JPH078614B2 - 車両の後輪駆動装置 - Google Patents
車両の後輪駆動装置Info
- Publication number
- JPH078614B2 JPH078614B2 JP11228686A JP11228686A JPH078614B2 JP H078614 B2 JPH078614 B2 JP H078614B2 JP 11228686 A JP11228686 A JP 11228686A JP 11228686 A JP11228686 A JP 11228686A JP H078614 B2 JPH078614 B2 JP H078614B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- torque
- vehicle
- hydraulic
- turning
- clutch
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- Motor Power Transmission Devices (AREA)
- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
- Retarders (AREA)
Description
本発明は、車両において左右後輪の駆動トルクを変化し
て旋回走行する方式の後輪駆動装置に関し、詳しくは、
高速旋回時の安定性を図るものに関する。
て旋回走行する方式の後輪駆動装置に関し、詳しくは、
高速旋回時の安定性を図るものに関する。
従来一般に、フロントエンジン・リヤドライブ(FR)車
や4輪駆動(4WD)車など後輪を駆動する車両にあたっ
ては、変速機出力側から差動装置を介して左右の後輪駆
動軸へ伝動構成される。従って車両は、常に左右の駆動
トルクが等しく、また旋回時の内外輪の回転差が吸収さ
れてスムーズに旋回走行できる。また前記差動装置に差
動制限装置を加えることにより、左右輪回転速度差に基
づき左右輪駆動力が不等になり、その車両の運動性能が
該差動制限装置のない車両と異なるようにしたものもあ
る。
や4輪駆動(4WD)車など後輪を駆動する車両にあたっ
ては、変速機出力側から差動装置を介して左右の後輪駆
動軸へ伝動構成される。従って車両は、常に左右の駆動
トルクが等しく、また旋回時の内外輪の回転差が吸収さ
れてスムーズに旋回走行できる。また前記差動装置に差
動制限装置を加えることにより、左右輪回転速度差に基
づき左右輪駆動力が不等になり、その車両の運動性能が
該差動制限装置のない車両と異なるようにしたものもあ
る。
ところで上記従来技術では、車両旋回時に内外輪の回転
差は吸収されるが、内外輪の駆動トルクは常に等しくな
るから、旋回時の走行安定性を向上することはできな
い。また差動制限装置を加えたものでは、旋回走行等左
右輪回転速度差が生じた後、初めて左右輪駆動力差が生
じて運動性能に差をもたらすことになるが、これは上記
のように受動的に発生するものであるために、この運動
性能は必ずしも好ましいものとは限らない。 そこで本発明は、一般走行時は、滑りを許す油圧クラッ
チの本来の特長により内外輪の回転差を吸収したスムー
ズな旋回走行ができることは勿論のこと、高速時の旋回
走行の安定性の向上を可能とした車両の後輪駆動装置を
提供することを目的としている。
差は吸収されるが、内外輪の駆動トルクは常に等しくな
るから、旋回時の走行安定性を向上することはできな
い。また差動制限装置を加えたものでは、旋回走行等左
右輪回転速度差が生じた後、初めて左右輪駆動力差が生
じて運動性能に差をもたらすことになるが、これは上記
のように受動的に発生するものであるために、この運動
性能は必ずしも好ましいものとは限らない。 そこで本発明は、一般走行時は、滑りを許す油圧クラッ
チの本来の特長により内外輪の回転差を吸収したスムー
ズな旋回走行ができることは勿論のこと、高速時の旋回
