JPH0811494B2 - 4輪駆動車 - Google Patents

4輪駆動車

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JPH0811494B2
JPH0811494B2 JP14975787A JP14975787A JPH0811494B2 JP H0811494 B2 JPH0811494 B2 JP H0811494B2 JP 14975787 A JP14975787 A JP 14975787A JP 14975787 A JP14975787 A JP 14975787A JP H0811494 B2 JPH0811494 B2 JP H0811494B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は前輪及び後輪を同一のエンジンにて駆動する
4輪駆動車に関し、更に詳述すれば、後輪への駆動力の
伝達を油圧ポンプを用いてなる駆動連結装置により行う
4輪駆動車に関する。
〔従来技術〕
エンジンの駆動力を前輪及び後輪に伝達して走行する
4輪駆動車は、エンジンの駆動力を、無駄なく確実に路
面に伝えることができるため、雪道等の摩擦係数の低い
路面又は砂利道等の荒れた路面での走行性に優れている
だけでなく、通常の路面においても、2輪駆動車に比較
して、加速時及び高速走行時の安定性に優れており、路
面の状況及び天候の変化に影響されることなく快適な高
速走行を実現するものとして近年特に脚光を浴びるよう
になってきた。
このような4輪駆動車は、前輪駆動軸と後輪駆動軸と
を、例えばドッグクラッチを用いてリジットに結合した
構成のものと、前記両駆動軸を差動歯車若しくはビスカ
スカップリングを用いてなる駆動連結装置、又は特開昭
60−104426号に開示されているような油圧ポンプを用い
てなる駆動連結装置を介して結合した構成のものとに大
別される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら前述の4輪駆動車には、互いに相反する
難点がある。
即ち、前者の構成においては、旋回走行時における前
輪と後輪との旋回半径の相違により、前輪の回転数と後
輪の回転数との間に差異を生じた場合、前記両駆動軸間
に生じる回転速度差を吸収できず、旋回円の内側の後輪
がすべりを生じた状態で引き摺られる現象、所謂タイト
コーナブレーキング現象を生じ、操舵感覚の悪化を招来
するだけでなく、前輪と後輪との間のプロペラシャフト
に捩りを生じたり、タイヤの異常磨耗を招来する虞があ
る。従ってこのような構成の4輪駆動車は、通常の走行
時には前記ドッグクラッチを遮断して2輪駆動にて走行
し、雪道等の摩擦係数の低い路面又は砂利道等の悪路で
の直進走行時にのみドッグクラッチを係合せしめて4輪
駆動とする。所謂パートタイム4輪駆動車としての用途
に限られており、2輪駆動と4輪駆動との切換操作が煩
わしいという難点があると共に、切換えミスにより思わ
ぬ事故を招来する虞さえあった。
一方、後者の構成においては、前述の回転速度差が前
記駆動連結装置により吸収可能であるため前述のタイト
コーナブレーキング現象の発生の虞はなく、常時4輪駆
動にて走行可能であるが、前輪駆動軸と後輪駆動軸との
間にリジッドな結合状態が得られず、前輪及び後輪夫々
の接地圧に応じてエンジンの駆動力が適切に配分されな
いため、前者の構成に比較して直進走行時の安定性に劣
るという難点がある。
この難点を解決するための一手段として、前輪と後輪
とをリジッドに連結すると共に、前輪と後輪とを各別に
操舵する4輪操舵装置を備えた4輪駆動車があるが、こ
れは4輪駆動用の駆動系と、4輪操舵用の操舵系とを各
別に備える必要があるため、システムの複雑化及び構成
部品数の増加による車体重量の増加及び製造コストの増
大を招来するという難点がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、通
常の直進走行時には前輪と後輪とが可及的にリジッドに
