JPH06239153A - 差動制限式デフ装置 - Google Patents

差動制限式デフ装置

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JPH06239153A
JPH06239153A JP5490793A JP5490793A JPH06239153A JP H06239153 A JPH06239153 A JP H06239153A JP 5490793 A JP5490793 A JP 5490793A JP 5490793 A JP5490793 A JP 5490793A JP H06239153 A JPH06239153 A JP H06239153A
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JP
Japan
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differential
passage
gear
pump
case
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Application number
JP5490793A
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English (en)
Inventor
Koji Sakai
浩二 坂井
Masashi Maeda
正志 前田
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Motor Power Transmission Devices (AREA)
  • Retarders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 左右デフサイドギヤの回転差が大きくなるこ
とを抑制するための調整、つまり、差動の制限の調整
が、容易にできるようにする。 【構成】 左右デフサイドギヤ22,27の回転差に応
じて回転駆動する油圧ポンプ31を設ける。上記油圧ポ
ンプ31における2つの圧油用出入口のうち一方の出入
口38を同上他方の出入口39に連通させる油通路40
を設ける。この油通路40を流れる圧油の量を絞る絞り
弁50を、上記油通路40に対し着脱自在に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、自動車の左
右両車輪間に介設されるデフ(ディファレンシャル)装
置に関し、より詳しくは、上記両車輪の回転差が差動作
用によって大きくなろうとするとき、これを抑制し、つ
まり、差動を制限するようにした差動制限式デフ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】デフ装置は、特に、自動車に多用される
もので、左右後輪など両車輪間に介設され、これら両車
輪は上記デフ装置の左右出力部である左右デフサイドギ
ヤに連結されている。
【0003】そして、上記デフ装置は、エンジン側から
駆動力を入力して、上記左右デフサイドギヤを介し、両
車輪に互いに等しい駆動トルクを出力するよう働く。
【0004】ところで、自動車の走行中に、上記両車輪
のうちの一方の車輪だけが雪や泥の上を転動して空転す
るときには、この車輪を駆動させるための駆動トルクが
急減するため、上記デフ装置が、差動作用として、両車
輪に互いに等しい駆動トルクを与えるべく、上記した一
方の車輪の回転数を上昇させる一方、他方の車輪の回転
数を低下させるよう働く。
【0005】しかし、この場合には、上記したように他
方の車輪の回転数が低下するために、自動車の走行駆動
力が急減することとなるため、自動車の円滑な走行が阻
害されるおそれが生じる。
【0006】そこで、上記のような場合には、差動を制
限して、上記した他方の車輪による自動車の走行駆動力
が急減しないようにすることが従来より提案されている
(特公昭49‐7657号公報)。
【0007】これによれば、上記左右車輪を連結させて
いる左右デフサイドギヤの回転差に応じて回転駆動する
歯車式の油圧ポンプが設けられている。そして、この油
圧ポンプから吐出される圧油が、ポンプケースの内面
と、ポンプギヤの外周面との間の隙間を通過する際の圧
油の流動抵抗で、油圧ポンプの回転が抑制されるように
なっている。そして、これにより、上記左右デフサイド
