JPH06239989A - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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JPH06239989A
JPH06239989A JP2429593A JP2429593A JPH06239989A JP H06239989 A JPH06239989 A JP H06239989A JP 2429593 A JP2429593 A JP 2429593A JP 2429593 A JP2429593 A JP 2429593A JP H06239989 A JPH06239989 A JP H06239989A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 芳香族ジオール化合物(例えばビスフェノー
ルA)と炭酸ジエステル化合物(例えばジフェニル化合
物)とを、エステル交換触媒および環状化合物(例えば
エチレンカーボネート)の存在下に溶融重縮合させて芳
香族ポリカーボネートを製造する。 【効果】 着色の少ない、高分子量の芳香族ポリカーボ
ネートをエステル交換反応法により製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エステル交換法による
芳香族ポリカーボネートの製造法に関する。更に詳しく
は、芳香族ジオール化合物と炭酸ジエステル化合物とか
ら、高重合度の芳香族ポリカーボネートを溶融重縮合反
応により簡便に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、芳香族ポリカーボネートは、耐衝
撃性等の機械的特性に優れ、かつ耐熱性、透明性等にも
優れたエンジニアリングプラスチックスとして電子基板
(CD基板)、転写ベルト、各種医療器具、炭酸飲料ボ
トル容器等多くの分野において幅広く用いられている。
【0003】一般に、芳香族ポリカーボネートの製造方
法としては、界面重縮合法(ホスゲン法)とエステル交
換法(溶融重縮合法)が知られており、界面重縮合法は
品質の良好な芳香族ポリカーボネートが製造できる工業
的製造法として現在広く用いられている。しかしなが
ら、この界面重縮合法は、人体に非常に有毒なホスゲン
を用いなければならないこと、多量に副生する塩化ナト
リウムの生成ポリマー中への混入及び廃液処理問題、反
応溶媒として通常用いられている塩化メチレンの衛生、
大気環境問題への懸念等、多くの問題点が指摘されてい
る。
【0004】一方、エステル交換法もまた、芳香族ジオ
ール化合物と炭酸ジエステル化合物とを、溶融状態下に
重縮合させて芳香族ポリカーボネートを得る方法として
古くから知られている。このエステル交換法は、上記の
ホスゲン法の如き種々の問題点もなく、またより安価に
芳香族ポリカーボネートが製造できるという利点を有し
ている。
【0005】しかしながら、エステル交換法において
は、高粘度のポリマー溶融体の中から副生してくる低分
子量物を留去しなければ重合度が上がらないことから、
通常280〜310℃の高温下で、かつ1トール(To
rr)程度以下の高真空下で長時間反応させる必要があ
り、その結果として副反応によって分岐や架橋が起こり
易く、さらにポリマーの著しい着色を免れず、品質の良
好なポリマーが得られない等の欠点を有していた(松金
幹夫他、プラスチック材料講座〔5〕「ポリカーボネー
ト樹脂」日刊工業新聞社(1969)、62〜67頁参
照)。
【0006】上記の問題点を解決する方法の一つとし
て、エステル交換の触媒量を増加させて反応速度を上
げ、反応時間を短縮する方法も知られているが、この方
法では重合ポリマー中の触媒残渣による品質の低下(例
えばポリマーの耐熱性の低下等)をもたらすので好まし
くない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エス
テル交換法でポリカーボネートを製造する方法におい
て、高温、長時間反応やエステル交換触媒量の増加等の
方法による芳香族ポリカーボネートの色調や耐熱性など
の品質に著しく悪影響を及ぼすことなく、より低温、短
時間の反応で、かつ、エステル交換の触媒の使用量を増
