JP3395436B2 - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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JP3395436B2 JP04874295A JP4874295A JP3395436B2 JP 3395436 B2 JP3395436 B2 JP 3395436B2 JP 04874295 A JP04874295 A JP 04874295A JP 4874295 A JP4874295 A JP 4874295A JP 3395436 B2 JP3395436 B2 JP 3395436B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エステル交換反応によ
る芳香族ポリカーボネートの製造法に関する。さらに詳
しくは、芳香族ジオール化合物と炭酸ジアリール化合物
から耐熱性および色相の改善された芳香族ポリカーボネ
ートを溶融重縮合反応で製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートは耐衝撃性、耐
熱性、透明性に優れ、炭酸飲料ボトル、電子基盤(CD
基盤)、転写ベルト等、多くの分野において幅広く用い
られている。この芳香族ポリカーボネートの製造方法と
しては、ビスフェノールなどの芳香族ジオールとホスゲ
ンとを界面重縮合法により反応させる、いわゆるホスゲ
ン法が工業化されている。しかし、このホスゲン法は、
人体に有毒なホスゲンを用いなければならないこと、多
量に副生する塩化ナトリウムの生成ポリマー中への混入
及び廃液処理問題、反応溶媒として通常用いられている
塩化メチレンの衛生、大気環境問題への懸念等、多くの
問題点が指摘されており、その衛生、環境対策に多大の
設備費を要している。
【0003】また、芳香族ジオール化合物と炭酸ジアリ
ール化合物とのエステル交換反応により芳香族ポリカー
ボネートを得る方法も、いわゆる溶融法あるいはノンホ
スゲン法として古くから知られている。ノンホスゲン法
は上記の如きホスゲン法のいろいろな問題点もなく、ま
た、より安価に芳香族ポリカーボネートが製造できると
いう利点を有しているとされている。しかし、ビスフェ
ノールAとジフェニルカーボネートとを反応させるノン
ホスゲン法による芳香族ポリカーボネートの製法におい
ては、ポリマーの末端水酸基含量が(ビスフェノールA
/ホスゲン/末端停止剤)等を用いるホスゲン法により
得られる芳香族ポリカーボネートと比較して多く、ま
た、ノンホスゲン法において使用される触媒残渣の影響
等もあって、ノンホスゲン法により得られる芳香族ポリ
カーボネートの耐熱性、色相はホスゲン法芳香族ポリカ
ーボネートと比較して一般に劣る。例えば、ホスゲン法
により製造される芳香族ポリカーボネートの耐熱性は、
後述する5%重量減加熱温度(Td5%)を尺度とする
と約500℃であるが、ノンホスゲン法による芳香族ポ
リカーボネートの耐熱性は使用されるエステル交換反応
触媒の種類や量そして得られる芳香族ポリカーボネート
末端水酸基含有量などによって異なるが、一般的に劣
り、数十℃以上低い場合もある。
【0004】芳香族ポリカーボネートの成形は320℃
前後の高い温度で行う必要があり、ポリカーボネートの
耐熱性が低いとポリマーの主鎖の切断、着色そして機械
的強度の低下といった問題が生じる。特に中空容器の薄
肉成形(0.3〜0.6mm)や複雑な形状の成形の際
には、溶融粘度を下げるために特に高温が必要となるの
で、ノンホスゲン法により得られるポリカーボネートの
耐熱性の向上、着色の防止が実用化の上で問題となって
いる。また、エステル交換法は、高温で反応を行うため
に使用する触媒の種類によっては、エステル交換反応中
に望ましくない副反応が生じ、ポリマー主鎖骨格中にサ
リチル酸フェニル構造部位等の異種結合が生成すること
が知られている。特にサリチル酸フェニル構造は、色相
悪化の原因骨格構造の一つと考えられているジヒドロキ
シベンゾフェノン骨格構造の前駆体構造であるため色相
を改良するためにもサリチル酸フェニル構造の生成を最
少限にする必要がある。また、これらの異種結合部位か
