JP4269113B2 - 芳香族アミン誘導体及び可溶性導電性化合物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な芳香族アミン誘導体及び該誘導体が電子受容性ドーパントと塩を形成してなる可溶性導電性化合物に関する。本発明の可溶導電性化合物は高い溶解性を示すことから帯電防止被膜、電磁波シールド材などに有用である。。
【0002】
【従来の技術】
従来、帯電防止や低抵抗化の方法としては、従来から幾つかの方法がこころみられている。例えば金属粉、或いは導電性金属酸化物を特定の非導電性ポリマーに混入する方法や、イオン系界面活性材を使用する方法などが挙げられる。
【0003】
しかしながら、これらの方法では、例えば均一な塗膜が得られなかったり、透明性が損なわれたり、或いはイオン性不純物が多くなり電子デバイス用途には適さないなどの問題があった。
【0004】
一方、低抵抗なポリマー材料としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等に代表されるいわゆる導電性ポリマーが挙げられる。この様な導電性ポリマーはアニリン、ピロール、チオフェン又はその誘導体をモノマー原料とし酸化剤によって化学酸化重合するか、もしくは電気化学的に重合する手法によって得ることができる。またこのような手法によって得られた導電性ポリマー材料は、一般にはルイス酸などの酸をドーピングすることによって高い導電性を示すことが知られている。このようにして得られて導電性高分子は、帯電防止剤、電磁波シールド剤などに応用する事が出来る。
【0005】
しかしながら、上記記載の方法で重合された導電性ポリマー材料は、一般に溶剤への溶解性が低いことから、有機溶剤に溶解もしくは分散したワニスを用いたフィルムはもろく機械的強度が小さく強靱な塗膜を得ることが困難であった。
【0006】
即ち、この様ないわゆる導電性ポリマーは、低抵抗であることから、実用上、優れた帯電防止能を有し、また電荷の蓄積等の面でも優れた性能を有する。しかしながら溶液の溶解性或いは塗膜性状の面で必ずしも満足できるものではなく、この点が改善された低抵抗ポリマー材料が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の導電性高分子材料は溶解性が低く賦形成に問題が生じる場合があった。この為従来から導電性高分子がもつ種々の特徴を保ちながら、より有機溶剤に対して可溶で、しかも高い電気伝導性を示す高分子材料が求められてきた。
【0008】
即ち、本発明の目的は、溶液としては溶解性が高く塗布性、溶液安定性に優れたものであり、帯電防止、或いは電荷蓄積の小さい導電性高分子フィルム或いは塗膜を形成することが出来る可溶性導電性化合物及びその原料の芳香族アミン誘導体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、一般式(1)と一般式(2)で表される繰り返し単位を有する数平均分子量250〜100,000であることを特徴とする芳香族アミン誘導体に関する。
【0010】
【化6】
Figure 0004269113
【0011】
(式中、R1は非置換又は置換の一価炭化水素基又はオルガノオキシ基を示し、、A及びBはそれぞれ独立に一般式(3)又は(4)
【0012】
【化7】
Figure 0004269113
【0013】
で表される二価の基であり、R2〜R11はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、非置換若しくは置換の一価の炭化水素基又はオルガノオキシ基、アシル基又はスルホン酸基であり、m及びnはそれぞれ独立して1以上の正数でm+n=3〜3000を満足する。)
また、前記芳香族アミン誘導体が電子受容性ドーパントと塩を形成してなる可溶性導電性化合物に関するものである。
以下本発明についてその詳細を説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
式(2)において、R1は非置換又は置換の一価炭化水素基又はオルガノオキシ基である。この一価炭化水素基としては、炭素数1〜20、特に1〜5のものが好ましい。一価炭化水素基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビシクロヘキシル基等のビシクロアルキル基、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1又は2又は3−ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、キシリル基、トリル基、ビフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルシクロヘキシル基等のアラルキル基等や、これらの一価炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等で置換されたものを例示することができる。また、オルガノオキシ基としては、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基等が挙げられ、これらのアルキル基、アルケニル基、アリール基としては、上記例示したのと同様のものが挙げられる。
