JP2527212B2 - ポリエステル加工糸 - Google Patents

ポリエステル加工糸

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JP2527212B2
JP2527212B2 JP11182388A JP11182388A JP2527212B2 JP 2527212 B2 JP2527212 B2 JP 2527212B2 JP 11182388 A JP11182388 A JP 11182388A JP 11182388 A JP11182388 A JP 11182388A JP 2527212 B2 JP2527212 B2 JP 2527212B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は異なる少なくとも3種の繊度のフィラメント
群で構成されたポリエステル複合加工糸に関し、衣料用
スパンライク織編物用に好適な、とりわけ梳毛調織物用
に好適な複合加工糸に関する。
[従来技術] 羊毛梳毛調織物は嵩高性、ソフトタッチ、腰、反発
性、ウォーム感に優れており秋冬用の外衣素材として広
く使用されている。
仮撚加工糸はそもそも羊毛繊維の如きの捲縮を所持さ
せて嵩高性のある織編物とすることを目指して開発され
たものであって、ポリエステル加工糸においても羊毛梳
毛調織物分野への展開が進められている。
しかしながら、ポリエステル加工糸を梳毛調織物に製
織し仕上げた場合、ソフトタッチを得るにはフィラメン
ト繊度を1.5程度以下とすることが必要であり、この場
合には腰、反発性が極端に小さいものしか得られない欠
点がある。一方、腰、反発性を大きくしようとしてフィ
ラメント繊度を大きくすると粗硬感が増加するばかりで
あって腰があって反発性もある羊毛梳毛調織物とは異質
なものしか得られなかった。
このため太繊度フィラメントと細繊度フィラメントの
混繊糸としたり、毛羽を付与したりするなど各種技術が
提案されているが、風合と工程通過性を同時に満足させ
るものは存在しなかったのが実情である。ここで太繊度
フィラメント群を芯とし細繊度フィラメント群を鞘とし
た芯鞘複合加工糸はソフトタッチと腰、反発性を同時に
付与できることから多数の改良技術が提案されている。
このような芯鞘複合加工糸の従来例として特開昭50−20
025号公報には太繊度フィラメント群として75D−12F、
細繊度フィラメント群として75D−36Fを使用した芯鞘複
合加工糸の例が記載されているが、ここで、開示されて
いる技術では通常の仮撚加工糸に比較すれば腰、反発性
を改善したものとなるが、梳毛調織物用としてとりわけ
ソフトタッチと腰、反発性が強く要求される紳士外衣用
に適用するには不充分であり、工程通過性に問題があっ
た。
特開昭55−71835号公報には細繊度フィラメントが1.6
デニール以下で太繊度フィラメントと細繊度フィラメン
トの繊度差が1.8デニール以上の芯鞘複合加工糸が記載
されているが、細繊度フィラメントの繊度については3
〜4.4デニール範囲の記載しかなく、腰、反発性付与の
点で不充分である。しかも毛羽を有する複合加工糸であ
って工程通過性が不良である欠点がある。
特開昭5−112325号公報には芯となるフィラメント群
に所定の割合の超太繊度フィラメント(12〜13デニール
が好ましい範囲と記載されている)を使用した芯鞘複合
加工糸が記載されているが、太繊度フィラメントが太過
ぎて剛性が大き過ぎるため、該太繊度フィラメントを完
全に表面に出さないようにすることは困難であり、粗硬
な風合となることは免がれない。また特開昭57−29629
号公報には太繊度フィラメントが3〜6デニール、細繊
