JPH06241948A - 列車状態監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 誤表示等の故障が発生した場合に、その故障
原因を容易に特定できるようにする。 【構成】 モニタＭ1 ，Ｍ2 ，…，Ｍn は、常時、列車
の各部から監視データを収集している。表示制御装置３
は、この監視データに基いて編集作業を行ない、所定項
目についての表示データを表示器４に出力する。そし
て、表示器４の画面中に誤表示が発生した場合、オペレ
ータは診断スイッチ７をオンにする。すると、診断用ウ
インドウ設定手段６は、表示器４の画面中にウインドウ
枠を設定し、このウインドウ枠内に、誤表示された表示
データに対応する監視データを表示させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両等の列車の運
転状態や鉄道車両に搭載される列車構成機器の状態など
についての情報を人間系に知らせることを目的とする列
車状態監視装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来の列車状態監視装置の構成を
示すブロック図である。この図において、各車両にはモ
ニタ装置Ｍ1 ，Ｍ2 ，…，Ｍn が搭載されており、例え
ば、モニタ装置Ｍ1 には外部機器１が接続されている。

【０００３】モニタ装置Ｍ1 ，Ｍ2 ，…，Ｍn の出力デ
ータは、伝送ケーブル２を介して表示制御装置３に送ら
れ、列車状態に関する内容が表示器４の画面に表示され
るようになっている。また、表示制御装置３にはモード
切換スイッチ５が取付けられている。なお、表示制御装
置３及び表示器４は、先頭車両及び最後部車両などの特
定車両にのみ搭載されるものである。

【０００４】次に動作につき説明する。上記の装置を用
いたモニタリングシステムの動作モードとしては、通常
モード、読出モード、診断モードなどがあり、これらの
モードの切換えはモード切換スイッチ５で行なわれる。

【０００５】通常モードは、通常の運行に必要な情報や
故障情報などを表示するモードである。つまり、各車両
のモニタ装置Ｍ1 ，Ｍ2 ，…，Ｍn は外部機器１及び図
示を省略した検出部から常時監視データを収集してお
り、この監視データを表示制御装置３に送出している。
表示制御装置３は、この送られてきた監視データに基い
て編集作業を行ない、所定項目についての表示データを
作成する。表示器４はこの表示データの内容を画面に表
示する。この場合、表示器４には、タッチパネルが設け
られており、このタッチパネルに対する操作により、所
望の画面を表示できるようになっている。

【０００６】読出モードは故障記録の読出しを行うモー
ド、診断モードはモニタリングシステムの故障診断を行
うモードであって、これらは主として保守点検時等に用
いられるモードである。そして、通常モードにおいて、
例えば表示器４の画面表示が正しく行なわれない場合等
は、モード切換スイッチ５の操作により診断モードに切
換え、誤表示の原因の究明が行なわれていた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表示制
御装置３の、通常モードにおける表示制御処理と、診断
モードにおける表示制御処理とでは、表示編集処理の内
容が異なることが多いため、診断モードによる診断が無
意味となることがある。

【０００８】例えば、先頭車両のモニタ装置Ｍ1 からの
監視データに基き、表示器４がこの先頭車両の列番につ
いて誤表示を行なった場合、従来の診断モードでは、モ
ニタ装置Ｍ1 の故障によるものなのか、あるいは外部機
器１としての列番設定器の故障によるものなのか診断す
ることができなかった。

【０００９】また、従来のモニタリングシステムでは、
通常モードの表示画面が一旦消え、診断モードの表示画
面で診断を行なった後、再び通常モードの表示画面に切
換えるという操作を繰返さなければならず、多くの労力
を要するものであった。

【００１０】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、誤表示等の故障が発生した場合に、その故障原因
を容易に特定することができる列車状態監視装置を提供
しようとするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するための手段として、列車の各車両に搭載され、列車
の各部から監視データを収集するモニタ装置と、前記モ
ニタ装置からの監視データに基いて編集作業を行ない、
所定項目についての表示データを表示器に出力する表示
制御装置と、を有する列車状態監視装置において、前記
表示制御装置に取付けられ、前記表示器に誤表示が発生
した場合に操作可能な診断スイッチと、前記表示制御装
置内に設けられ、前記診断スイッチが操作された場合
に、前記表示データの内容を表示している表示器の表示
画面中の一部にウインドウ枠を設定し、このウインドウ
枠内に誤表示された表示データに対応する前記監視デー
タを表示する診断用ウインドウ設定手段と、を備えたこ
とを特徴とするものである。

【００１２】

【作用】上記の列車状態監視装置を用いてオペレータが
各車両の保守点検を行なっている場合において、通常モ
ードの表示画面中に誤表示が発生したときに、診断スイ
ッチを操作する。

【００１３】すると、診断用ウインドウ設定手段は、通
常モードの表示画面中の一部にウインドウ枠を設定し、
このウインドウ枠内に誤表示された表示データに対応す
る監視データを表示する。オペレータは、この表示デー
タと監視データとを同一画面上で対比して判断すること
ができるので、容易に誤表示の原因を特定することがで
きる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１乃至図４に基き
説明する。但し、図５と同様の構成要素には同一符号を
付することとし、重複した説明を省略する。

【００１５】図１は本発明の実施例の構成を示すブロッ
ク図である。図１において、表示制御装置３内のマイク
ロコンピュータには診断用ウインドウ設定手段６が設け
られている。また、表示制御装置３には診断スイッチ７
が取付けられている。

