JPH06255365A - 車両用ドア - Google Patents

車両用ドア

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JPH06255365A
JPH06255365A JP5044899A JP4489993A JPH06255365A JP H06255365 A JPH06255365 A JP H06255365A JP 5044899 A JP5044899 A JP 5044899A JP 4489993 A JP4489993 A JP 4489993A JP H06255365 A JPH06255365 A JP H06255365A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 車両用ドア1の前部にヒンジ部を係止するた
めの縦ビーム10を通し、更にこの縦ビーム10を下方
へ延出し、縦ビーム10の下部を車体側の開口部15の
下隅部16に重ねる。 【効果】 ドアに作用した側方からの力は、縦ビームを
介して複数のヒンジ部および車体側の開口部に力を分散
した状態で車体側で伝えることができ、ドアの側突耐力
を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乗用車等の車両に好適な
ドア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に車両用ドアは上下に離間して設け
られた複数のヒンジ部で車体に開閉自在に取付けられ、
ロック部で閉状態を保つ構成とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】車両用ドアは、前及び
側面からの力を受けるために十分な剛性が要求され、特
に近年は衝突等の大きな外力に対応するべくインパクト
ビームと称する補強材がドア内部に配置されるようにな
ってきた。しかし、その分だけドアの重量が増し、車両
重量増加の要因となっている。そこで本発明の目的は補
強ビームを効果的に配置してドアの剛性を高めると共に
補強ビーム自体の軽量化を図る、即ち、車両用ドアの高
剛性と軽量化を図ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本発明は、ドアに、複数のヒンジ部が係合されると共に
ドアよりも一回り小さく構成された車体側の開口部に掛
かるまで延設した縦ビームを配置する。
【0005】また、ドアに、複数のヒンジ部が係合され
ると共にドアのアウタパネルの形状に倣って中間部分が
外方へ膨出した湾曲縦ビームを配置する。
【0006】更にまた、ドアに、複数のヒンジ部を連結
する縦ビームと、ロック部からヒンジ部のうちの一番下
のヒンジ部に向って延ばされて縦ビームに結合される横
ビームと、この横ビームより断面積が小さいビームであ
ってロック部から一番下のヒンジ部以外のヒンジ部に向
って延ばされて縦ビームに結合される細い横ビームとを
配置する。
【0007】もしくは、ドアに、複数のヒンジ部を連結
する縦ビームと、ロック部からヒンジ部に向って延ばさ
れて縦ビームに結合される横ビームと、これら縦ビーム
と横ビームとの少なくとも一方に結合される窓枠とを配
置する。
【0008】
【作用】ドアに作用した側方からの力は、縦ビームを介
して複数のヒンジ部および車体側の開口部に伝達し、力
を分散した状態で車体側で支承させる。
【0009】縦ビームを外方に凸に湾曲させ、ドアに作
用した側方からの力を上下に分散させ、ドアの局部変形
を抑える。
【0010】縦ビームを底辺とし、複数本の横ビームで
ロック部を頂点とした略三角形状のトラスを組むことで
ドアの撓み剛性を高め、更に一番下のヒンジ部に臨む横
ビームを他の横ビームより強くすることで、低い位置で
の側突に対応する。他の横ビームを細くすることで軽量
化を図る。
【0011】トラス構造の縦ビーム若しくは横ビームに
窓枠を結合することで、窓枠の取付け強度を高める。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を添付図面に基づいて以下に
説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両用ドアの斜視図であり、前ドア
と後ドアとを図示しているがほぼ同じ構造なので、前ド
