JPH062582A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射装置

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JPH062582A
JPH062582A JP4181449A JP18144992A JPH062582A JP H062582 A JPH062582 A JP H062582A JP 4181449 A JP4181449 A JP 4181449A JP 18144992 A JP18144992 A JP 18144992A JP H062582 A JPH062582 A JP H062582A
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fuel injection
opening
air
valve
internal combustion
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Kenji Ikuta
賢治 生田
Hisashi Iida
飯田  寿
Takanori Takahashi
孝典 高橋
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸入空気の供給を単一の開閉手段により調整
して、制御システムの製造コストを低減し、かつ、開閉
手段での圧力損失を抑制して、燃料の微粒化を十分に達
成する。 【構成】 燃料噴射にほぼ同期した期間中に、エア制御
弁28を開放状態に保持するとともに、アイドル運転時
に、所定のアイドル回転数を維持すべく、エア制御弁2
8の開放時間を補正するECU4を具備しているため、
アイドル運転時においては、エア制御弁28の開放時間
が適宜補正されて、吸入空気の供給量が調整され、燃料
の微粒化が促進されるとともに、アイドル回転数が適正
値に維持され、ECU4が単一のエア制御弁28を対象
として開閉制御することから、その制御内容が簡易化さ
れ、また、開放時のエア制御弁28は全開状態に保持さ
れるため、この箇所での圧力損失が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の燃料噴射装
置に関するもので、特に、燃料噴射にほぼ同期した時間
に、スロットルバルブの上流側の吸入空気の一部を燃料
噴射弁の噴孔部近傍に供給することで、噴射燃料の微粒
化を促進して、排ガス中の有害成分を低減するようにし
た燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から内燃機関の吸気系に燃料噴射弁
から燃料を噴射して、その運転状態を制御する燃料噴射
装置が広く実施されており、このような燃料噴射装置で
は、内燃機関の燃焼状態の悪化によって排ガス中の有害
成分が増加するのを防止するために、噴射された燃料の
微粒化をより促進する技術が強く要望されている。そこ
で、この要望に応じて、例えば、特公昭57−5462
4号公報、或いは実開昭58−162262号公報に記
載の燃料噴射装置が提案されている。
【0003】これらの燃料噴射装置は、内燃機関の吸気
系において、スロットルバルブの上流側と燃料噴射弁の
噴孔部近傍とをエア管路で連結するとともに、このエア
管路にエア制御弁を設け、例えば、内燃機関のアイドル
運転時等のように、燃料噴射弁から噴射される燃料の十
分な微粒化が期待できないときには、燃料噴射にほぼ同
期して前記エア制御弁を開閉制御するように構成されて
いる。したがって、このアイドル運転時等では、エア制
御弁の開閉に伴い、スロットルバルブの上流側の大気圧
に近い吸入空気の一部が、燃料噴射にほぼ同期した時間
にエア管路を経て噴孔部近傍に供給され、噴射された燃
料に衝突してその微粒化を促進する。そして、このよう
に、吸入空気の供給を燃料噴射の時間に限定しているこ
とから、連続して吸入空気を供給した場合に比較して、
アイドル回転数の上昇を抑制した上で、多量の吸入空気
により噴射燃料が十分に微粒化される。
【0004】しかしながら、以上の2種の燃料噴射装置
は、エア制御弁を燃料噴射弁にほぼ同期して開閉制御す
る必要があるため、アイドル回転数を調整する周知のア
イドルスピードコントロールバルブ(以下、単に「IS
CV」という)の開度制御に加えて、異なる系統の制御
が追加されることになり、制御内容が複雑化して、ひい
ては、制御システムの製造コストが高騰してしまう可能
性があった。
【0005】一方、例えば、特開昭58−206851
号公報に記載の燃料噴射装置のように、スロットルバル
ブの上流側の吸入空気を、エア管路を介してサージタン
ク内と燃料噴射弁の噴孔部近傍とにそれぞれ供給するよ
うに構成し、その吸入空気の供給量をエア制御弁のデュ
ーティ比制御により調整するようにしたものが提案され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うに、スロットルバルブの上流側から燃料噴射弁の噴孔
部近傍への吸入空気の供給は、内燃機関の吸気ポート内
に発生する負圧と、吸入空気を案内するエア管路内の大
気圧に近い圧力との差圧により行なわれるものであり、
十分な差圧を確保するためには、吸入空気が噴射される
エア噴孔部の開口面積の合計に対して、エア管路の通路
断面積を少なくとも2倍乃至3倍程度に設定する必要が
あると考えられている。
【0007】しかしながら、従来の特開昭58−206
851号公報に記載の燃料噴射装置は、上記のようにエ
ア管路にエア制御弁を設けて開度を制御しているため、
このエア制御弁の箇所で圧力損失が発生し、その結果、
差圧の減少に伴って吸入空気の流速が低下して、噴射燃
料が十分に微粒化されない虞があった。
【0008】そこで、請求項1乃至請求項4の発明は、
吸入空気の供給を単一の開閉手段により調整すること
で、その制御内容を簡易化して、ひいては、制御システ
ムの製造コストを低減することができ、かつ、開閉手段
での圧力損失を抑制して、吸入空気の流速を高め、噴射
された燃料の微粒化を十分に達成することができる内燃
機関の燃料噴射装置の提供を課題とするものである。
【0009】一方、以上3種の燃料噴射装置は、エア制
御弁を開閉して吸入空気の供給を制御しているため、特
にスロットルバルブがほとんど閉じられている低負荷時
においては、エア制御弁の下流側の圧力が開閉に伴って
大きく変動し、その圧力変動に同期してかなりの音量の
脈動音が発生して、車室内騒音を増加してしまう場合が
あった。その対策として、例えば、ISCVでアイドル
回転数制御等を行なう場合に用いられる、脈動音の抑制
用のレゾネータ(共鳴器)を設けることも考えられる。
しかしながら、周知のようにレゾネータは共鳴原理を応
用しているため、抑制可能な脈動音は特定周波数のもの
に限定され、前記したエア制御弁のように、機関回転数
と共に脈動音の周波数が大幅に変化する場合には、ほと
んど効果が得られない。
【0010】そこで、請求項5の発明は、エア制御弁の
開閉に伴って発生する脈動音を十分に低減して、車室内
騒音の増加を未然に防止することができる内燃機関の燃
料噴射装置の提供を課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
内燃機関の燃料噴射装置は、図1に示すように、内燃機
関M1の運転状態を検出する運転状態検出手段M2と、
前記内燃機関M1の吸気系に設けられ、前記運転状態検
出手段M2にて検出された内燃機関M1の運転状態に応
