JP2670785B2 - 4輪駆動車 - Google Patents

4輪駆動車

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JP2670785B2 JP62310471A JP31047187A JP2670785B2 JP 2670785 B2 JP2670785 B2 JP 2670785B2 JP 62310471 A JP62310471 A JP 62310471A JP 31047187 A JP31047187 A JP 31047187A JP 2670785 B2 JP2670785 B2 JP 2670785B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、前輪及び後輪夫々に駆動力を伝達されて走
行する4輪駆動車に関する。 〔従来の技術〕 近年の4輪駆動車は、旋回走行時の走行軌跡の差異に
起因して前,後輪間に生じる回転速度差を吸収し、所謂
タイトコーナブレーキング現象の発生を防止すると共
に、エンジンの駆動力をこの回転速度差に応じて前,後
輪に配分する駆動連結装置を、前輪から後輪への伝動
軸、又は後輪から前輪への伝動軸の中途に備えたものが
その主流となっており、前,後輪間に生じる回転速度差
を吸収する差動歯車(センターディファレンシャルギ
ヤ)に、これの差動を拘束するデフロック機構若しくは
差動を制限するビスカスカップリングを並設して前記駆
動連結装置を構成したもの、ビスカスカップリング単独
にて前記駆動連結装置を構成したもの、又は特開昭60−
104426号公報に開示されている如く、前,後輪間に生じ
る回転速度差に応じた油圧を発生する油圧ポンプにて前
記駆動連結装置を構成したもの等がある。 ところがこれらの4輪駆動車は、前記伝動軸前2輪又
は後2輪との間においては、差動歯車を介して駆動力の
伝達を行う構成となっており、前,後輪間に回転速度差
が生じた場合、前述した如き駆動連結装置の動作によ
り、この回転速度差に応じて前,後輪間の駆動力の配分
が行われるが、左右の車輪間に回転速度差が生じた場
合、両者間に駆動力の配分が行われないという難点があ
る。即ち、前2輪をエンジンにて直接的に駆動すると共
に、後2輪を前記伝動軸の中途に設けた駆動連結装置を
介して駆動する前述の4輪駆動車において、例えば雪道
走行時に車体一側の後輪以外の3輪全てが空転状態とな
った場合、前記駆動連結装置の入力軸である前2輪から
の伝動軸が空転速度にて回転することは勿論、駆動連結
装置の出力軸である後2輪に連なる伝動軸も、前記差動
歯車の動作により、他側の後輪の空転速度にて回転し、
前記入,出力軸間に殆ど回転速度差が生じないため、出
力軸への駆動力の配分が行われず、接地している後輪へ
駆動力が伝達されず、前記空転状態を脱することが困難
となる虞があった。 この難点を解消するため、前記伝動軸と左右の後輪又
は前輪との間に、前記差動歯車に換えて一対のビスカス
カップリングを介装してなる4輪駆動車が実用化されて
いる。これは、左右の車輪の夫々に連動して軸心回りに
回転する多数の回転円板を、前記伝動軸に連動して軸心
回りに回転し内部にシリコン油等の粘性の大きい油を封
入してなる円筒形の一対のハウジング夫々に、該ハウジ
ング内に固設されこれと共に回転する多数の回転円板間
にわずかな間隙を隔てて配して、前記一対のビスカスカ
ップリングを構成してなり、両ビスカスカップリングの
各別の動作により、左右の車軸と前記伝動軸との間に生
じる回転速度差に応じて両車軸夫々が駆動力を配分する
ものである。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところで伝動軸と左右の車輪との間に介装された差動
歯車は、前述した如く、左右の車輪間に生じる回転速度
差を吸収する機能を有する一方、高速にて回転する伝動
軸の回転速度を車輪に適正な回転速度にまで減速する機
能と共に、駆動力の伝動方向を、前記伝動軸の延設方向
である車体の前後方向から左右の車輪への左右方向に変