走行の安定性の向上を可能とした車両の後輪駆動装置を
提供することを目的としている。
この目的のため、本発明は、終減速機から伝達トルク容
量可変の左右の油圧クラッチを介して、左右の後輪駆動
軸へそれぞれ伝動構成し、車速,旋回量および方向,入
力トルクの要素により、左右の油圧クラッチの伝達トル
ク容量を各別に設定するように油圧回路構成し、車両旋
回時の高速域では、外輪より内輪の駆動トルクが大きく
なるトルク配分にすべく、左右の油圧クラッチをトルク
制御するように構成されている。
量可変の左右の油圧クラッチを介して、左右の後輪駆動
軸へそれぞれ伝動構成し、車速,旋回量および方向,入
力トルクの要素により、左右の油圧クラッチの伝達トル
ク容量を各別に設定するように油圧回路構成し、車両旋
回時の高速域では、外輪より内輪の駆動トルクが大きく
なるトルク配分にすべく、左右の油圧クラッチをトルク
制御するように構成されている。
上記構成に基づき、車両旋回時の高速域では、左右後輪
の外側に対し内輪の駆動トルクが大きいことで、車両重
心廻りに前輪が受けるコーナリングフォースによる ー
イングモーメントと逆方向のヨーイングモーメントを生
じて、そのコーナリングフォースによるヨーイングモー
メントを打消す方向に働く。 こうして本発明では、高速域での旋回時に左右後輪によ
って旋回運動を抑制し、安定性を向上することが可能と
なる。
の外側に対し内輪の駆動トルクが大きいことで、車両重
心廻りに前輪が受けるコーナリングフォースによる ー
イングモーメントと逆方向のヨーイングモーメントを生
じて、そのコーナリングフォースによるヨーイングモー
メントを打消す方向に働く。 こうして本発明では、高速域での旋回時に左右後輪によ
って旋回運動を抑制し、安定性を向上することが可能と
なる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて具体的に説明
する。 第1図において、符号1は、FR車において図示省略した
プロペラシャフトを介してミッション装置からの動力が
伝達されるピニオン軸であり、ギヤケース2に回転自在
に支持され、端部のピニオン11をギヤケース2内に臨ま
せている。このギヤケース2には車両左右方向に向く後
輪駆動軸3が回転自在に支持され、これと一体に組付け
たクラウンギヤ31が前記ピニオン11に噛合うことで終減
速機30が構成されている。 そして後輪駆動軸3のギヤケース2から突出した左右両
端部には、左側油圧クラッチ4Lを介して左側駆動軸5
Lが、また右側油圧クラッチ4Rを介して右側駆動軸5Rが
それぞれ伝動可能に連結されて、後輪8L,8R(第3図,
第4図参照)を各別に駆動するようになっている。 ここで油圧クラッチ4L,4Rは、油圧に応じて伝達トルク
容量が可変のものであり、後述の制御系6の信号で制御
される油圧回路7を備える。そこでこの油圧回路7の構
成を一方の油圧クラッチ4L側を代表して説明すると、こ
れはオイルポンプ71,調圧弁72,クラッチ油圧制御弁73,
デューティソレノイド弁74を有し、油圧クラッチ4Lは、
油路75によりクラッチ油圧制御弁73を介してオイルポン
プ71に接続する。 上記クラッチ油圧制御弁73は、弁本体にオイルポンプ71
側に通ずるポート73aと、油圧クラッチ4L側へ通ずるポ
ート73bと、ドレンポート73cとを備えたスプール弁であ
る。そしてスプール73dが、スプリング73eの付勢力に抗
してポート73b側の油圧と信号油圧室73f内の信号油圧と
の加算圧力で平衡することで、ポート73aおよびドレン
ポート73cを両方閉塞してクラッチ油圧を一定に保つと
共に、信号油圧の上昇でドレンポート73cを開いてクラ
ッチ油圧を低下させ、信号油圧の下降でポート73aを開
いてクラッチ油圧を上昇させるようになっている。 また調圧弁72は、前記クラッチ油圧制御弁73の信号油圧
室73fに油路76を介して連通する油圧室72aを有する弁本
