JPH06233397A - 自動音場補正機能を有する音響装置 - Google Patents

自動音場補正機能を有する音響装置

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JPH06233397A
JPH06233397A JP5040745A JP4074593A JPH06233397A JP H06233397 A JPH06233397 A JP H06233397A JP 5040745 A JP5040745 A JP 5040745A JP 4074593 A JP4074593 A JP 4074593A JP H06233397 A JPH06233397 A JP H06233397A
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JP
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ultrasonic
sound field
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remote commander
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JP5040745A
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Kazuhiro Sato
一博 佐藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遠隔操作部から発信された信号によって、リ
スニングポイントにおいて、左右の各スピーカ部からの
音の到達時間が等しくなるように、自動的に音場補正す
る。 【構成】 遠隔操作部から発信された信号により、音響
システム本体部側から2個の超音波を送信させて、遠隔
操作部の受信用マイクにより受信し、2個の超音波信号
の受信遅延時間の情報を生成して音響システム本体部へ
送信することにより、音場補正を行う。 【効果】 左右の各スピーカとリスニングポイントの間
でのアライメントを容易に行うことが可能となり、最適
なリスニングポイントの範囲が狭くても、快適な状態で
聞くことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、遠隔操作部を有する
オーディオ装置、AV機器、ラジオカセット装置、車載
用オーディオ装置等のステレオ装置あるいはサラウンド
装置等の各種電子的音響システムの改良に係り、特に、
遠隔操作部から発信された信号によって、リスニングポ
イント(遠隔操作部の位置:リスナーの位置)におい
て、左右の各スピーカ部からの音の到達時間が等しくな
るように、自動的に音場補正することができるようにし
た自動音場補正機能を有する音響装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ステレオ装置あるいはサラウンド
装置では、左右(あるいは前後左右)の各スピーカから
の距離が等しい中央の位置において試聴したとき、音場
的に最もよく聞こえるように設計されている。しかし、
最もよく聞こえる範囲は狭いので、中央の位置以外で聞
いたときは、左右の各スピーカから試聴者の耳に到達す
るまでの時間が異なり、最適な状態に定位させることは
困難であった。
【0003】さらに、スピーカから離れるに従って、部
屋の残響成分が加わるので、近くで聞く場合とは違った
音場感になる、という問題もあった。その上、この残響
成分の影響によって、リスニングポイントでは、周波数
特性(f特性)もスピーカから出力された音とは異なっ
てしまう。なお、ステレオ装置あるいはサラウンド装置
では、f特性や残響成分を電気的に処理してリスナーの
好みの音場が作り出せる機能、いわゆるDSP回路を備
えた装置は、従来から公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明では、従来の
ステレオ装置あるいはサラウンド装置におけるこのよう
な不都合を解決し、左右の各スピーカ部からリスニング
ポイント(遠隔操作部の位置)までの音の到達時間が同
じになるように、自動的に音場補正を行うことができる
自動音場補正機能を有する音響装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明では、第1に、
ステレオ方式の音響システム本体部と、該システム本体
部の動作を指示する遠隔操作部とを有する音響装置にお
いて、音場補正を行う手段と、前記音響システム本体部
に設けられ、前記遠隔操作部からの信号により超音波を
送信する2個の超音波送信手段と、前記遠隔操作部に設
けられ、前記超音波を受信する受信用マイクと、2個の
超音波信号の受信遅延時間の情報を生成して送信する手
段、とを備え、前記遠隔操作部から発信された信号によ
り、前記音響システム本体部側から2個の超音波を送信
させて、前記遠隔操作部の受信用マイクにより受信し、
2個の超音波信号の受信遅延時間の情報を生成して前記
音響システム本体部へ送信することにより、音場補正を
行うように構成している。
【0006】第2に、上記第1の音響装置において、超
音波を送信する2個の超音波送信手段は、音響システム
本体部に設けられているスピーカである構成である。
【0007】第3に、ステレオ方式の音響システム本体
部と、該システム本体部の動作を指示する遠隔操作部と
を有する音響装置において、音場補正を行う手段と、前
記遠隔操作部に設けられ、2個の超音波信号と、赤外線
または電波信号とを同時に送信する手段と、前記音響シ
ステム本体部に設けられ、前記遠隔操作部からの各信号
を受信し、前記2個の超音波信号の受信遅延時間の情報
を生成する手段、とを備え、前記遠隔操作部からの2個
の超音波信号の受信遅延時間の情報を生成して、音場補
正を行うように構成している。