換する機能をも有しており、この差動歯車に換えて一対
のビスカスカップリングを設ける前述の4輪駆動車にお
いても、回転速度の減速及び伝動方向の変換は他の適宜
の手段にて実現する必要がある。 これらの両機能は、前記伝動軸に連動する小歯車と前
記車軸に連動する大歯車とからなる一対の傘歯車にて実
現でき、前述の4輪駆動車は、前記大歯車の回転軸を入
力軸とし、左右の車軸を夫々の出力軸として前記一対の
ビスカスカップリングを配設することにより実現でき
る。ところがビスカスカップリングの伝達トルクは、前
記回転円板の面積と、回転円板間の相対速度、即ち前記
入力軸,出力軸間の回転速度差とに夫々比例することは
公知である一方、前述の如く配設された一対のビスカス
カップリングにおいては、入力軸及び出力軸の回転速度
自体が小さく、両軸間に生じる回転速度差も小さいか
ら、これらのビスカスカップリングにて十分な伝達トル
クを得るためには、大径の前記回転円板を多数用い、こ
れらの面積を大きくせざるを得ず、外形寸法の大型化を
招来し、配設位置の確保に困難を生じるという難点があ
る。 また前記ビスカスカップリングを減速前の位置に配設
し、利用できる回転速度差を高めることにより、外形寸
法を大型化させずに伝達トルクの増大を図ることは可能
であるが、このように前記一対のビスカスカップリング
を配設するためには、伝動軸を2方向に分岐し、その夫
々にビスカスカップリングを装着すると共に、両ビスカ
スカップリング夫々の出力軸と左右の車軸との間に、減
速と方向変換とを行う各一対の傘歯車を設けるか、又は
回転を減速することなく伝動方向を変換する一対の傘歯
車を伝動軸を入力軸として設け、該傘歯車の出力軸に一
対のビスカスカップリングを装着した後、夫々のビスカ
スカップリングの出力軸と左右の車軸との間に各別の減
速装置を設ける等の構成とせざるを得ず、システムの全
体構成が複雑化し、これをコンパクトに構成することが
困難であるだけでなく、部品数の増加に伴い加工工数及
び組立工数が増加するという問題点が生じる。 更にビスカスカップリングにおいては、ハウジングに
封入したシリコン油が円転円板により剪断される際の剪
断抵抗によりトルク伝達を行うものであるため、入力軸
と出力軸との間にかなりの回転速度差が生じるまでトル
ク伝達が行われれず、応答性が悪いことことは公知であ
る上、大きい回転速度差が生じた場合、シリコン油の激
しい剪断による内部温度の上昇に伴い該シリコン油中に
含まれる空気が泡状をなして溶出し、回転円板とシリコ
ン油とが焼付いた状態で結合される現象、所謂ハンプ現
象が発生し、これが頻繁に繰返されたときに回転円板が
損傷してトルク伝達が不能になることがある一方、左右
の動輪と伝動軸との間には旋回走行の都度比較的大きい
回転速度差が生じるため、前述の如く差動歯車に換えて
一対のビスカスカップリングを装着した構成の4輪駆動
車においては、前記ハンプ現象の繰返しに起因する故障
が多発する虞がある。 同様の構成の4輪駆動車は、ビスカスカップリングに
替えて、前記特開昭60−104426号公報に開示された油圧
ポンプを用いることによっても実現できる。この構成に
おいては、ビスカスカップリングに特有のハンプ現象を
回避することができるが、車軸の中途に配設した場合、
利用し得る回転速度差が小さく応答性の低下を招き、ま
た、車軸への伝動軸の中途に配設した場合、システム構
成が複雑化し大型化が避けられない等、配設に伴う問題
はそのまま残る。 本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、前
後の動輪間は勿論左右の動輪間においても駆動力の適正
な配分が可能であると共に、応答性及び信頼性に優れた
4輪駆動車を、コンパクトな構成にて提供することを目
的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明に係る4輪駆動車は、左右の動輪に連動する車
軸の夫々に回転を拘束して取り付けた一対のロータと、
これらのロータを同軸的に内蔵し、前記動輪への伝動軸