ギヤの回転差が大きくなろうとすることが抑制され、つ
まり、差動が制限されるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成では、油圧ポンプのポンプケースの内面と歯車の外周
面との間の隙間は固定的に設定されているため、上記し
た差動の制限の程度を調整しようとすれば、ケースや歯
車を別形状のものに交換する必要がある。しかし、この
ような調整は極めて煩雑である。
【0009】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、左右デフサイドギヤの回転差が大き
くなることを抑制するための調整、つまり、差動の制限
の調整が、容易にできるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の特徴とするところは、左右デフサイドギヤ
の回転差に応じて回転駆動する油圧ポンプを設けた差動
制限式デフ装置において、上記油圧ポンプにおける2つ
の圧油用出入口のうち一方の出入口を同上他方の出入口
に連通させる油通路を設け、この油通路を流れる圧油の
量を絞る絞り弁を上記油通路に対し着脱自在に設けた点
にある。
【0011】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0012】左右デフサイドギヤ22,27の回転差に
応じて回転駆動する油圧ポンプ31を設けた場合、上記
油圧ポンプ31における2つの圧油用出入口のうち一方
の出入口38を同上他方の出入口39に連通させる油通
路40を設け、この油通路40を流れる圧油の量を絞る
絞り弁50を上記油通路40に対し着脱自在に設けてあ
る。
【0013】このため、左右デフサイドギヤ22,27
の回転差が大きくなると、その分、油圧ポンプ31が高
速で回転駆動して、これから吐出された圧油が上記油通
路40を通って上記油圧ポンプ31に循環する。この
際、上記圧油は絞り弁50を流れるため、このときの流
動抵抗で、油圧ポンプ31の回転が抑制され、これによ
り、上記左右デフサイドギヤ22,27の回転差が大き
くなろうとすることが抑制される。
【0014】よって、自動車にあっては、上記デフサイ
ドギヤ22,27に連結させられた左右両車輪のうちの
一方の車輪だけが雪や泥の上を転動するときでも、この
一方の車輪だけが高速で空転し、これに伴い、他方の車
輪の回転が急減するということは防止される。
【0015】上記の場合、絞り弁50は油通路40に対
し着脱自在であるため、この絞り弁50をこれとは異な
る絞り面積の他の絞り弁50に交換することが容易にで
きる。
【0016】よって、上記絞り弁50を通過する圧油の
流動抵抗は容易に選択できる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0018】(実施例1)図1から図7は、実施例1を
示している。
【0019】図2と図3において、符号1は自動車に搭
載されるデフ装置で、左右後車輪間に設けられている。
また、図中矢印Frは自動車の前方を示している。な
お、下記する左右とは、上記前方に向っての方向をいう
ものとする。
【0020】上記デフ装置1はデフキャリア2を有して
いる。このデフキャリア2の前部には駆動ギヤ3が前後
一対の軸受4,5によりその軸心回りに回動自在に支承
されている。自動車を前進させるとき、上記駆動ギヤ3
は推進軸7を介しエンジンにより、図2中矢印Aの方向
に回転駆動させられる。
【0021】上記デフキャリア2の後部には、デフケー
ス9が左右一対の軸受10,11により左右に延びる軸
心12回りに回転自在に支承されている。上記デフケー
ス9にリングギヤ13が取り付けられ、このリングギヤ
13は上記駆動ギヤ3に噛合し、この駆動ギヤ3から動
力を受けてデフケース9を回転させる。
【0022】上記デフケース9は左から右に向って順次
設けられる左側ケース15、左中間ケース16、右中間
ケース17、および右側ケース18を有し、これらケー
スはボルト19によって分解可能に固着されている。
【0023】図1から図6において、上記左側ケース1
5に、上記軸心12上でデフサイド軸21が回転自在に
支承されている。このデフサイド軸21にスパーギヤで
あるデフサイドギヤ22が取り付けられ、このデフサイ
ドギヤ22は上記左側ケース15と左中間ケース16の
間に設けられている。また、上記デフサイドギヤ22は
皿ばね23によって左側ケース15に弾性的に押し付け
