JP3472287B2 - ポリカーボネート合成触媒としてのイオウのオキソ酸のアルカリ金属塩 - Google Patents
ポリカーボネート合成触媒としてのイオウのオキソ酸のアルカリ金属塩Info
- Publication number
- JP3472287B2 JP3472287B2 JP2001528473A JP2001528473A JP3472287B2 JP 3472287 B2 JP3472287 B2 JP 3472287B2 JP 2001528473 A JP2001528473 A JP 2001528473A JP 2001528473 A JP2001528473 A JP 2001528473A JP 3472287 B2 JP3472287 B2 JP 3472287B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polycarbonate
- sodium
- alkali metal
- mixture
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08G—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
- C08G64/00—Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
- C08G64/20—General preparatory processes
- C08G64/30—General preparatory processes using carbonates
- C08G64/307—General preparatory processes using carbonates and phenols
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Description
触媒として有用なイオウのオキソ酸のアルカリ金属塩に
関する。さらに本発明は、イオウのオキソ酸のアルカリ
金属塩を用いて製造したポリカーボネート並びにかかる
ポリカーボネートから作られた物品に関する。
ボネート合成では、ジヒドロキシ化合物(例えばビスフ
ェノール−A)の水溶液をハロゲン化カルボニル(例え
ばホスゲン)を含んだ有機溶媒(例えばジクロロメタ
ン)と混ぜ合わせる。これら不混和性の有機相と水相を
混合すると、相界面でジヒドロキシ化合物がハロゲン化
カルボニルと反応する。通例、第三級アミンのような相
間移動触媒を水相に加えて反応を促進する。この合成法
は一般にポリカーボネート製造のための「界面」合成法
として知られている。
には幾つか特有の短所がある。第一に、反応体としてホ
スゲンが必要とされるプロセスを操業するのは、安全性
が懸念されることが明らかであるため、不利である。第
二に、大量の有機溶媒の使用が必要とされるプロセスを
操業するのは、環境へのあらゆる悪影響を排除すべく費
用のかかる予防措置を講じなければならないため、不利
である。第三に、界面法には比較的多大な施設と資本投
下が必要とされる。第四に、界面法で製造したポリカー
ボネートは、色にバラツキがあったり、微粒子レベルが
高かったり、腐蝕を招きかねない塩素含有量が高かった
りする傾向がある。
ントでは、エステル交換反応で炭酸ジエステル(例えば
炭酸ジフェニル)をジヒドロキシ化合物(例えばビスフ
ェノール−A)と縮合させ、ポリカーボネートを合成し
ている。この反応は無溶媒で実施され、減圧高温下で反
応体を混合し、同時に反応により生じたフェノールを蒸
留することによって反応を推進して完了へと導く。この
合成法は一般に「溶融」法と呼ばれる。溶融法は、ホス
ゲンを用いないこと、溶媒を必要としないこと、及び設
備が少なくてすむ点で、界面法よりも優れている。さら
に、溶融法で製造したポリカーボネートは反応体に由来
する夾雑塩素を含まず、微粒子レベルが低く、色のバラ
ツキが少ない。そのため、商業生産プロセスでは溶融法
を用いるのが極めて望ましい。
に当たっては、アルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナト
リウムが重合触媒として使用される。アルカリ金属水酸
化物は有用な重合触媒ではあるが、副反応も起こして各
種枝分れ副反応生成物を生じる。これはポリカーボネー
トの溶融挙動を変化させ、そのため加工処理が困難にな
ることがある。
合な反応生成物を最小限に抑制しつつ溶融重合を達成で
きる触媒系が開発できれば望ましい。
で、さらに驚くべき特性を与える。
詳細な説明及び実施例を参照すると、本発明の理解が促
されよう。
・説明するに当たり、本発明は特定の合成法や個々の配
合自体に限定されるものではなく、当然ながら種々異な
る形態をとり得ることを理解されたい。また、本明細書
中で用いる用語は特定の実施形態を説明するためのもの
にすぎず、限定のためのものでないことも理解された
い。
語を用いるが、以下の意味をもつものと定義される。
係から明らかでない限り、複数の場合も含めて意味す
る。
