JP2003082543A - 複合仮撚糸およびその製造方法および通気性自己調節布帛 - Google Patents
複合仮撚糸およびその製造方法および通気性自己調節布帛Info
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Abstract
しながら通気性を自己調節することのできる布帛を得る
ための複合仮撚糸及びその製造方法、さらにはこの複合
仮撚糸を用いた通気性自己調節布帛。 【解決手段】 低伸度側フィラメント糸が芯部に位置
し、その周囲に高伸度側フィラメント糸が鞘状に捲回被
覆してなる複合仮撚糸において、該高伸度側フィラメン
ト糸がスルホネート基を含有する変性ポリエチレンテレ
フタレートとナイロンとがサイドバイサイド型に接合さ
れた複合繊維からなり、かつ下記(1)式及び(2)式
を同時に満足する複合仮撚糸。 (1)70≧(DA/(DA+DB))×100≧30 (2)280(%)≧SA−SB≧50(%)但し、DA
は高伸度側フィラメント糸の総繊度(dtex)、DB
は低伸度側フィラメント糸の総繊度(dtex)、SA
は高伸度側フィラメント糸の伸度(%)、SBは低伸度
側フィラメント糸の伸度(%)である。
Description
を自己感知し、通気性を変化させる機能を有する通気性
自己調節布帛を得るための複合仮撚糸およびその製造方
法に関するものであり、また、この複合仮撚糸を用いた
通気性自己調節布帛に関するものである。
途をはじめ、巾広く使用されている。しかるに、合成繊
維を用いた布帛は、一般に、周囲の湿度が変化しても通
気性や透湿性などの特性は変化しない。このため、かか
る布帛を着用して運動すると、発汗により衣服内の湿度
が高くなり、不快感が強くなるという問題があった。
いた布帛では、周囲の湿度が高くなると吸湿して、繊維
の捲縮形状が変化して粗くなり、嵩高性が自己調節され
るということが知られている。
に吸湿による捲縮自己調節機能を付与する試みが種々な
されている。例えば、特公昭63−44843号公報、
特公昭63−44844号公報は、変性ポリエチレンテ
レフタレートとナイロンとをサイドバイサイド型に貼り
合わせた複合繊維で、ナイロンの吸湿による伸び縮みを
利用して捲縮を変化させる方法を提案している。しかる
に、かかる方法は布団綿用として短繊維の嵩高性を変化
させるために開発されたものであり、下記の問題点を有
することが本発明者らの検討結果により判明した。即
ち、かかる複合繊維を全量用いて布帛となすと、確かに
湿度の変化を感知して該複合繊維の捲縮粗さは変化する
ものの、同時に布帛の寸法も大きく変化してしまい、衣
服に供することができないばかりか、湿度変化に対する
通気性の自己調節機能も充分には得られないことが分っ
た。
術の問題を解消するためになされたものであり、本発明
の目的は周囲の湿度変化を自己感知して、布帛の寸法を
実質的に維持しながら通気性を自己調節することのでき
る布帛を得るための複合仮撚糸およびその製造方法を提
供することであり、また、この仮撚複合糸を用いた通気
性自己調節布帛を提供することである。
題を達成するため鋭意検討した結果、湿度の変化に対し
て実質的に寸法変化しない繊維の周囲に、湿度を感知し
て捲縮率が変化する複合繊維を捲回被覆させ、該複合糸
を用いて布帛となすことにより、周囲の湿度変化の際、
布帛の寸法形状を実質的に維持したまま、前記複合繊維
の捲縮率自己調節作用により、通気性を自己調節する布
帛が得られることを知り、本発明を完成するに至った。
る2種以上のフィラメント糸からなり、低伸度側フィラ
メント糸が芯部に位置し、その周囲に高伸度側フィラメ
ント糸が鞘状に捲回被覆してなる複合仮撚糸において、
該高伸度側フィラメント糸が5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸成分が共重合されている変性ポリエチレンテレ
