JPH06235168A - 超異型仮撚加工糸織編物 - Google Patents

超異型仮撚加工糸織編物

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JPH06235168A
JPH06235168A JP5045763A JP4576393A JPH06235168A JP H06235168 A JPH06235168 A JP H06235168A JP 5045763 A JP5045763 A JP 5045763A JP 4576393 A JP4576393 A JP 4576393A JP H06235168 A JPH06235168 A JP H06235168A
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JP
Japan
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yarn
woven
false
knit fabric
feeling
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Application number
JP5045763A
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English (en)
Inventor
Tadahito Onodera
忠人 小野寺
Ryoji Nakamura
良司 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 合成繊維織編物に軽量化、涼感又は保温性並
びに発色性、光沢性、接着性向上等の機能を付与して織
編物の快適性と実用性を向上せしめる。 【構成】 合成繊維マルチフイラメント仮撚加工糸の少
なくとも一部に糸異型度1.2 〜5.0 で、かつ長さ方向に
連続した3個以上、12個以下の溝を有する織編物で、該
織編物をアルカリによる溶出処理を施してなる超異型仮
撚加工糸織編物。 【効果】 清涼感を有するタツチ、吸水、吸湿性に富
み、ウオ−ム感、光沢感に富み、バルキ−でストレツチ
性があり、色調に深みがあり、樹脂剤との接着性良好、
コ−テイング、ラミネ−ト膜を通して水分の早期拡散が
大である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスポ−ツ、カジユアル、
ユニフオ−ム、インナ−、ソツクス等に好適な吸水性、
涼感、保温性及びストレツチ性に優れ、軽量で着用感に
優れた嵩高合成繊維マルチフイラメント糸で構成された
超異型仮撚加工糸の織編物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、嵩高ソフト、ストレツチ性のある
合成繊維としてナイロン、ポリエステルフイラメントの
仮撚加工糸があり、スホ−ツ用ニツトを始め、ユニホ−
ム、パンツ、ジヤケツト、ソツクス等の広範囲の用途に
使用されている。しかしながらこれらの用途は耐光性、
ウオシユアンドウエア性、紫外線非透過性などの素材の
有する機能性と捲縮特性とを生かすという従来から殆ど
変らない素材の用いられかたであり、素材自身の性能改
善はあまりされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】合成繊維の仮撚加工で
は得られた織編物の光沢が減少する。従つて光沢のある
吸水性嵩高織編物を得ることは困難である。こうような
状況に鑑み、本発明は従来の合成繊維織編物の有する機
能性と捲縮特性のほかに、更に織編物に軽量化、涼感又
は保温性並びに発色性、光沢、接着性向上等の機能を付
加して、織編物の快適性と実用性とをより向上せしめる
ことを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は少なくと
も一部分に糸異型度1.2 〜5.0 であり、かつ長さ方向に
3個以上、12個以下の連続した溝を有する合成繊維マル
チフイラメント仮撚加工糸で織編され、該織編物はアル
カリによる溶出処理が施されてなることを特徴とする超
異型仮撚加工糸織編物であり、その第2は100 〜1500t/
m の実撚を有し、かつ捲縮を有する請求項1記載の仮撚
加工糸で構成され、糸又は織編物はアルカリ溶出処理が
施されてなることを特徴とする超異型仮撚加工糸織編物
に関するものである。
【0005】本発明における長さ方向の溝とは〔図1〕
に示す糸の断面形状におけるA部に相当する。該溝は1
フイラメント当り3個以上、12個以下存在することが必
要である。かつ該溝は1フイラメントの長さ方向に独立
して連続して存在するが、〔図5〕の5−(1),5−(2)
に示すように不連続で隣接する箇所があつても差支えな
い。また溝部表層形状は完全な切れ目がなくてもよく、
〔図5〕の5−(3) のように部分的に線状、または切れ
目のない箇所があつても差支えない。長さ方向の溝が3
個未満では布帛のヌメリ感が改善されず、また12個を超
過すると隣接する溝と溝との間の距離が少なくなり、溝
の深さが浅くなり、織編物の手に当る感じが弱く、溝の
個数の割には吸水性、風合いが改善されない。
【0006】本発明の糸の断面形状は〔図1〕の1−
(1),1−(2),1−(3),1−(4),1−(5),1−(6),1−
(7) に示されるように丸、楕円、四角、三角等又はそれ
らの変形断面に溝が設けられたものであり、かつ溝の形
状は〔図2〕の2−(1),2−(2)に示されるように丸味
を帯びていても又はくさび形でもよく、本発明の溝の形
状には特に制約はない。糸の異型度〔長径(Dα) /短径
(dα)〕(〔図3〕参照)は1.2 〜4.0 、好ましくは1.
