JP2014208932A - 吸水性布帛 - Google Patents

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Abstract

【課題】ソフトな風合いと適度な膨らみを有し吸汗拡散性に優れた快適な着心地を有するとともに審美性に優れた衣料を製造するための吸水性布帛を提供する。【解決手段】捲縮率が15%以上のポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸と捲縮を有しないマルチフィラメント糸からなる芯鞘構造を有しない混繊糸であって、該混繊糸の沸水収縮率が4.5%以上であり、該混繊糸が20%以上の重量比で含まれることを特徴とする吸水性布帛。【選択図】図1

Description

本発明は捲縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸と捲縮を有しないマルチフィラメント糸からなる混繊糸を用いた吸水性布帛に関する。詳しくは吸水拡散性およびソフトな風合いと適度な膨らみを有する審美性に優れた衣料を提供可能な吸水性布帛に関するものである。
従来のスポーツウェア等の衣服は、運動などにより発汗した際には布帛が吸収し、汗を布帛内で拡散させることによって布帛の乾燥速度を上げ、ベタツキ感や運動後の冷え感を軽減するなど快適性を追求した種々の複合糸を使った布帛が開発されている。
例えば特許文献1には極細マルチフィラメント延伸糸を用いて部分配向糸と混繊処理して仮撚加工することにより、極細マルチフィラメントを芯に配置した芯鞘構造の仮撚糸が開示されている。風合いについては考慮されておらず、連続交絡により交絡数が無数にあり、かつ芯鞘とも仮撚捲縮が付与されていることから、糸が絞まり、布帛の表面感が悪く、風合いも硬くなると考えられる。
また、特許文献2にはソフトで膨らみ感のある風合いと優れた抗スナッグ性を兼ね備えた複合加工糸及び編地を提供するため、高収縮成分糸と偏平断面を有する低収縮成分捲縮加工糸とからなる複合加工糸が開示されているが、審美性と吸水拡散性を考慮されておらず、布帛において水が溜まりやすく、早く乾燥させる機能を持たず、運動後の冷え感を生じる。
夏用素材では汗を吸収し素早く乾燥させる必要があるため、特許文献3、4のようなカバリング法や複合仮撚などによる芯鞘構造糸の製造においては、生産コストが高くなり、品質制御が難しく、また風合いの悪化などの欠点がある。
特許文献5には仮撚糸と非捲縮性のマルチフィラメント糸との混繊製造方法が開示されているが、吸水速乾素材、布帛のベタツキ感や運動後の冷え感を軽減する素材など汗処理性を意識した混繊糸設計、布帛設計については考慮されておらず、特許文献5からソフトな風合いを有し、吸汗拡散性および審美性に優れた衣料を作製できるものではない。
特開2001−159051号公報 特開2003−306839号公報 特開2004−11069号公報 特開2010−174424号公報 特開昭55−80528号公報
従来の吸水性布帛は芯鞘構造複合糸を中心に検討されて吸水性を有するが、風合い及び審美性は消費者の要望を満たすレベルに至っていない。本発明の課題は、上記の欠点を改善し、ソフトな風合いと適度な膨らみ、審美性に優れ、快適な着心地を有する吸水性布帛を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る吸水性布帛は、捲縮率が15%以上のポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸と捲縮を有しないマルチフィラメント糸からなる芯鞘構造を有しない混繊糸であって、該混繊糸の沸水収縮率が4.5%以上であり、該混繊糸が重量比で20%以上含まれることを特徴とするものからなる。
本発明の吸水性布帛においては、混繊糸には捲縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸を使用する。捲縮率15%以下の場合は膨らみ感が少なくなり、繊維間隙が十分に大きくないため吸水する際に捲縮を有しないマルチフィラメント糸に水が移動しにくく、布帛においては速乾性が低下する一方ベタツキ感を感じやすい素材となるが、捲縮率を15%以上に設定することにより、このような問題を回避することができる。
また、捲縮を有しないマルチフィラメント糸を上記ポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸と併用する。布帛の吸水拡散性能を向上させるためには、繊維の長手方向の繊維間の空隙を収束させることが重要である。また、繊維間の空隙が大きくなると毛細管効果が小さくなり吸水拡散性能が低下する恐れがあるため、捲縮を有しない延伸糸を使用することが好ましい。なお、捲縮を有しないマルチフィラメント糸を収束させる方法については、捲縮を有しない原糸をそのままの形態で使用したり、油剤や樹脂を添加したり、低撚を付与するなどの方法があるが、捲縮を有しないマルチフィラメントの捲縮率を3%以下に設定することが重要である。
また、混繊糸は芯鞘構造を有しないことから、吸水拡散性と布帛の風合いを両立させることが可能となる。芯鞘構造を有する混繊糸を用いると、仮撚捲縮糸の膨らみによって、フィラメント間の空隙が高くなるため吸水拡散性が低下する恐れがある。芯鞘構造は連続交絡や高交絡数を必要とするため、糸が絞まり、布帛の風合いが硬くなる。ここで、芯鞘構造では混繊糸の周りに配置される鞘糸に比べ、混繊糸の中心に配置される芯糸の繊維間空隙が小さいため、芯糸が高い吸水拡散性を示すが、芯鞘構造では布帛構造内の別の糸との交錯点において、吸水拡散する捲縮を有しない繊維が、別の糸と接触しにくいため水の拡散性、移動性が悪い。これに対し、本発明の吸水性布帛に用いられる混繊糸は芯鞘構造を有しておらず、捲縮を有しないマルチフィラメントが部分的に別の糸と接触できるような糸構造を備えているので、収束性が良く捲縮を有しないマルチフィラメント糸の毛細管効果の大きさを利用することができる。
混繊糸の沸水収縮率は4.5%以上である。これによって、精練工程で布帛の表面感とフィラメント間の収束性を向上させることが可能となる。
本発明の吸水性布帛において、混繊糸が少なくとも一部に20%以上の重量比で用いられていれば良く、100%使用したものでもよい。混繊糸の含有率が大きいほど、ソフトな膨らみのある風合いを有し、且つ、吸水拡散性に優れた布帛を得ることができる。
本発明の吸水性布帛に含まれる混繊糸において、捲縮を有しないマルチフィラメント糸はポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリトリメチレンテレフタレート等化学繊維からなるマルチフィラメントが挙げられ、また、常圧可染性ポリエステル系マルチフィラメントおよびカチオン可染性ポリエステル系マルチフィラメント、ポリアミド等を用いてもよいが、これらに限定されるものではない。その中でも取り扱い性等の点から、ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメントを使用することが好ましい。なお、単繊維の繊度が低いほど高い吸水拡散性を得られるが、0.1dtex以下になると繊維が柔らか過ぎて自由度が高くなり、布帛染色などの後工程で水など流体からの衝撃を受けて長手方向の連続的な収束性が悪くなり、吸水拡散性が悪くなる傾向が見られる。また、単繊維が低すぎると布帛の単位面積当たりの含水能力が増え、拡散性・速乾性に劣る。一方、単繊維の繊度が3.0dtex以上であると、糸の剛性が高く布帛においてはソフトな風合いを得られない恐れがある。そのため、単糸繊度が0.1dtex以上3.0dtex以下の捲縮を有しないマルチフィラメント糸を使用することが好ましい。単糸繊度は、マルチフィラメントの総繊度/マルチフィラメントの単糸数で計算したものである。また、沸水収縮率4.5%以上の捲縮を有しないマルチフィラメント糸を使用することにより、適当な収縮特性が付与され、布帛の表面感とフィラメント間の収束性の向上が図られる。
前記混繊糸は、捲縮を有しないマルチフィラメント糸を20%以上70%以下の重量比で含むことが好ましい。混繊糸中の捲縮を有しないマルチフィラメント糸の割合が20%より少ない場合には、混繊糸の吸水能力が不足し、布帛における拡散性や速乾性が劣る傾向がある。また、70%より多い場合には膨らみやソフトな風合いなど風合いが低下するとともに、布帛にした場合のドライ感が不足する傾向がある。
本発明の吸水性布帛に含まれる混繊糸において、ポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸の断面が凹部を有しておらず、捲縮を有しないマルチフィラメント糸の断面が3個以上8個以下の凹部を有することが好ましい。断面形状が凹部を有することで、毛細管効果により吸水性が向上する。捲縮を有するポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸の断面に凹部を有しない形状とし、捲縮を有しないマルチフィラメント糸の断面には凹部を有する形状とすることで、吸水性能差が大きくなり、上記に示す吸水拡散性とベタツキ軽減効果が優位となる。
本発明の吸水性布帛において、吸水拡散面積が20cm以上であると布帛に吸い込まれた水分が大きく拡散し、乾燥速度も速くなるため好ましい。
布帛とは、織物又は編物のことをいう。夏用素材としての用途を考慮すると、本発明に係る吸水性布帛は、目付けが200g/m以下であることが好ましい。
本発明に係る吸水性布帛には、親水加工が施されていることが好ましい。親水加工の工程においては、染色する際に浴中処理し、あるいは仕上げ剤として吸水剤を付与することで吸水性を向上させるのが好ましい。
本発明に係る吸水性布帛は、上記混繊糸を少なくとも一部に用いていれば良い。吸水性布帛が少なくとも2層からなる多層構造布帛である場合には、綿調の審美性と吸水拡散性や生地の速乾性を重視すると、混繊糸が布帛のおもて面のみに配置されていることが好ましい。また、フラットな表面感と、吸水拡散性や肌のドライ感を重視すると、混繊糸が布帛の裏面のみに配置されていることが好ましい。通常は、吸水拡散性の高い繊維を肌面側に使用することで、ベタツキ感を生じやすくなるが、本発明における混繊糸は、吸水拡散性とベタツキ軽減効果を両立しているため、裏面に使用してもベタツキ軽減効果を発揮することができる。さらに好ましくは、裏面のみに混繊糸を配置し、おもて面に吸水性の高い繊維を配置してもよい。
編地の場合では、混繊糸が裏面のみに配置され、裏面に凹凸のある編地とし、ベタツキが軽減された編地に構成することが好ましい。
また、織物の場合では、混繊糸が裏面の緯糸としてのみ配置されることで、裏面に凹凸のある織物となり、ベタツキ軽減の効果を発揮させることができる。繊度の小さい緯糸との混用によりこの効果を増大させることができる。
本発明の布帛は、少なくとも2層からなる多層構造を有し、混繊糸がおもて面のみに配置されることが好ましい。吸水性の高い繊維をおもて面に配置することで、おもて面での吸水拡散性が大きくなり、乾燥速度を早くすることができる。より好ましくは、裏側に用いる糸を吸水性の低い糸で構成してもよい。
本発明の布帛は、少なくとも2層からなる多層構造布帛であって、裏面を含む層の吸水保水率に対するおもて面を含む層の吸水保水率の比(=吸水表裏保水率比)が5倍以上であることが好ましい。吸水表裏保水率比が大きければ、布帛裏面の水分が少なく、ベタツキ感が小さくなる。吸水表裏保水率比が5倍未満ではベタツキ感を感じやすい布帛となる恐れがある。
本発明の布帛は、裏面を含む層の吸水拡散面積に対するおもて面を含む層の吸水拡散面積の比(=吸水表裏拡散面積比)が5倍以上であることが好ましい。吸水表裏保水率と同様に、吸水表裏拡散面積比が大きければ、ベタツキ感が小さくなり、おもて面への水分の拡散が大きくなるため、乾燥速度が速い布帛となる。吸水表裏拡散面積比が5倍未満ではベタツキ感を感じやすく、乾燥速度も遅くなる傾向を示す。
本発明の吸水性布帛において、混繊糸を構成するポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸と捲縮を有しないマルチフィラメント糸が異なる染色性を示し、杢調を有することが好ましい。ファション性と審美性を達成するために、捲縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸の単繊維と、長手方向の直径がThick&Thinランダムに分布した混繊相手の捲縮を有しないマルチフィラメント糸とで異なる染色性の繊維を使用することによって、単繊維の見掛け染着差による自然なムラ感や綿調が得られる。
本発明に係る吸水性布帛によれば、ベタツキを抑え、ソフトな風合いを有し、吸汗拡散性および審美性に優れた衣料を提供することができる。
本発明に係る吸水性布帛の応用例を示す模式断面図である。 本発明の一実施態様に係る吸水性布帛を構成する混繊糸の製造工程を示す模式図である。 本発明の一実施態様に係る吸水性布帛を構成する混繊糸を模式的に示した側面図である。 図3の混繊糸を模式的に示し、(a)は図3の交絡部aにおける断面図、(b)は図3の非交絡部bにおける断面図である。 緯二重織物の一例を示す平面図である。
本発明を完成するにあたっては、上記の課題を解決するために、捲縮形態による糸の吸水性の違いに目を付けた。つまり、捲縮を有しないマルチフィラメント糸を用いて糸の長手方向に繊維束を収束する形態を持つことにより毛細管効果が促進され、高い吸水性のある繊維となり、吸水拡散性能を向上させることができる。逆に、仮撚捲縮のある繊維は繊維フィラメント間の間隙が大きいため、毛細管効果が小さく、吸水性の低い繊維となる。この2形態の繊維を混繊することで、上記二つの特徴を持ち、さらに仮撚捲縮のある繊維から捲縮を有しない繊維へ水分が移り、吸水拡散性能をさらに向上させる布帛となる。また、仮撚捲縮のある繊維は、毛細管効果が小さく、部分的に混繊糸の表面に配置されているため、布帛においてベタツキ感を軽減できる。本発明は捲縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸と捲縮を有しないマルチフィラメントを交絡混繊した芯鞘構造を有しない混繊糸を用いることによりソフトな風合いと膨らみを有し、且つ吸水拡散性に優れ、ベタツキを軽減した布帛を提供する。
本発明に係る吸水性布帛に用いられる混繊糸の製造方法としては、特に限定するものではないが、特許文献5(昭55−80528号公報)に公知された方法でポリエステルマルチフィラメント糸を用いて仮撚捲縮を付与し、流体噴射加工する際は捲縮を有しないマルチフィラメント糸と部分的に交絡させる方法を用いることができる。捲縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸と捲縮を有しないマルチフィラメント糸がそれぞれの工程で作ってから交絡させても良い。混繊方法において糸の長手方向に連続かつ無数な交絡になると糸が絞まり、布帛の風合いが硬くなるため、本発明は部分的に交絡させた芯鞘構造を有しない混繊糸が好ましい。
本明細書における布帛とは、織物又は編物のことをいう。織物組織としては、平織、ツイル織、サテン織、経二重織、緯二重織およびドビー織等の組織を使用できるが、これに限定されるものではない。織密度としては、経密度60〜400本/インチ、緯密度60〜200本/インチが好ましい。編物組織としては、横編、丸編、経編等のどのような組織でもよい。編みゲージは18〜60ゲージが好ましい。
本発明の混繊糸を含む布帛の染色加工方法について、糸状態および布帛状態とも通常の染色仕上げ工程が使用でき、使用する染色機も混繊糸状態での加工はチーズ染色機の使用、布帛状態での加工は液流染色機およびウインス染色機等、任意な染色機の使用ができる。又、布帛状態での加工において、仕上げセットは布帛乾燥時に皺になったり、突っ張ったりしないように仕上げればよい。また、仕上げ剤として吸水剤の付与で吸水性が向上するのが好ましい。
前述した吸水性布帛中の混繊糸において、水を吸収する際は捲縮を有しないマルチフィラメント糸に優先的に水が拡散することが特徴である。捲縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸が水と接触すると、吸水拡散性が比較的に優位である捲縮を有しないマルチフィラメント糸に水が移動し易いので、肌面に接触する捲縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸には水が残りにくく、ベタツキ感を軽減し、速やかな速乾性能を得ることができる。特に限定するものではないが、前述した混繊糸によるベタツキ軽減と速乾性能の効果に加え、前述する混繊糸を吸水性布帛において裏層のみに使用することによって、ベタツキ軽減と速乾性能の効果の向上が得られる。また、特に限定するものではないが、おもて層と裏層に混繊糸を配置し、裏層のみを凹凸状に作成する生地の作成方法でも高いベタツキ軽減と速乾性能の布帛が得られる。より好ましくは、布帛の裏層のみに使用する混繊糸を凸上に配置することで更なるベタツキ軽減と速乾性能の効果向上となる。吸水性布帛の応用イメージの例として模式断面図を図1に示す。
図1は、本発明に係る吸水性布帛の応用例を示す多層構造布帛の模式断面図である。布帛において混繊糸は裏層のみに配置されており、裏層で凸構造となっている。図1(A)が2層構造布帛を示し、図1(B)が3層構造布帛を示している。
図2は、本発明の一実施態様に係る吸水性布帛を構成する混繊糸の製造工程を示す模式図である。
図3は本発明の一実施態様に係る吸水性布帛を構成する混繊糸を模式的に示した側面図である。交絡部aは、捲縮15%以上のポリエステルマルチフィラメント糸Aと捲縮を有しないマルチフィラメント糸Bとが交わった部位を示す。非交絡部bは、捲縮15%以上のポリエステルマルチフィラメント糸Aと捲縮を有しないマルチフィラメント糸Bとが交わっていない部位を示す。
図4は、図3の混繊糸の断面を模式的に示し、(a)は図3の交絡部aにおける断面図、(b)は図3の非交絡部bにおける断面図である。丸断面は捲縮を有しないマルチフィラメント糸Bを示す。交絡部aにおいては捲縮15%以上のポリエステルマルチフィラメント糸Aと捲縮を有しないマルチフィラメント糸Bが混ざり合っており、非交絡部bにおいては捲縮15%以上のポリエステルマルチフィラメント糸Aと捲縮を有しないマルチフィラメント糸Bは混ざり合っていない。
図5は、緯二重織物の一例である。
以下、本発明について実施例及び比較例を挙げて、より具体的に説明する。なお、混繊糸と吸水性布帛における物性の測定及び評価にあたっては、以下の方法が用いられる。
(1)吸水拡散面積
ガラス板上に市販のインクを2倍に水で希釈したインク液を0.1cc滴下し、その上に編地の裏面を下に、すなわち編地の裏面がインク液に接するようにのせた。そして60秒間放置し、インク液を吸収させた後、今度は別のガラス板上に移動させ、ここでも裏面を下にして3分間放置し、サンプル編地のおもて面のインク液の拡散面積を計測した。
(2)仮撚捲縮(CR)
カセを熱水で20分間処理し(ナイロン:60℃±2℃、テトロン:90℃±2℃)、室内で12時間以上自然乾燥させる、水中に荷重を掛け、長さを測定し次式により捲縮率(%)を求める。
捲縮率(%)=(A−B)/A ×100
A:初荷重+定荷重を掛けてから2分後の長さ
(初荷重:0.001764cN/dtex 、荷重:0.0882cN/dtex)
B:水中で定荷重付け外し、初荷重がかかった状態で2分間後の長さ
布帛の分解糸を測定する際は、布帛から混繊糸を取り出して、非交絡部の捲縮を有しないマルチフィラメント糸の繊維をカットし、捲縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸の繊度から計算した荷重を用いて熱水処理せずに水中で測定する。
(3)沸水収縮率
カセ0.1g/Dの荷重を吊して30秒後の長さ(A)を測る。そのカセを沸騰水(99℃±1)で30分間処理し、20℃×65%RHで12時間以上自然乾燥させてから0.1g/Dの荷重を吊して30秒後の長さ(B)を測る。
次式から沸水収縮率(%)を求める。
沸水収縮率(%)=(A−B)/B×100
A:沸騰水処理前のカセの長さ(mm)
B:沸騰水処理後のカセの長さ(mm)
(4)混繊糸の単糸繊度と捲縮を有しないマルチフィラメント糸の重量比
重量比=捲縮を有しないマルチフィラメント糸の繊度/混繊糸の繊度
(5)おもて面層の裏面層に対する吸水表裏保水率比
(1)と同様な方法にて、ガラス板上に1.0ccの蒸留水を滴下し、その上にサンプルサイズ10cm×10cmの布帛の裏面を下にして、蒸留水に接するようにのせた。そのまま60秒間放置し、別のガラス板上に移動させ、布帛と同一サイズのろ紙2枚にてこの布帛をサンドイッチ状に挟み、5g/mの荷重下で60秒放置した。その後、元の布帛重量と吸水後の布帛重量との差から編地の保水重量およびおもて面と裏面に接した各々のろ紙の含水重量から布帛のおもて面、裏面の保水率を算出した。この保水率からおもて面層の裏面層に対する保水率比(おもて面の保水率/裏面の保水率)を算出した。
(6)本発明の布帛は、おもて面層の裏面層に対する吸水表裏拡散面積比
(1)と同一の方法にて、おもて面と同時に裏面のインク液の拡散面積を測定し、その比率を計算した。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメント84dtex/72f(単糸繊度1.16dtex)を、ニップツイスター仮撚機MACH33H(村田機械(株)製)にて、表1に記載した実施例1の条件下で仮撚後、インターレースノズルQC−II(東レエンジニアリング(株)製)を用い、図2のようにエア圧力0.2MPaで56dtex/48f(沸水収縮率6.8%、単糸繊度1.16dtex)捲縮を有しないマルチフィラメント糸と混繊する。混繊時のフィード率は、仮撚捲縮糸は2.0%、捲縮を有しないマルチフィラメント糸は0%とし、140dtex/42fの芯鞘構造を有しない混繊糸を得た。この混繊糸の沸水収縮率は5.3%、ポリエステルマルチフィラメント84dtex/72fの捲縮率は37%、捲縮を有しないマルチフィラメント糸の混率は40%であった。得られた混繊糸を28ゲージシングル丸編機((株)福原精機製)にて、本発明の混繊糸100%の天竺編地を作成した。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練した後、水洗した。次いで、ピンテンターにて180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて吸水加工剤SR−1800(高松油脂(株)製)を10%owfと分散染料を用いて130℃染色し、水洗を行った後に、ピンテンターにて150℃×90秒の仕上げセットを行い、目付け179g/mで吸水拡散面積18.8cmの布帛が得られた。得られた布帛はソフトな風合と自然な綿調を満足するものであった。得られた混繊糸の物性と布帛の審美性、吸水性能評価及び風合い判定結果を表1に示す。
Figure 2014208932
[実施例2]
ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメント56dtex/48f(単糸繊度1.16dtex)を、ニップツイスター仮撚機MACH33H(村田機械(株)製)にて、表1に記載した実施例2の条件下で仮撚後、インターレースノズルQC−II(東レエンジニアリング(株)製)を用い、図2のようにエア圧力0.2MPaで84dtex/72f(沸水収縮率6.0%、単糸繊度1.16dtex)捲縮を有しないマルチフィラメント糸と混繊する。混繊時のフィード率は、仮撚捲縮糸では2.0%、捲縮を有しないマルチフィラメント糸では0%とし、140dtex/42fの芯鞘構造を有しない混繊糸を得た。この混繊糸の沸水収縮率は4.9%、ポリエステルマルチフィラメント56dtex/48fの捲縮率は35%、捲縮を有しないマルチフィラメント糸の混率は60%であった。得られた混繊糸を28ゲージシングル丸編機((株)福原精機製)にて、本発明の混繊糸100%の天竺編地を作製した。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練した後、水洗した。次いで、ピンテンターにて180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて吸水加工剤SR−1800(高松油脂(株)製)を10%owfと分散染料を用いて130℃染色し、水洗を行った後に、ピンテンターにて150℃×90秒の仕上げセットを行い、目付け165g/mで吸水拡散面積25.7cmの布帛が得られた。得られた布帛はソフトな風合と自然な綿調を満足するものであった。得られた混繊糸の物性と布帛の審美性、吸水性能評価及び風合い判定結果を表1に示す。
[実施例3]
ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメント56dtex/48f(単糸繊度1.16dtex)を、ピン式仮撚機((株)愛機製作所製)にて、表1に記載した実施例3の条件下で仮撚後、インターレースノズルQC−II(東レエンジニアリング(株)製)を用い、図2のようにエア圧力0.2MPaで33dtex/12f(沸水収縮率6.8%、単糸繊度2.75dtex)捲縮を有しないマルチフィラメント糸と混繊する。混繊時のフィード率は、仮撚捲縮糸では2.0%、捲縮を有しないマルチフィラメント糸では0%とし、90dtex/60fの芯鞘構造を有しない混繊糸を得た。この混繊糸の沸水収縮率は6.2%、ポリエステルマルチフィラメント56dtex/48fの捲縮率は25%、捲縮を有しないマルチフィラメント糸の混率は35%であった。得られた混繊糸を28ゲージシングル丸編機((株)福原精機製)にて、本発明の混繊糸100%の天竺編地を作成した。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練した後、水洗した。次いで、ピンテンターにて180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて吸水加工剤SR−1800(高松油脂(株)製)を10%owfと分散染料を用いて130℃染色し、水洗を行った後に、ピンテンターにて150℃×90秒の仕上げセットを行い、目付け115g/mで吸水拡散面積25.8cmの布帛が得られた。得られた布帛はソフトな風合と自然な綿調を満足するものであった。得られた混繊糸の物性と布帛の審美性、吸水性能評価及び風合い判定結果を表1に示す。
[実施例4]
ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメント56dtex/48f(単糸繊度1.16dtex)を、ピン式仮撚機((株)愛機製作所製)にて、表1に記載した実施例4の条件下で仮撚後、インターレースノズルQC−II(東レエンジニアリング(株)製)を用い、図2のようにエア圧力0.2MPaで33dtex/12f(沸水収縮率6.8%、単糸繊度2.75dtex)捲縮を有しないマルチフィラメント糸と混繊する。混繊時のフィード率は、仮撚捲縮糸では2.0%、捲縮を有しないマルチフィラメント糸では0%とし、90dtex/60fの芯鞘構造を有しない混繊糸を得た。この混繊糸の沸水収縮率は6.0%、ポリエステルマルチフィラメント56dtex/48fの仮撚捲縮は38%、捲縮を有しないマルチフィラメント糸の混率は35%であった。得られた混繊糸を28ゲージシングル丸編機((株)福原精機製)にて、本発明の混繊糸100%の天竺編地を作成した。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練した後、水洗した。次いで、ピンテンターにて180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて吸水加工剤SR−1800(高松油脂(株)製)を10%owfと分散染料を用いて130℃染色し、水洗を行った後に、ピンテンターにて150℃×90秒の仕上げセットを行い、目付け117g/mで吸水拡散面積18.7cmの布帛が得られた。得られた布帛はソフトな風合と自然な綿調を満足するものであった。得られた混繊糸の物性と布帛の審美性、吸水性能評価及び風合い判定結果を表1に示す。
[実施例5]
ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメント150dtex/36f部分配向糸(POY)をニップツイスター仮撚機MACH33H(村田機械(株)製)にて、表1に記載した実施例5の条件下で仮撚後、インターレースノズルQC−II(東レエンジニアリング(株)製)を用い、図2のようにエア圧力0.2MPaで33dtex/12f(沸水収縮率15.5%、単糸繊度2.75dtex)捲縮を有しないマルチフィラメント糸と混繊する。混繊時のフィード率は、仮撚捲縮糸では2.0%、捲縮を有しないマルチフィラメント糸では0%とし、120dtex/48fの芯鞘構造を有しない混繊糸を得た。この混繊糸の沸水収縮率は10.5%、ポリエステルマルチフィラメント150dtex/36f部分配向糸からなる仮撚糸の捲縮率は28%であり、単繊維の長手方向の直径がThick&Thinランダムに分布した捲縮を有しないマルチフィラメント糸の混率は26%であった。得られた混繊糸を28ゲージシングル丸編機((株)福原精機製)にて、本発明の混繊糸100%の天竺編地を作成した。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練した後、水洗した。次いで、ピンテンターにて180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて吸水加工剤SR−1800(高松油脂(株)製)を10%owfと分散染料を用いて130℃染色し、水洗を行った後に、ピンテンターにて150℃×90秒の仕上げセットを行い、目付け165g/mで吸水拡散面積26.0cmの布帛が得られた。得られた布帛はソフトな風合とはっきりとしたThick&Thin杢調を満足するものであった。得られた混繊糸の物性と布帛の審美性、吸水性能評価及び風合い判定結果を表1に示す。
[実施例6]
ポリエチレンテレフタレートからなる常圧分散可染ポリエステルマルチフィラメント150dtex/36f部分配向糸(POY)をニップツイスター仮撚機MACH33H(村田機械(株)製)にて、表1に記載した実施例5の条件下で仮撚捲縮を付与し、150℃のヒーター温度で捲縮セットさせてからインターレースノズルQC−II(東レエンジニアリング(株)製)を用い、図2のようにエア圧力0.2MPaで33dtex/48f(沸水収縮率15.5%、単糸繊度0.67dtex)捲縮を有しないカチオン染料可染マルチフィラメント糸と混繊する。混繊時のフィード率は、仮撚捲縮糸では2.0%、捲縮を有しないカチオン染料可染マルチフィラメント糸では0%とし、120dtex/84fの芯鞘構造を有しない混繊糸を得た。この混繊糸の沸水収縮率は6.8%、ポリエステルマルチフィラメント150dtex/36f部分配向糸からなる仮撚糸の捲縮率は17%であり、単繊維の長手方向の直径がThick&Thinランダムに分布した捲縮を有しないマルチフィラメント糸の混率は24%であった。得られた混繊糸を28ゲージシングル丸編機((株)福原精機製)にて、本発明の混繊糸100%の天竺編地を作成した。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練した後、水洗した。次いで、ピンテンターにて180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて吸水加工剤SR−1800(高松油脂(株)製)を10%owfと分散染料及びカチオン染料を用いて100℃染色し、水洗を行った後に、ピンテンターにて150℃×90秒の仕上げセットを行い、目付け152g/mで吸水拡散面積30.0cmの布帛が得られた。得られた布帛はソフトな風合とはっきりとしたThick&Thin杢調に加え、異色性を満足するものであった。得られた混繊糸の物性と布帛の審美性、吸水性能評価及び風合い判定結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例4で得られた混繊糸を使用する。28ゲージシングル丸編機((株)福原精機製)を用い、84dtex/48fの通常のポリエステル仮撚糸(東レ(株)製“セオ・アルファ”(登録商標))にておもて面を天竺組織とし、裏糸に実施例5で得られた混繊糸を表糸3コースに毎に1本裏側に入れ、表糸のウェル方向1×1にて凸部を形成する編地を作製した。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練した後、水洗した。次いで、ピンテンターにて180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて吸水加工剤SR−1800(高松油脂(株)製)を10%owfと分散染料を用いて130℃染色し、水洗を行った後に、ピンテンターにて160℃×90秒の仕上げセットを行い、目付け139g/mで吸水拡散面積19.9cmの布帛が得られた。得られた布帛はソフトであり、おもて面がフラットな表面感を持つ素材であり、さらに、水を多く含ませたときのベタツキ感がほとんど感じられない素材であった。得られた混繊糸の物性と布帛の審美性、吸水性能評価及び風合い判定結果を表1に示す。
[比較例1]
ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメント84dtex/72f(沸水収縮率6.0%、単糸繊度1.16dtex)と56dtex/48f(沸水収縮率6.8%、単糸繊度1.16dtex)を合わせて、ニップツイスター仮撚機MACH33H(村田機械(株)製)にて、表1に記載した比較例1の条件下で仮撚後、インターレースノズルQC−II(東レエンジニアリング(株)製)を用い、図2のようにエア圧力0.2MPa、フィード率は2.0%で交絡し、沸水収縮率は3.6%、捲縮を有しないマルチフィラメント糸を含まれない140dtex/42fの仮撚糸を得た。得られた糸を28ゲージシングル丸編機((株)福原精機製)にて、仮撚糸100%の天竺編地を作成した。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練した後、水洗した。次いで、ピンテンターにて180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて吸水加工剤SR−1800(高松油脂(株)製)を10%owfと分散染料を用いて130℃染色し、水洗を行った後に、ピンテンターにて150℃×90秒の仕上げセットを行い、目付け186g/mで吸水拡散面積14.5cmの布帛が得られたが、吸水拡散性能と自然な綿調を満足するものではなかった。判定結果は表1に示す。
[比較例2]
ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメント84dtex/72f(沸水収縮率6.0%、単糸繊度1.16dtex)と56dtex/48f(沸水収縮率6.8%、単糸繊度1.16dtex)を合わせて、ニップツイスター仮撚機MACH33H(村田機械(株)製)にて、表1に記載した比較例2の条件下でインターレースノズルQC−II(東レエンジニアリング(株)製)を用い、図2のようにエア圧力0.2MPa、フィード率は2.0%で交絡し、沸水収縮率は5.7%、140dtex/42fの混繊糸を得た。この混繊糸に捲縮率15%以上のポリエステルマルチフィラメント糸は含まれていない。得られた糸を28ゲージシングル丸編機((株)福原精機製)にて、混繊糸100%の天竺編地を作成した。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練した後、水洗した。次いで、ピンテンターにて180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて吸水加工剤SR−1800(高松油脂(株)製)を10%owfと分散染料を用いて130℃染色し、水洗を行った後に、ピンテンターにて150℃×90秒の仕上げセットを行い、目付け174g/mで吸水拡散面積31.5cmの布帛が得られた、吸水拡散性能を満足するものであるが、吸水後は肌面にベタツキ感が強く審美性を満足するものではなかった。判定結果は表1に示す。
[比較例3]
ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルマルチフィラメント56dtex/48f(単糸繊度1.16dtex)を、ピン式仮撚機(愛機製作所(株)製)にて、表1に記載した比較例3の条件下で仮撚後、インターレースノズルQC−II(東レエンジニアリング(株)製)を用い、図2のようにエア圧力0.2MPaで33dtex/12f(沸水収縮率6.8%、単糸繊度2.75dtex)捲縮を有しないマルチフィラメント糸と混繊する。混繊時のフィード率は、仮撚捲縮糸では2.0%、捲縮を有しないマルチフィラメント糸では0%とし、90dtex/60fの芯鞘構造を有しない混繊糸を得た。この混繊糸の沸水収縮率は6.2%、ポリエステルマルチフィラメント56dtex/48fの捲縮率は12%、捲縮を有しないマルチフィラメント糸の混率は35%であった。得られた混繊糸を28ゲージシングル丸編機((株)福原精機製)にて、混繊糸100%の天竺編地を作成した。この生機を液流染色機にて80℃×20分で精練した後、水洗した。次いで、ピンテンターにて180℃×90秒のプレセットを行った。その後、液流染色機にて吸水加工剤SR−1800(高松油脂(株)製)を10%owfと分散染料を用いて130℃染色し、水洗を行った後に、ピンテンターにて150℃×90秒の仕上げセットを行い、目付け110g/mで吸水拡散面積22.0cmの布帛が得られた。得られた布帛は吸水拡散性能が優れるがドライな風合と自然な綿調を得られなく、吸水後は肌面にベタツキ感が強く審美性を満足するものではなかった。判定結果は表1に示す。
[実施例8]
実施例4の混繊方法において、捲縮有しないマルチフィラメントを33dtex/12fの凹が4つのX型異型断面糸(東レ(株)製 “エアファイン” (登録商標))に置き換え、90dtex/60fの混繊糸を作成し、実施例4と同様な方法にて天竺編地を作成した。目付け108g/mで吸水拡散面積21.1cmの布帛が得られた。得られた布帛はソフトな風合とふくらみ、自然な綿調を有する編地であった。得られた混繊糸の物性と布帛の審美性、吸水性能評価及び風合い判定結果を表1に示す。
[実施例9]
実施例8と同一の90dtex/60fの芯鞘構造を有しない混繊糸を裏面に、おもて面に84dtex/48fの異型断面糸(東レ(株)製“セオ・アルファ”(登録商標))を使用し、28ゲージシングル丸編機((株)福原精機製)にて、裏毛組織のシングル編地を作成した。この生機を実施例1と同様な方法にて加工し、目付け132g/mで吸水拡散面積24.3cmの布帛が得られた。得られた布帛はソフトな風合とふくらみ、ムラのないフラットな表面感を持ち、肌面がドライな素材であった。得られた混繊糸の物性と布帛の審美性、吸水性能評価及び風合い判定結果を表1に示す。
[実施例10]
実施例8と同一の90dtex/60fの芯鞘構造を有しない混繊糸をおもて面に、裏面に84dtex/36fのポリエステル丸断面糸(東レ(株)製 “テトロン”(登録商標))を使用し、28ゲージシングル丸編機((株)福原精機製)にて、裏毛組織のシングル編地を作成した。この生機を実施例1と同様な方法にて加工し、目付け134g/mで吸水拡散面積26.9cmの布帛が得られた。得られた布帛はソフトな風合とふくらみ、自然な綿長の表面感を持ち、肌面がドライな素材であった。得られた混繊糸の物性と布帛の審美性、吸水性能評価及び風合い判定結果を表1に示す。
[実施例11]
実施例8と同一の90dtex/60fの芯鞘構造を有しない混繊糸を裏面緯糸(図5の〇部)に、84dtex/36fのポリエステル丸断面糸(東レ(株)製 “テトロン”(登録商標))を裏表緯糸(図5の黒四角(■)部)に、84dtex/48fの異型断面糸(東レ(株)製“セオ・アルファ”(登録商標))を経糸(図5の白四角(□)部)に使用し、ドビー機構付きエアジェット織機で、緯二重織物組織を作成した。この生機を実施例1と同様な方法にて加工し、目付け112g/mで吸水拡散面積32.8cmの布帛が得られた。得られた布帛はソフトな風合とふくらみ、フラットな表面感を持ち、肌面がドライな素材であった。得られた混繊糸の物性と布帛の審美性、吸水性能評価及び風合い判定結果を表1に示す。
本発明に係る吸水性布帛は、スポーツウェア等の衣料向け材料として広く利用可能である。
1:第1フィードローラー
2:ホットピン
3:第2フィードローラー
4:ヒーター
5:ツイスター
6:第3フィードローラー
7:ノズル
8:第4フィードローラー
9:混繊糸
A:ポリエステルマルチフィラメント(捲縮15%以上)
B:捲縮を有しないマルチフィラメント
a:交絡部
b:非交絡部

Claims (12)

  1. 捲縮率が15%以上のポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸と捲縮を有しないマルチフィラメント糸からなる芯鞘構造を有しない混繊糸であって、該混繊糸の沸水収縮率が4.5%以上であり、該混繊糸が20%以上の重量比で含まれることを特徴とする吸水性布帛。
  2. 前記捲縮を有しないマルチフィラメント糸の単糸繊度が0.1dtex以上かつ3.0dtex以下であり、前記混繊糸が20%以上かつ70%以下の重量比で前記捲縮を有しないマルチフィラメントを含む、請求項1に記載の吸水性布帛。
  3. 前記ポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸の断面が凹部を有しておらず、前記捲縮を有しないマルチフィラメント糸の断面が3個以上8個以下の凹部を有する、請求項1または2に記載の吸水性布帛。
  4. 20cm以上の吸水拡散面積を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の吸水性布帛。
  5. 200g/m以下の目付けを有する、請求項1〜4のいずれかに記載の吸水性布帛。
  6. 親水加工が施されている、請求項1〜5のいずれかに記載の吸水性布帛。
  7. 少なくとも2層からなる多層構造を有し、前記混繊糸が裏面のみに配置されている、請求項1〜6のいずれかに記載の吸水性布帛。
  8. 前記混繊糸が前記裏面のみに配置され、前記裏面に凹凸が形成されている、請求項7に記載の吸水性布帛。
  9. 前記混繊糸が前記裏面の緯糸としてのみ配置されている、請求項7または8に記載の吸水性布帛。
  10. 少なくとも2層からなる多層構造を有し、前記混繊糸がおもて面のみに配置されている、請求項1〜6のいずれかに記載の吸水性布帛。
  11. 少なくとも2層からなる多層構造を有し、裏面を含む層の吸水保水率に対するおもて面を含む層の吸水保水率の比が5倍以上で、かつ、前記裏面を含む層の吸水拡散面積に対する前記おもて面を含む層の吸水拡散面積の比が5倍以上である、請求項1〜10のいずれかに記載の吸水性布帛。
  12. 前記ポリエステルマルチフィラメント仮撚加工糸と前記捲縮を有しないマルチフィラメント糸が異なる染色性を示し、杢調の表面感を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の吸水性布帛。
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