フタレートとナイロンとがサイドバイサイド型に接合さ
れた複合繊維からなり、かつ下記(1)式及び(2)式
を同時に満足することを特徴とする複合仮撚糸。およ
び、伸度の異なる2種以上のフィラメント糸を引き揃え
て仮撚加工を施すに際し、該高伸度側フィラメント糸に
はスルホネート基を含有する変性ポリエチレンテレフタ
レートとナイロンとがサイドバイサイド型に接合された
複合繊維を用い、低伸度側フィラメント糸には合成繊維
を用い、かつ90〜150℃の温度で仮撚加工を施すこ
とを特徴とする複合仮撚糸の製造方法。さらにはこの複
合仮撚糸を用いた通気性自己調節布帛。」が提供され
る。 (1)70≧(DA/(DA+DB))×100≧30 (2)280(%)≧SA−SB≧50(%) その際、前記のスルホネート基を含有する変性ポリエチ
レンテレフタレートが5−ナトリウムスルホイソフタル
酸成分(以下、5−ナトリウムスルホソフタル酸と称す
ることがある)を1〜7モル%共重合したものが好まし
く使用される。また、前記の低伸度側フィラメント糸と
して5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分が共重合さ
れている変性ポリエチレンテレフタレートが好ましく選
択される。さらに、複合仮撚糸に交絡点が20〜60ケ
/m存在するとより好ましい。
て詳細に説明する。図1には、本発明に係る複合仮撚糸
の側面形態の一例が示されている。
糸の通気性自己調節機能に寄与する鞘糸(高伸度側フィ
ラメント糸)、(B)は主として複合仮撚糸の寸法維持
性に寄与する芯糸(低伸度側フィラメント糸)である。
ここで、複合仮撚糸の形態としては、芯糸の周りを鞘糸
が交互撚糸状に捲きついた、芯鞘型2層構造をとってい
る。
度側フィラメント糸は、スルホネート基を含有する変性
ポリエチレンテレフタレートとナイロンがサイドバイサ
イド型に接合された複合繊維である。この両ポリマーは
複合繊維とした場合の接着性が極めて良好で、この両者
の組合せにより、湿度変化に対して可逆的で、捲縮率の
大きな変化が得られる。
リエチレンテレフタレートとはスルホン酸のアルカリま
たはアルカリ土類金属、ホスホニウム塩を有し、かつエ
ステル形成能を有する官能基を1個以上持つ化合物が共
重合されているポリエチレンテレフタレートである。ま
た、前記共重合成分として好ましい化合物として、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸及びそのエステル誘導
体、5−ホスホニウムイソフタル酸及びそのエステル誘
導体、p−ヒドロキシエトキシベンゼンスルホン酸ナト
リウム等があげられる。中でも、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸が好ましく用いられ、共重合量としては、
1〜7モル%(特に好ましくは1.5〜6.0モル%)
が好ましい。
ナイロン6もしくはナイロン66が好適であり、極限粘
度[η](25℃のO−クロロフェノール溶液で測定)
が1.0〜1.4のものが好ましく選択できる。これら
複合繊維を構成する両成分には必要に応じて艶消剤、着
色剤、帯電防止剤、熱安定剤等を添加することができ
る。
型に接合された複合繊維は、常法による染色加工処理に
よって、図3(イ)に示すようにナイロン成分が捲縮の
外側に位置し、変性ポリエチレンテレフタレート成分が
捲縮の内側に位置するもの(以下Xタイプと称す)であ
ってもよいし、逆に図3(ロ)に示すようにナイロン成
分が捲縮の内側に位置し、変性ポリエチレンテレフタレ
ート成分が捲縮の外側に位置するもの(以下Yタイプと
称す)であってもよく、本発明の複合仮撚糸において、
どちらのタイプの複合繊維でも選択できるが、Yタイプ
のほうが、湿度変化に対して、捲縮率の大きな変化が得
