JP2006206617A - 加硫接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ素ゴムとめっき処理鋼板との加硫接着に適用した場合においても、Si、S、Cl等を含有せずしかも低アウトガス性を達成させる加硫接着剤組成物を提供する。
【解決手段】フェノール樹脂100重量部当り5〜120重量部の有機金属化合物を含有せしめてなる、ゴム/加硫接着剤/金属積層体製造の際の加硫接着剤として用いられる加硫接着剤組成物。この加硫接着剤組成物は、これをゴム/加硫接着剤/金属積層体製造の際の加硫接着剤として用いたとき、フッ素ゴムと活性の低いめっき処理鋼板との加硫接着に用いた場合においても接着性にすぐれしかも低アウトガス性を示しているので、ゴム・金属一体型ガスケット、特にHDDカバー用ガスケット(金属セパレータ一体型ガスケット)の製造などに有効に適用することができる。

Description

本発明は、加硫接着剤組成物に関する。さらに詳しくは、ゴム/加硫接着剤/金属積層体製造の際の加硫接着剤として用いられる加硫接着剤組成物に関する。
一般に、ゴムと鋼板等の金属を接合する方法としては、接着剤を用いない方式として、金属のゴム接合部に貫通孔を穿ち、ゴムと一体化する方法があるが、金属に貫通孔を穿つ加工は製品のコストアップや機械的強度の低下を伴うため好ましい方法とはいえない。また、加硫したゴムを接着剤を介してステンレス鋼板等に接合する方法もあるが、この方法ではゴムの加硫工程とゴム・金属の接合工程とが別になり、工程数が多くなることから好ましい方法とはいえない。
特開2000−291802号公報 特許第2,517,797号公報
これらのことから、ゴムと金属とを加硫接着して一体化する方法が望ましい方法として用いられている。ゴム/加硫接着剤/金属積層体は、ゴム・金属一体型ガスケットとして好適に用いられており、電子記憶装置、特にハード・ディスク・ドライブ(HDD)に用いられるガスケットには、低アウトガス性であること、Si、S、Cl等を含有していないことが求められている。そのため、低アウトガス性にすぐれたフッ素ゴムと耐食性にすぐれためっきを施した鋼板とを一体化したガスケットが好んで用いられている。
フッ素ゴムの加硫接着に用いられる接着剤としては、一般にシラン系接着剤が用いられているが、HDDに求められる要求特性の一つとしてSiを含有していないことが求められること前述の如くであるため、これを加硫接着に適用することはできない。また、フェノール/エポキシ樹脂系接着剤もフッ素ゴムの加硫接着剤として使用されているが、耐食性付与のためにめっき処理された鋼板のように活性の低い鋼板に対しては密着性が低く、このため適用に適したものとはいえない。
また、燃料電池用ガスケットは、耐水性や耐酸性が必要とされるため、プレート表面を金等でめっきしている。このようなめっき鋼板と未加硫ゴムとを加硫接着する場合には、従来の加硫接着剤を用いてゴムを接着させても、安定した初期接着性が得られない。
本発明の目的は、フッ素ゴムとめっき処理鋼板との加硫接着に適用した場合においても、Si、S、Cl等を含有せずしかも低アウトガス性を達成させる加硫接着剤組成物を提供することにある。
かかる本発明の目的は、フェノール樹脂100重量部当り5〜120重量部の有機金属化合物を含有せしめてなる、ゴム/加硫接着剤/金属積層体製造の際の加硫接着剤として用いられる加硫接着剤組成物によって達成される。
本発明に係る加硫接着剤組成物は、これをゴム/加硫接着剤/金属積層体製造の際の加硫接着剤として用いたとき、フッ素ゴムと活性の低いめっき処理鋼板との加硫接着に用いた場合においても接着性にすぐれしかも低アウトガス性を示しているので、ゴム・金属一体型ガスケット、特にHDDカバー用ガスケット(金属セパレータ一体型ガスケット)の製造などに有効に適用することができる。
加硫接着剤の一成分として用いられるフェノール樹脂としては、レゾール型、ノボラック型のフェノール樹脂の他、ジヒドロベンゾオキサジン環を有するフェノール樹脂も用いられ、これらのフェノール樹脂と共にエポキシ樹脂等の他の熱硬化性樹脂を併用することもできるが、耐食性を付与するためめっき処理された鋼板は活性が低いので、レゾール型フェノール樹脂を単独で使用することが好ましい。
レゾール型フェノール樹脂としては、フェノール、p-クレゾール、m-クレゾール、p-第3ブチルフェノール、p-フェニルフェノール、ビスフェノールA等のフェノール性水酸基に対してo-位および/またはp-位に2個または3個の置換可能な核水素原子を有するフェノール類またはこれらの混合物とホルムアルデヒドとを、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、アンモニア等のアルカリ触媒の存在下において縮合反応させることによって得られる軟化点が約80〜150℃の樹脂が使用され、好ましくはm-クレゾール、p-クレゾール混合物とホルムアルデヒドとから製造された軟化点100℃以上のものが用いられる。