じて、所定量の燃料を吸気系に噴射する燃料噴射手段M
3と、前記吸気系を流れる吸入空気の一部を、スロット
ルバルブを迂回して前記燃料噴射手段M3の噴射箇所近
傍に供給するエア管路M4と、前記エア管路M4に設け
られて、エア管路M4を連通または遮断する開閉手段M
5と、前記燃料噴射手段M3の燃料噴射にほぼ同期した
期間中に、前記開閉手段M5を開放状態に保持する開閉
制御手段M6とを具備し、前記運転状態検出手段M2の
検出に基づき、内燃機関M1がアイドル運転中のとき
に、前記開閉制御手段M6による開閉手段M5の総括開
放時間を開放時間補正手段M7により補正して、所定の
アイドル回転数を維持するものである。
【0012】請求項2の発明にかかる内燃機関の燃料噴
射装置は、前記開放時間補正手段M7を、内燃機関M1
の実際の回転数と予め設定された目標回転数との差を小
さくする方向に、開閉手段M5の開放時間を補正するよ
うにしたものである。
【0013】請求項3の発明にかかる内燃機関の燃料噴
射装置は、前記開放時間補正手段M7を、内燃機関M1
の温度に応じて、開閉手段M5の開放時間を補正するよ
うにしたものである。
【0014】請求項4の発明にかかる内燃機関の燃料噴
射装置は、前記開放時間補正手段M7を、内燃機関M1
に作用する負荷に応じて、開閉手段M5の開放時間を補
正するようにしたものである。
【0015】請求項5の発明にかかる内燃機関の燃料噴
射装置は、前記開閉手段M5を、エア管路M4の遮断時
に、全閉抑止手段にて連通時の開度より小さい所定開度
を保持するようにしたものである。
【0016】
【作用】請求項1の発明においては、運転状態検出手段
M2に検出された内燃機関M1の運転状態に応じて、内
燃機関M1の吸気系には燃料噴射手段M3から燃料が噴
射されて、その燃料により内燃機関M1の運転が継続さ
れ、その燃料噴射にほぼ同期した期間中に、開閉制御手
段M6により開閉手段M5が開放されるため、吸入空気
の一部がエア管路M4を経て燃料噴射手段M3の噴射箇
所近傍に供給されて、噴射燃料の微粒化が促進され、ま
た、運転状態検出手段M2の検出に基づいて、内燃機関
M1がアイドル運転中のときには、開放時間補正手段M
7により開閉手段M5の総括開放時間が補正されて、吸
入空気の供給量が調整され、内燃機関M1が所定のアイ
ドル回転数に維持される。
【0017】ここで、開閉手段M5の総括開放時間の補
正は、開放時間自体を延長または短縮して、吸入空気の
供給量を調整する場合のみならず、燃料噴射と同期した
開弁時間とは別に、それより以前または以後に補正用の
開弁時間を設定し、その結果、吸入空気の供給量を調整
することもできる。
【0018】そして、このように開閉手段M5の開放時
間を補正するだけで、吸入空気の供給量が調整されて、
その吸入空気により燃料の微粒化を促進するだけでな
く、内燃機関M1を所定のアイドル回転数に維持するこ
とが可能となり、開閉制御手段M6が単一の開閉手段M
5を対象として開閉制御することから、その制御内容が
簡略化され、また、開放時の開閉手段M5は、その開度
を調整されることなく全開状態に保持されるため、この
開閉手段M5での圧力損失が最小限に抑制され、よっ
て、内燃機関M1の吸気系に発生した負圧を有効に利用
して、噴射箇所近傍に供給される吸入空気の流速を高め
ることができる。
【0019】請求項2の発明においては、内燃機関M1
の実際の回転数と予め設定された目標回転数との差を縮
小する方向に、開放時間補正手段により開閉手段M5の
開放時間が補正されて、内燃機関M1のアイドル回転数
が目標回転数に調整されるため、予め内燃機関M1の稼
働状況に応じた目標回転数を任意に設定して、そのアイ
ドル回転数を常に適正値に維持できる。
【0020】請求項3の発明においては、内燃機関M1
の温度に応じて、開閉手段M5の開放時間が補正可能な
ため、内燃機関M1の温度が低いときほど、開閉手段M
5の開放時間を延長して、吸入空気の供給量の増加によ
りファーストアイドル回転を実行させる等、温度変化に
応じてアイドル回転数を常に適正値に維持できる。
【0021】請求項4の発明においては、内燃機関M1
に作用する負荷に応じて、開閉手段M5の開放時間が補
正可能なため、負荷の状況に応じてアイドル回転数を常
に適正値に維持できる。
【0022】請求項5の発明においては、エア管路M4
を遮断したときにおいても、開閉手段M5は全閉抑止手
段にて所定の小さな開度に保持されて少量の吸入空気の
通過を許容するため、開閉手段M5の下流側の圧力は完
全に遮断した場合に比較して高い値に維持され、その結
果、連通時と遮断時の開閉手段M5の下流側の圧力変動
幅が減少する。
【0023】
【実施例】
〈第一実施例〉以下、本発明の内燃機関の燃料噴射装置
をエンジンの燃料噴射装置に具体化した第一実施例を説
明する。
【0024】図2は本発明の第一実施例であるエンジン
の燃料噴射装置のシステム構成図である。
【0025】図2に示すように、エンジンの燃料噴射装
置1は、エンジン2、エアミクスチャ装置3、及びこれ
らをマイクロコンピュータ等でプログラム制御する電子
制御装置(以下、単に「ECU」という)4から構成さ
れている。エンジン2は、シリンダ5、ピストン6、及
びシリンダヘッド7から燃焼室8を形成し、この燃焼室
8には点火プラグ9が配設されている。エンジン2の吸
気系は、前記燃焼室8に対し吸気バルブ10を介して連
通する吸気ポート11と吸気管12、吸入空気の脈動を
吸収するサージタンク13、吸入空気量を調整するスロ
ットルバルブ14、及びエアクリーナ15から構成され
る。前記エンジン2の排気系は、前記燃焼室8に対し排
気バルブ18を介して連通する排気ポート19と排気管
20、及び触媒コンバータ21から構成されている。
【0026】前記エンジン2の点火系は、点火に必要な
高電圧を出力するイグナイタ22、及び図示しないクラ
ンク軸に連動して前記イグナイタ22で発生した高電圧
を点火プラグに分配供給するディストリビュータ23よ
り構成されている。
【0027】前記エンジン2の燃料系は、燃料を貯蔵す
るフューエルタンク24、その燃料を圧送するフューエ
ルポンプ25、圧送された燃料を前記吸気ポート11に
噴射する電磁式の燃料噴射弁(フューエルインジェク
タ)26から構成されている。前記エアミクスチャ装置
3は、前記吸気管12のスロットルバルブ14の上流側
から吸入空気の一部を導入して、燃料の微粒化を促進す
べく、燃料噴射弁26の燃料噴孔部近傍に送給するエア
ミクスチャ管路27、及びエアミクスチャ管路27に設
けられて、前記ECU4の制御にしたがって開閉し、こ
のエアミクスチャ管路27を連通・遮断する2ポート2
位置電磁弁であるエア制御弁28から構成されている。
【0028】エンジン2の燃料噴射装置1は検出器とし
て、前記吸気管12のスロットルバルブ14の上流側に
設けられて、吸入空気量を計測するエアフローメータ3
1、エアフローメータ31の内部に設けられて、吸入空
気温度を測定する吸気温センサ32、前記スロットルバ
ルブ14の開度を検出するスロットルポジションセンサ
33、スロットルバルブ14の全閉状態を検出するアイ
ドルスイッチ34、シリンダブロック5aの冷却系統に
配設されて、冷却水温を検出する水温センサ35、排気
管20内に設けられて、排気中の残存酸素濃度に応じた
空燃比信号を出力する酸素濃度センサ36、前記ディス
トリビュータ23のカムシャフトの1/24回転毎に、
即ち、クランク角で30度毎に回転角信号を出力する回
転数センサを兼ねた回転角センサ37を備えている。
