JPH0227455B2 - - Google Patents

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JPH0227455B2
JPH0227455B2 JP54056676A JP5667679A JPH0227455B2 JP H0227455 B2 JPH0227455 B2 JP H0227455B2 JP 54056676 A JP54056676 A JP 54056676A JP 5667679 A JP5667679 A JP 5667679A JP H0227455 B2 JPH0227455 B2 JP H0227455B2
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JP
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yarn
filament
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filaments
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JP54056676A
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Hirofumi Sano
Junji Ookita
Masao Kawamoto
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は単糸繊度2.0デニール(以下drと略す)
以上のマルチフイラメントが芯糸となり、単糸繊
度1.5dr以下の極細マルチフイラメントがその外
側をカバリングしている膠着又は融着部分を含ま
ない2層構造仮撚加工糸及びその製造法に関する
ものであり、該加工糸を用い極細の柔軟な表面タ
ツチと適度の張り、腰(反撥性)及び嵩高性を有
する従来にない高付加価値の布帛を得ようとする
ものである。 従来技術として、ポリマーの[η]差、紡糸速
度差、繊維デニール差、供給速度差(張力差)、
熱収縮差などを利用して合撚、仮撚、空気絡合な
どにより芯鞘の2層構造となるカバリング糸は知
られている。特に本発明と関連した仮撚による2
層構造加工糸の製造法としては、例えば特公昭53
−44577の如く切断伸度差が100%以上ある2種以
上の未延伸糸を同時仮撚して太さ斑を有する加工
糸を得る方法、特開昭49−102915の如く5×10-3
前後のΔn差を有した2種以上の未延伸糸を特定
の延伸倍率で延伸仮撚する方法、特開昭50−
20025のデニール差を有し、Δn差が30×10-3以下
の未延伸糸を同時に延伸仮撚する方法、さらには
特開昭50−13652、特開昭52−27823などのΔnが
20×10-3以上の未延伸糸と延伸糸を仮撚する方法
がある。しかし、これらの方法はいずれも仮撚後
の単糸デニールが1.5dr以上のように太いか、フ
イラメント間に融着を起し太さ斑(糸筋)を生じ
ているため、得られる布帛は粗硬となり易い。ま
た、Δn差が大きい場合は通常の仮撚条件では芯
糸とカバリング糸の糸長差が大きく、追撚、製編
織などの工程通過性が不良となり易い問題があ
り、本発明の如く極細糸がほぼ均一に太drの芯糸
にカバリングした工程通過性の良好な2層構造仮
撚糸を得る方法は皆無であつた。一方、特公昭48
−23968及び特開昭52−18968に見られる如く単糸
が1.0dr以下の細drと1.0dr以上の太drの合糸仮撚
も公知であるが、これらはΔn差がないか少ない
ために2層構造をとらず、柔軟性が失われるとい
う問題を生じる。さらに極細糸のみの仮撚は単糸
切れを起し易くかつ得られる布帛は柔軟である
が、張り、腰がなく細drの仮撚糸と太drの仮撚糸
を合撚して2層構造糸とする場合はコスト高や色
差によりパタリングやいらつきを招く。 以上の背景により、柔軟なぬめり感と適度の張
り、腰及び嵩高性を有するウールライクな布帛を
狙つた2層構造仮撚糸を得ようと鋭意研究を進
め、本発明者らは先に特願昭53−159702号(特公
昭62−57730号公報)に2層構造加工糸を提案し
た。しかし、これは芯糸の先撚が100T/M以上
の糸であるため、ハリ腰を要求される紳士服に適
した糸であり、婦人服、子供服に適用するには未
だ柔軟性が不足していた。 本発明は芯糸の先撚を80T/M以下とすること
