JPH06239995A - ポリアニリン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

ポリアニリン誘導体およびその製造方法

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JPH06239995A
JPH06239995A JP5032164A JP3216493A JPH06239995A JP H06239995 A JPH06239995 A JP H06239995A JP 5032164 A JP5032164 A JP 5032164A JP 3216493 A JP3216493 A JP 3216493A JP H06239995 A JPH06239995 A JP H06239995A
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polyaniline derivative
polyaniline
aniline
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JP5032164A
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Ayumi Yasuda
歩 安田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/40Forming printed elements for providing electric connections to or between printed circuits
    • H05K3/42Plated through-holes or plated via connections
    • H05K3/423Plated through-holes or plated via connections characterised by electroplating method
    • H05K3/424Plated through-holes or plated via connections characterised by electroplating method by direct electroplating
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 導電性を有し、広い範囲の有機溶媒に可溶で
熱溶融が可能であり、加工性に優れたポリアニリン誘導
体およびその製造方法を提供すること。 【構成】 ポリアニリン誘導体は、下記の平均組成式化
1で表される化合物またはその塩からなるものであり、
その製造方法では、アニリン誘導体の化学酸化重合を、
有機溶媒中で酸化剤として塩化第二鉄を用いて行う。 (式中、R1 はアルキル基またはフェニル基を表し、x
およびyは0.4≦x≦0.6、0.4≦y≦0.6お
よびx+y=1を同時に満たす数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、導電性を有し、加工
性に優れた高分子化合物であるため、Li電池用正極等
の2次電池・1次電池用電極、アルミ電解コンデンサ用
電極、フロッピィディスク等の帯電防止層、帯電防止フ
ィルム、プリント配線基板のスルーホールメッキ電極、
成型品等に用いられるポリアニリン誘導体およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】導電性を有する高分子化合物(ポリマ
ー)は、Li電池用正極等の2次電池・1次電池用電
極、アルミ電解コンデンサ用電極、フロッピィディスク
等の帯電防止層、帯電防止フィルム、プリント配線基板
のスルーホールメッキ電極、成型品等の構成材料として
すでに実用化されている。その他、自動車用バッテリ
ー、耐腐食コーティング、電界効果型トランジスタ(F
ET)、エレクトロクロミック材料、EL発光素子等の
エレクトロルミネッサンス材料、センサ材料等への応用
研究が進められている。
【0003】導電性高分子化合物としては、多くのもの
が既に報告されている。その中でも、特に、ポリチオフ
ェン、ポリピロールおよびポリアニリンにおいて実用化
研究が進んでいる。しかし、これらの導電性高分子化合
物は加工性が悪い。たとえば、ポリチオフェン、ポリピ
ロールおよびポリアニリンは、高分子とは言え、いずれ
も熱溶融せず、射出成形はできない。ポリチオフェンと
ポリピロールは溶媒不溶である。ポリアニリンは溶媒可
溶であるが、唯一、N−メチル−2−ピロリドンに溶融
するだけである。そのため、加工性に優れた導電性高分
子化合物の開発が必要とされている。
【0004】一般的に、不溶不融のポリマーにアルキル
側鎖を付与することにより、可溶化・可溶融化できるこ
とが知られている。このような方向での誘導体の合成
は、ポリチオフェンとポリピロールについては既に報告
されている。しかし、ポリアニリンについては、研究開
発が進んでいない。従来、ポリアニリンの慣用的な合成
法は、酸化剤として二硫酸アンモニウム〔(NH4)2
2 8 〕の水溶液を用い、水溶媒中で原料のアニリン
(モノマー)を化学酸化重合させる方法であるが、この
方法は、アルキル側鎖を持つポリアニリン誘導体の合成
には適用できなかった。なぜならば、酸化剤の二硫酸ア
ンモニウムを溶解し、反応溶媒である水に対して、原料
の、アルキル側鎖を持つアニリン誘導体(モノマー)が
不溶であるため、反応速度が非常に遅いからである。ま
た、アニリン誘導体の酸化重合を、このアニリン誘導体
が可溶である有機溶媒中で行おうとしても、酸化剤の二
硫酸アンモニウムが、アルコール、テトラヒドロフラン
等の極性溶媒を除いては、有機溶媒に不溶であるため、
溶媒の選択が困難であるからである。
【0005】最近になって、下記の平均組成式化3で表
されるポリアニリン誘導体、特に下式化3中のR1 がC
3 基またはC2 5 基であるポリアニリン誘導体が、
MacDiarwidらによって合成されたと報告された〔S. K.
Monahar 、A. G. MacDiarwid、A. J. Epstein 著「Bul
l. Am. Phys. Soc.」誌、第34巻第583 頁 (1989年刊);
A. G. MacDiarwid、A. J. Epstein 著「Faraday Discus
s. Chem. Soc. 」誌、第88巻第317 頁 (1989年刊) 参
照〕。
【0006】
【化3】
【0007】MacDiarwidらによると、ポリアニシジン
(前記式化3中のR1 がCH3 基である化合物)は、ジ
メチルスルホキサイド、クロロホルム等の汎用の有機溶
媒に可溶であり、さらのその塩は水に可溶である。しか
し、前記ポリアニシジンの導電率は低いものである。た
とえば、前記式化3において、置換基(−OR1 )を持
たないポリアニリンが約30S/cmの導電率を示すの
に対し、前記ポリアニシジンは、10-3S/cmという
低い導電率を示すにとどまる。MacDiarwidらは、この原
因として、前記式化3中の置換基(−OR1 )による立
体障害によって、隣接するフェニル基が同一面内にない
ため、導電性を示す素因となるπ電子共役系が充分に共
役しないからであるとしている。
【0008】また、アライドシグナル社のRonald L. El
senbaumer は、特表平3−505892号公報で、ポリ
アニシジンを含むポリ(アルコキシアニリン)に言及し
ている。 前述のMacDiarwidらおよびElsenbaumer によ
り報告されているポリアニシジンの合成法は、いずれも
同じであり、硫酸酸性または塩酸酸性のアニシジン水溶
液に二硫酸アンモニウムの水溶液を滴下し、0〜−4℃
で反応させた後、生成した沈澱物をメタノール等で洗浄
するという方法である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、本願発明者
が前述の従来のポリアニシジンの合成法の追試を行った
結果、以下の重要な点が明らかになった。図2は、前述
の慣用法に従い、二硫酸アンモニウムを酸化剤として用
い、水溶媒中でアニリンを酸化重合することにより合成
されたポリアニリンの固体13C−NMR吸収スペクトル
を示す。
【0010】図3は、前述のMacDiarwidらおよびElsenb
aumer により報告されているポリアニシジンの合成法に
従い、二硫酸アンモニウムを酸化剤として用い、水溶媒
中でアニシジンを酸化重合することにより合成されたポ
リアニシジンの固体13C−NMR吸収スペクトルを示
す。前記慣用法に従って合成されたポリアニリンは、3
0S/cmの導電率を有し、π電子共役系がよく発達し
ている。これは、図2にみるように、0〜100ppm の
化学シフト値(δ)範囲に吸収がみられないことから確
認される。
【0011】これに対し、前記MacDiarwidらおよびElse
nbaumer により報告されている合成法に従って合成され
たポリアニシジンについては、10-3S/cmという低
い導電率を示すとともに、図3にみるように、化学シフ
ト値が100ppm の位置にも吸収(図3中、矢印で示す
吸収)がみられる。これは、π電子共役していない炭素
原子が存在していることを示す(ただし、図3中、55
ppm の大きな吸収ピークは、メトキシ基の炭素原子によ
る吸収であり、π電子共役系の有無とは関係がない)。
したがって、MacDiarwidらおよびElsenbaumer により報
告されているポリアニシジンは、π電子共役していない
部分がポリマー主鎖にあり、これが10 -3S/cmとい
う低い導電率に関連していると考えられる。言い換えれ
ば、このポリアニシジンは、前記式化3で表される構造
を有していない。
【0012】そこで、この発明は、導電性を有するとと
もに、広い範囲の有機溶媒に可溶で熱溶融が可能である
ため加工性に優れたポリアニリン誘導体およびその製造
方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明にかかるポリアニリン誘導体は、下記の平
均組成式化4で表される化合物またはその塩からなるも
のである。
【0014】
【化4】
【0015】(化4中、R1 はアルキル基またはフェニ
ル基を表し、xおよびyは0.4≦x≦0.6、0.4