結合され、夫々にエンジンの駆動力が適切に配分されて
伝達されると共に、旋回走行時にはタイトコーナブレー
キング現象の発生が確実に防止でき、快適な操舵感覚が
得られる4輪駆動車を、前述の4輪操舵装置を設けるこ
となく提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕 本発明に係る4輪駆動車は、エンジンの駆動力を前輪
駆動軸及び後輪駆動軸を夫々介して、前輪及び後輪に伝
達すると共に、前輪を操舵して走行する4輪駆動車にお
いて、車速検出器と、前輪の操舵角度を検出する操舵角
検出器と、前記後輪駆動軸と左右の後輪との間に夫々介
装され、両者間の回転数差に応じた油圧を発生して両者
を連結する各別の油圧ポンプと、該油圧ポンプの夫々の
吐出油路の途中に配設され、その開口比が可変である可
変絞り部と、該可変絞り部の開口比を、前記操舵角検出
器の検出結果及び/又は前記車速検出器の検出結果に応
じて各別に変更する手段とを具備することを特徴とす
る。
〔作用〕
本発明においては、直進走行時には両油圧ポンプの可
変絞り部の開口比を0又は可及的に小さく設定し、後輪
とエンジンとの間に可及的にリジッドな結合状態を得る
一方、旋回走行時には、操舵角検出器の検出結果により
操舵方向及びその大きさを認識し、この検出結果及び/
又はその時点の車速検出器の検出結果に応じて、旋回円
の内側の油圧ポンプの可変絞り部の開口比を、他側の可
変絞り部の開口比よりも大になるように変更し、旋回円
内側の後輪とエンジンとの間にルーズな結合状態を得
る。
〔実施例〕
以下本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述す
る。
第1図は本発明に係る4輪駆動車の伝動系の構成を、
操舵系の構成と共に示す模式的平面図である。図におい
て1は、エンジン,変速機等により構成された動力部で
あり、該動力部1から前方に延設された第1出力軸2
は、差動歯車装置3を介して、車体の左右に夫々延設さ
れた前輪駆動軸4,4に連結してあり、該駆動軸4,4の先端
部にはこれと同軸をなして左右の前輪5,5が夫々装着さ
れている。
このように左右の前輪5,5は、動力部1とリジッドに
結合されており、動力部1にて発生する駆動力が第1出
力軸2,差動歯車装置3及び前輪駆動軸4,4を介して各別
に伝達されて回転し、両前輪5,5間に生じる回転速度差
は、差動歯車装置3により吸収されるようになってい
る。
また図中6は操舵輪であり、該操舵輪6には、これと
同軸をなして操舵軸7が連設してある。該操舵軸7の前
下方に延長された先端部は、前記前輪5,5の操舵機構5a
中に配設された、例えばラックアンドピニオン式の運動
方向変換機構8に装着されており、操舵輪6の回動操作
に応じて操舵輪7がその軸心廻りに回動すると、この回
動は前記運動方向変換機構8により左右方向の直線運動
に変換され、この直線運動に応じた操舵機構5aの動作に
より前輪5,5が操舵されるようになっている。
一方前記動力部1から後方に向けて延設された第2出
力軸9は、一対の傘歯車10a,10bを介して車体の左右方
向に延びる後輪駆動軸11に連結してあり、該後輪駆動軸
11の左,右の端部は、各別の駆動連結装置13,13を介し
て左,右の後輪12,12に夫々連結してある。
第2図は駆動連結装置13の構造を示す一部破断縦断面
図、第3図はその油圧回路図である。
駆動連結装置13の主たる構成要素は、ベーンポンプ20
と、これに付随する油圧回路30である。ベーンポンプ20
は、短寸円筒状をなし、その円周方向に等配をなして形
成した複数の溝の夫々に、矩形平板状をなすベーン21a,
21a…を半径方向への摺動自在に挿着してなるロータ2
1、該ロータ21の外径に略等しい直径の円の周方向の等
配をなす三個所に円弧状の凹部を設け、第3図に示す如
き断面形状をなす空洞部22aをその軸心位置に形成して
あり、ロータ21と略同一の軸長方向寸法を有する偏肉環
状のカムリング22、及び該カムリング22の軸長方向両側