その用語に続いて記載された事象又は状況が起きても起
きなくてもよいことを意味しており、かかる記載はその
事象又は状況が起きた場合と起こらない場合を包含す
る。
ート」という用語は、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化
合物とのエステル交換で合成されたポリカーボネートを
いう。
ルA、つまり2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンと定義される。
う用語と「二価フェノール」という用語は同義である。
金属塩を重合触媒として使用すると、意外にも、「フリ
ース」生成物その他の枝分れ副反応生成物を始めとする
副反応生成物が低減することを見出した。こうした生成
物が低減すると、延性が増すという利点があり、またフ
リース生成物のような望ましくない副反応生成物の存在
に起因するレオロジー特性の低下が防止される。さら
に、所与の条件下では、本発明で説明するメタ重亜硫酸
ナトリウムのようなイオウのオキソ酸のアルカリ金属塩
は、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物よ
りもフリース生成量が少ないという予想外の知見を得
た。
反応生成物、特にフリース生成物の含有量が低減したポ
リカーボネートを溶融法で製造するための触媒系を提供
する。特に、フリース生成物は1000ppm未満であ
るのが望ましく、好ましくは900ppm未満、さらに
好ましくは500ppm未満、さらに一段と好ましくは
200ppm未満である。
例、界面法で製造したポリカーボネートよりもフリース
含有量が高い。本明細書中で用いる「フリース」という
用語は、ポリカーボネート中の次式(I)の繰返し単位
をいう。
炭化水素基を表す。Rc及びRdは環構造を形成していて
もよい。Reは二価炭化水素基である。
などの性能特性を低下させるため、ポリカーボネート製
品中のフリース含有量は低いのが極めて望ましい。フリ
ース含有量が高いと延性が低下する。溶融法でポリカー
ボネートを製造すると、フリース生成物が生じる。
ルとを反応させる溶融重合系における溶融重合触媒に関
する。本発明のポリカーボネートの製造に有用な二価フ
ェノールは次の一般式で表すことができる。
基及び一価炭化水素オキシ基から選択され、R1は独立
にハロゲン、一価炭化水素基及び一価炭化水素オキシ基
から選択され、Wは二価炭化水素基、
の値を有する整数から選択され、bは0又は1である。
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基及びアルカリール基がある。好ましいアルキル
基は炭素原子数1〜約12のものである。好ましいシク
ロアルキル基は環炭素原子数4〜約8のものである。好
ましいアリール基は環炭素原子数6〜12のもの、すな
わちフェニル、ナフチル及びビフェニルである。好まし
いアルカリール基及びアラルキル基は炭素原子数7〜約
14のものである。
子は塩素及び臭素である。
ン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基及びシクロ
アルキリデン基がある。好ましいアルキレン基は炭素原
子数2〜約30のものである。好ましいアルキリデン基
は炭素原子数1〜約30のものである。好ましいシクロ
アルキレン基及びシクロアルキリデン基は環炭素原子数
6〜約16のものである。
基は式−OR2で表すことができ、R2は上述のタイプの
一価炭化水素基である。好ましい一価炭化水素オキシ基
はアルコキシ基及びアリールオキシ基である。
2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デ
カン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデ
カン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)シクロドデカン、4,4−ジヒドロキシフ
ェニルエーテル、4,4−チオジフェノール、4,4−
ジヒドロキシ−3,3−ジクロロジフェニルエーテル、
4,4−チオジフェノール、4,4−ジヒドロキシ−
3,3−ジクロロジフェニルエーテル、4,4−ジヒド
ロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル、B
PI、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−
フェニルエタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−1−フェニルエタン及びこれらの混
合物があるが、これらに限定されない。一実施形態で
は、ポリカーボネート中の二価フェノール残基は100
モル%BPA由来の残基からなる。
枝分れポリカーボネートの重合に用いる適当な多官能性
化合物には、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン、4−[4−[1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−エチル]−ジメチルベンジル]、トリ
