JPH06254535A - 写真廃液の減圧蒸発処理方法 - Google Patents

写真廃液の減圧蒸発処理方法

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JPH06254535A
JPH06254535A JP7284693A JP7284693A JPH06254535A JP H06254535 A JPH06254535 A JP H06254535A JP 7284693 A JP7284693 A JP 7284693A JP 7284693 A JP7284693 A JP 7284693A JP H06254535 A JPH06254535 A JP H06254535A
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JP
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waste liquid
condensate
ammonia
photographic
liquid
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JP7284693A
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English (en)
Inventor
Haruhiko Iwano
治彦 岩野
Takao Ogawa
尊夫 小川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の減圧蒸留法による写真廃液の処理法の
もつ欠点を解決し、従来の方法と異なって薬品を使用す
ることなく、より効果的で、簡便に、しかも高レベルに
揮発成分を除去する減圧蒸発処理方法を提供する。 【構成】 写真廃液を減圧蒸発濃縮し、その際発生する
蒸気を凝縮させて濃厚廃液と希薄な凝縮液に分離するこ
とからなる廃液処理において、40〜80℃の凝縮液に
空気を接触させて凝縮液中のアンモニアを除去する写真
廃液の減圧蒸発処理方法。また、その凝縮液7に空気1
2を接触させて凝縮液中のアンモニアを除去する手段と
して、向流濡れ壁塔9を使用する写真廃液の減圧蒸発処
理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真廃液の処理方法に
関する。詳しくは、写真廃液処理の前処理として蒸留操
作によってその後の処理を容易にする写真廃液の処理方
法に関し、特にその蒸留により凝縮液(蒸留液)中に混
入した揮発性成分の除去を行う写真廃液の処理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来よりハロゲン化銀写真感光材料の写
真処理の形態は、黒白感光材料の場合には、現像、定
着、水洗等の工程により、カラー感光材料の場合には、
発色現像、漂白定着(又は漂白、定着)、安定、安定化
等の工程により行われており、各工程では必要な処理液
が使用されている。多量の感光材料を処理する写真処理
においては、処理液中の、処理によって消費された成分
を補充して処理液成分を一定に保つことによって、処理
液の性能を一定に保つ手段が採られている。補充液が処
理液に加えられ、写真処理タンク内の処理液の一部が排
出されて、該タンク内の処理液に有害な成分などが蓄積
しないようにするのが普通である。
【0003】写真処理において使用した水洗水や冷却水
を下水道や河川へ放流することが可能な地域もあるが、
これら以外の使用済等の写真処理液〔例えば、現像液、
定着液、発色現像液、漂白定着液(又は漂白液、定着
液)、安定液等〕の放流は現在環境的面から実質上不可
能となっている。このため、各写真現像処理業者は該廃
液を専門の廃液処理業者に処理費用を払って回収しても
らったり、無害化処理設備を設置したりしている。しか
しながら、廃液処理業者に委託する方法は、廃液を貯留
しておくのにかなりのスペースが必要となるし、また廃
液委託処理量が容積によって決められているので、コス
ト的にも極めて高価となる。さらに無害化処理設備は初
期投資(イニシャルコスト)が大きいなどの問題があ
る。
【0004】したがって、廃液を廃液回収業者に渡すに
しても、自家処理するにしても廃液の量が少いことが経
済的である。また、廃液回収業者が収集した廃液を処理
する際も処理に先行して廃液容積を減量させることが経
済的なことが多い。さらに、回収業者が集中処理した液
を最終処分のためにさらに輸送する場合にも廃液量を小
さくすることが有利なことが多い。このように、廃液処
理の各段階で容積を小さくすることが有利なことが多い
ため、蒸発濃縮を行うことが古くから提案されている。
ただ、蒸発濃縮を行う際に温度をほぼ100℃に上昇し
て液を沸騰させる常圧濃縮を行うと、廃液中にある揮発
性成分あるいは廃液中の加熱により分解され易い物質か
ら生ずる揮発性成分が大気中に放出されるという問題が
ある。蒸発濃縮よりも環境への影響が少ない有利な方法
としては、蒸留法、つまり蒸発した成分を大気に放出せ
ず、冷却凝縮させて処理が不要、あるいは処理が簡単な
希薄液として回収する方法も知られている。かかる蒸留
法でもやはり廃液をほぼ100℃に上昇して液を沸騰さ
せて行う常圧蒸留法と、廃液を気密な系において真空ポ
ンプやエジェクターなどで系の気圧を下げて比較的低い
温度、例えば常温に近い蒸発温度で廃液を蒸発させるこ
とによって稼動可能な減圧蒸発法等もある。常圧濃縮法
あるいは常圧蒸留法の場合のように、装置や液を高温に