られている。上記デフサイドギヤ22には4つの従動ギ
ヤ24が噛合し、これら従動ギヤ24は、上記軸心12
の周方向に等間隔に配置されて、それぞれの軸心回りに
回転自在とされている。
【0024】上記右側ケース18には、上記したように
左側ケース15に設けたデフサイド軸21、デフサイド
ギヤ22、皿ばね23、および従動ギヤ24と同じ構成
のデフサイド軸26、デフサイドギヤ27、皿ばね2
8、および従動ギヤ29が設けられている。
【0025】上記左右デフサイドギヤ22,27の回転
差に応じて回転駆動する4つの油圧ポンプ31が設けら
れている。これら各油圧ポンプ31は、上記軸心12の
周方向に等間隔に設けられ、互いに同形同大をなしてい
る。
【0026】上記各油圧ポンプ31は、左中間ケース1
6と右中間ケース17とにより形成され油を内有するポ
ンプケース32と、このポンプケース32内に設けられ
互いに噛合する第1、第2ポンプギヤ33,34とを備
えている。これら各ギヤ33,34は互いに同形同大
で、それぞれその軸心回りに回転自在とされている。上
記第1ポンプギヤ33はギヤ軸35により上記従動ギヤ
24に連結され、一方、第2ポンプギヤ34はギヤ軸3
6により上記従動ギヤ29に連結されている。また、上
記ポンプケース32内は、その他部とオイルシールとO
リング37,37によって区画されている。
【0027】上記油圧ポンプ31は2つの圧油用出入口
38,39を有し、そのうち一方の出入口38を他方の
出入口39に連通させる油通路40が設けられている。
この油通路40は、前記軸心12周りで右中間ケース1
7に形成される内環状通路41と外環状通路42とを有
している。また、同上油通路40は、上記一方の出入口
38から同上軸心12の径方向外方に延びて上記外環状
通路42に連なる第1通路44と、同上軸心12の径方
向に延びて上記内環状通路41と外環状通路42とを互
いに連通させる第2通路45と、上記他方の出入口39
から同上軸心12の径方向内方に延びて上記内環状通路
41に連なる第3通路46とを有している。また、上記
第1通路44と第2通路45をそれぞれ右側ケース18
の径方向外方に開放させる第4通路47が同上右側ケー
ス18に形成され、上記各第4通路47をそれぞれ開閉
自在に閉じるプラグ48が設けられている。
【0028】上記外環状通路42に対する第1通路4
4、第2通路45の各連結部に対し、それぞれ第4通路
47を通し着脱自在に絞り弁50が嵌入されている。こ
の絞り弁50は上記第1通路44に対し軸心12の径方
向に摺動自在に嵌入される円柱状の弁本体51と、この
弁本体51に形成される絞り通路52とで構成されてい
る。
【0029】上記各絞り弁50をそれぞれ径方向内方に
弾性的に付勢する皿ばねたる弾性体53が上記第1通路
44と第2通路45内に設けられている。この弾性体5
3も、上記第4通路47を通しそれぞれ第1通路44と
第2通路45に対し嵌脱自在とされている。
【0030】図3において、上記軸心12上で右中間ケ
ース17にはアキュムレータ55が設けられている。こ
のアキュムレータ55は上記右中間ケース17に形成さ
れる貫通孔56と、この貫通孔56内を左右室に仕切る
ピストン57と、このピストン57を左側方に弾性的に
付勢するばね58とで構成されている。上記ピストン5
7で仕切られた貫通孔56の左室は前記ポンプケース3
2内に連通し、同上ピストン57で仕切られた貫通孔5
6の右室は右側のデフサイド軸26の軸心12上に形成
された貫通孔を通してデフ装置1の外部に連通してい
る。
【0031】そして、上記アキュムレータ55は、ポン
プケース32内の圧油が温度等により増減するとき、そ
の増減の変化量を吸収する。
【0032】図2において、前記した左側のデフサイド
軸21には車軸60により左車輪が連結され、右側のデ
フサイド軸26には車軸61により右車輪が連結されて
いる。
【0033】エンジンが駆動して、駆動ギヤ3からリン
グギヤ13に動力が与えられると、デフケース9が軸心
12回りに回転する(各図中矢印B)。これに伴って、
互いに噛合している第1ポンプギヤ33と第2ポンプギ
ヤ34とが同上軸心12回りに公転する。また、これら
第1ポンプギヤ33と第2ポンプギヤ34の公転に伴っ
て、従動ギヤ24,29が同上軸心12回りに公転し、
更に、これら従動ギヤ24,29に噛合しているデフサ
イドギヤ22,27が同上軸心12回りに回転する。そ
して、デフサイド軸21,26を介して左右車輪が回転