度フィラメントが1〜4デニールであり、鞘部が交互撚
状に巻付いた形状の2層構造スパンライク加工糸が記載
されている。ここに記載されたスパンライク加工糸は40
0〜800デニールの太デニール糸であってカーテンなどの
厚地織物用に開発されており、たとえば400デニール以
下の繊度の加工糸としたとしても梳毛調織物とした場合
には腰、反発性が小さすぎる欠点がある。特開昭57−21
526号公報には、芯部に1種、鞘部に2種の仮撚加工糸
が記載されている。しかしながら、この技術においても
前記した公知例と同様にソフトタッチ、腰、反発性の良
好な風合を付与できるものではないものである。
以上説明したように従来技術においてはソフトタッチ
と腰、反発性の良好な風合を有し、工程通過性にも優れ
たポリエステル加工糸は必ずしも得られてはいなかった
のである。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的はソフトタッチと腰、反発性(特にしな
やかな反発性)およびナチュラル感に優れた梳毛調織物
に良好に適用することが可能な、特に腰、反発性の点で
高度のレベルが要求されている秋冬用紳士外衣分野に使
用できる高級梳毛調織物に好適に適用できる加工糸を提
供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記した本発明の目的は、フィラメント繊度の異なる
少なくとも3種のポリエステルフィラメント群で構成さ
れた芯鞘複合延伸同時仮撚加工糸において、主として芯
部を構成する太繊度フィラメント群のフィラメント繊度
が6.5〜11デニールであり、主として鞘部の内層部を構
成する中繊度フィラメント群のフィラメント繊度が2.5
〜4.5デニール、主として鞘部の外層部を構成する細繊
度フィラメント群のフィラメント繊度が0.7〜2デニー
ルであり、太繊度フィラメント群の繊度に対する(中繊
度フィラメント群+細繊度フィラメント群)の繊度の繊
度比は0.75〜2.0であり、中繊度フィラメント群の繊度
に対する細繊度フィラメント群の繊度の繊度比は、0.5
〜2.0であり、且つ太繊度フィラメント群と中繊度フィ
ラメント群間には、3〜13%の糸長差Aがあり、太繊度
フィラメント群と細繊度フィラメント群間には、4〜15
%糸長差Bがあって、且つ糸長差B−糸長差Aが1.0%
以上であり、且つ加工糸には実質的に毛羽がなく、加工
糸全体に交絡が付与されていることを特徴とするポリエ
ステル加工糸によって達成できる。
本発明のポリエステル加工糸の糸構造は太繊度フィラ
メント群が主として芯部、中繊度フィラメント群が主と
して鞘部の内層部を構成し、細繊度フィラメント群が主
として鞘部の外層部を構成した芯鞘構造である。ただし
加工糸全長にわたって太繊度フィラメント群が加工糸の
中心部付近の芯部を、中繊度フィラメント群と細繊度フ
ィラメント群とが太繊度フィラメント群を完全に覆った
鞘部である必要は必ずしもなく、このような完全芯鞘部
と太繊度フィラメント群が主として加工糸の中心部に存
在し、中繊度フィラメント群と細繊度フィラメント群と
がおおむね太繊度フィラメント群を覆った鞘部となった
構造や、太繊度フィラメント群と中繊度フィラメント群
と細繊度フィラメント群とが並列状となった構造も混在
した構造であってもかまわない。要は後述する太繊度フ
ィラメント群に対して、中繊度フィラメント群が3〜13
%糸長が長く、細繊度フィラメント群が4〜15%糸長が
長く、且つ細繊度フィラメント群の糸長の方が中繊度フ
ィラメント群の糸長よりも、1.0%以上長い構造である
ことが肝要である。
太繊度フィラメント群のフィラメント繊度は6.5〜11