まで加熱すると、装置に使用できる材質上の問題が生じ
る外、発生する蒸気中ひいては凝縮液に比較的高温流出
の揮発性混入物が入り込む欠点も生じる。従って減圧濃
縮法、特に減圧蒸留法が望ましい。
【0005】しかしながら、写真廃液を減容化するため
に公知のように蒸発濃縮法や蒸留法により処理するとき
には、その廃液中には種々の揮発性物質が含まれている
ために蒸留液にそれらの物質が入ってきて放流が不可能
なものになることが多い。例えば、塩臭化銀カラーペー
パー用のカラー現像液はベンジルアルコールを含有して
いるため、その廃液にも該アルコールが含まれており、
該アルコールは比較的蒸気圧が高いので、蒸留液に多量
に入り、ときにはBOD5,000ppmにもなり、加
熱蒸留ではBODが10,000ppmにもなる。黒白
現像液には比較的低沸点のエチレングリコール、ジエチ
レングリコール、アミン類を含んでおり、上述と同様の
BOD増加をもたらす。
【0006】定着液は、チオ硫酸アンモニウムを含むも
のが多く、現像液との混合廃液ではpHが上るためアン
モニアが蒸留液に混じる。このようにpHが上るとアン
モニアが含まれるという問題が起る。また、定着液や漂
白定着液の廃液からは亜硫酸ガス、硫化性ガスが蒸留液
に混入し、pHを下げる。このように、写真廃液を蒸留
すると廃液の種類によって低沸点の水質規制要因物質が
蒸留液に入るが、蒸留条件、例えば温度、圧力によって
も前記物質の入り方が変ってくる。例えば、カラーネガ
・ペーパー混合廃液を蒸留した場合には、アンモニアが
揮散して蒸留液のpHが9、アンモニア濃度が2,00
0ppmとなるが、その蒸留を続行して濃縮液が固型残
渣となるに至ると、蒸留液には亜硫酸ガスなどの硫黄系
ガスが遂には5,000mg/リットル以上まで含まれ
るようになる。その詳細は、米国写真学会(SPSE)
のフォトフイニシング技術に関する第6回国際シンポジ
ウム(1990年2月、Las Vegas)の岩野他
の報告にある。
【0007】したがって、上記した写真廃液を蒸発濃縮
法や蒸留法において、留出した蒸留水はそのままでは下
水や河川に放流することができない。かかる蒸留水を下
水や河川に放流あるいは再利用可能にする2次処理法と
して、従来下記したような方法が提案されている。 蒸留水を活性炭で処理して揮発性成分を除去する方
法。 酸化剤で無害化処理する方法。例えば印刷感材用黒白
現像液廃液中やカラー及び黒白現像液廃液中に含まれる
アミン類、グリコール類のような有機還元性物質を次亜
塩素酸ソーダや過酸化水素で処理して無害化する方法。 などであるが、いずれも管理に手間がかる上にそれだけ
では下水や河川に放流可能化できるといえない。 特開平4−174838号公報には前記蒸留水(「第
1次蒸留液」)を再度蒸留して得られる蒸留液(「第2
次蒸留液」)が水質規制要因物質の含有量の少ないもの
となる2段蒸留が提案されているが、かかる2段蒸留は
エネルギー経済的には不利である。 従ってなお、薬剤不使用で簡便な写真廃液の減圧蒸発処
理方法の開発が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の減圧濃
縮法や減圧蒸留法のもつ欠点を解決し、従来の方法より
も薬品を使用することもなく、より効果的、簡便に、し
かも高レベルに揮発成分を除去して揮発分の少ない凝縮
液を得ることができる減圧蒸発処理を用いた写真廃液の
処理方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明の写真
廃液の減圧蒸発処理方法によって効果的に解決される。
すなわち、 (1)写真廃液を減圧蒸発濃縮し、その際発生する蒸気
を凝縮させて濃厚廃液と希薄な凝縮液に分離することか
らなる廃液処理において、40〜80℃の凝縮液に空気
を接触させて凝縮液中のアンモニアを除去することを特
徴とする写真廃液の減圧蒸発処理方法。 (2)向流濡れ壁塔を使用して空気と凝集液との気液接
触を行うことを特徴とする上記(1)記載の写真廃液の
減圧蒸発処理方法。 (3)向流濡れ壁塔を使用して、その液相と気相との流
速比を0.1〜20に制御して行うことを特徴とする上
記(1)または(2)記載の写真廃液の減圧蒸発処理方
法。
【0010】(4)原液(写真廃液)の容積と濃縮液の
容積の比で表す濃縮度を3以上とすることを特徴とする
上記(1)〜(3)のいずれか1項記載の写真廃液の減
圧蒸発処理方法。 (5)溶存物質の重量が濃縮液1リットル当たり100
グラム以上になるように濃縮したことを特徴とする上記
(1)〜(3)のいずれか1項記載の写真廃液の減圧蒸
発処理方法。である。
【0011】なお、前記写真現像廃液の減圧蒸発処理方
法を行うに当たっては、凝縮液にアンモニア以外にも揮
発性化合物が多く含まれる場合は予め活性炭で処理した
後、40〜80℃に調温した凝縮液に空気を接触させる
ことが好ましい。また、前記の活性炭の代わりにゼオラ
イトで処理した後、上記したように接触させることによ
り本発明の上記課題を良く達成することができる。ここ
で、上記凝縮液とは蒸発濃縮法や蒸留法により写真廃液
から留出した蒸留水を意味する。
【0012】写真廃液から留出した凝縮液を40〜80
℃に調温し空気を接触させて、凝縮液からアンモニアな
どの揮発成分を除去する本発明の写真廃液の減圧蒸発処
理方法は、向流濡れ壁塔を使用して効果的に実施するこ
とができる。前記の減圧蒸発においては蒸発温度が低い
ため、そこで生ずる凝縮液の温度も20〜30℃程度と
低いものであるので、空気との接触に際しては通常前記