に連動してその軸心回りに回転する単一のハウジングと
を備え、前記車軸の夫々と前記伝動軸との間の回転速度
差に応じた油圧力を各別に発生する一対の油圧ポンプを
前記ハウジング内に一体的に構成してあることを特徴と
する。 〔作用〕 本発明においては、左右の動輪に各別に連動する車軸
とこれらの車軸への伝動軸との間に回転速度差が生じた
場合、前記車軸の夫々に取り付けたロータを内蔵するハ
ウジング内に構成された一対の油圧ポンプ内に、前記回
転速度差に応じた油圧力が夫々発生し、これらの油圧力
に応じて各別のロータとハウジングとの間に生じる摩擦
力により、前記伝動軸と左右の車軸とが連結され、左右
の動輪に駆動力が伝達される。 〔実施例〕 以下本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述す
る。第1図は本発明に係る4輪駆動車の駆動系の構成を
示す模式的平面図である。 図において1は、図示しない車体の前部に横置きされ
たエンジンであり、該エンジン1の駆動力は、これの右
側に連設した変速装置2を経て、右方に延びる出力軸3
に伝達され、該出力軸3の右端に嵌装されたドライブギ
ヤ3aを回転させる。また4は、前記出力軸3と平行をな
して配設され、両端部に平歯車4a,4bを夫々嵌装してな
る第1の中間伝動軸であり、一方の平歯車4aを、一側を
前記ドライブギヤ3aに噛合させてなるアイドルギヤ5の
他側に噛合させ、他方の平歯車4bを、前輪6,6駆動用の
差動歯車装置7のハウジング外周に形成された平歯車7a
の一側に噛合させてある。 而してエンジン1の駆動力は、前記ドライブギヤ3aか
ら、アイドルギヤ5及び平歯車4aを介して第1の中間伝
動軸4に伝達され、次いで平歯車4b及び平歯車7aを介し
て差動歯車装置7に伝達されて、該装置7の公知の動作
により左右の前輪6,6に各別に伝達される。 また図中8は、差動歯車装置7の後側に位置して車体
の左右方向に延設された第2の中間伝動軸であり、該伝
動軸8は、その一端部に嵌装された平歯車8aを差動歯車
装置7外周の前記平歯車7aの他側に噛合させる一方、そ
の他端部に嵌装された傘歯車8bを、車体の前後方向に延
設された後輪への伝動軸であるプロペラシャフト9の前
端部に嵌装された傘歯車9aに噛合させてある。該プロペ
ラシャフト9の後端は、後述する如き構成を有する駆動
連結装置10を介して左右の後輪11,11の各別の車軸11l,1
1rに連結されている。 而してエンジン1の駆動力は、前記平歯車7aから、平
歯車8aを介して第2の中間伝達軸8に伝達され、次いで
傘歯車8b,9aにより、伝動方向を前後方向に変換されて
プロペラシャフト9に伝達され、更に駆動連結装置10の
後述する動作により、伝動方向を左右方向に変換され、
左右の後輪11,11に配分されて伝達される。 第2図は前述の如く配設してある駆動連結装置10の平
面断面図である。 図において12は、同一軸心線上の互いに対向する2個
所に円形の開口部を有する中空の変形球形をなす球状部
12aと、その軸心を前記開口部の軸心線に直交させて該
球状部12aに連設せしめた円筒部12bとからなるケーシン
グである。 球状部12aの前記2個所の開口部には、これらと軸心
を一致させた態様にて、左側の後輪11の車軸11lをその
内部に同軸的に支承する車軸ケーシング13lと、右側の
後輪11の車軸11rを同様に支承する車軸ケーシング13rと
が夫々固着してあり、また前記円筒部12bには、軸長方
向に適長離隔させて一対の円錐ころ軸受14a,14bが内嵌
固定され、これらの軸受14a,14bにて支承された伝動軸1
4が、一端部を外部に、また他端部を球状部12a内に夫々
適長突出させて同軸的に内挿してある。伝動軸14の外部
への突出部は、軸継手15により前記プロペラシャフト9
の後端部に同軸的に連結してあり、また球状部12a内へ
の突出部には小傘歯車16aが外嵌固定してある。 駆動連結装置10の主たる構成要素は、ケーシング12の
球状部12a内に左右の車軸11l,11rと同一の軸心回りに回
動自在に支承された外側ハウジング20と、該ハウジング