られるので好ましい。
複合繊維が乾燥されると内側のナイロン成分は収縮し、
外側の変性ポリエチレンテレフタレート成分はほとんど
長さ変化を起こさないため、捲縮率が増大する。逆に、
この捲縮された複合繊維を吸湿させると内側のナイロン
成分が伸長し、外側の変性ポリエチレンテレフタレート
成分はほとんど長さ変化を起こさないため、捲縮率が低
下する。このため、Yタイプの複合繊維と後述する低伸
度側フィラメント糸からなる複合仮撚糸を用いて布帛組
織の密度が比較的密な空隙の小さい布帛を形成すると、
該布帛は常法による染色加工を施した後において、以下
の性質を有する。すなわち、該布帛は吸湿した際、該布
帛に含まれる複合繊維の捲縮が粗くなり、かかる捲縮部
分が布帛表面に浮き上がることにより、該布帛の充填密
度が低下して通気性が高くなる。逆に、該布帛が乾燥さ
れると、複合繊維の捲縮が細かくなり、布帛の充填密度
が増し通気性が低下する。また、Yタイプの複合繊維と
低伸度側フィラメント糸からなる複合仮撚糸を用いて布
帛組織の密度が比較的粗な空隙の大きい布帛を形成する
と、該布帛は常法による染色加工を施した後において、
次の性質を有する。即ち、該布帛は吸湿した際、該布帛
に含まれる複合繊維の捲縮が粗くなり、かかる捲縮部分
が複合繊維の周囲に伸長し、布帛組織の空隙部を塞ぎ、
前記の密な布帛組織の場合とは反対に通気性が低下す
る。逆に、該布帛が乾燥されると、複合繊維の捲縮が細
かくなり、捲縮部分が複合繊維の周囲にコンパクトに集
束し、布帛組織の空隙が大きくなり、通気性が高まる。
側フィラメント糸からなる複合仮撚糸を用い、布帛組織
の密度を密にしたり粗にするだけで布帛が吸湿した際、
通気性を大きくしたり小さくしたり自由に設計できる。
プの複合繊維と低伸度側フィラメント糸からなる複合仮
撚糸を用いて布帛を形成すると布帛組織の密度の粗密と
通気性変化との関係が前記Yタイプの場合と逆になるだ
けで、湿度変化に対する通気性を自由に設計できる。
形態をとることができる。図2は複合繊維の拡大横断面
図のいくつかの例を示したものであり、Nがナイロン成
分、Pが変性ポリエチレンテレフタレート成分である。
通常は(イ)、(ロ)のような横断面を有する複合繊維
が用いられるが、取り扱い中にナイロン成分と変性ポリ
エチレンテレフタレート成分とが剥離しやすい場合に
は、例えば(ニ)のような断面を有するものが好適に使
用される。両成分の複合比は任意に選択することができ
るが、通常、変性ポリエチレンテレフタレートとナイロ
ンの重量比は30:70〜70:30(好ましくは4
0:60〜60:40)の範囲で用いられる。複合繊維
の繊度、フィラメント数については特に限定されない
が、本発明の複合仮撚糸を用いて得られる布帛の風合い
等を考慮すると、複合仮撚糸となした後において総繊度
50〜150dtex、単糸繊度1.5〜4.0dte
xのマルチフィラメントであることが好ましい。
に対して実質的に寸法変化しない合成繊維であれば特に
限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等
のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリア
ミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、アクリル、パラ型あるいはメタ型アラミド、または
それらの変性合成繊維など衣料に適した合成繊維であれ
ば自由に選択できる。中でも5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸を共重合させた変性ポリエチレンテレフタレー
トを選択すると複合繊維(A)と同じカチオン染料が使
用できるので特に好ましい。繊維の断面形状も丸断面に
限定されず、異型断面でもよい。それらの繊維形態もフ