した温度にまで加熱される。以下に図1を用いて本発明
の向流濡れ壁塔を使用して行う本発明の写真現像廃液の
減圧蒸発処理方法について具体的に説明する。ただし、
以下の説明によって本発明の写真現像廃液の減圧蒸発処
理方法が制限されるものではない。
【0013】図1において、減圧蒸留塔1に写真廃液2
を廃液供給管3により導入し、塔頂からの留出蒸気を留
出管4を経て廃液タンク5に凝縮液7として貯留し、凝
縮液7を凝縮液送水管8により熱交換器6を経て40〜
80℃に予備加熱した凝縮液7を向流濡れ壁塔9(スト
リッピング装置)に塔頂10より下向流として供給す
る。向流濡れ壁塔9内にはセラミックス製のラッシリン
グ11などの充填材が充填されている。一方、向流濡れ
壁塔9の底部から操作温度にまで昇温した空気12を空
気供給管13から上向流で塔内に供給する。前記凝縮液
は前記充填材の表面上を流下し、そこに薄膜を形成し、
下から上昇してくる空気と接触することにより、向流濡
れ壁塔が構成される。
【0014】塔9内でラッシリング11などの充填材を
媒介として凝縮液7と空気12が向流で操作温度で気液
混合し、凝縮液7中のアンモニアなどの揮発成分が空気
12中に移行する。処理された凝縮液7は塔底の処理水
流出管14から処理水15として系外に流出し、空気1
2は塔頂から熱交換基6を通り、排気管16から(必要
ならばアンモニア処理の触媒反応部などを経て)系外に
流出する。充填材としてはセラミックス製ラッシリング
の他、例えばガラス製ラッシリング、あるいは沸石、カ
オリン、ゼオライト等の粒状体などを挙げることができ
る。
【0015】上記向流濡れ壁塔内に供給される凝縮液と
空気の量は、どのレベルまで凝縮液中のアンモニアなど
の揮発成分を除去するかによって異なる。この液相(凝
縮液)と気相(空気)の流速比は、供給される時間当た
りの凝縮液の重量と時間当たりの空気の重量の比(L/
G)で表される。このL/G値は0.1〜20の範囲、
好ましくは0.2〜5、さらに好ましくは0.4〜2.
0、特に最適値は0.5〜1.0の範囲にあることであ
る。一般にL/G値を大きい値にするほど空気中のアン
モニアなどの揮発成分の濃度を濃くすることができ、そ
のあとのアンモニアの処理の規模を小さなものとするこ
とができるが、凝縮液からのアンモニアの除去が不完全
となる。処理水中のアンモニア濃度を100mg/リッ
トル以下とするにはL/G値は0.8以下が望ましい。
従ってこの向流濡れ壁塔による処理後の空気中のアンモ
ニアガスの処理方法及び処理水の廃棄に際しての規制値
や再利用の仕方によりこのL/G値の実施値が決定され
ることになる。
【0016】本発明の向流濡れ壁塔に供給される廃水凝
縮液の濃縮度、すなわち現像廃水(原液)の容積と減圧
蒸留留出液の容積との比は3以上、好ましくは3〜1
2、さらに好ましくは、4〜6とする。濃縮度が高い
と、凝縮液中のアンモニア濃度が高くなる上、他の混入
揮発分が増えて濡れ壁塔のアンモニア除去効果が減少す
る。特に酢酸や亜硫酸ガスが高濃縮時に増加して効率を
低下させる。低濃縮では本来の濃縮目的に沿わないこと
になる。このように、アンモニアが液相から気相へ移行
するのを妨害する物質しては酢酸が挙げられる。酢酸が
凝縮液中に存在するとその量だけアンモニアが凝縮液中
に固定される。またこの他炭酸ガスが凝縮液中に溶存す
るとアンモニアの気相へ移行が妨げられる。
【0017】容易にアンモニアを除去できて処理水の再
利用や下水投入に好都合なのは濃縮度の上記の範囲であ
る。勿論、原廃液の固形分の濃度によって上記の範囲は
変わる。上に示した範囲は代表的な写真廃液についての
もので、例えば通常濃縮度は3〜8であるが、リンス廃
液のみからなる場合には濃縮度が100〜300といっ
た値になってもおかしくない。この場合、濃縮液中の溶
存物質の重量は濃縮液1リットル当たり100グラム以
上、好ましくは100〜500グラム、さらに好ましく
は150〜300グラムである。
【0018】なお、凝縮液を予め活性炭で処理した後、
空気接触を行わせることも好ましい態様である。活性炭
はアンモニアが液相から気相へ移行するのを妨害する物
質を除去するので、アンモニア除去効率が向上する。ま
た同様の意味で凝縮液を予めゼオライトで処理する方法
もアンモニア除去効率を向上し得る。上記活性炭として
は、例えばやしがら活性炭などが好ましい例である。
【0019】本発明の写真廃液の減圧蒸発処理方法にお
いて、凝縮液中のアンモニアなどの揮発成分を空気との
接触、すなわちストリッピング法で除去することは数々
の利点がある。以下にこれらの利点について説明する。
まず、アンモニアを含んだ水溶液に空気を吹き込んでそ
の水溶液からアンモニアを空気中へストリッピングする
ことは化学工業ではよく行われる工程である。しかし、
液や空気を加熱して相互に混合することは熱経済的に不
利であり行われない。本発明の写真廃液の減圧蒸発処理
方法のような場合、その規模から加熱を行うことは十分
経済的に可能である。本発明の処理方法では、写真廃液
の濃縮を減圧蒸発で行うので、液の沸騰蒸発は、10〜
500mmHg程度の減圧下、20〜80℃で効率よく
進ので、ストリッピング工程における操作温度と同じ位
の温度で、熱源を共通に利用でき、有利である。また、
通常アンモニアストリッピングでは液をアルカリ性にし
てストリップする。しかしそれは薬品コストがかかる
上、手間がかかるので現像所には不向きであって、この
工程を行うには適しない。
【0020】写真廃液の減圧蒸発処理方法とアンモニア
ストリッピングとを組み合わせで実施する利点の一つと
