JPH06266922A - コイン払出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コインを余分に払出させる不正行為を阻止す
る。 【構成】 コイン検出器２９と受け皿１７の間に、コイ
ン排出口３１が形成された保護カバー３０が取り付けら
れている。更に保護カバー３０には、通常はコイン排出
口３１の遮蔽を行い、コイン払出し時はコインの押圧に
より退避位置に回動されてコイン排出口３１の開放を行
う回動自在な遮蔽板３２が取り付けられている。 【効果】 コイン検出器は、受け皿から差し込まれる異
物等で誤動作されることがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、スロットマシン等のコ
イン遊技機又は両替機などの排出口にコインを払い出す
コイン払出し装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】スロットマシンや両替機等に貯留された
コインは、コイン払出し装置により、受け皿に送り出さ
れる。例えばスロットマシンでは表示窓に現れたシンボ
ルの組み合わせが入賞役と判定されると、入賞役に対応
した払出信号をコイン払出し装置の制御部及び払出しカ
ウンタに送り、モータを正転させてコインを排出口から
受け皿に払い出す。排出口にはコイン検出器が設けられ
ており、このコイン検出器はコインを検出すると、ハイ
レベルの検出信号を前記払出しカウンタに出力する。こ
の払出しカウンタは検出信号の立ち下がりをカウント
し、その数が払出信号に対応した配当コイン数に達する
と、モータの正転を停止する停止信号を制御部に送る。
これにより、制御部はモータの正転を停止し、コイン払
出しが完了する。

【０００３】ところで、受け皿がコインで溢れて排出口
が詰まったりしてコイン詰まりが発生すると、払出しカ
ウンタがカウントしなくなり、制御部には停止信号が入
力されなくなる。このため、モータは負荷のかかった状
態で正転され、焼き切れるという問題がある。この問題
を解決するために、このようなコイン払出し装置ではコ
イン検出器から検出信号が数秒間得られない場合には、
モータを一旦逆転させた後、再度正転させてコインの払
い出しを行うようにしている。そして再度正転したとき
にも、検出信号が得られない場合には、前記制御部はコ
イン詰まりと判断して、モータの正転を停止して、モー
タを保護している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のコイン払出し装置では、不正操作例えば払出信
号が制御部に送られる前に、受け皿からコイン検出器に
可撓性のある細長い板等を差し込んで、払出しカウンタ
を作動しないようにするとともに、モータの逆転時に細
長い板を引き抜いてコイン検出器を作動させるようにす
ると、最初のモータ正転時に数秒間コインを排出したう
えで、再度のモータ正転時に払出信号に対応した数のコ
インを排出するから、余分なコインが排出されてしまう
という問題があった。

【０００５】本発明はこのような従来技術の欠点を解決
するためになされたもので、不正操作による余分なコイ
ンの払出しを防止するようにした安価なコイン払出し装
置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、請求項１記載のコイン払出し装置では、払
出信号を受けてから払出完了信号が出力されるまでの間
以外のときに、コイン検出器から検出信号が確認された
ときには、エラー報知を行うようにしている。また、請
求項２記載のコイン払出し装置では、払出信号を受けた
ときにコイン検出器から検出信号の有無を確認し、検出
信号が確認されたときには、制御部が払出手段に駆動信
号を出力しないようにしている。更にまた、請求項３記
載のコイン払出し装置ではコイン排出口に、通常はコイ
ン排出口の遮蔽を行い、コイン払出し時にはコインの押
圧により、退避位置に回動してコイン排出口の開放を行
う遮蔽板を回動自在に設けたものである。

【０００７】

【実施例】本発明のコイン払出し装置を内蔵したスロッ
トマシンの外観を示す図６において、スロットマシンの
本体２には前面パネル３が開閉自在に軸着され、この前
面パネル３にはリール表示窓４が設けられている。この
リール表示窓４を通して本体２内の第１〜第３リール５
〜７のシンボルを観察することができる。このリール表
示窓４の下側には、コインを投入するコイン投入口８，
リール５〜７を一斉に回転させるスタートレバー１０，
リール５〜７を個別にそれぞれ停止させるストップボタ
ン１１〜１３が設けられている。

【０００８】ゲームの開始に先立って、コイン投入口８
からコインを１〜３枚の範囲で投入すると、コインの枚
数に応じて入賞判定時に有効化される入賞ラインの本数
が決められる。スタートレバー１０が操作されると、リ
ール５〜７が一斉に回転される。この後、ストップボタ
ン１１〜１３が操作されると、リール５〜７が停止され
る。図に示すようなシンボルの組み合わせになり、入賞
と判定されると、入賞役に対応して予め決められた枚数
のコインが受け皿１４に払い出される。なお、払いださ
れるコインの枚数は、コイン投入口８の上側に配置され
た表示部１５に表示される。

