JPH06245719A - 粉末乳化剤および製造方法 - Google Patents

粉末乳化剤および製造方法

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JPH06245719A
JPH06245719A JP50A JP3064193A JPH06245719A JP H06245719 A JPH06245719 A JP H06245719A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 3064193 A JP3064193 A JP 3064193A JP H06245719 A JPH06245719 A JP H06245719A
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JP
Japan
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fatty acid
acid ester
emulsifier
starch
hydrolyzate
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JP50A
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English (en)
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Teruo Shimizu
照夫 清水
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 常温でペースト状または液状の乳化剤を粉末
化したものであって、取扱性、混和性、非ケーキング
性、保存安定性、溶解性および分散性に優れ、しかも乳
化剤含有量の多い粉末乳化剤を得る。 【構成】 (A)グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステルおよびレシチンからなる群か
ら選ばれる1種または2種以上の常温でペースト状もし
くは液状の乳化剤20〜80重量%、ならびに(B)
(a)澱粉もしくはその加水分解物と有機酸グリセリン
脂肪酸エステル(重量比100:0.1〜50)、およ
び/または(b)乳化性澱粉誘導体もしくはその加水分
解物からなる粉末化剤80〜20重量%を含む乳化物を
噴霧乾燥して製造した粉末乳化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常温でペースト状または
液状の乳化剤を粉末化した粉末乳化剤およびその製造方
法に関し、さらに詳しくは食品加工材料として利用する
ための粉末乳化剤およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般調理食品、製菓、製パン、デザート
などの食品類の加工材料として、グリセリン脂肪酸エス
テル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびレシチ
ンなどの常温でペースト状または液状の乳化剤が使用さ
れている。ところが、このような乳化剤は、食品加工温
度である常温でペースト状または液状であるため、取扱
性が悪く、また小麦粉等の他の材料との混和性が悪いな
どの問題点がある。このため、このような乳化剤を使っ
て優れた加工食品を製造するためには、高い熟練や大規
模な装置が要求されるという問題点がある。
【0003】ところで常温でペースト状または液状の油
脂その他の油状物については、カゼイン、カゼインナト
リウム等の蛋白質(例えば特開昭50−110403
号、特開昭57−159896号)、アルギン酸ナトリ
ウム、カラギーナン、デキストリン等の多糖類(例えば
特開昭58−152097号)等の粉末化剤を用いて乳
化物を形成し、これを噴霧乾燥して粉末油脂等の粉末油
状物を製造することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような粉末油状物
は、油状物粒子の周囲に粉末化剤の皮膜を形成し、マイ
クロカプセル状の粉末油状物を形成するものである。と
ころが、このような粉末化剤を使用して、常温でペース
ト状または液状の乳化剤を被覆しようとしても、大量の
乳化剤を被覆する場合、皮膜は形成されず、粉末乳化剤
は得られない。
【0005】本発明の目的は、このような乳化剤の粉末
化における問題点を解決するため、特定の粉末化剤を用
いることにより、大量の常温でペースト状または液状の