メリト酸無水物、トリメリト酸又はこれらの酸塩化物誘
導体があるが、これらに限定されない。
いが、炭酸ジアリール化合物、炭酸ジアルキル化合物及
び炭酸アルキルアリール化合物を始めとする各種の化合
物を使用し得る。適当な炭酸ジエステルには、炭酸ジフ
ェニル、炭酸ビス(4−t−ブチルフェニル)、炭酸ビ
ス(2,4−ジクロロフェニル)、炭酸ビス(2,4,
6−トリクロロフェニル)、炭酸ビス(2−シアノフェ
ニル)、炭酸ビス(o−ニトロフェニル)、炭酸ジトリ
ル、炭酸m−クレゾール、炭酸ジナフチル、炭酸ビス
(ジフェニル)、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸ジ
ブチル、炭酸ジシクロヘキシル及びこれらの混合物があ
るが、これらに限定されない。これらの中では、炭酸ジ
フェニルが好ましい。これらの化合物の2種以上を用い
る場合には、その一つが炭酸ジフェニルであるのが好ま
しい。
使用し得る。適当な末端封鎖剤には、一価芳香族ヒドロ
キシ化合物、一価芳香族ヒドロキシ化合物のハロホルメ
ート誘導体、一価カルボン酸、一価カルボン酸のハロゲ
ン化物誘導体及びこれらの混合物がある。
tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、
p−クミルフェノールカーボネート、ウンデカン酸、ラ
ウリン酸、ステアリン酸、フェニルクロロホルメート、
t−ブチルフェニルクロロホルメート、p−クミルクロ
ロホルメート、クロマンクロロホルメート、オクチルフ
ェニル、ノニルフェニルクロロホルメート又はこれらの
混合物があるが、これらに限定されない。
価フェノール1モル当たり約0.01〜約0.20モ
ル、好ましくは約0.02〜約0.15モル、さらに好
ましくは約0.02〜約0.10モルの量で存在する。
ソ酸のアルカリ金属塩を1種以上含む。本明細書中で用
いる「触媒系」とは、溶融法において二価フェノールと
炭酸ジエステルのエステル交換を触媒する1種以上の触
媒をいう。溶融重合触媒として適したイオウのオキソ酸
のアルカリ金属塩としては、特に限定されないが、亜硫
酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナト
リウム、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム
及びこれらの混合物が挙げられ、好ましくは亜硫酸ナト
リウム、メタ重亜硫酸ナトリウム及びこれらの混合物、
さらに好ましくはメタ重亜硫酸ナトリウムである。枝分
れ副生物の生成量を最小限にするには、アルカリ金属成
分がナトリウムであるのが最も好ましい。一実施形態で
は、触媒系はイオウのオキソ酸のナトリウム金属塩から
なる。触媒系が硫酸ナトリウムその他の硫酸アルカリ金
属塩をほとんど又は全く含まないのがさらに好ましい。
硫酸ナトリウムその他の硫酸アルカリ金属塩は系に有害
なものではないが、好ましい分子量の増加が得られな
い。
価フェノール化合物1モル当たりの触媒量が好ましくは
10-8〜10-3モル、さらに好ましくは10-7〜10-5
モルとなる量で使用される。この量が10-8モル未満で
は触媒活性を奏しないおそれがあり、この量が二価フェ
ノール1モル当たり10-3モルを超えると最終ポリカー
ボネート生成物の特性が悪影響を受けかねない。
固体、例えば粉体として添加してもよいし、或いは水や
アルコールなどの溶媒に溶解してもよい。一実施形態で
は触媒を水溶液の形態で反応系に加える。水溶液のpH
は、調製したての溶液のpHと同じかその近辺であるの
が好ましいが、その値は触媒として用いるオキソイオウ
酸塩の種類によって異なる。例えば、亜硫酸ナトリウム
の水溶液のpHは好ましくは約8〜約9の範囲である
が、メタ重亜硫酸ナトリウムの水溶液のpHは好ましく
は約3〜約4.2の範囲であり、さらに好ましくは約
2.5〜約4であり、さらに一段と好ましくは約3.0
〜約3.2である。
期pHは、その塩によって穏やかな酸性から穏やかな塩
基性までの種々異なるが、水中で不安定なため時間経過
と共に酸性化する傾向がある。あるpH範囲において、
これらの触媒はフリース量の低減に関して高い選択性を
示すが、徐々に重合触媒として活性が低下する。これ
は、プロセス終了時に自己奪活手段を提供する。これら
の触媒は還元剤でもあるので、水酸化ナトリウムよりも
着色が少ない。
になるものの、得られる生成物の分子量は低下する。生
成物の望ましい分子量は使用目的に応じて異なる。例え
ば、光学材料用には生成物の数平均分子量は好ましくは
約7500〜約9000の範囲にあるが、シート材料用
には数平均分子量は好ましくは約25000〜約300
00の範囲にある。そこで、例えば光学材料のように分
子量の比較的低いポリカーボネート材料の合成には、酸
性pHに近付けるのが望ましいであろう。触媒水溶液の
pHは約2.4より高く保つのが好ましい。
塩の他に、第四級アンモニウム塩及び/又はホスホニウ
ム触媒を任意成分として含んでいてもよい。適当な第四