20の内部に後述する如く一体的に構成された左右一対の
ベーンポンプ30,40である。 外側ハウジング20は、円筒の左端に円板状のフランジ
21aを同軸的に設けてなる外筒21と、該外筒21の左側に
前記フランジ21aに多数の固定ボルト24,24…にて固定さ
れ、中抜き円板状をなす左側板22と、前記外筒21の右端
部にこれと同軸的に内嵌されされ、中抜き円板状をなす
右側板23とにて構成されたものであり、前記車軸ケーシ
ング13l及び同13rの固着端部近傍に夫々内嵌固定された
一対の円錐ころ軸受17l及び17rに、前記左側板22の左側
及び右側板23の右側に夫々同軸的に連設された円筒部を
夫々内嵌せしめ、前述の如き態様にて支承させてある。
また前記外筒21には、前記少傘歯車16aと対をなす大傘
歯車16bが、歯形成面を右側に向け同軸をなして外嵌さ
れ、前記フランジ21aの右側に、これの左側の前記左側
板22と共に前記固定ボルト24,24…にて固定してあり、
ケーシング12の球状部12a内において、前記小傘歯車16a
に噛合させてある。而して、前記伝動軸14からの駆動力
は、一対の傘歯車16a,16bの作用により方向転換される
と共に適宜に減速されて前記外側ハウジング20に伝達さ
れ、該ハウジング20をその軸心回りに回転させる。 さて第3図は第2図のIII−III線による拡大断面図で
あり、外側ハウジング20内の右側に構成される前記ベー
ンポンプ40は、本図に示す如く、周方向に等配をなす複
数個所に、半径方向に摺動自在に後述する如く10枚のベ
ーン41a,41a…を装着してあり、短寸円筒状をなすロー
タ41と、ロータ41の外径に略等しい直径を有する内周面
に、周方向に等配をなして3個所の凹部を設け、第3図
に示す如き軸断面形状を有する空洞部42aをその軸心位
置に形成してあり、ロータ41と略同一の軸長方向寸法を
有する偏肉筒状のカムリング42と、該カムリング42と略
同径の外径を夫々有し、中抜き円板状をなすサイドプレ
ート43及び厚肉の中抜き円板状をなす中間プレート50と
からなる。カムリング42は、その軸長方向両側からサイ
ドプレート43と中間プレート50とにより同軸的に挾持さ
れ、サイドプレート43を右側とし、右側板23の左側にこ
れと同軸をなして位置決めされ、右側板23、サイドプレ
ート43及びカムリング42を夫々貫通し、中間プレート50
に形成された図示しないねじ孔に螺合する複数の固定ボ
ルト26,26…により一体的に固定されている。またカム
リング42は、その外周面の等配をなす3個所夫々に、周
方向に適長に亘って第3図に示す如く形成されたスプラ
イン42bを、前記外側ハウジング20の外筒21の内周面に
同様に形成されたスプライン21bに噛合させている。従
って前記カムリング42には、一対の傘歯車16a,16bを介
して伝動軸14から外側ハウジング20に伝達される駆動力
が、前記固定ボルト26,26…、並びに相互に噛合するス
プライン21b及び同42bを介して伝達されることになり、
該カムリング42は、外側ハウジング20と共に前記伝動軸
14の回転に伴ってその軸心回りに回転する。 また前記ロータ41は、サイドプレート43と中間プレー
ト50との間に、カムリング42の前記空洞部42aにより形
成される空間内に回動自在に内嵌されると共に、右出力
軸44に同軸的に外嵌され、これとスプライン結合してあ
る。右出力軸44は、ロータ41の外嵌位置の両側を、前記
中間プレート50の中抜き部及びサイドプレート43の中抜
き部に、針状ころ軸受46,46にて夫々同軸回動可能に支
承してあり、その右端部は、右側板23の右方に適長突出
され、右側に開口を有する円筒状に成形してある。そし
てこの円筒状部分は、前記右側の車軸11rの左端部に外
嵌され、これとスプライン結合してあると共に、これら
を半径方向に貫通する態様にて打設された固定ピン45に
より同軸的に連結されている。即ち前記ロータ41は、右
出力軸44を介して前記車軸11rに回動を拘束されてお
り、右側の後輪11の回転に伴って、前記カムリング42の