【0008】第4に、上記第1から第3の音響装置にお
いて、スピーカと遠隔操作部との位置関係を表示する位
置表示手段を備えた構成である。
【0009】
【作用】この発明の自動音場補正機能を有する音響装置
では、遠隔操作部から左右の各スピーカ部までの距離を
測定して、左右の各スピーカ部からリスニングポイント
(遠隔操作部の位置)までの音の到達時間が同じになる
ように、自動的に音場データの補正が行えるようにして
いる(請求項1から請求項3の発明)。また、左右のス
ピーカの位置と、リスニングポイント、すなわち、リモ
ートコマンダ(遠隔操作部)との位置関係を、ディスプ
レイ画面上に表示することによって、現在、どの場所で
聞いているのかが、明確に判断できるようにする(請求
項4の発明)。
【0010】
【実施例1】この発明の音響装置について、図面を参照
しながら、その実施例を詳細に説明する。この実施例
は、主として、請求項1の発明に関連しているが、ハー
ド構成や音場補正の動作等の基本原理は、請求項2や請
求項3の発明とも関連している。
【0011】図1は、この発明の自動音場補正機能を有
する音響装置について、その要部構成の一実施例を示す
概略斜視図である。図において、1はリモートコマン
ダ、2はDSP内蔵アンプ、2Aはその赤外線受信部、
3はCDプレーヤ、4はチューナ、5は左側のスピーカ
部、5Aはその超音波送信部、6は右側のスピーカ部、
6Aはその超音波送信部、7は左側のスピーカ用ケーブ
ル(コード)、8は右側のスピーカ用ケーブル、9は左
側用の超音波送信用ケーブル、10は右側用の超音波送
信用コードを示し、〜は信号の順序(動作手順)、
XLは左側のスピーカ部5とリモートコマンダ1との距
離、XRは右側のスピーカ部6とリモートコマンダ1と
の距離を示す。
【0012】この図1に示すこの発明の音響装置では、
左右両側のスピーカ部5,6に、それぞれ超音波送信部
5A,6Aと、超音波オン/オフ用のスイッチ(後出の
図4のSW1,SW2)とが設けられている点を除け
ば、従来のオーディオ機器と基本的に同様の構成であ
る。そして、この図1の音響装置に対応して、次の図2
に示すリモートコマンダ1を使用する。
【0013】図2は、この発明の音響装置で使用するリ
モートコマンダ1について、その構成の一実施例を示す
概略上面図である。図において、1はリモートコマン
ダ、1Aは内蔵されたマイク、1Bは内蔵された赤外線
送信部、1Cは音場補正ボタンを示す。
【0014】この発明の音響装置では、この図2に示す
ように、リモートコマンダ1に、マイク1Aと音場補正
ボタン1Cとを設ける。なお、図1のDSP内蔵アンプ
2の赤外線受信部2Aや、図2のリモートコマンダ1の
赤外線送信部1Bは、従来から付加されている機能を使
用する。
【0015】次に、この発明の音響装置について、図1
と図2を参照しながら、音場補正時の動作の概要を述べ
る。リスナーが、図1の音響装置の前方の任意の場所
で、リモートコマンダ1の音場補正ボタン1Cを押す
と、音場補正の指示が行われる(図1の)。DSP内
蔵アンプ2は、その赤外線受信部2Aによって、リモー
トコマンダ1からのコマンドを受信すると、音場補正の
動作を開始する。
【0016】すなわち、DSP内蔵アンプ2は、このリ
モートコマンダ1からのコマンドを受信すると、音場補
正のコマンドと解釈し、受信後の一定時間の後に、内部
のスイッチ(後出の図4のSW1)を短い一定時間だけ
オンし、一方の左側のスピーカ部5から超音波を発信さ
せる(図1の)。次に、一定時間の経過後、内部の他
のスイッチ(後出の図4のSW2)を、短い一定時間だ
けオンにし、同様に、他方の右側のスピーカ部6から超
音波を発信させる(図1の)。
【0017】リモートコマンダ1は、その内部のマイク
1Aによって、左側のスピーカ部5からの超音波(図1
の)と、右側のスピーカ部6からの超音波(図1の
)とを受信する。この場合に、リモートコマンダ1の
音場補正ボタン1Cを押してから(図1の)、マイク
1Aが超音波を発信するまで(図1の,)の時間を
一定の値にすることにより、リモートコマンダ1側で
は、これらの所要時間を引けば、超音波が、スピーカ部
5,6からリモートコマンダ1へ到達するまでの時間を
検知することができる。この関係を、タイムチャートで
説明する。
【0018】図3は、この発明の音響装置について、音
場補正時の動作を説明するためのタイムチャートで、
(1)はリモートコマンダ1の赤外線出力、(2)はD
SP内蔵アンプ2の赤外線受信入力、(3)はDSP内
蔵アンプ2のスイッチSW1の動作、(4)はDSP内
蔵アンプ2のスイッチSW2の動作、(5)はリモート
コマンダ1の受信入力を示す。図において、t0 はスイ
ッチSW1,SW2の作動時間、t1 とt2 は時間デー
タの送出時間、t3 は予め設定されたスイッチSW1と
SW2の作動開始時間の差を示す。
【0019】この図3の(1)に示すように、リモート
コマンダ1から音場補正のコマンド(#11)が送信さ
れると、図3の(2)に示すように、DSP内蔵アンプ
2の赤外線受信部2Aで、ほとんど時間遅れなく受信さ
れる(#21)。DSP内蔵アンプ2では、(3)に示
すように、このコマンドの解釈後、直ちに、一方のスイ
ッチ(SW1)を、所定の作動時間t0 だけオン状態に
する(#31)。このような動作によって、所定の作動
時間t0 だけ、左側のスピーカ部5の超音波送信部5A
から超音波が発信される(#31)。この超音波の信号
は、図3の(5)に示すように、左側のスピーカ部5と
リモートコマンダ1との距離に比例して、時間t1 だけ
遅れて、リモートコマンダ1に到達する(#51)。
【0020】マイクロコンピュータ18は、一方のスイ
ッチ(SW1)のオン後、(4)に示すように、同じく
予め設定された所定の時間t3 の経過後に、他方のスイ
ッチ(SW2)をオンさせて、右側のスピーカ部6の超
音波送信部6Aより発信させる(#41)。この場合に
