場合の延伸温度の
設定は熱可塑性樹脂Aを基準として設定する必要があ
る。さらに2層積層フィルムの熱処理工程は、熱可塑性
樹脂A層に吹き付ける熱風温度を熱可塑性樹脂B層より
も3〜20℃低くすることが本発明範囲のフィルム厚さと
平均粒径の関係、含有量および厚みむら範囲のフィルム
を得るのに有効である。
通りである。
除去し粒子を露出させる。処理条件は熱可塑性樹脂は灰
化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。
これを走査型電子顕微鏡で粒子数5000個以上を観察し、
粒子画像を画像処理装置で処理し、次式で求めた数平均
径Dを平均粒径とした。
短径の平均値の比である。
(最短径)、Nは総個数である。
D、粒子総数Nから計算される標準偏差σ(={Σ(Di
−D)2/N}1/2)を平均径Dで割った値(σ/D)で表わ
した。
し、粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
である。すなわち、試料10mgを示差走査熱量計にセット
し、300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中に急
冷する。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移
点Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態からの
結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tccとし
た。さらに昇温を続け、融解ピークから融解熱を求め
た。ここでTccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化パラメータ
ΔTcgと定義した。
結晶化指数 ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈折率
計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレンを
用い、25℃、65%RHにて測定した。ポリマの二軸配向性
は長手方向、幅方向、厚さ方向の屈折率をN1、N2、N3と
した時、(N1−N2)の絶対値が0.07以下、かつ、N3/
[(N1+N2)/2]が0.95以下であることをひとつの基準
とできる。また、レーザー型屈折率計を用いて屈折率を
測定しても良い。さらに、この方法では測定が難しい場
合は全反射レーザーラマン法を用いることもできる。レ
ーザー全反射ラマンの測定は、Jobin−Yvon社製Ramanor
U−1000ラマンシステムにより、全反射ラマンスペクト
ルを測定し、例えばPETの場合では、1615cm-1(ベンゼ
ン環の骨格振動)と1730cm-1(カルボニル基の伸縮振
動)のバンド強度比の偏光測定比(YY/XX比など。ここ
でYY:レーザーの偏光方向をYにしてYに対して平行な
ラマン光検出、XX:レーザーの偏光方向をXにしてXに
対して平行なラマン光検出)が分子配向と対応すること
を利用できる。ポリマの二軸配向性はラマン測定から得
られたパラメータを長手方向、幅方向の屈折率に換算し
て、その絶対値、差などから判定できる。またカルボニ
ル基の伸縮振動である1730cm-1の半価幅をもって表面の
全反射ラマン結晶化指数とした。この場合の測定条件は
次のとおりである。
リズムへの入射角(フィルム厚さ方向との角度)は60゜
とした。
0)(supply 1600V) 測定条件 SLIT 1000μm LASER 100mW GATE TIME 1.0sec SCAN SPEED 12cm-/min SAMPLING INTERVAL 0.2cm-1 REPEAT TIME 6 (7)フィルム表面の厚みむら 2次イオンマススペクトル(SIMS)を用いて、熱可塑性
樹脂A中に含有される粒子に起因する元素のうち最も高
濃度の元素と熱可塑性樹脂Aの炭素元素の濃度比を粒子
濃度とし、厚さ方向の分析を行なう。その粒子濃度分布
におけるフィルム表面から深さ方向で、最大値の(最大
値の点より深い)半価値(半価値のない場合はフィルム
全体の厚み)となる粒子濃度の厚みをフィルム厚みと定
義した。これをフィルムのMD、TD方向1cm間隔で最大500
点測定する。測定装置、条件は下記のとおりである。
A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種:O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域:400μm□ 分析領域:ゲート30% 測定真空度:6.0×10-9Torr E−GUN:0.5KV−3.0A (8)表面突起の平均高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡と断面測定装置におい