デニールであることが必要である。6.5デニール未満で
は織物とした場合に羊毛から成る梳毛織物に匹敵する
腰、反発性が得られない。繊度が大きい程腰、反発性は
向上するものの11デニールより大きくなると粗硬感が強
くなる。粗硬感がなく、腰、反発性に優れた梳毛調織物
とするには7〜10デニールの範囲が好ましい。中繊度フ
ィラメント群のフィラメント繊度は、2.5〜4.5デニール
であることが必要である。中繊度フィラメント群は既述
したように、おおむね加工糸の鞘部の内層部を構成して
おり、織物とした場合に特にしやかな反発性を付与する
ために用いるもので、太繊度フィラメントほど太くな
く、且つ細繊度フィラメントほど細くないものである。
中繊度フィラメント群のフィラメント繊度は、4.5デニ
ールより大きくなると、粗硬感が強くなり、2.5デニー
ル未満では、しなやかな反発性が得られない。また、中
繊度フィラメントの繊度を細繊度フィラメントと太繊度
フィラメントの中間の繊度にすることは、異繊度ミック
スによるナチュラル感および異繊度複合仮撚による各繊
度のフィラメントの捲縮形態の異いによる捲縮ミックス
によるナチュラル感を付与するためである。細繊度フィ
ラメント群のフィラメント繊度は0.7〜2デニールであ
ることが必要である。ソフトタッチを付与するために2
デニール以下とすることが必要であるが、一層ソフトタ
ッチとし梳毛織物調とすることと抗ピル性も付与する点
から1.7デニール以下とすることが好ましい。一方、あ
まりに細デニール化するとソフトタッチ過ぎて梳毛調織
物風合とは異質となるので0.7デニール以上とすること
が必要である。細デニールとなる程抗フロスティング性
が低下し、見掛染色性も低下し濃色化が困難となるので
1デニール以上とすることが好ましい。また、太繊度フ
ィラメント、中繊度フィラメントおよび細繊度フィラメ
ントの各々の繊度は、狙いとする梳毛調織物風合を出す
ために、前述の各々の繊度範囲の中で適宜選択すればよ
いが、ナチュラル感付与のために太繊度フィラメントと
中繊度フィラメントとの繊度の差は3デニール以上とす
ることが好ましく、中繊度フィラメントと細繊度フィラ
メントとの繊度の差は、1.2デニール以上とすることが
好ましい。
太繊度フィラメント群の繊度に対する(中繊度フィラ
メント群+細繊度フィラメント群)の繊度の繊度比は0.
75〜2.0とする必要がある。0.75未満では太繊度フィラ
メント群が加工糸外表面に存在しやすくなり粗硬感が強
い。2.0より大きいとソフトタッチが強調され過ぎて
腰、反発性が不足する。ソフトタッチと腰、反発性を羊
毛から成る梳毛織物に匹敵させるには0.95〜1.5の範囲
とすることが好ましい。またソフトタッチと腰、反発性
の点からは太繊度フィラメントの繊度をdH(デニー
ル)、太繊度フィラメント群の加工糸に占る繊度の割合
をRHとした際に の範囲とすることが好ましい。また太繊度フィラメント
の細繊度フィラメントに対する繊度比はふかつき防止の
点から4倍以上とすることが好ましく、5倍以上とする
ことがより好ましい。芯部(太繊度フィラメント群)と
様部(中繊度フィラメント群+細繊度フィラメント群)
の繊度比は既述したとおりであるが、鞘部の内層部、外
層部を構成する中繊度フィラメント群と細繊度フィラメ
ント群の割合いについては、中繊度フィラメント群に対
する細繊度フィラメント群の繊度比として0.5〜2.0とす
る必要がある。0.5未満では、中繊度フィラメント群が
多く、加工糸外表面に存在しやすくなり粗硬感が強くな
る。2.0より大きいと中繊度フィラメントが少なくしな
やかな、反発性が得られない。また、繊度比が0.5〜2.0
の範囲を外れると、ナチュラル感も低くなる。粗硬感、
