JPH06256156A - 皮膚化粧料 - Google Patents
皮膚化粧料Info
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Abstract
全性の点でも優れている新しい皮膚化粧料を提供する。 【構成】 グラブリジンおよびアミノ酸を含有し、これ
ら必須成分の相乗作用により、紫外線等の外的刺激で生
じる炎症や皮膚メラニンの生成・沈着を抑制する皮膚化
粧料。
Description
生じる炎症や皮膚メラニンの生成もしくは沈着を抑制
し、紅斑(日焼け)、皮膚黒化、シミ、ソバカス等を防
止することができる皮膚化粧料に関するものである。
いては、アミノ酸の一種であるチロシンがチロシナーゼ
の作用を受けることによって黒色色素・メラニンを生成
する。そこで、チロシナーゼの働きを阻害する作用を有
する種々の薬剤、たとえばグルタチオン、ビタミンCま
たはその誘導体等を皮膚に塗布することにより、色素の
沈着を防止しようとする試みが従来なされてきた。しか
しながら、これらの薬剤は局所適用における安定性や有
効性の点で、必ずしも満足できるものではない。
成の原因や引き金となるもの、たとえば紫外線によるメ
ラノサイトの活性化や炎症による種々のケミカルメディ
エーターの関与、紫外線により生成する活性酸素類の関
与、更には皮脂過酸化物等の関与が報告されているよう
に、単にチロシナーゼの働きを阻害するだけの薬剤を塗
布してもメラニンの沈着を十分防止することは困難なた
めである。
のように多くの要因が関与している皮膚黒色化を効果的
に防止することができ、しかも安全性の点でも優れてい
る、新しい皮膚化粧料を提供することにある。
は、必須の有効成分としてグラブリジンおよびアミノ酸
を含有することを特徴とし、これら必須成分の相乗作用
により、紫外線等の外的刺激で生じる炎症や皮膚メラニ
ンの生成・沈着を抑制するものである。本発明の皮膚化
粧料を構成する有効成分の一つであるグラブリジンは下
記化1の構造式を有する化合物であって、天然には、甘
草の一種である Glycyrrhizaglabra Linne var. (通称
ロシア・アフガン・トルコカンゾウ)に微量含まれてい
る。
化作用、抗う蝕作用、抗プラスミン作用等の薬理作用を
有することが確認されており、さらに、メラニン生成抑
制作用を有することも知られている(特開平1−311
011号公報)。しかしながら、従来確認されていたグ
ラブリジンのメラニン生成抑制作用はグラブリジンを単
用した場合のものであって、それをアミノ酸その他の生
理活性物質と併用した場合の効果は知られていなかっ
た。
化粧料製造原料とする場合は、まず甘草の根部またはそ
の水抽出残渣(たとえばグリチルリチンを抽出した残
渣)を有機溶媒で抽出する。抽出溶媒としては、メタノ
ール、エタノール等の低級脂肪族アルコール;アセトン
等の低級脂肪族ケトン;ジオキサン、エチルエーテル等
のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲ
ン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ
ル等のエステル類;ヘキサン、ベンゼン等の炭化水素
類;およびこれらの有機溶媒の2種以上の混合物を使用
することができる。抽出処理する甘草は、約5〜15倍
量の上記溶媒に浸漬し、常温で静置するか還流下に加熱
する。抽出液から溶媒を留去して得られる抽出物は、通
常5〜10%程度のグラブリジンを含有しており、その
まま本発明の化粧料に使用することもできるが、精製し
て純度を高めたものを用いることにより、より使用効果
に優れ且つ着色も少ない化粧料を得ることができる。
クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィーによ
り処理したのちアセトンから結晶化させる方法により行
うことができ、この方法によれば、比較的容易にグラブ
リジンの純品を得ることができる。精製は、ほかにも合
成吸着体によるカラムクロマトグラフィーや液−液向流
抽出等、任意の有機化合物精製手段を採用して行うこと