駆動させられ(図2、図3中矢印C,D)、自動車が前
進走行させられる。
【0034】上記自動車が直進し、かつ、左右車輪が路
面から受ける負荷が互いにほぼ同じであるときは、互い
に噛合している上記第1ポンプギヤ33と第2ポンプギ
ヤ34とは相対的に回転しないままで、これら両ギヤ3
3,34は軸心12回りに公転する。このため、左側の
デフサイドギヤ22の回転(図2、図3中矢印C)と、
右側のデフサイドギヤ27の回転(図2、図3中矢印
D)の各回転数は互いにほぼ同じであり、かつ、これら
にほぼ等しい駆動トルクが与えられる。
【0035】また、この場合には、上記したように油圧
ポンプ31は回転駆動しないため、この油圧ポンプ31
から圧油が吐出されたり、吸入されたりすることはな
い。
【0036】一方、上記走行中に、左(もしくは右)車
輪だけが雪や泥の上を転動したり、もしくは、自動車を
右(左)旋回させたときには、上記左(右)車輪の駆動
トルクが右(左)車輪に比べて減少しようとする。する
と、デフサイド軸21,26に加わる負荷が相違し、そ
のため、互いに噛合している第1ポンプギヤ33と第2
ポンプギヤ34は、特に、図1と図6中矢印E,Fで示
すように(矢印E,Fとは逆の方向に)回転する。
【0037】すると、これにより、左(右)側のデフサ
イドギヤ22(デフサイドギヤ27)の回転(図中矢印
C(D))の方が、右(左)側のデフサイドギヤ27
(デフサイドギヤ22)の回転(図中矢印D(C))よ
りも速く回転して、両車輪に互いに等しい駆動トルクを
与えようとする。
【0038】ところで、上記したように左(右)車輪の
駆動トルクが減少しようとする場合には、左(右)側の
デフサイドギヤ22(デフサイドギヤ27)の回転が速
くなって、上記デフサイドギヤ22,27の回転差が大
きくなる。すると、その分、第1ポンプギヤ33と第2
ポンプギヤ34の相対的な回転差が大きくなり、つま
り、油圧ポンプ31が高速で回転して、圧油を一方の出
入口38(他方の出入口39)から吐出する一方、他方
の出入口39(一方の出入口38)から吸入する。
【0039】このため、圧油は図1中矢印Gで示すよう
に(Gとは反対方向に)油通路40を流れる。つまり、
一方の出入口38→第1通路44→絞り通路52→外環
状通路42→絞り通路52→第2通路45→内環状通路
41→第3通路46→他方の出入口39の順序(反対の
順序)で流れることとなる。
【0040】そして、上記したように圧油が上記各絞り
通路52を流れるとき、その流動抵抗で、上記第1ポン
プギヤ33と第2ポンプギヤ34の相対的な回転が抑制
され、つまり、油圧ポンプ31の回転が抑制される。こ
れにより、左右車輪に与えられる駆動トルクが互いに等
しくなることは抑制されるが、上記左右デフサイドギヤ
22,27の回転差が大きくなることも抑制される。
【0041】よって、上記デフサイドギヤ22,27に
連結された左右車輪のうちの左(右)車輪だけが雪や泥
の上を転動したり、また、右(左)旋回するときでも、
この左(右)車輪だけが空転して、右(左)車輪の回転
が急減するということは防止される。
【0042】上記の場合、絞り弁50は油通路40に対
し着脱自在であるため、この絞り弁50をこれとは異な
る絞り面積の他の絞り弁50に交換することが容易にで
きる。
【0043】よって、上記絞り弁50を通過する圧油の
流動抵抗は容易に選択できることから、左右デフサイド
ギヤ22,27の回転差が大きくなることを抑制するた
めの調整、つまり、差動の制限の調整が、容易にできる
こととなる。
【0044】図1、図6、および図8において、自動車
の低速走行時であって、デフケース9の回転(図1、図
6中矢印B)が低速のときには、弾性体53は絞り弁5
0の遠心力に抗し、第1通路44内で、上記絞り弁50
を径方向内方側に向けて押動している。この際、絞り通
路52は外環状通路42に向って大きく開かれていて、
絞り弁50の絞り量は小さい。このため、上記絞り通路
52を通る圧油の流動抵抗は小さく抑えられる。
【0045】よって、上記油圧ポンプ31は圧油からの
反力をあまり受けずに軽く回転することから、その分、
左右デフサイドギヤ22,27の回転差(図8中△N)
が大きくなることが許容される。
【0046】即ち、自動車の低速走行時には、左右デフ
サイドギヤ22,27にほぼ等しい駆動トルクが与えら
れ、換言すれば、左右デフサイドギヤ22,27に与え
られる駆動トルクの差(図8中△T)が小さくなり、デ