【0029】前記各センサ及びスイッチの検出信号はE
CU4に入力され、ECU4はエンジン2及びエアミク
スチャ装置3を制御する。ECU4は、CPU4a、R
OM4b、RAM4cを中心に論理演算回路を構成し、
コモンバス4dを介して入出力部4eに接続されて、外
部との入出力を行なう。
【0030】次に、前記エアミクスチャ装置3中の燃料
噴射弁26の燃料噴孔部近傍の構造を説明する。
【0031】図3は本発明の第一実施例であるエンジン
の燃料噴射装置の燃料噴射弁の燃料噴孔部近傍の構造を
示す部分拡大断面図である。
【0032】図に示すように、燃料噴射弁26の燃料噴
孔部近傍は、燃料噴射弁26、エアミクスチャ管路2
7、及びエアミクスチャソケット41から構成されてい
る。エアミクスチャソケット41には、複数のエア噴孔
部42、及び燃料噴孔部43が穿設されている。また、
エアミクスチャ管路27とエア制御弁28の通路断面積
は、エア噴孔部42の通路断面積の合計の3倍程度を確
保するように設定され、その結果、エア噴孔部42が最
小絞りとなっている。
【0033】そして、エンジン2の運転中において、吸
気ポート11内は負圧となり、一方、スロットルバルブ
14の上流側は大気圧に近い圧力に保持される。したが
って、その差圧により、エア制御弁28の開弁時には、
吸気管12内のスロットルバルブ14の上流側の吸入空
気の一部が、エアミクスチャ管路27からエアミクスチ
ャソケット41の内部に流入し(以下、このときの吸入
空気を単に「ミキシングエア」という)、エアミクスチ
ャソケット41の各エア噴孔部42から噴出し、燃料噴
射弁26の燃料噴孔部43から噴射された燃料液滴に衝
突して微粒化する。前述したように、エアミクスチャ管
路27やエア制御弁28に対してエア噴孔部42が最小
絞りとなっているため、この箇所でミキシングエアの流
速が最大に高められて、その運動エネルギが燃料の微粒
化のために有効に用いられる。その後、微粒化された燃
料液滴は、燃料噴孔部43から前記吸気ポート11内に
噴流として流出する。
【0034】なお、本実施例の燃料噴射装置1は、エン
ジン2のアイドル運転に必要な吸入空気を供給する専用
のエア管路は備えておらず、後述するように、そのアイ
ドル運転をミキシングエアのみにより維持するように構
成されている。したがって、前記エア噴孔部42の通路
断面積の合計は、4気筒のエンジンの場合、4本分で極
冷間時のファーストアイドル要求空気量、例えば、30
3 /hを供給可能な大きさに設定されている。
【0035】次に、前記ECU4が実行する燃料噴射弁
26とエア制御弁28の制御ルーチンを説明する。
【0036】図4は本発明の第一実施例であるエンジン
の燃料噴射装置のECU4が実行する燃料噴射弁とエア
制御弁の制御ルーチンを示すフローチャート、また、図
5は本発明の第一実施例であるエンジンの燃料噴射装置
の実際のエンジン回転数が目標回転数に収束したときの
燃料噴射弁とエア制御弁の制御信号を示すタイムチャー
トである。
【0037】図4に示すルーチンは、所定のタイミン
グ、例えば、クランク角で360度毎に実行される。ま
ず、ECU4は、ステップS100で燃料噴射量に相当
する燃料噴射弁26の開弁時間を算出する。
【0038】即ち、周知のように、ECU4は前記エア
フローメータ31にて測定された吸入空気量Qを、前記
回転角センサ37にて検出されたエンジン2の回転数N
e で割って基本噴射量Q/Ne を算出し、その基本噴射
量Q/Ne に、前記水温センサ35にて検出された冷却
水温、吸気温センサ32にて測定された吸入空気温度、
及び酸素濃度センサ36から出力された空燃比信号等に
対応する各種補正係数を乗じて、燃料噴射弁26の開弁
時間TAUを算出する。更に、予め、バッテリ電圧に応
じてマップ化された無効噴射時間TAUVを加算して、
燃料噴射弁26の励磁時間である開弁時間TAU+TA
UVとする。
【0039】次いで、ステップS200でエア制御弁2
8の励磁時間である開弁時間TACVの算出処理を実行
する。詳細は後述するが、このエア制御弁28の開弁時
間TACVは、燃料噴射弁26の開弁タイミングに対し
てエア制御弁28をどの程度先行して開弁させるかを示
す立上げ補正時間T1 、及び燃料噴射弁26の閉弁タイ
ミングに対してエア制御弁28をどの程度遅延して閉弁
させるかを示す立下げ補正時間T2 を、燃料噴射弁26
の開弁時間TAU+TAUVに加算して算出される。
【0040】その後、ECU4は、ステップS300で
エア制御弁28の開弁タイミング、つまり、予め設定さ
れた燃料噴射弁26の開弁タイミング(例えば、クラン
ク角でBTDC5度CA)に対して前記立上げ補正時間
T1 だけ先行するタイミングに達したか否かを判定し、
未だ達していないときにはステップS400に移行し
て、燃料噴射弁26の開弁タイミングに達したか否かを
判定する。前述したように、燃料噴射弁26は常にエア
制御弁28より遅れて開弁するため、この時点では、未
だ燃料噴射弁26の開弁タイミングに達していないとし
て、ステップS500に移行する。次いで、ステップS
500でエア制御弁28の閉弁タイミングに達したか否
かを判定し、エア制御弁28は未だ開弁していないた
め、閉弁タイミングにも達していないとしてステップS
600に移行する。更に、ステップS600で燃料噴射
弁26の閉弁タイミングに達したか否かを判定し、この
燃料噴射弁26も未だ開弁していないため、閉弁タイミ
ングに達していないとしてステップS700に移行し、
エア制御弁28と燃料噴射弁26の開閉動作が終了した
か否かを判定し、終了していないため前記ステップS3
00に戻り、このステップS300〜ステップS700
の処理を繰り返す。
【0041】そして、ステップS300でエア制御弁2
8の開弁タイミングに達したと判定すると、図4に示す
ように、ステップS800でエア制御弁28への制御信
号を立上げて開弁させた後、再びステップS300〜ス
テップS700の処理を繰り返す。次いで、立上げ補正
時間T1 が経過して、ステップS400で燃料噴射弁2
6の開弁タイミングに達したと判定すると、ステップS
900で燃料噴射弁26への制御信号を立上げて開弁さ
せ、更に、燃料噴射弁26が開弁してから開弁時間TA
U+TAUVが経過して、ステップS600で燃料噴射
弁26の閉弁タイミングに達したと判定すると、ステッ
プS1100で燃料噴射弁26への制御信号を立下げて
閉弁させる。その後、エア制御弁28が開弁してから開
弁時間TACVが経過して、ステップS500でエア制
御弁28の閉弁タイミングに達したと判定すると、ステ
ップS1000でエア制御弁28への制御信号を立下げ
て閉弁させ、ステップS700でエア制御弁28と燃料
噴射弁26の開閉動作が終了したと判定して、このルー
チンを終了する。
【0042】なお、以上は立下げ補正時間T2 として正
の値が設定されて、燃料噴射弁26の閉弁後にエア制御
弁28を閉弁させた場合を説明したが、エンジン2の運
転状況によっては立下げ補正時間T2 が負の値として設
定される場合もある。したがって、このときにはステッ
プS1100の燃料噴射弁26の閉弁に先行して、ステ
ップS1000でエア制御弁28が閉弁される。
【0043】次に、前述した制御ルーチンのステップS
200でECU4にて実行されるエア制御弁28の開弁
時間TACVの算出処理ルーチンを説明する。
【0044】図6及び図7は本発明の第一実施例である
エンジンの燃料噴射装置のECUが実行するエア制御弁
の開弁時間の算出ルーチンを示すフローチャート、図8