4 〜3.0 であることが必要である。 Dα/dα<1.2では
溝による凹凸効果が弱く、ドライ感が得られ難い。また
Dα/dα>4.0 では生地のしなやかさは向上するが膨ら
みが減少し、フラツトになり、かつ糸の強度が減少する
傾向にある。更に溝が深くなり、アルカリによる溶出が
不充分になるため好ましくない。単糸デニ−ル(d/f) は
生地の風合い面から(0.6 〜6)d/fであることが必要
であり、好ましくは(0.7 〜5)d/f である。d/f が6
を超過すると硬風合いになり、また0.5 未満では可紡性
が悪く、更に糸の凹凸差が僅少となり、ドライ感が得ら
れ難い。フイラメント数は10〜150 本程度、ヤ−ンデニ
−ルは30〜250d程度が一般的に採用可能である。
【0007】本発明の合成繊維マルチフイラメント糸は
仮撚加工糸からなり、実質的には無撚か又は100 〜1500
t/m の実撚を有することが必要である。この実撚はマル
チフイラメント糸が高捲縮で高ストレツチ性及び回復性
の特性を得るために必要であり、仮撚加工糸の実撚が10
0t/m未満では上記の特性が満足に得られないし、また15
00t/m を超過すると、糸のトルクが強過ぎるためコイル
ヤ−ン状となり捲縮が生じない。好適には200 〜1200t/
m である。マルチフイラメント糸は仮撚後施撚してもよ
い。その場合はシボ感が強調できる利点がある。高捲縮
のみでよい場合には無撚糸の仮撚で充分である。構成糸
が仮撚加工糸であるか否かはマルチフイラメント糸に捲
縮及び/又は撚角又は捩れの有無により容易に判別可能
である。
【0008】またこれら本発明の織編物は次のようにし
て得られる。即ちアルカリ溶出後糸の異型度1.2 〜5.0
で、かつ長さ方向に3個以上の連続した溝を形成するマ
ルチフイラメントであり、アルカリ溶出成分を10〜50重
量%を含む熱可塑性合成複合マルチフイラメント糸を使
用し、実質的に無撚又は撚係数700 〜5700の撚りを施し
た後、仮撚加工を施し、ついで少なくとも一部に該複合
マルチフイラメントの仮撚加工糸を使用して織編物とし
た後、アルカリ溶出処理をする。また仮撚後、施撚し織
編物としてもよい。更には該無撚又は実撚を有する複合
仮撚加工糸をアルカリ溶出処理した後、織編物にしても
よい。
【0009】熱可塑性複合マルチフイラメント糸は溶出
成分を10〜50重量%含んでいる。溶出成分はポリエチレ
ンテレフタレ−ト(PET)又は10モル%以下のポリエ
チレングリコ−ル(PEG)又は20モル%以下のイソフ
タ−ル酸、10モル%以下のスルホン酸等を含む変性PE
Tからなつている易溶出性である変性PETが好適であ
る。
【0010】本発明における非溶出成分はPET又はス
ルホン酸1モル%以下のポリエステル(PE)又は6ナ
イロン、66ナイロンとする。複合マルチフイラメント糸
の溶出成分比は10〜50重量%であり、好適には10〜50重
量%である。10重量%以下では溶出後の凹凸差が少な
く、涼感が弱く、50重量%以上では溶出糸の溝が深く、
糸が圧縮されて扁平になり易く、織編物が目寄れし易く
なる。非溶出成分が変性PETの場合、アルカリ溶出処
理で表層部が必然的に減量加工されるため溶出成分比は
少なくとも10〜40重量%が好適である。非溶出成分がP
ET系の場合耐アルカリ減量性及び耐仮撚温度性からP
ET又はスルホン酸1モル%以下の変性PETとする。
【0011】織編物には上記複合マルチフイラメント糸
