JPH0624169B2 - トランス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は各種の音響機器、映像機器、産業機器などの電
子機器に使用するトランスに関するものである。

従来例の構成とその問題点 近年、電子機器は軽薄短小と言葉に代表されるように、
トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、抵抗とチップ
化が急速に進むとともに、プリント基板の多層化、薄形
化から部品のリフロータイプが注目されている。

しかし、リフロータイプにするか基板挿入タイプにする
かの選択は、ユーザーのセット事情によって異なる。特
に、リフロータイプのトランスは新たにコイルボビンの
金型を作る必要があり、ユーザーの要望を満たすために
は２種類のコイルボビンを準備しなくてはならず、部品
点数が多くなり、金型代も高くつくという問題がある。

第１図，第２図に従来の基板挿入タイプのトランスの例
を示す。

まず、第１図に示すものは、両端に鍔１ａ，１ｂを有す
るコイルボビン１に巻線３を巻装し、このコイルボビン
１にＥＩ形またはＥＥ形の鉄心２を組込み、このコイル
ボビン１の一方の鍔１ｂに端子４を植設して構成されて
いる。

また、第２図に示すものは、コイルボビン１の両端の鍔
１ａ，１ｂの下端に端子板１ｃを一体に設け、この端子
板１ｃに鉄心２の組込み方向と平行方向に巻線３のリー
ドを接続する端子部５を突出させプリント基板への挿入
接続する端子部４を垂直方向に引出すように植設した構
成となっている。

この両従来例のものは基板挿入タイプでリフロータイプ
としては使用できないものであった。

発明の目的 本発明は上記欠点に鑑み、従来の基板挿入タイプから脱
皮し、リフロータイプを実現すると共に同一コイルボビ
ンでリフロータイプ及び基板挿入タイプを共用化し、部
品点数の削減、金型費用の低減を図るとともに、ユーザ
ーニーズに適合したトランスを提供するものである。

発明の構成 この目的を達成するために本発明のトランスは、そのボ
ビンに端子を折り曲げ用ガイド溝を設け、端子をガイド
溝に合わせ、折り曲げればリフロータイプのトランスと
して、折り曲げなければ基板挿入タイプのトランスとし
て、どちらでも可能な構造とした。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説
明する。

第５図は本発明の第１の実施例におけるトランスの構造
を示すものである。

第５図において１は両端に鍔１ａ，１ｂを有し、この鍔
１ａ，１ｂの下端にそれぞれ端子板１ｃを一体に設けた
コイルボビン、２はこのコイルボビン１に組込まれるＥ
Ｉ又はＥＥ形の鉄心、３はコイルボビン１に巻回した巻
線、４，５は１本の端子で、端子板１ｃの内側に垂直方
向に設けたガイド溝６に合わせて直角に曲げることによ
りコイルボビン１の底面方向に突き出す端子部４と、コ
イルボビン１の側方に突き出す端子部５とに分かれてい
る。それぞれ端子部４，５はどちらを巻回した銅線の巻
付け部としてもよいが、特に今回は、端子部５を巻付け
部、端子部４をトランスとプリント基板接続用の端子と
する。ガイド溝６の深さは端子部４と巻回した銅線３と
の絶縁のため距離を保つ必要があり、コイルボビン１の
巻線部の巾Ａ寸法より外向きに広く端子ピッチＢ寸法
が、Ａ寸法より大きくなるよう構成されている。

第５図のままトランスを完成すれば、プリント基板挿入
タイプのトランスとして使用できる。

第２の実施例は、第５図のトランスを第６図のように、
端子部４ａ，４ｂ，４ｃをそれぞれ端子板１ｃの底面に
上記ガイド溝６と連続するように水平方向に設けた第２
のガイド溝７ａ，７ｂ，７ｃに合わせ、リフロー端子部
４ａ′，４ｂ′，４ｃ′のように折り曲げることによ
り、第７図のように、トランスの底面側方に端子部４′
が突き出したリフロータイプのトランスを構成すること
ができる。

尚、第７図のリフロータイプのトランス及び第５図の基
板挿入タイプのトランスをそれぞれケース８等でシール
ドすることにより、第４図及び第３図の密閉形トランス
となり、より信頼性の高いトランスを実現することがで
きる。

第１の実施例と第２の実施例のトランスの部品材料はす
べて同じものを使用することからリフロータイプのトラ
ンスと基板挿入タイプのトランスと共用化を図ることが
できる。

発明の効果 以上のように本発明のトランスは、同一部品、同一材料
を生産工程の中で２次加工を施すことによりユーザーの
要望に適合した任意の端子構造に変更が可能なトランス
となる。また、リフロータイプにおいては、セット実装
上、大巾な薄型化を達成しうる従来にない画期的なトラ
ンスである。

また、ボビン，ケース，鉄心等の部品材料を共用するこ
とにより部品点数の削減及び金型費の低減により、大巾
なコストダウンを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図は従来のトランスを示す正面図、第３図
は本発明の密閉型基板挿入タイプのトランスを示す斜視
図、第４図は本発明の密閉型リフロータイプのトランス
を示す斜視図、第５図は本発明の第１の実施例における
基板挿入タイプのトランスの内部構造を示す正面図、第
６図，第７図は本発明の第２の実施例におけるリフロー
タイプのトランスの端子折り曲げを説明するための要部
斜視図と内部構造を示す正面図である。 １……コイルボビン、１ａ，１ｂ……鍔、１ｃ……端子
板、２……ＥＩ又はＥＥ形鉄心、３……巻線、４……基
板挿入用端子部、４′……リフロー用端子部、５……銅
線巻付け用端子部、６……端子折り曲げガイド溝、７…
…第２の端子折り曲げガイド溝、８……ケース、Ａ……
巻線の巻巾寸法、Ｂ……端子間寸法。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】両端に鍔をもち、その鍔の下端部にそれぞ
   れ端子板を一体に設け、その端子板に鉄心の挿入方向に
   平行に植設された端子を設け、その端子板の内側面には
   端子を挿入方向と直角に折り曲げてはめこむとともに巻
   線部と端子との絶縁を保つべくコイルボビンの巻線部の
   巾より端子間隔が広い巾を持つように深いガイド溝を持
   ち、また端子板の底面には、このガイド溝に連続しガイ
   ド溝にはめこまれた端子を折り曲げて端子板の底面側方
   に突出させる第２のガイド溝を有し端子の引出し方向を
   選択可能としたコイルボビンに巻線を巻回し、ＥＩ又は
   ＥＥ形の鉄心を組込んでなるトランス。