また、ノボラック型フェノール樹脂としては、上記縮合反応を塩酸、しゅう酸等の酸触媒の存在下で反応させたものが用いられる。
さらに、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性フェノール樹脂としては、ジヒドロベンゾオキサジン環を有し、ジヒドロベンゾオキサジン環の開環反応によって硬化する熱硬化性フェノール樹脂であれば任意のものを使用することができ、例えばフェノール性水酸基を有する化合物、1級アミンおよびホルムアルデヒドから、次式に示される如く、ジヒドロ-2H-1,3-ベンゾオキサジン誘導体が合成される。
Figure 2006206617
特開2004−83623号公報
フェノール性水酸基を有する化合物としては、芳香環のフェノール性水酸基に対して少くとも一方のo−位に水素原子が結合していることが必要であり、好ましくは分子中にフェノール性水酸基が複数個存在する多官能性フェノール類が用いられる。具体的には、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等のフェノール類、1,5-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類、ノボラック型またはレゾール型フェノール樹脂、メラミンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂等のフェノール樹脂類が例示される。
また、1級アミンとしては、アニリン、トルイジン等の芳香族アミン類またはメチルアミン、エチルアミン等の脂肪族アミンが例示される。
これらのフェノール性水酸基を有する化合物と1級アミンのそれぞれ1モルに対して、2モル以上のホルムアルデヒドが用いられ、しゅう酸触媒等の存在下に、反応温度約70〜130℃、好ましくは約90〜110℃で約1/3〜4時間程度反応させた後、減圧下120℃以下で未反応のフェノール性化合物、1級アミン類、ホルムアルデヒド等を除去することにより、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂が得られる。
これらのフェノール樹脂に添加される有機金属化合物としては、例えばトリイソプロポキシアルミニウム、モノ-sec-ブトキシジプロポキシアルミニウム、トリ-sec-ブトキシアルミニウム、トリ(2-エチルヘキシル)アルミニウム、ジイソプロポキシアルミニウムモノ(メチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシアルミニウムモノ(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシアルミニウムモノ(プロピルアセトアセテート)、ジイソプロポキシアルミニウムモノ(ブチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシアルミニウムモノ(ヘキシルアセトアセテート)、ジn-プロポキシアルミニウムモノ(メチルアセトアセテート)、ジn-プロポキシアルミニウムモノ(エチルアセトアセテート)、ジn-プロポキシアルミニウムモノ(プロピルアセトアセテート)、ジn-プロポキシアルミニウムモノ(ブチルアセトアセテート)、ジn-プロポキシアルミニウムモノ(ヘキシルアセトアセテート)、ジブトキシアルミニウムモノ(メチルアセトアセテート)、ジブトキシアルミニウムモノ(エチルアセトアセテート)、ジブトキシアルミニウムモノ(プロピルアセトアセテート)、ジブトキシアルミニウムモノ(ブチルアセトアセテート)、ジブトキシアルミニウムモノ(ヘキシルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(プロピルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(ブチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(ヘキシルアセトアセテート)、アルミニウム-モノアセチルアセトネート-ビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、ジイソプロポキシアルミニウムモノ(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどの有機アルミニウム化合物、テトラi-プロポキシチタン、テトラn-プロポキシチタン、テトラn-ブトキシチタン、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、ジイソプロポキシチタンビス(メチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタンビス(プロピルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタンビス(ブチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタンビス(ヘキシルアセトアセテート)、ジn-プロポキシチタンビス(メチルアセトアセテート)、ジn-プロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、ジn-プロポキシチタンビス(プロピルアセトアセテート)、ジn-プロポキシチタンビス(ブチルアセトアセテート)、ジn-プロポキシチタンビス(ヘキシルアセトアセテート)、ジn-ブトキシチタンビス(メチルアセトアセテート)、ジn-ブトキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、ジn-ブトキシチタンビス(プロピルアセトアセテート)、ジn-ブトキシチタンビス(ブチルアセトアセテート)、ジn-ブトキシチタンビス(ヘキシルアセトアセテート)、1,3-プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトネート)、ジn-プロポキシチタンビス(アセチルアセトネート)、ジn-ブトキシチタンビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンテトラエチルアセトアセテート、チタンテトラプロピルアセトアセテート、チタンテトラブチルアセトアセテートなどの有機チタン化合物、テトラi-プロポキシジルコニウム、テトラn-プロポキシジルコニウム、テトラn-ブトキシジルコニウム、ジイソプロポキシジルコニウムビス(メチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシジルコニウムビス(プロピルアセトアセテート)、ジイソプロポキシジルコニウムビス(ブチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシジルコニウムビス(ヘキシルアセトアセテート)、ジn-プロポキシジルコニウムビス(メチルアセトアセテート)、ジn-プロポキシジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)、ジn-プロポキシジルコニウムビス(プロピルアセトアセテート)、ジn-プロポキシジルコニウムビス(ブチルアセトアセテート)、ジn-プロポキシジルコニウムビス(ヘキシルアセトアセテート)、ジn-ブトキシジルコニウムビス(メチルアセトアセテート)、ジn-ブトキシジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)、ジn-ブトキシジルコニウムビス(プロピルアセトアセテート)、ジn-ブトキシジルコニウムビス(ブチルアセトアセテート)、ジn-ブトキシジルコニウムビス(ヘキシルアセトアセテート)、1,3-プロパンジオキシジルコニウムビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシジルコニウムビス(アセチルアセトネート)、ジn-プロポキシジルコニウムビス(アセチルアセトネート)、ジn-ブトキシジルコニウムビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラエチルアセトアセテート、ジルコニウムテトラプロピルアセトアセテート、ジルコニウムテトラブチルアセトアセテートなどの有機ジルコニウム化合物、テトラi-プロポキシ錫、テトラn-プロポキシ錫、テトラn-ブトキシ錫、ジイソプロポキシ錫ビス(メチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシ錫ビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシ錫ビス(プロピルアセトアセテート)、ジイソプロポキシ錫ビス(ブチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシ錫ビス(ヘキシルアセトアセテート)、ジn-プロポキシ錫ビス(メチルアセトアセテート)、ジn-プロポキシ錫ビス(エチルアセトアセテート)、ジn-プロポキシ錫ビス(プロピルアセトアセテート)、ジn-プロポキシ錫ビス(ブチルアセトアセテート)、ジn-プロポキシ錫ビス(ヘキシルアセトアセテート)、ジn-ブトキシ錫ビス(メチルアセトアセテート)、ジn-ブトキシ錫ビス(エチルアセトアセテート)、ジn-ブトキシ錫ビス(プロピルアセトアセテート)、ジn-ブトキシ錫ビス(ブチルアセトアセテート)、ジn-ブトキシ錫ビス(ヘキシルアセトアセテート)、1,3-プロパンジオキシ錫ビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシ錫ビス(アセチルアセトネート)、ジn-プロポキシ錫ビス(アセチルアセトネート)、ジn-ブトキシ錫ビス(アセチルアセトネート)、錫テトラアセチルアセトネート、錫テトラエチルアセトアセテート、錫テトラプロピルアセトアセテート、錫テトラブチルアセトアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレートなどの有機錫化合物などがあげられ、好ましくは、下記2つの一般式