を無撚又は撚係数T〔T=デニ−ル・√撚数(t/m) 〕を
700 〜5700の範囲の施撚糸として仮撚加工し、この複合
マルチフイラメント仮撚加工糸を少なくとも一部に使用
し、ついで織編物をアルカリ溶出処理し、複合マルチフ
イラメント仮撚加工糸に溝を形成させる。仮撚方法はス
ピンドル方式、フリクシヨン方式、クロスベルト方式、
エアスピンドル方式等が適しているが、捲縮堅牢性から
すれば上記スピンドル方式が好適である。仮撚温度は複
合マルツフイラメント糸の組成によつて異なるが、PE
T、66ナイロンの組合せでは230 ℃以下、他の組成では
200 ℃以下、 好ましくは180 ℃以下である。それぞれの
低融点組成物の融点を超えると融着を起こし、仮撚の操
業性を悪化させるため好ましくない。仮撚数は通常40〜
300dの糸では4200〜2200t/m の範囲が好ましく、目的と
する捲縮、光沢等から仮撚温度との兼合いで適宜設定す
ればよい。施撚糸の仮撚の場合も上記無撚糸の仮撚と実
撚数の分だけ減らす以外は基本的には同一でよい。40〜
300dの糸では3900〜2000t/m の範囲でよい。但し仮撚の
方向は実撚方向と同一とする。この場合の施撚数は40〜
300dの複合マルチフイラメント糸では1500〜100t/mの範
囲である。また仮撚の糸速度は80〜150m/ 分程度であ
る。
【0012】複合マルチフイラメント仮撚加工糸の捲縮
特性は、特に制約はないが、CCは30%以上、EPは10
%以上が好ましい。ここにCC及びEP並びにその測定
方法は下記のヘバ−ライン法による。但し、浸漬はボイ
ル条件とする。 Heberlein法 0.1g/dの張力で枠周1m×8回=16本束を1試料より5
個作成する。このかせを無緊張状態で60〜70℃の蒸留水
中に10min 間浸漬し、次いで脱水後乾燥(70℃×30min
間)する。次のステツプとして湿潤剤(界面活性剤)2g
/lを含む60℃の水に30sec 間浸漬する。その後0.2g/dの
荷重をかけ、かせを真直ぐにする。1min後に長さを測
定しAとする。荷重を除去し、無緊張状態で乾燥(60℃
×30min 間)する。乾燥後、20℃、65%RHの室内で60
min 間自然放置し、0.002g/dの荷重をかけ、1min 後の
長さBを測定する。次いで0.02g/d の荷重下で1min 後
の長さCを測定する。最後に次式により計算する。
【0013】織編物は複合マルチフイラメント仮撚加工
糸を単独又はスパンデツクス、ナイロン、ポリエステル
フイラメント糸、レ−ヨン、アセテ−ト又は天然繊維等
と交編織してもよい。ついでオ−プンソ−パ−、ウイン
ス、液流染色機等で精練、捲縮発現の処理を行い、その
後下記の条件でアルカリ溶出処理を行う。
【0014】アルカリ溶出処理条件 NaOH 10〜100g/l 加水分解促進剤を併用してもよい。 60〜100 ℃,30′〜 80 ′ 拡布状(ジツガ−、パツドドライ、吊り等の方式) 揉布状(ワツシヤ−、ウインス、液染色機等を使用)で
処理する。精練、捲縮発現と同時に溶出処理を行つても
よい。また織編物とする前に、複合マルチフイラメント
仮撚加工糸をアルカリ溶出処理をして、糸染めしてもよ
い。この場合溶出処理はマフ形状、チ−ズ形状、綛形状
とし、織編物の溶出処理条件と同一で行う。染色は糸の
組成に見合う条件でアルカリ溶出処理時と同一形状で行
えばよい、織編物とした後、精練、仕上げ又は他の交織
編繊維を染色し、仕上げをする。