しては、減圧蒸発処理すると、写真廃液中に種々の化合
物が多量に含有されているにもかかわらず、得られる凝
縮液中には混入成分が少なく、また固形分の含有も少な
い。凝縮液中には揮発性の混入成分が少なく、また固形
分の含有が少ないと、アンモニアストリッピングによる
アンモニア除去の効率が大変高くなることが挙げられ
る。これに比して、常圧沸騰蒸発の方法を採用した場合
には、熱量が無駄になる。蒸発した蒸気を凝集させるに
もヒートポンプ式の蒸発余熱を利用する以上に冷却エネ
ルギーが必要である。つまり、蒸留液に加熱からの発熱
だけでは足りなくなる。減圧蒸発が蒸留水へのアンモニ
アなどの揮発分を過度に混入させない。一般的にアンモ
ニアの混入は400〜2500mg/リットル(凝縮
水)程度であって、このような濃度のものは簡単な濡れ
濡れ壁塔で除去可能である。また、酸化剤や蒸留液の酸
化処理でアンモニアを除去する場合も薬品コストと手間
がかかるが、本発明の廃液処理方法は、減圧蒸留機と向
流濡れ壁塔の他、特別の設備は不要であり、濡れ壁塔は
安価である。またアンモニアなど揮発分を吸収する特別
の吸着剤は不要である。
【0021】本発明において、写真廃液の減圧蒸発には
次の様な減圧蒸発・蒸留装置を使用できる。すなわち、
例えば減圧にすることにより室温又は弱い加温でも蒸発
量が多いようにしてその蒸気を凝縮させる方式のもの。 例:米国Calfran社のModel MPTU、A
PTUやイタリーのLED Italia社のWTS−
E、また、一般産業用途に製作されている減圧濃縮装置
(例えば、日阪製作所、笹倉製作所製)も写真廃液濃縮
に用いることができる。上記装置における凝縮では空
冷、冷媒の断熱圧縮膨張による冷却面利用、水冷などの
手段を用いることができる。上記の方式においては、減
圧は、真空ポンプ、水流ポンプ、エジェクターなどの諸
方式のいずれかを適用して行うことができる。
【0022】本発明の方法は、写真廃液のいずれにも適
用することが可能であって、カラー写真、黒白写真の処
理における写真廃液のいずれにも適用できる。例えば、
現像、漂白、定着、漂白定着、安定浴、リンス浴、前
浴、中和浴、コンディショニング浴などの任意の処理に
おける処理廃液について適用することができ、その個々
の処理における単独の廃液でも、これらを混合した廃液
でも適用することができる。本発明で処理しようとする
写真廃液は、写真処理液から生じるため必然的に写真処
理液成分を主成分としているので、以下において写真処
理液に含まれている成分について説明するが、この廃液
には、そのほか写真処理過程で生成した現像主薬の酸化
体、硫酸塩、ハライドなどの反応生成物や、感光材料か
ら溶け出した微量のゼラチン、界面活性剤などの成分が
含まれている。
【0023】写真処理液は、その処理対象によりカラー
処理、黒白処理液、製版作業に伴う減力液、現像処理タ
ンク洗浄液などがあり、また写真処理液はその処理内容
により現像液、定着液、漂白液、画像安定化液などの種
類がある。
【0024】多くのカラーペーパー用現像液は、カラー
現像主薬、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン塩、炭酸塩、
硬水軟化剤などと共にアルキレングリコール類やベンジ
ルアルコール類を含んでいる。一方カラーネガ用現像
液、カラーポジ用現像液、一部のカラーペーパー用現像
液は、前記のアルコール類を含んでいない。カラー現像
液は、通常、芳香族第一級アミンカラー現像主薬を含有
する。それは主にp−フェニレンジアミン誘導体であ
り、代表例はN,N−ジエチル−p−フェニレンジアミ
ン、2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン、2−メ
チル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチ
ル)アミノ〕アニリン、N−エチル−N−(β−メタン
スルホンアミドエチル)−3−メチル−4−アミノアニ
リンである。また、これらのp−フェニレンジアミン誘
導体は硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホ
ン酸塩などの塩である。該芳香族一級アミン現像主薬の
含有量は現像容液1リットル当り約0.5g〜約10g
の範囲である。
【0025】カラー現像液中には、保恒剤として種々の
ヒドロキシルアミン類を含んでいる。ヒドロキシルアミ
ン類は置換又は無置換のいずれも用いられ、置換体の場
合はヒドロキシルアミン類の窒素原子が低級アルキル基
によって置換されているもの、とくに2個のアルキル基
(例えば炭素数1〜3)によって置換されたヒドロキシ
ルアミン類である。ヒドロキシルアミン類の含有量はカ
ラー現像液1リットル当り0〜5gである。また黒白現
像液中には、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フ
ェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−3−ピラ
ゾリドン、N−メチル−p−アミノフェノール及びその
硫酸塩、ヒドロキノン及びそのスルホン酸塩などが含ま
れている。カラー及び黒白現像液には保恒剤として、亜
硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウ
ム、重亜硫酸カリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、メタ亜