も、図3の(5)に示すように、右側のスピーカ部6と
リモートコマンダ1との距離に比例して、時間t2 だけ
遅れて、リモートコマンダ1に到達する(#52)。
【0021】なお、図3の(4)のように、他方のスイ
ッチ(SW2)の作動を時間t3 だけ遅らせる理由は、
リモートコマンダ1のマイク1Aで、超音波の信号の受
信時に2つの信号(#51と#52)が重なってしまう
ことを防ぐためである。このようにして、リモートコマ
ンダ1によって2つの信号(#51,#52)が受信さ
れ、図3の(5)に示したそれぞれの時間t1 ,t2
求められる。
【0022】その後、リモートコマンダ1の赤外線送信
部1Bから、図3の(1)に示すように、DSP内蔵ア
ンプ2へそれぞれ時間t1 のデータ(#12)と、時間
2のデータ(#13)とを送出する。DSP内蔵アン
プ2の赤外線受信部2Aでは、図3の(2)に示すよう
に、ほとんど時間遅れなしに、時間t1 のデータ(#2
2)と、時間t2 のデータ(#23)とを受信して、そ
れぞれの距離(図1のXL,XR)を求める。
【0023】すなわち、超音波のスピードは、約340
m/sであり、左右の各スピーカ部5,6からリモート
コマンダ1までの時間データは、それぞれt1 ,t2
あるから、左側のスピーカ部5とリモートコマンダ1と
の距離XLは、 距離XL=(時間t1 )×340(m/s) …… (1) で求めることができる。同様に、右側のスピーカ部6と
リモートコマンダ1との距離XRは、 距離XR=(時間t2 )×340(m/s) …… (2) である。
【0024】DSP内蔵アンプ2では、これらの到達時
間の情報t1 ,t2 と、既知の音速データ(約340m
/s)とから、リモートコマンダ1と左側のスピーカ部
5との間の距離XL、およびリモートコマンダ1と右側
のスピーカ部6との間の距離XR、をそれぞれ算出す
る。そして、DSP内蔵アンプ2は、求められた距離、
すなわち、リモートコマンダ1と左右のスピーカ部5,
6との間の距離XL,XRに応じて、その内部の音場デ
ータを変更し、両方のスピーカ部5,6からの音声信号
の到達時間が、等しい時間になるようにタイムアライメ
ントを行う。
【0025】また、左右のスピーカ部5,6との間の距
離XL,XRが、それぞれ5m程の距離以上になってい
る場合には、部屋自身における残響成分が直接音と比較
して大きくなるので、DSP内蔵アンプ2内での残響成
分を小さくする等の処理を行うこともできる。以上のよ
うに、この発明の自動音場補正機能を有する音響装置で
は、ステレオ装置あるいはサラウンド装置等の各種電子
的音響システムにおいて、リモートコマンダ1(遠隔操
作部)から発信された信号によって、本体部側で、左右
の各スピーカ部5,6から超音波あるいは通常の音声信
号を発生させ、リモートコマンダ1に内蔵されたマイク
1A(図2)で受信して、左右の各スピーリスニングポ
イント(遠隔操作部の位置:リスナーの位置)までのそ
れぞれの距離XL,XRを算出し、左右の各スピーカ部
5,6からリスニングポイントまでの音の到達時間が等
しくなるように音場補正している。
【0026】次に、この発明の音響装置について、図1
のDSP内蔵アンプ2と、図2のリモートコマンダ1の
詳細な構成を説明する。まず、図1のDSP内蔵アンプ
2について述べる。
【0027】図4は、この発明の音響装置で使用するD
SP内蔵アンプ2および左右両側のスピーカ部5,6に
ついて、その要部構成の一実施例を示す機能ブロック図
である。図における符号は図1と同様であり、11はA
/Dコンバータ、12はDSP、13はD/Aコンバー
タ、14は左側用のボリューム、15は右側用のボリュ
ーム、16は左側用のパワーアンプ、17は右側用のパ
ワーアンプ、18はマイクロコンピュータ、18Aはそ
のCPU、18BはROM、18CはRAM、18Dは
クロック発振回路、19はグラフィックス・コントロー
ラ、20はディスプレイ装置、20Aはディスプレイ装
置20上の左側のスピーカ部の表示位置(固定)、20
Bは右側のスピーカ部の表示位置(固定)、20Cはリ
スナーの表示位置(リモートコマンダ位置:可動)、2
1は超音波用発振器、22は超音波用アンプ、SW1と
SW2は超音波送信用のスイッチ、SW3は左右システ
ム系の切換えスイッチを示し、CDはCDプレーヤ3と
の接続端子、TUNERはチューナ4との接続端子を示
す。
【0028】すでに図1に関連して述べたように、この
発明の音響装置では、左右両側のスピーカ部5,6にそ
れぞれ超音波送信部5A,6Aと、超音波オン/オフ用
のスイッチSW1,SW2とが設けられている点を除け
ば、従来の音響装置と同様の構成である。しかし、この
図4では、第3の実施例として後で詳しく説明するリス
ナーの位置表示を可能にするために、新たに、グラフィ
ックス・コントローラ19と、ディスプレイ装置20と
が付加されている。
【0029】この第1の実施例では、図1で述べたよう
に、DSP内蔵アンプ2が、その赤外線受信部2Aによ
って、リモートコマンダ1からのコマンドを受信すると
(図1の)、音場補正のコマンドと解釈する。DSP
内蔵アンプ2では、この図4に示したマイクロコンピュ
ータ18が、コマンドの受信後、音場補正のコマンドと
解釈して、受信後一定時間の経過後に、超音波送信用の
スイッチSW1を短い一定の時間t0 (図3の#31)
だけオンして、左側のスピーカ部5の超音波送信部5A
から超音波を発信させる(図1の)。
【0030】一定時間t3 の経過後、スイッチSW2を
短い時間オンにし、右側のスピーカ部6の超音波送信部
6Aから超音波を発信させる(図1の)。リモートコ
マンダ1は、これら2つの超音波の到達時間を検知し、
到達時間の情報を赤外線の信号として、DSP内蔵アン
プ2へ送出する(図1の)。
【0031】DSP内蔵アンプ2では、受信した到達時
間の情報をマイクロコンピュータ18へ送り、リモート
コマンダ1と、左右のスピーカ部5,6との間の距離X