空洞部42a内において回転する。 さて、このように構成されたベーンポンプ40におい
て、カムリング42の内部に前述の如く配されたロータ41
の外周面と、前記空洞部42aにおける前記凹部との間に
は、これらとサイドプレート43及び中間プレート50とに
て囲繞され、第3図に示す如き変形三日月形の断面形状
をなす3つのポンプ室47,47…が夫々形成される。そし
てこれら3つののポンプ室47,47…の夫々には、サイド
プレート43側に開口する一対の吸込口47a,47a及び中間
プレート50側に開口する一対の吐出口47b,47bが、三日
月形の両端部に位置して夫々形成してある。 ロータ41には、外周面から軸心に向かう方向に所定の
深さ寸法を有し、10枚の前記ベーン41a,41a…夫々を収
納するための10本の細幅の収納溝41b,41b…が、円周方
向に等配をなす態様にて軸長方向の略全長に亘って形成
されている。ベーン41aは、収納溝41bの幅と略等しい肉
厚を有すると共に、第2図の一部拡大図である第4図に
示す如く、収納溝41bの深さ寸法よりも小さい幅と、ロ
ータ41の軸長方向寸法と略等しい長さとを有する矩形平
板状をなす部材であり、前記収納溝41b内に隙間なく嵌
装され、該溝41bの底部との間に介装された2本の押ば
ね41c,41cの付勢力と、後述する如く収納溝41bの底部に
導入される高圧の圧油とにより常時半径方向外向きに力
が加えられた状態にある。而して10枚のベーン41a,41a
…の夫々は、ロータ41の回転に応じて、空隙部42aの周
面にその先端部を押付けた状態で各別の収納溝41b,41b
…に沿ってロータ41の半径方向に進退動作し、相隣する
ベーン41a,41aにて回転方向両側を囲繞された空間を、
前記ポンプ室47内に形成する。 またこれらのベーン41a,41a…には、長手方向略中央
の先端部に近い位置に、第4図のV−V線による断面図
である第5図に示す如く、極細径の絞り孔41dが、厚さ
方向にこれを貫通する態様にて形成されており、1枚の
ベーン41aの両側に前述の如く形成される空間が、この
絞り孔41dにより連通されるようになっている。 ベーンポンプ40の作動油は、前記サイドプレート43,
カムリング42及び中間プレート50の外周面と、前記外筒
21の内周面との間に円環状の軸断面形状を有して形成さ
れる油タンクT内に低圧状態に維持して封入してある。
サイドプレート43側の前記吸入口47a,47a…の夫々は、
右側板23の左側面にこれの軸心を中心とする円環状をな
して形成された環状油室23aに、ポンプ室47への流入の
みを許容する各別の吸込チェック弁48を介して連通せし
めてあり、該環状油室23aは、左側板23とサイドプレー
ト43との密着部に、これらの半径方向に形成してある吸
込油路60により前記油タンクTに接続させてある。また
前記吐出口47b,47b…の夫々は、中間プレート50に、第
2図及び第4図に示す如き態様をなして形成された各別
の吐出油路51、及び該油路51夫々の中途に装着され、ポ
ンプ室47からの流出のみを許容する吐出チェック弁49を
介して、ロータ41の側面に円環状をなして形成された凹
部61に接続されている。この凹部61は、第3図に示す如
く前記収納溝41b,41b…の底部を相互に連通する位置に
形成してあり、吐出口47bからの高圧の圧油が、吐出油
路51,吐出チェック弁49及び凹部61を通過し、収納溝41
b,41b…の底部に導入されるようになっており、この圧
油が、収納溝41b,41b…に前述の如く装着してあるベー
ン41a,41a…に、半径方向外向きの押圧力を付与するよ
うにしてある。なおこの圧油は、ロータ41の両側と、サ
イドプレート43又は中間プレート50の側面との間のわず
かな間隙を通過し、右出力軸44の外側に、これとサイド
プレート43又は中間プレート50との間に形成される空間
内に洩出し、該空間内に位置する前記針状ころ軸受46,4
6の潤滑作用をなす一方、右側板23に形成された油路62
を通過し、前記環状油室23aを介して油タンクTに還流
するか、又は中間プレート50に半径方向外向きに形成さ