加させなくとも、十分に高分子量で、かつ品質の良好な
芳香族ポリカーボネートを効率よく製造できる方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ジオー
ル化合物と炭酸ジエステル化合物とをエステル交換触媒
の存在下に溶融重縮合させて芳香族ポリカーボネートを
製造する方法において、下記一般式〔I〕で示される環
状カーボネートの存在下に該溶融重縮合反応を行なうこ
とを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法を提
供するものである。
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Xは炭素数1〜22の置換または
未置換の直鎖状、分岐状の二価の炭化水素基、炭素数3
〜18の置換または未置換の二価の脂環基、もしくは炭
素数6〜22の置換または未置換の二価の芳香族炭化水
素基である。)
【0011】
【発明の具体的説明】本発明の原料として用いられる芳
香族ジオール化合物は、下記一般式〔II〕で示される化
合物である。
【0012】
【化3】
【0013】(式中、Aは単結合、炭素数が1〜15の
置換または未置換の直鎖状、分岐状または環状の二価の
炭化水素基、もしくは−O−、−S−、−CO−、−S
O−、−SO2 −で示される二価の基からなる群から選
ばれるものであり、YおよびZは同一または互いに異な
るものであって、水素またはハロゲンまたは炭素数1〜
6の炭化水素基から選ばれるものであり、pおよびqは
0〜2の整数である。)
【0014】かかる芳香族ジオール化合物の具体例を挙
げれば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフ
ェノール−A);2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フェニルメタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン;2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)
プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロ
フェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−ブロモフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン;2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン等のビスフェノール類;4,4′−
ジヒドロキシビフェニル;3,3′,5,5′−テトラ
メチル−4,4′−ビフェニル等のビフェニル類;ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルフィド;ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホキシド;ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン
等である。
【0015】これらの中でもビスフェノール類、特に
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通
称ビスフェノール−A)が好ましい。これらの芳香族ジ
オール化合物は単独で、もしくは2種類以上併用するこ
と(共重合体)もできるし、また分岐状芳香族ポリカー
ボネートを製造しようとするときは、少量の三価以上の
多価フェノール化合物を共重合させることもできる。
【0016】また、炭酸ジエステル化合物としては、ジ
メチルカーボネート;ジフェニルカーボネート;ジトリ
ルカーボネート;ビス(4−クロロフェニル)カーボネ
ート;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)カーボ
ネート;ジナフチルカーボネート等が使用できる。これ
らの炭酸ジエステル化合物は、芳香族ジオール化合物1
モルに対して過剰に用いられるのが一般的であり、通常