≦y≦0.6およびx+y=1を同時に満たす数であ
る。)この発明にかかるポリアニリン誘導体の製造方法
は、原料のアニリン誘導体を化学酸化重合することによ
りポリアニリン誘導体を製造する方法において、前記ア
ニリン誘導体の化学酸化重合を、有機溶媒中で、酸化剤
として塩化第二鉄を用いて行うことを特徴とする。
【0016】以下では、まず、この発明にかかるポリア
ニリン誘導体について説明する。このポリアニリン誘導
体には、塩基タイプのものと、塩タイプのものがある。
塩基タイプは前記の平均組成式化4で表される化合物で
ある。塩タイプは、前記塩基タイプのポリアニリン誘導
体の塩であり、たとえば、塩酸塩の場合、下記の平均組
成式化5で表される。
【0017】
【化5】
【0018】(化5中、R1 、xおよびyは前記化4中
のものと同一である。)この発明のポリアニリン誘導体
が、π電子共役構造を持つことの確認手段としては、特
に限定はされないが、たとえば、塩基タイプのポリアニ
リン誘導体の場合、その13C−NMR吸収スペクトルに
おいて、テトラメチルシランの吸収ピークを基準とし
て、70〜120ppm の化学シフト範囲にある吸収ピー
クの総面積が70〜220ppm の化学シフト範囲にある
吸収ピークの総面積に対して10%以下の割合である特
性を示すことが確認の一助となる。
【0019】次に、この発明にかかるポリアニリン誘導
体の製造方法について説明する。原料のアニリン誘導体
としては、特に限定はされないが、たとえば、下式化6
で表される化合物等が挙げられる。
【0020】
【化6】
【0021】(化6中、R2 はアルキル基、フェニル
基、アルコキシル基またはフェニルオキシ基を表し、n
は1または2である。ただし、R2 の表す上記基中、水
素原子の1つまたは2つ以上が置換基で置換されていて
もよい。また、nが2の場合、2個のR2 は互いに同じ
でも異なっていてもよい。)前記式化6で表される化合
物の具体例としては、特に限定はされないが、式化6中
のnが1の場合、たとえば、o−メトキシアニリン(ア
ニシジンとも言う)、o−エトキシアニリン(フェネチ
ジンとも言う)、o−プロポキシアニリン、o−ドデシ
ロキシアニリン、o−オクタデシロキシアニリン、o−
フェノキシアニリン、o−ニトロフェノキシアニリン、
o−(φ−スルホキシフェノキシ)−アニリン等のo−
置換アニリンが挙げられる。しかし、o−置換アニリン
に限定されず、そのm−またはp−の異性体を用いるこ
ともできる。式化6中のnが2の場合、たとえば、2,
6−ジメトキシアニリン、2,6−ジエトキシアニリ
ン、2,6−ジオクタデシロキシアニリン、2,6−ジ
フェノキシアニリン等の2,6−ジ置換アニリンが挙げ
られる。しかし、これに限定されず、2つの置換基R2
の結合位置が2,6位以外のジ置換アニリンも用いるこ
とができる。また、nが2の場合、2つの置換基R
2 は、上記の例のように互いに同一種類でもよいし、互
いに異なる種類のものでもよい。
【0022】反応溶媒として用いられる有機溶媒として
は、特に限定されるわけではないが、塩素元素を含有す
るものが好ましい。なぜならば、加水分解を避けるため
には、アプロテックな極性溶媒が適するからである。塩
素元素を含有する有機溶媒としては、特に限定はされな
いが、たとえば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホ
ルムおよび四塩化炭素等が挙げられ、これらは、1種の
みを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0023】なお、前述した、この発明のポリアニリン
誘導体は、上記製造方法において、原料のアニリン誘導
体として下式化7で表される化合物を用いることにより
得ることができる。
【0024】
【化7】
【0025】(化7中、R1 はアルキル基またはフェニ
ル基を表す。)
【0026】
【作用】アニリンの化学酸化重合は、アニリンオリゴマ
ーのカチオンラジカルの、アニリンとのカップリングに
よる主鎖の成長と、加水分解との競争反応であることが
既に確認されている〔Y. B. ShimおよびS. M. Park著
「Synth. Metals 」誌、第29巻E169頁 (1989年刊) ;Y.