は本発明の第一実施例であるエンジンの燃料噴射装置の
実際の燃料噴射に対してミキシングエアの供給を同期さ
せた状態を示すタイムチャート、図9は本発明の第一実
施例であるエンジンの燃料噴射装置の負荷起動による回
転低下時の燃料噴射弁とエア制御弁の制御信号を示すタ
イムチャート、図10は本発明の第一実施例であるエン
ジンの燃料噴射装置のECUが実際のエンジン回転数と
目標回転数との差に応じて立下げ補正時間の補正量を設
定するためのマップを示す説明図、図11は本発明の第
一実施例であるエンジンの燃料噴射装置のECUがファ
ーストアイドル時に冷却水温に応じて立下げ補正時間の
補正量を設定するためのマップを示す説明図である。
【0045】図6及び図7に示すように、ECU4は、
ステップS201で前記回転角センサ37にて検出され
たエンジン2の回転数Ne が2000rpm 以上であるか
否かを判定し、2000rpm 以上のときには、ステップ
S202でエア制御弁28を常時開弁状態に保持して、
このルーチンを終了する。即ち、前記ステップS300
〜ステップS1100の処理では、燃料噴射弁26と共
にエア制御弁28をエンジン2の回転に同期して開閉制
御しているため、エンジン2の回転数が上昇すると、エ
ア制御弁28の応答性の問題でその開閉動作に遅れが生
じるためである。また、このときにはスロットルバルブ
14の開度に応じて燃焼室8内に多量の吸入空気が導入
されて、その回転数を制御されているため、後述するス
ロットルバルブ14が閉じられたアイドル運転時等のよ
うに、エア制御弁28を開閉動作させてエアミクスチャ
管路27からのミキシングエアの供給量を調整する必要
はないためでもある。
【0046】そして、このようにエア制御弁28が開状
態に保持されることで、スロットルバルブ14の上流側
の吸入空気が、エアミクスチャ管路27を経てエア噴孔
部42から吸気ポート11内にミキシングエアとして連
続的に供給され、燃料噴孔部43から噴射された燃料を
微粒化する役割を果たす。
【0047】また、前記ステップS201で回転数Ne
が2000rpm 未満のときには、ステップS203で前
記アイドルスイッチ34のオンオフ状態に基づいてエン
ジン2がアイドル運転中か否かを判定し、アイドル運転
中でないときには、2000rpm 未満のオフアイドル状
態であると見做してステップS204に移行し、予め設
定された負の値の設定値TA を立下げ補正時間T2 とし
て設定する。その後、ステップS205に移行して予め
設定された正の値の設定値TB を立上げ補正時間T1 と
して設定し、ステップS206で、次式にしたがってエ
ア制御弁28の開弁時間TACVを算出し、このルーチ
ンを終了する。
【0048】 TACV=T1 +(TAU+TAUV)+T2 したがって、図4に示すステップS800及びステップ
S900でエア制御弁28と燃料噴射弁26が開弁され
るときには、図8に示すように、燃料噴射弁26の制御
信号の立上げに対して、エア制御弁28の制御信号の立
上げが立上げ補正時間T1 だけ先行することになり、ま
た、ステップS1000及びステップS1100でエア
制御弁28と燃料噴射弁26が閉弁されるときには、立
下げ補正時間T2 が負の値であることから、燃料噴射弁
26の制御信号の立下げに対して、エア制御弁28の制
御信号の立下げが立下げ補正時間T2 だけ先行すること
になる。
【0049】そして、エア制御弁28の応答性やミキシ
ングエアの慣性の影響等を考慮した上で、立上げ補正時
間T1 の長さは、燃料噴射が実際に開始された時点(図
8にaで示す)で、エア制御弁28の開口面積の増加に
よりエア噴孔部42の上流圧力が最大値に達するように
設定されている。また、立下げ補正時間T2 の長さは、
燃料噴射が実際に終了される時点(図8にbで示す)ま
で、エア噴孔部42の上流圧力が最大値を維持し、か
つ、それ以降は上流圧力が急激に低下するように設定さ
れている。
【0050】その結果、この2000rpm 未満のオフア
イドル状態のときには、ミキシングエアが主に燃料噴射
中に供給され、前述した2000rpm 以上の場合と同じ
く、燃料の微粒化を促進する役割を果たす。
【0051】また、前記ステップS203でエンジン2
がアイドル運転中であると判定したときには、ステップ
S207に移行して、アイドル回転数のF/B条件が成
立しているか否かを判定する。周知のように、このF/
B条件は、エンジン2のアイドル回転数をフィードバッ
ク制御する必要がある条件として定められたものであ
り、例えば、エンジン2の冷却水温が80℃以上のとき
や、車速が3Km/h未満のとき等に成立する。ECU4
は、ステップS207で前記水温センサ35にて検出さ
れた冷却水温や図示しない車速センサにて検出された車
速に基づいて、このF/B条件が成立していると判定し
たときには、ステップS208に移行する。
【0052】そして、ステップS208で、車輌に搭載
されたエアコンや電気的負荷の作動状況、或いは、車輌
がA/T車である場合はNレンジやDレンジ等のシフト
位置の相違に応じて目標回転数NT を、例えば、700
rpm に設定する。次いで、ステップS209で回転角セ
ンサ37で検出された実際のエンジン2の回転数Neと
目標回転数NT との差ΔNe を算出する。
【0053】ΔNe =Ne −NT その後、ステップS210で図10に示すROM4bに
格納されたマップに基づいて、差ΔNe に応じた補正量
ΔT2 を設定し、ステップS211で前回の立下げ補正
時間T2 に補正量ΔT2 を加算した値を、今回の立下げ
補正時間T2 として設定する。
【0054】T2 ←T2 +ΔT2 更に、ステップS205で立上げ補正時間T1 として、
前述した2000rpm未満のオフアイドル時と同一の値
を設定し、ステップS206でこれらの立上げ補正時間
T1 及び立下げ補正時間T2 に基づいてエア制御弁28
の開弁時間TACVを算出して、このルーチンを終了す
る。
【0055】以上の処理により、例えば、図5に示すよ
うに、立下げ補正時間T2 として正の値が設定され、前
記ステップS1000及びステップS1100でエア制
御弁28と燃料噴射弁26が閉弁されるときには、燃料
噴射弁26の制御信号の立下げに対して、エア制御弁2
8の制御信号の立下げが立下げ補正時間T2 だけ遅延さ
れる。そして、この立下げ補正時間T2 は、実際のエン
ジン回転数Ne と目標回転数NT との差ΔNe を小さく
する方向に補正量ΔT2 によって補正され、その結果、
エンジン2が目標回転数NT である700rpm に維持さ
れる。
【0056】したがって、例えば、車輌の急激な操舵に
よりパワーステアリング用ポンプの回転負荷が増加し
て、図9に示すように、エンジン2の回転数が急激に低
下したとき(Cで示す)は、ステップS209で負の値
の差ΔNe が算出されるため、ステップS210で補正
量ΔT2 が正の値として設定され、ステップS211で
立下げ補正時間T2 が延長化される。よって、ミキシン
グエアの供給量の増加によりエンジン2の回転数は再び
上昇して、最終的に目標回転数NT の700rpmに回復
する。また、エアコンが起動したときには、ステップS
208で目標回転数NT が、例えば900rpm に設定さ
れて、ステップS209〜ステップS211の処理によ
り、実際のエンジン2の回転数が900rpm に調整され
る。
【0057】なお、立下げ補正時間T2 は、必ずしも正
の値に設定されるとは限らず、エンジン2の回転を増速