L,XR(図1)を演算する。この発明の音響装置で
は、DSP内蔵アンプ2側の制御は、この図4のマイク
ロコンピュータ18が、後出の図6のフローに従って行
う。次に、図2に示したリモートコマンダ1の詳細な構
成を説明する。
【0032】図5は、この発明の音響装置で使用するリ
モートコマンダ1について、その要部構成の一実施例を
示す機能ブロック図である。図における符号は図1と同
様であり、31はアンプ、32はBPF(バンド・パス
・フィルタ)、33は検波回路、34は波形整形回路、
35はA/Dコンバータ、36はリモートコマンダ用マ
イクロコンピュータで、36AはそのCPU、36Bは
ROM、36CはRAM、37はキーマトリックス部、
SW4はBPFバイパス用のスイッチ、SW5は波形整
形バイパス用のスイッチを示す。
【0033】すでに述べたように、この図5に示すリモ
ートコマンダ1は、マイク1Aと音場補正ボタン1Cと
が設けられている点で、従来のリモートコマンダと異な
っている。この図5のリモートコマンダ1は、リモート
コマンダ用マイクロコンピュータ36によってコントロ
ールされる(後出の図7のフロー、参照)。
【0034】そして、リモートコマンダ1のキーマトリ
ックス部37を押すことにより、通常の「CD PLA
Y」や、チューナのチャンネル「−」,「+」等のコー
ドが出力されるように構成されている。新たに付加され
た音場補正ボタン1Cを押すと、そのコマンドが赤外線
送信部1Bより出力される(図1の)。この赤外線の
信号は、図4のDSP内蔵アンプ2の赤外線受信部2A
で受信されて、マイクロコンピュータ18に送られ、コ
マンド解釈後、左側の超音波送信部5Aから超音波が発
信される(図1の)。
【0035】なお、図5のリモートコマンダ1から、D
SP内蔵アンプ2の赤外線受信部2A(図4)への送信
には、赤外線を用いる場合を中心に説明している。その
理由は、赤外線の速度は約30万km/sで、超音波の
速度の約340m/sと較べて極めて高速であり、その
到達に要する時間が極小のため、実用上無視できるから
である。
【0036】リモートコマンダ1のマイク1Aによって
受信された信号(図1の)は、アンプ31で増幅さ
れ、超音波の発振周波数f以外の信号を減衰させるため
に、BPF32へ送られる。そして、検波回路33で検
波された後、波形整形回路34で波形整形されて、A/
Dコンバータ35に入力される。
【0037】リモートコマンダ用マイクロコンピュータ
36は、赤外線を出力してからA/Dコンバータ35の
入力信号が検出されるまでの時間を測定する。なお、単
にこのような時間を測定する方法の場合には、リモート
コマンダ用マイクロコンピュータ36が作動するレベル
に波形整形を行うだけでもよい。
【0038】また、右側のスピーカ部6からの信号(図
1の)についても、同様に測定する。その後、マイク
ロコンピュータ36が、左右のスピーカ部5,6からの
超音波の信号の到達時間を計算し、赤外線送信部1Bか
ら、赤外線の信号として送信する(図1の)。
【0039】なお、DSP12(図5)による音場補正
に際して、リモートコマンダ1の位置(リスナーの位
置)により、部屋の残響時間や周波数特性の測定等が必
要な場合がある。この場合には、本体部側のスピーカ部
5,6からそれらの測定用の信号を出力させ、リモート
コマンダ1内のBPFバイパス用のスイッチSW4と、
波形整形バイパス用のスイッチSW5とを切換えて、B
PF32と波形整形回路34とをバイパスさせ、可聴帯
域内のレベル変化の状態をそのままA/Dコンバータ3
5を通してリモートコマンダ用マイクロコンピュータ3
6に入力することにより、測定に必要なデータを解析す
ることも可能である。
【0040】ここで、以上に説明した図5のリモートコ
マンダ1と、図4のDSP内蔵アンプ2について、音場
補正時の動作をフローで示す。この場合の制御は、主と
して、図5のリモートコマンダ1内のリモートコマンダ
用マイクロコンピュータ36と、図4のDSP内蔵アン
プ2内のマイクロコンピュータ18によって実行され
る。
【0041】先に説明した本体部側のスピーカ部5,6
と、リモートコマンダ1との間の距離の測定では、式
(1) と(2) によって、各距離XL,XRを求める方法の
場合を述べたが、以下の説明では、タイマによって10
0μs毎の回数をカウントし、得られた回数の情報を超
音波の到達所要時間係数tL,tRとして使用すること
により、各距離XL,XRを測定する場合を述べる。し
たがって、到達所要時間は、tL×100μs、あるい
はtR×100μsによって算出されることになる。
【0042】図6は、リモートコマンダ1について、音
場補正時の主要な処理の流れを示すフローチャートであ
る。図において、S1〜S11はステップを示す。
【0043】先の図2と図5に示したリモートコマンダ
1の音場補正ボタン1Cを押すと、この図6のフローチ
ャートがスタートする。ステップS1で、音場補正コマ
ンドを送出し、次のステップS2で、リモートコマンダ
1から左側のスピーカ部5までの超音波の到達所要時間
係数(tL)を初期化(0)する。
【0044】ステップS3で、A/Dコンバータ35の
入力が“H”かどうか判断する。もし、入力が“H”で
なければ、ステップS4へ進み、超音波の到達所要時間
係数(tL)を「+1」する。そして、次のステップS
5で、例えば100μsだけ待機し、100μsの経過
後、再び、先のステップS3へ戻り、同様の処理を繰り
返えす。
【0045】これに対して、先のステップS3で判断し
た結果、A/Dコンバータ35の入力が“H”のとき
は、ステップS6へ進む。ステップS6で、音場補正コ
マンドを送信した後、タイマをスタートさせて時間t3
が経過するのを待つ。
【0046】ステップS7で、リモートコマンダ1から
右側のスピーカ部6までの超音波の到達所要時間係数
(tR)を初期化(0)する。次のステップS8へ進
み、A/Dコンバータ35の入力が“H”かどうか判断
する。