【0015】
【作用】本発明の要部はアルカリ溶出成分を含む複合マ
ルチフイラメントを仮撚加工糸とし、該アルカリ溶出成
分を溶出せしめることによつて糸の長さ方向に連続した
3個以上、12個以下のシヤ−プな溝を形成させ、更に仮
撚及び実撚によつて非溶出糸表面に捩れ又は撚角度を付
与し、かつバルキ−性を付与することによつて肌に触れ
る接触面積及び接触個所の数を減少せしめる。そのため
本発明は以下の(イ) 〜(ト) の作用とその作用に基づく効
果とを生ずる。
【0016】(イ) シヤ−プな溝形成による作用 本発明はアルカリ溶出成分を含む複合マルチフイラメン
ト糸を使用し、仮撚するためアルカリ溶出成分部分の形
成が原形を大きく損なうことなく、かつ仮撚後アルカリ
溶出成分が溶出するため溶出面積を大きくすることが可
能で、深くかつシヤ−プな溝形状が容易に得られる。ア
ルカリ溶出部分が未仮撚糸よりも脆化が進んでいるため
加水分解し易いこともアルカリ溶出に寄与している。通
常同一成分のみの紡糸では、本発明程にシヤ−プで複雑
な形状は得られない。例えば中空糸の如く、異型糸で仮
撚しても、形状が大きく変形するため中空糸としての原
形を留めることができず、染色状態も不良となる。かつ
バルキ−になつても期待する吸水性、微細捲縮及び空気
保持層形成による保温性が得られない。その上、中空糸
は可紡性が悪く、1d/f 以下の均質な中空糸の製造は極
めて困難である。そのため微細捲縮糸は著しく得難い。
〔図6〕に例示するようなスリツト型中空溶出タイプの
複合マルチフイラメント糸では溶出後の断面が不均整で
あり、長さ方向に濃淡の筋状を有する織物の品位になる
傾向が強い。かつ一ケ所の凹部のみが風合いに寄与する
のみであり、これに対して本発明品は長さ方向に3〜12
個の溝を有するため品質、風合い的に優れている。
【0017】(ロ) 涼感上昇の作用 糸の長さ方向にシヤ−プな複雑な3個以上の連続した溝
があり、仮撚による非溶出糸表面に捩れ又は実撚による
撚角度があり、更に捲縮のために肌に触れる接触面積及
び個所が著しく減少する。その上シヤ−プで微細な多数
の溝を通して水分を素早く吸上げる作用によつて涼感が
上昇する。
【0018】(ハ) 保温性上昇の作用 バルキ−な織編地が溶出処理後もほぼ同程度のバルキ−
性を維持するため、織編物生地の空気層が増加し、かつ
微細でシヤ−プな溝部に空気が保持されているため保温
性が著しく大である。保温性は単なる合成マルチフイラ
メント糸では得られず、仮撚加工糸にすることによつて
始めてその効果を奏する。更に単糸デニ−ルを細くして
微細捲縮糸とすることによつて更に保温性を増進せしめ
ることが可能である。
【0019】(ニ) 軽量で目寄れし難い作用 通常ポリエステルフイラメント糸の減量加工では糸の表
層部がほぼ均一に減量されるため糸の半径が小さくな
る。ポリエステル/ナイロンの海島複合糸では海部分の
み糸が細くなり、減量率が上昇するほど組織拘束力が弱
くなつて生地は目寄れし易くなるが、本発明では非円形
断面形状の鋭角部に溶出成分が配された形状以外に於て
はアルカリ溶出処理によつても溝形成部以外はほぼ原形
を保つことができる。そのため溶出除去面積の多い割に
は糸の半径はそれ程減少していない。そのため生地は目
寄れし難い。しかも溶出除去面積部分だけ軽量化される
ことになる。またその分だけ空気保持層が増加し保温効
果を高める効果がある。なお捲縮糸であるため、未捲縮