ラットヤーン、捲縮糸、エアジェット加工糸、混繊糸、
撚糸、合撚糸など布帛の使用目的に応じ自由に選択でき
る。低伸度側フィラメント糸の繊度、フィラメント数に
ついても特に限定されないが、本発明の異収縮混繊糸を
用いて得られる布帛の風合い等を考慮すると、複合仮撚
糸となした後において総繊度30〜100dtex、単
糸繊度2.0〜7.0dtexのマルチフィラメントで
あることが好ましい。
(高伸度側フィラメント糸)と低伸度側フィラメント糸
からなるものであり、下記(3)式を満足する必要があ
る。 (3)70≧(DA/(DA+DB))×100≧30 (好ましくは60≧(DA/(DA+DB))×100≧
40) 但し、DAは高伸度側フィラメント糸(複合繊維)の総
繊度(dtex)、DBは低伸度側フィラメント糸の総
繊度(dtex)である。
が該範囲よりも大きいと、以下の問題が発生し易くなり
好ましくない。即ち、本発明の複合仮撚糸を用いて布帛
となし、常法による染色加工を施して製品となした後に
おいて、低伸度側フィラメント糸の含有比率が低いた
め、該製品に伸長力等の外力が作用すると製品の耐久性
が低下する恐れがある。一方、上記(3)式において、
高伸度側フィラメント糸(複合繊維)の総繊度が該範囲
よりも小さいと製品中の複合繊維の含有比率が低いた
め、通気性の自己調節機能が低下する恐れがあり、好ま
しくない。
式を満足する必要がある。 (4)280(%)≧SA−SB≧50(%) (好ましくは230(%)≧SA−SB≧60(%)) 但し、SAは複合繊維の伸度(%)、SBは低伸度側フィ
ラメント糸の伸度(%)である。
80%よりも大きくなると、本発明の複合仮撚糸を用い
て布帛となし、常法による染色加工を施して製品となし
た後において、該製品の表面に弛緩して浮いた複合繊維
が多く現れるため、湿度の変化に対する布帛外観や風合
い変化が大きくなり、外観低下の恐れがある。一方、上
記(4)式において、SA−SBの値が50%よりも小さ
くなると複合仮撚糸の嵩性が低下し、製品の通気性自己
調節機能が低下するため好ましくない。
おいて適宜製造条件を選択することにより所望の伸度が
得られる。
0〜60ケ/mとなるようインターレース加工を施すこ
とにより、次工程での取り扱い性が向上するので好まし
い。さらに、本発明の複合仮撚糸に撚糸を施してもよい
が、撚数が多くなると、該複合仮撚糸の嵩性が撚りによ
って締め付けられ、製品の自己調節機能が低下してしま
うため好ましくない。このため、撚糸を施す場合は(1
0000/√Dtex)T/m以内の撚数にとどめてお
いた方がよい。
置の一実施態様を例示するもので、該図を用いて以上に
説明した複合仮撚糸を製造するための好ましい方法につ
いて説明する。
て、総繊度が50〜300デシテックス(好ましくは8
0〜230デシテックス)、フィラメント数が12〜9
6本(好ましくは24〜72本)、伸度が80〜400
%(好ましくは100〜300%)、かつそのフィラメ
ントがスルホネート基を含有する変性ポリエチレンテレ
フタレートとナイロンとがサイドバイサイド型に接合さ
れた複合繊維である複合未延伸糸を用いる。ここで、該
高伸度側フィラメント糸の伸度が80%よりも低い場合
は、本発明の主目的である通気性の自己調節機能が得ら
れにくくなる。また、400%を越える場合には、本発
明の複合仮撚糸を用いた布帛において、該布帛の表層部
に繊維もつれが発生しやすくなり、均整な表面外観が得
られにくくなる。ここで、上記スルホネート基を含有す
る変性ポリエチレンテレフタレートとして5−ナトリウ
ムスルホソフタル酸を1〜7モル%共重合した変性ポリ
エチレンテレフタレートが好ましく例示される。
ては、常法により製造された総繊度が40〜150デシ
テックス(好ましくは50〜90デシテックス)、フィ
ラメント数が8〜36本(好ましくは12〜24本)、