によりソフトでドレープが求められる婦人服や子
供服に適した2層構造加工糸を見い出したのであ
る。 すなわち、本発明は熱可塑性合成繊維からなる
2層構造の仮撚加工糸であつて、単糸繊度が1.5
デニール以下のフイラメントからなるマルチフイ
ラメントAが、混合比30〜80重量%で実質的に無
撚又は80T/M以下の先撚を有する単糸繊度が
2.0デニール以上のフイラメントからなるマルチ
フイラメントBをカバリングしており、しかも膠
着又は融着部分を含まないことを特徴とする極細
糸の2層構造加工糸及びその製造方法に関するも
のであり、その製造法は2つに大別される。 製法のその1は、フイラメントA及びBの複屈
折率の差ΔnB−ΔAが8×10-3〜40×10-3である2
種以上の未延伸フイラメントを、フイラメントB
に80T/M以下の先撚をかけるか、かけないで、
引揃えて膠着又は融着を起こさないように下記特
定条件で延伸仮撚するものである。 2.68−5.9√B≦DR≦3.52−7.4√B ……[] 0.55TL≦T≦0.75TL ……[] ΔnA:フイラメントAの平均複屈折率であつて、
2種以上の場合は最も低いグループの平均複屈
折率 ΔnB:フイラメントBの平均複屈折率であつて、
2種以上の場合は最も高いグループの平均複屈
折率 S:仮撚数(T/M) Dr:仮撚後のフイラメントAとBの合計デニー
ル DR:延伸倍率(倍) T:仮撚温度(℃) TL:低融点フイラメントの融点(℃) 製法のその2は、ΔnAが15×10-3〜60×10-3
未延伸フイラメントAとΔnBが110×10-3〜190×
10-3の延伸フイラメントBをフイラメントBに
80T/M以下の先撚をかけるか、かけないで、引
揃えて膠着又は融着を起さないように下記特定条
件で仮撚する製造法に関するものである。 0.67×(1+DE/100)≦DR≦0.82×(1+DE/100) ……[] 0.55TL≦T≦0.75TL ……[] ΔnA:フイラメントAの平均複屈折率であつて、
2種以上の場合は最も低いグループの平均複屈
折率 ΔnB:フイラメントBの平均複屈折率であつて、
2種以上の場合は最も高いグループの平均複屈
折率 S:仮撚数(T/M) Dr:仮撚後のフイラメントAとBの合計デニー
ル DR:延伸倍率(倍) T:仮撚温度(℃) TL:低融点フイラメントの融点(℃) DE:フイラメントBの平均切断伸度であつて、
2種以上の場合は最も低いグループの平均切断
伸度(%) さらにこれらの製法においては、フイラメント
AとBを80T/M以下で合撚したのち仮撚する方
法が望ましい。 さらにまた本発明の加工糸やその製法におい
て、仮撚後のフイラメントAおよびBの単糸繊度
がそれぞれ1.0dr以下、3.0dr以上が好ましく、繊
維としてはポリエステルが好適である。 以下に本発明について詳述する。 本発明に言う熱可塑性合成繊維とは、ポリエス
テル系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル
系、ポリビニール系、ポリウレタン系の繊維を意
味し、改質成分を共重合したもの及びつや消し
剤、熱安定剤、顔料、制電性向上剤、防炎性向上
剤などを添加したものも含まれる。特に反復単位
の80%以上がポリエチレンテレフタレートである
ポリエステルが製品物性などの点で好ましく、ま
た該フイラメントA及びBは同種又は2種以上の
ポリマーから成り立つていてもよい。 本発明で用いる単位繊度1.5dr以下の極細マル
チフイラメントAとしては通常の紡糸技術により
得られる円型又は異型断面の繊維があり、柔軟な
タツチを得るためには好ましくは1.0dr以下とく
に好ましくは0.3〜0.8drである。一方、布帛に適
度の反撥性と嵩高性を付与させるために芯糸であ
るフイラメントBは仮撚後で単糸繊度2.0dr以上
好ましくは3〜8drであり、かつフイラメントB
の混合比は30〜80重量%、好ましくは50〜70重量
%である必要がある。ここで、フイラメントBの
混合比が30重量%未満の場合は布帛の反撥性が低
下し、80重量%を超える場合は粗硬な感じが強く
いずれも商品価値を低下させる。 また、本発明では工程通過性や反撥性向上など
の点でフイラメントBを80T/M以下で先撚する
ことが良い。デニールBを80T/Mを超えて先撚
した場合は糸長差が大きすぎるため側糸の糸のた
るみが生じて工程通過性が不良ととなり、かつコ
ストアツプとなり好ましくない。また、フイラメ