Figure 2006206617
Figure 2006206617
R:CH3、C2H5、n-C3H7 、i-C3H7、n-C4H9、i-C4H9、i-C8H17などの低
級アルキル基
R´:CH3基またはOR
M1:Ti、Zr、Sn
M2:Al
n:0〜3の整数
m:0〜2の整数
で表される少くとも1個のアルコキシル基または少くとも1個のキレート環およびアルコキシル基を有する有機金属化合物、あるいは少くとも1個のキレート環を有する化合物と金属アルコキシドとの混合物が用いられる。有機金属化合物の中では、好ましくは有機アルミニウム化合物が用いられ、有機金属化合物は1種または2種以上の混合物としても用いられる。ただし、有機金属化合物は、適用溶剤の範囲が限定されてしまうため、比較的溶剤選定に自由度のある少くとも1個のキレート環を有する化合物を用いることが好ましい。
これらの有機金属化合物は、フェノール樹脂100重量部当り約5〜120重量部、好ましくは約5〜70重量部の割合で用いられる。有機金属化合物の添加割合がこれ以下では、特にめっき鋼板との接着性が低下し、一方これ以上の割合で用いられると、特にフッ素ゴムとの接着性の低下が避けられない。
以上の成分を必須成分とする加硫接着剤組成物は、これらの各成分合計量濃度が約0.5〜15重量%程度になるように有機溶剤で希釈した溶液として用いられる。有機溶剤としては、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノール、2-エトキシエタノール(エチレングリコールモノエチルエーテル)等のアルコール系有機溶剤またはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤が用いられる。
加硫接着剤溶液は、金属、一般にはステンレス鋼板、アルミニウム鋼板等の鋼板上に塗布膜が約1〜30μm程度となるように、スプレー法、浸漬法、ロールコータ法など任意の方法で塗布され、室温または温風下で乾燥した後、約100〜250℃で約0.1〜2時間程度焼付処理がなされる。ステンレス鋼板としては、例えばSUS301、SUS301H、SUS304、SUS430等が用いられる。これらのステンレス鋼板やアルミニウム鋼板等の表面は耐食性を付与するためニッケル、金等でめっき処理されたものを用いることが好ましい。
このようにして形成された加硫接着剤層上には、圧縮成形や射出成形などの加圧成形法により、ゴム、好ましくは低アウトガス性の点からフッ素ゴムのガスケットが成形される。成形に際しては、例えばプレス圧縮成形では約150〜220℃で約5〜20分間の成形条件がとられる。
フッ素ゴムとしては、ポリオール加硫性およびパーオキサイド加硫性のいずれも使用することができ、未加硫のフッ素ゴムコンパウンドとしては、例えば後記のような配合例が示される。
ポリオール加硫性フッ素ゴムとしては、一般にフッ化ビニリデンと他の含フッ素オレフィン、例えばヘキサフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、フッ化ビニル、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)等の少なくとも一種との共重合体または含フッ素オレフィンとプロピレンとの共重合体などが挙げられ、これらのフッ素ゴムは、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン、ヒドロキノン等のポリヒドロキシ芳香族化合物によってポリオール加硫される。
また、パーオキサイド加硫性フッ素ゴムとしては、例えば分子中にヨウ素および/または臭素を有するフッ素ゴムが挙げられ、これらのフッ素ゴムは一般にパーオキサイド加硫に用いられている有機過酸化物によって加硫(架橋)される。この場合には、有機過酸化物と共に、トリアリルイソシアヌレートによって代表される多官能性不飽和化合物を併用することが好ましい。
(配合例I)
フッ素ゴム(デュポン社製品バイトンE45) 100重量部
MTカーボンブラック 20 〃
酸化マグネシウム(協和化学製品マグネシア#150) 6 〃
水酸化カルシウム 3 〃
加硫剤(デュポン社製品キュラティブ#30) 2 〃
加硫促進剤(同社製品キュラティブ#20) 1 〃
(配合例II)
フッ素ゴム(デュポン社製品バイトンE60C) 100重量部
加硫剤(デュポン社製品ダイアックNo.3) 3 〃
酸化マグネシウム(協和化学製品マグネシア#30) 10 〃
MTカーボンブラック 20 〃
(配合例III)
フッ素ゴム(ダイキン製品ダイエルG901) 100重量部
MTカーボンブラック 20 〃
酸化マグネシウム(マグネシア#150) 6 〃
水酸化カルシウム 3 〃
トリアリルイソシアヌレート 1.8 〃
有機過酸化物(日本油脂製品パーヘキサ25B) 0.8 〃