硫酸カリウム等の亜硫酸塩や、カルボニル亜硫酸付加物
を含有するのが普通で、これらの含有量は0g〜5g/
リットルである。その他保恒剤として、カラー及び黒白
現像液にはN,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミン
とトリエタノールアミンなどのアルカノールアミンの組
合せも用いられる。
【0026】カラー及び黒白現像液は、pH9〜12で
ある。上記pHを保持するためには、各種緩衝剤が用いら
れる。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、
四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシン塩、N,
N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン
塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニ
ン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メ
チル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリ
ン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩など
を用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ
酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解性やpH 9.0以上の
高pH領域での緩衝能に優れ、現像液に添加しても写真性
能面への悪影響(カブリなど)がなく、安価であるとい
った利点を有し、これらの緩衝剤が多く用いられる。該
緩衝剤の現像液への添加量は通常 0.1モル/リットル〜
1モル/リットルである。その他、現像液中にはカルシ
ウムやマグネシウムの沈殿防止剤として、あるいは現像
液の安定性向上のために添加される、各種キレート剤が
含まれる。その代表例はニトリロ三酢酸、ジエチレント
リアミン五酢酸、ニトリロ−N,N,N−トリメチレン
ホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−
テトラメチレンホスホン酸、1,3−ジアミノ−2−プ
ロパノール四酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四
酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、2−ホスホノ
ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシ
エチリデン−1,1−ジホスホン酸などである。これら
のキレート剤は必要に応じて2種以上併用されることも
ある。
【0027】現像液は、各種の現像促進剤を含有する。
現像促進剤としては、チオエーテル系化合物、p−フェ
ニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、p−
アミノフェノール類、アミン系化合物、ポリアルキレン
オキサイド、1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒド
ラジン類、メソイオン型化合物、チオン型化合物、イミ
ダゾール類等である。 また、現像液中には、カブリ防
止の目的で、臭素イオンを含有することが多いが、塩化
銀を主体とする感光材料に対しては臭素イオンを含まな
い現像液を用いることもある。その他、無機カブリ防止
剤としてNaClやKClなどの塩素イオンを与える化
合物が含有されることがある。また必要に応じて各種有
機カブリ防止剤が含有される。有機カブリ防止剤として
は、例えば、アデニン類、ベンズイミダゾール類、ベン
ズトリアゾール類及びテトラゾール類を含有していても
よい。これらのカブリ防止剤の含有量は現像液1リット
ル当り0.010g〜2gである。これらのカブリ防止
剤は処理中に感光材料中から溶出し、現像液中に蓄積す
るものも含まれる。また、必要に応じて、アルキルホス
ホン酸、アリールホスホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香
族カルボン酸等の各種界面活性剤が含有される。
【0028】カラー写真処理において、発色現像の後に
通常漂白処理される。漂白処理は定着処理と同時に一浴
漂白着(ブリックス)で行なわれることもある。黒白写
真処理の場合は、漂白工程を経ないで定着処理がなされ
る。このような処理廃液にも本発明方法を適用できる。
漂白液には、酸化剤として鉄(III )又はCo(III)
のEDTA、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロト
リ酢酸、1,3−ジアミノ−プロパン四酢酸、シクロヘ
キサンジアミノ四酢酸、グリコールエーテルジアミン四
酢酸及びそれらの塩、ホスホノカルボン酸塩そのほか過
硫酸塩、キノン類などが含まれている。近年のミニラボ
で使用されている迅速処理用の漂白液には、酸化剤とし
て1,3−ジアミノ−プロパン四酢酸第二鉄錯塩が使用
されており、その漂白液にはpHを低く抑えるために大
量の酢酸が使用されている。そのほか、臭化アルカリ、
臭化アンモニウムなどの再ハロゲン化剤、硼酸塩類、炭
酸塩類、硝酸塩類を適宜含有する場合もある。定着液や