【0015】
好ましくは、R1としては、炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基、或いはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基の置換基を有してもよいフェニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ビフェニル基、ビシクロヘキシル基又はフェニルシクロヘキシル基が挙げられ、特にはアルキル基又はアルコキシ基である。
また、A、Bはそれぞれ独立して下記一般式(3)又は(4)で示される二価の基である。
【0016】
【化8】
Figure 0004269113
【0017】
上記式(3)、(4)においてR2〜R11はそれぞれ独立して水素原子、水酸基、非置換若しくは置換一価炭化水素基又はオルガノオキシ基、アシル基又はスルホン酸基であり、非置換若しくは置換一価炭化水素基又はオルガノオキシ基としては炭素数1〜20のR1で説明したものと同様のものを挙げることができる。またアシル基としては炭素数2〜10のもの、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0018】
2〜R11として好ましくは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、アシル基、スルホン酸基、水酸基、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基の置換基を有していてもよいフェニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ビフェニル基、ビシクロヘキシル基又はフェニルシクロヘキシル基である。
【0019】
より好ましくは、R2〜R11としては、水素原子、炭素数が1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、アルコキシ基の炭素数が1〜20であり、アルキル基の炭素数が1〜20のアルコキシアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアシル基、ベンゾイル基、スルホン酸基、水酸基、それぞれ置換基(該置換基は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。)を有していても良いフェニル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ビフェニル基、ビシクロヘキシル基若しくはフェニルシクロヘキシル基が挙げられ、特には、水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アルコキシ基の炭素数1〜4であり、アルキル基の炭素数が1〜4のアルコキシアルキル基、ビニル基、2−プロペニル基、、アセチル基、ベンゾイル基、スルホン酸基、水酸基、それぞれ置換基(該置換基は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。)を有していても良いフェニル基、シクロヘキシル基、ビフェニル基、ビシクロヘキシル基若しくはフェニルシクロヘキシル基が挙げられる。
【0020】
なお、上記の炭素数が1から4のアルキル基は、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基,イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基及びt−ブチル基であり、炭素数が1から4のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、s−ブトキシ基及びt−ブトキシ基である。
【0021】
上記R2〜R11は、互いに同一でも異なっていても良い。上記式(1)において、m及びnはそれぞれ独立して1以上の正数で、m+n=3〜3000を満足する。また、式(1)で示される芳香族アミン誘導体の数平均分子量は250〜100,000である。
上記式(1)と(2)の繰り返し単位を有する芳香族アミン誘導体としては、具体的には、A、Bがそれぞれ独立して式(3)であり、下記一般式(1a)と(2a)
【0022】
【化9】
Figure 0004269113
【0023】
(式中R1〜R6、m、nは上記と同じ)