フ装置1が十分の差動作用を発揮する。
【0047】図7と図8において、自動車の高速走行時
であって、デフケース9の回転(図7中矢印B)が高速
であると、絞り弁50の遠心力が大きくなって、この絞
り弁50は弾性体53を圧縮させながら、この弾性力に
抗し第1通路44内を径方向外方に移動する。
【0048】すると、絞り通路52の一部が外環状通路
42の周壁で閉じられて、絞り弁50の絞り量が大きく
なり、絞り通路52を通る圧油の流動抵抗が大きくな
る。
【0049】よって、上記油圧ポンプ31は圧油からの
反力を大きく受けて、この油圧ポンプ31の回転は、よ
り大きく抑制され、その分、左右デフサイドギヤ22,
27の回転差(図8中△N)が大きくなることが、より
大きく抑制される。
【0050】即ち、自動車の高速走行時には、デフ装置
1の差動作用が抑制されて、左右デフサイドギヤ22,
27に与えられる駆動トルクの差(図8中△T)が大き
くなり、滑り易い路面では、左右車輪のうち抵抗値の大
きい方で走行駆動力が十分に得られ、燃比が向上する。
【0051】なお、以上は図示の例によるが、デフ装置
1は左右前車輪間に設けてもよく、また、デフ装置1は
前、後輪駆動車のセンタデフに適用してもよい。更に、
デフサイドギヤ22,27と、従動ギヤ24,29とは
はすば歯車にしてもよく、このようにすると、これらの
噛合で、各ギヤにスラスト力が与えられ、このため各ギ
ヤと、左側ケース15もしくは左中間ケース16の側面
とが摩擦接合することとなり、これによっても、左右デ
フサイドギヤ22,27の回転差が大きくなることが抑
制され、差動の制限ができることとなる。更に、上記構
成では、絞り弁50の遠心力が大きくなるに従い、この
絞り弁50の絞り量を大きくさせるようにしたが、デフ
ケース9の回転がある値を越えたときには、上記絞り量
を小さくさせるようにしてもよい。
【0052】以下の各図は、実施例2〜4を示してい
る。なお、これら各実施例と上記実施例とが共通する構
成や作用については、図面に共通の符号を付して重複し
た説明を省略し、異なるものにつき説明する。
【0053】(実施例2)図9は、実施例2を示してい
る。
【0054】これによれば、絞り弁50において絞り通
路52の他に副絞り弁63が形成されている。
【0055】デフケース9の回転(図中矢印B)が低速
のときには、副絞り弁63は閉じられている。
【0056】デフケース9が高速回転するときには、絞
り弁50はその遠心力で弾性体53を圧縮させながら第
1通路44内を径方向外方に移動する。すると、絞り通
路52の一部が外環状通路42の周壁で閉じられて、こ
の絞り通路52の絞り面積が小さくされ、一方、副絞り
弁63が外環状通路42に向って開かれ、上記した絞り
通路52の絞り面積が小さくなることが抑制される。
【0057】(実施例3)図10から図14は、実施例
3を示している。
【0058】これによれば、軸心12周りで相隣る油圧
ポンプ31,31のうち一方の油圧ポンプ31の第1ポ
ンプギヤ33と、他方の油圧ポンプ31の第2ポンプギ
ヤ34とが互いに噛合し、これら第1ポンプギヤ33と
第2ポンプギヤ34の噛合部に向けて外環状通路42か
ら第5通路65が延び、同上第1ポンプギヤ33と第2
ポンプギヤ34の噛合部から内環状通路41に向けて第
6通路66が延びている。
【0059】上記第3通路46と第6通路66にそれぞ
れ絞り弁50が設けられている。この絞り弁50は内環
状通路41の内面に弾性的に圧入される環状ブラケット
67と、この環状ブラケット67から一体的に突設され
る弾性のアーム68とを有している。このアーム68の
回動端には円錐形の弁体69が形成されていて、この弁
体69には径の細い貫通孔71が形成されている。
【0060】一方、上記第3通路46と第6通路66に
はそれぞれ板金製で円筒形のリテーナ72が圧入され、
このリテーナ72内にそれぞればね73が嵌入されてい
る。上記弁体69はその弾性力で上記リテーナ72内に
嵌入して、このリテーナ72を閉じており、この際、上
記ばね73によって付勢されたボール74が上記貫通孔
71を閉じている。
【0061】自動車の走行中、各第1ポンプギヤ33と
第2ポンプギヤ34が図11中矢印E,Fのように回転
するときには、油圧ポンプ31の一方の出入口38から
吐出された圧油は、図11中矢印Gで示すように、第1
通路44→外環状通路42→第5通路65→第1ポンプ
ギヤ33、および第2ポンプギヤ34の各歯溝→一方の