【００１６】次に、動作につき説明する。いま、オペレ
ータがモード切換スイッチ５の位置を通常モードに合わ
せて、列車の保守点検作業を行なっているものとする。
この場合、図２に示すように、表示器４の表示画面８に
は、運転状態に関する所定項目について、種々の表示デ
ータが表示されている。なお、表示画面８の下方にはタ
ッチパネルスイッチ９が設けられており、このタッチパ
ネルスイッチ９に指で触れることにより所望の画面を表
示できるようになっている。

【００１７】そして、オペレータが表示画面８内の表示
データをチェックしていくうちに、列番「１２３４Ｂ」
が誤表示されていることに気が付いたとする。

【００１８】この場合、オペレータは直ちに診断スイッ
チ７をオンにする。すると、図３に示すように、表示画
面８（親画面）の中にウインドウ枠が設定され、その内
側に子画面１０が表示される。子画面１０の下方には、
親画面の場合と同様に、タッチパネルスイッチ１１が設
けられている。オペレータは、「位置」と表示されてい
るタッチパネルスイッチ１１を所定回数だけ指で押すこ
とにより、子画面１０を親画面８の四隅のうちの所望の
位置に設定することができる。この場合は、列番のデー
タが隠れないようにするために子画面１０は親画面８の
右下方に設定するのがよい。

【００１９】次いで、オペレータは、他のタッチパネル
スイッチ１１を操作することにより、各モニタ装置Ｍ1
，Ｍ2 ，…，Ｍn のメモリ領域の中から列番を編集し
ているアドレス、及び列番設定器から設定データを入力
して格納しているアドレスを順次呼び出し、子画面１０
に表示する。

【００２０】そして、例えば、列番設定器からの設定デ
ータが誤ったデータであったとすれば、列番設定器すな
わち外部機器１で何らかの故障が発生していることがわ
かる。あるいは、列番設定器からの設定データは正し
く、列番を編集した後のデータが誤っていれば、モニタ
装置Ｍ1 ，Ｍ2 ，…，Ｍn 内での列番編集処理でミスが
生じたことがわかる。

【００２１】図４は表示制御装置２の通常モードにおけ
る制御内容を示すフローチャートである。すなわち、表
示制御装置２は、まず、診断スイッチ７がオン・オフの
いずれの状態であるかを判断し（ステップ１）、オンで
あれば次に、監視データについて表示アドレスが変更さ
れているかどうかをチェックする（ステップ２）。そし
て、変更された表示アドレスがあれば、そのアドレスを
モニタ装置Ｍ1 ，Ｍ2，…，Ｍn に通知する（ステップ
３）。

【００２２】表示制御装置２は、また、診断スイッチ７
のオン・オフにかかわらず、常時、モニタ情報すなわち
監視データをモニタ監視装置Ｍ1 ，Ｍ2 ，…，Ｍn から
受信している（ステップ４）。そして、表示器４の表示
を行うための子画面及び親画面の編集を常時行なってお
り（ステップ５，６）、通常は、表示器４が親画面のみ
を表示するように制御している（ステップ７）。

【００２３】この後、再び診断スイッチ７のオン・オフ
の状態を判断し（ステップ８）、オンになっていれば親
画面の一部に子画面を表示させるようにする（ステップ
９）。

【００２４】このように、通常モードの画面を表示して
いるうちに誤表示に気が付いた場合、その表示画面の一
部に子画面を設定し、この子画面に監視データを直接表
示できるようにしたので、誤表示の原因を容易且つ速や
かに特定することができる。

【００２５】なお、上記実施例では、診断スイッチを表
示制御装置に設けた例を示したが、表示器にタッチパネ
ル式スイッチとして設けることも可能である。

【００２６】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、親画面
の一部に子画面を設定できるようにし、この子画面に監
視データを表示できる構成としたので、誤表示等の故障
が発生した場合に、その故障原因を容易に特定すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の構成を示すブロック図。

【図２】図１における表示器の表示例を示す説明図。

【図３】図１における表示器の表示例を示す説明図。

【図４】図１の動作を説明するためのフローチャート。

【図５】従来例の構成を示すブロック図。

【符号の説明】

Ｍ1 ，Ｍ2 ，…，Ｍn モニタ装置 ３ 表示制御装置 ４ 表示器 ６ 診断用ウインドウ設定手段 ７ 診断スイッチ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】列車の各車両に搭載され、列車の各部から
   監視データを収集するモニタ装置と、 前記モニタ装置からの監視データに基いて編集作業を行
   ない、所定項目についての表示データを表示器に出力す
   る表示制御装置と、 を有する列車状態監視装置において、 前記表示制御装置に取付けられ、前記表示器に誤表示が
   発生した場合に操作可能な診断スイッチと、 前記表示制御装置内に設けられ、前記診断スイッチが操
   作された場合に、前記表示データの内容を表示している
   表示器の表示画面中の一部にウインドウ枠を設定し、こ
   のウインドウ枠内に誤表示された表示データに対応する
   前記監視データを表示する診断用ウインドウ設定手段
   と、 を備えたことを特徴とする列車状態監視装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の列車状態監視装置におい
   て、前記ウインドウ枠を前記表示器の表示画面の四隅の
   うち所望の位置に設定するためのタッチパネルスイッチ
   を、このウインドウ枠自体に取付けたことを特徴とする
   列車状態監視装置。
3. 【請求項３】請求項１記載の列車状態監視装置におい
   て、前記診断スイッチを、前記表示器にタッチパネル式
   スイッチとして設けたことを特徴とする列車状態監視装
   置。