に夫々に配され、これを挾持するように、相互に固定ボ
ルト23,23…にて固定されたサイドプレート24,25とから
なる。
ロータ21は、サイドプレート24,25間に、カムリング2
2の空洞部22aにより形成される空間内に配されて、これ
らと共にベーンポンプ20を構成しており、その軸心位置
には主軸19の一端部がスプライン結合されている。該主
軸19は筒状をなす主軸ハウジング13aの内部に玉軸受19b
にて支承されており、その他端部は、前記主軸ハウジン
グ13aの内部において、前記後輪駆動軸11にこれと同軸
をなすように、ボルト19a,19a…にて固着されている。
而して前記ロータ21は、前記主軸19を介して後輪駆動軸
11の回動に伴って回動することになる。
また、前記サイドプレート24,25の内、前記主軸ハウ
ジング13aと反対側に位置する一方のサイドプレート24
には、前記後輪12の回動軸12aが、これと同軸をなして
ボルト14a,14aにて固着されており、他方のサイドプレ
ート25の前記ハウジング13aに面する側の側面には、円
筒形の一側に円板状をなすフランジ26aを連設してなる
支持部材26が、フランジ26aを前記固定ボルト23,23…に
て固定して装着され、該支持部材26の他側は、前記主軸
ハウジング13aにこれと軸心が一致するように、また該
軸心廻りに回動自在となるよう嵌合されている。更に該
支持部材26と前記主軸19との間には針状ころ軸受19c
が、前記サイドプレート24と主軸19との間には玉軸受19
dが夫々介装してある。従って、固定ボルト23,23…にて
一体化され、油圧ポンプ20のケーシングを構成する前記
カムリング22及びサイドプレート24,25は、支持部材26,
針状ころ軸受19c及び玉軸受19dにより、主軸19に嵌合さ
れた前記ロータ21と同軸をなした状態に保持された状態
で、前記回動軸12aの回動に伴って回動することにな
る。
さて、カムリング22の空洞部22aの内部に前述の如く
配されたロータ21の外周面と、空洞部22aにおける3個
所の前記凸部の内面との間には、これらとサイドプレー
ト24,25とにて囲繞され、第3図に示す如く、三日月形
断面をなす3つのポンプ室27,27,27が夫々形成されてお
り、各ポンプ室27には、三日月形の端部に位置して、前
記両サイドプレート24,25の双方に夫々開口する各一対
の吸込吐出口27a,27bが形成されている。第3図に示す
如く、吸込吐出口27a,27a,27aは第1油路31により、ま
た吸込吐出口27b,27b,27bは第2油路32により夫々連通
されており、第1油路31と第2油路32とは、夫々の油路
からの流入のみを許容するチェック弁31a,32aを夫々介
して、吐出油路33に連通されている。吐出油路33の途中
には、固定オリフィス34が配設してあると共に、これと
直列に可変絞り部40が配設してあり、第1油路31又は第
2油路32から吐出油路33内に流入する油は、固定オリフ
ィス34と可変絞り部40とをこの順に通過して油タンクT
に還流するようになっている。
可変絞り部40は、吐出油路33の延設方向に略直交した
状態に形成された円形断面の弁室40a内に、軸長方向へ
の移動自在に弁体40bを挿入し、該弁体40bの基部を囲繞
する態様にてソレノイド40cを配設すると共に、弁体40b
の基部とケーシング40dとの間に押しばね40eを介装して
構成されたものであり、ソレノイド40cへの通電が行わ
れていない場合には、前記押しばね40eの付勢力により
弁体40bは弁室40a内に進出し、吐出油路33が弁体40bに
より閉塞される一方、ソレノイド40cへの通電が行われ
た場合には、この通電量に応じて弁体40bが押しばね40e
の付勢力に抗して退入し、吐出油路33が開放されるよう
になっている。従って可変絞り部40においては、ソレノ
イド40cへの通電により、その開口比が0から100%の適
宜に変更可能である。
また前記第1油路31と第2油路32とは、夫々の油路へ
の流入のみを許容するチェック弁31b,32bを夫々介し
て、吸込油路35に連通されており、油タンクT内の油