【０００９】前面パネル３を開放した図４において、前
面パネル３の背面には、投入されたコインが適正なもの
かどうかを判定するコインセレクタ２０が設けられてい
る。このコインセレクタ２０は、不適性なコインが投入
されたときには、返却通路２１を介して受け皿１４に返
却し、また適正なコインが投入されたときには、コイン
通路２２を介して、本体２の中央部に配置されたコイン
払出し装置２３のコイン貯留部２４に落下させる。この
コイン通路２２には後述するコインカウンタに接続され
たコインセンサーが設けられており、適正なコインの投
入数のみがカウントされる。なお、この図において、リ
ール５〜７及びリール駆動部は省略した。

【００１０】図３は前記コイン払出し装置を示すもので
ある。このコイン払出し装置２３はモータ駆動部２５と
前記コイン貯留部２４とからなる。前者のモータ駆動部
２５は詳しくは後述する払出し制御部で駆動されるモー
タ及び、このモータで回動される回転板２７からなる。
この回転板２７が反時計方向に回転されると、内部に収
納されたコインは、モータ駆動部２５の上面に形成され
た排出溝２８に送り出される。

【００１１】排出溝２８には例えば発光部２９ａ及び受
光部２９ｂからなるコイン検出器２９が取り付けられて
いる。このコイン検出器２９は発光部２９ａの光がコイ
ンにより遮られると、ハイレベルの検出信号を出力し、
これを上述した払出し制御部及び後述する払出しカウン
タに送る。

【００１２】また排出溝２８の流下側端部には、前記コ
イン検出器２９を保護する保護カバー３０がビス等で固
着される。この保護カバー３０にはコイン排出口３１及
びこれを遮蔽する開閉自在な遮蔽板３２が設けられてい
る。この遮蔽板３２は通常、図５に実線で示すようにコ
イン排出口３１を塞いでおり、受け皿１４からコイン検
出器２９に異物が差し込まれないようにしている。ま
た、排出溝２８を送られてきたコインで押圧されたとき
には、遮蔽板３２は一点鎖線で示す位置に移動され、コ
イン排出口３１を開放する。コイン排出口３１から送り
出されたコインは返却通路２１を転動し、受け皿１４に
払い出される。

【００１３】上記スロットマシンの機能ブロックを示す
図２において、コインセンサー３５はコイン投入口８か
ら投入されたコインを１枚ずつ検出する。この検出信号
はコインカウンタ３６で計数され、その計数値に応じて
入賞判定時に参照される入賞ラインの本数が決まる。ま
た、コインセンサー３５はコインの投入を検知してスタ
ート許可信号を始動制御部３７に供給する。始動制御部
３７は、コインセンサー３５からのスタート許可信号を
受けた後、スタートレバー１０が操作されたときにスタ
ート信号を出力する。

【００１４】このスタート信号は、リール制御部３８，
乱数サンプリング部３９に入力される。リール制御部３
８は、スタート信号を受けてリールごとに設けられたス
テッピングモータを一斉に駆動し、これにより第１〜第
３リール５〜７が一斉に回転を開始する。また乱数サン
プリング部３９は、前記スタート信号の入力により所定
範囲内の乱数列中から１個の乱数をサンプリングし、そ
の値を入賞判定部４０に入力する。

【００１５】入賞判定部４０は、乱数サンプリング部３
９から入力された乱数値に基づき、実行されたゲームに
ついての入賞の種類（ハズレを含む）を決定する。この
ため入賞確率テーブル４１には、乱数サンプリング部３
９でサンプリング可能な全ての乱数をその値ごとに大入
賞，中入賞，小入賞，ハズレにグループ分けしたデータ
が格納されている。そして、入賞判定部４０はこの入賞
確率テーブル４１を参照し、乱数サンプリング部３９で
サンプリングされた乱数の値がどの入賞グループに属し
ているのかを判定する。こうして決められた入賞の種類
を表すデータはリール制御部３８に入力される。

【００１６】ストップボタン１１〜１３が操作される
と、停止信号発生部４２からストップ信号がリール制御
部３８に供給され、リールの停止制御が開始される。こ
のリール停止制御は、入賞判定部４０で決められた入賞
の種類が満たされるようなシンボルの組み合わせが入賞
ライン上に現れるように行われる。リール５〜７が停止
すると、入賞判定部４０はリール制御部３８からのデー
タを参照してシンボルの組み合わせを確認する。この確
認の結果、入賞判定部４０は払出し制御部４５にバズレ
信号や、大入賞，中入賞，小入賞の種類を表す払出信号
を送出する。