の繰り返し単位を有する。また、A、Bのいずれかが式(3)で、他方は式(4)であり、下記式(1a)と(2b)または(1b)と(2a)
【0024】
【化10】
Figure 0004269113
【0025】
(式中R1〜R11、m、nは上記と同じ)
の繰り返し単位を有し、また更に、A、Bがそれぞれ独立して式(4)であり、下記一般式(1b)と(2b)
【0026】
【化11】
Figure 0004269113
【0027】
(式中R1〜R11、m、nは上記と同じ)
の繰り返し単位を有する。
【0028】
上記式(1a)と(2a)繰り返し単位を有する芳香族アミン誘導体及びそれを用いた可溶性導電性化合物その合成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、以下に述べる方法により合成することができる。
【0029】
即ち、蒸留などで酸化防止剤等の不純物を除去した、充分に精製された原料であるアニリン誘導体とN置換アニリン誘導体を混合し、これら原料の1倍から3倍量の酸によって塩を形成させる。この際のアニリン誘導体とN置換アニリン誘導体の混合割合は特に限定しないが、通常モル比で1:99〜99〜1である。
【0030】
ここで得られる塩は水に可溶なので原料の2倍から10倍量の水に溶解させる。これを25℃に保った後、酸化剤として過硫酸アンモニウム、硫酸セリウム、塩化鉄又は塩化銅を加える。酸化剤の添加量は、加えた原料に対して0.5〜4モル、好ましくは1〜2モルである。酸化剤を加えて10〜50時間反応させた後、濾過し、その濾さいをアセトン、メタノール、エタノール又はイソプロパノール等の低沸点の水溶性有機溶剤で十分に洗浄し可溶性導電性化合物を得ることができる。ここで用いる酸としては、芳香族アミン誘導体の電子受容性ドーパントとなるもので、特に限定されるものではない。電子受容性ドーパントとしては、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属化合物、電解質塩、ハロゲン化合物が挙げられる。
【0031】
ルイス酸としては、FeCl3、PF5、AsF5、SbF5、BF5、BCl3、BBr3等が挙げられる。
プロトン酸としては、HF、HCl、HNO5、H2SO4、HClO4等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、メタンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、ビニルフェニルスルホン酸、カンファスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
【0032】
遷移金属化合物としては、FeOCl、TiCl4、ZrCl4、HfCl4、NbF5、NbCl5、TaCl5、MoF5等が挙げられる。
電解質塩としてはLiSbF6、LiAsF6、NaAsF6、NaSbF6、KAsF6、KSbF6、[(n−Bu)4N]AsF6、[(n−Bu)4N]SbF6、[(n−Et)4N]AsF6、[(n−Et)4N]SbF6等が挙げられる。
【0033】
ハロゲン化合物としては、Cl2、Br2、I2、ICl、ICl3、IBr、IF等が挙げられる。
これらの電子受容性ドーパント中で、好ましい物は、ルイス酸として塩化第2鉄、プロトン酸としては塩酸、過塩素酸等の無機酸、P-トルエンスルホン酸、カンファスルホン酸などの有機酸が挙げられる。
【0034】
ドーパントを有さない芳香族アミン誘導体の場合、先に述べた方法で得られた可溶性導電性化合物をアルカリで洗浄することで目的とする芳香族アミン誘導体が得られる。ここでアルカリは特に限定されるものでないが、アンモニア、炭酸水素ナトリウム等が望ましい。このように本発明の芳香族アミン誘導体は、可溶性導電性化合物をアルカリ処理することで容易に得ることができる。
【0035】
このようにして得られた芳香族アミン誘導体は先に記載した電子受容性ドーパントとしてルイス酸、プロトン酸、遷移金属化合物、電解質塩をドープする事によって容易に可溶性導電性化合物高分子導電性化合物とすることができる。
ドーパントを形成させる電子受容体の添加量は、一般には塩基性原子として窒素を含む共役系構造の繰り返し単位に於ける窒素原子1個に対して1個以下のドーパントとなる様に添加することが好ましい。
【0036】
更には、本発明の芳香族アミン誘導体の塗膜を形成した後、塩酸蒸気にさらしたり、ヨウ素蒸気にさらすことによってドーピングを行うこともできる。
なお、式(1a)と(2a)の繰り返し単位を有する芳香族アミン誘導体において、m、nはそれぞれ独立して1以上、好ましくは2以上、特に4以上であることが好ましく、m+nは4〜3000、より好ましくは8〜2000であることが好ましく、また数平均分子量は250〜10,000、好ましくは600〜70,000、より好ましくは1,000〜70,000である。