級アンモニウム塩の具体例として、水酸化テトラメチル
アンモニウム(TMAH)や水酸化テトラブチルアンモ
ニウム(TBAH)のようなアルキル基、アリール基及
びアルカリール基を有する水酸化アンモニウムが挙げら
れるが、これらに限定されない。
て第四級アンモニウム塩及び/又はホスホニウム触媒が
存在する場合、二価フェノール化合物1モル当たり10
-2〜約10-6モル、好ましくは10-2〜10-5モルの量
で存在するのが好ましい。任意には、触媒系中にアルカ
リ金属水酸化物がさらに存在していてもよい。
範囲の操作条件で実施し得る。反応温度は通例約100
〜約350℃の範囲にあり、さらに好ましくは約180
〜約310℃である。圧力は大気圧でもよいし、或いは
反応の初期段階で大気圧〜約15トルに加圧し、後段で
減圧(例えば約0.2〜約15トル)してもよい。反応
時間は一般に約0.1〜約10時間である。
影響を与えない限り、ポリカーボネート生成物に添加剤
を添加してもよい。かかる添加剤には、様々な目的でポ
リカーボネートに従来から添加されている広範囲の物質
がある。具体例としては、熱安定剤、エポキシ化合物、
紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、スリップ
剤、粘着防止剤、滑剤、防曇剤、天然油、合成油、ワッ
クス、有機充填材、難燃剤、無機充填材その他周知の添
加剤がある。
反応に都合のよい装置であればどんな装置でも使用し得
る。本発明で用いる反応器の材料及び構造は、その反応
器が普通の攪拌能力を有していれば特に限定されない。
反応器は、反応後期に反応系の粘度が増大しても高粘度
条件下で攪拌できることが好ましい。
うな強アルカリ性のアルカリ土類金属水酸化物とは異な
り、本発明の触媒は穏やかな酸性から若干塩基性であ
る。その結果、触媒奪活剤を添加する必要はない。ただ
し、任意には添加してもよい。水酸化ナトリウムと共に
用いられる典型的な触媒奪活剤としては、特に限定され
ないが、イオウ又はリンの強酸がある。強酸は加水分解
安定性を損なう。
塑剤、顔料、滑剤、離型剤、安定剤及び有機充填材のよ
うな慣用添加剤と混合した後に使用し得る。
リスチレン、ポリスルホネート、ポリアミド及びポリフ
ェニレンエーテルを始めとする他のポリマーとブレンド
することも可能である。
実施し評価するかの当業者に十分に示すため実施例を開
示するが、これらは本発明者らが発明と思料するものの
技術的範囲を限定するものではない。数値(例えば量、
温度など)に関しては正確を期すように努めたが、若干
の誤差やずれは容赦されたい。特記しない限り、部は重
量部、温度は℃である。
し、溶融重合で製造したポリカーボネートのGPC分析
で測定した。ポリスチレン標準を用いて汎用校正曲線を
作成し、この校正曲線に対してMark−Houwin
k式を用いることでポリカーボネートを測定できた。カ
ラムの温度は25℃、移動相はクロロホルムであった。
スによって測定し、ppm単位で示す。表1に示す溶融
法ポリカーボネートの各々について、以下の通りフリー
ス含有量を決定した。まず、0.50グラムのポリカー
ボネートを4.0mlのTHF(内部標準としてp−テ
ルフェニルを含む)に溶解した。次に、18%KOHメ
タノール溶液3.0mlを上記溶液に加えた。得られた
混合物を室温で2時間攪拌した。次に、1.0mlの酢
酸を加えて、混合物を5分間攪拌した。1時間放置して
酢酸カリウムを結晶化させた。固形物を濾過して除去
し、得られた濾液を、p−テルフェニルを内部標準とし
て用いた液体クロマトグラフィーで分析した。
Hであり、試料5及び6以外は、調製したての試薬瓶に
ついてのものである。
説明する。残りの試料は、注記以外は表1に記載の他の
触媒を用いた点を除けば全く同一の手順で調製した。
製回分式反応器で以下の反応を実施した。ガラス反応器
表面は酸洗浄して濯いだ後70℃で一晩乾燥することに
よって不動態化し、使用時まで覆いをして保存した。
砂浴を用いて維持し、反応器と砂浴の界面近くで測定し
た。反応器の圧力は、留出液回収用フラスコの下流の真
空ポンプへの窒素抽気によって制御し、比較的高い圧力
(760〜40mmHg)では水銀気圧計を用い、比較
的低い圧力(40〜1mmHg)ではEdwards製
ピラニ真空計を用いて測定した。
570モルのBPA及び0.7096モルの炭酸ジフェ
ニルを仕込んだ。次いで、反応器を組み立てて密閉し、
雰囲気を窒素で3回交換した。最後の窒素交換によっ
て、反応器をほぼ大気圧とし、180℃の流動浴に沈め
た。5分後に、250rpmで攪拌を開始した。さらに
10分後、反応体は完全に溶融し、均質混合物をなして
いると思われた。テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド(TMAH、1.32×10-4モル)及び水酸化ナト
リウム(NaOH、5.00×10-7モル)を18MΩ
の水で適正な濃度(0.220MのTMAH及び5.0
0×10-3MのNaOH)に希釈した後、順次加えた。
最後の触媒を加えた後に、時間計測を開始し、温度を5
分間で210℃に上げた。この温度に達した時点で圧力