出入口38の順序で環流することとなる。
【0062】一方、油圧ポンプ31の他方の出入口39
に吸入される圧油は、図11中矢印Hで示すように、第
1ポンプギヤ33および第2ポンプギヤ34の各歯溝→
第6通路66内の絞り弁50→内環状通路41→第3通
路46内の絞り弁50→他方の出入口39の順序で環流
することとなる。
【0063】図13において、上記したように圧油が第
6通路66内の絞り弁50から内環状通路41に向って
流れるとき、この圧油は、アーム68の弾性力でリテー
ナ72を閉じようとする弁体69を同上リテーナ72か
ら押し離す。そして、このときの圧油の流動抵抗で、油
圧ポンプ31の回転が抑制される。
【0064】また、図14において、前記したように圧
油が内環状通路41から第3通路46内の絞り弁50に
向って流れるとき、この圧油は、ばね73に抗して貫通
孔71からボール74を押し離す。これによって、圧油
がポンプケース32に供給される。
【0065】図11と図13において、デフケース9の
回転(図11中矢印B)が高速であると、絞り弁50に
おけるアーム68の遠心力が大きくなって、弁体69は
より大きい力でリテーナ72を閉じようとする。
【0066】このため、第6通路66内の絞り弁50か
ら内環状通路41に向って流れようとする圧油が、リテ
ーナ72から弁体69を押し離そうとするときの流動抵
抗が大きくなり、油圧ポンプ31の回転は、より大きく
抑制される。
【0067】その他、アキュムレータ55は左中間ケー
ス16に形成されている。
【0068】(実施例4)図15から図17は、実施例
4を示している。
【0069】これによれば、デフケース9の左中間ケー
ス16と右中間ケース17は一体化されて、中間ケース
76とされている。
【0070】左右デフサイドギヤ22,27はいずれも
ベベルギヤで、これらデフサイドギヤ22,27にはデ
フピニオン77が噛合しており、このデフピニオン77
はデフケース9に支持されたピニオン軸78に支承され
ている。
【0071】油圧ポンプ31は、軸心12上で左側ケー
ス15に形成される円環状のインナーポンプ室80を有
している。このインナーポンプ室80にインナーポンプ
ギヤ81が上記軸心12回りに回転自在に嵌入され、こ
のインナーポンプギヤ81は左側のデフサイドギヤ22
にスプライン嵌合している。そして、更に、このデフサ
イドギヤ22がデフサイド軸21にスプライン嵌合して
いる。
【0072】また、同上軸心12に少し偏心して、左側
ケース15に円環状のアウターポンプ室82が形成さ
れ、このアウターポンプ室82にアウターポンプギヤ8
3がその軸心回りに回転自在に嵌入されている。そし
て、上記インナーポンプギヤ81とアウターポンプギヤ
83とは、それぞれの周方向の一部で噛合している。
【0073】上記インナーポンプギヤ81とアウターポ
ンプギヤ83とが噛合している部分に沿って左側ケース
15に円弧状の第7通路85が形成されている。また、
上記インナーポンプギヤ81とアウターポンプギヤ83
とが噛合している部分において、上記軸心12周りの一
端側に対応して同上左側ケース15に一方の出入口38
が形成され、他端側に対応して同上左側ケース15に他
方の出入口39が形成されている。
【0074】上記一方の出入口38と同上第7通路85
とを連通させる第8通路86と、上記他方の出入口39
と同上第7通路85とを連通させる第9通路87とが形
成されている。上記第7通路85に対する第8通路86
の連結部と、同上第7通路85に対する第9通路87の
連結部とにそれぞれプラグ48、絞り弁50、および弾
性体53が設けられている。
【0075】自動車の走行中、この自動車が右旋回した
ような場合には、インナーポンプギヤ81とアウターポ
ンプギヤ83とは、左側ケース15に対して、図16中
矢印E,Fで示すように相対回転する。
【0076】すると、インナーポンプギヤ81とアウタ
ーポンプギヤ83とが噛合し始める直前で、これら両者
間から圧油が上記一方の出入口38に吐出され、この圧
油は、図中矢印Gで示すように、第8通路86→絞り弁
50→第7通路85→絞り弁50→第9通路87→他方
の出入口39→インナーポンプギヤ81およびアウター
ポンプギヤ83の各歯溝→一方の出入口38の順序で環
流することとなる。
【0077】そして、上記したように圧油が絞り弁50
を流れるとき、その流動抵抗で、上記インナーポンプギ
ヤ81とアウターポンプギヤ83の相対的な回転が抑制