【0037】
また、(1a)と(2b)または(1b)と(2a)または(1b)と(2b)の繰り返し単位を有する芳香族アミン誘導体及びこの芳香族アミン誘導体からの可溶性導電性化合物を得る方法も、上記式(1a)と(2a)の繰り返し単位を有する芳香族アミン誘導体の場合と同様であり、m、nの範囲は、好適範囲を含めて、上記式(1a)と(2a)の繰り返し単位を有する芳香族アミン誘導体の場合と同じであるが、式(1a)と(2b)または式(1b)と(2a)の繰り返し単位を有する芳香族アミン誘導体の数平均分子量は、300〜10,000、好ましくは700〜80,000、より好ましくは1,600〜70,000であり、式(1b)と(2b)の繰り返し単位を有する芳香族アミン誘導体の数平均分子量は、350〜10,000、好ましくは800〜80,000、より好ましくは1,600〜70,000である。
【0038】
このようにして得られた本発明の可溶性導電性化合物は一般的な有機溶剤として例えばクロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン等塩素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等アミド系溶剤、フェノール系溶剤等極性溶剤に対して2〜10重量%可溶である。しかし、ゲル化せず充分に安定したワニスを得るためにはN,N−ジメチルホルムアミドが最も望ましい。この場合溶解度は、通常5〜7重量%である。
【0039】
単独では均一溶媒が得られない溶媒であっても、均一溶媒が得られる範囲で他の溶媒を加えて使用してもよい。その例としてはエチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート及びエチレングリコール等が挙げられる。
【0040】
又、基材上に高分子導電性化合物塗膜を形成させる場合、高分子導電性化合物膜と基材の密着性を更に向上させる目的で、得られた可溶性導電性化合物の溶液にカップリング剤等の添加剤を加えることはもちろん好ましい。
【0041】
また本発明の高分子導電性合成物を形成する際の塗布方法としてはディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート、刷毛塗りなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
以下に実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するがこれに限定されるものではない。
【0042】
【実施例】
実施例1
(フェネチジンとN−ブチルアニリンの共重合)
500mlフラスコにフェネチジン6.86g(0.05mol)、N−ブチルアニリン7.46g(0.05mol)加え、これに塩酸11.0gを徐々に添加した。これに更に水110gを加えゆっくりかき混ぜながらフェネチジンとN−ブチルアニリン塩酸塩を溶解させた。これらが溶解したところで、水50gに溶解した過硫酸アンモニウム22.82g(0.1mol)を添加し、24時間攪拌し反応させた。反応終了後、反応物を1000ccのアセトンに入れ、未反応物を洗い落とし、固形分を濾別しアセトンで洗浄した後、80℃で減圧乾燥し、緑色の粉末4.61gを得た。
【0043】
この得られた本発明の可溶性導電性化合物をアンモニア水(5%)300ccに分散し、よくかき混ぜ、ドープされている塩酸を除去し本発明の芳香族アミン誘導体である化合物を得た。この物のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(0.3重量%)をゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)により分子量を測定したところ数平均分子量12000であった。また、得られた化合物はIRによって、この粉末は目的とする共重合体である芳香族アミン誘導体であることが確認された。
【0044】
またNMRにより分子中のN−ブチルアニリンとフェネチジンの比は1:3であった。また、熱分解ガスクロマトグラフィーによりN−ブチルアニリンとフェネチジンのピークが確認された。
IR:3350cm-1(νNH),1320cm-1(νCN),1220cm-1(νCO),820cm-1(1,4ジ置換ベンゼン)
得られた塩酸ドーパントを有する粉末の共重合体をN,N−ジメチルホルムアミド溶液(5重量%溶液)を用いてスピンコートでガラス基板上に塗膜を形成させ、2端子法で表面抵抗値を測定した結果は、3.0×109 Ω/□であった。
【0045】
また、ドープされている塩酸を除去した化合物を、塩化第2鉄1M溶液に分散し、再ドープし、前記と同様に作製した塗膜の表面抵抗値を測定した結果は、2.35×108Ω/□であった。
【0046】