ら更に反応が進行すると分岐したポリカーボネートが得
られ、これは、直鎖のポリカーボネートに比べ、光学的
及び機械的性質が劣っている。
【0005】ノンホスゲン法により色相の改良された芳
香族ポリカーボネートを製造する際に用いるエステル交
換反応触媒として、第4級アンモニウム、ホスホニウム
の塩類、例えばテトラフェニルホスホニウム・テトラフ
ェニルボレート、トリフェニルブチルホスホニウム・テ
トラフェニルボラネート、フッ化テトラフェニルホスホ
ニウムを用いたり(特公昭47−17978号、特開平
6−200009号)、式R′4 P.BHn
4-n (R,R′は炭化水素基、nは0〜4までの整数)
で示される水素化ホウ素化合物(USP4330664
号、USP5221761号)を用いたりすることが知
られている。しかし、これら触媒を用いて得られる芳香
族ポリカーボネートは、色相は改良されても高分子量物
が得られず、耐熱性に乏しい物であったり、色相の改
良、高分子量化は計られても耐熱性(Td5%)が47
5〜480℃と低い欠点がある。
【0006】特開平6−200009号には、特定の溶
融重縮合反応条件でエステル交換反応触媒として特定の
第四級アンモニウム化合物や第四級ホスホニウム化合物
を用いると分岐構造などの異種結合骨格の少ない芳香族
ポリカーボネートが製造できることが記載されている。
しかし、本公知技術ではエステル交換反応触媒として該
公報記載のホスホニウム塩化合物とアルカリ金属化合物
とを併用することは分岐構造が著しく増大し好ましくな
いことが例示されている。(公報の対照例6および7参
照)追試した本発明の比較例5と6でも、特開平6−2
00009号で使用されている第四級ホスホニウム化合
物とアルカリ金属化合物をエステル交換反応触媒として
併用すると、異種結合骨格が非常に多く副生し、色相も
悪化することが示される。
【0007】USP4363905号明細書は、その第
6欄の表III の実験IVのIIでBu4PBrとナトリウム
フェノラートとを併用してエステル交換触媒としてビス
フェノールAとジフェニルカーボネートとを溶融重縮合
反応させて重量平均分子量が400の色相の良好な芳香
族ポリカーボネートを製造した記載があるが、このよう
な低分子量物では射出成形や押出成形が困難である。ま
た、同表II−Iの実験III には、ビスフェノールAとビ
ス(オルトーニトロフェニル)カーボネートとを上記触
媒を併用して溶融重縮合反応させて重量平均分子量が
8,400の色相の優れた芳香族ポリカーボネートが得
られたことが記載されている。この実験III では、原料
のジアリールカーボネートとしてビス(o−ニトロフェ
ニル)カーボネートを用いるため、製造原料コストが高
く、また溶融重縮合時の熱安定性が悪く、分解生成物が
得られた芳香族ポリカーボネートに取り込まれ、色相、
耐衝撃強度等の機械的強度が小さい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はエステル交換
重縮合法(ノンホスゲン法)であっても重縮合時にゲル
状ポリマーの生成もなく、また熱分解温度が高く、加熱
溶融時の分子量変化がほとんどない、色相が良好で、耐
熱性の高い芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供を
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ジオー
ルと、一般式(I)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1 とR2 はそれぞれ独立して炭
素数が1〜10のアルキル基またはアルコキシ基を示
し、m及びnは0〜2の整数を示す。)で示される炭酸
ジアリール化合物とをエステル交換反応触媒を用いて溶
融重縮合反応させて芳香族ポリカーボネートを製造する
方法において、エステル交換反応触媒として(a)アル
カリ金属化合物と(b)一般式(II)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R3 、R4 、R5 およびR6 は、
それぞれ独立して炭素数が1〜12のアルキル基、アリ