糸よりも外力に対して圧縮抵抗力が大であり変形し難い
利点もある。
【0020】(ホ) 織編物の光沢上昇作用 仮撚温度及び撚数を加減することによつて、捲縮を与え
ながら光沢を維持することができ、かつシヤ−プな溝形
成が容易であるため光沢、バルキ−性、吸湿性及び涼感
性に富む織編物が得られる。これに反して一成分紡糸の
中空糸では仮撚条件を加減しても物理的に変形しやすい
ため原形の維持が著しく困難である。
【0021】(ヘ) 深み上昇作用 シヤ−プな溝、捩れ、撚り角度等により乱反射効果が大
で色調は深みを増すようになつた。
【0022】(ト) 付帯加工による耐久性上昇の作用 溝部に加工剤が保持されるため脱落し難く、加工の耐久
性が上昇する。
【0023】次に本発明を実施例によつて説明する。
【実施例1】 溶出成分としてポリエチレングリコ−ル(PEG) 8モル% と スルホン酸 3モル% とを混合した テレフタレ−ト(PET)(A) 重量比33% 非溶出成分(PET)、TiO2 0.03 重量%を含む(B) 〃 67% からなる100d,36 フイラメントのマルチフイラメント糸
〔 Dα/dα=2:4、8個の潜在溝を有す。(図1)〕
を使用して下記条件で仮撚加工を施した。
【0024】 仮撚機の機種 三菱重工業株式会社製 ST−6 スピンドル回転数 30万回/分 仮撚数 3000T/M 糸の速度 100m/分 仮撚温度 165℃ オ−バ−フイ−ド −6% 捲取り +4% 次いでチユ−ブ編として、NaOH,40g/l、100 ℃×40′、
浴比1:20でアルカリ溶出処理を行つた。
【0025】
【比較例1】PET75d,36フイラメント、TiO2, 0.03重
量%、糸の異型度(Dα/dα) =1.4の三角異型糸を使用
した。実施例1と同一条件で仮撚加工を施した糸を同一
のチユ−ブ編として同一のアルカリによる溶出処理を施
した。その結果、実施例1の場合は、糸は平均 Dα/dα
=2.4 の8個の連続した溝と凸部に捩れを有する形状を
示した。減量率36%、糸の太さは64d となつた。かつ編
地はソフトで腰があり、軽いキシミ感があり、サラツト
した涼感タツチと光沢があり、軽量であるが比較例1に
比較して地厚感がある。一方比較例1は約11%の減量率
が得られ、糸の太さは67d となつた。編地はソフトタツ
チでシルキ−でありヌメリ感があり、バルキ−性に欠
け、実施例1に比較して地薄感がある。更にこれら両編
地端末を水没させ、40″後の吸水高さを比較した〔図
4〕。その結果実施例1は吸水高さ143mm 、比較例1は
28mmで、実施例1は比較例1の5.1 倍の吸水高さを示
し、吸水性の良好なことがわかる。本発明はバルキ−で
光沢があり、かつドライタツチ、吸水性に富み、軽量で
快適性能を有することがわかつた、その織編物はトレ−
ナ−、競技ウエア、テニスウエア、アスレツクウエア、
野球ユニホ−ム等に好適な性能を備えている。
【0026】
【実施例2】 溶出成分 PEG 8モル% と スルホン酸 3モル% とをブレンドしたPET 40重量% 非溶出成分 PET(TiO2, 0.4重量%含有) 60重量% からなる150d,30 フイラメントのマルチフイラメント糸
を製造した。〔 Dα/dα=2.0 、8個の潜在溝を有す
〔図2〕2−(1),2−(2) 。この糸にZ撚350t/m施撚
し、実施例1と同様に三菱重工業株式会社製仮撚機ST