ントAとBを80T/M以下で合撚しても良いが
80T/Mを越えて合撚した場合はフイラメントA
のカバリング性の低下とコストアツプが生じ好ま
しくない。 本発明で工程通過性の良好な膠着や融着部分の
ない極細糸のカバリング糸を得るためには、1種
又は2種以上のフイラメントA及びBの複屈折率
ΔnA及びΔnBが異なり、しかも限定された条件で
同時仮撚する必要がある。すなわち、製法のその
1にあつてはΔnAは60×10-3以下、ΔnBは10×
10-3〜70×10-3であり、かつ8×10-3≦ΔnB
ΔnA≦40×10-3でなければならない。但し、ΔnA
又はΔnBはフイラメントA又はBがそれぞれ1種
から構成される場合はその平均複屈折率を意味
し、2種以上から構成される場合はΔnAはフイラ
メントAの中で最も低いグループの平均複屈折
率、ΔnBはフイラメントBの中で最も高いグルー
プの平均複屈折率を意味する。ΔnAが60×10-3
超える場合は単糸1.5dr以下の高速紡糸を意味し、
紡糸が難しく単糸捲付きを起し易い。好ましくは
ΔnAが5×10-3〜30×10-3である。一方、ΔnB
10×10-3未満ではΔnB−ΔnAの値が小さくフイラ
メントAとBの伸度差が少ないためフイラメント
BとフイラメントAの糸長差が減少し、フイラメ
ントAのカバリング性の低下を来たし、ひいては
芯糸が布帛表面に現われて柔軟なタツチを損な
う。また、ΔnBが70×10-3を超える場合は超高速
紡糸を意味し、紡糸が難しくコスト増加を招き、
さらにΔnB−ΔnAの値が大きくなり糸長差が増大
してフイラメントAのたるみ(ループ)が多く、
その結果、追撚、製編機の工程通過性が不良とな
る。好ましくはΔnBが15×10-3〜40×10-3である。
以上の糸長差の理由により、ΔnB−ΔnAの値は8
×10-3〜40×10-3好ましくは10×10-3〜25×10-3
である。ここで複屈折率Δnは、ポリマー分子鎖
の配向度による干渉縞(n)、干渉縞に至らない
配向をベレツクのコンペンセーターで求めたレタ
ーデーシヨン(r)、繊維直径(d)及び光源の
ナトリウムD線の波長(λ=589mμ)とから、
Δn=(n・λ+r)/dで算出されるが、同一試
料間で通常5×10-3前後のバラツキが生じるので
本発明では測定回数を10回以上にしてその平均値
を採用した。 さらに製法のその1にあつては、前述の仮撚条
件[]〜[]で行う必要がある。仮撚数S
(T/M)とトータルヤーンデニールDrと延伸倍
率DR及び糸長差を意味する(ΔnB−ΔnA)/ΔnB
の函数として[]式の範囲で表わされ、この範
囲を外れてSが大きい場合は糸切れが起り仮撚が
困難であり、Sが小さい場合は仮撚前の張力が高
く未解撚で膠着が起るため嵩高性の乏しい粗硬な
布布帛になり易い。また延伸倍率DRは[]式
で表わさ第1図の斜線部の範囲でなければならな
い。複屈折率の高いΔnBを有するフイラメントB
は伸度が低く、該DRの範囲以上ではフイラメン
トBの単糸切れを起し易く仮撚が難しい。該範囲
以下では仮撚張力の変動が大きくかつ未解撚を起
し粗硬で太さ斑のある仮撚糸となる。また、本発
明では仮撚温度を[]式の如く規制することに
よりフイラメントに融着や膠着部分を起さずかつ
捲縮堅牢度の良好な極細カバリング糸を得ること
が出来る。 つぎに、本発明の製法のその2にあつてはΔnA
が15×10-3〜60×10-3で、仮撚後の単糸繊度が
1.5dr以下となる1種又は2種以上の未延伸フイ
ラメントAと、ΔnBが110×10-3〜190×10-3で、
仮撚後の単糸繊度が2.0dr以上となる1又は2種
以上の延伸フイラメントBとの同時仮撚に関する
ものである。ここで、ΔnAが15×10-3未満ではフ
イラメントAとBの糸長差が大きすぎて工程通過
性が不良となり、60×10-3を超えると前述の如く
紡糸が困難となる。好ましくはΔnAは20×10-3
40×10-3である。一方、ΔnBが110×10-3未満では
未延伸糸をネツキング延伸する場合半延伸となり
太さ斑を生じ、190×10-3を超えるとフイラメン
トAとBの糸長差が大きく、いずれも仮撚及び後
工程でのトラブルあるいは商品価値の低下を起し
易い。好ましくはΔnBは130×10-3〜170×10-3
ある。また、糸切れがなく仮撚がスムーズに行な
われ、膠着や融着がなく工程通過性を良好ならし
めるためには[]式で示される仮撚数S、[]
式及び第2図で示される延伸倍率DR並びに