アで本発明の車両用ドアを説明する。車両用ドア1は想
像線で示す外方に湾曲したアウタパネル2と、比較的平
坦なインナパネル3とで縦長のボックスを構成し、上部
にサッシュと称する窓枠4を配置してなり、前記縦長の
ボックスには図示せぬウインドレギュレータと称する窓
ガラス昇降手段が収納され、この昇降手段で上昇された
窓ガラスが窓枠4に密に当接することで窓ガラスは閉状
態とされる。
【0013】車両用ドア1は上下に離間した上ヒンジ部
6と、下ヒンジ部7と、ドアの閉止状態を保つロック部
8とを備えている。前記上ヒンジ部6と下ヒンジ部7と
はドア1の前部に内蔵された縦ビーム10におのおの係
止されている。また、ロック部8を囲うブラケット11
から横ビーム12が下ヒンジ部7に向って延び、縦ビー
ム10に連結している。即ち、縦ビーム10の前面に下
ヒンジ部7が固着され、縦ビーム10の後面に横ビーム
12の先端が固着されているので、横ビーム12から下
ヒンジ部7へ(又は下ヒンジ部7から横ビーム12へ)
の力の伝達は良好である。
【0014】同様にロック部8を囲うブラケット11か
ら細い横ビーム13が上ヒンジ部6に向って延び、縦ビ
ーム10に連結している。即ち、縦ビーム10の前面に
上ヒンジ部6が固着され、縦ビーム10の後面に細い横
ビーム13の先端が固着されている。上記細い横ビーム
13とは前記横ビーム12と比較して断面積が小さいと
言う意味である。
【0015】図2は図1の2−2線断面図であり、細い
横ビーム13と横ビーム12と角柱形状の縦ビーム10
と変形溝形鋼形状のブラケット11との関係を示す。更
に、車体側の開口部15はドア1より一回り小さく構成
されていることを示す。そして、図1では説明しなかっ
たが窓枠4の一端が縦ビーム10に接合され、窓枠4の
他端がブラケット11に接合されていることを特徴とす
る。
【0016】図3は本発明に係る縦ビームと窓枠との関
係を示す図であり、窓枠4の下端が縦ビーム10の上部
に溶接等で接合されていることを示す。また、縦ビーム
10はアウタパネル2の形状に倣って中間部が外方に膨
出したところの湾曲ビームでもある。
【0017】図4は本発明の車両用ドアと車体側開口部
との関係を示す図であり、車両用ドア1に対して車体側
の開口部15は一回り小さく形成されているのことを示
す。そして、ここで重要なことは縦ビーム10の下部
が、下部ヒンジ部7に留まらずに、下方へ延出され車体
側の開口部15の下隅部16に掛かっていることを特徴
とする。
【0018】図5は図4の5−5線断面図であり、上記
したとおりに縦ビーム10の下部は車体側の開口部15
の下隅部16に十分に掛かっていることを示す。
【0019】以上の構成からなる車両用ドアの作用を次
に述べる。先ず、車両用ドア1に側方から大きな力が作
用した場合であるが、図4において図面表から裏へ大き
な力が作用すると外力は2本の横ビーム12,13を介
して左右の縦ビーム10とブラケット11に伝達され、
特に縦ビーム10は下部が車体側の開口部15の下隅部
16で支承される。よって、本実施例では単にヒンジ部
6,7やロック部8を介して外力を車体側に伝達するの
ではなく、縦ビーム10の下部を介して車体側に外力を
伝達することに特徴がある。車体側の開口部15の下隅
部16は開口部15の他の部分より剛性が大きいので支
承能力も大である。
【0020】上記側方から外力が作用した場合、図3に
示すように縦ビーム10が湾曲しているので、外力は速
かに上下方向に分散され、一部は横ビーム12,13を
介しても分散される。このことは車両用ドア1の側方耐
力が増大したことを示す。
【0021】次に横ビーム12,13の断面積に差を付
けたことの作用を説明する。側方外力の代表例は乗用車
の側突である。乗用車はバンパが低位置にあるため、例
えば図4の横ビーム12にバンパが当ることになる。そ
こでこの横ビーム12を太くしたわけである。図4にお
いて横ビーム12に作用した力の一部は縦ビーム10を
介して車体側開口部15の下隅部16で効率よく支承さ
れる。また、上部の横ビーム13の断面積を小さくした
のでこの部分の軽量化が図れる。
【0022】以上は側方からの外力に対する作用を述べ
たが、車両用ドア1は通常の使用状態においても有利な
構成となっている。図1においてドア1はヒンジ部6,
7を支点に、片持ちされロック部8側が撓み勝手とな
る。ロック部8が下らぬようにドア1の撓みを小さくす