乳化剤の粉末化を可能にした粉末乳化剤およびその製造
方法を提案することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次の粉末乳化剤
およびその製造方法である。 (1)(A)グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリ
コール脂肪酸エステルおよびレシチンからなる群から選
ばれる1種または2種以上の常温でペースト状もしくは
液状の乳化剤20〜80重量%、ならびに(B)(a)
澱粉もしくはその加水分解物と有機酸グリセリン脂肪酸
エステル(重量比100:0.1〜50)、および/ま
たは(b)乳化性澱粉誘導体もしくはその加水分解物か
らなる粉末化剤80〜20重量%を含むことを特徴とす
る粉末乳化剤。 (2)(A)グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリ
コール脂肪酸エステルおよびレシチンからなる群から選
ばれる1種または2種以上の常温でペースト状もしくは
液状の乳化剤20〜80重量%、ならびに(B)(a)
澱粉もしくはその加水分解物と有機酸グリセリン脂肪酸
エステル(重量比100:0.1〜50)、および/ま
たは(b)乳化性澱粉誘導体もしくはその加水分解物か
らなる粉末化剤80〜20重量%を含む乳化物を噴霧乾
燥することを特徴とする粉末乳化剤の製造方法。
【0007】本発明で粉末化される(A)成分の乳化剤
は、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エステルおよびレシチンからなる群から選ばれる
ものであって、常温でペースト状または液状の乳化剤で
ある。乳化剤は1種単独で使用してもよいし、2種以上
を組合せて使用してもよい。
【0008】上記乳化剤を構成する脂肪酸としては、酢
酸、酪酸、乳酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、リノール酸等の脂肪酸などがあげ
られる。またレシチンとしては、天然レシチン、濃縮レ
シチン、酵素処理レシチンなどを使用することができ
る。
【0009】本発明の(B)成分の粉末化剤(a)に使
用される澱粉としては馬鈴薯澱粉、コーン澱粉、タピオ
カ、米澱粉などがあげられる。澱粉の加水分解物として
は、上記の澱粉を塩酸等の無機酸にて処理した加水分解
物、または酵素糖化分解物もしくは酸分解と酵素糖化処
理とを併用した加水分解物、例えばデキストリンなどが
あげられる。なお、澱粉加水分解物のDE(dextr
ose eqivalent)が50以上のもののみを
使用する場合は、乳化分散性は低く、被膜性に乏しく、
スプレードライ時に良質な粉末乳化剤が得られない。
【0010】また必要に応じて、これらの加水分解物を
さらに水素添加処理して得られる還元澱粉加水分解物、
例えば還元麦芽糖水飴成分等から構成されるマルトデキ
ストリンの還元糖化物なども併用することもできる。澱
粉加水分解物は澱粉の代わりに用いてもよく、また澱粉
と併用してもよい。なお粉末化剤(a)として使用され
る澱粉およびその加水分解物は、後述の澱粉誘導体とは
異なり、乳化性を有していないものである。
【0011】本発明の粉末化剤(a)に用いられる有機
酸グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン脂肪酸エス
テルに有機酸がエステル結合したグリセリン脂肪酸誘導
体であって、有機酸モノエステルが好ましい。有機酸と
してはコハク酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、アセチル酒
石酸等のヒドロキシ酸があげられ、特にアセチル酒石
酸、コハク酸およびクエン酸が好ましい。
【0012】有機酸グリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸
組成は、飽和脂肪酸が90重量%以上、炭素数16〜2
2の脂肪酸を85重量%以上含むものが好ましい。この
ような有機酸グリセリン脂肪酸エステルは1種単独で、
または2種以上組合せて使用することができる。
【0013】本発明において粉末化剤(a)として用い
られる澱粉またはその加水分解物は、澱粉またはその加
水分解物100重量部に対して、有機酸グリセリン脂肪
酸エステル0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重
量部の割合で用いる。
【0014】本発明の(B)成分の粉末化剤(b)に使