[]式(これは式と同じ)の仮撚温度Tを用
いなければならない。 本発明では仮撚後にさらにヒータを通し、2段
ヒーターセツト糸としても、また工程通過性や混
繊度を良くするために仮撚後に追撚を施しても支
障ない。 本発明により得られた極細繊維のカバリング糸
の断面及び側面の一例を第3図及び第4図に示し
たが、単糸2.0dr以上のフイラメントBの周囲に
単糸1.5dr以下のフイラメントAが膠着や融着が
なくほぼ均一にカバリングして全体として嵩高な
糸形態となつている。なお、本発明で言う膠着又
は融着とは、単繊維同志を切断することなく手で
簡単に分離出来ない状態を意味し、疑似の膠着又
は太drが一部外側に現われている場合は本発明に
含まれる。 次いで、必要に応じて該極細繊維のカバリング
糸に追撚又は他繊維との合撚を施し、従来の方法
により編物、織物、不織布などの布帛を構成す
る。なお、布帛構成時に一部他繊維を使用しても
よいが、本発明による仮撚加工糸が布帛表面を覆
うのがより好ましい。本発明により得られた仮撚
加工糸の布帛は1.5dr以下の極細糸が表面に現わ
れて柔軟なぬめり感を有しかつ2.0dr以上の太dr
が反撥性と嵩高性を向上させ、従来に見られない
高付加価値商品となつた。 以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1及び比較例1、2 [η]=0.65dl/g(フエノールとテトラクロ
ルエタンの等量混合溶媒を用い30℃恒温槽中でウ
ツペローデ型粘度計を用い測定した極限粘度が
0.65dl/g)のポリエチレンテレフタレートを常
法により紡糸し、平均複屈折率ΔnAが13×10-3
フイラメントA(120dr/72f)と、ΔnBが25×10-3
のフイラメントB(218dr/32f)の未延伸糸を得
た。 次いで、両未延伸フイラメントを引揃え、表1
の条件にて延伸仮撚した。また比較例1として
ΔnB=18×10-3の240dr/32fの未延伸糸、比較例
2としてΔnB=59×10-3の165dr/32fの未延伸糸
をそれぞれ上記120dr/72fのフイラメントAと引
揃えて表1の条件にて延伸仮撚した。フイラメン
トBの混合比は実施例1が58.1%、比較例1が
64.3%、比較例2が47.2%であつた。次いで、該
3種の仮撚糸をそれぞれ2本合糸して300T/M
の追撚を施したのち、タテ糸及びヨコ糸に用いて
1/1平の織物を作成した。表1には、該3種の
仮撚糸の糸物性、工程通過性及び織物の風合い結
果も併記した。
【表】
【表】 実施例1で得られた仮撚糸はフイラメントAと
Bの複屈折率の差ΔnB−ΔnAは12×10-3で表1の
仮撚条件では糸長差14.5%であり、第3図及び第
4図の如く完全な2層構造を有し、膠着もなかつ
た。また追撚及び製織工程もトラブルなく、得ら
れた織物は外糸dr0.80の柔軟なヌメリ感と芯糸の
単糸dr3.4の嵩高性と反撥性を兼備し、従来にな
い高級ウール織物となつた。 一方、比較例1はΔnB−ΔnA=5×10-3のため
に糸長差が5.0%と小さく、極細糸のカバリング
性が低下し粗硬になり嵩高性もやや低下した。 比較例2は逆にΔnB−ΔnA=46×10-3と大きす
ぎるために糸長差が31.7%となり、追撚で側糸の
糸たるみが生じて通過性が不良であり、ところど
ころに糸筋(スラブ)があつて、得られた織物の
外観を低下させた。なお、実施例1で延伸倍率を
2.8倍にしたものは単糸切れを起し、1.5倍で仮撚
張力が低く未解撚を生じて部分膠着の硬い仮撚糸
となつた。 実施例 2 [η]=0.63dl/gのポリエチレンテレフタレ
ートを常法により紡糸してΔnA=35×10-3
128/96fの未延伸糸フイラメントAと、この未延
伸糸を延伸してΔnB=164×10-3(切断伸度DE=
35%)で100dr/20fの延伸糸フイラメントBを得
た。該未延伸糸と延伸糸を引揃えて次の条件にて
同時仮撚した。延伸倍率:0.99倍、ヒーター温
度:180℃、仮撚数:2000T/m、捲取速度:
150m/min。なおフイラメントBの混合比は34.9
%で糸長差21%であり膠着や融着はなかつた。次
いで、該仮撚糸に150T/Mの追撚を施し2/2
ツイルの織物を作成したが、工程上トラブルはな
かつた。得られた織物を軽度に針布起毛して極細
糸を毛羽立たせ、常法で染色仕上加工を行つた。 得られた織物は、単糸1.0drの極細糸の柔い表
面タツチと単糸5.0drの芯糸の嵩高性と反撥性を
有し、カシミヤライクな織物となつた。なお対照