実施例2〜3及び比較例1〜2
表1に示すようにフェネチジンとN−ブチルアニリンのモル比を変化させ、実施例1と同様に塩酸ドーパントを有する共重合体を合成した場合の収量及び得られた該共重合体のN,N−ジメチルホルムアミド溶液を用いて作製した塗膜の表面抵抗値を測定した。結果を表1に実施例1と併せて示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004269113
*1測定に用いた濃度で、ゲル化せず安定して溶解する濃度である。
【0048】
実施例4
(フェネチジンとN-エチルアニリンの共重合)
500mlフラスコにフェネチジン6.86g(0.05mol)、N−エチルアニリン6.86g(0.05mol)加え、これに塩酸11.0gを徐々に添加した。これに更にアセトニトリル110gを加えゆっくりかき混ぜながらフェネチジンとN−エチルアニリン塩酸塩を溶解させた。
【0049】
これらが溶解したところで、水50gに溶解した過硫酸アンモニウム22.82g(0.1mol)を添加し、40時間攪拌し反応させた。反応終了後、反応物を1000cのアセトンに入れ、未反応物を洗い落とした。その後、濾別し更にもう一度アセトンで洗浄し、固形分を濾別して、80℃で減圧乾燥し、緑色の粉末6.20gをえた。
【0050】
実施例1と同様に塩酸ドーパントを除いたものを得、数平均分子量を測定したところ21000であり、IRによって、この粉末は目的とする共重合体(芳香族アミン誘導体)であることが確認された。またNMRにより分子中のN−エチルアニリンとフェネチジンの比は1:3であった。また、熱分解ガスクロマトグラフィーによりN−エチルアニリンとフェネチジンのピークが確認された。
IR:3350cm-1(νNH),1320cm-1(νCN),1220cm-1(νCO),820cm-1(1,4ジ置換ベンゼン)
【0051】
実施例5〜6及び比較例3〜4
表2に示すようにフェネチジンとN−エチルアニリンのモル比を変化させ、実施例1と同様に塩酸ドーパントを有する共重合体を合成した場合の収量及び得られた該共重合体のN,N−ジメチルホルムアミド溶液を用いて作製したフィルムの表面抵抗値を測定した。結果を表2に実施例4と併せて示す。
【0052】
【表2】
Figure 0004269113
【0053】
実施例7
(フェネチジンとN−ブチルアニリンの共重合)
500mlフラスコにフェネチジン6.86g(0.05mol)、N−ブチルアニリン7.46g(0.05mol)加え、これに塩酸11.0gを徐々に添加した。これに更に水300gを加えゆっくりかき混ぜながらフェネチジンとN−ブチルアニリン塩酸塩を溶解させた。これらが溶解したところで、水50gに溶解した過硫酸アンモニウム22.82g(0.1mol)を添加し、反応温35℃で12時間攪拌し反応させた。反応終了後、反応物を1000ccのアセトンに入れ、未反応物を洗い落とした。その後濾別した後、アセトンで洗浄し、固形分を濾別し、80℃で減圧乾燥し、緑色の粉末3.38gを得た。
【0054】
得られる化合物はIR,FDMASSによって両末端をN−ブチルアニリンとするn+mが4,5,6,7,8量体からなる共重合体の化合物であった。
IR:3350cm-1(νNH),1320cm-1(νCN),1220cm-1(νCO),820cm-1(1,4ジ置換ベンゼン)
【0055】
【発明の効果】
本発明の安価な原料であるアニリン誘導体を原料とし、これを酸化重合して得られる有機溶剤に可溶な高分子導電性化合物であり、各種電子デバイス用コート剤とし有用である。また、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光材料としても有用である

Claims (3)

  1. 一般式(1a)と一般式(2a)で表される繰り返し単位を有する数平均分子量250〜100,000であることを特徴とする芳香族アミン誘導体。
    Figure 0004269113
    (式中、R1は、炭素数1〜20のアルキル基を示し、一般式(1a)のR 2 〜R は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20のアルコキシ基を示し(但し、R 2 〜R のうち、少なくとも1つは、炭素数1〜20のアルコキシ基である。)、一般式(2a)のR 2 〜R は、水素原子を示し、m及びnは、それぞれ独立して1以上の正数でm+n=3〜3000を満足する。)
  2. 請求項1記載の芳香族アミン誘導体が電子受容性ドーパントと塩を形成してなる可溶性導電性化合物。
  3. 電子受容性ドーパントがルイス酸、プロトン酸、遷移金属化合物、電解質塩及びハロゲン化合物から選ばれるものである請求項2記載の可溶性導電性化合物。
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