B. ShimおよびS. M. Park著「J. Electrochem. Soc.」
誌、第137 巻第538 頁 (1990年刊) ; D. E. Stilwell
およびS. M. Park著「J. Electrochem. Soc.」誌、第13
5 巻第2254頁 (1988年刊) 、同巻第2491頁 (1988年刊)
、同巻第2497頁 (1988年刊) 、第136 巻第427 頁 (198
9年刊) および同巻第688 頁 (1989年刊) 参照〕。
【0027】アルコキシアニリン等のアニリン誘導体の
酸化重合の場合も同様であると考えられ、所望のポリア
ニリン誘導体を得るためには、加水分解反応をいかに起
こさせないかが重要なポイントとなる。アニリンにおい
ては反応条件の最適化により、加水分解反応の抑制が達
成されたが、アニリン誘導体の場合はアニリンに比べて
加水分解を起こしやすいため、従来は、反応条件の最適
化によっても、加水分解反応を抑制することができなか
った。
【0028】この発明では、アニリン誘導体の化学酸化
重合を、有機溶媒中で、酸化剤として塩化第二鉄を用い
て行うようにしている。すると、従来法のように水溶媒
中で反応を行わずに有機溶媒中で反応を行うとともに、
塩化第二鉄の酸化力が適度に小さいため、加水分解等の
副反応が抑えられ、ポリマー主鎖の成長が優先的に進行
する。また、原料のアニリン誘導体と酸化剤の塩化第二
鉄はいずれも有機溶媒に可溶であるため、アニリン誘導
体の酸化重合反応がスムーズに進行する。そのため、所
望の構造を有するポリアニリン誘導体を得ることが可能
になる。得られたポリアニリン誘導体は、高度に発達し
たπ電子共役構造を持つため、従来法により得られたポ
リアニリン誘導体に比べて高い導電性を有するととも
に、側鎖を有することにより広い範囲の有機溶媒に可溶
で熱溶融が可能になるため加工性が向上したものとな
る。
【0029】
【実施例】以下に、この発明の実施例と比較例を示す
が、この発明は、下記実施例に限定されない。 −実施例1−1− 無水塩化第二鉄(FeCl3 )187.5mmolを溶
解し、温度を−5℃に調節したクロロホルム溶液50ml
に、o−アニシジン(原料モノマー)75mmolを3
0mlのクロロホルムに溶解した溶液を滴下し、そのまま
24時間酸化重合反応させた後、溶媒を減圧下で蒸発さ
せた。残留物を、1M−HCl含有メタノールおよび1
M−NH3 含有メタノールでそれぞれ洗浄溶媒が透明に
なるまで洗浄した。その後、ジエチルエーテルで洗浄
し、減圧乾燥することにより、ポリ(o−アニシジン)
を得た。
【0030】このポリ(o−アニシジン)の収率は38
%であり、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によ
るポリスチレン換算法で測定した数平均分子量は、9,
200であった。得られたポリ(o−アニシジン)を塩
酸中で塩とし、乾燥させた粉末の圧縮タブレットについ
て、4端子法により導電率を測定したところ、0.6S
/cmであった。この値は、ポリアニリンの導電率30
S/cmよりは劣るものの、前記MacDiarwidらおよびEl
senbaumer により報告されている合成法に従って合成さ
れたポリアニシジンの導電率10-3S/cmよりは2桁
高いものである。
【0031】図1に、上記で得られたポリ(o−アニシ
ジン)の固体13C−NMR吸収スペクトルを示す。この
図にみるように、化学シフト値δが100ppm (図中、
矢印で示した位置)の吸収がみられない。これは、加水
分解反応が抑制され、π電子共役系が高度に発達した前
記の平均組成式化4で表されるポリ(o−アニシジン)
が得られていることを示す。また、このポリ(o−アニ
シジン)は、ジメチルホルムアミド、クロロホルム等の
広い範囲の有機溶媒に可溶であることを確認した。
【0032】−比較例− 比較のため、以下に示すように、o−アニシジンを、二
硫酸アンモニウム〔(NH4)2 2 8 〕により、水溶
媒中で酸化重合させた。二硫酸アンモニウム93.75
mmolを50mlの1.5M−HCl水溶液に溶解し、
−4℃とした。そこへ、o−アニシジン75mmolを
含む30mlの1.5M−HCl水溶液を滴下し、24時