−6を使用して仮撚加工を施した。 スビンドル回転数 30万回/分 仮撚数 2750t/m(Z加撚方法) 糸の速度 109m/分 仮撚温度 175℃ その他は実施例1と同様である。
【0027】
【比較例2】PET150d,30 フイラメント(TiO2, 0.4
重量%含有) Dα/dα=1の丸断面糸を使用し、実施例
2と同一の施撚及び仮撚を施した。仮撚糸は何れも長さ
方向にある実撚のある集約部とバルキ−な捲縮部の混在
した嵩高加工糸となつた。これらの仮撚糸を各々経緯に
用い、生機密度が経102 本/吋、緯78本/吋の平織とし
た。ついで液流染色機でノニオン活性剤2g/l 添加、10
0 ℃、30′、浴比1:10で精練捲縮発現の処理を行い、
170 ℃、30″の中間セツトを行い経 122本/吋、緯90本
/吋とした。ついでアルカリ溶出処理を液流染色機を使
用してNaOH30g/l 、100 ℃、40′の条件で行つた。脱水
乾燥後それぞれ下記〔表1〕の生地を得た。
【0028】
【表1】 上記〔表1〕の結果より実施例2は溶出除去面積が多い
にもかかわらず地厚感は比較例2と大差がなく、軽量で
あり、かつ目寄れしない。生地のストレツチ性は下記
〔表2〕のようになつた。
【0029】
【表2】 上記〔表2〕の実施例2及び比較例2の生地のストレツ
チ性の差は溶出処理時の生地の収縮率の大きさによるも
のである。風合いは比較例2が硬く、ザラツキ感が強い
が実施例2ではシヤリ感があるがソフトで、腰とドレ−
プ性とがあるため肌に優しい涼感タツチがある。そのた
めゴルフ、カジユアル、パンツ、ジヤケツト又はユニホ
−ムに好適に使用される。
【0030】
【実施例3】実施例2と同一の仮撚糸を経糸に使用し緯
糸に綿糸、50′Sを同一密度で平織に織成し、同一条件
で精練、リラツクス、中間セツト、アルカリ溶出処理を
行つた。得られた生地はストレツチと地厚感があり、肌
触りがよく、ソフトで涼感に富む布帛が得られた。ブラ
ウス、ジヤケツト、スカ−ト、ブルゾン、アスレチツク
トレ−ナ−、ユニホ−ム、パンツ等に使用して好適であ
る。
【0031】
【実施例4】複合マルチフイラメント糸37d 、36フイラ
メントで 溶出成分 PEG 8モル% と スルホン酸 2モル% とをブレンドしたPET 30重量% 非溶出成分 6ナイロン 70重量% この複合マルチフイラメントイト糸の Dα/dα=2.5 で
あり、4個の潜在溝を有す。〔図1〕1−(2) 。4本合
糸し、148d,144フイラメントとして仮撚加工した。仮撚
条件は実施例1と同様に三菱重工業株式会社製仮撚機S
T6を使用し、 スビンドル回転数 30万回/分 仮撚数 3000t/m 糸の速度 96m/分 仮撚温度 170℃ オ−バ−フイ−ド −7% 捲取り +4% 比較例3として6ナイロン100d,144フイラメントを使用
した。この場合の Dα/dα=1.0 の丸断面糸である。比
較例4として6ナイロン100d,30 フイラメント。中空率
30%の中空糸(実デニ−ル70d )。を使用して実施例4
と同一条件で仮撚加工をした。上記実施例4、比較例
3、比較例4をチユ−ブ編とし、実施例4のみNaOH40g/
l,100 ℃,40 ′アルカリの溶出処理を施した。比較例3
及び4を非イオン界面活性剤(第一工業株式会社製ノイ
ゲンHC使用)2g/l,100 ℃,20 ′の精練リラツクス処
理を施した。
【0032】上記3点をパドル染色機を使用し、同浴で
染色した。 染色条件 染料 Milling Sky Blue FSE 25%(O.W.