【0047】もし、入力が“H”でなければ、ステップ
S9へ進み、超音波の到達所要時間係数(tR)を「+
1」する。次のステップS10で、例えば100μsだ
け待機し、100μsの経過後、再び、先のステップS
8へ戻り、同様の処理を繰り返えす。
【0048】これに対して、ステップS8で判断した結
果、A/Dコンバータ35の入力が“H”のときは、ス
テップS11へ進む。ステップ11で、リモートコマン
ダ1から、超音波の到達所要時間係数(tL,tR)を
DSP内蔵アンプ2へ赤外線によって送出する。
【0049】図7は、DSP内蔵アンプ2について、音
場補正時の主要な処理の流れを示すフローチャートであ
る。図において、S21〜S33はステップを示す。
【0050】ステップS21で、DSP内蔵アンプ2の
赤外線受信部2Aにより、リモートコマンダ1からのコ
マンドを受信する。ステップS22で、音場補正コマン
ドかどうか判断する。
【0051】もし、音場補正コマンドでなければ、他の
通常処理、例えば、「CD PLAY」等の処理を行
う。ステップS22で判断し結果、音場補正コマンドで
あれば、ステップS23へ進む。
【0052】ステップS23で、コマンドの受信終了
後、DSP内蔵アンプ2内のスイッチSW1をオンにす
る。次のステップS24で、所定時間t0 だけ超音波を
送信する。
【0053】次のステップS25で、スイッチSW1の
ポートを“L”にして、SW1をオフにする。ステップ
S26で、時間(t3 −t0 )だけ待機し、時間(t3
−t0 )の経過後、次のステップS27へ進む。
【0054】ステップS27で、スイッチSW2のポー
トを“H”にして、SW2をオンにする。ステップS2
8で、時間t0 だけ超音波を送信し、送信終了後次のス
テップS29で、スイッチSW2のポートを“L”にし
て、SW2をオフにする。
【0055】ステップS30で、超音波の到達所要時間
係数(tL,tR)の赤外線コードを受信したかどうか
判断する。もし、赤外線コードを受信しないときは、赤
外線コードを受信するまで待機する。
【0056】ステップS30で、超音波の到達所要時間
係数(tL,tR)の赤外線コードを受信したことを検
知すると、次のステップS31へ進む。ステップS31
で、(100μs×tL×340m/s)の計算を行っ
て、左側のスピーカ部5からリモートコマンダ1(リス
ナーの位置)までの距離を求める。
【0057】次のステップS32で、(100μs×t
R×340m/s)の計算を行い、同様に、右側のスピ
ーカ部6からリモートコマンダ1(リスナーの位置)ま
での距離を求める。ステップS33で、先のステップS
31とステップS32で算出された距離に基づいて、マ
イクロコンピュータ18からDSP12へ音場補正デー
タを送出する。
【0058】以上に詳しく述べた第1の実施例は、次の
ように、各種の変更が可能であり、この発明は、これら
の場合を全て包含する。第1に、先の図5では、超音波
用発振器22と超音波用アンプ23、および超音波送信
部5A、6Aを別に設ける場合を説明したが、超音波送
信部5A、6Aを設ける代わりに、パワーアンプに直接
超音波発振器をスイッチで接続し、スピーカ部より出力
させてもよい。
【0059】第2に、図3のタイムチャートの説明で
は、スイッチSW2の信号が、一定時間t3 の経過後に
出力される場合とした。しかし、リモートコマンダ1か
ら、スイッチSW1用のコマンド、スイッチSW2用の
コマンド、のように別々の入力信号で動作させることも
可能である。
【0060】第3に、この第1の実施例では、超音波が
左右のスピーカ部5,6からリモートコマンダ1に到達
するまでの時間を1回だけ測定する場合について説明し
たが、左右のスピーカ部5,6から超音波を何回か自動
的に送出し、それらの時間の平均値を求める方法を採用
すれば、より正確な音場補正を行うことができる。第4
に、実施対象としては、ステレオ装置だけでなく、4チ
ャンネルサラウンド装置あるいは1つのスピーカ部を備
えたシステムでも可能である。
【0061】第5に、音場補正のコマンドの送信用に赤
外線を用いる場合を述べたが、赤外線の代わりに、電波
や超音波等を用いても、同様に実施することができる。
しかしながら、超音波を使用する場合には、往復で2倍
の時間の測定が必要である。第6に、リモートコマンダ
1に、専用の音場補正ボタン1Cを設けて、音場補正コ
マンドを送出したが、他のボタン、例えばCDのプレイ
ボタン等を押したときに自動的に動作させて、音場補正
コマンドが送出できるようにしてもよいし、また、一定
時間毎に動作させて、音場補正コマンドが送出されるよ
うにしてもよい。
【0062】第7に、赤外線受信部2Aは、必ずしも、
DSP内蔵アンプ2に設ける必要はなく、本体部側の受
信可能な位置であれば、どの位置でもよい。以上のよう
に、この発明の音響装置は、リモートコマンダ1内にマ
イク1Aを設けたことによって、簡単な機構で、リスナ
ーの位置での音場補正を自動的に行うことができる。
【0063】
【実施例2】次に、この発明について、第2の実施例を
説明する。この実施例は、請求項2の発明に対応する。
この第2の実施例では、先の第1の実施例において、音
場補正時に、本体部側から送信される超音波の送信部や
発振部を改良した点に特徴を有している。
【0064】図8は、この発明の音響装置について、そ
の要部構成の第2の実施例を示す機能ブロック図であ
る。図における符号は、図4と同様である。
【0065】先の図4では、本体部側の左右両側のスピ
ーカ部5,6に、それぞれ超音波送信部5A,6Aを設
け、この超音波送信部5A,6Aによって、超音波用発
振器21から出力される超音波を送信するように構成し
ていた。この図8では、超音波送信部5A,6Aを省略
し、超音波用発振器21からの出力を、左右両側用のパ
ワーアンプ16,17を介して、左右両側のスピーカ部
5,6へ伝送し、リモートコマンダ1(図示せず)へ送
信している。