れた油路63を通過し、直接的に油タンクTに還流する。 一方、外側ハウジング20内の左側に構成される前記ベ
ーンポンプ30は、ベーンポンプ40と同様、ロータ31,カ
ムリング32,サイドプレート33及び前記中間プレート50
からなり、ロータ31をカムリング32内に同軸的に内嵌せ
しめ、該カムリング32の右側をサイドプレート33によ
り、また左側を中間プレート50により夫々同軸的に挾持
せしめた状態で、外側ハウジング20の左側板22の右側
に、これと同軸をなすように位置決めされ、左側板22、
サイドプレート33及びカムリング32を夫々貫通し、中間
プレート50に形成された図示しないねじ孔に螺合する複
数の固定ボルト25,25…により、左側板22と一体的に固
定されている。而してカムリング32には、一対の傘歯車
16a,16bを介して外側ハウジング20に伝達される駆動力
が、前記固定ボルト25,25…を介して伝達されることに
なり、該カムリング32は、外側ハウジング20及び右側の
ベーンポンプ40のカムリング42と共に伝動軸14の回転に
伴ってその軸心回りに回転する。 またロータ31は、左出力軸34に同軸的に外嵌されてこ
れとスプライン結合してあり、左出力軸34は、右出力軸
44と同様に、左側板22の左方に適長突出され円筒状に成
形されたその左端部を、左側の車軸11lの右端部に外嵌
させ、これとスプライン結合してあると共に、これらを
半径方向に貫通する態様にて打設された固定ピン35によ
り同軸的に連結されており、ロータ31の外嵌位置の両側
を、中間プレート50の中抜き部とサイドプレート33と
に、針状ころ軸受36,36にて夫々支承させてある。即ち
前記ロータ31は、左出力軸34を介して左側の車軸11lに
その回動を拘束されており、左側の後輪11の回動に伴っ
てカムリング32内において回動する。 このベーンポンプ30におけるロータ31の細部構造及び
油路の構成は、右側のベーンポンプ40において先に詳述
したロータ41の細部構造及び油路の構成と同様であり、
その説明は省略する。 さてこのように構成された本発明に係る4輪駆動車に
おいて、駆動連結装置10による駆動力の配分動作につき
次に説明する。 エンジン1の駆動力は、前述した如く、出力軸3及び
第1の中間伝動軸4を介して差動歯車装置7に伝達さ
れ、該装置7により左右に配分されて前輪6,6に伝達さ
れ、更にこれらの前輪6,6の回転速度に対応する回転速
度にて回転する第2の中間伝動軸8及びプロペラシャフ
ト9を介して前記駆動連結装置10に伝達され、該装置10
の動作により左右に配分されて後輪11,11に伝達され
る。差動歯車装置7からプロペラシャフト9に至る間の
減速比は、これに駆動連結装置10内部の小傘歯車16aと
大傘歯車16bとの間の減速比を積算した値が差動歯車装
置7内における減速比に一致するように設定されてお
り、前記プロペラシャフト9に連結された伝動軸14から
傘歯車16a,16bを介して駆動力を伝達される外側ハウジ
ング20及びこれらに一体的に固着された左右のベーンポ
ンプ30,40夫々のカムリング32,42は、前輪6,6の平均的
な回転速度にてその軸心回りに回転する。一方、カムリ
ング32内のロータ31は左側の車軸11lに連結してあり、
その回転速度は左側の後輪11のそれに等しく、カムリン
グ42内のロータ41は右側の車軸11rに連結してあり、そ
の回転速度は右側の後輪11にそれに等しいことは前述し
た如くである。 従って、直進定速走行のように、左右の前輪6,6相互
間、または左右の後輪11,11相互間、更には前輪6と後
輪11との間に回転速度差が生じない走行状態において
は、左右のカムリング32,42夫々と、ロータ31,41夫々と
の間においては回転速度差が生じず、ベーンポンプ30,4
0はいずれも油圧を発生しないから、左右の車軸11l,11r
及びこれに連結してある左右の後輪11,11には駆動力が
伝達されず、エンジン1の駆動力は、左右の前輪6,6に
等分され、前2輪駆動にて車体は走行することになる。 また加速又は減速時においては、前輪6,6と後輪11,11