を180mmHgに下げると、直ちにフェノールが留出
した。25分後に、圧力を再び100mmHgに下げ、
45分間維持した。
圧力を15mmHgに下げた。この条件を45分間維持
した。次いで、温度を5分間で270℃に上げ、圧力を
2mmHgに下げた。この条件を10分間維持した。次
いで、温度を5分間で仕上げ温度に上げ、圧力を1.1
mmHgに下げた。仕上げ温度は310℃であった。3
0分後に反応器を砂浴から取り出し、メルトを液体窒素
中に押出して反応を停止させた。
たときのオキソイオウ酸アルカリ金属塩の溶融重合触媒
としての有効性をはっきりと示している。さらに、水溶
液調製後に、水溶液が時間経過と共に次第に酸性化して
いくのが観察された。試料4のpHは新しい試薬瓶につ
いてのものである。試料5のpHは4日間放置後の試薬
のpHである。試料6のpHは6日間放置後の試薬のp
Hである。
Claims (12)
- 【請求項1】 ポリカーボネートの製造方法であって、 a)ジフェノールと炭酸ジアリールとを含む混合物を1
以上の段階で加熱し、かつ b)同一段階又は異なる段階で上記a)の混合物に1)
触媒有効量の1種類以上のイオウのオキソ酸のアルカリ
金属塩及び2)TMAH、TBPH及びこれらの混合物
からなる群から選択される有効量の塩基を導入すること
を含んでなり、上記オキソイオウ酸のアルカリ金属塩
が、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜
硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナ
トリウム又はこれらの混合物からなる群から選択され
る、方法。 - 【請求項2】 前記ジフェノールがビスフェノールAで
ある、請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記オキソイオウ酸がメタ重亜硫酸ナト
リウムである、請求項1又は請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 前記イオウのオキソ酸が重亜硫酸ナトリ
ウムである、請求項1又は請求項2記載の方法。 - 【請求項5】 触媒有効量のTMAH、TBPH又はこ
れらの混合物が段階a)で存在する、請求項1乃至請求
項4のいずれか1項記載の方法。 - 【請求項6】 ポリカーボネートのフリース含有量を低
減する方法であって、 a)ジフェノールと炭酸ジアリールとを含む混合物を1
以上の段階で加熱し、かつ b)同一段階又は異なる段階で上記a)の混合物に1)
触媒有効量の1種類以上のイオウのオキソ酸のアルカリ
金属塩及び2)TMAH、TBPH及びこれらの混合物
からなる群から選択される有効量の塩基を導入すること
を含んでなり、上記オキソイオウ酸のアルカリ金属塩
が、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜
硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナ
トリウム又はこれらの混合物からなる群から選択され
る、方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の方法で製造したポリカー
ボネート。 - 【請求項8】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項記
載の方法で製造したポリカーボネート。 - 【請求項9】 前記ジフェノールがビスフェノールであ
る、請求項6記載の方法。 - 【請求項10】 前記ポリカーボネートのフリース含有
量が1000ppm未満である、請求項6記載の方法。 - 【請求項11】 前記ポリカーボネートのフリース含有
量が500ppm未満である、請求項6記載の方法。 - 【請求項12】 ポリカーボネートの製造方法であっ
て、 a)BPAと炭酸ジフェニルとを含む混合物を1以上の
段階で加熱し、かつ b)同一段階又は異なる段階で上記a)の混合物に触媒
有効量のメタ重亜硫酸ナトリウムを導入することを含ん
でなる方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US09/411,274 US6184334B1 (en) | 1999-10-04 | 1999-10-04 | Alkali metal salts of oxoacids of sulfur as polymerization catalysts |
US09/411,274 | 1999-10-04 | ||
PCT/US2000/024740 WO2001025310A1 (en) | 1999-10-04 | 2000-09-11 | Alkali metal salts of oxoacids of sulfur as catalysts for the preparation of polycarbonates |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003511499A JP2003511499A (ja) | 2003-03-25 |