【0066】このように、スピーカ部(5,6)自身を
超音波の送信部とすれば、今まで使用してきたスピーカ
部自身に変更を加える必要なしに、音場補正用の超音波
を送信することができる。また、超音波用発振器21を
省略することも可能である。
【0067】図9は、この発明の音響装置について、超
音波発振部の構成を簡略化した一実施例を示す機能ブロ
ック図である。図における符号は、図8と同様である。
【0068】この図9では、DSP内蔵アンプ内のマイ
クロコンピュータ18を使用し、DSP12をソフトウ
エアによりコントロールしてバースト波を生成する。こ
のようにして得られたバースト波の信号を、D/Aコン
バータ13から左右両側用のパワーアンプ16,17を
介して、左右両側のスピーカ部5,6へ伝送し、同様
に、リモートコマンダ1へ送信する。
【0069】以上の図8に示したように、スピーカ部
(5,6)自身を送信部とすれば、今まで使用してきた
スピーカ部自身に変更を加える必要なしに、音場補正を
行うことが可能である。また、図9に示したように、D
SP12を発振器に使用すれば、ハード面の変更がほと
んどないので、コストアップも極めて少なく、安価な装
置を構成することができる。
【0070】
【実施例3】次に、この発明について、第3の実施例を
説明する。この実施例は、主として、請求項3の発明に
対応するが、請求項4の発明とも関連している。
【0071】先の第1や第2の実施例では、音場補正時
に、遠隔操作部から赤外線または電波を発信させ、本体
部側からの音波を受信して、左側と右側の各スピーカと
リスナーの位置との間の距離を測定した。この第3の実
施例では、音波と赤外線(または電波)の速度差に着目
し、遠隔操作部(リスナーの位置)から音波と赤外線
(または電波)とを同時に発信させ、それを本体部側の
異なる2個所以上の場所で受信し、それぞれの遅延時間
により遠隔操作部の場所を特定させることによって、自
動的に音場補正を行う点に特徴を有している。
【0072】図10は、この発明の音響装置について、
その要部構成の第3の実施例を示す概略斜視図である。
図における符号は図1と同様であり、41は超音波発振
部を備えたリモートコマンダ、42は左側のスピーカ部
で、42Aはその超音波受信部、43は右側のスピーカ
部で、43Aはその超音波受信部、44は左用超音波受
信用ケーブル、45は右用超音波受信用ケーブルを示
し、とは超音波の信号、は赤外線(または電波)
の信号を示す。
【0073】この図10に示す音響装置は、超音波発振
部を備えたリモートコマンダ41から、同時に、超音波
の信号,と、赤外線(または電波)の信号とが発
信される。この場合に、赤外線の速度は、約30万km
/sの高速であり、超音波の速度は、約340m/sで
あるから、赤外線の信号が、DSP内蔵アンプ2の赤
外線受信部2Aへ到達するまでの時間は極小で、実用上
無視することができる。
【0074】すなわち、超音波の信号,が、左側の
スピーカ部42に設けられた超音波受信部42Aと、右
側のスピーカ部43に設けられた超音波受信部43Aと
に到達する時間(遅延時間)を求めれば、それぞれの距
離XL,XRを算出することができる。そして、それぞ
れの距離XL,XRが判れば、リモートコマンダ41
(リスナーの位置)の位置も判るので、DSP内蔵アン
プ2側で、自動的に音場補正を行うことが可能になる。
なお、赤外線の代りに電波を使用しても、同様の結果が
得られる。
【0075】図11は、この発明の音響装置で使用する
DSP内蔵アンプ2および左右両側のスピーカ部42,
43について、その要部構成の第3の実施例を示す機能
ブロック図である。図における符号は図4および図10
と同様であり、41Aはリモートコマンダ41の超音波
発信部、46は左側の超音波受信用アンプ、47は左側
の超音波受信用BPF、48は左側の超音波受信用検波
回路、49は左側の超音波受信用波形整形回路、50は
赤外線受光用アンプ、51は赤外線受光用BPF、52
は赤外線受光用検波回路、53は赤外線受光用波形整形
回路、54は右側の超音波受信用アンプ、55は右側の
超音波受信用BPF、56は右側の超音波受信用検波回
路、57は右側の超音波受信用波形整形回路を示し、a
〜cはマイクロコンピュータ18への入力信号を示す。
【0076】図12は、図11のマイクロコンピュータ
18の動作を説明するためのタイムチャートである。図
の各波形に付けられた符号は、図11の符号位置に対応
している。
【0077】先の図10で述べたように、音場補正時
に、リモートコマンダ41から、同時に発信された超音
波の信号,と、赤外線の信号は、この図11の左
側のスピーカ部42,右側のスピーカ部43と、赤外線
受信部2Aによって、それぞれ受信される。そして、超
音波の信号は、左側のスピーカ部42から、超音波受
信用アンプ46,超音波受信用BPF47,超音波受信
用検波回路48,超音波受信用波形整形回路49を通
り、図12に示すように、信号aとして、マイクロコン
ピュータ18へ入力される。
【0078】同様に、超音波の信号は、右側のスピー
カ部43から超音波受信用波形整形回路57を通って、
図12に示すように、信号cとして、マイクロコンピュ
ータ18へ入力される。さらに、赤外線の信号も、赤
外線受信部2Aから、赤外線受信用波形整形回路53を
通って、図12に示すように、信号bとして、マイクロ
コンピュータ18へ入力される。
【0079】この場合に、各信号a〜cの時間的な関係
は、図12のタイムチャートから明らかなように、赤外
線の信号に対応する信号bが、最初に検出され、ある
時間だけ遅れて、超音波の信号,に対応する信号
a,cが検出される。したがって、信号bと、信号a,
cとの間の時間、すなわち、遅延時間が、超音波がリモ
ートコマンダ41から、左右の各スピーカ部42,43
に到達までの時間、ということになる。
【0080】ここで、超音波の速度は、約340m/s
であるから、それぞれの到達時間に速度を掛ければ、リ