【００１７】ハズレ信号や払出信号が送られると、払出
し制御部４５はコイン検出器２９から検出信号の有無を
確認する。このとき、コイン検出器２９から検出信号が
出力されている場合には、払出し制御部４５はコインセ
レクタ２０を駆動し、以後投入されるコインを返却通路
２１から受け皿１４に落下させてゲームを行えないよう
にするとともに、表示部１５を駆動してエラー表示を行
う。払出信号を受けたときにコイン検出器２９から検出
信号が出力されていない場合には、払出し制御部４５は
ドライバ４８に駆動信号を出力するとともに、入賞の種
類ごとに配当コインの枚数を対応づけた入賞配当テーブ
ル４６を参照し、払出しカウンタ４７に配当コイン数を
設定する。また、バズレ信号を受けたときにコイン検出
器２９から検出信号が出力されていない場合には、コイ
ンの払出しが行われることなく、１回のゲームが終了す
る。

【００１８】前記ドライバ４８に駆動信号が送られる
と、モータ４９は正転し、回転板２７を回動する。この
回動により、コイン貯留部２４内のコインは排出溝２８
からコイン排出口３１に送り出される。コインがコイン
検出器２９を通過すると、検出信号が払出しカウンタ４
７及び払出し制御部４５に送り出される。この払出しカ
ウンタ４７は検出信号の立ち下がりでカウント値が
「１」歩進され、そのカウント値が配当コイン数に達す
ると、モータ４９の正転を停止する停止信号を払出し制
御部４５に出力する。

【００１９】なお、払出し制御部４５はモータ４９の正
転後，検出信号が例えば３秒間検出されないときや、次
の新たな検出信号が例えば３秒間入力されないときや、
１回の検出信号の時間幅が例えば４秒間を越えたときに
は、モータ４９を一旦逆転してから、再度正転をさせる
コイン詰まり解消のシーケンスを行う。

【００２０】本発明のコイン払出し装置を内蔵したスロ
ットマシンの作用について、図１のフローチャートを参
照しながら説明する。コイン投入口８からコインを投入
してスタートレバー１０を操作すると、リール５〜７が
回転する。ストップボタン１１〜１３を操作することに
よって、リール５〜７の停止制御が行われる。リール５
〜７が停止し、入賞ライン上のシンボルの組み合わせが
入賞であるときには、入賞判定部４０から払出し制御部
４５に払出信号が送られる。

【００２１】払出信号が入力されると、払出し制御部４
５は検出信号の有無を確認し、検出信号が出力されてい
るときには、コインセレクタ２０を駆動し、以後投入さ
れるコインを返却通路２１から受け皿１４に落下させて
ゲームを行えないようにするとともに、表示部１５にエ
ラー表示を行う。このため、本発明のコイン払出し装置
は受け皿１４から差し込んだ異物で、コイン検出器２９
にコインを検出させないようにして、余分なコインを払
出す不正操作を防止することができる。なお、この実施
例ではエラーを表示部１５に表示したが、スピーカーや
ブザー等を用いて音声でエラーを報知してもよい。

【００２２】コイン検出器２９から検出信号が出力され
ていないときには、払出し制御部４５は入賞配当テーブ
ル４６を参照し、配当コイン数を払出しカウンタ４７に
設定するとともに、ドライバ４８を介してモータ４９を
正転させる。これにより、排出溝２８を介してコイン排
出口３１に送られたコインは、遮蔽板３２を押し除け
て、返却通路２１を転動し、受け皿１４に落下する。ま
た、前記遮蔽板３２は異物の進入を阻止するから、コイ
ン検出器２９に誤動作を起こさせ、余分なコインを払い
出させる不正操作を阻止することができる。この間、コ
インがコイン検出器２９を横切る度に、新たな検出信号
が送られ、その数が配当コイン数に達すると、払出し制
御部４５はモータ４９の正転を停止し、払出しを完了し
て、１回のゲームが終了する。

【００２３】ところで、モータ４９の正転後、コイン詰
まりにより、払出し制御部４５が数秒間、ハイレベルか
らローレベルまたはローレベルからハイレベルの変化を
検出できないときには、モータ４９を停止するとともに
一定時間逆転する。前記コイン詰まりの原因が、例えば
コインの重なり合いが悪く、内部に空洞がある場合に
は、前記モータの逆転により、コイン詰まりが解消され
る。