ール基、アラルキルまたはシクロアルキル基を示し、l
は0または1の整数を示す。)で示される四級ホスホニ
ウム塩化合物とを併用し、かつ、得られる芳香族ポリカ
ーボネートの重量平均分子量が7,000〜60,00
0であることを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製
造方法を提供するものである。
【0014】
【作用】アルカリ金属化合物と、上記式(I)で示され
る四級ホスホニウム塩化合物とをエステル交換反応触媒
として併用することにより、少ない触媒使用量でも十分
に活性があり、色相、耐熱性に優れる芳香族ポリカーボ
ネートが得られる。 〔発明の具体的説明〕芳香族ジオール化合物 芳香族ポリカーボネートの一方の原料の芳香族ジオール
化合物は、一般式(III )で示される化合物である。
【0015】
【化5】
【0016】(式中、Aは単結合、炭素数1〜15の置
換または無置換の直鎖状、分岐状または環状の2価の炭
化水素基、及び−O−、−S−、−CO−、−SO−、
−SO 2 −で示される二価の基からなる群から選ばれる
ものであり、XおよびYは同一または相互に異なる基で
あって、水素またはハロゲンまたは炭素数1〜6の炭化
水素基から選ばれるものであり、pおよびqは0〜2の
整数を示す。) かかる芳香族ジオール化合物としては、例えば、ビス
(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジブロモ)プロパン、4,4−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフ
ェノール類;4,4′−ジヒドロキシビフェニル、3,
3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ビフェニル
等のビフェノール類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどである。これら
のなかでも2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンが好ましい。これらの化合物を2種以上併用する
こともできるし、また、分岐状芳香族ポリカーボネート
を製造しようとするときは、少量の3価以上の多価フェ
ノールを共重合させることもできる。また、製造される
芳香族ポリカーボネートの熱安定性や耐加水分解性をさ
らに向上させることを目的として、水酸基末端の封止の
為に、p−t−ブチルフェノールやp−クミルフェノー
ルなどの一価のフェノール類を使用することができる。
【0017】炭酸ジアリール化合物 式(I)で示される炭酸ジアリール化合物としては、例
えば、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネー
ト、ジキシリルカーボネート、ビスブチルフェニルカー
ボネート、ビスノニルフェニルカーボネート、ビスメト
キシフェニルカーボネート、ビスブトキシフェニルカー
ボネートなどである。これらの中でもジフェニルカーボ
ネートが好ましい。これらの炭酸ジアリール化合物は、
芳香族ジオール化合物1モルに対して1.01〜1.3
0モル、好ましくは1.02〜1.20モルの量で用い
る。
【0018】エステル交換反応触媒 本発明においては、エステル交換反応触媒としてアルカ
リ金属化合物(a)と、式(II)で示される四級ホスホ
ニウム塩化合物(b)が併用される。 (アルカリ金属化合物)アルカリ金属化合物(a)とし
ては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、
セシウムのアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素
化合物、などの無機アルカリ金属化合物、アルコール
類、フェノール類、そして有機カルボン酸類との塩など
の有機アルカリ金属化合物等がある。これらのアルカリ
金属化合物の中でも、セシウム化合物が特に好ましく、
最も好ましいセシウム化合物を挙げれば炭酸セシウム、
炭酸水素セシウム、水酸化セシウムである。
【0019】(四級ホスホニウム塩化合物)四級ホスホ