モートコマンダ41から、左右の各スピーカ部42,4
3までの距離XL,XRを算出することができる。その
後の音場補正の動作は、先に述べた第1や第2の実施例
と同様である。
【0081】次に、この発明の音響装置で使用するの好
適なリモートコマンダ(図10の41)について、その
詳細な構成を説明する。
【0082】図13は、この発明の第2の実施例で使用
されるリモートコマンダ41について、その詳細な構成
の一実施例を示す機能ブロック図である。図において、
36はリモートコマンダ用マイクロコンピュータ、IC
1AとIC1BとIC2はIC素子、Q1とQ2はトラ
ンジスタ、SW6〜SW8はスイッチ、C1 はコンデン
サ、R1 は抵抗器、D1 はダイオードを示す。
【0083】この図13に示したリモートコマンダ41
は、従来の通常のリモートコマンダを改造した一例であ
り、構成を明確にするために、ICを用いて示している
が、ICの代りに、全ての動作をマイクロコンピュータ
で行うこともできる。通常のコマンド発信時には、例え
ば、「CD PLAY」のボタン(図2、参照)を押す
と、スイッチSW8は3Vとなり、トランジスタQ1は
オフになるので、各IC素子IC1A,IC1B,IC
2と電源との接続が遮断される。
【0084】さらに、スイッチSW6はオフ、SW7は
オンとなり、「CD PLAY」のコマンドがリモート
コマンダ用マイクロコンピュータ36から発生されて、
赤外線のパルス信号だけが出力される。これに対して、
音場補正時は、音場補正ボタン1C(図2、参照)を押
すと、スイッチSW8は0Vとなり、トランジスタQ1
がオンになる。
【0085】したがって、各IC素子IC1A,IC1
B,IC2と電源とが接続され、スイッチSW6はオ
ン、SW7はオフとなり、超音波と赤外線のパルス信号
が発生される。この図13のリモートコマンダ41を使
用すると、本体部側と10mほど離れた場合に、遅延時
間は、約30ms程度であるから、40ms以下のイン
ターバルのときは、パルス信号が重なってしまう。そこ
で、IC素子IC2により、インターバルを40msに
設定している。なお、コンデンサC1 と抵抗器R1 は、
微分回路を構成している。
【0086】
【実施例4】次に、この発明について、第4の実施例を
説明する。この実施例は、主として、請求項4の発明に
対応するが、請求項1と請求項3の発明とも関連してい
る。
【0087】この第4の実施例では、先の図4や図10
の機能ブロック図に示したグラフィックス・コントロー
ラ19と、ディスプレイ装置20との機能を使用して、
左右のスピーカの位置と、リスニングポイント(遠隔操
作部)との位置関係を、ディスプレイ装置20の画面上
に表示する点に特徴を有している。このように、左右の
スピーカの位置と、リスニングポイントとの位置関係を
表示することによって、現在、どの場所で聞いているの
か、が明確に判断できるので、音場補正の操作が容易に
なる。
【0088】最初に、ステレオ装置について、左右のス
ピーカの位置と、リスニングポイント、すなわち、リモ
ートコマンダ(遠隔操作部)との間の距離関係について
説明する。
【0089】図14は、左右のスピーカ部とリモートコ
マンダ(遠隔操作部)間の距離関係を説明する図であ
る。図における符号は図1と同様であり、dは左右のス
ピーカ部間の距離、XLは左側のスピーカ部5とリモー
トコマンダ1との距離、XRは右側のスピーカ部6とリ
モートコマンダ1との距離、SLは第1の円、SRは第
2の円を示す。
【0090】まず、左側のスピーカ部5をX,Y座標の
原点に位置させる。左側のスピーカ部5とリモートコマ
ンダ1との距離XL、および右側のスピーカ部6とリモ
ートコマンダ1との距離XRとが求められると、図14
の第1の円SLの軌道を示す方程式は、 X2 +Y2 =(XL)2 …… (3) であり、これを移項すると、 Y2 =(XL)2 −X2 …… (4) となる。
【0091】同様に、第2の円SRの軌道についても、 (X−d)2 +Y2 =(XR)2 …… (5) となる。ここで、式(4) を式(5) へ代入すると、 (X−d)2 +(XL)2 −X2 =(XR)2 …… (6) が得られる。この式(6) を展開すると、 X2 −2dX+d2 +(XL)2 −X2 =(XR)2 …… (7) となり、この式(7) を整理して値Xを求めると、 X={(XR)2 −(XL)2 −d2 }/−2d …… (8) が得られる。
【0092】また、値YとXとは、先の式(4) の関係に
あるので、この式(8) のXを、先の式(4) へ代入して、
値Yを求めると、 Y=±√[(XL)2−{〔(XR)2−(XL)2−d2 〕/−2d}2] …… (9) が得られる。したがって、これらの式(8) と、式(9) と
を用いれば、平面上のリモートコマンダ1の位置を算出
することができる。この発明では、この式(8) によって
値X、式(9) によって値Y、をそれぞれ算出し、その値
X,Yを、図4や図10のグラフィックス・コントロー
ラ19へ送出して、ディスプレイ装置20に表示するこ
とにより、明確にリスニングポイントを示すことができ
るようにしている。
【0093】
【発明の効果】請求項1の自動音場補正機能を有する音
響装置では、遠隔操作部から発信された信号により、音
響システム本体部側から2個の超音波を送信させて、遠
隔操作部の受信用マイクにより受信し、2個の超音波信
号の受信遅延時間の情報を生成して音響システム本体部
へ送信することにより、音場補正を行っている。したが
って、左右の各スピーカとリスニングポイントの間での
アライメントを容易に行うことが可能となり、従来の装
置のように、最適なリスニングポイントの範囲が狭くて
も、快適な状態で聞くことができる。しかも、遠隔操作
部側には、超音波等の発振部を設ける必要がないので、
通常の低い電圧の電池でドライブすることができる。
【0094】請求項2の音響装置では、請求項1の音響