させる方向に回転負荷が作用したとき等には、アイドル
回転数の増加を抑制して目標回転数NT に維持すべく、
立下げ補正時間T2 が負の値に転じて設定されて、エア
制御弁28の開弁時間TACVが短縮化されることもあ
る。
【0058】即ち、このアイドル運転時でF/B条件が
成立しているときには、エア制御弁28の開弁時間TA
CVが立下げ補正時間T2 により適宜補正されて、エン
ジン2がエアコンや電気的負荷等の作動状況、或いはシ
フト位置に応じた目標回転数NT に保持される。したが
って、このときのミキシングエアは、噴射燃料の微粒化
を促進する役割に加えて、アイドル回転数を適正値に維
持する役割も果たす。
【0059】一方、前記ステップS207でアイドル回
転数のF/B条件が成立していないと判定したときに
は、ステップS212に移行し、図11に示すROM4
bに格納されたマップに基づいて、エンジン2の冷却水
温に応じた補正量T2THWを設定する。次いで、ステップ
S213でエンジン2の回転数を低下させる負荷が作用
しているか否か、即ち、車輌に搭載されたエアコンや電
気的負荷が起動されたり、車輌がA/T車である場合は
シフト位置がDレンジに切り換えられたりしたか否かを
判定し、負荷があるときには、ステップS214でその
負荷に応じた補正量T2LD を設定し、ステップS215
で補正量T2THWに補正量T2LD を加算した値を、立下げ
補正時間T2 として設定する。
【0060】T2 ←T2THW+T2LD その後、ステップS205で立上げ補正時間T1 として
前述した2000rpm未満のオフアイドル時と同一の値
を設定し、ステップS206でこれらの立上げ補正時間
T1 及び立下げ補正時間T2 に基づいてエア制御弁28
の開弁時間TACVを算出して、このルーチンを終了す
る。また、ステップS213で負荷が作用していないと
きには、ステップS215で冷却水温に応じた補正量T
2THWを立下げ補正時間T2 として設定する。
【0061】ここで、図11に示すように、補正量T2T
HWは、エンジン2の冷却水温が低いときほど正の大きな
値に設定され、また、冷却水温が約70℃以上のとき、
つまり、エンジン2の暖機がほぼ完了したときには、負
の値に転じて設定される。したがって、前記ステップS
1000及びステップS1100で燃料噴射弁26とエ
ア制御弁28が閉弁されるときには、エンジン2の冷間
時であれば、図5に示すように、エア制御弁28の制御
信号の立下げが立下げ補正時間T2 だけ遅延され、ミキ
シングエアの供給量の増加によりエンジン2の回転数が
上昇して、ファーストアイドル回転が実行され、また、
暖機完了時であれば、図8に示すように、エア制御弁2
8の制御信号の立下げが立下げ補正時間T2 だけ先行
し、ミキシングエアの供給量の減少に伴いエンジン2の
回転数が低下して、ファーストアイドル回転が終了す
る。
【0062】また、前記補正量T2LD は、負荷の種別に
応じて所定の大きさの正の値として設定され、この補正
量T2LD の加算によりエア制御弁28の開弁時間TAC
Vが延長補正される。したがって、ミキシングエアの供
給量の増加に伴い、例えば、Dレンジへの切換時には、
トルクコンバータの負荷によるアイドル回転の低下が防
止され、また、エアコンの起動時には、冷房能力の確保
のためにアイドル回転が若干増加される。
【0063】即ち、このアイドル運転時でF/B条件が
成立していないときには、エア制御弁28の開弁時間T
ACVが立下げ補正時間T2 により適宜補正されて、冷
却水温に応じたファーストアイドル回転が実行され、加
えて、エアコンや電気的負荷の起動、或いは、Dレンジ
への切換等が行なわれたときには立下げ補正時間T2が
延長補正されて、負荷に応じたアイドル回転数が維持さ
れる。したがって、このときのミキシングエアは、F/
B条件が成立しているときと同じく、噴射燃料を微粒化
する役割に加えて、アイドル回転数を適正値に維持する
役割も果たす。
【0064】以上のように、本実施例の燃料噴射装置
は、スロットルバルブ14が全閉されたアイドル運転時
においては、エア制御弁28の開弁時間TACVを立下
げ補正時間T2 により適宜補正して、ミキシングエアの
供給量を調整し、そのミキシングエアにより燃料の微粒
化を促進するだけでなく、アイドル回転数を適正値に維
持している。したがって、従来技術で説明した燃料噴射
装置のように、このエア制御弁28とは別にアイドル回
転数の調整用のISCVを設けて、その開度を制御する
必要がなくなり、前述したステップS300、ステップ
S500、ステップS800及びステップS1000
で、ECU4は単一のエア制御弁28を対象とした開閉
制御を実行するだけでよく、その制御内容が大幅に簡易
化される。
【0065】また、前述したように、開弁時のエア制御
弁28は、その開度を調整されることなく全開状態に保
持されるため(図8に示すエア制御弁28の開口面積か
ら明らかである)、このエア制御弁28の箇所での圧力
損失が最小限に抑制される。したがって、吸気ポート1
1内に発生した負圧を有効に利用して、ミキシングエア
の流速を飛躍的に高めることが可能となる。
【0066】なお、本実施例では、内燃機関M1として
エンジン2が、運転状態検出手段M2として吸入空気量
の決定に用いられるエアフローメータ31、吸気温セン
サ32、スロットルポジションセンサ33、水温センサ
35、酸素濃度センサ36及び回転角センサ37と、エ
ンジン2のアイドル運転を検出するアイドルスイッチ3
4とがそれぞれ機能し、また、燃料噴射手段M3として
燃料噴射弁26が、エア管路M4としてエアミクスチャ
管路27が、開閉手段M5としてエア制御弁28がそれ
ぞれ機能し、更に、開閉制御手段M6としてステップS
204〜ステップS206、ステップS300、ステッ
プS500、ステップS800及びステップS1000
の処理を実行するときのECU4が、開放時間補正手段
M7としてステップS208〜ステップS211、或い
はステップS212〜ステップS215の処理を実行す
るときのECU4がそれぞれ機能する。
【0067】以上詳述したように、本実施例のエンジン
の燃料噴射装置1は、回転角センサ37で検出されたエ
ンジン2の回転数Ne が2000rpm 未満のときに、燃
料噴射弁26の開弁時間TAU+TAUVにほぼ同期し
た開弁時間TACV中に、エアミクスチャ管路27に設
けたエア制御弁28を開弁状態に保持し(ステップS2
04〜ステップS206、ステップS300、ステップ
S500、ステップS800及びステップS100
0)、かつ、アイドルスイッチ34でスロットルバルブ
14の全閉状態が検出されて、エンジン2がアイドル運
転中であると見做したときに、所定のアイドル回転数を
維持すべく、前記エア制御弁28の開弁時間TACVを
立下げ補正時間T2 にて補正する(ステップS208〜
ステップS211、ステップS212〜ステップS21
5)ECU4とを具備している。この構成は請求項1の
発明の実施例に相当するものである。
【0068】したがって、スロットルバルブ14が全閉
されたアイドル運転時においては、エア制御弁28の開
弁時間TACVを立下げ補正時間T2 により適宜補正し
て、ミキシングエアの供給量を調整し、そのミキシング
エアにより燃料の微粒化を促進するだけでなく、アイド
ル回転数を適正値に維持する。その結果、ECU4は単
一のエア制御弁28を対象とした開閉制御を実行するだ
けでよく、その制御内容が大幅に簡易化して、ひいて
は、ECU4の製造コストを低減することができる。