ニウム塩化合物(b)は、前記式(II)で示される四級
ホスホニウム塩化合物である。一般式〔II〕中、R3
6 で示されるアルキル基の炭素数としては1〜4のも
のが特に好ましい。また、アリール基としては、通常、
フェニル基が代表的である。R3 〜R6 として望ましい
置換基はアルキル基である。なお、R3 〜R6 は例え
ば、アミノ基、カルボキシル基またはヒドロキシル基な
どの極性基で置換されていてもよい。
【0020】具体的には、硫酸テトラエチルホスホニウ
ム、亜硫酸テトラエチルホスホニウム、硫酸テトラブチ
ルホスホニウム、亜硫酸テトラブチルホスホニウム、硫
酸テトラフェニルホスホニウム、亜硫酸テトラフェニル
ホスホニウム、硫酸メチルトリフェニルホスホニウム、
亜硫酸メチルトリフェニルホスホニウム、硫酸アリルト
リフェニルホスホニウム、亜硫酸アリルトリフェニルホ
スホニウム、硫酸ブチルトリフェニルホスホニウム、亜
硫酸ブチルトリフェニルホスホニウム、硫酸ヘキシルト
リフェニルホスホニウム、亜硫酸ヘキシルトリフェニル
ホスホニウム、硫酸4−カルボキシルブチルトリフェニ
ルホスホニウム、亜硫酸4−カルボキシブチルトリフェ
ニルホスホニウム、硫酸2−ジメチルアミノエチルトリ
フェニルホスホニウム、亜硫酸2−ジメチルアミノエチ
ルトリフェニルホスホニウム、硫酸テトラキス(ヒドロ
キシメチル)ホスホニウム、亜硫酸テトラキス(ヒドロ
キシメチル)ホスホニウム、などがある。
【0021】これらの化合物の中でも硫酸テトラエチル
ホスホニウム、硫酸テトラブチルホスホニウムがより高
分子量の芳香族ポリカーボネートを与えるので好まし
い。本発明で使用されるエステル交換反応触媒成分は水
溶液またはアルコール溶液にして、もしくは固体のまま
使用される。エステル交換反応触媒成分のアルカリ金属
化合物(a)は、原料として用いられる芳香族ジオール
化合物1モルに対して10-10 〜10-5モル、好ましく
は10-8〜10-6モルの量で用いられる。アルカリ金属
化合物の反応系への導入をアルカリ金属化合物の水溶液
として添加する場合は、水の使用量は原料の芳香族ジオ
ール化合物1モルに対し、10-6〜1モルの量、好まし
くは1×10-4〜0.3×10-1モルの量である。アル
カリ金属化合物と四級ホスホニウム塩化合物の好ましい
モル比は、10-6:1〜1:1である。
【0022】溶融重縮合 本発明におけるエステル交換法溶融重縮合方法は、エス
テル交換反応触媒としてアルカリ金属化合物(a)と式
(II)で示される四級ホスホニウム塩化合物を併用し
て、これらが反応系に導入される以外は公知の芳香族ポ
リカーボネートの溶融重縮合法により行うことができ
る。すなわち、前記の原料を用いて、加熱/常圧または
減圧下にエステル交換反応により副生成物を除去しなが
ら溶融重縮合を行う。この際の反応温度は通常、混合物
の溶融温度から330℃程度である。反応は、一般に二
段階以上の多段工程で実施される。第一段階の反応は、
原料と触媒を不活性ガス雰囲気下、常圧もしくは加圧下
に100℃〜200℃の温度に加熱して実施され、この
間にエステル交換反応及び低分子量オリゴマー(数平均
分子量400〜1,000)の形成反応が起こる。第2
段階の反応では、系を更に昇温(200℃〜250℃)
し、減圧状態(20Torr.以下)にすることにより
発生するフェノール類を反応系から除去することにより
エステル交換反応、低分子量オリゴマーの形成及びその
鎖長延長反応を進行せしめる(数平均分子量1,000
〜7,000)。そして更に、オリゴマーの鎖長を伸長
せしめるために高温(250℃〜330℃)、高真空下
(1Torr.以下)の条件で主としてフェノール類及
び炭酸ジアリール類を反応系より除去することにより高
分子量の芳香族ポリカーボネートが得られる。
【0023】各段階の反応時間は、反応の進行の程度に
応じて適宜定めることができるが、得られるポリマーの
色相の観点より、200℃程度の温度条件下では反応時
間は多少長くても色相に余り影響を及ぼさないが、一般
に0.5〜5時間、200〜250℃の温度では0.1
〜3時間、250度を越える反応温度では長時間反応は
色相に顕著な悪影響を及ぼす。このため、最終工程の反