間反応させた。生成し、沈澱したポリマーをフィルタで
回収した後、実施例1−1と同様にして、洗浄し、乾燥
させた。
【0033】図3に、この比較例で得られたポリマーの
固体13C−NMR吸収スペクトルを示す。この図にみる
ように、化学シフト値が100ppm の位置にも吸収(図
3中、矢印で示す吸収)がみられる。これは、前述した
ように、π電子共役していない部分がポリマー主鎖にあ
ることを示し、これが10-3S/cmという低い導電率
に関連していると考えられる。したがって、比較例のポ
リマーは、この発明のポリアニリン誘導体ではない。
【0034】なお、上記実施例1−1と比較例では、13
C−NMR以外にも、元素分析、FT−IRによっても
分析し、比較を行ったが、元素分析、FT−IRでは、
明らかな差は見出されなかった。元素分析は、一般に、
サンプル中の水の影響によりH含量の誤差を生じやす
い。ポリアニシジンは、吸水しやすく、減圧乾燥したの
にもかかわらず、残留する水の影響が大きく、そのた
め、元素分析では、実施例1−1のポリマーと比較例の
ポリマーの間に明確な差は見られなかった。また、FT
−IRにおいても、明確な違いは検出できなかった。こ
れは、IRの検出能力からみて当然かと思われる。
【0035】−実施例1−2〜1−4− 実施例1−1において、原料モノマーとしてo−アニシ
ジンの代わりに後記表1に示す化合物を用いたこと以外
は実施例1−1と同様にして、酸化重合反応を行うこと
により、各ポリアニリン誘導体を得た。 −実施例1−5− まず、原料モノマーのo−オクタデシロキシ−アニリン
を以下の方法により合成した。
【0036】100mmolのKOH、100mmol
のBrC1837および100mmolのo−ニトロフェ
ノールを100mlのエタノールに溶解し、3日間還流さ
せた。生成物を、クロロホルムを展開液とするシリカゲ
ルのカラムクロマトグラフィーにかけることにより、o
−オクタデシロキシ−ニトロベンゼンを得た。このo−
オクタデシロキシ−ニトロベンゼンを水中に分散した
後、カーボンに担持した白金を触媒として用い、過剰量
のNaBH4 で還元し、生成物をシリカゲルのカラムク
ロマトグラフィーにかけることにより、後記式化11で
表されるo−オクタデシロキシ−アニリンを得た。
【0037】このo−オクタデシロキシ−アニリンを用
い、実施例1−1と同様にして、酸化重合反応を行うこ
とにより、ポリ(o−オクタデシロキシ−アニリン)を
得た。前記実施例1−2〜1−5で得られた各ポリアニ
リン誘導体について、数平均分子量と導電率を実施例1
−1と同様にして測定し、その結果を下記表1に示し
た。
【0038】
【表1】
【0039】上記表1中、化8〜11は下記の通りであ
る。
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】
【化10】
【0043】
【化11】
【0044】表1にみるように、いずれの実施例も、数
平均分子量7,000〜10,000のポリマーが得ら
れ、その導電率は10-1オーダーと高いものである。な
お、C8 以上の側鎖を有するポリマーは、溶融温度は明
らかではないものの、熱可塑性を示すことを確認した。 −実施例2−1− 187.5mmolの無水塩化第二鉄(FeCl3 )を
含み、−5℃の温度が調節されたクロロホルム溶液50
mlに、75mmolの2,6−ジメトキシ−アニリン
(原料モノマー)を含むクロロホルム溶液10mlを滴下
し、24時間酸化重合反応させた。溶媒を減圧留去した
後、残留物を、1N−HClのメタノール溶液、1N−
NH3 のメタノール溶液およびジエチルエーテルで順次
洗浄し、真空乾燥することにより、ポリ(2,6−ジメ
トキシ−アニリン)を得た。
【0045】このポリ(2,6−ジメトキシ−アニリ
ン)の収率は24%であり、GPC(ゲル浸透クロマト
グラフィー)によるポリスチレン換算法で測定した数平
均分子量は、8,000であった。NH3 で洗浄した塩
基タイプのポリ(2,6−ジメトキシ−アニリン)は、
N−メチル−2−ピロリドン、クロロホルム、ジメチル
ホルムアミドの各溶媒に可溶であった。また、その塩酸
塩は、0.001S/cmの導電率を示した。
【0046】−実施例2−2− 実施例2−1において、原料モノマーとして2,6−ジ