体に、油路75を介してオイルポンプ71に連通するポート
72bと、油路76に連通するポート72cと、ドレンポート72
dとを備えたスプール弁であり、スプール72eが、スプリ
ング72fの付勢力に抗して油圧室72a内の油圧力により平
衡することでポート72b,72dが閉じ、油圧室72a内の圧力
上昇でドレンポート72dを開き、圧力低下でポート72bを
開き、ポート72cすなわち油路76に常に一定の油圧を取
出すようになっている。このような一定油圧が油路76を
介して供給される前記クラッチ油圧制御弁73の信号油圧
室73f内に信号油圧を生成するのが、デューティソレノ
イド弁74Lであり、後述するデューティ信号に応じて信
号油圧室73f内の油圧を排圧する。 油圧クラッチ4R側でも全く同様に油圧回路構成され、デ
ューティソレノイド弁74Rでクラッチ油圧を制御するよ
うになっている。 ここで制御信号としてデューティ信号を発生する制御系
6について説明すると、車速を検出する車速センサ61,
旋回走行およびその方向を検出する舵角センサ62,変速
機出力側から後輪への入力トルクを検出する入力トルク
センサ60,これらのセンサ出力を入力信号として所定の
デューティ信号を発生する制御ユニット63を備えてな
る。この制御ユニット63は、車速センサ61の出力に応
じ、車速を判別する車速判別部64と、舵角センサ62の出
力に応じて車両の直進,右旋回,左旋回の量を判別する
旋回量および方向判別部65と、両判別部64,65の出力に
応じて左右の油圧クラッチ4L,4Rへのトルク配分比を決
定するトルク配分比算出部66と、このトルク配分比算出
部66の出力および入力トルクセンサ60の入力トルクに基
づいて左右の油圧クラッチ4L,4Rへのクラッチ油圧を算
出するクラッチ油圧算出部67と、このクラッチ油圧算出
部67の出力に応じてデューティ比を設定する2つのデュ
ーティ比設定部68L,68Rとを備える。そしてトルク配分
比算出部66が、車両の直進状態では左右の油圧クラッチ
4L,4Rを介する後輪8L,8Rへのトルク配分比が同一であ
り、中低速域における車両の旋回時には、旋回の内側と
なる内輪より外輪側のトルク配分が大きく、逆に高速域
における旋回時には、外輪側より内輪側のトルク配分が
大きくなるよう設定してある。 またクラッチ油圧算出部67での左右の油圧クラッチ4L,4
Rの油圧算出について説明すると、入力トルクTOは、第
5図(a)のようにシフト位置とエンジン吸入管負圧の
関係で変化し、油圧クラッチの伝達トルク容量と油圧
は、第5図(b)のように増加関数である。そこでトル
ク配分比算出部66での左右のトルク配分比TL,TRが、TL
=TRの直進の場合は、左右のクラッチ油圧PL,PRを共に
最大に定め、伝達トルク容量CL,CRも最大にして、いか
なる入力トルクでも滑りを生じることなく2分割して左
右後輪に伝達する。一方、TL>TRの配分状態の場合は、
TL側ではそのクラッチ油圧PLと共に伝達トルク容量CLを
最大に定め、入力トルクTOのTL/(TR+TL)分を滑りを
生じることなく伝達する。これに対しTR側では、このと
きの入力トルクTOとTL,TRにより、伝達トルク容量CRを
次式により算出する。 CR=TO×{TR/(TL+TR)} そして、この伝達トルク容量CRに応じたクラッチ油圧PR
を定める。そして、入力トルクTOのTR/(TL+TR)分だ
け伝達するように駆動トルクを減じ、かつ滑りを許すよ
うになっている。 以上の構成では、制御系6により車速と旋回の走行状態
に応じて左右の後輪8L,8Rの駆動トルクが各別に制御さ
れる。 車両の直進状態では、トルク配分比算出部66による左右
の油圧クラッチ4L,4Rへのトルク配分比は同一であり、
左右の油圧クラッチ4L,4Rは同一油圧に制御されて左右
の後輪8L,8Rは同一トルクで駆動される。 車両の中低速域における旋回走行では、トルク配分比算