1.01〜1.30モル、好ましくは1.02〜1.2
0モルの量で用いる。
【0017】さらに、本発明では特に限定されないが、
製造される芳香族ポリカーボネートの熱安定性や耐加水
分解性を向上させるために、末端停止剤を使用すること
もできる。このような末端停止剤の具体例としては、p
−t−ブチルフェノール;p−クミルフェノール;p−
フェニルフェノール;β−ナフトール等の一価のフェノ
ール類を例示することができる。
【0018】エステル交換触媒としては、リチウム、ナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、
カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、カ
ドミウム、スズ、アンチモン、マンガン、コバルト、ニ
ッケル、チタン、ジルコニウム等の金属の酢酸塩、炭酸
塩、ホウ酸塩、酸化物、水酸化物、あるいはアルコラー
ト等が挙げられ、好適にはスズ系化合物触媒が使用され
る。さらに、これらのエステル交換触媒を二種類以上組
み合わせて使用することもできる。
【0019】エステル交換触媒の具体例としては、水酸
化リチウム;水酸化ホウ素リチウム;水酸化ホウ素ナト
リウム;水酸化ホウ素カリウム;水酸化ホウ素ルビジウ
ム;水酸化ホウ素セシウム;水酸化ホウ素ベリリウム;
水酸化ホウ素マグネシウム;水酸化ホウ素カルシウム;
水酸化ホウ素ストロンチウム;水酸化ホウ素バリウム;
水酸化ホウ素アルミニウム;水酸化ホウ素チタニウム;
水酸化ホウ素スズ;水酸化ホウ素ゲルマニウム;テトラ
フェノキシリチウム;テトラフェノキシナトリウム;テ
トラフェノキシカリウム;テトラフェノキシルビジウ
ム;テトラフェノキシセシウム;チオ硫酸ナトリウム;
酸化ベリリウム;酸化マグネシウム;酸化スズ(IV)、
ジブチルスズオキサイド;ジブチルスズラウレート;水
酸化ベリリウム;水酸化マグネシウム;水酸化ゲルマニ
ウム;酢酸ベリリウム;酢酸マグネシウム;酢酸カルシ
ウム;酢酸スズ(IV);酢酸ゲルマニウム;炭酸リチウ
ム;炭酸ナトリウム;炭酸カリウム;炭酸ベリリウム;
炭酸マグネシウム;炭酸スズ(IV);炭酸ゲルマニウ
ム;硝酸スズ(IV);硝酸ゲルマニウム;三酸化アンチ
モン;ビスマストリメチルカルボキシレート等が挙げら
れる。
【0020】これらの触媒は、原料として用いられる芳
香族ジオール化合物1モルに対して10-5〜10-1
ル、好ましくは10-5〜10-2モルの範囲の量で用いら
れる。本発明の特徴は、前記一般式〔I〕で示される特
定の環状カーボネート化合物を、エステル交換法溶融重
縮合条件下に用いて芳香族ポリカーボネートを製造する
点にある。
【0021】かかる環状カーボネート化合物の具体例と
しては、エチレンカーボネート;プロピレンカーボネー
ト;2,3−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オ
ン;4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オ
ン;4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン;4
−フェニル−1,3−ジオキソラン−2−オン;4,5
−トリメチレン−1,3−ジオキソラン−2−オン;
4,5−テトラメチレン−1,3−ジオキソラン−2−
オン;1,3−ベンゾジオキソール−2−オン;1,3
−ジオキサン−2−オン;4−メチル−1,3−ジオキ
サン−2−オン;5−メチル−1,3−ジオキサン−2
−オン;4−フェニル−1,3−ジオキサン−2−オ
ン;5,5−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オ
ン;4,5,5,−トリメチル−1,3−ジオキサン−
2−オン;4−フェニル−5,5−ジメチル−1,3−
ジオキサン−2−オン;1,3−ジオキセパン−2−オ
ン等が例示でき、好適にはエチレンカーボネートである
が、場合によっては、2種以上併用することもできる。
【0022】これら環状カーボネート化合物の使用量
は、本発明の目的である高分子量化が達成されるのに十
分な量添加すれば良い。一般的には、原料として用いら