用される乳化性澱粉誘導体またはその加水分解物として
は、澱粉または澱粉加水分解物と、アルキル置換された
コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸等の無
水物とを反応させて得られるカルボン酸エステル、この
カルボン酸エステルを酸、酵素等で分解したものなどが
あげられる。
【0015】この乳化性澱粉誘導体およびその加水分解
物は、それぞれ別に用いてもよく、また両者を併用して
もよい。
【0016】本発明の粉末乳化剤は、前記(A)成分の
乳化剤20〜80重量%、好ましくは40〜80重量%
と、(B)成分の粉末化剤が80〜20重量%、好まし
くは60〜20重量%を含むものである。(B)成分の
粉末化剤(a)、(b)はそれぞれ別に用いてもよく、
両者を併用してもよい。併用する場合の(a)、(b)
の割合は任意である。乳化剤が20重量%未満のときは
乳化剤の含量が少ないため、粉末乳化剤としての利用価
値が低くなる。また乳化剤の量が80重量%を超える
と、粉末化が困難になる。
【0017】本発明の粉末乳化剤には前記成分の他に必
要に応じて他の成分を含有させることができる。例えば
麦、コーン、木材等より得られる食用繊維質を粉末乳化
剤中に1〜10重量%含有させると、粉体のウェット感
の改良効果がある。
【0018】また粉末乳化剤を油脂の乳化に用いる場合
には、予め油脂中に乳化剤を溶解した状態で粉末化する
と、粉末乳化剤の油脂に対する溶解性が改善される。こ
の場合使用する油脂は乳化剤に対して同量以下とするの
が好ましい。ここで用いられる油脂としては、大豆油、
菜種油、椰子油、パーム油、パーム核油、綿実油、コー
ン油、豚脂、牛脂、魚油、これらの混合物等の食用油が
あげられる。このほか安定剤、溶解促進剤、その他の添
加剤を添加することができる。
【0019】本発明の粉末乳化剤は前記(A)成分およ
び(B)成分を含む乳化物を噴霧乾燥することにより製
造される。その好ましい製造方法は、前記(B)成分の
澱粉、その加水分解物、乳化性澱粉誘導体、その加水分
解物等の水溶性成分を60〜70℃の水に溶解し、この
水溶液(水相部)に、前記(A)成分の乳化剤、(B)
成分の有機酸グリセリン脂肪酸エステル、その他の油溶
性成分を溶解した60〜70℃の油相部を、前記各成分
の含有量となるように徐々に添加し、プロペラ式の攪拌
機、ホモミキサー、コロイドミル等により予備乳化した
後、圧力式ホモジナイザー等の均質機で微細乳化し、O
/W型の乳化物を形成する。
【0020】こうして得られた乳化物を公知のスプレー
ドライ法に従って噴霧乾燥し、粉末乳化剤を製造する。
有機酸グリセリン脂肪酸エステルは澱粉、その加水分解
物、乳化性澱粉、その加水分解物とともに水相に溶解し
て用いてもよい。食用繊維質などはどちらに加えてもよ
い。
【0021】こうして製造される粉末乳化剤は、乳化剤
その他の油相部の粒子の周囲に、粉末化剤の澱粉、その
加水分解物、乳化性澱粉、その加水分解物の皮膜が形成
され、マイクロカプセル状の粉末となっている。
【0022】本発明の粉末乳化剤は、一般調理食品、製
菓、製パン、デザートなどの食品類の加工用材料として
利用できる。この場合、小麦粉、油脂などとも混和する
ことができ、粉末状であるため、取扱性、混和性なども
良好である。
【0023】
【発明の効果】本発明の粉末乳化剤は、常温でペースト
状もしくは液状の乳化剤を、特定の粉末化剤を用いて粉
末化したので、取扱性、非ケーキング性、保存安定性、
溶解性および分散性などの粉体性能に優れ、しかも乳化
剤含有量の多い粉末乳化剤が得られる。
【0024】また本発明の粉末乳化剤の製造方法によれ
ば、常温でペースト状または液状の乳化剤と特定の粉末
化剤を含む乳化物を噴霧乾燥するようにしたので、上記
のような優れた粉末乳化剤を効率よく製造することがで
きる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって
何ら限定されるものではない。
【0026】実施例1〜10、比較例1〜9 攪拌機付の溶解槽に60〜70℃の温水100重量部を
入れ、表1または表2に示す澱粉、澱粉加水分解物、乳
化性澱粉誘導体および食用繊維質を溶解あるいは分散
し、水相部を得た。これとは別に表1または表2に示す
乳化剤、食用油脂、および有機酸グリセリン脂肪酸エス
テルを添加攪拌し、60〜70℃に昇温後完全溶解し、
これを上記水相部に少しずつ添加し、予備乳化を約20
分間行った。その後ピストン式ホモジナイザーを用いて
圧力100〜150kg/cm2にて乳化し、O/W型