応時間は1時間以内、好ましくは0.1〜1時間である
ことが好ましい。本発明は、バッチ式または連続的に行
うことができ、各種の装置を使用することができる。通
常各反応段階ごとに異なるタイプの反応装置が使用され
る。反応装置の構造は、特に限定はされないが、反応後
段においては粘度が著しく上昇するので、高粘度型の攪
拌機能を有するものが好ましい。
【0024】芳香族ポリカーボネート 本発明の実施により得られる芳香族ポリカーボネートは
数平均分子量(Mn)は、約2,500〜25,000
程度であり、重量平均分子量(Mw)は7,000〜6
0,000程度と高い分子量を有しており、Mw/Mn
値は2〜3が好ましい。また、この芳香族ポリカーボネ
ート約10mgを秤量し、セイコー電子工業(株)社製
の熱重量分析装置200−TG/DTA220(商品
名)を用いて窒素気流中で昇温速度20℃/分の条件で
昇温した場合に、この芳香族ポリカーボネートの重量が
元の重量の5%減に達したときの温度を耐熱温度(Td
5%)としたとき、この温度が480℃以上、好ましく
は490℃〜520℃である。なお、ポリカーボネート
の水酸基濃度は約0.1重量%以下が好ましい。本発明
の実施により得られた芳香族ポリカーボネートは、触媒
安定化剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着
色剤、流動性改良剤、離型剤、強化充填剤などの添加剤
を配合して使用することができる。また、他の樹脂、例
えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリ
スチレン、ABS、EPR、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリフェニレンオキシド、ポリプロピレン等とブレ
ンドして使用できる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。本発明により得られた芳香族ポリカーボネートの分
析は下記の測定方法により行った。 (i)分子量 クロロホルム溶媒を用いて35℃でのGPC(東ソー社
製HLC−8020)ポリカーボネート換算分子量であ
る。 (ii)Td5%(5%重量減少温度) セイコー電子工業社製の熱重量分析装置(200−TG
/DTA200)を用いて窒素気流中20℃/分の昇温
速度で測定し、芳香族ポリカーボネートの重量減少が5
%減に達したときの温度を求めた。
【0026】(iii )色相 サンプルの10%塩化メチレン溶液を調製し、スガ試験
機株式会社製のカラーテスター(SC−1−CH)を用
いて、光路長55mmでの溶液YI値を透過法で測定し
た(初期色相、加熱溶融色相)。加熱溶融処理サンプル
は340℃、60分間、窒素雰囲気下ガラス試験管中で
処理したものである。通常のホスゲン法サンプルの加熱
溶融色相は4〜5の値である。 (iv)異種結合量 320℃で30分間加熱溶融処理したサンプルの4%の
塩化メチレン溶液を調製し、光路長1cmで測定したU
V(紫外線)吸収スペクトルで318nm(サリチル酸
フェニル構造由来の極大吸収波長)の波長の吸光度を測
定した。この値が大きいほど異種結合量が多いことを示
す。市販品は0.15以下の値である。
【0027】実施例1 BPA(ビスフェノールA)0.1モル(22.8g)
およびDPC(ジフェニルカーボネート)0.107モ
ル(23.1g)を内容積300mlの攪拌機及び溜出
装置付きSUS−316製反応容器内に供給し、反応機
内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下、触媒として
Cs2 CO3 (炭酸セシウム)6.2×10-8モル
(0.020mg、1%水溶液2μl)および(Et4
P)2 SO4(硫酸テトラエチルホスホニウム)5.0
×10-6モル(1.92mg、0.17mol/水溶液
29μl)を添加した。次いで、反応器を150℃に昇
温して常圧下1時間溶融状態を保った。更に反応器を2
00℃に昇温後、徐々に圧力を20Torr.にまで下
げ、その状態を1時間保持してフェノールを溜出させ
た。次いで、反応温度を250℃に昇温し、同温度で系
内の圧力を0.5Torr.まで下げて1時間重縮合反