【0069】加えて、開弁時のエア制御弁28は、その
開度を調整されることなく全開状態に保持されるため、
このエア制御弁28の箇所での圧力損失が最小限に抑制
される。故に、吸気ポート11内に発生した負圧を有効
に利用して、ミキシングエアの流速を飛躍的に高めるこ
とができ、燃料の微粒化を十分に達成することができ
る。
【0070】また、本実施例のエンジンの燃料噴射装置
1は、エンジン2がアイドル運転中で、かつ、アイドル
回転数のF/B条件が成立しているときには、エンジン
2の実際の回転数Ne と目標回転数NT との差ΔNe を
縮小する方向に、エア制御弁28の開弁時間TACVを
立下げ補正時間T2 にて補正する(ステップS208〜
ステップS211)ECU4を具備している。この構成
は請求項2の発明の実施例に相当するものである。
【0071】したがって、予めエンジン2の稼働状況に
応じた目標回転数NT を任意に設定して、そのアイドル
回転数を常に適正値に維持することができ、このように
エンジン2の稼働状況に応じたアイドル回転制御の機能
を備えているため、専用の制御機構を付加する必要がな
く、燃料噴射装置の全体的な構成が複雑化するのを未然
に防止して、その製造コストをより低減することができ
る。
【0072】そして、本実施例のエンジンの燃料噴射装
置1は、エンジン2がアイドル運転中で、かつ、アイド
ル回転数のF/B条件が成立していないときには、エン
ジン2の冷却水温が低いときほど、エア制御弁28の開
弁時間TACVを立下げ補正時間T2 にて延長補正する
(ステップS212、ステップS215)ECU4を具
備している。この構成は請求項3の発明の実施例に相当
するものである。
【0073】したがって、エンジン2の冷間時にファー
ストアイドル回転を実行することができ、このようにエ
ンジン2の冷却水温に応じたアイドル回転制御の機能を
備えているため、専用の制御機構を付加する必要がな
く、燃料噴射装置の全体的な構成が複雑化するのを未然
に防止して、その製造コストをより低減することができ
る。
【0074】更に、本実施例のエンジンの燃料噴射装置
1は、エンジン2がアイドル運転中で、かつ、アイドル
回転数のF/B条件が成立していないときには、エアコ
ンや電気的負荷の起動、或いはDレンジへの切換に応じ
て、エア制御弁28の開弁時間TACVを立下げ補正時
間T2 にて延長補正する(ステップS213〜ステップ
S215)ECU4を具備している。この構成は請求項
4の発明の実施例に相当するものである。
【0075】したがって、エンジン2に作用する負荷の
状況に応じてアイドル回転数を常に適正値に維持するこ
とができ、このように負荷に応じたアイドル回転制御の
機能を備えているため、専用の制御機構を付加する必要
がなく、燃料噴射装置の全体的な構成が複雑化するのを
未然に防止して、その製造コストをより低減することが
できる。
【0076】〈第二実施例〉以下、本発明の内燃機関の
燃料噴射装置をエンジンの燃料噴射装置に具体化した第
二実施例を説明する。なお、本実施例の燃料噴射装置の
全体的な構成は、第一実施例の燃料噴射装置と同一であ
り、相違点はエア制御弁51の構造にある。したがっ
て、本実施例では、同一構成の箇所は同一部材番号を付
して重複する説明を省略し、特に相違点を重点的に説明
する。
【0077】図12は本発明の第二実施例であるエンジ
ンの燃料噴射装置のエア制御弁を示す断面図である。
【0078】図に示すように、エア制御弁51のケーシ
ング52には流入ポート53と流出ポート54が設けら
れ、流入ポート53は前記エアミクスチャ管路27を介
して吸気管12のスロットルバルブ14の上流側と連通
し、流出ポート54はエアミクスチャ管路27を介して
前記燃料噴射弁26の燃料噴孔部43近傍と連通してい
る。そして、本実施例の燃料噴射装置では、これらの流
入ポート53と流出ポート54の内径が8mmに設定され
ているため、開弁時の開口面積は約50mm2 となる。ケ
ーシング52内には弁室55が形成され、この弁室55
内の上側において流入ポート53と流出ポート54は相
互に直角に連通している。弁室55内の右側にはムービ
ングコア56が上下方向に移動可能に配設され、そのム
ービングコア56の上部に一体形成された傘状の弁体5
6aは、ムービングコア56の移動に伴って前記流入ポ
ート53の開口部に形成された弁座57に対して接離す
る。
【0079】ムービングコア56の下部は、弁室55内
の下側に配設されたバネ受け58に対してロッド59に
て連結され、バネ受け58と弁室55の内壁との間には
圧縮バネ60が介装されている。そして、圧縮バネ60
の付勢力によりバネ受け58、ロッド59、ムービング
コア56は一体で常に上方に付勢され、ムービングコア
56の弁体56aが弁座57に当接している。ケーシン
グ52内の弁室55の外周にはコイル61が配設され、
このコイル61の励磁時には圧縮バネ60の付勢力に抗
してムービングコア56が左方に吸引されて、その弁体
55を弁座57から離間させる。
【0080】前記ムービングコア56の弁体56aに
は、全閉抑止手段としての略L字状の補助ポート62が
形成され、この補助ポート62の一端は弁体56aの頂
部に開口し、補助ポート62の他端は弁体56aの外周
に開口している。したがって、流入ポート53と流出ポ
ート54は、弁体56aの位置に関係なく常に補助ポー
ト62を介して連通している。つまり、このエア制御弁
51は閉弁時においても完全には閉鎖されずに所定開度
に保持され、少量の吸入空気の通過を許容する。そし
て、本実施例の燃料噴射装置では、補助ポート62の内
径が2mmに設定されているため、閉弁時の開口面積は約
3mm2 となる。
【0081】次に、このように構成された燃料噴射装置
におけるエア制御弁51の開閉制御の状況を説明する。
【0082】図13は本発明の第二実施例であるエンジ
ンの燃料噴射装置の実際の燃料噴射に対してミキシング
エアの供給を同期させた状態を示すタイムチャート、図
14は本発明の第二実施例であるエンジンの燃料噴射装
置の補助ポート開口面積とエア噴孔部上流側の圧力変動
幅との関係を示す説明図、図15は本発明の第二実施例
であるエンジンの燃料噴射装置のエア噴孔部上流側の圧
力変動幅と脈動音との関係を示す説明図である。
【0083】本実施例の燃料噴射装置は第一実施例と同
じく、図4に示す制御ルーチンと図6及び図7に示す算
出ルーチンに基づいてECU4にてエア制御弁51が開
閉制御される。ここで、図13に示すように、開弁時の
エア制御弁51の開口面積は約50mm2 であることか
ら、第一実施例と同様に4本分で200mm2 となるが、
閉弁時においては第一実施例のように開口面積が0とは
ならずに約3mm2 、4本分として12mm2 程度確保され
る。したがって、エア制御弁51の閉弁時において、流
入ポート53から流出ポート54への少量の吸入空気の
通過が許容されて、エア噴孔部42の上流圧力(流出ポ
ート54側の圧力)は第一実施例の場合に比較して高い
値に維持されることになり、この閉弁時の圧力と、大気
圧近くまで上昇する開弁時の圧力(エア制御弁51の上
流側の圧力と等しい)との差、つまり、エア噴孔部42
の上流の圧力変動幅が減少する。
【0084】よって、図14に示すように、補助ポート
62の開口面積が0である第一実施例では75KPa程度
であったエア噴孔部42の上流の圧力変動幅が、本実施
例では補助ポート62の開口面積を1本分で約3mm2
しているため、43KPa程度に減少している。そして、
図15に示すように、この圧力変動幅に対しエア制御弁