との間に、これらに加る荷重変化に伴って生じる有効半
径の変化に起因する回転速度差が発生する。このような
場合、例えば右側のベーンポンプ40においては、ロータ
41とカムリング42との間にこの回転速度差に等しい速度
の相対回転が生じ、前記油タンクT内の油は、吸込油路
60及び環状油室23aを介して、この相対回転方向の上流
側に位置する吸込口47aからポンプ室47内に吸込まれ、
ロータ41の回転に伴い、相隣するベーン41a,41a間の空
間内に封止された状態で圧縮され、各ポンプ室47内の圧
力が上昇する。その結果、ロータ41とカムリング42との
間に、両者間の相対回転を抑止する方向に、各ポンプ室
47内部の発生圧力に応じた大きさの摩擦力が生じ、この
摩擦力によりロータ41とカムリング42との間、換言すれ
ば伝動軸14と右側の車軸11rとの間にトルク伝達がなさ
れる。 ポンプ室47内部における圧縮の様子を更に詳述する
と、相隣するベーン41a,41a間の空間に封入され、昇圧
された圧油は、その一部がベーン41aに形成された絞り
孔41dを通過し、該空間の低圧側(相対回転方向下流
側)に相隣する同様の空間内に洩出し、また残部が相対
回転方向の下流側に位置する吐出口47bから吐出され、
吐出油路51及び吐出チェック弁49を介して収納溝41b,41
b…の底部に導入され、ベーン41a,41a…に外向きの押圧
力を加えると共に、前述した如く、ロータ41とサイドプ
レート43又は中間プレート50との間のわずかな間隙から
洩出し、前記油路62又は油路63を介して油タンクTに還
流するようになっている。 従って、絞り孔41dを可及的小径に加工すると共に、
ロータ41両側の前記間隙を可及的に小さく設定し、これ
らを圧油が通流する際に大きい流動抵抗が生じるように
することにより、前輪6と後輪11との間に生じる回転速
度差が小さく、ロータ41とカムリング42との間の相対回
転速度が小さい場合においても、ポンプ室47内において
高い圧力を発生させることができ、しかもこの圧力はロ
ータ41とカムリング42との間の相対回転速度、即ち前輪
6,6と左側の後輪11との間に生じる回転速度差に応じて
増大するから、左側の後輪11には、前記回転速度差に応
じた駆動力が、確実にしかも速やかに伝達されることに
なる。 左側のベーンポンプ30においても、全く同様の発生態
様により、右側の後輪11と前輪6,6との間の回転速度差
に応じた油圧が発生するから、右側の後輪11にも、左側
の11と等しい駆動力が伝達される。 即ち、加速時又は減速時、左右の後輪11,11間に回転
速度差が生じない走行状態においては、左右の後輪11,1
1には、前輪6,6との間に生じる回転速度差に応じた大き
さの駆動力が、等配分されて伝達されることになる。こ
のような走行状態の極端な例として、前輪6,6が共に空
転状態にある場合、前輪6,6と後輪11,11との間に大きい
回転速度差が生じるから、エンジン1の駆動力は、その
略全量が後輪11,11に等配分されて伝達されることにな
り、後輪11,11の回転により前記空転状態を容易に脱す
ることができる。 また旋回走行時においては、左右の後輪11,11間には
夫々の旋回円の相異に起因する回転速度差が生じる一
方、伝動軸14の回転速度は、左右の後輪11,11の回転速
度のいずれとも異なる前輪6,6の平均回転速度に対応
し、左側のベーンポンプ30においては、この平均回転速
度と左側の後輪11との間の回転速度差に応じた油圧が生
じ、右側のベーンポンプ40においては、前記平均回転速
度と右側の後輪11との間の回転速度差に応じた油圧が生
じる結果、左右の後輪11,11には、両ベーンポンプ30,40
の夫々にて発生した油圧に応じて駆動力が配分される。
実際には、後輪11,11の平均的な旋回半径は、前輪6,6の
平均的な旋回半径よりも小さいから、左方向への旋回走
行中においては、旋回円内側に位置する左側のベーンポ
ンプ30の発生油圧が、旋回円周外側に位置する右側のベ
ーンポンプ40の発生油圧よりも大きく、左側の後輪11へ
伝達される駆動力が、右側の後輪11へのそれよりも大き