応を行い、ポリマー(芳香族ポリカーボネート)約25
gを得た。得たポリカーボネートの分析結果を表1に示
す。
【0028】実施例2〜4 エステル交換反応触媒成分の(Et4 P)2 SO4 の使
用量を表1に示すように変更した以外は全て実施例1と
同一の条件、方法によりポリカーボネートを得た。得た
ポリカーボネートの分析結果を表1に示す。 実施例5 エステル交換反応触媒成分の(Et4 P)2 SO4 の代
わりに(Bu4 P)2SO4 (硫酸テトラブチルホスホ
ニウム)を同表に示す量で使用する以外は、実施例1と
同一の条件、方法によりポリカーボネートを得た。得た
芳香族ポリカーボネートの分析結果を表1に示す。
【0029】実施例6 BPA(ビスフェノールA)0.1モル(22.8g)
およびDPC(ジフェニルカーボネート)0.107モ
ル(23.1g)を内容積300mlの攪拌機及び溜出
装置付きSUS−316製反応容器内に供給し、反応機
内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下、触媒として
Cs2 CO3 (炭酸セシウム)6.2×10-8モル
(0.020mg、1%水溶液2μl)およびEt4
HSO4 (亜硫酸テトラエチルホスホニウム)2.5×
10-5モル(6.12mg、0.24mol/1水溶液
98.8μl)を添加した。次いで、反応器を150℃
に昇温して常圧下1時間溶融状態を保った。更に反応器
を200℃に昇温後、徐々に圧力を20Torr.にま
で下げ、その状態を1時間保持してフェノールを溜出さ
せた。次いで、反応温度を250℃に昇温し、同温度で
系内の圧力を0.5Torr.まで下げて1時間重縮合
反応を行い、ポリマー(芳香族ポリカーボネート)約2
5gを得た。得たポリカーボネートの分析結果を表1に
示す。
【0030】比較例1 エステル交換反応触媒として(Et4 P)HSO4 を単
独で使用する以外は全て実施例6と同一の条件、方法に
より芳香族ポリカーボネートを得た。得たポリカーボネ
ートの分析結果を表1に示す。 比較例2 エステル交換反応触媒として、Cs2 CO3 6.2×
10-8モル(0.020mg.1%水溶液2μl)を単
独で使用する以外はすべて実施例1と同一条件、方法に
よりポリカーボネートを得た。得た芳香族ポリカーボネ
ートの分析結果を表1に示す。
【0031】比較例3 BPA(ビスフェノールA)0.1モル(22.8g)
およびDPC(ジフェニルカーボネート)0.107モ
ル(23.1g)を内容積300mlの攪拌機及び溜出
装置付きSUS−316製反応容器内に供給し、反応機
内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下、触媒として
Cs2 CO3 (炭酸セシウム)1.2×10-7モル
(0.039mg、2%水溶液2μl)およびBu4
Br(テトラブチルホスホニウムブロミド)を8.2×
10-6モル(2.37mg、15%水溶液15.8μ
l)を添加した。次いで、反応器を150℃に昇温して
常圧下1時間溶融状態を保った。更に反応器を200℃
に昇温後、徐々に圧力を20Torr.にまで下げ、そ
の状態を1時間保持してフェノールを溜出させた。次い
で、反応温度を250℃に昇温し、同温度で系内の圧力
を0.5Torr.まで下げて1時間重縮合反応を行
い、ポリマー(芳香族ポリカーボネート)約25gを得
た。得たポリカーボネートの分析結果を表1に示す。 比較例4 エステル交換反応触媒成分のBu4 PBrの代わりにB
3 P(トリブチルホスフィン)8.2×10-6モル
(1.66mg)を使用する以外は比較例3と同一の条
件、方法によりポリカーボネートを得た。得たポリカー
ボネートの分析結果を表1に示す。
【0032】実施例7 BPA(ビスフェノールA)0.1モル(22.8g)
およびDPC(ジフェニルカーボネート)0.107モ
ル(23.1g)を内容積300mlの攪拌機及び溜出
装置付きSUS−316製反応容器内に供給し、反応機
内を窒素ガスで置換後、窒素ガス雰囲気下、触媒として
Na2 CO3 (炭酸ナトリウム)6.2×10-8モル
(0.007mg、0.0246mol/1水溶液2.
5μl)および(Et4 P)2 SO4 (硫酸テトラエチ
ルホスホニウム)5.0×10-6モル(1.92mg、
0.17mol/l水溶液29μl)を添加した。次い
で、反応器を150℃に昇温して常圧下1時間溶融状態
を保った。更に反応器を200℃に昇温後、徐々に圧力
を20Torr.にまで下げ、その状態を1時間保持し
てフェノールを溜出させた。次いで、反応温度を250
℃に昇温し、同温度で系内の圧力を0.5Torr.ま
で下げて1時間重縮合反応を行い、ポリマー(芳香族ポ
リカーボネート)約25gを得た。得たポリカーボネー
トの分析結果を表2に示す。
【0033】実施例8 エステル交換反応触媒成分の(Et4 P)2 SO4 の代
わりに(Bu4 P)2SO4 (硫酸テトラブチルホスホ
ニウム)を同表に示す量で使用し、実施例7と同一の条
件、方法によりポリカーボネートを得た。得た芳香族ポ
リカーボネートの分析結果を表2に示す。 実施例9 エステル交換反応触媒成分のNa2 CO3 の代わりにK
2 CO3 (炭酸カリウム)を同表に示す量で使用し、実
施例7と同一の条件、方法によりポリカーボネートを得
た。得た芳香族ポリカーボネートの分析結果を表2に示
す。
【0034】比較例5 エステル交換反応触媒成分の(Et4 P)2 SO4 の代
わりにPh4 PBPh 4 (テトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレート)を同表に示す量で使用する以
外は、実施例1と同一の条件、方法によりポリカーボネ
ートを得た。得た芳香族ポリカーボネートの分析結果を
表2に示す。 比較例6 エステル交換反応触媒成分の(Et4 P)2 SO4 の代
わりにPh4 PBPh 4 (テトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレート)を同表に示す量で使用する以
外は、実施例7と同一の条件、方法によりポリカーボネ
ートを得た。得た芳香族ポリカーボネートの分析結果を
表2に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】耐熱性、色相に優れた高分子量の芳香族
ポリカーボネートが得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−306159(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジオール化合物と、一般式(I) 【化1】 (式中、R1 とR2 はそれぞれ独立して炭素数が1〜1
    0のアルキル基またはアルコキシ基を示し、mおよびn
    は0〜2の整数を示す。)で示される炭酸ジアリール化
    合物とをエステル交換反応触媒を用いて溶融重縮合反応
    させて芳香族ポリカーボネートを製造する方法におい
    て、エステル交換反応触媒として(a)アルカリ金属化
    合物と(b)一般式(II) 【化2】 (式中、R3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ独立
    して炭素数が1〜12のアルキル基、アリール基、アラ
    ルキルまたはシクロアルキル基を示し、lは0または1
    の整数を示す。)で示される四級ホスホニウム塩化合物
    を併用し、かつ、得られる芳香族ポリカーボネートの重
    量平均分子量が7,000〜60,000であることを
    特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属化合物が、セシウム化合物
    である請求項1記載の芳香族ポリカーボネートの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 四級ホスホニウム塩化合物(b)は、芳
    香族ジオール化合物1モルに対し10-6〜10-3モルの
    割合で用いられ、アルカリ金属化合物(a)と四級ホス
    ホニウム塩化合物(b)のモル比(a:b)は10-6
    1〜1:1である請求項1記載の芳香族ポリカーボネー
    トの製造方法。
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