ができる。
含有させるアミノ酸の好ましい具体例としては、グリシ
ン、セリン、バリン、リジン、シスチン、システイン、
アラニン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン、グル
タミン酸、トリプトファン、アルギニン、アスパラギ
ン、アスパラギン酸、スレオニン、メチオニン、フェニ
ルアラニン、ヒスチジン、プロリン、n-メチルセリン、
ラミニン、タウリン、動物由来もしくは植物由来のタン
パク質を加水分解して得られたアミノ酸混合物、微生物
発酵で得られたアミノ酸混合物のほか、酵母菌体、海藻
類、植物種子等より抽出されたアミノ酸混合物等が挙げ
られる。これらのアミノ酸は、2種以上を本発明の化粧
料に含有させてもよい。
因子の重要な構成成分として存在しており、皮膚の外的
因子による損傷によって減少することが知られている。
アミノ酸は、皮膚の角質層における水分の保持に重要な
役割を果たしており、ひいては皮膚の健康の維持や外的
刺激に対するバリヤーとも密接に関連し、美容上からも
非常に重要な働きをすることが知られている。これらの
作用がグラブリジンの作用と相乗的に作用して、好まし
い皮膚の維持・形成に役立つ。
の好適配合量は、化粧料の種類によっても異なるが、通
常、約0.001〜10重量%であり、特に好ましく
は、約0.01〜1.0重量%である。また、アミノ酸の
好適配合量は約0.002〜5重量%であり、特に好ま
しくは約0.01〜2重量%であるが、さらに、グラブ
リジンに対して約20〜5000重量%になるように配
合することが望ましい。
酸の併用によるメラニン生成抑制作用を有利に利用する
ことのできる任意の化粧料、たとえば化粧水、乳液、ク
リーム、パック、石鹸、ボディーシャンプー等の形態を
とることができる。グラブリジンとアミノ酸以外の化粧
料構成成分、たとえば油脂類、界面活性剤、増粘剤、色
素、香料、防腐剤、エタノール、多価アルコール等は、
その化粧料の種類に応じて、必須2成分の作用を損なわ
ない範囲で任意に選択することができる。
5リットルの酢酸エチルに浸漬し、還流下に2時間加熱
して酢酸エチル可溶成分を抽出した。抽出液を分離した
抽出残渣について同様の操作を繰り返し、合計9リット
ルの抽出液を得た。抽出液の溶媒を減圧下に留去し、グ
ラブリジンを含有する抽出物13.1gを得た。次いで
抽出物をクロロホルムに溶解し、シリカゲル(ワコーゲ
ルC-300,和光純薬工業株式会社製品)にまぶしたのち
乾燥した。この乾燥物を、あらかじめシリカゲル1kgを
充填したカラム上に積層充填し、クロロホルム/メタノ
ール混合液(30:1)で溶出し、グラブリジン含有画分
を採取した。この画分の溶媒を減圧下に留去して固形物
5.8gを得たのち、少量のメタノールに溶解し、逆相
シリカゲル(ODSG-3,水戸化学技術研究所製品)にまぶ
して乾燥し、あらかじめ逆相シリカゲル800gを充填
したカラム上に積層充填した。このカラムに、溶出溶媒
として水−アセトニトリル混合液(30:70)を流し、グ
ラブリジン含有画分を採取した。この画分から溶媒を減
圧下に留去し、得られた固形物(4.3g)をアセトン
40mlに溶解し、5℃で3日間静置して、グラブリジン
の結晶3.8gを得た。以下の各実施例においては、グ
ラブリジンとして上記精製グラブリジンの結晶を用い
た。
をプロテアーゼおよびペプシンで加水分解して得られた
もの。 海藻抽出物:マコンブ粗砕物に50重量%の1,3-ブチレ
ングリコールを加え、ときどき撹拌しながら室温で10
日間放置したのち清澄濾過して得られたエキス。 酵母自己消化物:パン酵母を自己消化させたのち清澄濾
過し、さらに凍結乾燥して得られた粉末。 注2:処方4は比較例
た。この場合、まずエタノール/1,3-ブチレングリコー
ル混合液に上記製造例によるグラブリジン結晶を溶解
し、さらに界面活性剤(モノラウリン酸ポリオキシソル
ビタン;20E.O.)、香料およびパラオキシ安息香酸
エステルを加えて溶解した後、精製水およびその他の成
分を加え、撹拌して均一化した。
より使用効果の試験を行なった。紅斑抑制効果試験法:
褐色モルモットの背部を除毛してそこにオクソラレンの
0.1%溶液を塗布し、30分後にUVA 1J/cm2を照
射した。照射直後、照射部位につき2cm×2cm大の5区
画を決め、各区画に、 A:上記化粧水そのまま B:上記化粧水の処方1〜3からグラブリジンを除いた
化粧水 C:上記化粧水の処方1〜3からアミノ酸を除いた化粧
水 D:上記化粧水の処方1〜3からグラブリジンとアミノ
酸の両方を除いた化粧水 E:処方4の化粧水 のいずれかを塗布し、24時間後の紅斑抑制効果を肉眼
観察により判定した(PUVA処理しない皮膚の色を基
準色とする)。
験法に準じてPUVA処理した褐色モルモットにつき、
1週間後、色素の沈着が認められた部位を2cm×2cmの
5区画に分け、各区画に、先に示したA〜Eの化粧水の
いずれかを朝夕各1回、10日間連続で塗布し、10日
後の色素沈着抑制効果を肉眼観察により判定した(PU
VA処理しない皮膚の色を基準色とする)。
リジンおよびアミノ酸混合物の両方を含有する本発明化
粧水は、グラブリジンおよびアミノ酸混合物のいずれを
も含まない化粧水(D)やアスコルビン酸リン酸マグネ
シウムを用いた処方4の比較例化粧水(E)よりも、紫
外線による紅斑を抑制する効果および色素沈着抑制効果
において顕著に優れていることがわかる。また、本発明
の化粧水は、グラブリジンとアミノ酸混合物の一方のみ
を含む化粧水の塗布例(B,C)と比較しても優れた使
用効果を示すことがわかる。なお、炎症その他の皮膚障
害は観察されなかった。
は、まず同表群の原料を70℃で溶解し、原料と混
合した後、78℃にした。次いでこれを、75℃に加熱
した原料へ撹拌しながら徐々に加え、予備乳化を行っ
た。その後ホモジナイザーにかけて乳化を完全に行い、
50℃に冷却後、を添加し、30℃まで冷却した。な
お、処方8は比較例である。
テアリン酸グリセリン 界面活性剤B:モノステアリン酸ソルビタン カルボキシビニルポリマー:1%水溶液
により使用効果の試験を行なった。色素沈着抑制効果試
験法:褐色モルモットの背部を除毛し、除毛部位を2cm
×2cmの区画4区画に分画し、そこに、1日当たりUV
Bを1J/cm2で2日間照射した。4日後に色素の沈着が
認められたので、各区画に A:上記クリームそのまま B:上記クリームの処方からグラブリジンのみを除いた
クリーム C:上記クリームの処方からアミノ酸を除いたクリーム D:処方7のクリーム のいずれかを、1日1回、10日間連続で塗布し、10
日後に色素沈着抑制効果を肉眼観察により判定した(U
VB処理しない皮膚の色を基準色とする)。
験法に準じてUVB処理した褐色モルモットの背部の各
区画に、先に示したA〜Dのクリームを塗布し、24時
間後に紅斑の抑制効果を肉眼観察により判定した(UV
B処理しない皮膚の色を基準色とする)。
リジンとアミノ酸混合物を含有する本発明のクリームを
塗布した場合をグラブリジンまたはアミノ酸混合物を除
いたクリームの塗布例と比較すると、前者は紫外線によ
る紅斑抑制効果および色素沈着抑制効果のいずれにおい
ても後者より優れていることがわかった。また、炎症そ
の他の皮膚障害は観察されなかった。
を含有する本発明の化粧料は紫外線による皮膚の炎症お
よび色素沈着を効果的に防止することができ、好ましく
ない副作用も認められない。
Claims (1)
- 【請求項1】 必須の成分としてグラブリジンおよびア
ミノ酸を含有することを特徴とする皮膚化粧料。
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---|---|---|---|
JP05067376A JP3091045B2 (ja) | 1993-03-04 | 1993-03-04 | 皮膚化粧料 |
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ID=13343237
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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