しなやかな反発性、ナチュラル感を得る点から、繊度比
は0.65〜1.5の範囲とすることが好ましく、0.85〜1.3の
範囲とすることがより好ましい。太繊度フィラメント群
と中繊度フィラメント群間には、3〜13%の糸長差Aが
必要であり、太繊度フィラメント群と細繊度フィラメン
ト群間には、4〜15%の糸長差Bが必要である。このこ
とは一定長の加工糸を切り取った際に太繊度フィラメン
ト群のフィラメントの平均長さに対し、中繊度フィラメ
ント群のフィラメントの平均長さが3〜13%長いこと、
細繊度フィラメント群のフィラメントの平均長さが4〜
15%長いことが必要であることを示している。中繊度フ
ィラメント群は、既述したように、加工糸の鞘部の内層
部に位置するために、その糸長差Aは細繊度フィラメン
ト群の糸長差Bより、小さくせねばならない。しかし、
あまりに小さい糸長差Aとすると、芯部の太繊度フィラ
メント群の中に入り込むので3%以上であることが必要
である。一方糸長差Aが大き過ぎると細繊度フィラメン
ト群の中に入り込み、鞘部の外層部に位置する確率が高
くなり、ソフトタッチ性が不足するので細繊度フィラメ
ント群の糸長差Bよりも1.0%以上小さくする必要があ
る。細繊度フィラメント群の糸長差Bは、大きい程梳毛
織物調のソフトタッチ、嵩高性、ウォーム感が向上する
ので4%以上であることが必要である。一方糸長差Bが
大きくなり過ぎるとふかつき感の増加、抗ピル性の低
下、工程通過時のネップの発生といった欠点が発生する
ので15%以下とする必要がある。より良好な糸長差Bの
範囲は5〜13%である。加工糸全体には交絡が付与され
ている。これは太繊度フィラメント群、中繊度フィラメ
ント群および細繊度フィラメント群の群内及び群間のフ
ィラメント間に流体交絡が付与されていることを意味す
るもので、この交絡は太繊度フィラメント群と中繊度フ
ィラメント群および細繊度フィラメント群の分離を防止
し、ネップ化しないようにする点と製織工程での糸通過
性を向上させる点及び抗ピル性の点から付与するもので
150コ/m以上が好ましく、200コ/m以上がより好ましい。
交絡度が多すぎると織物としてからの糸長差効果が低下
するので400コ/m以下が好ましく、350コ/m以下がより好
ましい。
加工糸のトータル繊度は50〜360デニールの範囲が好
ましい。細繊度過ぎるとコスト増が避けられず、太繊度
過ぎると仮撚加工時の加撚数の上限の低下による捲縮発
現性が低下するためである。
太繊度フィラメント群は太繊度であるが故にギラツい
た光沢を発生しやすいので5〜12葉断面に異形化し、ノ
ングリッター化をしておくことが好ましい。
本発明におけるポリエステルとはテレフタル酸成分と
エチレングリコール、テトラメチレングリコール等のグ
リコール成分とから成るポリエステルを主たる対象とす
るが、エチレンテレフタレートが80%モル%以上のポリ
エステルを好適に対象するものであって、テレフタル酸
の一部又はグリコール成分の一部を他の二官能性ジカル
ボン酸又はグリコール成分で置換えたポリエステルであ
ってもよい。更に各種添加剤たとえば、難燃剤、制電
剤、親水剤、顔料などを必要に応じて添加できる。加工
糸において毛羽が存在すると製織などの高次工程でガイ
ドへのひっかかりや並走する糸どおしのもつれなどに基
づく加工糸自身のネップの発生や糸切れなどのトラブル
を発生し易い。このため加工糸には実質的に毛羽のない
ことが必要で、毛羽数は糸1m当り5コ以下であることが
好ましく、3コ以下であることがより好ましい。
本発明のポリエステル加工糸は次の方法で好適に製造
できる。
フィラメント繊度の異なる少なくとも3種のポリエス
テルフィラメント群の未延伸糸を合糸延伸仮撚して芯鞘
複合延伸同時仮撚加工糸とする際に、太繊度フィラメン
ト群の延伸後のフィラメント繊度は6.5〜11デニールで
あり、中繊度フィラメント群の延伸後のフィラメント繊
度は2.5〜4.5デニールであり、細繊度フィラメント群の
延伸後のフィラメント繊度は0.7〜2デニールであり、
太繊度フィラメント群と(中繊度フィラメント群+細繊
度フィラメント群)の延伸後の繊度比は0.75〜2.0であ
り、中繊度フィラメント群に対する細繊度フィラメント
群の延伸後の繊度比は0.5〜2.0であって、(太デニール
未延伸糸の複屈折率)−(中デニール未延伸糸の複屈折
率)が2〜16×10-3であり、(太デニール未延伸糸の複
屈折率)−(細デニール未延伸糸の複屈折率)が3〜19
×10-3であり、仮撚加工糸にインターレースを施すこと
を特徴とするポリエステル加工糸の製造方法である。
ポリエステル未延伸糸は複屈折率が15〜40×10-3の範
囲内でそれぞれの未延伸糸を準備することが、未延伸糸
の経時変化による加工、糸特性の不安定性を防止し、良
好な糸長差を付与する点から好ましい。
延伸仮撚条件は通常の延伸同時仮撚の条件と大差ない
が次の如くの範囲が好ましい。仮撚ヒーター温度はポリ
エステルフィラメントの融点をTm(℃)とした際に(Tm
−80)℃〜(Tm−30)℃の範囲が好ましい。仮撚数は芯
鞘複合延伸同時仮撚加工糸の繊度D(デニール)とした
場合に の範囲が好ましい。延伸倍率は芯鞘複合延伸同時仮撚加
工糸の伸度を20〜40%の範囲となるように設定すること
が好ましい。伸度が20%未満となると毛羽が発生し易く
なり、40%より大きくなると製織工程で糸構造の変化を
受け易くなるためである。
[実施例] 以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。
なお実施例中の物性は次のようにして評価した。
A.抗ピル性 ICI型ピリングテスターで10時間処理して測定し次の
如く判定した。
5級(秀,合格) 4級(優,合格) 3級(良,合格,ただし用途によっては不合格となる場
合がある) 2級(不可,不合格) 1級(不可,不合格,もっとも悪い) B.抗フロスティング性 ポリエチレンテレフタレート加工糸織物との間で20分
間擦過したのち肉眼判定した。
5級(秀,合格) 4級(優,ほとんど痕跡が認められない,合格) 3級(良,若干白い痕跡が認められる,合格) 2級(不可,白い痕跡が認められる) 1級(不可,明らかに白くなる,もっとも悪い) C.毛羽数 加工糸を透明なガラス板に挟み、5〜20倍に拡大した
投映図より毛羽数を測定した。
D.交絡度 第1図に示すごとく、中心軸1の回りを無抵抗で左右
に回転可能な溝付滑車2に試料糸を滑らないように掛
け、2箇所に荷重3、4を掛ける。荷重は試料糸の総デ
ニール×0.4gとする。
次いで、外径0.60mmの固定針5を糸条を構成する単糸
間に実質的に直角に刺し固定する。
次に試料糸の左側にかけた荷重3に、さらに重量が試
料の単糸デニール×2.0gである定荷重を6を掛け、試料
糸を定荷重6によって交絡部が引掛って止まる所まで左
側に移動させる。
次に荷重3に掛けていた定荷重6を外して、右側の荷
重4に加えて掛け、試料糸を定荷重6によって右側に移
動させ、交絡部が固定針5に引掛り自然に止まるように
する。定荷重6による試料糸の移動速度は10mm/secとす
る。前記方法による試料糸の右側への移動距離l(mm)
を求め次式から交絡度を計算する。
実施例1 太繊度フィラメント群が芯部、中繊度フィラメント群
と細繊度フィラメント群が鞘部となった表1に示す水準
の太繊度フィラメント群の繊度効果を検討するためのポ
リエチレンテレフタレートから成る芯鞘複合延伸同時仮
撚加工糸を加工して得た。太繊度フィラメント群は複屈
折率が31〜32×10-3で延伸後150デニール、8葉断面で
あり、中繊度フィラメント群は複屈折率が27〜28×10-3
で延伸後75デニール24フィラメント、丸断面で、細繊度
フィラメント群は複屈折率が23〜24×10-3で丸断面であ
る未延伸糸を使用し、合糸後延伸比1.65、仮撚温度210
℃、仮撚数1680T/m、仮撚速度400m/minで延伸同時仮撚
した。仮撚後エアー圧力4.0kg/cm2でインターレースを
付与し巻取った。該加工糸の太繊度フィラメント群と中
繊度フィラメント群との糸長差Aは、3.4〜4.8%の範囲
で、太繊度フィラメト群と細繊度フィラメント群との糸
長差Bは8.1〜9.2の範囲であり、交絡度は258〜288コ/m
の範囲であり、毛羽数は2〜4コ/mと実質的に毛羽のな
い範囲であった。
得られた該加工糸を経緯使いで2/2ツイルサキソニー
に製織し、60番双糸使い羊毛サハソニー織物と風合を比
較評価した。評価結果は表1に示すとおり太繊度フィラ
メントが6.5〜11デニールであることが羊毛サキソニー
織物に匹敵する腰、反発性とソフトタッチおよびナチュ
ラル感を呈することが示された。
なお得られた織物の抗ピン性と抗フロスティング性は
いずれも4〜4.5級と良好であった。
実施例2 太繊度フィラメント群が実施例1の水準No.4と同じも
ので、中繊度フィラメント群と細繊度フィラメント群が
表2に示すものの組合せの芯鞘複合延伸同時仮撚加工糸
を中繊度フィラメントと細繊度フィラメントの繊度の効
果を検討するため加工した。加工条件は実施例1に準じ
た。該加工糸の太繊度フィラメント群と中繊度フィラメ
ント群との糸長差Aは、3.5〜5.0%の範囲でり、太繊度
フィラメント群と細繊度フィラメント群との糸長差Bは
8.2〜9.3%の範囲であり、交絡度は275〜322コ/mの範囲
内であり、毛羽数は1〜5コ/mと実質的に毛羽のない範
囲であった。
実施例1と同様に製織し織物評価した。羊毛サキソニ
ー織物に匹敵するしなやかな反発性は、中繊度フィラメ
ント群のフィラメント繊度が2.5〜4.5デニールの範囲内
で得られ、表面ソフトタッチは細繊度フィラメント群の
フィラメント繊度が0.7〜2デニールの範囲内で得られ
る。更に抗ピン性、抗フロスティング性を付与するには
細繊度フィラメント群のフィラメント繊度がそれぞれ1.
7デニール以下、1デニール以上が良いことが示され
た。
実施例3 太繊度フィラメント群が芯部、中繊度フィラメント群
と細繊度フィラメント群が様部となったポリエチレンテ
レフタレートから成る芯鞘複合延伸同時仮撚加工糸を太
繊度フィラメント群に対する(中繊度フィラメント群+
細繊度フィラメント群)の繊度比の効果を検討するため
表3に示すものの組合せで加工した。太繊度フィラメン
ト群は複屈折率が32〜33×10-3で8葉断面であり、中繊
度フィラメント群は複屈折率が28〜29×10-3で丸断面
で、細繊度フィラメント群は複屈折率が23〜24×10-3
丸断面である未延伸糸を使用した。加工条件は実施例1
に準じた。該加工糸の太繊度フィラメント群と中繊度フ
ィラメント群の糸長差Aは、3.5〜4.9%の範囲で、太繊
度フィラメント群と細繊度フィラメント群との糸長差B
は8.2〜9.3%の範囲であり、交絡度は288〜312コ/mの範
囲であり、毛羽数は2〜5コ/mと実施的に毛羽のない範
囲であった。
実施例1と同様に製織し織物評価した。評価結果は表
3に示すとおり太繊度フィラメント群に対する(中繊度
フィラメント群+細繊度フィラメント群)の繊度比は0.
75〜2.0の範囲であることが必要であり、0.95〜1.5の範
囲とすることが好ましいことが示された。
更に太繊度フィラメント群の繊度dHと太繊度フィラメ
ント群の加工糸全体に占る繊度の割合RHとの関係は、 であることがより好ましいことも示された。
実施例4 太繊度フィラメント群が実施例1の水準No.4と同じも
ので、中繊度フィラメント群と細繊度フィラメント群が
表4に示すものの組合せの芯鞘複合延伸同時仮撚加工糸
を中繊度フィラメント群に対する細繊度フィラメント群
の繊度比の効果を検討するために加工した。
中繊度フィラメント群は複屈折率が27〜28×10-3で丸
断面で、細繊度フィラメント群は複屈折率が22〜23×10
-3で丸断面である未延伸糸を使用した。加工条件は実施
例1に準じた。得られた加工糸の太繊度フィラメント群
と中繊度フィラメント群との糸長差Aは3.4〜4.9%で、
太繊度フィラメント群と細繊度フィラメント群との糸長
差Bは、8.3〜9.4%の範囲であり、交絡度は283〜305コ
/mの範囲であり、毛羽数は1〜4コ/mと実質的に毛羽の
ない範囲であった。
実施例1と同様に製織し、織物評価した。評価結果
は、表4に示すとおり中繊度フィラメント群に対する細
繊度フィラメント群の繊度比は0.5〜2.0の範囲であるこ
とが必要であり、0.65〜1.5の範囲とすることが好まし
いことが示された。
実施例5 太繊度フィラメント群が実施例1の水準No.4と同じも
ので、中繊度フィラメント群と細繊度フィラメント群が
表5に示すものの組合せの芯鞘複合延伸同時仮撚加工糸
を太繊度フィラメント群と中繊度フィラメント群および
細繊度フィラメント群との糸長差の効果を検討するため
に加工した。
中繊度フィラメント群は延伸後75デニール24フィラメ
ント丸断面のもの、細繊度フィラメント群は、延伸後75
デニール丸断面のもので複屈折率がそれぞれ表5に示し
た未延伸糸を使用した。実施例1に準じて仮撚、インタ
ーレースを施した。芯鞘複合加工糸の交絡度は278〜301
コ/mの範囲であり、毛羽数は2〜5コ/mと実質的に毛羽
のない範囲であった。
得られた加工糸を実施例1と同様に製織し、織物評価
した。評価結果は表5に示すとおりで、太繊度フィラメ
ント群と中繊度フィラメント群との糸長差Aは3〜13%
であることが必要であり、太繊度フィラメント群と細繊
度フィラメント群との糸長差は4〜15%であることが必
要で、且つ糸長差B−糸長差Aが1.0%以上であること
が必要であることが示された。
[発明の効果] 本発明のポリエステル加工糸は、特定の繊度範囲の太
繊度フィラメントと中繊度フィラメントおよび細繊度フ
ィラメントをそれぞれ芯鞘に配置させ、更に太繊度フィ
ラメント群と(中繊度フィラメント+細繊度フィラメン
ト群)との割合、太繊度フィラメント群と中繊度フィラ
メント群および細繊度フィラメント群との糸長差が特定
の範囲にあって、しかも交絡が付与されているので、ソ
フトタッチと腰、反発性(特にしなやかな反発性)およ
びナチュラル感に優れた梳毛調織物に良好に適用するこ
とが可能である。特に腰、反発の点で高度なレベルが要
求される秋冬用紳士外衣分野に使用出来る高級梳毛調織
物に好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は交絡度測定法の説明図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィラメント繊度の異なる少なくとも3種
    のポリエステルフィラメント群で構成された芯鞘複合延
    伸同時仮撚加工糸において、主として芯部を構成する太
    繊度フィラメント群のフィラメント繊度が6.5〜11デニ
    ールであり、主として鞘部の内層部を構成する中繊度フ
    ィラメント群のフィラメント繊度が2.5〜4.5デニール
    で、主として鞘部の外層部を構成する細繊度フィラメン
    ト群のフィラメント繊度が0.7〜2デニールであり、太
    繊度フィラメント群の繊度に対する(中繊度フィラメン
    ト群+細繊度フィラメント群)の繊度の繊度比は0.75〜
    2.0であり、中繊度フィラメント群の繊度に対する細繊
    度フィラメント群の繊度の繊度比は0.5〜2.0であり、且
    つ太繊度フィラメント群と中繊度フィラメント群間には
    3〜13%の糸長差Aがあり、太繊度フィラメント群と細
    繊度フィラメント群間には、4〜15%の糸長差Bがあっ
    て、且つ糸長差B−糸長差Aが1.0%以上であり、且つ
    加工糸には実質的に毛羽がなく、加工糸全体に交絡が付
    与されていることを特徴とするポリエステル加工糸。
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