51の開閉に伴って発生する脈動音は対数的な関係にあ
るため、圧力変動幅が75KPaから43KPaに減少すれ
ば、脈動音はより大きな比率で大幅に低減される。
【0085】以上詳述したように、本実施例のエンジン
の燃料噴射装置1は、エア制御弁51の弁体56aに、
流入ポート53及び流出ポート54を相互に連通させる
補助ポート62を形成して、エア制御弁51の閉弁時に
おいて、補助ポート62にて開弁時の開度より小さな所
定開度を保持するように構成されている。この構成は請
求項5の発明の実施例に相当するものである。
【0086】したがって、第一実施例で説明した種々の
利点に加えて、エア制御弁51の閉弁時においても少量
の吸入空気の通過が許容されるため、エア噴孔部42の
上流圧力が高い値に維持されて、その結果、開弁時と閉
弁時のエア噴孔部42の上流の圧力変動幅が減少する。
故に、脈動音を大幅に低減して、車室内騒音の増加を未
然に防止することができる。
【0087】ところで、上記第一実施例及び第二実施例
の運転状態検出手段は、燃料噴射量を決定するために用
いられるエアフローメータ31、吸気温センサ32、ス
ロットルポジションセンサ33、水温センサ35、酸素
濃度センサ36及び回転角センサ37と、アイドル運転
を検出するアイドルスイッチ34とから構成されている
が、本発明を実施する場合には、これに限定されるもの
ではなく、燃料噴射量を決定するための諸条件を検出可
能であるとともに、エンジン2のアイドル運転を検出可
能なものであればよい。したがって、例えば、熱線式エ
アフローメータにて検出された吸入空気量に基づいて燃
料噴射量を決定したり、或いは、エンジン2の回転数N
e と吸気管12内の負圧に基づいてアイドル運転を検出
するように構成してもよい。
【0088】また、上記第一実施例及び第二実施例の開
放時間補正手段は、エンジン2がアイドル運転中で、F
/B条件が成立しているときには、フィードバック制御
によりアイドル回転数を任意の目標回転数NT に維持し
(ステップS208〜ステップS211)、F/B条件
が成立していないときには、冷却水温に応じてファース
トアイドル回転を実行するとともに、負荷が作用したと
きにエア制御弁28の開弁時間TACVを延長補正し
て、負荷に応じたアイドル回転数を維持する(ステップ
S212〜ステップS215)ECU4として構成され
ているが、本発明を実施する場合には、これに限定され
るものではなく、エンジン2のアイドル運転時に、エア
制御弁28の開弁時間TACVを適宜補正して、所定の
アイドル回転数を維持可能なものであれば、その制御内
容は限定されない。したがって、必ずしも前述した3種
の処理を実行する必要はなく、例えば、F/B条件が成
立していないときに、負荷の種別に応じた開弁時間TA
CVの補正を省略してもよい。
【0089】更に、上記第一実施例及び第二実施例の開
放時間補正手段は、エンジン2のアイドル運転時に、立
下げ補正時間T2 を補正することで、エア制御弁28の
閉弁タイミングを前後させて、ミキシングエアの供給量
を調整するECU4として構成されているが、本発明を
実施する場合には、これに限定されるものではなく、エ
ア制御弁28の総括的な開弁時間TACVを補正できる
ものであればよい。したがって、例えば、立上げ補正時
間T1 を補正することで、エア制御弁28の開弁タイミ
ングを前後させて、ミキシングエアの供給量を調整する
ように構成してもよい。或いは、燃料噴射に同期した最
小限の開弁時間TACV(例えば、2000rpm のオフ
アイドル時の開弁時間TACV)を基本開弁時間TAC
Vとして設定し、アイドル運転時等のように、その基本
開弁時間TACVだけでは、ミキシングエアの供給量が
不足するときには、基本開弁時間TACV自体を補正す
ることなく、それより以前または以後に別の補正用の開
弁時間を設定し、その開弁時間に基づいてエア制御弁2
8を再度開閉して、必要な量のミキシングエアを追加す
るように構成してもよい。
【0090】一方、上記第二実施例の全閉抑止手段は、
エア制御弁51の流入ポート53と流出ポート54を連
通する内径2mmの補助ポート62として構成されている
が、本発明を実施する場合には、これに限定されるもの
ではなく、エア制御弁51を閉弁時においても完全に閉
鎖せずに、開弁時より小さい開度を保持して少量の吸入
空気の通過を許容可能なものであればよい。したがっ
て、例えば、開閉手段としてエア制御弁51に代えてス
テップモータを駆動源とする流量制御弁を用いた場合に
は、ステップモータに入力する制御信号のステップ数を
開弁時には最大とし、閉弁時には0とせずに所定の値を
保持することで、流量制御弁を小さな開度に保持するよ
うに制御してもよい。なお、この場合には流量制御弁に
制御信号を出力するECU4が全閉抑止手段の機能を果
たすことになる。また、同様に開閉手段としてリニアソ
レノイドやロータリソレノイドを駆動源とする流量制御
弁を用いた場合には、これらのソレノイドに入力する制
御信号のデューティ比を調整することで、閉弁時におい
て流量制御弁を小さな開度に保持してもよい。
【0091】また、上記第一実施例及び第二実施例で
は、吸気管12のスロットルバルブ14の上流側の吸入
空気の一部をエアミクスチャ管路27を経てエア噴孔部
42の近傍に供給する燃料噴射装置として具体化してい
るが、例えば、特開昭57−191454号公報に記載
の燃料噴射装置のように、加圧ポンプにて圧縮した吸入
空気をエア噴孔部42の近傍に供給する燃料噴射装置と
して具体化してもよい。なお、この場合には加圧ポンプ
からの圧縮された吸入空気をエア制御弁28,51にて
制御することになる。
【0092】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の内燃機
関の燃料噴射装置は、燃料噴射手段の燃料噴射にほぼ同
期した期間中に、エア管路に設けた開閉手段を開放状態
に保持する開閉制御手段と、運転状態検出手段の検出に
基づき、内燃機関がアイドル運転中のときに、所定のア
イドル回転数を維持すべく、前記開閉手段の総括開放時
間を補正する開放時間補正手段とを具備しているため、
内燃機関のアイドル運転時においては、開放時間補正手
段により開閉手段の総括開放時間が適宜補正されて、吸
入空気の供給量が調整され、その吸入空気により燃料の
微粒化を促進するだけでなく、アイドル回転数が適正値
に維持される。
【0093】そして、このように開閉制御手段が単一の
開閉手段を対象として開閉制御することから、その制御
内容を大幅に簡易化して、ひいては、開閉制御手段の製
造コストを低減することができる。また、開放時の開閉
手段は、その開度を調整されることなく全開状態に保持
されるため、この開閉手段での圧力損失が最小限に抑制
され、よって、内燃機関の吸気系に発生した負圧を有効
に利用して、噴射箇所近傍に供給される吸入空気の流速
を飛躍的に高めることができ、その結果、噴射燃料の微
粒化を十分に達成することができる。
【0094】また、請求項2の発明の内燃機関の燃料噴
射装置は、開放時間補正手段を、内燃機関の実際の回転
数と予め設定された目標回転数との差を縮小する方向
に、開閉手段の開放時間を補正するように構成したた
め、予め内燃機関の稼働状況に応じた目標回転数を任意
に設定して、そのアイドル回転数を常に適正値に維持可
能となり、このように内燃機関の稼働状況に応じたアイ
ドル回転制御の機能を備えているため、専用の制御機構
を付加する必要がなく、燃料噴射装置の全体的な構成が