漂白定着液には定着剤のほかに酢酸塩、ホウ酸塩、アン
モニウム又はカリ明ばん亜硫酸塩などが含有されていて
もよい。漂白液、漂白定着液及びそれらの前浴には、必
要に応じて漂白促進剤が使用される。
【0029】定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸
塩、チオエーテル系化合物、チオ尿素類、多量の沃化物
塩等をあげることができるが、チオ硫酸塩の使用が一般
的であり、特にチオ硫酸アンモニウムが最も広範に使用
できる。漂白定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や重亜
硫酸塩、スルフィン酸類あるいはカルボニル重亜硫酸付
加物が好ましい。写真処理液は、上記に説明したような
種々の物質を含有し、しかもその処理内容によっては前
記の物質をかなりの高濃度で含有しているため、それか
ら生ずる写真廃液は、特に各工程からの廃液を混合した
ものはきわめて多くの種々の物質を含有するものとな
り、また通常の廃液に比してかなり高濃度で含有するも
のとなる。
【0030】このため写真廃液は、水質面からは高いB
OD、COD、銀量を含み、高いヨウ素消費量であり、
高いアンモニウム塩濃度、高い塩濃度(炭酸根、硫酸
根、チオ硫酸根)を含み、またカラー写真処理廃液では
鉄塩を含むという特徴があり、これを通常の下水(汚
水)処理法による処理を行うことは希釈を十分にすれば
可能であるといわれているが、実際にはかなり困難を伴
い、多量の希釈水を要し、また処理量が著しく増大する
ことになる。写真廃液の一例として、典型的なミニラボ
のカラーネガ処理とカラーペーパー処理からの廃液の環
境特性データの一例を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】黒白現像液からの廃液では、さらにBO
D、CODの高いものが多い。また、写真廃液は、前記
したような処理液からの廃液であるため、その廃液がど
この処理工程からの廃液を主要部分としているかによっ
てその液性、組成が大きく異なる。例えば、定着、漂白
定着、水洗、安定化の処理工程からの混合廃液はアルカ
リ性であり、このアルカリ性写真処理廃液を蒸留すると
きにはアンモニアなどが発生し易いために、得られる蒸
留液はpHが高く、アンモニアなどをかなり含有したも
のとなる。また、酸性硬膜定着や低pHの漂白定着の処
理工程からの廃液は酸性であって、この酸性写真処理廃
液を蒸留するときには亜硫酸ガスなどが発生し易いため
に、得られる蒸留液はpHが低く、亜硫酸ガスなどをか
なり含有したものとなる(亜硫酸などの形で) 。前記に
より処理水は著しく含有成分が少く、このため水質規制
要因物質が少いため、下水、河川への放流が可能であ
り、また用途によっては再利用することが可能である。
処理水は、アンモニア、アミン、あるいは亜硫酸などの
含有量が200ppm以下であることが好ましい。
【0033】本発明の方法を実施するにあたっては、長
期的に安定に作業が行えるように、廃液中に必要に応じ
て既知の防ばい剤、防菌剤を使用することができる。本
発明方法は、いわゆるミニラボと呼ばれる小規模の現像
所、オフィスドキュメンテーションの場でのマイクロフ
ィルムの処理、印刷、製版所、カラーコピアなどのよう
な小規模の写真処理場において実施するのに適してい
る。同時に、大規模な現像所、いわゆる大ラボにおける
廃液処理の前段として行われるのが有効である。また、
廃液回収業者の処理場においても利用される。
【0034】すなわち、本発明方法は、その分野別に述
べれば、次のような廃液に適用できる。 1)印刷製版工場:黒白・カラー現像液、定着液、漂白
液 これらはPS版の処理廃液、フォトポリマー画像材料の
処理廃液、エッチング液、減力液、絵の具類、インク
類、有機溶剤類、タンククリーニング液など種々の排出
液が混合されたものであってもよく、これらを一括処理
できる。 2)カラー現像所:黒白・カラー現像液、定着液、漂白
液、漂白定着液、画像安定浴、その他の処理浴の排出液 好ましい実施態様は、上記の各浴からの排出液を集め
て処理し、水洗水はそのまま流す。向流多段の節水型
水洗や安定化浴に水洗を兼ねさせる方式をとっている場
合は各排出液を全部混合して処理できる。
【0035】3)事務所、店頭:マイクル1200(商
品名、富士写真フイルム社製)のようなマイクロフィル
ム用プリンタープロセッサーやリーダープリンターを使
用してドキュメンテーションを行っている事務所、製図
等から図面コピーをプリンタープロセッサーで行ってい
る設計事務所、カラーコピーを作成したり、即席プリン
トの店頭写真撮影を行っている店頭のプロセッサー等々
から排出液。 4)廃液回収処理の中間基地 5)廃液を収集した集中処理場 本発明方法で処理する写真廃液の量は、上記したその適
用する分野によって変り、一般の現像所あるいは大手の
印刷工場であれば1日100リットル〜数m3である
が、ミニラボならば1日10リットル程度であり、マイ
クロフィルム複写プロセッサーや病院のレントゲン室な
らばもっと少量である。したがって、それに使用する蒸
留装置もそれに適合する容量のものとし、その型式もそ
の規模に適した機種を選ぶ。
【0036】
【実施例】次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説
明する。 実施例1 市販の撮影済みフジカラーネガフィルム スーパーG−
100、スーパーG−200、スーパーG−400、ス
ーパーG−1600(以上商品名、富士写真フイルム社