出部66におけるトルク配分比は内輪より外輪側が大きく
決定される。これに基づいて例えば中低速域の左旋回で
は、左側油圧クラッチ4Lに対応したデューティ信号はデ
ューティ比が小さく、デューティソレノイド弁74Lによ
る信号油圧は大きく定められてクラッチ油圧は小さくな
る。同時に右側油圧クラッチ4Rに対応したデューティ信
号はデューティ比が大きくなって、デューティソレノイ
ド弁74Rによる信号油圧は小さく定められてクラッチ油
圧は大きくなる。すなわち左右の油圧クラッチ4L,4
Rは、トルク配分比に応じて左側のものが小さく、右側
のものが大きいクラッチ油圧に制御される。そこで、右
側の後輪8Rは充分な伝達トルクで駆動されると共に、左
側の後輪8Lは右側より小さい伝達トルクで駆動される。
そしてこのことは、左側油圧クラッチ4Lが所定の滑りを
許容することを意味し、左側後輪8Lは、右側後輪8Rより
若干低速回転して内外輪の回転差を吸収し、円滑な旋回
走行を可能とする。 また特に、旋回内側の左後輪8Lの駆動トルクが小さく、
旋回外側の右後輪8Rの駆動トルクが大きいことから、内
外輪の駆動トルクの差に基づいて車両は車両重心G廻り
に左向きのヨーイングモーメントを生じる(第3図参
照)。これは前輪9L,9Rが受けるコーナリングフォース
に基づく車両重心G廻りのヨーイングモーメントと同方
向であるから、旋回性能が向上する。なお右旋回の場合
も、左右対称的に全く同様に作用する。 つぎに車両の高速域における旋回走行では、トルク配分
比算出部66におけるトルク配分比が、前述の中低速域の
場合と正反対に外輪より内輪側が大きく決定される。従
ってこの場合は、前述と逆に左後輪8Lが充分な伝達トル
クで駆動され、右後輪8Rは左側より小さい伝達トルクで
駆動される。 そしてこの高速域における旋回走行では、旋回内側の左
後輪8Lの駆動トルクが大きく、旋回外側の右後輪8Rの駆
動トルクが小さいことから、内外輪の駆動トルクの差に
基づいて車両は、重心G廻りに右向きのヨーイングモー
メントを生じる(第4図参照)。これは前輪9L,9Rが受
けるコーナリングフォースに基づく車両重心G廻りのヨ
ーイングモーメントと逆方向であり、これを多少打消す
方向に作用するから、旋回走行の安定性が向上する。な
お右旋回の場合も、全く同様に作用する。 以上FR車を例に本発明を説明したが、本発明は4WD車,
リヤエンジン・リヤドライブ車など、後輪を駆動するも
のであれば適用できる。
する。 第1図において、符号1は、FR車において図示省略した
プロペラシャフトを介してミッション装置からの動力が
伝達されるピニオン軸であり、ギヤケース2に回転自在
に支持され、端部のピニオン11をギヤケース2内に臨ま
せている。このギヤケース2には車両左右方向に向く後
輪駆動軸3が回転自在に支持され、これと一体に組付け
たクラウンギヤ31が前記ピニオン11に噛合うことで終減
速機30が構成されている。 そして後輪駆動軸3のギヤケース2から突出した左右両
端部には、左側油圧クラッチ4Lを介して左側駆動軸5
Lが、また右側油圧クラッチ4Rを介して右側駆動軸5Rが
それぞれ伝動可能に連結されて、後輪8L,8R(第3図,
第4図参照)を各別に駆動するようになっている。 ここで油圧クラッチ4L,4Rは、油圧に応じて伝達トルク
容量が可変のものであり、後述の制御系6の信号で制御
される油圧回路7を備える。そこでこの油圧回路7の構
成を一方の油圧クラッチ4L側を代表して説明すると、こ
れはオイルポンプ71,調圧弁72,クラッチ油圧制御弁73,
デューティソレノイド弁74を有し、油圧クラッチ4Lは、
油路75によりクラッチ油圧制御弁73を介してオイルポン
プ71に接続する。 上記クラッチ油圧制御弁73は、弁本体にオイルポンプ71
側に通ずるポート73aと、油圧クラッチ4L側へ通ずるポ
ート73bと、ドレンポート73cとを備えたスプール弁であ