メトキシ−アニリンの代わりに下式化12:
【0047】
【化12】
【0048】で表される2,6−ジオクタデシロキシ−
アニリンを用いたこと以外は実施例2−1と同様にし
て、酸化重合反応を行うことにより、18%の収率でポ
リ(2,6−ジオクタデシロキシ−アニリン)を得た。
このポリ(2,6−ジオクタデシロキシ−アニリン)の
数平均分子量を実施例2−1と同様にして測定したとこ
ろ、7,600であった。NH3 で洗浄した塩基タイプ
のポリ(2,6−ジオクタデシロキシ−アニリン)は、
N−メチル−2−ピロリドン、クロロホルム、ジメチル
ホルムアミドの各溶媒に可溶であった。また、その塩酸
塩は、0.0001S/cmの導電率を示した。
【0049】
【発明の効果】この発明にかかるポリアニリン誘導体
は、前述の構造を有するため、導電性を有するととも
に、広い範囲の有機溶媒に可溶で熱溶融が可能であり、
加工性に優れたものである。そのため、このポリアニリ
ン誘導体は、たとえば、Li電池用正極等の2次電池・
1次電池用電極、アルミ電解コンデンサ用電極、フロッ
ピィディスク等の帯電防止層、帯電防止フィルム、プリ
ント配線基板のスルーホールメッキ電極、成型品等に用
いることができる。
【0050】この発明にかかるポリアニリン誘導体の製
造方法によれば、上記の優れた性能を有するポリアニリ
ン誘導体を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1−1で得られたポリ(o−アニシジ
ン)の固体13C−NMR吸収スペクトルを示すチャート
である。
【図2】慣用法に従って合成されたポリアニリンの固体
13C−NMR吸収スペクトルを示すチャートである。
【図3】MacDiarwidらおよびElsenbaumer により報告さ
れている方法に従って合成された比較例のポリアニシジ
ンの固体13C−NMR吸収スペクトルを示すチャートで
ある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の平均組成式化1で表される化合物
    またはその塩からなるポリアニリン誘導体。 【化1】 (化1中、R1 はアルキル基またはフェニル基を表し、
    xおよびyは0.4≦x≦0.6、0.4≦y≦0.6
    およびx+y=1を同時に満たす数である。)
  2. 【請求項2】 前記の平均組成式化1で表される化合物
    が、その13C−NMR吸収スペクトルにおいて、テトラ
    メチルシランの吸収ピークを基準として、70〜120
    ppm の化学シフト範囲にある吸収ピークの総面積が70
    〜220ppmの化学シフト範囲にある吸収ピークの総面
    積に対して10%以下の割合である特性を示すものであ
    る請求項1記載のポリアニリン誘導体。
  3. 【請求項3】 原料のアニリン誘導体を化学酸化重合す
    ることによりポリアニリン誘導体を製造する方法におい
    て、前記アニリン誘導体の化学酸化重合を、有機溶媒中
    で、酸化剤として塩化第二鉄を用いて行うことを特徴と
    するポリアニリン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 原料のアニリン誘導体が下式化2で表さ
    れる化合物である請求項3記載のポリアニリン誘導体の
    製造方法。 【化2】 (化2中、R2 はアルキル基、フェニル基、アルコキシ
    ル基またはフェニルオキシ基を表し、nは1または2で
    ある。ただし、nが2の場合、2個のR2 は互いに同じ
    でも異なっていてもよい。)
  5. 【請求項5】 有機溶媒が塩素元素を含有するものであ
    る請求項3または4記載のポリアニリン誘導体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 有機溶媒が、塩化メチル、塩化メチレ
    ン、クロロホルムおよび四塩化炭素からなる群の中から
    選択される少なくとも1種である請求項5記載のポリア
    ニリン誘導体の製造方法。
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