プレス成形されたフッ素ゴムガスケット層は、ガスケットとしての用途上、硬度(デュロメーターA)が70以下で、圧縮永久歪(200℃、22時間)が20%以下であることが望ましく、特に配合内容によって制限されるものではない。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
脱脂したニッケルめっきアルミニウム鋼板上に、次の組成を有する加硫接着剤A
レゾール型フェノール樹脂(群栄化学製品レジトップPL-2208; 100重量部
固形分濃度63重量%)
アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート 10 〃
2-エトキシエタノール 2031 〃
を10μmの厚さで塗布し、室温で乾燥させた後、200℃で15分間の焼付け処理を行った。
この加硫接着剤上に、前記配合例Iの未加硫フッ素ゴムコンパウンドを載せ、180℃、6分間のプレス加硫を行った後、200℃、24時間の二次加硫を行い、接着試験片を作製した。この接着試験片について、次の各項目の測定を行った。
接着試験:JIS K6256 90°剥離試験法準拠
ゴム残り面積率を測定すると共に、剥れ界面を目視で観察した
アウトガス性:加硫接着剤のみを焼付け塗布したニッケルめっきアルミニウム鋼板
(加硫接着剤塗布Al鋼板)について、150℃、1時間のガストラップを行 い、GCでアウトガス量を測定した(なお、フッ素ゴムコンパウンド配 合例Iについて、上記条件下でのプレス加硫および二次加硫物につい てアウトガス量を測定すると、4.6μg/cm2であった)
また、加硫接着剤塗布Al鋼板(トップカバー)上に未加硫フッ素ゴムコ ンパウンドIを置き、180℃、6分間のプレス加硫および200℃、24時間 の二次加硫を行って、2.5インチサイズの断面P字形のリップ部を有す るトップカバーガスケットを一体に加硫成形させ、150℃、1時間のガ ストラップを行い、GCでアウトガス量を測定した
実施例2
実施例1の加硫接着剤Aにおいて、有機アルミニウム化合物量が25重量部に、また2-エトキシエタノール量が2316重量部にそれぞれ変更された加硫接着剤Bが用いられた。
実施例3
実施例1の加硫接着剤Aにおいて、有機アルミニウム化合物量が50重量部に、また2-エトキシエタノール量が2791重量部にそれぞれ変更された加硫接着剤Cが用いられた。
実施例4
実施例1の加硫接着剤Aにおいて、有機アルミニウム化合物量が100重量部に、また2-エトキシエタノール量が3741重量部にそれぞれ変更された加硫接着剤Dが用いられた。
比較例1
実施例1の加硫接着剤Aにおいて、有機アルミニウム化合物が用いられず、2-エトキシエタノール量が1841重量部に変更された加硫接着剤Eが用いられた。
比較例2
実施例1において、加硫接着剤Aの代りに、市販のフッ素ゴム用フェノール/エポキシ樹脂系加硫接着剤Fが用いられた。
ロームアンドハース社製品シクソン300 100重量部
ロームアンドハース社製品シクソン311 100 〃
メチルエチルケトン 1360 〃
以上の各実施例および比較例で得られた結果は、次の表に示される。これらの結果は、加硫接着剤はゴムと比較してアウトガス量が少なく、本発明に係る接着剤が用いられたか否かに拘らず、アウトガスへの影響が小さいことを示している。なお、剥れ界面での「−」は、ゴム自体が破断し、接着界面での剥れが生じなかった場合を示している。

ゴム残り アウトガス量(μg/cm 2 )
面積率(%) 剥れ界面 加硫接着剤塗布Al鋼板 ガスケット
実施例1 100 − 0.05 4.0
〃 2 100 − 0.04 4.1
〃 3 100 − 0.04 4.1
〃 4 70 接着剤-ゴム 0.05 4.2
比較例1 0 金属-接着剤 0.05 4.2
〃 2 0 〃 0.10 4.4

Claims (8)

  1. フェノール樹脂100重量部当り5〜120重量部の有機金属化合物を含有せしめてなる、ゴム/加硫接着剤/金属積層体製造の際の加硫接着剤として用いられる加硫接着剤組成物。
  2. フェノール樹脂としてレゾール型フェノール樹脂が用いられた請求項1記載の加硫接着剤組成物。
  3. 有機金属化合物が少くとも1個のキレート環を有する化合物である請求項1または2記載の加硫接着剤組成物。
  4. 鋼板とフッ素ゴムとの加硫接着に用いられる請求項1、2または3記載の加硫接着剤組成物。
  5. 鋼板がめっき鋼板である請求項4記載の加硫接着剤組成物。
  6. 請求項1、2、3、4または5記載の加硫接着剤組成物を加硫接着剤として用いて製造されたゴム/加硫接着剤/金属積層体。
  7. ゴム・金属一体型ガスケットとして用いられる請求項6記載のゴム/加硫接着剤/金属積層体。
  8. ハード・ディスク・ドライブトップカバー用ガスケットとして用いられる請求項7記載のゴム・金属一体型ガスケット。
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