る。そしてスプール73dが、スプリング73eの付勢力に抗
してポート73b側の油圧と信号油圧室73f内の信号油圧と
の加算圧力で平衡することで、ポート73aおよびドレン
ポート73cを両方閉塞してクラッチ油圧を一定に保つと
共に、信号油圧の上昇でドレンポート73cを開いてクラ
ッチ油圧を低下させ、信号油圧の下降でポート73aを開
いてクラッチ油圧を上昇させるようになっている。 また調圧弁72は、前記クラッチ油圧制御弁73の信号油圧
室73fに油路76を介して連通する油圧室72aを有する弁本
体に、油路75を介してオイルポンプ71に連通するポート
72bと、油路76に連通するポート72cと、ドレンポート72
dとを備えたスプール弁であり、スプール72eが、スプリ
ング72fの付勢力に抗して油圧室72a内の油圧力により平
衡することでポート72b,72dが閉じ、油圧室72a内の圧力
上昇でドレンポート72dを開き、圧力低下でポート72bを
開き、ポート72cすなわち油路76に常に一定の油圧を取
出すようになっている。このような一定油圧が油路76を
介して供給される前記クラッチ油圧制御弁73の信号油圧
室73f内に信号油圧を生成するのが、デューティソレノ
イド弁74Lであり、後述するデューティ信号に応じて信
号油圧室73f内の油圧を排圧する。 油圧クラッチ4R側でも全く同様に油圧回路構成され、デ
ューティソレノイド弁74Rでクラッチ油圧を制御するよ
うになっている。 ここで制御信号としてデューティ信号を発生する制御系
6について説明すると、車速を検出する車速センサ61,
旋回走行およびその方向を検出する舵角センサ62,変速
機出力側から後輪への入力トルクを検出する入力トルク
センサ60,これらのセンサ出力を入力信号として所定の
デューティ信号を発生する制御ユニット63を備えてな
る。この制御ユニット63は、車速センサ61の出力に応
じ、車速を判別する車速判別部64と、舵角センサ62の出
力に応じて車両の直進,右旋回,左旋回の量を判別する
旋回量および方向判別部65と、両判別部64,65の出力に
応じて左右の油圧クラッチ4L,4Rへのトルク配分比を決
定するトルク配分比算出部66と、このトルク配分比算出
部66の出力および入力トルクセンサ60の入力トルクに基
づいて左右の油圧クラッチ4L,4Rへのクラッチ油圧を算
出するクラッチ油圧算出部67と、このクラッチ油圧算出
部67の出力に応じてデューティ比を設定する2つのデュ
ーティ比設定部68L,68Rとを備える。そしてトルク配分
比算出部66が、車両の直進状態では左右の油圧クラッチ
4L,4Rを介する後輪8L,8Rへのトルク配分比が同一であ
り、中低速域における車両の旋回時には、旋回の内側と
なる内輪より外輪側のトルク配分が大きく、逆に高速域
における旋回時には、外輪側より内輪側のトルク配分が
大きくなるよう設定してある。 またクラッチ油圧算出部67での左右の油圧クラッチ4L,4
Rの油圧算出について説明すると、入力トルクTOは、第
5図(a)のようにシフト位置とエンジン吸入管負圧の
関係で変化し、油圧クラッチの伝達トルク容量と油圧
は、第5図(b)のように増加関数である。そこでトル
ク配分比算出部66での左右のトルク配分比TL,TRが、TL
=TRの直進の場合は、左右のクラッチ油圧PL,PRを共に
最大に定め、伝達トルク容量CL,CRも最大にして、いか
なる入力トルクでも滑りを生じることなく2分割して左
右後輪に伝達する。一方、TL>TRの配分状態の場合は、
TL側ではそのクラッチ油圧PLと共に伝達トルク容量CLを
最大に定め、入力トルクTOのTL/(TR+TL)分を滑りを
生じることなく伝達する。これに対しTR側では、このと
きの入力トルクTOとTL,TRにより、伝達トルク容量CRを
次式により算出する。 CR=TO×{TR/(TL+TR)} そして、この伝達トルク容量CRに応じたクラッチ油圧PR
を定める。そして、入力トルクTOのTR/(TL+TR)分だ
