JP3353411B2 - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエステル交換反応による
ポリカーボネートの製造法に関する。さらに詳しくは、
芳香族ジオール化合物と炭酸ジエステル化合物とから耐
熱性の改善された芳香族ポリカーボネートを溶融重縮合
反応で製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、芳香族ポリカーボネートは耐衝撃
性などの機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性など
にも優れたエンジニアリングプラスチックスとして、炭
酸飲料ボトル、電子基板(CD基板)、転写ベルト等、
多くの分野において幅広く用いられている。
【0003】この芳香族ポリカーボネートの製造方法と
しては、ビスフェノールなどの芳香族ジオールとホスゲ
ンとを界面重縮合法により反応させる、いわゆるホスゲ
ン法が工業化されている。しかし、このホスゲン法は、
人体に有毒なホスゲンを用いなければならないこと、多
量に副生する塩化ナトリウムの生成ポリマー中への混入
及び廃液処理問題、反応溶媒として通常用いられている
塩化メチレンの衛生、大気環境問題への懸念等、多くの
問題点が指摘されている。
【0004】また、芳香族ジオール化合物と炭酸ジエス
テルとのエステル交換反応により芳香族ポリカーボネー
トを得る方法も、いわゆる溶融法あるいはノンホスゲン
法として古くから知られている。ノンホスゲン法は上記
の如きホスゲン法のいろいろな問題点もなく、又、より
安価に芳香族ポリカーボネートが製造できるという利点
を有しているとされている。しかし、ビスフェノールA
とジフェニルカーボネートとを反応させるノンホスゲン
法による芳香族ポリカーボネートの製法においては、一
般に、ポリマー末端水酸基含有量が(ビスフェノールA
/ホスゲン/末端封止剤)等を用いるホスゲン法により
得られる芳香族ポリカーボネートと比較して多く、ま
た、ノンホスゲン法において使用される触媒残渣の影響
等もあって、ノンホスゲン法により得られる芳香族ポリ
カーボネートの耐熱性はホスゲン法芳香族ポリカーボネ
ートと比べて一般的に劣る。
【0005】例えばホスゲン法により製造される芳香族
ポリカーボネートの耐熱性は、後述する5%重量減加熱
温度(Td5%)を尺度とすると約500℃であるが、
ノンホスゲン法による芳香族ポリカーボネートの耐熱性
は高々450℃程度と低い。芳香族ポリカーボネートの
成型は320℃前後の高い温度で行う必要があり、ポリ
カーボネートの耐熱性が低いとポリマー主鎖の切断、着
色そして機械的強度の低下といった問題が生じる。特に
中空容器等の薄肉成形(0.3〜0.6mm)や複雑な
形状の成型の際には、溶融粘度を下げるためにとくに高
温が必要となるので、ノンホスゲン法により得られるポ
リカーボネートの耐熱性の向上が実用化の上で問題とな
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
のエステル交換重縮合法(ノンホスゲン法)であっても
重縮合反応時にゲル状ポリマーの生成もなく、また熱分
解温度が高く、加熱溶融時の分子量変化がほとんどない
耐熱性の高い芳香族ポリカーボネートの製造方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、エステル交換
反応触媒としてセシウム塩を用いて芳香族ジオール化合
物と炭酸ジエステル化合物とを溶融重縮合反応させて芳
香族ポリカーボネートを製造する方法において、該エス
テル交換反応触媒のセシウム塩が水溶液として反応系に
導入されることを特徴とするポリカーボネートの製造方
法を提供するものである。
【0008】
【発明の具体的説明】エステル交換反応触媒 本発明においては、エステル交換触媒としてセシウム塩
が使用される。具体的には、水酸化セシウム、炭酸セシ
ウム、炭酸水素セシウム、水素化ホウ素セシウム、硝酸
セシウム、硫酸セシウムなどの無機セシウム塩;ステア
リン酸セシウム、安息香酸セシウム等の有機酸セシウム
塩;セシウムメチレート、セシウムエチレート等のアル
コールセシウム塩;セシウムフェノレート、ビスフェノ
ールAのジセシウム塩などのフェノール類セシウム塩等
が挙げられる。
【0009】これらの化合物の中でも、水酸化セシウ
ム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウムが好ましい。これ
らのエステル交換反応触媒は二種以上組み合せて使用す
ることもできる。ノンホスゲン法におけるエステル交換
反応触媒としては、水素化リチウム、水素化ホウ素リチ
ウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウ
ム、水素化ホウ素ルビジウム、水素化ホウ素セシウム、
水素化ホウ素バリウム、水素化ホウ素アルミニウム、フ
ェノキシリチウム、フェノキシナトリウム、フェノキシ
カリウム、フェノキシルビジウム、フェノキシセシウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、酸化ベリリウム、酸化マグネ
シウム、酸化スズ(IV)、ジブチルスズオキシド、ジブ
チル錫ラウレート、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシ
ウム、水酸化ゲルマニウム、酢酸ベリリウム、酢酸マグ
ネシウム、酢酸カルシウム、酢酸スズ(IV)、酢酸ゲル
マニウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸スズ(I
V)、炭酸ゲルマニウム、硝酸スズ(IV)、硝酸ゲルマ
ニウム、三酸化アンチモン、ビスマストリメチルカルボ
キシレート等が知られており〔Groggin著,「U
nit Process in Organic Sy
nthesis」第4版,McGraw−Hill B
ook社 1952年刊の第612〜620頁;H.S
chnell著「Chemistry and Phy
sics of Polycarbonates」イン
ターサイエンス社 1964年刊;特開昭63−926
43号、USP 3275601,特開平3−2656
25号,EP−A−534189号,特開平4−122
727号公報等、〕、好適にはスズ系化合物の使用が指
摘されている。
【0010】これら公知のエステル交換反応触媒を用い
ても得られる芳香族ポリカーボネートの5%重量減加熱
温度(Td5%)は前述のように高々450℃であり、
ホスゲン法により得られるポリカーボネートのその値T
d5%=約500℃と比較して低い。このエステル交換
反応において、反応系に水を存在させるとこの耐熱性が
向上することを本発明者等は見い出した。中でもエステ
ル交換反応触媒としてセシウム塩を用いたときは、押出
成形、射出成形、造粒等の溶融混練によっても芳香族ポ
リカーボネートの分子量、メルトフローレート等の物性
の変化が小さく、芳香族ポリカーボネートを再利用(リ
サイクル使用)して得られる成形体の耐衝撃性、曲げ強
度、引張強度等の機械的強度の変化が、バージンの芳香
族ポリカーボネートより得られた成形体のそれらと比較
して小さい利点を有する。
【0011】このエステル交換反応触媒のセシウム塩は
原料として用いられる芳香族ジオール化合物1モルに対
して10-8〜10-3モル、好ましくは、10-7〜10-4
モルの量で用いられる。使用量が多すぎるとゲル状のポ
リマーが生成したり、ポリマーの耐熱性が低下したりす
ることがあり、逆に少なすぎると高分子量の芳香族ポリ
カーボネートが得られない。
【0012】セシウム塩の反応系への導入は、セシウム
塩を水に溶解させて水溶液として添加する。水の使用量
は原料の芳香族ジオール化合物1モルに対し、1×10
-6〜1モルの量、好ましくは1×10-5〜1×10-1
ルの量、より好ましくは1×10-4〜0.3×10-1
ルの量である。必要によりセシウム塩を溶解する溶媒と
して水とともにアルコールを併用してもよい。
【0013】芳香族ジオール化合物 本発明の製造にて用いられる芳香族ジオール化合物は、
一般式〔I〕で示される化合物である。
【0014】
【化1】
【0015】(式中、Aは単結合、炭素数1〜15の置
換又は未置換の直鎖状、分岐状又は環状の2価の炭化水
素基、及び−O−,−S−,−CO−,−SO−,−S
2 −で示される2価の基からなる群から選ばれるもの
であり、XおよびYは同一又は相互に異なるものであっ
て、水素又はハロゲン又は炭素数1〜6の炭化水素基か
ら選ばれるものであり、pおよびqは0〜2の整数であ
る。)
【0016】いくつかの代表例を挙げれば、例えばビス
(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジブロモ)プロパン、4,4−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビスフ
ェノール;4,4′−ジヒドロキシビフェニル、3,
3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ビフェニル
等のビフェノール;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ス
ルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ケトンなどである。