装置において、超音波を送信する2個の超音波送信手段
に、音響システム本体部に設けられているスピーカを利
用して、遠隔操作部から送信された信号に同期して発振
音を出力させている。したがって、特にスピーカ部を改
良する必要なしに、請求項1の音響装置と同様の効果が
得られる。
【0095】請求項3の音響装置では、遠隔操作部に設
けられた送信手段から、2個の超音波信号と、赤外線ま
たは電波信号とを同時に発生させ、2個の超音波信号の
受信遅延時間の情報を生成して、音場補正を行うように
している。したがって、請求項1の音響装置と同様の効
果が得られる。
【0096】請求項4の音響装置では、請求項1から請
求項3の音響装置において、各スピーカと遠隔操作部と
の位置関係を表示する位置表示手段を設けている。した
がって、リスナーは、現在、どの場所で聞いているの
か、明確に判断することが可能になり、音場補正時の操
作性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の自動音場補正機能を有する音響装置
について、その要部構成の一実施例を示す概略斜視図で
ある。
【図2】この発明の音響装置で使用するリモートコマン
ダ1について、その構成の一実施例を示す概略上面図で
ある。
【図3】この発明の音響装置について、音場補正時の動
作を説明するためのタイムチャートである。
【図4】この発明の音響装置で使用するDSP内蔵アン
プ2および左右両側のスピーカ部5,6について、その
要部構成の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図5】この発明の音響装置で使用するリモートコマン
ダ1について、その要部構成の一実施例を示す機能ブロ
ック図である。
【図6】リモートコマンダ1について、音場補正時の主
要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】DSP内蔵アンプ2について、音場補正時の主
要な処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】この発明の音響装置について、その要部構成の
第2の実施例を示す機能ブロック図である。
【図9】この発明の音響装置について、超音波発振部の
構成を簡略化した一実施例を示す機能ブロック図であ
る。
【図10】この発明の音響装置について、その要部構成
の第3の実施例を示す概略斜視図である。
【図11】この発明の音響装置で使用するDSP内蔵ア
ンプ2および左右両側のスピーカ部42,43につい
て、その要部構成の第3の実施例を示す機能ブロック図
である。
【図12】図11のマイクロコンピュータ18の動作を
説明するためのタイムチャートである。
【図13】この発明の第2の実施例で使用されるリモー
トコマンダ41について、その詳細な構成の一実施例を
示す機能ブロック図である。
【図14】左右のスピーカ部とリモートコマンダ(遠隔
操作部)間の距離関係を説明する図である。
【符号の説明】
1 リモートコマンダ 2 DSP内蔵アンプ 2A 赤外線受信部 5 左側のスピーカ部 5A 超音波送信部 6 右側のスピーカ部 6A 超音波送信部 12 DSP 18 マイクロコンピュータ 19 グラフィックス・コントローラ 20 ディスプレイ装置 21 超音波用発振器 22 超音波用アンプ 32 BPF(バンド・パス・フィルタ) 33 検波回路 34 波形整形回路 36 リモートコマンダ用マイクロコンピュータ 37 キーマトリックス部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04S 7/00 F 8421−5H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステレオ方式の音響システム本体部と、
    該システム本体部の動作を指示する遠隔操作部とを有す
    る音響装置において、 音場補正を行う手段と、 前記音響システム本体部に設けられ、前記遠隔操作部か
    らの信号により超音波を送信する2個の超音波送信手段
    と、 前記遠隔操作部に設けられ、前記超音波を受信する受信
    用マイクと、2個の超音波信号の受信遅延時間の情報を
    生成して送信する手段、とを備え、 前記遠隔操作部から発信された信号により、前記音響シ
    ステム本体部側から2個の超音波を送信させて、前記遠
    隔操作部の受信用マイクにより受信し、2個の超音波信
    号の受信遅延時間の情報を生成して前記音響システム本
    体部へ送信することにより、音場補正を行うことを特徴
    とする音響装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の音響装置において、 超音波を送信する2個の超音波送信手段は、音響システ
    ム本体部に設けられているスピーカであることを特徴と
    する音響装置。
  3. 【請求項3】 ステレオ方式の音響システム本体部と、
    該システム本体部の動作を指示する遠隔操作部とを有す
    る音響装置において、 音場補正を行う手段と、 前記遠隔操作部に設けられ、2個の超音波信号と、赤外
    線または電波信号とを同時に送信する手段と、 前記音響システム本体部に設けられ、前記遠隔操作部か
    らの各信号を受信し、前記2個の超音波信号の受信遅延
    時間の情報を生成する手段、とを備え、 前記遠隔操作部からの2個の超音波信号の受信遅延時間
    の情報を生成して、音場補正を行うことを特徴とする音
    響装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の音響装置におい
    て、 スピーカと遠隔操作部との位置関係を表示する位置表示
    手段を備えたことを特徴とする音響装置。
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