け伝達するように駆動トルクを減じ、かつ滑りを許すよ
うになっている。 以上の構成では、制御系6により車速と旋回の走行状態
に応じて左右の後輪8L,8Rの駆動トルクが各別に制御さ
れる。 車両の直進状態では、トルク配分比算出部66による左右
の油圧クラッチ4L,4Rへのトルク配分比は同一であり、
左右の油圧クラッチ4L,4Rは同一油圧に制御されて左右
の後輪8L,8Rは同一トルクで駆動される。 車両の中低速域における旋回走行では、トルク配分比算
出部66におけるトルク配分比は内輪より外輪側が大きく
決定される。これに基づいて例えば中低速域の左旋回で
は、左側油圧クラッチ4Lに対応したデューティ信号はデ
ューティ比が小さく、デューティソレノイド弁74Lによ
る信号油圧は大きく定められてクラッチ油圧は小さくな
る。同時に右側油圧クラッチ4Rに対応したデューティ信
号はデューティ比が大きくなって、デューティソレノイ
ド弁74Rによる信号油圧は小さく定められてクラッチ油
圧は大きくなる。すなわち左右の油圧クラッチ4L,4
Rは、トルク配分比に応じて左側のものが小さく、右側
のものが大きいクラッチ油圧に制御される。そこで、右
側の後輪8Rは充分な伝達トルクで駆動されると共に、左
側の後輪8Lは右側より小さい伝達トルクで駆動される。
そしてこのことは、左側油圧クラッチ4Lが所定の滑りを
許容することを意味し、左側後輪8Lは、右側後輪8Rより
若干低速回転して内外輪の回転差を吸収し、円滑な旋回
走行を可能とする。 また特に、旋回内側の左後輪8Lの駆動トルクが小さく、
旋回外側の右後輪8Rの駆動トルクが大きいことから、内
外輪の駆動トルクの差に基づいて車両は車両重心G廻り
に左向きのヨーイングモーメントを生じる(第3図参
照)。これは前輪9L,9Rが受けるコーナリングフォース
に基づく車両重心G廻りのヨーイングモーメントと同方
向であるから、旋回性能が向上する。なお右旋回の場合
も、左右対称的に全く同様に作用する。 つぎに車両の高速域における旋回走行では、トルク配分
比算出部66におけるトルク配分比が、前述の中低速域の
場合と正反対に外輪より内輪側が大きく決定される。従
ってこの場合は、前述と逆に左後輪8Lが充分な伝達トル
クで駆動され、右後輪8Rは左側より小さい伝達トルクで
駆動される。 そしてこの高速域における旋回走行では、旋回内側の左
後輪8Lの駆動トルクが大きく、旋回外側の右後輪8Rの駆
動トルクが小さいことから、内外輪の駆動トルクの差に
基づいて車両は、重心G廻りに右向きのヨーイングモー
メントを生じる(第4図参照)。これは前輪9L,9Rが受
けるコーナリングフォースに基づく車両重心G廻りのヨ
ーイングモーメントと逆方向であり、これを多少打消す
方向に作用するから、旋回走行の安定性が向上する。な
お右旋回の場合も、全く同様に作用する。 以上FR車を例に本発明を説明したが、本発明は4WD車,
リヤエンジン・リヤドライブ車など、後輪を駆動するも
のであれば適用できる。
以上述べてきたように、本発明によれば、 一般走行時は、滑りを許す油圧クラッチの本来の性質に
より、後輪の内外輪の回転差を吸収してスムーズな旋回
を可能とし、高速走行時は、左右後輪のトルク配分で、
車両重心廻りに前輪のコーナリングフォースによるヨー
イングモーメントと逆方向のヨーイングモーメントを生
じて車両のバランスを促すので、高速旋回時の安定性が
向上する。
より、後輪の内外輪の回転差を吸収してスムーズな旋回
を可能とし、高速走行時は、左右後輪のトルク配分で、
車両重心廻りに前輪のコーナリングフォースによるヨー
イングモーメントと逆方向のヨーイングモーメントを生
じて車両のバランスを促すので、高速旋回時の安定性が
向上する。
第1図は本発明の一実施例を示す構成図、第2図は制御
系のブロック図、第3図は車両の中低速旋回走行時の作
用説明図、第4図は車両の高速旋回走行時の作用説明