は、該吸込油路35からチェック弁31b又はチェック弁32b
のいずれかを通過して、第1油路又は第2油路32に流入
するようになっている。
実際には前記油タンクTは、第2図に示す如く、サイ
ドプレート24の外周面と支持部材26の外周面とにその一
部を嵌合させ、サイドプレート24,カムリング22,サイド
プレート25及び支持部材26の外側を囲む態様にて装着さ
れた有底円筒状をなす薄肉の囲繞部材36と、前記各部と
の間に形成されている。また前記チェック弁31a,同32a
は、第2図に示す如く、サイドプレート24側に開口する
吸込吐出口27a及び同27bの夫々に装着してあり、そして
これらに連通する前記吐出油路33は、第2図中に33a〜3
3fとして示すように、主軸19,主軸ハウジング19a及び支
持部材26に効率的に形成され、その終端部を油タンクT
に連通せしめてある。そして前記可変絞り部40は、前述
の如く形成された吐出油路33に対して、前述した如き配
置となるように、主軸ハウジング13に装着してある。更
に前記チェック弁31b,32bは、サイドプレート25側に開
口する吸込吐出口27a及び同27bの夫々に装着してあり、
これに連通する吸込油路35は、支持部材26の前記フラン
ジ部26aに半径方向外向きに形成してあり、その終端部
をフランジ部26aの外周面において油タンクTに連通せ
しめてある。
以上の如く構成されたベーンポンプ20を用いてなる駆
動連結装置13の動作について説明すると、前述した如
く、ロータ21は後輪駆動軸11に伴って回動し、カムリン
グ22はサイドプレート24,25及び支持部材26と共に前記
回動軸12aの回動に伴って回動するから、後輪駆動軸11
の回転速度と後輪12の回転速度に差異が生じた場合、両
者間の回転速度差に等しい回転速度にて、ロータ21とカ
ムリング22との間に相対回転が生じる。
この相対回転の方向が第3図に白抜矢符にて示す方向
である場合、油タンクT内の油は、チェック弁31bを通
過して各別の吸込吐出口27aからベーンポンプ20の各ポ
ンプ室27,27,27内に吸込まれ、ロータ21の回転と共にそ
の圧力を高められて各別の吸込吐出口27bから吐出され
る。即ち各ポンプ室27の吸込吐出口27aが吸込口とし
て、また吸込吐出口27bが吐出口として夫々機能して各
ポンプ室27,27,27内部において油圧を発生するのであ
る。一方相対回転の方向が前記白抜矢符と逆方向である
場合には、逆に吸込吐出口27bが吐出口として、また吸
込吐出口27aが吸込口として夫々機能して同様に油圧を
発生する。そしてこのように油圧が発生すると、ロータ
21の外周面及びカムリング22の内周面には、この発生圧
力に応じた摩擦力が両者間の相対回転を抑制する方向に
作用する。この摩擦力が、ロータ21に連結された後輪駆
動軸11とカムリング22に連結された後輪12との間に結合
力を生ぜしめるのである。
このように駆動連結装置13において生じる結合力は、
ベーンポンプ20の発生圧力に依存するものであり、この
発生圧力は、ロータ21とカムリング22との間の相対回転
速度、即ち後輪駆動軸11と後輪12との間に生じる回転速
度差の大小に応じて増減すると共に、同一の回転速度差
のもとにおいては、吐出油路33の流路抵抗の大小に応じ
て増減する。従って、吐出油路33に配設した可変絞り部
40の開口比を変更することにより、後輪駆動軸11から後
輪12への駆動力の伝達特性を変更することができ、可変
絞り部40の開口比を小とするに従って後輪駆動軸11と後
輪12とはリジッドに結合される。
可変絞り部40の開口比の変更は、前述した如くソレノ
イド40cへの通電量を変更し、弁体40bを進退動作せしめ
ることにより行われる。第1図中の15は、左右の駆動連
結装置13.13における駆動力伝達特性を変更せしめるべ
く、左右夫々のソレノイド40c,40cへの通電量を制御す
る通電制御部である。該通電制御部15の入力側には、前
記操舵軸7の中途部に装着された操舵角検出器7aから、
前輪5,5の操舵角度に対応する信号が与えられていると