くなり、若干アンダーステア気味の旋回特性が実現され
る。 また、前輪6,6の両方及び一側の後輪11、例えば左側
の後輪11が空転状態にある場合、前輪6,6の空転速度に
て回転するカムリング32と、左側の後輪11の空転速度に
て回転するロータ31との間には回転速度差が殆ど生じ
ず、左側のベーンポンプ30には油圧が殆ど発生しない一
方、前輪6,6の空転速度にて回転するカムリング42と、
右側の後輪11と共に回転するロータ41との間には大きい
回転速度差が生じるから、右側のベーンポンプ40におい
ては大きい油圧が生じ、エンジン1の駆動力は、空転し
ていない右側の後輪11に、その略全量が伝達され、該後
輪11の回転により前述の空転状態を容易に脱することが
できる。 なお本実施例においては、左右の後輪11,11への駆動
力の配分のみを、駆動連結装置10を介して行う構成とし
ているが、差動歯車装置7に換えて駆動連結装置10と同
一構成の駆動連結装置を配設し、該装置を介して前輪6,
6への駆動力の配分をも行わせる構成としてもよい。 また本実施例においては、駆動連結装置10における油
圧ポンプとしてベーンポンプ30,40を用いているが、内
接ギヤポンプ,トロコロイドポンプ等、他の形式の油圧
ポンプを用いて駆動連結装置10を構成してもよいことは
言うまでもない。 〔効果〕 以上詳述した如く本発明に係る4輪駆動車において
は、左右の動輪に各別に具備された油圧ポンプ内におい
て、動輪とこれへの伝動軸との間に生じる回転速度差に
応じた油圧力が発生し、伝動軸に連動する該油圧ポンプ
のハウジングと、動輪の車軸に連動する動ロータとの間
に、前記油圧力に応じた摩擦力が生じ、この摩擦力によ
り伝動軸からの駆動力が車軸に伝達されるから、左右の
動輪の夫々と伝動軸との間に生じる大なる回転速度差に
応じて前記駆動力が配分されることになり、いかなる走
行状態においても左右の動輪への適切な駆動力配分が高
い応答性にて実現される。また、左右夫々の油圧ポンプ
が共通のハウジング内に一体構成してあることから、左
右の車軸とこれらへの伝動軸との間にコンパクトに構成
することができる。更に、油圧ポンプを利用したことか
ら、ビスカスカップリングを用いた場合のようにハンプ
現象の発生の虞れがなく、信頼性に優れている等、本発
明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 図面は本発明の一実施例を示すものであり、第1図は本
発明に係る4輪駆動車の伝動系の構成を示す模式的平面
図、第2図は駆動連結装置の平面断面図、第3図は第2
図のIII−III線による拡大断面図、第4図は右側のベー
ンポンプの詳細な構成を示す第2図の一部拡大図、第5
図はベーンの拡大縦断面図である。 1……エンジン、6……前輪、7……差動歯車装置、9
……プロペラシャフト、10……駆動連結装置、11……後
輪、16a……小傘歯車、16b……大傘歯車、20……外側ハ
ウジング、30,40……ベーンポンプ、31,41……ロータ、
41a……ベーン、41d……絞り孔、32,42……カムリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栢木 勝彦 東京都港区芝5丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−315326(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.左右の動輪に連動する車軸の夫々に回転を拘束して
    取付けた一対のロータと、これらのロータを同軸的に内
    蔵し、前記動輪への伝動軸に連動してその軸心回りに回
    転する単一のハウジングとを備え、前記車軸の夫々と前
    記伝動軸との間の回転速度差に応じた油圧力を各別に発
    生する一対の油圧ポンプを前記ハウジング内に一体的に
    構成してあることを特徴とする4輪駆動車。
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