F.) (三井東圧製染料) 助剤 酢酸 2% 浴比 1:30,100℃,40′ その結果比較例3は捲縮が弱く、腰がない。シルキ−で
しつとりとしたヌメリ感のある感触である。また比較例
4は捲縮があり、ドライタツチだが濃淡が発生し、断面
は仮撚で変形して亀裂が生じた。中空になつておらず、
その歪み部は染着性に差が生じ、品位を著しく低下させ
ている。相も荒く、更にウオ−ム感は殆ど感じられな
い。
【0033】上記に反して実施例4は比較例3よりもバ
ルキ−で腰があり、更に乾いたタツチとウオ−ム感があ
る。これは編地後、溶出処理を行うにも拘らず編地が処
理前に近い嵩高な形状を維持することができ、そのため
構成糸が空隙の多い、微細捲縮糸となり、かつ多数の微
細な溝部を有するため、空気を多量に保持し、ウオ−ム
感が得られた。実施例4の場合、比較例3や4に比較し
て、111 デニ−ル程度であるが溶出処理に近い地厚感を
有し、嵩高な形態保持性に優れている。
【0034】
【発明の効果】本発明の効果を纏めると下記の通りであ
る。本発明によつて得られた仮撚加工糸織編物は、 (1) 清涼感に富むタツチを有する。 (2) 吸水吸湿性に富んでいる。 (3) 細デニ−ル化でウオ−ム感がある。 (4) 光沢感に富んでいる。 (5) バルキ−でストレツチ性がある。 (6) 色調に深みがある。 (7) アンカ−効果で樹脂剤との接着性が良好である。 (8) コ−テイング、ラミネ−ト膜を通して水分の早期拡
散が大である。 (9) 抗菌剤、撥水、撥油剤等の保持性がよく耐久性が向
上する。 等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】の1−(1),1−(2),1−(3),1−(4),1−(5),
1−(6),1−(7) 本発明の溝(A) を有するマルチフイラメント単糸の各種
の断面形状を示すそれぞれの一実施例。
【図2】の2−(1),2−(2) 8個の溝を有する本発明のマルチフイラメント糸と溝形
状の異なつたマルチフイラメント糸の断面形状のそれぞ
れ一実施例。
【図3】本発明の糸の異形度(Dα/dα) の説明図。
【図4】布帛の吸水性の比較を示す実験装置。
【図5】5−(1),5−(2),5−(3) はそれぞれ溝部表層
形状の一実施例。
【図6】スリツト型中空溶出タイプの糸の一実施例の模
型図を示す。
【符号の説明】
A 溝部 B マルチフイラメント糸の本体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部に糸異型度1.2 〜5.0
    で、かつ長さ方向に3個以上12個以下の連続した溝を有
    する合成繊維マルチフイラメント仮撚加工糸で織編さ
    れ、該織編物はアルカリによる溶出処理が施されてなる
    ことを特徴とする超異型仮撚加工糸織編物。
  2. 【請求項2】 100 〜1500t/m の実撚を有し、かつ捲縮
    を有する請求項1記載の仮撚加工糸で構成され、糸又は
    織編物はアルカリ溶出処理が施されてなることを特徴と
    する超異型仮撚加工糸織編物。
JP5045763A 1993-02-10 1993-02-10 超異型仮撚加工糸織編物 Pending JPH06235168A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006322079A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Toray Ind Inc ポリアミド織編物およびその製造方法
WO2023228878A1 (ja) * 2022-05-27 2023-11-30 東レ株式会社 ポリアミド異形断面繊維、および芯鞘型複合糸からなる繊維

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