【0017】これらの中でも2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンが好ましい。これらの化合物を
2種以上併用すること(共重合体)もできるし、又、分
岐状芳香族ポリカーボネートを製造しようとするとき
は、少量の3価以上の多価フェノールを共重合させるこ
ともできる。又、製造される芳香族ポリカーボネートの
熱安定性や耐加水分解性をさらに向上させることを目的
として、水酸基末端の封止のために、p−t−ブチルフ
ェノールやp−クミルフェノールなどの一価フェノール
類を使用することもできる。
【0018】炭酸ジエステル 本発明で用いられる炭酸ジエステルの代表例としては、
ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジト
リルカーボネート、ビス(4−クロルフェニル)カーボ
ネート、ビス(2,4,6−トリクロルフェニル)カー
ボネートなどがある。
【0019】これら炭酸ジエステル化合物は、芳香族ジ
オール化合物1モルに対して過剰に用いられるのが一般
的であり、1.01〜1.30モル、好ましくは1.0
2〜1.20モルの量で用いることが望ましい。本発明
におけるエステル交換法溶融重縮合方法は、エステル交
換反応触媒のセシウム塩が水溶液として反応系に導入さ
れる以外は前述の公知の芳香族ポリカーボネートの溶融
重縮合法により行うことができる。
【0020】すなわち、前記の原料を用いて、加熱/常
圧又は減圧下にエステル交換反応により副生物を除去し
ながら溶融重縮合を行う。反応は一般には二段階以上の
多段工程で実施される。第1段階の反応は、原料と触媒
を不活性ガス雰囲気下、常圧もしくは加圧下に100℃
〜200℃の温度に加熱して実施され、この間にエステ
ル交換反応および低分子量オリゴマー(数平均分子量4
00〜1,000)の形成反応が起こる。第2段階の反
応では、系をさらに昇温(200℃〜250℃)し、減
圧状態(20Torr.以下)にすることにより発生す
るアルコールもしくはフェノールを反応系から除去する
ことによりエステル交換反応、低分子量オリゴマーの形
成およびその鎖長延長反応を進行せしめる(数平均分子
量1,000〜7,000)。そしてさらに、オリゴマ
ーの鎖長を伸長せしめるために高温(250℃〜330
℃)、高真空下(1Torr.以下)の条件で主として
アルコール類もしくはフェノール類および炭酸ジエステ
ル類を反応系より除去することにより高分子量の芳香族
ポリカーボネートが得られる。
【0021】各段階の反応時間は、反応の進行の程度に
応じて適宜定めることができるが、得られるポリマーの
色相の観点より、200℃程度の温度条件下では反応時
間は多少長くても色相にあまり悪影響を及ぼさないが一
般に0.5〜5時間、200〜250℃の温度では0.
1〜3時間、250℃を越える反応温度では長時間反応
は色相に顕著な悪影響を及ぼす。このため、最終工程の
反応時間は1時間以内、好ましくは0.1〜1時間であ
ることが好ましい。
【0022】本発明は、バッチ式または連続的に行うこ
とができ、各種の装置を使用することができる。通常各
反応段階毎に異なるタイプの反応装置が使用される。反
応装置の構造は、特に限定はされないが、反応後段にお
いては粘度が著しく上昇するので、高粘度型の攪拌機能
を有するものが好ましい。本発明の方法により得られる
芳香族ポリカーボネートの数平均分子量(Mn)は、約
1,000〜15,000程度であり、重量平均分子量
(Mw)は、2,500〜40,000程度と高い分子
量を有しており、Mw/Mn値は2〜4が好ましい。
【0023】また、この芳香族ポリカーボネート約10
mgを精量し、セイコー電子工業(株)社製の熱重量分
析装置200−TG/DTA220(商品名)を用いて
窒素気流中で昇温速度20℃/分の条件で昇温した場合
に、この芳香族ポリカーボネートの重量が元の重量の5
%減に達したときの温度を耐熱温度(Td5%)とした
とき、この温度が460℃以上、好ましくは480〜5
20℃である。
【0024】また、ポリカーボネートの水酸基濃度は約
0.2重量%以下が好ましい。本発明の実施により得ら
れた芳香族ポリカーボネートは、触媒安定化剤、耐熱安
定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、流動性改良
剤、離型剤、強化充填剤などの添加剤を配合して使用す
ることができる。また、他の樹脂、例えばエチレン・酢
酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリプ
ロピレン等とブレンドして使用される。
【0025】
【実施例】以下、具体的に実施例により本発明の方法を
説明する。本発明により得られた芳香族ポリカーボネー