製)、コダカラーネガGold−100、Gold−4
00、Gold−1600、(以上商品名、イーストマ
ン・コダック社製)、コニカラーネガDD−100、D
D−400、SR−1600、(以上商品名、コニカ社
製)をとくに区分することなく、各種取り混ぜて、順次
ミニラボ用の小型カラーネガフィルムプロセッサーで処
理した。処理工程と処理の温度、時間、補充量を第2表
に示した。
【0037】
【表2】
【0038】各工程に使用した処理液は次の通りであ
る。 (カラー現像液) タンク液 補充液 ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 3.0g 亜硫酸ナトリウム 4.0g 4.4g 炭酸カリウム 30.0g 32.0g 臭化カリウム 1.4g 0.7g 沃化カリウム 1.3mg − ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4g 2.6g 4−(N−エチル−N−β− ヒドロキシエチルアミノ) −2−メチルアニリン硫酸塩 4.5g 5.0g 水を加えて 1.0リットル1.0リットル pH10.00 10.20
【0039】 (漂白液) タンク液 補充液 エチレンジアミン四酢酸第二 鉄アンモニウム塩 100.0g 110.0g エチレンジアミン四酢酸 二ナトリウム塩 8.0g 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 175.0g 硝酸アンモニウム 8.0g 10.0g アンモニア水 (28%) 7.0ml 4.0ml 水を加えて 1.0リットル1.0リットル pH 6.00 5.7
【0040】 (定着液) タンク液 補充液 エチレンジアミン四酢酸 二ナトリウム 2.0g 4.4g 亜硫酸ナトリウム 16.0g 7.0g チオ硫酸アンモニウム水溶 液 (70%) 200ml 240ml 重亜硫酸ナトリウム 4.0g 12.2g アンモニア水 − 10.0ml 水を加えて 1.0リットル1.0リットル pH 7.3 7.5
【0041】 (安定液) タンク液 補充液 ホルマリン 0.01mol 0.015mol 富士ドライウエル 5.0ml 5.0ml エチレンジアミン四酢酸 二ナトリウム 250mg 250mg 水を加えて 1.0リットル1.0リットル
【0042】このフィルムプロセッサーの各タンクのオ
ーバーフロー液を廃液貯留タンクから減圧蒸発濃縮装置
(LED Italia社製WTS−E150型)に移
し、減圧蒸留を行い、廃液容積(濃縮液容積)を当初の
25%に減らし、当初の75%に当る量の蒸留液を得
た。蒸留液中のアンモニア濃度及びpHは次のとおりで
ある。 アンモニア 1400mg/リットル pH 8.9 この液は、pHが高いため下水や河川へは放流できな
い。また全窒素値でも規制に触れる地域がある。
【0043】蒸留液からアンモニア除去するため向流濡
れ壁塔を用いて処理した。蒸留液の温度を60℃に予熱
してから、蒸留液を向流濡れ壁塔の塔頂から充填床へ流
下させた。一方空気を60℃に予熱して塔の下部から送
り込んで充填床で気液向流接触を行わせた。向流濡れ壁
塔の操作条件は下記の通りである。 蒸留液流量: 1.76 kg/hr 空気流量 : 2.05 kg/hr 気液流速比: 0.86 結果 : 処理水中のアンモニア濃度 : 85mg/リットル pH : 7.6 アンモニアの効果的な除去が比較的単純な装置で達成で
きた。また、接触空気中のアンモニアの平均濃度は、1
020mg/kg−airなので、次にアンモニア分解
工程につなげて処置できる。
【0044】実施例2 (温度効果)実施例1における各フイルムを自動現像機
FP560B(富士写真フイルム株式会社製)を用いた
CN−16FA処理にて処理し、実施例1と同様にして
蒸留液を得た。この蒸留液を使用し、図2に示す構成か
らなる下記向流濡れ壁塔を製作し、アンモニアストリッ
ピングの温度効果を検討した。 蒸留液の水質 : アンモニア濃度 : 1950ppm 酢酸濃度 : 105ppm pH : 8.9 向流濡れ壁塔仕様 : 塔高さ : 1.5m 内 径 : 0.4mφ 充填層高さ : 1.0m 材 質 : 塩化ビニル樹脂製 充填材 : 6mm×6mmφガラス製ラッシリング 充填量 : 1.3リットル 向流濡れ壁塔操作条件 : 原液流量: 1.76kg
/hr(空塔速度:1,400kg/m2 hr) ガス流量: 2.05kg/hr(空塔速度:1,63
0kg/m2 hr) 結果 :処理の結果を第3表に示した。50℃、60
℃、70℃、80℃では効果的にアンモニアの除去が行
われる。常温ではアンモニアの除去は十分ではない。特
に、70℃以上ではアンモニア濃度は40mg/リット
ル以下になるので、大抵の地域で下水などへの放流が可
能である。この程度の温度でストリッピングが可能であ
るので、蒸留時アルカリの添加などは不要であることが
わかる。さらに高温で処理すると、当然分解率があが
る。
【0045】
【表3】
【0046】なお、図2において、9は製作した向流濡
れ壁塔であり、この向流濡れ壁塔9は外部を保温材18
で保温し、内部にはラッシリングが充填材として充填さ
れている。写真廃液2は予熱されて塔頂より供給され、
同時に塔の底より空気2が空気供給管13を経て導入さ
れ、内部のラッシリングを媒介としてアンモニアストリ
ッピングを行う。温度の測定は向流濡れ壁塔9の上部に
設けられた温度計17により測定する。必要ならば温度
計は塔9の下部や中央などに設置しても良い。処理水は