伸度が25〜180%(好ましくは40〜130%)を
用いる。ここで、低伸度側フィラメント糸(B)とし
て、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合させた
変性ポリエチレンテレフタレートを選択すると複合繊維
(A)と同じカチオン染料が使用できるので好ましい。
と低伸度側フィラメント糸(B)は引き揃えられて、第
1ローラ1によって、仮撚加工域に供給され、撚り掛け
装置5によって施撚され、低伸度側フィラメント糸
(B)に高伸度側フィラメント糸(A)が巻きつくよう
な形態となり、熱処理ヒータ4によってその形態がセッ
トされる。この際、セット温度が90〜150℃(より
好ましくは100〜130℃)であることが好ましく、
セット温度をかかる範囲内に設定することにより、高伸
度側フィラメント糸(A)を構成する複合繊維におい
て、主として変性ポリエチレンテレフタレート側だけが
熱セットされ、該複合繊維が前記Yタイプとなるため、
湿度変化に対して、捲縮率の大きな変化が得られるので
好ましい。なお、該セット温度が90℃未満では、熱セ
ットが充分行われず、捲縮率が低下するため、好ましく
ない。
付与して取扱性を向上させるために、仮撚加工前に第1
ローラ1と第2ローラ3との間でインターレースノズル
2によって、20〜60ケ/mの交絡を付与することが
好ましく、また、この交絡は仮撚加工後、巻取るまでに
付与してもよい。
減して、用途に適応させるために、仮撚加工された複合
糸は第3ローラ6の後、熱処理ヒータ(図示せず)で熱
セットし、その後巻取り装置7で巻き取ってもよい。
じて設定され、伸度(倍)×0.65前後であることが
好ましい。
式あるいはベルト式の摩擦式撚り掛け装置が糸掛けしや
すく、糸切れも少なくて適当であるが、ピン方式の撚り
掛け装置であってもよい。仮撚数は、芯糸の周りに鞘糸
を充分に捩じり延伸を施すとともに、糸長差を発生せし
めるため、できるだけ多くした方がよく、仮撚数(T/
m)=(34000/√Dtex)×αの式においてα
=0.5〜1.5が好ましく、通常は0.9〜1.1位
とするのがよい。
合は、目安として解撚張力/加撚張力の比を0.5〜
1.2とすると、必要な仮撚数が得られ、通常は0.7
〜1.0を採用すればよい。
低伸度側フィラメント糸が芯部に位置し、その周囲に高
伸度側フィラメント糸が鞘状に捲回被覆してなる複合仮
撚糸であって、該高伸度側フィラメント糸が5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸が共重合されている変性ポリエ
チレンテレフタレートとナイロンとがサイドバイサイド
型に接合された複合繊維からなり、かつ下記(5)式と
(6)式を同時に満足する複合仮撚糸となる。 (5)70≧DA/(DA+DB)×100≧30 (6)280(%)≧SA−SB≧50(%) そして、低伸度側フィラメント糸と高伸度側フィラメン
ト糸との複合仮撚糸としての集合体構造は、基本的に
は、仮撚加撚時の変形に起因し、低伸度側フィラメント
糸を芯糸とし、その周囲に芯糸より多く捩じり伸ばされ
た分だけ糸長差の長くなった高伸度側フィラメント糸が
とり囲むような構造をとる。
部に含む布帛となし、該布帛を常法の染色加工工程に供
することにより、該染色工程の湿熱作用により、本発明
の複合仮撚糸を構成する複合繊維において湿熱の影響を
受け易いナイロン側が主として収縮し捲縮を発現させ
る。その結果、芯糸が湿度の変化に対して実質的に寸法
変化せず、鞘糸が湿度の変化に対して捲縮率を自己調節
する芯鞘型2層構造糸となる。
たは編物であることが好ましく、また、上記複合仮撚糸
を30wt%以上(より好ましくは40wt%以上)含
んでいることが好ましい。
鞘型2層複合糸の芯部で該布帛の寸法形状を維持しつ
つ、芯鞘型2層複合糸の鞘部が捲縮率を自己調節する。