てフィルム表面の平坦面の高さを0として走査した時の
突起の高さ測定値を画像処理装置に送り、画像処理装置
上にフィルム表面突起画像を再構築する。また、この2
値化された個々の突起部分の中で最も高い値をその突起
の高さとし、これを個々の突起について求める。この測
定を場所をかえて500回繰返し、測定された全突起につ
いてその高さの平均値を平均高さとした。走査型電子顕
微鏡の倍率は、1,000〜10,000倍の間の値を選択する。
トロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25℃、65%RH
にて測定した。
ら下記式から計算される値を用いる。すなわち、 ηSP/C=[η]+K[η]2・C ここで、ηSP=(溶液粘度/溶媒粘度)−1、Cは溶媒
100mlあたりの溶解ポリマ重量(g/100ml、通常1.2)、
Kはハギンス定数(0.343とする)。また、溶液粘度、
溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
をテープ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度1,000m/分、
走行回数10パス、巻き付け角:60゜、走行張力:65g)。
この時、フィルムに入った傷を顕微鏡で観察し、幅2.5
μm以上の傷がテープ幅あたり2本未満は優、2本以上
10本未満は良、10本以上は不良と判定した。優が望まし
いが、良でも実用的には使用可能である。
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダー処理
した後、70℃、48時間キュアリングする。上記テープ原
反を1/2インチにスリットし、パンケーキを作成した。
このパンケーキから長さ250mの長さをVTRカセットに組
み込みVTRカセットテープとした。
により100%クロマ信号を記録し、その再生信号からカ
ラービデオノイズ測定器でクロマS/Nを測定しAとし
た。また上記と同じ信号を記録したマスターテープのパ
ンケーキを磁界転写方式のビデオソフト高速プリントシ
ステム(スプリンタ)を用いてAを測定したのと同じ試
料テープ(未記録)のパンケーキへダビングした後のテ
ープのクロマS/Nを上記と同様にして測定し、Bとし
た。このダビングによるクロマS/Nの低下(A−B)が3
dB未満の場合は耐ダビング性:優、3dB以上5dB未満の場
合は良、5dB以上は不良と判定した。優が望ましいが、
良でも実用的には使用可能である。
カおよび架橋ポリスチレン粒子を含有するエチレングリ
コールスラリーを調製し、このエチレングリコールスラ
リーを190℃で2時間熱処理した後、テレフタル酸ジメ
チルとエステル交換反応後、重縮合し、該粒子を1〜10
重量%含有するポリエチレンテレフタレート(以下PET
と略記する)のペレットを作った。この時、重縮合時間
を調節し固有粘度を0.63とした(熱可塑性樹脂A)。ま
た、常法によって、固有粘度0.62の実質的に粒子を含有
しないPETを製造し、熱可塑性樹脂Bとした。これらの
ポリマをそれぞれ180℃で6時間減圧乾燥(3Torr)し
た。熱可塑性樹脂Aを押出機1に供給し290℃で溶融
し、さらに、熱可塑性樹脂Bを押出機2に供給、285℃
で溶融し、これらのポリマを合流ブロック(フィードブ
ロック)で合流積層し、静電印加キャスト法を用いて表
面温度25℃のキャスティング・ドラムに巻きつけて冷却
固化し、2層構造の未延伸フィルムを作った。この時、
口金スリット間隙/未延伸フィルム厚さの比を10として
未延伸フィルムを作った。また、それぞれの押出機の吐
出量を調節し総厚さ、熱可塑性樹脂A層の厚さを調節し
た。この未延伸フィルムを温度85℃にて長手方向に3.5
倍延伸した。この延伸は2組ずつのロールの周速差で、
4段階で行なった。この一軸延伸フィルムをステンタを
用いて延伸速度2,000%/分で100℃で幅方向に4.0倍延
伸し、定長下で、210℃にて5秒間熱処理し、総厚さ9
μm、熱可塑性樹脂A層厚さ0.2〜6μmの二軸配向積
層フィルムを得た。これらのフィルムの本発明のパラメ
ータは第1表に示したとおりであり、本発明のパラメー
タが範囲内の場合は耐スクラッチ性、耐ダビング性は第
1表に示したとおり優または良であったが、そうでない
場合は耐スクラッチ性、耐ダビング性を両立するフィル
ムは得られなかった。
樹脂を用いて、粒子の大きさとフィルム厚さの関係、含
有量、フィルム厚さを特定範囲としたフィルムあるいは
その積層フィルムとしたので、耐スクラッチ性、摩擦係
数が優れたフィルムとなり、また磁気記録媒体に用いた
ときの耐ダビング性に優れたフィルムが得られたもので
あり、各用途でのフィルム加工速度の増大に対応できる
ものである。本発明フィルムの用途は特に限定されない