図、第5図(a)は入力トルク特性を示す図,第5図
(b)はクラッチ特性を示す図である。 4L……左側油圧クラッチ、4R……右側油圧クラッチ、5L
……左側駆動軸、5R……右側駆動軸、7……油圧回路、
30……終減速機、60……入力トルクセンサ、61……車速
センサ、62……舵角センサ、63……制御ユニット、66…
…トルク配分比算出部、67……クラッチ油圧算出部。
系のブロック図、第3図は車両の中低速旋回走行時の作
用説明図、第4図は車両の高速旋回走行時の作用説明
図、第5図(a)は入力トルク特性を示す図,第5図
(b)はクラッチ特性を示す図である。 4L……左側油圧クラッチ、4R……右側油圧クラッチ、5L
……左側駆動軸、5R……右側駆動軸、7……油圧回路、
30……終減速機、60……入力トルクセンサ、61……車速
センサ、62……舵角センサ、63……制御ユニット、66…
…トルク配分比算出部、67……クラッチ油圧算出部。
Claims (1)
- 【請求項1】終減速機から伝達トルク容量可変の左右の
油圧クラッチを介して、左右の後輪駆動軸へそれぞれ伝
動構成し、 車速,旋回量および方向,入力トルクの要素により、左
右の油圧クラッチの伝達トルク容量を各別に設定するよ
うに油圧回路構成し、 車両旋回時の高速域では、外輪より内輪の駆動トルクが
大きくなるトルク配分にすべく、左右の油圧クラッチを
トルク制御する車両の後輪駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11228686A JPH078614B2 (ja) | 1986-05-16 | 1986-05-16 | 車両の後輪駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11228686A JPH078614B2 (ja) | 1986-05-16 | 1986-05-16 | 車両の後輪駆動装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60234226A Division JPS6294421A (ja) | 1985-10-18 | 1985-10-18 | 車両の後輪駆動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6294423A JPS6294423A (ja) | 1987-04-30 |
JPH078614B2 true JPH078614B2 (ja) | 1995-02-01 |
Family
ID=14582890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11228686A Expired - Lifetime JPH078614B2 (ja) | 1986-05-16 | 1986-05-16 | 車両の後輪駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH078614B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4604596B2 (ja) * | 2004-07-30 | 2011-01-05 | 株式会社ジェイテクト | 差動装置 |
CN110040083B (zh) * | 2018-01-16 | 2021-03-26 | 宝沃汽车(中国)有限公司 | 离合器油的状态检测方法、装置、云端服务器及车辆 |
-
1986
- 1986-05-16 JP JP11228686A patent/JPH078614B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS6294423A (ja) | 1987-04-30 |
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