【００２４】モータ４９が再度正転されると、コインは
コイン排出口３１から払い出されるから、一定時間内に
検出信号の立ち下がりが検出される。これにより、払出
しカウンタ４７が作動し、そのカウント値が配当コイン
数に達すると、停止信号を払出し制御部４５に出力す
る。この後、払出し制御部４５はモータ４９の正転を停
止して、コインの払出しを完了する。

【００２５】また、リール５〜７が停止し、入賞ライン
上のシンボルの組み合わせがハズレであるときには、入
賞判定部４０から払出し制御部４５にハズレ信号が送ら
れて１回のゲームが終了する。なお、ハズレ信号が送ら
れたときに、検出信号が出力されているときには、払出
し制御部４５はコインセレクタ２０を駆動し、以後投入
されるコインを返却通路２１から受け皿１４に落下させ
てゲームを開始できないようにするとともに、表示部１
５を駆動してエラー表示を行うとともに、スピーカー等
で音声でエラー報知を行う。この実施例では入賞判定
後、検出信号の有無を確認したが、リールストップ後検
出信号の有無を確認したり、定期的に検出信号の有無を
確認してもよい。

【００２６】

【発明の効果】上述したように、請求項１記載のコイン
払出し装置においては、払出信号を受けてから払出完了
信号が出力されるまでの間以外のときに、コイン検出器
から検出信号が確認されたときには、エラー報知を行う
ようにしたから、受け皿から異物を差し込んで、余分な
コインの払出しを行う不正操作を防止することができ
る。

【００２７】請求項２記載のコイン払出し装置において
は、払出信号を受けたときにコイン検出器から検出信号
の有無を確認し、検出信号が確認されたときには、制御
部が払出手段に駆動信号を出力しないようにしたから、
不正操作による余分なコインの払出しを防止することが
できる。請求項３記載のコイン払出し装置では遮蔽板を
コイン排出口に回動自在に設けた簡単な構成で、受け皿
から異物を差し込んで、余分な払出しを行う不正操作を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のコイン払出し装置を内蔵したスロット
マシンの処理を表したフローチャートである。

【図２】図１のスロットマシンの機能ブロック図であ
る。

【図３】本発明のコイン払出し装置を分解して示す斜視
図である。

【図４】スロットマシンの内部を示す図である。

【図５】本発明のコイン払出し装置の要部を破断して示
す図である。

【図６】スロットマシンの外観図である。

【符号の説明】

１４ 受け皿 ２３ コイン払出し装置 ２９ コイン検出器 ３１ コイン排出口 ３２ 遮蔽板 ４９ モータ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コイン排出口からコインを払出する払出
   手段と、払出信号を受けて払出手段を駆動するとともに
   払出完了信号を受けて払出手段の駆動を停止する制御部
   と、コイン排出口に設けられ、コインを検出したときに
   検出信号を出力するコイン検出器と、検出信号の入力回
   数が所定の払出しコイン数に達したときに、前記払出完
   了信号を制御部に出力する計数部とからなるコイン払出
   し装置において、 前記払出信号を受けてから払出完了信号が出力されるま
   での間以外のときに、コイン検出器から検出信号が確認
   されたときには、エラー報知を行うことを特徴とするコ
   イン払出し装置。
2. 【請求項２】 コイン排出口からコインを払出する払出
   手段と、払出信号を受けて駆動信号を出力し、前記払出
   手段を駆動するとともに払出完了信号を受けて払出手段
   の駆動を停止する制御部と、コイン排出口に設けられ、
   コインを検出したときに検出信号を出力するコイン検出
   器と、検出信号の入力回数が所定の払出しコイン数に達
   したときに、前記払出完了信号を制御部に出力する計数
   部とからなるコイン払出し装置において、 前記払出信号を受けたときにコイン検出器から検出信号
   の有無を確認し、検出信号が確認されたときには、前記
   制御部から払出手段に前記駆動信号を出力しないことを
   特徴とするコイン払出し装置。
3. 【請求項３】 払出信号を受けて、コイン排出口からコ
   インを払出する払出手段を駆動し、コイン排出口に設け
   られたコイン検出器が所定数の払出しコインを検出した
   ときには、前記払出手段の駆動を停止するコイン払出し
   装置において、 前記コイン排出口に、通常はコイン排出口の遮蔽を行
   い、コイン払出し時には、コインの押圧により、退避位
   置に回動してコイン排出口の開放を行う遮蔽板を回動自
   在に設けたことを特徴とするコイン払出し装置。