が、加工工程でのフィルム表面の傷が加工工程上、製品
性能上特に問題となる磁気記録媒体用ベースフィルムと
して特に有用である。また、本発明フィルムのうち、2
層構造のものは可塑性樹脂A面が走行面(磁気記録媒体
用では磁性層を塗布しない面、その他の用途では印刷や
その他塗材の塗布などの処理がほどこされない面)とし
て用いるのが好ましい。
なしで直接複合積層によって作られたフィルムであり、
製膜工程中あるいはその後のコーティングによって作ら
れる積層フィルムに比べて、最表層の分子も二軸配向で
あるため、上述した特性以外、例えば、表面の耐削れ性
もはるかに優れ、しかもコスト面、品質の安定性などに
おいて有利であるものである。
Claims (6)
- 【請求項1】粒子を含有する熱可塑性樹脂Aを主成分と
するフィルムであって、粒子の平均粒径がフィルム厚さ
の0.1〜10倍、該粒子の含有量が0.5〜50重量%、該フィ
ルム表面のMD方向の厚みむら(%)とTD方向の厚みむら
(%)の積が750以下であることを特徴とする厚さ0.005
〜3μmの二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。 - 【請求項2】実質的に粒子を含有しない熱可塑性樹脂B
を主成分とするフィルムの少なくとも片面に上記請求項
(1)記載の熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる二軸
配向熱可塑性樹脂フィルム。 - 【請求項3】平均粒径が0.007〜2μmの粒子を0.001〜
0.15重量%含有する熱可塑性樹脂Bを主成分とするフィ
ルムの少なくとも片面に上記請求項(1)記載の熱可塑
性樹脂フィルムを積層してなる二軸配向熱可塑性樹脂フ
ィルム。 - 【請求項4】熱可塑性樹脂Aが結晶性ポリエステルであ
り、かつ該熱可塑性樹脂Aを主成分とするフィルム表面
の全反射ラマン結晶化指数が20cm-1以下であることを特
徴とする上記請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の
二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。 - 【請求項5】熱可塑性樹脂Aに含有される粒子の粒径比
が1.0〜1.3である上記請求項(1)〜(4)のいずれか
に記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィルム。 - 【請求項6】熱可塑性樹脂Aに含有される粒子の粒径の
相対標準偏差が0.6以下である上記請求項(1)〜
(5)のいずれかに記載の二軸配向熱可塑性樹脂フィル
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32776989A JPH0773878B2 (ja) | 1989-12-18 | 1989-12-18 | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32776989A JPH0773878B2 (ja) | 1989-12-18 | 1989-12-18 | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH03187723A JPH03187723A (ja) | 1991-08-15 |
JPH0773878B2 true JPH0773878B2 (ja) | 1995-08-09 |
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ID=18202782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32776989A Expired - Lifetime JPH0773878B2 (ja) | 1989-12-18 | 1989-12-18 | 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0773878B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006274112A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Toray Ind Inc | 二軸配向ポリエステルフィルム |
-
1989
- 1989-12-18 JP JP32776989A patent/JPH0773878B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03187723A (ja) | 1991-08-15 |
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