塔の底部の処理水流出管14を経て系外に流出し、アン
モニアを含む空気は塔頂より排気される。 実施例3 (気液比)蒸留液として、実施例2の蒸留液を使用し、
実施例2で示した向流濡れ壁塔を用いて、アンモニアス
トリッピングの気液比の効果を検討した。 蒸留液の水質 : アンモニア濃度 : 1950ppm 酢酸濃度 : 105ppm ストリッピング操作温度 : 60℃ 結果 :処理の結果を第4表に示した。気液比を高くす
る程液相中に止まるアンモニアが多くなり効果が低下す
る。しかし、気相中のアンモニア濃度が増加するので、
後処理工程でアンモニア無害化あるいは捕集するのは容
易になる。ここでは、比較的低い気液比でもアンモニア
の除去が効果的に行われているので、濃厚なアンモニア
含有ガスが得られ、後処理工程でのアンモニア捕集や除
去効率を高めることができる。
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】装置費用が安価で、操作も簡単な向流濡
れ壁塔を用いて、本発明の写真廃液の減圧蒸発処理方法
により、写真廃液の減圧蒸留凝縮液からアンモニアを除
去することができ、処理水を下水などに放流、または再
使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真廃液の減圧発処理システムのフロ
ー説明図
【図2】試作した向流濡れ壁塔の概略図
【符号の説明】
1 減圧蒸留塔 2 写真廃液 3 廃液供給管 4 留出管 5 廃液タンク 6 熱交換器 7 凝縮液 8 凝縮液送水管 9 向流濡れ壁塔 10 塔頂部 11 ラッシリング 12 空気 13 空気供給管 14 処理水流出管 15 処理水 16 排気管 17 塔上部温度計 18 保温材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】なお、図2において、9は製作した向流濡
れ壁塔であり、この向流濡れ壁塔9は外部を保温材18
で保温し、内部にはラッシリングが充填材として充填さ
れている。凝縮液(蒸留液)7は予熱されて塔頂より供
給され、同時に塔の底より空気12が空気供給管13を
経て導入され、内部のラッシリングを媒介としてアンモ
ニアストリッピングを行う。温度の測定は向流濡れ壁塔
9の上部に設けられた温度計17により測定する。必要
ならば温度計は塔9の下部や中央などに設置しても良
い。 処理水は塔の底部の処理水流出管14を経て系外
に流出し、アンモニアを含む空気は塔頂より排気され
る。 実施例3 (気液比)蒸留液として、実施例2の蒸留液を使用し、
実施例2で示した向流濡れ壁塔を用いて、アンモニアス
トリッピングの気液比の効果を検討した。 蒸留液の水質 : アンモニア濃度 : 1950ppm 酢酸濃度 : 105ppm ストリッピング操作温度 : 60℃ 結果 :処理の結果を第4表に示した。気液比を高くす
る程液相中に止まるアンモニアが多くなり効果が低下す
る。しかし、気相中のアンモニア濃度が増加するので、
後処理工程でアンモニア無害化あるいは捕集するのは容
易になる。ここでは、比較的低い気液比でもアンモニア
の除去が効果的に行われているので、濃厚なアンモニア
含有ガスが得られ、後処理工程でのアンモニア捕集や除
去効率を高めることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真廃液を減圧蒸発濃縮し、その際発生
    する蒸気を凝縮させて濃厚廃液と希薄な凝縮液に分離す
    ることからなる廃液処理において、40〜80℃の凝縮
    液に空気を接触させて凝縮液中のアンモニアを除去する
    ことを特徴とする写真廃液の減圧蒸発処理方法。
  2. 【請求項2】 向流濡れ壁塔を使用して空気と凝縮液と
    の気液接触を行うことを特徴とする請求項1記載の写真
    廃液の減圧蒸発処理方法。
  3. 【請求項3】 向流濡れ壁塔を使用して、その液相と気
    相との流速比を0.1〜20に制御して行うことを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の写真廃液の減圧蒸
    発処理方法。
  4. 【請求項4】 原液の容積と濃縮液の容積の比で表す濃
    縮度を3以上とすることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の写真廃液の減圧蒸発処理方法。
  5. 【請求項5】 溶存物質の重量が濃縮液1リットル当た
    り100グラム以上になるように濃縮することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項記載の写真現像廃液の
    減圧蒸発処理方法。
JP7284693A 1993-03-09 1993-03-09 写真廃液の減圧蒸発処理方法 Pending JPH06254535A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003512930A (ja) * 1999-11-02 2003-04-08 シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー プロピレンオキシド製造方法からの工業排水の精製方法
CN114370629A (zh) * 2021-12-24 2022-04-19 江苏三吉利化工股份有限公司 一种苯二酚产品精馏塔余热回收装置及方法

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