複雑化するのを未然に防止して、その製造コストをより
低減することができる。
【0095】そして、請求項3の発明の内燃機関の燃料
噴射装置は、開放時間補正手段を、内燃機関の温度に応
じて、開閉手段の開放時間を補正するように構成したた
め、温度変化に応じてアイドル回転数を常に適正値に維
持可能となり、このように内燃機関の温度変化に応じた
アイドル回転制御の機能を備えているため、専用の制御
機構を付加する必要がなく、燃料噴射装置の全体的な構
成が複雑化するのを未然に防止して、その製造コストを
より低減することができる。
【0096】更に、請求項4の発明の内燃機関の燃料噴
射装置は、開放時間補正手段を、内燃機関に作用する負
荷に応じて、開閉手段の開放時間を補正するように構成
したため、負荷の状況に応じてアイドル回転数を常に適
正値に維持可能となり、このように内燃機関に作用する
負荷に応じたアイドル回転制御の機能を備えているた
め、専用の制御機構を付加する必要がなく、燃料噴射装
置の全体的な構成が複雑化するのを未然に防止して、そ
の製造コストをより低減することができる。
【0097】一方、請求項5の発明の内燃機関の燃料噴
射装置は、開閉手段を、エア管路の遮断時に、全閉抑止
手段にて連通時の開度より小さい所定開度を保持するよ
うに構成したため、エア管路を遮断したときにおいて
も、開閉手段は全閉抑止手段にて所定の小さな開度に保
持されて少量の吸入空気の通過を許容し、開閉手段の下
流側の圧力は完全に遮断した場合に比較して高い値に維
持され、その結果、連通時と遮断時の開閉手段の下流側
の圧力変動幅が減少し、脈動音を大幅に低減して、車室
内騒音の増加を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例の内容を概念的に示
したクレーム対応図である。
【図2】図2は本発明の第一実施例であるエンジンの燃
料噴射装置のシステム構成図である。
【図3】図3は本発明の第一実施例であるエンジンの燃
料噴射装置の燃料噴射弁の燃料噴孔部近傍の構造を示す
部分拡大断面図である。
【図4】図4は本発明の第一実施例であるエンジンの燃
料噴射装置のECUが実行する燃料噴射弁とエア制御弁
の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図5は本発明の第一実施例であるエンジンの燃
料噴射装置の実際のエンジン回転数が目標回転数に収束
したときの燃料噴射弁とエア制御弁の制御信号を示すタ
イムチャートである。
【図6】図6は本発明の第一実施例であるエンジンの燃
料噴射装置のECUが実行するエア制御弁の開弁時間の
算出ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図7は本発明の第一実施例であるエンジンの燃
料噴射装置のECUが実行するエア制御弁の開弁時間の
算出ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図8は本発明の第一実施例であるエンジンの燃
料噴射装置の実際の燃料噴射に対してミキシングエアの
供給を同期させた状態を示すタイムチャートである。
【図9】図9は本発明の第一実施例であるエンジンの燃
料噴射装置の負荷起動による回転低下時の燃料噴射弁と
エア制御弁の制御信号を示すタイムチャートである。
【図10】図10は本発明の第一実施例であるエンジン
の燃料噴射装置のECUが実際のエンジン回転数と目標
回転数との差に応じて立下げ補正時間の補正量を設定す
るためのマップを示す説明図である。
【図11】図11は本発明の第一実施例であるエンジン
の燃料噴射装置のECUがファーストアイドル時に冷却
水温に応じて立下げ補正時間の補正量を設定するための
マップを示す説明図である。
【図12】図12は本発明の第二実施例であるエンジン
の燃料噴射装置のエア制御弁を示す断面図である。
【図13】図13は本発明の第二実施例であるエンジン
の燃料噴射装置の実際の燃料噴射に対してミキシングエ
アの供給を同期させた状態を示すタイムチャートであ
る。
【図14】図14は本発明の第二実施例であるエンジン
の燃料噴射装置の補助ポート開口面積とエア噴孔部上流
側の圧力変動幅との関係を示す説明図である。
【図15】図15は本発明の第二実施例であるエンジン
の燃料噴射装置のエア噴孔部上流側の圧力変動幅と脈動
音との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
M1 内燃機関 M2 運転状態検出手段 M3 燃料噴射手段 M4 エア管路 M5 開閉手段 M6 開閉制御手段 M7 開放時間補正手段 2 エンジン 4 電子制御装置(ECU) 26 燃料噴射弁 27 エアミクスチャ管路 28,51 エア制御弁 31 エアフローメータ 32 吸気温センサ 33 スロットルポジションセンサ 34 アイドルスイッチ 35 水温センサ 36 酸素濃度センサ 37 回転角センサ 62 補助ポート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の運転状態を検出する運転状態
    検出手段と、 前記内燃機関の吸気系に設けられ、前記運転状態検出手
    段にて検出された内燃機関の運転状態に応じて、所定量
    の燃料を吸気系に噴射する燃料噴射手段と、 前記吸気系を流れる吸入空気の一部を、スロットルバル
    ブを迂回して前記燃料噴射手段の噴射箇所近傍に供給す
    るエア管路と、 前記エア管路に設けられて、前記エア管路を連通または
    遮断する開閉手段と、 前記燃料噴射手段の燃料噴射にほぼ同期した期間中に、
    前記開閉手段を開放状態に保持する開閉制御手段と、 前記運転状態検出手段の検出に基づき、内燃機関がアイ
    ドル運転中のときに、所定のアイドル回転数を維持すべ
    く、前記開閉制御手段による開閉手段の総括開放時間を
    補正する開放時間補正手段とを具備することを特徴とす
    る内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記開放時間補正手段は、内燃機関の実
    際の回転数と予め設定された目標回転数との差を小さく
    する方向に、前記開閉手段の開放時間を補正することを
    特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記開放時間補正手段は、内燃機関の温
    度に応じて、開閉手段の開放時間を補正することを特徴
    とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記開放時間補正手段は、内燃機関に作
    用する負荷に応じて、開閉手段の開放時間を補正するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項3に記載の内燃機
    関の燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記開閉手段は、エア管路の遮断時に、
    全閉抑止手段にて連通時の開度より小さい所定開度を保
    持することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれ
    か1つに記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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