として、ΔnA=28×10-3で194dr/72fの未延伸糸
とΔnB=164×10-3で100dr/20fの延伸糸を組合せ
て同様の織物を作成したが、側糸の単糸drが
2.2drと太いために表面タツチが粗く、通常のポ
リエステル加工糸の起毛織物となつた。 実施例 3 フイラメントAとしてΔnA=15×10-3の50dr/
36fナイロン6の未延伸糸を用い、フイラメント
BとしてΔnB=48×10-3の110dr/16fポリエステ
ル未延伸糸を用い、両フイラメントを合糸してZ
方向に80T/M先撚を施したのちに次の条件にて
同時仮撚した。延伸倍率:1.6倍、ヒーター温
度:145℃、仮撚数:2500T/M、捲取速度:200
m/min。得られた仮撚糸は115dr/52fで糸長差
11%あり、ナイロン6の極細糸がポリエステルの
太dr糸をほぼ完全にカバリングし膠着もなかつ
た。該仮撚糸をフロント糸に用い熱水収縮率25%
の高収縮ポリエステルフイラメント50dr/24fを
バツク糸に用いて1/3サテン組織で28Gのシン
グルトリコツト編を構成した。その後、リラツク
ス(熱水処理)及び酸性染料と分散染料により染
色を施し、バツク糸を十分収縮させてフロント糸
を編地表面に浮き出させた。 得られたトリコツト編は柔い表面タツチと反撥
性及びドレープ性有し、表裏の色相に差を生じた
リバーシブルの高付加価値商品となつた。 実施例 4 [η]=0.70dl/g、TiO2=0.50%の円型断面
ポリエステルを1.700m/minと2500m/minの紡
糸速度で捲取りΔnA=26×10-3で114dr/72fと、
ΔnA=43×10-3で88dr/72fの2種の未延伸フイ
ラメントAを得た。該2種のフイラメントAと、
ΔnB=140×10-3(切断伸度DE=52%)の85dr/
24fでT型断面TiO2=0.05%のブライトポリエス
テル延伸フイラメントBとを次の条件で同時仮撚
した。延伸倍率:1.15倍、ヒーター温度:160℃、
仮撚数:1900T/M、捲取速度:100m/min。
得られた仮撚糸は295dr/144fで糸長差は16〜27
%あり、膠着や融着がなく極細糸が太drをカバリ
ングしていた。 該仮撚糸にてZ方向の150T/Mの甘撚をかけ
てヨコ糸に用い、タテ糸に熱水収縮率15%の
50dr/24fのT型断面ブライトポリエステルを用
いて1/1平組織で織物を作成した。該織物をリ
ラツクスし染色加工を施したところ、シルクライ
クな光沢と極細の表面タツチととスパンタツチ及
び適度の張り、腰を有する従来に見られないシル
キースパン調織物となつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の前述の製法その1におい
て、未延伸フイラメントB(芯糸)の複屈折率
ΔnBと仮撚時の延伸倍率DRとの関係を示し、図
中の斜線部が本発明の請求範囲を示す。但し、フ
イラメントBが2種以上の場合のΔnBは最も高い
グループの平均複屈折率を表わす。第2図は、本
発明の前述の製法その2において、延伸フイラメ
ントBの切断伸度DEとDRの関係を図示してい
る。但し、フイラメントBが2種以上の場合の
DEは最も低いグループの平均切断伸度を表わす。
第3図及び第4図は、本発明により得られた極細
繊維のカバリング糸の断面及び側面図を示してお
り、図中の断面積の大きいもの又は太線が単糸
2.0dr以上のフイラメントBを意味し、断面積の
小さいもの又は細線が単糸1.5dr以下のフイラメ
ントAを意味する。但し、本発明では極細繊維が
完全に太drをカバリングしておらず、一部太drが
外側に存在する場合及び単繊維同志が膠着気味で
はあるが手で簡単に分離可能な疑似膠着の場合も
含まれる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性合成繊維からなる2層構造の仮撚加
    工糸であつて、単糸繊度が1.5デニール以下のフ
    イラメントからなるマルチフイラメントAが、混
    合比30〜80重量%で実質的に無撚又は80T/M以
    下の先撚を有する単糸繊度が2.0デニール以上の
    フイラメントからなるマルチフイラメントBをカ
    バリングしており、しかも膠着又は融着部分を含
    まないことを特徴とする極細糸の2層構造加工
    糸。 2 繊維がポリエステルであることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の極細糸の2層構造加