ることは重要である。この点、複数の横ビーム12,1
3でトラスを組み、太い下方の横ビーム12で圧縮力を
受けさせ、細い横ビーム13で引張り力を受けさせたの
で撓みにくい構造となっている。
【0023】尚、本実施例の車両用ドア1は、後部ドア
にも適用できる。更に、乗用車以外の車両用ドアにも適
用できる。また、ブラケット11はロック部8に含めた
構成でもよい。更に、横ビームは3本以上でもよく、こ
の場合は一番下の横ビームを他より太くすればよい。
【0024】
【発明の効果】以上に述べた通り本発明は、複数のヒン
ジ部に結合すると共に車体側の開口部に掛かるまで延設
された縦ビームをドアに配置したので、ドアに作用した
側方からの力は、縦ビームを介して複数のヒンジ部およ
び車体側の開口部に、力を分散した状態で車体側で伝え
ることができ、ドアの側突耐力を高めることができる。
【0025】又、複数のヒンジ部を連通する縦ビームを
外方に凸に湾曲させれば、ドアに作用した側方からの力
を上下に分散でき、複数のヒンジ部に伝達することがで
き、ドアの側突耐力を高めることができる。
【0026】更に縦ビームを底辺とし、複数本の横ビー
ムでロック部を頂点とした略三角形状のトラスを組むこ
とでドアの撓み剛性を高め、更に一番下のヒンジ部に臨
む横ビームを他の横ビームより強くすることで、低い位
置での側突に良好に対応でき、ドアの側突耐力を高める
ことができる。なお、他の横ビームを細くすることで軽
量化を図れる。
【0027】更に又、ドア内部のトラス構造の縦ビーム
若しくは横ビームに窓枠を結合する構造とすれば、窓枠
の取付け強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用ドアの斜視図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】本発明に係る縦ビームと窓枠との関係を示す図
【図4】本発明の車両用ドアと車体側開口部との関係を
示す図
【図5】図4の5−5線断面図
【符号の説明】
1…車両用ドア、2…アウタパネル、3…インナパネ
ル、4…窓枠、6…上ヒンジ部、7…下ヒンジ部、8…
ロック部、10…縦ビーム、12…横ビーム、13…細
い横ビーム、15…車体側の開口部、16…開口部の下
隅部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下に離間して設けられた複数のヒンジ
    部で、車体に開閉自在に取付けられる車両用ドアにおい
    て、このドアには前記複数のヒンジ部が係合されると共
    に、ドアよりも一回り小さく構成された車体側の開口部
    に掛かるまで延設された縦ビームが配置されていること
    を特徴とした車両用ドア。
  2. 【請求項2】 上下に離間して設けられた複数のヒンジ
    部で、車体に開閉自在に取付けられる車両用ドアにおい
    て、このドアには前記複数のヒンジ部が係合されると共
    に、ドアのアウタパネルの形状に倣って中間部分が外方
    へ膨出した湾曲縦ビームが配置されていることを特徴と
    した車両用ドア。
  3. 【請求項3】 上下に離間して設けられた複数のヒンジ
    部で車体に開閉自在に取付けられ、ロック部で閉状態を
    保つ車両用ドアにおいて、このドアには、前記複数のヒ
    ンジ部を連結する縦ビームと、前記ロック部から前記ヒ
    ンジ部のうちの一番下のヒンジ部に向って延ばされて前
    記縦ビームに結合される横ビームと、この横ビームより
    断面積が小さいビームであって前記ロック部から前記一
    番下のヒンジ部以外のヒンジ部に向って延ばされて前記
    縦ビームに結合される細い横ビームとが配置されている
    ことを特徴とした車両用ドア。
  4. 【請求項4】 上下に離間して設けられた複数のヒンジ
    部で車体に開閉自在に取付けられ、ロック部で閉状態を
    保つ車両用ドアにおいて、このドアには、前記複数のヒ
    ンジ部を連結する縦ビームと、前記ロック部から前記ヒ
    ンジ部に向って延ばされて前記縦ビームに結合される横
    ビームと、これら縦ビームと横ビームとの少なくとも一
    方に結合される窓枠とが配置されていることを特徴とし
    た車両用ドア。
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