その結果、布帛の空隙率が変化する。本発明に係る通気
性自己調節布帛はかかる作用により通気性の自己調節機
能を有する。
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。 <熱水収縮率>試料を1.125mの検尺機を用いて、
10回のカセを作り、0.0177cN/dtex
(0.02g/de)の荷重をカセにかけてカセ長L 0
を測り、次に荷重をはずして、98℃の温水中に30分
浸漬した後、取り出し、和紙で水分を切り水平状態で自
然乾燥し、再び前記荷重をかけてカセ長L1を測り、次
式により熱水収縮率(%)を算出した。 熱水収縮率(%)=((L0−L1)/L0)×100 <極限粘度>O−クロロフェノールを溶媒とし、25℃
で求めた。 <通気度>カトーテック(株)製KES−F8−AP1通
気性試験機を使用し、通気抵抗を測定し、通気性の代用
特性とした。 <蒸れ感>試験者3名により、28℃60%RH、風速
14m/secの雰囲気内でマシンによる30分間の歩
行を行った後、蒸れ感を官能評価した。
イロン6と極限粘度[η]が0.5であり、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸を2.6モル%共重合させた変
性ポリエチレンテレフタレートを常法により紡糸温度2
85℃、紡糸速度1000m/min、延伸倍率2.7
倍、熱セット温度140℃、巻取速度2700m/mi
nで紡糸直接延伸して図2(イ)に示すような断面形状
を有した225dtex/36fil、伸度370%の
サイドバイサイド型に接合された複合繊維(A)を得
た。
フタレートに5−ナトリウムスルホイソフタル酸を2.
6モル%共重合させた変性ポリエチレンテレフタレート
であり、伸度120%、128dtex/24filの
低伸度側フィラメント糸(B)を得た。
複合繊維(A)と低伸度側フィラメント糸(B)を引き
揃え、引き続きインターレースノズル5で交絡数32ケ
/mのインターレース加工を施した後、熱処理ヒータ4
の温度120℃、延伸倍率1.5倍でフリクション式撚
り掛け装置で仮撚加工を施し、低伸度側フィラメント糸
(B)が芯部に位置し、その周囲に複合繊維(A)が捲
回被覆した複合仮撚糸を得た。
物を編成し、100℃で十分揉み効果を付与して複合繊
維(A)の捲縮を発現させた後、常法の乾熱180℃に
よるプレセット、高圧120℃による染色、乾熱160
℃による仕上げセットを施し、仕上げ密度が40コース
/2.54cm、34ウエール/2.54cmの製品を
得た。かかる製品から複合繊維(A)を抜き出し、捲縮
構造を観測したところ、捲縮の内側にナイロン成分が位
置する(Yタイプ)ような捲縮構造であった。
5℃、30%RH)平衡時を基準として高湿度雰囲気下
(25℃、95%RH)における通気性と寸法の変化率
を測定した。結果を表1に示す。
(A)の代わりに同様の総繊度、フィラメント数、捲縮
率の仮撚加工が施されたポリエチレンテレフタレート繊
維を用い、それ以外は実施例1と同じ条件で編物を編成
し、続いて実施例1と同じ条件で染色加工を施して、仕
上げ密度が50コース/2.54cm、43ウエール/
2.54cmの製品を得た。
5℃、30%RH)平衡時を基準として高湿度雰囲気下
(25℃、95%RH)における通気性と寸法の変化率
を測定した。結果を表1に示す。
高湿度状態に変化すると複合繊維(A)の捲縮形態が粗
くなって、編組織内の空隙率が大きくなることにより、
通気性が高くなった。逆に雰囲気が高湿度状態から乾燥
状態に戻ると複合繊維(A)の捲縮形態が細かくなり、
編組織内の空隙率が小さくなることにより、通気性も低
くなることが判明した。また、このように複合繊維の捲
縮形態が乾燥雰囲気と高湿度雰囲気とで大きく変化して
いるにもかかわらず、編地の寸法変化は高々2.0%と