    工糸。 3 熱可塑性合成繊維であつて、複屈折率ΔnA
    60×10-3以下の未延伸フイラメントAと複屈折率
    ΔnBが10×10-3〜70×10-3の未延伸フイラメント
    Bにして8×10-3≦ΔnB−ΔnA≦40×10-3であり、
    かつ仮撚後のフイラメントAの単糸繊度が1.5デ
    ニール以下、フイラメントBのそれが2.0デニー
    ル以上となる両フイラメントを、フイラメントB
    に80T/M(回/メートル)以下の先撚をかける
    か、かけないで、かつフイラメントBの混合比が
    30〜80重量%となるように引揃え、次の条件にて
    膠着または融着部分を含まないように延伸仮撚を
    行なうことを特徴とする極細糸の2層構造加工糸
    の製造法。 2.68−5.9√B≦DR≦3.52−7.4√B ……[] 0.55TL≦T≦0.75TL ……[] ΔnA:フイラメントAの平均複屈折率であつて、
    2種以上の場合は最も低いグループの平均複屈
    折率 ΔnB:フイラメントBの平均複屈折率であつて、
    2種以上の場合は最も高いグループの平均複屈
    折率 S:仮撚数(T/M) Dr:仮撚後のフイラメントAとBの合計デニー
    ル DR:延伸倍率(倍) T:仮撚温度(℃) TL:低融点フイラメントの融点(℃) 4 フイラメントAとBを80T/M以下で合撚し
    たのち仮撚することを特徴とする特許請求の範囲
    第3項記載の極細糸の2層構造加工糸の製造法。 5 仮撚後のフイラメントAおよびBの単糸繊度
    がそれぞれ1.0デニール以下、3.0デニール以上で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第3項ある
    いは第4項記載の極細糸の2層構造加工糸の製造
    法。 6 繊維がポリエステルであることを特徴とする
    特許請求の範囲第3〜5項のいずれか記載の極細
    糸の2層構造加工糸の製造法。 7 熱可塑性合成繊維であつて、複屈折率ΔnA
    15×10-3〜60×10-3の未延伸フイラメントAと複
    屈折率ΔnBが110×10-3〜190×10-3の延伸フイラ
    メントBとを、フイラメントBに80T/M(回/
    メートル)以下の先撚をかけるか、かけないで、
    かつフイラメントBの混合比が30〜80重量%とな
    るように引揃え、次の条件にて膠着または融着部
    分を含まないように仮撚し、単糸繊度2.0デニー
    ル以上のフイラメントBが芯糸、単糸繊度1.5デ
    ニール以下のフイラメントAが側糸となるように
    仮撚することを特徴とする極細糸の2層構造加工
    糸の製造法。 0.67×(1+DE/100)≦DR≦0.82×(1+DE/100) ……[] 0.55TL≦T≦0.75TL ……[] ΔnA:フイラメントAの平均複屈折率であつて、
    2種以上の場合は最も低いグループの平均複屈
    折率 ΔnB:フイラメントBの平均複屈折率であつて、
    2種以上の場合は最も高いグループの平均複屈
    折率 S:仮撚数(T/M) Dr:仮撚後のフイラメントAとBの合計デニー
    ル DR:延伸倍率(倍) T:仮撚温度(℃) TL:低融点フイラメントの融点(℃) DE:フイラメントBの平均切断伸度であつて、
    2種以上の場合は最も低いグループの平均切断
    伸度(%) 8 フイラメントAとBを80T/M以下で合撚し
    たのち仮撚することを特徴とする特許請求の範囲
    第7項記載の極細糸の2層構造加工糸の製造法。 9 仮撚後のフイラメントA及びBの単糸繊度が
    それぞれ1.0デニール以下、3.0デニール以上であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第7項あるい
    は第8項記載の極細糸の2層構造加工糸の製造
    法。 10 繊維がポリエステルであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第7〜9項のいずれか記載の極
    細糸の2層構造加工糸の製造法。
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