れる芳香族ジオール化合物1モルに対して0.001〜
2.0モルの範囲で、好ましくは0.005〜1.5モ
ルの範囲で使用される。環状カーボネート化合物の使用
量が0.005モルより少ないと、十分な高分子量化が
図れず、また多すぎると未反応の環状カーボネート化合
物が除去しきれずにポリマー中に残留し、ポリカーボネ
ートの品質に悪影響を及ぼすことがある。
【0023】上記環状カーボネート化合物の使用添加時
期は、効果の認められる限りエステル交換法溶融重縮合
反応工程の如何なる段階であってもよい。簡便には、反
応の初期から原料モノマーである芳香族ジオール化合
物、炭酸ジエステル化合物、及びエステル交換反応触媒
等と同時に、添加混合しておいて使用することもできる
が、重縮合反応工程の途中、または最終段階において添
加使用することがより効果的である。
【0024】本発明におけるエステル交換法重縮合方法
は、そのいずれかの反応工程において本発明の環状カー
ボネート化合物が添加されて使用されている以外は、公
知の芳香族ポリカーボネートの溶融重縮合法により行う
ことができる(Chemistry and Phys
ics of Polycarbonates,H.S
chnell;johnWilly & Sons(1
964))。
【0025】すなわち前記の原料を用いて、加熱/常圧
または減圧下にエステル交換反応により副生物を除去し
ながら溶融重縮合を行う。反応は、一般に二段階以上の
多段階工程で実施される。第一段階の反応は、原料と触
媒を不活性ガス雰囲気下、常圧もしくは加圧下に100
〜200℃の温度に加熱して実施され、この間、エステ
ル交換反応及び低分子量オリゴマー(数平均分子量40
0〜1,000)の形成反応が起こる。第二段階の反応
では、反応系の温度をさらに上昇させ(200〜250
℃)、減圧状態(20Torr.以下)にすることによ
り、発生するアルコールもしくはフェノールを反応系か
ら除去することにより、エステル交換反応、低分子量オ
リゴマーの形成、ならびに、その分子鎖長延長反応を進
行せしめる(数平均分子量1,000〜7,000)。
ついでさらに低分子量オリゴマーの分子鎖長を伸長せし
めるために、より高温(250〜320℃)、高真空下
(1Torr.以下)の条件で、主としてアルコール類
もしくはフェノール類、及び炭酸ジエステル化合物類を
反応系から除去することにより高分子量の芳香族ポリカ
ーボネートが得られる。なお、各反応段階での温度なら
びに圧力は、反応が効率よく行われるように設定されれ
ばよく、上記の例示に限定されるものではない。
【0026】また、各反応段階での反応時間は、反応の
進行の程度に応じて適宜設定することができるが、得ら
れるポリマーの色調の観点より、200℃程度の反応温
度条件下では、反応時間は多少長くても色調等にあまり
悪影響を及ぼさないので、一般には0.5〜5時間、2
00〜250℃の温度では0.1〜3時間が好ましい。
一方、250℃を越える温度では長時間の反応は色調に
顕著な悪影響を及ぼすため、最終工程での反応時間は2
時間以内、好ましくは0.1〜1時間であることが(分
子量とも関連することだが)望ましい。
【0027】本発明の環状カーボネート化合物は、上記
のいずれかの段階の反応工程において添加使用される。
反応は、バッチ式または連続的に行うことができ、各種
の装置を使用することができる。通常、各反応段階毎に
異なるタイプの反応装置が使用される。本発明で用いら
れる反応装置の構造は、特に限定はされないが、反応後
段においては粘度が著しく上昇するので、高粘度型の攪
拌機能を有するものが好ましい。
【0028】以上のようにして製造して得られた芳香族
ポリカーボネートは、そのまま造粒しても良く、また、
押出機、射出成形機等を用いて成形することもできる。
また、本発明によって得られる芳香族ポリカーボネート
は、成形において、可塑剤、顔料、潤滑剤、離型剤、安
定剤、無機充填剤等のような、周知の添加剤を配合して
使用することができる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例、及び比較例により
さらに詳しく説明する。なお、本発明は下記の実施例に
より限定されるものではない。本発明の実施により得ら