の乳化液を得た。そして得られた乳化液を180〜20
0℃の熱風にて噴霧乾燥し、粉末乳化剤を得た。結果を
表1および表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】表1および表2の略号は次の通りである。 GMO グリセリンモノオレエート 理研ビタミン(株)製 エマルジー MO(商標) GMC グリセリンモノカプリレート 太陽化学(株)製 サンソフト 700P−2(商標) TGO テトラグリセリンペンタオレエート 阪本薬品(株)製 SYグリスター PO−310(商標) HGO ヘキサグリセリンペンタオレエート 阪本薬品(株)製 SYグリスター PO−500(商標) DGO デカグリセリンデカオレエート 阪本薬品(株)製 SYグリスター DAO−750(商標) SEO シュークロースモノオレエート 三菱化成食品(株)製 O−170(商標) SOO ソルビタンモノオレエート 日本油脂(株)製 OP−80R(商標) PGO プロピレングリコールモノオレエート 理研ビタミン(株)製 リケマール PO−100(商標) LE レシチン 日清製油(株)製 精製レシチン MDA グリセリンジアセチル酒石酸モノステアレート 理研ビタミン(株)製 ポエム W−14(商標) MC グリセリンクエン酸モノステアレート 理研ビタミン(株)製 ポエム K−37(商標) MS グリセリンコハク酸モノステアレート 理研ビタミン(株)製 ポエム B−17(商標) 馬澱 馬鈴薯澱粉 コーン澱 コーン澱粉 DE 澱粉加水分解物(デキストリン) E−DE 乳化性澱粉誘導体加水分解物(デキストリン
のコハク酸エステル)
【0030】粉末の状態の評価基準は次の通りである。 ◎ さらさらの状態で非常に良好な粉末である。 ○ 良好な粉末である。 △ 粉末にはなるが、油脂のしみ出し、ブロック、ダマ
が多い。 × 粉末にならない。
【0031】表1および表2の結果から、実施例では乳
化剤含有量の多い場合でも、良好な状態で粉末化できる
ことがわかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)グリセリン脂肪酸エステル、ショ
    糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピ
    レングリコール脂肪酸エステルおよびレシチンからなる
    群から選ばれる1種または2種以上の常温でペースト状
    もしくは液状の乳化剤20〜80重量%、ならびに (B)(a)澱粉もしくはその加水分解物と有機酸グリ
    セリン脂肪酸エステル(重量比100:0.1〜5
    0)、および/または (b)乳化性澱粉誘導体もしくはその加水分解物からな
    る粉末化剤80〜20重量%を含むことを特徴とする粉
    末乳化剤。
  2. 【請求項2】 (A)グリセリン脂肪酸エステル、ショ
    糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピ
    レングリコール脂肪酸エステルおよびレシチンからなる
    群から選ばれる1種または2種以上の常温でペースト状
    もしくは液状の乳化剤20〜80重量%、ならびに (B)(a)澱粉もしくはその加水分解物と有機酸グリ
    セリン脂肪酸エステル(重量比100:0.1〜5
    0)、および/または (b)乳化性澱粉誘導体もしくはその加水分解物からな
    る粉末化剤80〜20重量%を含む乳化物を噴霧乾燥す
    ることを特徴とする粉末乳化剤の製造方法。
JP50A 1993-02-19 1993-02-19 粉末乳化剤および製造方法 Pending JPH06245719A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000033817A1 (en) * 1998-12-08 2000-06-15 Phares Pharmaceutical Research N.V. Phospholipid compositions
JP2005537238A (ja) * 2002-06-20 2005-12-08 アスティオン デルマトロジー エイ/エス ポリヒドロキシアルカンの脂肪酸エステルおよびピリジンカルボキシ誘導体の新規複合体
JPWO2013183422A1 (ja) * 2012-06-08 2016-01-28 理研ビタミン株式会社 ステアロイル乳酸ナトリウム製剤

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