共に、動力部1の駆動力を前輪5,5に伝達する前記第1
出力軸2の中途部に装着された車速検出器2aから、車速
に対応する信号が与えられている。
前記操舵角検出器7aとしては、例えば操舵軸7の回動
量に対応する電位を出力するポテンシオメータ又はロー
タリエンコーダ等を用いればよく、この操舵角検出器7a
からの出力信号は通電制御部15において所定の処理を施
され、前輪5,5の操舵方向及び直進状態からの操舵角度
が認識されるようになっている。また前記車速検出器2a
としては、例えば第1出力軸2に固着した検出用ギヤの
歯を、これに対向して設けた電磁式のピックアップによ
り検知する回転数検出器、又は第1出力軸に近接させて
設けたリードスイッチのオンオフにより回転数を検出す
る回転数検出器を用いればよく、この回転数検出器から
の出力信号は、通電制御部15において所定時間計数さ
れ、この計数値から第1出力軸2の回転数が算出され、
更にこの算出値と前記差動歯車装置3における減速比及
び前輪5,5の有効直径とから車速が算出されるようにな
っている。
さて以上の如く構成された本発明に係る4輪駆動車の
動作につき、通電制御部15の動作に基づいて説明する。
通電制御部15は、前述した如く、操舵角検出器7aから
の出力信号により前輪5,5の操舵方向及び直進状態から
の操舵角度を認識しており、操舵方向の如何に拘わら
ず、前記操舵角度が予め設定された所定値よりも小であ
る場合には、現状の走行状態が直進状態であると判断
し、左右の可変絞り部40,40への出力を行わない。
従って直進走行状態が維持されている間は、ソレノイ
ド40c,40cはいずれも消磁されており、左右の可変絞り
部40,40の開口比はいずれも0に保たれているから、駆
動連結装置13のベーンポンプ20においては、後輪12と後
輪駆動軸11との間に生じる微小な回転速度差に対して高
い油圧が発生し、左右の後輪12,12はいずれも後輪駆動
軸11と可及的にリジッドに結合される。而して動力部1
にて発生された駆動力は、前輪5,5及び後輪12,12に、夫
々の接地圧に応じて適切に配分されて伝達され、安定性
に優れた直進走行が実現される。
一方操舵輪6の回動操作により前輪5,5が操舵された
場合、通電制御部15は、操舵角検出器7aからこれに入力
される信号から、操舵が行われたことを認識すると共
に、操舵方向及び操舵角度を認識して次のように動作す
る。
通電制御部15は、操舵が行われたことを認識すると、
左右の駆動連結装置13,13の可変絞り部40,40に各別の出
力信号を発し、その時認識した操舵角度と、前記車速検
出器2aからの入力信号により前述した如く算出される車
速とにより夫々決定される所定の電流を、前記可変絞り
部40,40のソレノイド40c,40cに通電せしめる。前記所定
の電流は、種々の車速において種々の旋回半径の旋回走
行を行って、前輪5,5と後輪12,12の走行軌跡を調べた実
験結果に基づいて、通電制御部15に予め記憶させてある
数式又は数表に従って、該制御部15において決定される
ものであり、操舵角度が大になるに従って増加され、ま
た車速が高速になるに従って増加されるようにしてあ
る。そして前記電流の増加率は、前輪5,5の操舵方向に
よって決定され、操舵方向が左方向である場合には、左
側の駆動連結装置13のソレノイド40cにおける電流の増
加率の方が大となるようにしてあり、逆に操舵方向が右
方向である場合には、右側のソレノイド40cの方が大に
なるようにしてある。
従って左右の可変絞り部40の開口比は共に操舵角度及
び車速に対応して増大し、駆動連結装置13,13において
は、操舵角度が大になるに従って、また同一の操舵角度
のもとにおいては車速が大になるに従ってルーズな伝達
特性が得られることになる。更に、左方向(又は右方
向)に操舵された場合には、左側(又は右側)の可変絞
り部40のソレノイド40cへの通電量が右側(又は左側)
のソレノイド40cへの通電量よりも常に大になるから、
左側(又は右側)の駆動連結装置13において、よりルー