小さいものであった。
態から高湿度状態に変化しても、捲縮の形態が変わら
ず、通気性はほとんど変化しなかった。
を用いてTシャツを試作し、試験者3名で、蒸れ感の官
能評価を行ったところ、試験者3名とも、実施例1の編
地によるものの方が比較例1の編地によるものよりも蒸
れ感が少なく快適であるという評価で一致した。
も、汗等で吸湿した状態において、Tシャツの寸法変化
や、しわ、しぼ等の外観変化は特に認められなかった。
をして衣服内の湿度が高くなると、その湿度変化を自己
感知し、通気性を自己調節する機能を有した、着用快適
性に優れた布帛を提供することができる。
模式的に模式図である。
た模式図である。
おける湾曲構造の一形態を示す模式図である。
示す概略図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 伸度の異なる2種以上のフィラメント糸
からなり、低伸度側フィラメント糸が芯部に位置し、そ
の周囲に高伸度側フィラメント糸が鞘状に捲回被覆して
なる複合仮撚糸において、該高伸度側フィラメント糸が
スルホネート基を含有する変性ポリエチレンテレフタレ
ートとナイロンとがサイドバイサイド型に接合された複
合繊維からなり、かつ下記(1)式及び(2)式を同時
に満足することを特徴とする複合仮撚糸。 (1)70≧(DA/(DA+DB))×100≧30 但し、DAは高伸度側フィラメント糸の総繊度(dte
x)、DBは低伸度側フィラメント糸の総繊度(dte
x)である。 (2)280%)≧SA−SB≧50(%) 但し、SAは高伸度側フィラメント糸の伸度(%)、SB
は低伸度側フィラメント糸の伸度(%)である。 - 【請求項2】 前記のスルホネート基を含有する変性ポ
リエチレンテレフタレートが5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸成分を1〜7モル%共重合した変性ポリエチレ
ンテレフタレートである請求項1記載の複合仮撚糸。 - 【請求項3】 前記の低伸度側フィラメント糸が5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸成分が共重合されている変
性ポリエチレンテレフタレートである請求項1または請
求項2に記載の複合仮撚糸。 - 【請求項4】 複合仮撚糸に交絡点が20〜60ケ/m
存在する請求項1〜3いずれかに記載の複合仮撚糸。 - 【請求項5】 伸度の異なる2種以上のフィラメント糸
を引き揃えて仮撚加工を施すに際し、該高伸度側フィラ
メント糸にはスルホネート基を含有する変性ポリエチレ
ンテレフタレートとナイロンとがサイドバイサイド型に
接合された複合繊維を用い、低伸度側フィラメント糸に
は合成繊維を用い、かつ90〜150℃の温度で仮撚加
工を施すことを特徴とする複合仮撚糸の製造方法。 - 【請求項6】 前記のスルホネート基を含有する変性ポ
リエチレンテレフタレートが5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸成分を1〜7モル%共重合したものである請求
項5記載の複合仮撚糸の製造方法。 - 【請求項7】 低伸度側フィラメント糸として5−ナト
リウムスルホイソフタル酸成分が共重合されている変性
ポリエチレンテレフタレートを用いる請求項5または請
求項6に記載の複合仮撚糸の製造方法。 - 【請求項8】 仮撚前または仮撚後の糸に20〜60ケ
/mの交絡点を付与する請求項5〜7いずれかに記載の
複合仮撚糸の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1〜4のいずれかに記載の複合仮
撚糸を少なくとも一部に用いた通気性自己調節布帛。
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