JP3472287B2 true JP3472287B2 (ja) | 2003-12-02 |
Family
ID=23628280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001528473A Expired - Fee Related JP3472287B2 (ja) | 1999-10-04 | 2000-09-11 | ポリカーボネート合成触媒としてのイオウのオキソ酸のアルカリ金属塩 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6184334B1 (ja) |
EP (1) | EP1222223A1 (ja) |
JP (1) | JP3472287B2 (ja) |
CN (1) | CN1231518C (ja) |
AU (1) | AU7362500A (ja) |
BR (1) | BR0014499A (ja) |
WO (1) | WO2001025310A1 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6252013B1 (en) | 2000-01-18 | 2001-06-26 | General Electric Company | Method for making siloxane copolycarbonates |
US6809817B2 (en) | 2001-08-24 | 2004-10-26 | General Electric Company | Method and apparatus for in situ determination of molten polycarbonate composition using electronic absorption spectroscopy |
US6683689B2 (en) | 2001-10-02 | 2004-01-27 | General Electric Company | Method for rapid determination of composition of polycarbonate resin |
US20030214070A1 (en) * | 2002-05-08 | 2003-11-20 | General Electric Company | Multiwall polycarbonate sheet and method for its production |
US7151189B2 (en) | 2003-06-19 | 2006-12-19 | General Electric Company | Method and apparatus for waste stream recovery |
US8343608B2 (en) | 2010-08-31 | 2013-01-01 | General Electric Company | Use of appended dyes in optical data storage media |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3214405A (en) * | 1961-07-31 | 1965-10-26 | Air Reduction | Preparation of polycarbonate resins |
JPH0753704A (ja) | 1993-08-11 | 1995-02-28 | Ube Ind Ltd | ポリカーボネートの製造方法 |
DE19504622A1 (de) * | 1995-02-13 | 1996-08-14 | Bayer Ag | Zweistufen-Verfahren zur Herstellung von thermoplastischem Polycarbonat |
DE69605167T2 (de) * | 1995-09-19 | 2000-09-14 | Teijin Ltd | Verfahren zur Herstellung von Polycarbonat |
JP2000026591A (ja) * | 1998-07-13 | 2000-01-25 | Teijin Chem Ltd | 分岐ポリカーボネートの製造方法 |
WO2000037531A1 (en) * | 1998-12-18 | 2000-06-29 | General Electric Company | Method for the preparation of bisphenol-a polycarbonate with reduced levels of fries |
-
1999
- 1999-10-04 US US09/411,274 patent/US6184334B1/en not_active Expired - Lifetime
-
2000