ズな駆動力伝達特性が得られることになる。
このように、本発明に係る4輪駆動車において旋回走
行を行う場合、高速において急旋回を行うほど、通電制
御部15の前述の動作により後輪12,12と後輪駆動軸11と
の間の結合力が弱められ、特に旋回円の内側の後輪12と
後輪駆動軸11との間の結合力が弱められるから、動力部
1の駆動力が旋回円の外側の後輪12にはその一部が伝達
され、旋回円の内側の後輪12には殆ど伝達されない状態
が実現され、旋回円内側の後輪12は路面との間の摩擦に
応じて回転することになり、タイトコーナブレーキング
現象を発生することがなく、スムースなコーナリングが
可能であり、旋回円の外側の後輪12に伝達される駆動力
により、雪道等の摩擦係数の低い路面、砂利道等の悪路
における旋回走行時の安定性は十分に確保される。
なお本実施例においては、操舵度検出器7a及び車速検
出器2aの検出結果に基づいて、可変絞り部40,40の開口
比を変更する構成としているが、操舵角検出器7a又は車
速検出器2aのいずれか一方の検出結果に基づいて可変絞
り部40,40の開口比の変更を行う構成としてもよい。
また本実施例においては、駆動連結装置13に用いる油
圧ポンプとして、ベーンポンプ20を用いたが、内接ギヤ
ポンプ,トロコロイドポンプ等、後輪駆動軸11と後輪12
間に生じる回転速度差に応じて発生圧力が変化するもの
であれは、他の形式の油圧ポンプを用いてもよいことは
言うまでもない。
更に本実施例においては、可変絞り部40の開口比を、
ソレノイド40cへの通電により変更する構成としている
が、オートマチックトランスミッションを備えた4輪駆
動車においては、該トランスミッション制御用の一定圧
力の油圧を利用し、可変絞り部40の弁体40bを該油圧に
よって移動させて開口比を変更せしめることも可能であ
る。
〔効果〕
以上詳述した如く本発明に係る4輪駆動車において
は、直進走行時には前輪と後輪とがリジッドに結合され
るから、エンジンの駆動力が夫々の接地圧に応じて各車
輪に適切に配分されて伝達され、特に高速時,加速時に
おいて優れた安定性が得られると共に、旋回走行時に
は、その時の操舵角度及び/又は車速に応じて、左右の
後輪と後輪駆動輪との結合度が設定されるから、4輪操
舵装置を設けることなくこれと同様の効果が得られ、タ
イトコーナブレーキング現象の発生が確実に防止できる
等優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すものであり、第1図は本
発明に係る4輪駆動車の伝動系及び操舵系の模式的平面
図、第2図は駆動連結装置の一部破断縦断面図、第3図
はその油圧回路図である。 1……動力部、2a……車速検出器、5……前輪、6……
操舵輪、7a……操舵角検出器、11……後輪駆動軸、12…
…後輪、13……駆動連結装置、15……通電制御部、20…
…ベーンポンプ、21……ロータ、22……カムリング、27
……ポンプ室、30……油圧回路、33……吐出油路、35…
…吸込油路、40……可変絞り部、40b……弁体、40……
ソレノイド、T……油タンク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの駆動力を前輪駆動軸及び後輪駆
    動軸を夫々介して、前輪及び後輪に伝達すると共に、前
    輪を操舵して走行する4輪駆動車において、 車速検出器と、 前輪の操舵角度を検出する操舵角検出器と、 前記後輪駆動軸と左右の後輪との間に夫々介装され、両
    者間の回転数差に応じた油圧を発生して両者を連結する
    各別の油圧ポンプと、 該油圧ポンプの夫々の吐出油路の途中に配設され、その
    開口比が可変である可変絞り部と、 該可変絞り部の開口比を、前記操舵角検出器の検出結果
    及び/又は前記車速検出器の検出結果に応じて各別に変
    更する手段と を具備することを特徴とする4輪駆動車。
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