れた芳香族ポリカーボネートの分析は、以下の測定方法
により行った。 (1)分子量 クロロホルム溶媒中、30℃にて測定されたGPCの、
標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)であ
る。 (2)色調 芳香族ポリカーボネートの4%塩化メチレン溶液を調製
し、UV分光光度計で345nmの波長の吸光度を測定
し、表示したものである。この値が大きいほど着色して
いることを示す。
【0030】実施例1 ビスフェノール−A1.5モル(343g)、ジフェニ
ルカーボネート1.65モル(354g)、エステル交
換触媒としてジブチルスズオキサイド2.25ミリモル
(0.56g;ビスフェノール−A1モル当たり1.5
×10-3モル)を、内容積1.5リットルの攪拌機及び
留出装置付きのSUS製反応器内にいれ、窒素雰囲気下
150℃にて1時間、攪拌、溶融状態を保った。つい
で、温度を200℃に昇温し、徐々に圧力を20Tor
r.にまで下げ、さらにその状態を2時間保持し、生成
するフェノールを留出させた。
【0031】その後、温度を250℃に昇温し、さらに
圧力を0.5Torr.まで下げ、反応器の温度が25
0℃に達した時点で、反応器内を窒素で常圧に戻し、エ
チレンカーボネート17ミリモル(1.5g)を添加
し、常圧にて10分間保持した。その後、圧力を20T
orr.に下げて10分間、さらに圧力を0.5Tor
r.にまで下げて、この状態で1時間重縮合反応を継続
してポリマーを製造し、室温まで冷却してポリマー38
0gを得た。得られたポリマーの分析結果を表1に示
す。
【0032】実施例2〜4 それぞれエチレンカーボネート添加量を表1に記したよ
うに変更した以外は、全て実施例1と同様の条件、方法
にてポリマーを合成した。得られたポリマーの分析結果
を表1に示す。
【0033】比較例1 エチレンカーボネートを使用しなかった以外は、全て実
施例1と同様の条件、方法にてポリマーを合成した。得
られたポリマーの分析結果を表1に示す。
【0034】実施例5〜7 それぞれ、ジブチルスズオキサイド使用量、エチレンカ
ーボネート添加量を表2に記したように変更した以外
は、全て実施例1と同様の条件、方法にてポリマーを合
成した。得られたポリマーの分析結果を表2に示す。
【0035】比較例2 エチレンカーボネートを使用しなかった以外は、全て実
施例5〜7と同様の条件、方法にてポリマーを合成し
た。得られたポリマーの分析結果を表2に示す。
【0036】実施例8 実施例1と同じ量のビスフェノール−A、ジフェニルカ
ーボネート、ジブチルスズオキサイドを実施例1と同じ
反応器内にいれ、窒素雰囲気下150℃にて1時間、攪
拌、溶融状態を保った。ついで、温度を200℃に昇温
し、徐々に圧力を20Torr.にまで下げ、さらにそ
の状態を2時間保持し、生成するフェノールを留出させ
た。その後、温度を250℃に昇温し、さらに圧力を
0.5Torr.まで下げた。この状態を1時間保持し
たのち、反応器内を窒素で常圧に戻し、実施例1と同じ
量のエチレンカーボネートを添加し、常圧にて10分間
保持した。その後圧力を20Torr.に下げて10分
間、さらに圧力を0.5Torr.にまで下げて10分
間重縮合反応を行った。得られたポリマーの分析結果を
表2に示す。
【0037】実施例9 ビスフェノール−A7.5モル(1.7kg)、ジフェ
ニルカーボネート8.25モル(1.77kg)、エス
テル交換触媒としてジブチルスズオキサイド11.25
ミリモル(2.8g;ビスフェノール−A1モル当たり
1.5×10-3モル)を、内容積10リットルの攪拌機
及び留出装置付きのSUS製反応器内にいれ、窒素雰囲
気下150℃にて1時間、攪拌、溶融状態を保った。つ
いで、温度を200℃に昇温し、徐々に圧力を20To
rr.にまで下げ、さらにその状態を1時間保持し、生
成するフェノールを留出させた。その後、温度を250
℃に昇温し、さらに圧力を0.5Torr.まで下げ、
0.5時間重縮合反応を継続し、重量平均分子量(M
w)16,000のポリカーボネートプレポリマー1.
9kgを得た。
【0038】次に、上記ポリカーボネートプレポリマー
200gを実施例1と同じ反応器内にいれ、圧力を0.
5Torr.に下げ、温度を250℃に昇温した。反応
器の温度が250℃に達した時点で、反応器内を窒素で
常圧に戻し、エチレンカーボネート56.8ミリモル
(5.0g)を添加し、常圧にて10分間保持した。そ
の後、圧力を20Torr.に下げて10分間、さらに
圧力を0.5Torr.にまで下げ、この状態で1時間
重縮合反応を継続した。得られたポリマーの分析結果を
表3に示す。
【0039】実施例10 エチレンカーボネート添加量を表3に記したように変更
した以外は、全て実施例9と同様の条件、方法にてポリ
マーを合成した。得られたポリマーの分析結果を表3に
示す。
【0040】比較例3 エチレンカーボネートを使用しなかった以外は、全て実
施例9と同様の条件、方法にてポリマーを合成した。得
られたポリマーの分析結果を表3に示す。
【0041】実施例11 実施例7にて合成したポリカーボネートプレポリマー1
20gと、エチレンカーボネート120ミリモル(1
0.56g)とを、内容積200ミリリットルの二軸混
練装置(東測精密社(株)製)に入れ、圧力0.5To
rr.、温度250℃にて、副生成物を除去しながら6
0分間反応させた。得られたポリマーの分析結果を表4
に示す。
【0042】比較例4 エチレンカーボネートを使用しなかった以外は、全て実
施例11と同様の条件、方法にてポリマーを合成した。
得られたポリマーの分析結果を表4に示す。
【0043】実施例12〜14 エチレンカーボネート添加量を表4に記した量に、また
反応温度を270℃に変更した以外は、全て実施例11
と同様の方法にてポリマーを合成した。得られたポリマ
ーの分析結果を表4に示す。
【0044】比較例5 エチレンカーボネートを使用しなかった以外は、全て実
施例12〜14と同様の条件、方法にてポリマーを合成
した。得られたポリマーの分析結果を表4に示す。
【0045】実施例15 エチレンカーボネート添加量を表4に記した量に、また
反応時間を30分に変更した以外は、全て実施例11と
同様の方法にてポリマーを合成した。得られたポリマー
の分析結果を表4に示す。比較例6 エチレンカーボネートを使用しなかった以外は、全て実
施例15と同様の条件、方法にてポリマーを合成した。
得られたポリマーの分析結果を表4に示す。
【0046】実施例16 ビスフェノール−A7.5モル(1.7kg)、ジフェ
ニルカーボネート9.0モル(1.9kg)、エステル
交換触媒としてジブチルスズオキサイド2.25ミリモ
ル(0.56g;ビスフェノール1モル当たり3.0×
10-4モル)を、内容積10リットルの攪拌機及び留出
装置付きのSUS製反応器内にいれ、窒素雰囲気下、1
50℃にて1時間、攪拌、溶融状態を保った。ついで、
温度を200℃に昇温し、徐々に圧力を20Torr.
にまで下げ、さらにその状態を1時間保持し、生成する
フェノールを留出させた。その後、温度を250℃に昇
温し、さらに圧力を0.5Torr.まで下げ、0.5
時間重縮合反応を継続し、重量平均分子量(Mw)が1
0,700のポリカーボネートプレポリマー1.9kg
を得た。
【0047】次に、上記ポリカーボネートプレポリマー
120gと、エチレンカーボネート60ミリモル(5.
28g)を使用し、全て実施例12〜14と同様の条
件、方法にてポリマーを合成した。得られたポリマーの
分析結果を表4に示す。
【0048】比較例7 エチレンカーボネートを使用しなかった以外は、全て実
施例16と同様の条件、方法にてポリマーを合成した。
得られたポリマーの分析結果を表4に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【発明の効果】本発明の製法によると、着色の少ない、
高分子量の芳香族ポリカーボネートを溶融重縮合反応に
より得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジオール化合物と炭酸ジエステル
    化合物とをエステル交換触媒の存在下に溶融重縮合させ
    て芳香族ポリカーボネートを製造する方法において、下
    記一般式〔I〕で示される環状カーボネート化合物の存
    在下に該溶融重縮合反応を行なうことを特徴とする芳香
    族ポリカーボネートの製造方法。 【化1】 (式中、Xは炭素数が1〜22の置換または未置換の直
    鎖状、分岐状の二価の炭化水素基、炭素数3〜18の置
    換または未置換の二価の脂環基、もしくは炭素数6〜2
    2の置換または未置換の二価の芳香族炭化水素基であ
    る。)
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