され、つまり、油圧ポンプ31の回転が抑制される。
【0078】
【発明の効果】この発明によれば、左右デフサイドギヤ
の回転差に応じて回転駆動する油圧ポンプを設けた場
合、上記油圧ポンプにおける2つの圧油用出入口のうち
一方の出入口を同上他方の出入口に連通させる油通路を
設け、この油通路を流れる圧油の量を絞る絞り弁を上記
油通路に対し着脱自在に設けてある。
【0079】このため、左右デフサイドギヤの回転差が
大きくなると、その分、油圧ポンプが高速で回転駆動し
て、これから吐出された圧油が上記油通路を通って上記
油圧ポンプに循環する。この際、上記圧油は絞り弁を流
れることから、このときの流動抵抗で、油圧ポンプの回
転が抑制され、これにより、上記左右デフサイドギヤの
回転差が大きくなろうとすることが抑制される。
【0080】よって、自動車にあっては、上記デフサイ
ドギヤに連結させられた左右両車輪のうちの一方の車輪
だけが雪や泥の上を転動するときでも、この一方の車輪
だけが高速で空転し、これに伴い、他方の車輪の回転が
急減するということは防止される。このため、この他方
の車輪の回転による駆動力が確保されて、円滑な走行が
確保される。
【0081】上記の場合、絞り弁は油通路に対し着脱自
在であるため、この絞り弁をこれとは異なる絞り面積の
他の絞り弁に交換することが容易にできる。
【0082】よって、上記絞り弁を通過する圧油の流動
抵抗は容易に選択できることから、左右デフサイドギヤ
の回転差が大きくなることを抑制するための調整、つま
り、差動の制限の調整が、容易にできることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で、図6の部分拡大図である。
【図2】実施例1で、全体平面断面図である。
【図3】実施例1で、図2の部分拡大図である。
【図4】実施例1で、図3の4‐4線矢視断面図であ
る。
【図5】実施例1で、図3の5‐5線矢視断面図であ
る。
【図6】実施例1で、図3の6‐6線矢視断面図であ
る。
【図7】実施例1で、図1の一部に相当する作用説明図
である。
【図8】実施例1で、グラフ図である。
【図9】実施例2で、図1の一部に相当する図である。
【図10】実施例3で、図3に相当する図である。
【図11】実施例3で、図10の11‐11線矢視断面
図である。
【図12】実施例3で、図10の部分拡大図である。
【図13】実施例3で、図12に相当する作用説明図で
ある。
【図14】実施例3で、図12に相当する作用説明図で
ある。
【図15】実施例4で、図3に相当する図である。
【図16】実施例4で、図15の16‐16線矢視断面
図である。
【図17】実施例4で、図15の17‐17線矢視断面
図である。
【符号の説明】
1 デフ装置 9 デフケース 12 軸心 22 デフサイドギヤ 27 デフサイドギヤ 31 油圧ポンプ 33 第1ポンプギヤ 34 第2ポンプギヤ 38 一方の出入口 39 他方の出入口 40 油通路 50 絞り弁 53 弾性体 81 インナーポンプギヤ 83 アウターポンプギヤ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右デフサイドギヤの回転差に応じて回
    転駆動する油圧ポンプを設けた差動制限式デフ装置にお
    いて、 上記油圧ポンプにおける2つの圧油用出入口のうち一方
    の出入口を同上他方の出入口に連通させる油通路を設
    け、この油通路を流れる圧油の量を絞る絞り弁を上記油
    通路に対し着脱自在に設けた差動制限式デフ装置。
JP5490793A 1993-02-19 1993-02-19 差動制限式デフ装置 Pending JPH06239153A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007263353A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Univance Corp 駆動力配分制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007263353A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Univance Corp 駆動力配分制御装置

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