トの分析は下記の測定方法により行った。 (i)ポリカーボネート中の水酸基濃度 J.E.McGrathらの方法(Polymer.p
reprints,19(1),494(1978))
に従いUVスペクトル分析を行って、重合体試料中の水
酸基濃度を重量%として求めた。
【0026】(ii)分子量 クロロホルム溶媒を用いて35℃でのGPC(東ソー社
製HLC−8020)ポリカーボネート換算分子量であ
る。 (iii) Td5%(5%重量減少温度) セイコー電子工業社製の熱重量分析装置(200−TG
/DTA200)を用いて窒素気流中20℃/分の昇温
速度で測定し、芳香族ポリカーボネートの重量減少が5
重量%に達した時の温度を求めた。
【0027】(iv)加熱溶融処理 試料パウダーをプレスシート板にはさみ、320℃で3
0分間加圧溶融状態に保持して処理した。 (v)色相 300℃で15分間加熱溶融処理したサンプルの4%塩
化メチレン溶液を調製し、UVスペクトルで345nm
の波長の吸光度を測定した。この値が大きいほど着色し
ていることを示す。
【0028】実施例1 ビスフェノールA0.1モル(22.8g)、ジフェニ
ルカーボネート0.107モル(23.1g)および触
媒として炭酸セシウム3.1×10-7モル(0.10m
g)と水4.8mg(2.7×10-4モル)との割合で
溶解した2%炭酸セシウム水溶液5μlを内容積300
mlの攪拌機および溜出装置付きのSUS−306製反
応容器内に入れ、窒素ガス雰囲気下、150℃にて1時
間溶融状態を保った。
【0029】200℃に昇温後、徐々に圧力を20To
rr.にまで下げ、その状態を1時間保持してフェノー
ルを溜出させた。次いで、反応温度を250℃に昇温
し、同温度で系内の圧力を0.5Torr.まで下げて
1時間重縮合反応を行い、ポリマー(芳香族ポリカーボ
ネート)約25gを得た。図1にこのポリマーを320
℃で30分間加熱溶融処理したときの処理前と処理後の
GPCによるポリカーボネートの分子量分布図を示す。
【0030】比較例1〜4 エステル交換反応触媒として、各種のアルカリ金属の炭
酸塩を同一量(3.1×10-7モル、2%水溶液濃度で
使用)使用する以外はすべて実施例1と同一の条件、方
法によりポリカーボネートを製造した。以上の実施例
1,比較例1〜4の触媒の使用条件を表1に、得た芳香
族ポリカーボネートの分析結果を表2に示す。又、比較
例1〜4で得た芳香族ポリカーボネートの320℃で3
0分間加熱溶融処理する前と後の分子量分布を図2〜図
4に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】比較例5 ビスフェノールA 1モル(228g)、ジフェニルカ
ーボネート1.08モル(231g)、および触媒とし
て炭酸セシウム0.2ミリモル( mg)を内容積3
リットルの攪拌機および溜出装置付きのSUS製反応機
に入れ、窒素雰囲気下150℃にて1時間溶融状態を保
った。
【0034】200℃に昇温後、徐々に圧力を20To
rr.にまで下げてさらにその状態を1時間保持してフ
ェノールを溜出させた。その後、250℃に昇温し、同
温度で系内の圧力を0.5Torr.まで下げて1時間
重縮合反応を行い、ポリマー約250gを得た。得たポ
リマーの分析結果を表3に記す。
【0035】比較例6〜8 比較例5において、炭酸セシウムの代りにそれぞれ0.
2ミリモルのジブチルスズオキサイド、酢酸カルシウ
ム、水素化リチウムを用いる(水溶液でなく、固体で反
応系に添加)他は同様にして表3に示す物性の芳香族ポ
リカーボネートを得た。
【0036】
【表3】
【0037】実施例2 エステル交換反応触媒として炭酸セシウムの代りに炭酸
水素セシウム3.1×10-7モル(0.060mg)を
用い、これを水1.7×10-4モル(3.0mg)の割
合に溶解した2%水溶液3μlにしてSUS製容器内に
添加する他はすべて実施例1と同一の条件、方法により
芳香族ポリカーボネートを製造した。このポリマーの分
析結果を表4に示す。
【0038】比較例7〜8 エステル交換反応触媒として、炭酸水素ナトリウムおよ
び炭酸水素カリウムをそれぞれ3.1×10-7モル用
い、かつ、これらアルカリ金属塩を水に溶解して2%水
溶液として容器内に添加した他は実施例1と同一の条
件、方法によりポリカーボネートを製造した。これらの
ポリマーの分析結果を表4に示す。
【0039】実施例3 エステル交換反応触媒として水酸化セシウム3.1×1
-7モル(0.046mg、2%水溶液2.3μl)を
使用する以外はすべて実施例1と同一の条件、方法によ
りポリカーボネートを製造した。このポリマーの分析結
果を表4に示す。
【0040】比較例9 エステル交換反応触媒として、水酸化ナトリウムを3.
1×10-7モル(2%水溶液濃度で使用)使用する以外
は全て実施例1と同一の条件、方法によりポリカーボネ
ートを製造した。このポリマーの分析結果を表4に示
す。
【0041】参考例1 エステル交換反応触媒として、酢酸セシウム3.1×1
-7モル(0.059mg、2%水溶液2.9μl)を
使用する以外はすべて実施例1と同一の条件、方法によ
りポリカーボネートを製造した。このポリマーの分析結
果を表4に示す。
【0042】比較例10 エステル交換反応触媒として、酢酸ナトリウム3.1×
10-7モル(2%水溶液濃度で使用)使用する以外は全
て実施例1と同一の条件、方法によりポリカーボネート
を製造した。このポリマーの分析結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】実施例5〜9 エステル交換反応触媒種として炭酸セシウムを用い、こ
れを表5に示す濃度の水溶液として用いた以外はすべて
実施例1と同一の条件、方法によりポリカーボネートを
製造した。このポリマーの分析結果を表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】
【発明の効果】本発明のエステル交換反応触媒としてセ
シウム塩を用い、芳香族ジオール化合物と炭酸ジエステ
ル化合物とを溶融重縮合反応させて芳香族ポリカーボネ
ートを製造する方法において、セシウム塩が水溶液とし
て反応系に導入する芳香族ポリカーボネートの製造方法
は、耐熱性の優れる芳香族ポリカーボネートを与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た芳香族ポリカーボネートの加熱
処理前の分子量分布と加熱後の分子量分布を示す。
【図2】比較例1で得た芳香族ポリカーボネートの加熱
処理前の分子量分布と加熱後の分子量分布を示す。
【図3】比較例2で得た芳香族ポリカーボネートの加熱
処理前の分子量分布と加熱後の分子量分布を示す。
【図4】比較例3で得た芳香族ポリカーボネートの加熱
処理前の分子量分布と加熱後の分子量分布を示す。
【図5】比較例4で得た芳香族ポリカーボネートの加熱
処理前の分子量分布と加熱後の分子量分布を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−340738(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジオール化合物と炭酸ジエステル
    化合物とをエステル交換反応触媒としてセシウム塩(但
    し、酢酸セシウムを除く)を用いて溶融重縮合反応させ
    て芳香族ポリカーボネートを製造する方法において、セ
    シウム塩が水溶液として反応系に導入されることを特徴
    とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】 芳香族ジオール化合物と炭酸ジエステル
    化合物とをエステル交換反応触媒としてセシウム塩を用
    いて溶融重縮合反応させて芳香族ポリカーボネートを製
    造する方法において、セシウム塩が炭酸セシウム、炭酸
    水素セシウム、水酸化セシウム、有機酸セシウム塩(但
    し、酢酸セシウムを除く)及びアルコール類のセシウム
    塩から選ばれた化合物であり、セシウム塩が水溶液とし
    て反応系に導入されることを特徴とする芳香族ポリカー
    ボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 セシウム塩が炭酸セシウム、炭酸水素セ
    シウム、水酸化セシウム及びアルコール類のセシウム塩
    から選ばれた化合物である請求項2に記載の芳香族族ポ
    リカーボネートの製造方法。
  4. 【請求項4】 セシウム塩が炭酸セシウム、炭酸水素セ
    シウム、及び水酸化セシウムから選ばれた化合物である
    請求項3に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
  5. 【請求項5】 反応系における水の量が、芳香族ジオー
    ル化合物1モルに対し、1×10-6〜1モルの量の割合
    である請求項1乃至4のいずれかに記載の芳香族ポリカ
    ーボネートの製造方法。
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