- 2000-09-11 JP JP2001528473A patent/JP3472287B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2000-09-11 WO PCT/US2000/024740 patent/WO2001025310A1/en active Application Filing
- 2000-09-11 EP EP00961709A patent/EP1222223A1/en not_active Ceased
- 2000-09-11 AU AU73625/00A patent/AU7362500A/en not_active Abandoned
- 2000-09-11 BR BR0014499-1A patent/BR0014499A/pt not_active IP Right Cessation
- 2000-09-11 CN CN00816378.2A patent/CN1231518C/zh not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
BR0014499A (pt) | 2002-06-11 |
AU7362500A (en) | 2001-05-10 |
WO2001025310A1 (en) | 2001-04-12 |
CN1231518C (zh) | 2005-12-14 |
US6184334B1 (en) | 2001-02-06 |
EP1222223A1 (en) | 2002-07-17 |
WO2001025310A8 (en) | 2003-02-20 |
JP2003511499A (ja) | 2003-03-25 |
CN1402748A (zh) | 2003-03-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3491000B2 (ja) | 高分子量ポリカーボネートの製造方法 | |
JP3436755B2 (ja) | ポリカーボネート重合触媒としてのキレート化剤の塩 | |
US6184335B1 (en) | Salts of aryl sulfonic acids as polymerization catalysts | |
JP3472287B2 (ja) | ポリカーボネート合成触媒としてのイオウのオキソ酸のアルカリ金属塩 | |
US6316578B1 (en) | Salts of non-volatile acids as polymerization catalysts | |
EP1301555B1 (en) | Mixed dialkali metal salts of sulfuric acid containing at least one cesium equivalent as polymerization catalysts | |
JP2003531926A (ja) | 加水分解安定性に優れたポリカーボネート | |
WO2001032741A1 (en) | Robust process for the synthesis of polyestercarbonates | |
JP4146236B2 (ja) | 粗製二価フェノール中の残留酸種の中和法 | |
US6583258B1 (en) | Salts of organic phosphates as catalysts for melt polycarbonate | |
JP3508488B2 (ja) | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 | |
US6610814B2 (en) | Compounds of antimony and germanium as catalysts for melt polycarbonate | |
US6608164B2 (en) | Salts of heterocyclic diols as catalysts for melt polycarbonate | |
US6569986B1 (en) | Salts of organic polyacids as polymerization catalysts | |
JP3341457B2 (ja) | 芳香族ポリカーボネートの製造方法 | |
US6639043B1 (en) | Azonaphthalene sulfonates as polymerization catalysts |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20030812 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080912 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080912 Year of fee payment: 5 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080912 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |