JPH06234824A - 共縮合物およびそれを含有するゴム組成物 - Google Patents
共縮合物およびそれを含有するゴム組成物Info
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Abstract
物を提供し、その共縮合物をゴムに配合することによ
り、補強材との加硫接着性を改良する。 【構成】 アルカリ触媒の存在下でp−アルキルフェノ
ールとホルムアルデヒドを反応させて得られるレゾール
型縮合物にさらに、酸触媒の存在下、レゾルシンのよう
なm−置換フェノールを反応させて得られる縮合物であ
って、m−置換フェノールの含量が4重量%以下であ
り、かつp−アルキルフェノールとm−置換フェノール
を除く分子量1000以下の成分が25重量%以上であ
る共縮合物。この共縮合物をゴムに配合することによ
り、補強材との加硫接着性に優れるゴム組成物が得られ
る。 【効果】 この共縮合物は、蒸散性および吸湿性が小さ
く、かつゴムと補強材との加硫接着において優れた接着
性能を示し、また高硬度の加硫ゴムを与える。
Description
ルおよびm−置換フェノールを、ホルムアルデヒドと共
縮合させて得られる共縮合物および、それのゴム薬品と
しての用途に関するものである。さらに詳しくは、蒸散
性および吸湿性をあまり示さず、かつゴムと補強材との
加硫接着に用いたときに優れた接着性能と高い硬度を付
与する共縮合物、およびそれを含有するゴム組成物に関
するものである。
補強材で補強する必要のあるゴム製品においては、ゴム
と補強材との接着がしばしば問題となっている。そこで
従来より、補強材を種々の接着剤で処理する方法や、ゴ
ムの加工工程において接着剤を他の各種配合剤とともに
配合する方法が知られている。これらのなかでも、ゴム
の加工工程において接着剤を配合する方法は、補強材の
接着剤処理の有無に関わらず、強固に加硫接着せしめる
ことができるため、広く採用されている。
般にホルムアルデヒド受容体および加熱によりホルムア
ルデヒドを発生するホルムアルデヒド発生剤を、加工段
階にあるゴムに配合して、得られる未加硫ゴムと補強材
とを加硫時に接着させるものである。そして、ホルムア
ルデヒド受容体として、レゾルシンやm−アミノフェノ
ールのようなm−置換フェノール類を用いる方法、m−
置換フェノール類とホルムアルデヒドやアセトアルデヒ
ドのようなアルデヒド類との縮合物を用いる方法、m−
置換フェノール類とともに他のモノ置換フェノール類を
アルデヒド類と反応させた縮合物を用いる方法などがあ
る。
してm−置換フェノール類、特にレゾルシンを用いる方
法は、ゴムの硬度を向上させるのにも有効であることか
ら、従来広く使用されていた。しかし、レゾルシンはゴ
ムへの分散性が悪いため、高温にて混練する必要がある
が、高温混練によりレゾルシンが著しく昇華し、環境衛
生上好ましくないなど、大きな社会問題となってきた。
さらには、レゾルシンを配合した未加硫ゴムにおいて
は、レゾルシンがゴム表面にブルームし、したがって未
加硫ゴム間の接着性の低下を招くという欠点も有してい
た。
ば特公昭 45-27463 号公報、特公昭47-7640号公報、米
国特許第 2,746,898号明細書などにより、レゾルシンと
ホルムアルデヒドとの縮合物が提案された。こうしたい
わゆるレゾルシン樹脂は、ゴムへの分散性においてある
程度の改良がみられるものの、樹脂中に未反応のレゾル
シンが多く残存するため、レゾルシンの蒸散性およびブ
ルームによる接着性不良の問題が依然として残ってい
た。さらには、これらレゾルシン樹脂は潮解しやすく、
したがって樹脂保存中に固化するという取扱上の問題も
有してした。
く、例えば特公昭 52-26275 号公報や特公昭 56-37902
号公報などにより、レゾルシン、アルキルフェノールお
よびホルムアルデヒドからなる3成分系共縮合物や、レ
ゾルシンとホルムアルデヒドの縮合物およびアルキルフ
ェノールとホルムアルデヒドの縮合物からなる混合物が
提案された。これらのアルキルフェノール含有レゾルシ
ン系樹脂は、従来のレゾルシン樹脂を用いた場合に得ら
れる接着性やゴム物性と同等あるいはそれ以上の効果を
示し、かつ従来のレゾルシン樹脂の欠点であった潮解性
や固化性を改良するものである。しかしながら、これら
アルキルフェノール含有レゾルシン系樹脂においても、
未反応のレゾルシンが依然としてある程度残存するた
め、それの昇華が環境衛生上問題であること、さらには
補強材との接着性およびゴムの硬度が必ずしも十分でな
いことから、これらの改良が強く要望されていた。
情に鑑み、公知のレゾルシン樹脂やアルキルフェノール
含有レゾルシン系樹脂が有していた欠点を解決すべく、
種々研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
との加硫接着に適用した場合に高い接着性能を示し、か
つ高硬度の加硫ゴムを与えることができる共縮合物を提
供することにある。
化性を示さず、かつ未反応成分に起因する蒸散性もあま
り示さない共縮合物を提供することにある。
をゴムに配合することにより、機械的物性の低下がほと
んどなく、補強材との加硫接着性能に優れ、しかも硬度
の高い加硫ゴムが得られるゴム組成物を提供することに
ある。
成物を用いて補強材と接着する方法を提供することにあ
る。
から明らかになるであろう。
ムアルデヒドとを、アルカリ触媒の存在下で反応させて
得られるレゾール型縮合物にさらに、式(II)
〜5のアルキルカルボニルオキシまたは炭素数1〜4の
アルコキシを表す)
の存在下、水を留去しながら反応させて得られる縮合物
であって、式(II)のm−置換フェノールの含量が4重
量%以下であり、かつこの縮合物全量のなかで、式
(I)のp−アルキルフェノールと式(II)のm−置換
フェノールを除く分子量1000以下の成分の占める割
合が25重量%以上である共縮合物を提供するものであ
る。
エン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ア
クリロニトリルブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴ
ム、ブチルゴムおよびハロゲン化ブチルゴムから選ばれ
るゴムに、前記共縮合物を含有せしめてなるゴム組成物
を提供し、さらには、この共縮合物を前記の群から選ば
れるゴムに配合し、補強材との接触下で加硫することに
より、ゴムと補強材とを接着する方法をも提供する。
る共縮合物をゴムに配合した例はなく、またm−置換フ
ェノール含量と低分子量縮合物含量の関係に着目してい
るものはなかった。特に従来一般に知られている方法に
より、式(I)で示されるp−アルキルフェノールと式
(II)で示されるm−置換フェノールとをホルムアルデ
ヒドにより共縮合させた場合、式(II)で示されるm−
置換フェノールの残存量を少なくしようとすると、縮合
物が高分子量化してしまい、一方、縮合物を低分子量化
しようとすると、式(II)で示されるm−置換フェノー
ルが多く残存してしまっていた。
徴は、式(II)で示されるm−置換フェノールの含量が
少なく、かつ分子量1000以下の低分子量縮合物の含
量が多い点にある。すなわち本発明では、分子量100
0以下の低分子量縮合物の含量が、ゴムと補強材との加
硫接着における接着性およびゴムの硬度と相関し、その
含量が多いほど、ゴムと補強材との接着性に高い効果を
示すことが見いだされた。ただ、低分子量成分のなかで
も未反応のまま残る式(II)のm−置換フェノールは、
ゴムに配合したとき昇華性やブルーム性を示すため、少
ないほど好ましい。そこで本発明の共縮合物は、式(I
I)で示されるm−置換フェノールの含量を少なくし、
かつ低分子量縮合物の含量を多くした点に大きな特徴が
ある。
アルキルフェノールは、パラ置換のモノアルキルフェノ
ールであって、フェノールのパラ位に結合するアルキル
の炭素数は1〜12の範囲から選択され、こうしたp−
アルキルフェノールのいずれかを単独で、あるいは2種
以上組み合わせて用いることができる。蒸散性、共縮合
物の軟化点および物理性状といった観点からすると、式
(I)におけるnが4〜12の範囲、とりわけnが4〜
9の範囲にあるp−アルキルフェノールが好ましく用い
られる。好ましいp−アルキルフェノールとして具体的
には、p−n−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェ
ノール、p−t−オクチルフェノール、p− sec−オク
チルフェノール、p−ノニルフェノールなどが例示され
る。なかでも特に好ましいものは、p−t−オクチルフ
ェノールおよびp−ノニルフェノールである。
ルカリ触媒の存在下でホルムアルデヒドと反応させて、
レゾール型縮合物を得る。ここで用いるアルカリ触媒は
特に限定されるものでなく、アルカリ金属やアルカリ土
類金属の水酸化物または炭酸塩、アンモニア、アミンの
ような、通常のレゾール型縮合物を製造する際に用いら
れるものであることができる。アルカリ金属やアルカリ
土類金属の水酸化物または炭酸塩の具体例としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、
炭酸ナトリウムなどが挙げられる。またホルムアルデヒ
ドは、ホルムアルデヒド自体(水溶液であるホルマリ
ン)のほか、パラホルムアルデヒドやトリオキサンのよ
うな、容易にホルムアルデヒドを発生する化合物であっ
てもよい。
中で行うのが好ましい。用いる反応溶媒は、水または有
機溶媒であることができる。この反応で得られるレゾー
ル型縮合物を含む混合物をそのまま後段のm−置換フェ
ノールとの反応に供する場合は、水と共沸し、かつ水か
ら用意に分液できる溶媒が好ましく、具体的には、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、モノクロロ
ベンゼンなどの芳香族炭化水素が例示される。
らに前記式(II)で示されるm−置換フェノールを加
え、酸触媒の存在下、生成する水を留去しながら反応さ
せる。式(II)のm−置換フェノールには、レゾルシ
ン、m−アミノフェノール、レゾルシンモノアセテー
ト、レゾルシンモノプロピオネート、レゾルシンモノブ
チレート、レゾルシンモノメチルエーテル、レゾルシン
モノエチルエーテル、レゾルシンモノプロピルエーテ
ル、レゾルシンモノブチルエーテルなどが包含され、こ
れらはそれぞれ単独で、または2種以上組み合わせて用
いることができる。これらのなかでも、特にレゾルシン
が好ましく用いられる。また、ここで用いる酸触媒は特
に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン
酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられ
る。
ここで用いる反応溶媒は、水と共沸し、かつ水から容易
に分離できるものが好ましく、具体的には、先に例示し
た芳香族炭化水素が挙げられ、なかでもトルエンが好ま
しい。
ェノールとの反応物から溶媒や水分などを除去すること
により、共縮合物が得られるが、本発明に係る共縮合物
は、こうしたなかでも特定のもの、 すなわち、未反応
で残存する式(II)のm−置換フェノールの含量が4重
量%以下であり、かつその共縮合物全量のなかで、式
(I)のp−アルキルフェノールと式(II)のm−置換
フェノールを除く分子量1000以下の成分の占める割
合が25重量%以上のものである。
m−置換フェノールは、昇華性やブルーム性の観点か
ら、4重量%以下とする。好ましくはm−置換フェノー
ルの含量が3重量%以下であり、より好ましくは2重量
%以下、さらに好ましくは1重量%以下である。本発明
によれば、式(II)のm−置換フェノールの含量を1重
量%以下とすることも十分可能である。一方、未反応の
まま残る式(I)のp−アルキルフェノールは、あまり
多い場合にはゴムと補強材との接着性を減ずるので、6
重量%以下となるようにするのが好ましく、また2重量
%以下、さらには1重量%以下とするのがより好まし
い。
(II)のm−置換フェノールを除く分子量1000以下
の低分子量縮合物の含量は、全縮合物中で25重量%以
上となるようにする。かかる低分子量縮合物の含量は、
ゴムと補強材とを加硫接着する際の接着性およびゴムの
硬度と相関があり、その量が25重量%を下回ると、接
着性およびゴムの硬度が十分でなくなる。さらには、こ
のような低分子量縮合物の含量が多いほど、高い接着性
および高い硬度を示すことから、かかる低分子量縮合物
を40重量%以上含むものがより好ましい。
特に、式(I)のp−アルキルフェノール1分子にホル
ムアルデヒドを介して式(II)のm−置換フェノールが
2分子縮合した形の化合物は、ゴムと補強材との接着性
向上に一層優れた効果を発揮する。この化合物は、以下
の式 (III)、(IV)および(V)のいずれかで示され
る。
他方は先に定義したXと同じ意味を表し、nは前記の意
味を表す。
させる効果も有している。そこで、本発明に係る共縮合
物のなかでも、上記式 (III)、(IV)および(V)で示
される化合物の総和が、縮合物中20重量%以上である
ものが好ましく、また50重量%以上、さらには80重
量%以上であるものがより好ましい。 なお、前記式(I
II)、(IV)および(V)で示される化合物は、少なく
とも1種存在していればよく、上記20重量%以上、5
0重量%以上、あるいは80重量%以上という数字は、
1種のみが存在する場合はその量、2種存在する場合は
両者の合計量、3種またはそれ以上存在する場合はそれ
らの合計量と理解されるべきである。
ールとしてレゾルシンを用い、したがって前記式 (II
I)、(IV)および(V)におけるYおよびZがともに水
酸基である場合には、高い効果が発揮される。前記式
(III)、(IV)および(V)で示される化合物の合計含
量が20重量%以上、あるいはさらに50重量%以上で
ある共縮合物を製造するときは、操作条件を適切に選択
すれば、未反応のまま残る式(I)のp−アルキルフェ
ノールおよび式(II)のm−置換フェノールの含量も少
なくできる。そして、式(I)のp−アルキルフェノー
ルおよび式(II)のm−置換フェノールの含量をそれぞ
れ2重量%以下とすることができ、さらにはそれぞれ1
重量%以下とすることもできる。
で2時間加熱したときの加熱減量が2重量%以下とな
る。
フェノールの含量が少なく、かつ低分子量成分の含量が
多い共縮合物を製造する方法は、必ずしも特別の方法に
制限されるものではない。しかし、同じ原料を用いて
も、従来一般に知られている方法による場合、式(II)
で示されるm−置換フェノールの残存量を少なくしよう
とすると、縮合物が高分子量化してしまい、一方、縮合
物を低分子量化しようとすると、式(II)で示されるm
−置換フェノールが多く残存してしまっていた。
(A)、(B)、(C)三つの工程を経て製造される。
キルフェノールとホルムアルデヒドとを、 p−アルキ
ルフェノールに対するホルムアルデヒドの仕込モル比M
1 が1.5以上となるように仕込み、アルカリ触媒の存在
下で反応させて、レゾール型縮合物を得ること;
縮合物に、前記式(II)で示されるm−置換フェノール
を添加し、この際、レゾール型縮合物中に存在する式
(I)のp−アルキルフェノール起因成分をそのp−ア
ルキルフェノールに換算した量に対するm−置換フェノ
ールの仕込モル比M2 を1以上とし、そして酸触媒の存
在下、水を留去しながら反応させること;および
回収すること。
モル比M1 およびM2 を適切に選択することにより、あ
るいは不純物を除去する工程を追加することにより、本
発明で意図する共縮合物を製造することができる。
はまず、式(I)のp−アルキルフェノールおよびホル
ムアルデヒド、好ましくはさらに溶媒を仕込む。そし
て、この混合物にアルカリ触媒を添加したあと、40〜
100℃の温度で反応させて、レゾール型縮合物を得
る。
ルフェノールのモノ−および−ジメチロール置換体、な
らびに、未反応のp−アルキルフェノールおよびホルム
アルデヒドを主体とする混合物になるが、ここではp−
アルキルフェノールのジメチロール体を多く生成させる
のが好ましい。そこでこの工程では、式(I)で示され
るp−アルキルフェノールに対するホルムアルデヒドの
仕込モル比M1 を1.5以上、好ましくは1.5〜4の範囲
とする。ホルムアルデヒドの仕込モル比M1 が1.5を下
回ると、未反応のp−アルキルフェノールや、p−アル
キルフェノールのモノメチロール置換体が多く残存する
ため、ゴムと補強材との接着性能上好ましくない。ホル
ムアルデヒドの仕込モル比M1 の上限は臨界的なもので
ないが、それが4を越えても、ジメチロール置換体の生
成が飽和し、ホルムアルデヒドが未反応のまま残る量が
多くなるだけになる。
ル比M1 が大きくなるにつれて、未反応のまま残るホル
ムアルデヒドの量は多くなる。特に、ホルムアルデヒド
の仕込モル比M1 が2以上、さらには2を越える場合
は、この工程で残存する過剰のホルムアルデヒドに起因
して、次の工程(B)で共縮合物の分子量の増大、反応
器へのスケーリングといった問題が生じる。そこで、工
程(A)で合成されたレゾール型縮合物をそのまま次工
程(B)で式(II)のm−置換フェノールと反応させる
場合は、工程(A)において、ホルムアルデヒドの仕込
モル比M1 を1.5〜2の範囲とするのが好ましい。
以上、さらには2を越える場合は、工程(A)での反応
終了後、有機層を水で、好ましくは亜硫酸ナトリウム水
溶液で洗浄してホルムアルデヒドを除去し、p−アルキ
ルフェノールのジメチロール置換体を主体とする初期縮
合物としておくのが好ましい。また、前記式 (III)、
(IV)および/または(V)で示される特定構造のフェ
ノール三分子縮合体を主成分とする共縮合物を得るため
には、反応後、あるいはさらに洗浄後、レゾール型縮合
物を有機溶媒で晶析し、実質的にジメチロール置換体の
みからなるものを取得するのが、より好ましい。
ゾール型縮合物、あるいはそれを洗浄または晶析してジ
メチロール置換体主体としたものに、式(II)のm−置
換フェノールを添加する。そして酸触媒の存在下、pH
0〜6で、生成する水を留去しながら、温度100〜1
60℃、好ましくは110〜160℃で反応を行う。
(I)のp−アルキルフェノールに対するホルムアルデ
ヒドの仕込モル比M1 と、工程(B)におけるレゾール
型縮合物中のp−アルキルフェノール換算量に対するm
−置換フェノールの仕込モル比M2 との関係は、回収後
の共縮合物中に残存する式(II)のm−置換フェノール
および式(I)のp−アルキルフェノールの量、式
(I)のp−アルキルフェノールと式(II)のm−置換
フェノールを除く分子量1000以下の縮合物成分の
量、共縮合物の平均分子量、さらには式 (III)、(IV)
および/または(V)で示されるフェノール三分子縮合
体の総和に影響する。特に、工程(A)で得られるレゾ
ール型縮合物をそのまま工程(B)でm−置換フェノー
ルと反応させる場合は、M1 とM2 の関係が、得られる
共縮合樹脂の品質に影響してくる。
ルフェノール換算量に対するm−置換フェノールの仕込
モル比M2 とは、式(II)で示されるm−置換フェノー
ルの仕込量と、レゾール型縮合物中に存在する式(I)
のp−アルキルフェノール起因成分をそのp−アルキル
フェノールに換算した量とのモル比を意味する。例え
ば、工程(A)で得られたレゾール型縮合物をそのまま
工程(B)で用いる場合は、工程(A)で用いた式
(I)のp−アルキルフェノールの量に対して、工程
(B)で用いる式(II)のm−置換フェノールのモル比
を表す。工程(A)で得られたレゾール型縮合物を分割
して一部を工程(B)で用いる場合は、当然その分割割
合に応じて工程(B)で用いる式(II)のm−置換フェ
ノールのモル比が決定される。また、工程(A)で得ら
れたレゾール型縮合物から晶析などの操作により、未反
応成分その他の不純物を除去した場合は、その除去した
成分を除いて、レゾール型縮合物中に残っている式
(I)のp−アルキルフェノール起因成分の量に基づい
て計算される。
そのまま工程(B)でm−置換フェノールと反応させる
場合は、工程(A)におけるホルムアルデヒドの仕込モ
ル比M1 を1.5〜2の範囲から選択し、得られるレゾー
ル型縮合物に工程(B)でm−置換フェノールを添加
し、その際m−置換フェノールの仕込モル比M2 を1以
上、好ましくは1〜3の範囲とし、かつM1 とM2 との
関係が、 M1 −M2 ≦0.5 を満たすようにして、反応させるのが好ましい。
仕込モル比M2 の上限は臨界的なものでなく、後工程で
未反応m−置換フェノールの除去を適切に行うかぎり、
M2を大きくするにつれて、得られる共縮合物をゴムに
配合したときの補強材との接着性、さらにはゴムの硬度
を高める効果が大きくなる。しかし、M2 が3を越える
と、性能向上効果はほぼ飽和してしまう。M1 −M2 が
0.5を上回ると、共縮合樹脂中に未反応で残存する式
(II)のm−置換フェノールの量は4重量%以下となる
が、一方で共縮合樹脂の分子量が増大する結果、式
(I)のp−アルキルフェノールと式(II)のm−置換
フェノールを除く分子量1000以下の縮合物成分の量
が25重量%を下回ることが多くなる。このように低分
子量縮合物成分が少なくなると、ゴムに配合したときの
接着性能が不十分になるとともに、共縮合樹脂の軟化点
が上昇する結果、製造時の樹脂の取り出しも困難にな
る。
けるm−置換フェノールの仕込モル比M2 を1〜1.5の
範囲とし、かつM1 とM2 との関係が、 2≦2M1 −M2 を満たすようにするのも好ましい。このような限定され
た条件を採用すれば、工程(B)の反応により、m−置
換フェノールの残存量が少なく、かつ低分子量縮合物成
分の多い共縮合樹脂が得られる。したがってこの場合
は、工程(C)において溶媒および水分を除去すればよ
い。m−置換フェノールの仕込モル比M2 が1.5を上回
る場合、あるいは2M1 −M2 が2を下回る場合には、
反応後に残存する式(II)のm−置換フェノールが多く
なるので、工程(C)で未反応原料および溶媒を除去す
る。
ドの仕込モル比M1 を2以上とした場合は、工程(A)
の反応後、反応混合物を水で、好ましくは亜硫酸ナトリ
ウム水溶液で洗浄し、好ましくはさらに晶析することに
より、p−アルキルフェノールのジメチロール置換体を
主体とする初期縮合物を得、この初期縮合物に対し、工
程(B)でm−置換フェノールを、その仕込モル比M2
が2以上、好ましくは2〜6の範囲となるように添加
し、反応させるのが好ましい。ここで、M2 が2未満の
場合は、共縮合物の分子量が増大し、式(I)のp−ア
ルキルフェノールと式(II)のm−置換フェノールを除
く分子量1000以下の縮合物成分が25重量%を下回
ることもある。M2 の上限は臨界的なものでないが、6
を越えると式(II)のm−置換フェノールが過剰とな
り、経済的でなくなる。
ルデヒドの仕込モル比M1 を2以上とし、かつ工程
(B)におけるm−置換フェノールの仕込モル比M2 を
2以上とすれば、前記式 (III)、(IV)および/または
(V)で示されるフェノール三分子縮合体が主体の共縮
合物を製造することができる。特に工程(A)の反応
後、水洗および晶析を適切に行うことにより、実質的に
ジメチロール置換体のみからなるものを取得し、さらに
工程(C)での回収を適切に行うことにより、実質的に
式 (III)、(IV)および/または(V)で示されるフェ
ノール三分子縮合体のみからなる共縮合物を製造するこ
とも可能である。
法、特に工程(A)におけるホルムアルデヒドの仕込モ
ル比M1 と工程(B)におけるm−置換フェノールの仕
込モル比M2 の関係は、次のようにまとめることができ
る。
込モル比M1 を1.5以上、好ましくは1.5〜4の範囲と
し、工程(B)における式(II)のm−置換フェノール
の仕込モル比M2 を1以上、好ましくは1〜6の範囲と
し、そしてこの範囲内で、
(A)で得られるレゾール型縮合物に対し、工程(B)
でm−置換フェノールを添加し、この際その仕込モル比
M2を1以上、好ましくは1〜3の範囲とし、かつM1
とM2 の関係が、 M1 −M2 ≦0.5 を満たすようにして反応させるか、または
の範囲とし、工程(A)の反応後、反応混合物を水で、
好ましくは亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、好ましく
はさらに晶析することによってp−アルキルフェノール
のジメチロール置換体を主体とする初期縮合物とし、こ
の初期縮合物に対し、工程(B)でm−置換フェノール
を添加し、この際その仕込モル比M2 を2以上、好まし
くは2〜6の範囲として反応させること。
ある。工程(B)の反応終了後、未反応原料、特に式
(II)で示されるm−置換フェノールの残存量が少ない
場合には、100mmHg以下、好ましくは50mmHg以下ま
で減圧し、温度140〜220℃で処理することによ
り、溶媒および水分を除去し、本発明で意図する共縮合
物が回収できる。未反応原料が多く残存する場合は、最
終的に10mmHg以下まで、より好ましくは5mmHg以下ま
で減圧し、温度180〜220℃で処理して、未反応原
料、溶媒および水分を除去するのが好ましい。共縮合物
が樹脂の場合は、このような操作によって、共縮合樹脂
を固化させる。またこれとは別に、反応終了後、水洗に
より式(II)で示される遊離のm−置換フェノールを除
去したあと、溶媒を除去して共縮合物を回収するという
方法をとることもできる。
の含量が少なく、かつ低分子量縮合物の割合が多い共縮
合物を得ることができる。また、特定のフェノール三分
子縮合体、すなわち前記式 (III)、(IV)および/また
は(V)で示される化合物を主体とする共縮合物を得る
こともできる。反応操作条件を適切に選択すれば、式(I
II)、(IV)または(V)で示される化合物自体、ある
いは実質的にそれらの2種またはそれ以上のみからなる
混合物を取得することもできる。
フェノールのジメチロール置換体を単離し、さらに工程
(C)での精製を適切に行えば、前記式 (III)、(IV)
および/または(V)で示される化合物または混合物を
得ることができる。一方、こうした単離ないしは精製を
厳密に行わないかぎり、共縮合物は樹脂の形で得られ
る。 そして本発明の共縮合物は、式(II)で示される
m−置換フェノールの残存含量が少なく、かつ分子量1
000以下の縮合物成分、好ましくは式 (III)、(IV)
および/または(V)で示される化合物を多く含むこと
から、共縮合物全体の平均分子量も低いものであり、一
般には重量平均分子量が5000以下となる。分子量の
下限は、前記式 (III)、(IV)および/または(V)で
示される化合物の分子量に相当する。共縮合物が樹脂の
場合、原料である式(I)のp−アルキルフェノールに
おけるアルキル基の炭素数、あるいは式(II)のm−置
換フェノールにおける置換基Xの種類によっても平均分
子量は変化するが、一般には重量平均分子量が400以
上となる。
が低減され、かつゴムと補強材との加硫接着において優
れた接着性能を付与するものであり、ゴム製品、例え
ば、タイヤの各種部材やその他のゴム製品に適用した場
合に優れた効果を発揮する。例えばこの共縮合物を配合
したゴム組成物は、タイヤ、特にビード部やカーカス部
のような、補強材で補強される部分に適用することがで
きる。
の共縮合物は、ゴム100重量部に対し、通常0.5〜1
0重量部(以下、ゴム100重量部あたりの配合成分の
重量部をphr の単位で表す)の範囲で添加される。好ま
しくは、この共縮合物は1〜4phr 、さらに好ましくは
2〜4phr の範囲で添加される。
チレンブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプ
レンゴム、アクリロニトリルブタジエン共重合ゴム、ク
ロロプレンゴム、ブチルゴムおよびハロゲン化ブチルゴ
ムから選ばれ、それぞれ単独のゴムからなるものであっ
ても、また2種以上のゴムのブレンド物であってもよ
い。
は、特に補強材との加硫接着において有効である。接着
される補強材としては、ナイロン、レーヨン、ポリエス
テル、アラミドのような有機繊維類、真鍮メッキしたス
チールコード、亜鉛メッキしたスチールコードのような
スチールコード類が例示される。これらのいずれかで補
強されるゴムであればよいが、もちろん2種以上の補強
材を用いてもよい。
をゴムに配合するだけでも、補強材との加硫接着に効果
を発揮し、特にスチールコード、例えば真鍮メッキした
スチールコードや亜鉛メッキしたスチールコードに対し
ては、ある程度の効果を発揮するが、接着性を十分高め
るためには、通常ゴム工業において使用されている各種
のホルムアルデヒド発生剤、すなわち加熱によりホルム
アルデヒドを発生する化合物を、併せて使用するのが好
ましい。
従来よりホルムアルデヒド受容体であるレゾルシンやレ
ゾルシン系樹脂などとともに使用されているものである
ことができる。例えば、メラミンとホルムアルデヒドの
縮合物、すなわちジメチロールメラミン、トリメチロー
ルメラミン、テトラメチロールメラミン、ヘキサメチロ
ールメラミンのようなもの、メラミンとホルムアルデヒ
ドとメタノールの縮合物、すなわちヘキサキス(メトキ
シメチル)メラミン、ペンタキス(メトキシメチル)メ
チロールメラミンのようなもの、さらにはヘキサメチレ
ンテトラミンなどが適用できる。 ホルムアルデヒド発
生剤を用いる場合の配合量は、1〜10phr の範囲が好
ましく、さらに好ましくは1〜6phr 程度の範囲であ
る。
さらに充填剤を含むことができる。充填剤としては、通
常ゴム工業において使用されている各種のもの、例えば
カーボンブラックや、シリカ、クレー、炭酸カルシウ
ム、ガラス繊維などの無機充填剤が挙げられる。なかで
もカーボンブラックを配合するのが好ましく、通常ゴム
工業において使用されている種類のもの、例えば、SA
F、ISAF、HAF、FEF、SRF、GPF、MT
などが使用できる。充填剤の配合量は、補強性やゴムの
硬度、発熱性、動的耐久性などの観点より、20〜15
0phr の範囲が好ましい。さらには、カーボンブラック
とは別に、あるいはカーボンブラックとともに、接着性
向上のため含水シリカを配合するのも好ましい。含水シ
リカを用いる場合の配合量は、5〜40phr の範囲が好
ましい。
用されている各種ゴム薬品、例えば老化防止剤、酸化防
止剤、オゾン劣化防止剤、加硫剤、架橋剤、加硫促進
剤、リターダー、しゃっ解剤、軟化剤、石油樹脂、滑
剤、可塑剤、粘着付与剤などを、必要に応じて併用して
もよいことはいうまでもない。
や亜鉛メッキしたスチールコードとの接着においては、
ナフテン酸コバルトやステアリン酸コバルトのような有
機酸コバルトを併用することにより、接着性の向上が期
待されるので、かかる有機酸コバルトは好ましく用いら
れる。有機酸コバルトを使用する場合の配合量は、コバ
ルト量として0.1〜1phr の範囲が好ましい。
は、補強材との加硫接着において優れた効果を発揮す
る。例えばこのゴム組成物を、タイヤ、特にビード部や
カーカス部のような、補強材で補強される部分に適用
し、タイヤ業界で通常行われている方法により、成形、
加硫工程を経て、タイヤを製造することができる。
は、ベースゴムの種類や各種配合剤の種類によって異な
る適切な条件が採用される。加硫条件自体は、従来から
一般に採用されているものでよく、本発明において特に
制限されるものではない。
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。以下の例中、添加量ないしは含有量を表す%
および部は、特にことわりがないかぎり、それぞれ重量
%および重量部である。
び、本発明の範囲外となる共縮合物またはレゾルシン樹
脂を製造した例を示す。これらの例において、得られた
共縮合物または樹脂中に含まれる分子量1000以下の
縮合物成分の量は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)により、以下のようにして求めた。す
なわち、カラムに東ソー(株)製の"TSK gel 2000 XL"
を3本用い、溶媒にテトラヒドロフランを用いて流速
0.8 ml /分で流し、検出器に紫外線分光計(波長25
4nm)を用い、各成分ピークを分取し、分子量を質量分
析計により同定したあと、レゾルシンおよびp−アルキ
ルフェノールを含む原料フェノール類以外で分子量10
00以下となる成分ピーク面積の総和をもって、その含
量とした。
上記GPC法に準ずるが、ポリスチレンを標準品として
行った。
ラスコに、p−t−オクチルフェノール103.2g
(0.5モル)、トルエン100ml、および純度88%の
パラホルムアルデヒド27.3g(0.8モル)を仕込み、
窒素置換後、30%水酸化ナトリウム水溶液3.33g
(0.025モル)を滴下し、70℃で1時間反応させ
て、初期縮合物220.6gを得た。
40℃にて、 レゾルシン66.1g(0.6モル)および
シュウ酸二水和物4.7gを仕込み、さらに112℃まで
昇温し、共沸してくる水とトルエンを留去しながら2時
間保温した。次いで50mmHgに減圧後、150℃に昇温
し、3時間濃縮して、レゾルシン・p−t−オクチルフ
ェノール樹脂〔A〕194.5gを得た。
が、p−t−オクチルフェノールに代えてp−ノニルフ
ェノール110.2g(0.5モル)を用い、純度88%の
パラホルムアルデヒドの量を25.6g(0.75モル)、
またレゾルシンの量を55.0g(0.5モル)とすること
により、共縮合樹脂〔B〕を得た。
が、各成分の使用量を、p−ノニルフェノール110.2
g(0.5モル)、純度88%のパラホルムアルデヒド2
9.9g(0.875モル)、およびレゾルシン82.5g
(0.75モル)として、反応を行うことにより、共縮合
樹脂〔C〕を得た。
が、各成分の使用量を、p−ノニルフェノール110.2
g(0.5モル)、純度88%のパラホルムアルデヒド3
4.1g(1.0モル)、およびレゾルシン82.5g(0.7
5モル)として、反応を行うことにより、共縮合樹脂
〔D〕を得た。
が、各成分の使用量を、p−ノニルフェノール110.2
g(0.5モル)、純度88%のパラホルムアルデヒド2
9.9g(0.875モル)、およびレゾルシン77.0g
(0.7モル)として、反応を行うことにより、共縮合樹
脂〔E〕を得た。
ラスコに、p−t−オクチルフェノール103.2g
(0.5モル)、トルエン100ml、および純度88%の
パラホルムアルデヒド34.1g(1モル)を仕込み、窒
素置換後、30%水酸化ナトリウム水溶液3.33g
(0.025モル)を滴下し、70℃で2時間反応させ
て、初期縮合物227.4gを得た。
40℃にて、レゾルシン137.6g(1.25モル)およ
びシュウ酸二水和物4.7gを仕込み、さらに112℃ま
で昇温し、共沸してくる水とトルエンを留去しながら2
時間保温した。次いで、50mmHgに減圧してから150
℃に昇温し、1時間濃縮した。さらに3mmHgに減圧後1
90℃にて2時間濃縮して、 レゾルシン・p−t−オ
クチルフェノール樹脂〔F〕207gを得た。
が、各成分の量を、p−t−オクチルフェノール10
3.2g(0.5モル)、純度88%のパラホルムアルデヒ
ド27.3g(0.8モル)、およびレゾルシン66.1g
(0.6モル)として、反応を行うことにより、共縮合樹
脂〔G〕189.7gを得た。
ラスコに、p−t−オクチルフェノール103.2g
(0.5モル)および36%ホルマリン166.7g(2.0
モル)を仕込み、窒素置換後12%水酸化ナトリウム水
溶液169.5g(0.5モル)を滴下し、さらに50℃で
2時間反応させた。室温まで冷却したあと、トルエン6
0ml、36%塩酸50.7g(0.5モル)および亜硫酸ナ
トリウム96.4gを仕込んで攪拌し、さらに36%塩酸
76.4gを仕込んで攪拌してから、静置分液した。上層
(トルエン層)を濃縮し、析出する粗結晶をトルエンで
晶析して、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−t
−オクチルフェノール99.0g(純度99.1%)を得
た。
口フラスコに、先に得られた2,6−ビス(ヒドロキシ
メチル)−4−t−オクチルフェノール99.0g(0.3
7モル)、レゾルシン244.2g(2.22モル)、シュ
ウ酸二水和物4.7gおよびトルエン100mlを仕込んで
112℃まで昇温し、共沸してくる水とトルエンを留去
しつつ2時間保温したあと、150℃、50mmHgの減圧
下で濃縮した。濃縮後80℃まで冷却し、水300mlお
よびトルエン200mlを加えて攪拌洗浄してから静置
し、上層(トルエン層)を分液した。同様に水300ml
を加えて水洗分液を3回行ったあと、溶媒を留去し、析
出する粗結晶をトルエンで2回晶析することにより、白
色の結晶として、2,6−ビス(2,4−ジヒロドキシ
ベンジル)−4−t−オクチルフェノール〔H〕69.9
g(純度98.2%)を得た。
(s, 6H); 1.64 (s, 2H); 3.74 (s, 4H);4.70 (s, 2H);
6.12 (d-d (7.92 Hz, 2.31 Hz), 4H);6.83 (d (7.92 H
z), 2H); 6.96(s, 2H); 7.76 (s, 1H);7.8-8.6 (br, 2
H)
2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−t−オクチル
フェノール(純度99.1%)を用い、分流器および温度
計を備えた四つ口フラスコに、この2,6−ビス(ヒド
ロキシメチル)−4−t−オクチルフェノール66.5g
(0.25モル)、レゾルシン82.5g(0.75モル)お
よびトルエン100mlを仕込み、さらにpHが4となる
ように36%塩酸を仕込んだあと112℃まで昇温し、
共沸してくる水とトルエンを留去しつつ2時間保温し
た。150℃に昇温し、50mmHgの減圧下で1時間濃縮
したあと80℃に冷却し、さらにトルエン200mlおよ
び水200mlを加えて洗浄、静置したあと、上層(トル
エン層)を分液した。 このトルエン溶液を蒸留釜に移
して昇温し、180℃、3mmHgにて2時間蒸留して、ト
ルエンや未反応レゾルシンなどを留去することにより、
レゾルシン・p−t−オクチルフェノール樹脂〔I〕を
得た。
ラスコに、p−t−オクチルフェノール351g(1.7
モル)、トルエン404ml、および純度88%のパラホ
ルムアルデヒド75.4g(2.2モル)を仕込み、60℃
にて10N水酸化ナトリウム11.3gを滴下したあと、
還流下で2時間反応させて、初期縮合物789gを得
た。
60℃にて、レゾルシン187g(1.7モル)および
シュウ酸二水和物5.4gを仕込んでから昇温し、共沸し
てくる水とトルエンを留去して冷却分液器に導き、分液
されたトルエンはフラスコに還流し、水を反応系外へ除
去することにより水留去を完了した。次いで30mmHgに
減圧してから150℃に昇温し、1時間濃縮して、レゾ
ルシン・p−t−オクチルフェノール樹脂〔R〕568
gを得た。
が、各成分の使用量を、 p−t−オクチルフェノール
103.2g(0.5モル)、純度88%のパラホルムアル
デヒド27.3g(0.8モル)、およびレゾルシン55.0
g(0.5モル)として、反応を行うことにより、共縮合
樹脂〔S〕を得た。
樹脂)
ラスコにレゾルシン110g(1.0モル)および37%
ホルマリン44.5g(0.55モル)を仕込み、70℃で
5時間反応させた。その後還流冷却器を分流器に取り替
え、25mmHgに減圧してから150℃に昇温し、3時間
濃縮して、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹脂〔T〕を
得た。
た共縮合物または樹脂の評価例を以下に示す。
たそれぞれの共縮合物または樹脂について、以下の方法
で耐吸湿性の試験を行った。
以上に粉砕し、粉砕品5gを正確に採取して、シャーレ
中に均一に散布した。このシャーレを温度40℃、相対
湿度80%の恒湿恒温槽中に置き、時間経過によるサン
プル中の水分含量の変化およびサンプルの固化状態の変
化を観察した。水分含量は、カールフィシャー法にて測
定した。また、固化状態は次の4段階で評価した。
物は、比較例の樹脂に比べて吸湿性が小さいことがわか
る。
たそれぞれの樹脂、さらには比較のためにレゾルシンを
用いて、天然ゴムと未処理ナイロンコードとの接着性能
を調べ、またそれぞれの樹脂またはレゾルシンを配合し
たゴムの物性を調べた。
製作所製の250mlラボプラストミルを用い、オイルバ
ス温度150℃で、上記配合処方に基づき、天然ゴム
に、カーボンブラック、ステアリン酸、含水シリカ、亜
鉛華、老化防止剤および供試樹脂または化合物を投入
し、50rpm のミキサー回転数で15分間混練した。こ
のときのゴム温度は160〜170℃であった。
0〜70℃の温度で、上記配合処方に示した加硫促進
剤、イオウおよびメトキシ化メチロールメラミン樹脂を
添加して混練した。混練後の試料の一部をムーニースコ
ーチ性の試験に供し、残りの試料から、接着性試験用に
未処理ナイロンコードを埋め込んだ試験片を作成し、加
硫プレスにより145℃で40分間加硫した。また、引
張物性試験および硬度試験用に、試験片を145℃で4
0分間加硫した。それぞれの試験は以下の方法により行
い、結果を表3に示した。
温度125℃で最低値より5ポイント上昇するまでの時
間を測定し、スコーチタイムとした。
て加硫したときの接着性を、ASTM D 2138 に記載のHテ
スト法により評価した。接着性試験の結果は、12個の
試験片から得られた平均値で表した。使用した未処理ナ
イロンコードは1890d/2である。
引張強さ、破断伸び、および引張応力としてM300 を測
定した。
の直円柱状試料を用いて、スプリング式硬さ試験(A
型)にて硬度を測定した。
た共縮合物または樹脂、さらには比較のためにレゾルシ
ンをゴムに配合し、その際の配合処方を以下のように変
えた以外は、実施例11と同様の試験を行った。結果を
表5に示す。
性が小さく、かつゴムと補強材との加硫接着において優
れた接着性能を示し、また硬度の高いゴムを与える。
すなわち、本発明による特定組成の共縮合物は、従来の
レゾルシン樹脂の欠点であった潮解性や固化性の問題、
さらには従来のレゾルシン樹脂やアルキルフェノール含
有レゾルシン系樹脂の欠点であった未反応レゾルシンに
よる昇華性の問題を解消するとともに、ゴムと補強材と
の接着性の向上に寄与するものである。
配合したゴム組成物、あるいはさらにホルムアルデヒド
発生剤を配合したゴム組成物は、補強材との加硫接着に
おいて優れた接着性能を示し、また高い硬度を示し、さ
らには、フェノール系樹脂の配合による引張物性の低下
もほとんどないという点で優れている。したがって、こ
のゴム組成物を補強材で補強される部材に適用して、加
硫接着を行うことにより、高品質の製品が得られる。
Claims (23)
- 【請求項1】式(I) (式中、nは1〜12の整数を表す)で示されるp−ア
ルキルフェノールとホルムアルデヒドとを、アルカリ触
媒の存在下で反応させて得られるレゾール型縮合物にさ
らに、式(II) (式中、Xは水酸基、アミノ、全炭素数2〜5のアルキ
ルカルボニルオキシまたは炭素数1〜4のアルコキシを
表す)で示されるm−置換フェノールを、酸触媒の存在
下、水を留去しながら反応させて得られる縮合物であっ
て、式(II)のm−置換フェノールの含量が4重量%以
下であり、 かつ該縮合物全量のなかで、式(I)のp
−アルキルフェノールと式(II)のm−置換フェノール
を除く分子量1000以下の成分の占める割合が25重
量%以上であることを特徴とする共縮合物。 - 【請求項2】共縮合物中に含まれる式(II)のm−置換
フェノールが3重量%以下である請求項1記載の共縮合
物。 - 【請求項3】共縮合物中に含まれる式(II)のm−置換
フェノールが2重量%以下である請求項2記載の共縮合
物。 - 【請求項4】共縮合物中に含まれる式(I)のp−アル
キルフェノールが6重量%以下である請求項1〜3のい
ずれかに記載の共縮合物。 - 【請求項5】共縮合物中に含まれる式(I)のp−アル
キルフェノールが2重量%以下である請求項4記載の共
縮合物。 - 【請求項6】式(I)におけるnが4〜12である請求
項1〜5のいずれかに記載の共縮合物。 - 【請求項7】式(I)におけるnが4〜9である請求項
6記載の共縮合物。 - 【請求項8】式(I)のp−アルキルフェノールがp−
t−オクチルフェノールまたはp−ノニルフェノールで
ある請求項7記載の共縮合物。 - 【請求項9】式(II)のm−置換フェノールがレゾルシ
ンである請求項1〜8のいずれかに記載の共縮合物。 - 【請求項10】共縮合物中に含まれる式(I)のp−ア
ルキルフェノールと式(II)のm−置換フェノールを除
く分子量1000以下の成分が、該縮合物全量のなかで
40重量%以上を占める請求項1〜9のいずれかに記載
の共縮合物。 - 【請求項11】分子量1000以下の成分が、式 (II
I)、(IV)および(V) (式中、YおよびZの一方は水酸基を表し、他方は式
(II)のXに相当し、nは前記の意味を表す)で示され
る化合物の少なくとも1種を包含する請求項1〜10の
いずれかに記載の共縮合物。 - 【請求項12】式 (III)、(IV)および(V)で示され
る化合物の合計含量が20重量%以上である請求項11
記載の共縮合物。 - 【請求項13】式 (III)、(IV)および(V)で示され
る化合物の合計が、50重量%以上である請求項12記
載の共縮合物。 - 【請求項14】式 (III)、(IV)および(V)で示され
る化合物の合計が、80重量%以上である請求項13記
載の共縮合物。 - 【請求項15】式(II)のm−置換フェノールがレゾル
シンであり、YおよびZがともに水酸基であり、式
(I)のp−アルキルフェノールおよびレゾルシンの含
量がそれぞれ2重量%以下である請求項11〜14のい
ずれかに記載の共縮合物。 - 【請求項16】天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴ
ム、ブタジエンゴム、 イソプレンゴム、アクリロニト
リルブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチル
ゴムおよびハロゲン化ブチルゴムから選ばれるゴム10
0重量部に、請求項1〜15のいずれかに記載の共縮合
物を0.5〜10重量部含有せしめてなることを特徴とす
るゴム組成物。 - 【請求項17】さらに、加熱によりホルムアルデヒドを
発生する化合物を1〜10重量部含有する請求項16記
載のゴム組成物。 - 【請求項18】さらに、 カーボンブラックを20〜1
50重量部含有する請求項16または17記載のゴム組
成物。 - 【請求項19】さらに、含水シリカを5〜40重量部含
有する請求項16〜18のいずれかに記載のゴム組成
物。 - 【請求項20】補強材との接触下で加硫されている請求
項16〜19のいずれかに記載のゴム組成物。 - 【請求項21】補強材が、有機繊維、真鍮メッキしたス
チールコードまたは亜鉛メッキしたスチールコードであ
る請求項20記載のゴム組成物。 - 【請求項22】天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴ
ム、ブタジエンゴム、 イソプレンゴム、アクリロニト
リルブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ブチル
ゴムおよびハロゲン化ブチルゴムから選ばれるゴムに、
請求項1〜15のいずれかに記載の共縮合物を配合し、
補強材との接触下で加硫することを特徴とするゴムと補
強材との接着方法。 - 【請求項23】補強材が、有機繊維、真鍮メッキしたス
チールコードまたは亜鉛メッキしたスチールコードであ
る請求項22記載の方法。
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