JP2007068000A - 音場再生装置および音場再生装置用リモコン - Google Patents

音場再生装置および音場再生装置用リモコン Download PDF

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Abstract

【課題】 より高い精度での音場補正を実施することができるようにすること。
【解決手段】 リモコン2に少なくとも2つのマイク22a〜cを離間して設けて、これら複数の各マイク22a〜cから入力される各スピーカ3a〜3eからの出力音に基づいて、各マイク22a〜cとスピーカ3a〜3eとの距離を特定し、該特定した距離に基づいて、各スピーカ3a〜3eとリモコン2との仮想距離がほぼ等しくなるように各スピーカから出力される再生音の出力時間と音圧とを補正するための補正値を特定可能な補正値特定情報を音場再生本体装置1に送信して、音場再生本体装置1において該補正値により各スピーカ3a〜3eから出力される再生音を補正するように制御する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、複数のスピーカと、該複数のスピーカから出力される各再生音の再生音信号を個別に処理する信号処理手段を有する音場再生機器と、該音場再生機器をリモコン制御するリモコンを備えた音場再生装置、並びに音場再生装置用リモコンに関する。
従来、複数のスピーカを有する音場再生装置において、これら複数の各スピーカと聴取者との距離が異なると、各スピーカから出力される音の到達時間や音圧が近くのスピーカからの音が早く且つ大きく、遠くのスピーカからの音が遅く且つ小さくなるので、良好な音場、特に立体音響再生を行う場合には、良好な立体音響を得ることが難しくなる。
このため、聴取者が操作するリモコンにおいて各スピーカからの出力音を採音し、該採音した各スピーカからの信号音に基づいて、各スピーカからの出力音を調整(遅延、音圧レベル調整)するための音場設定を実施して、良好な音場を得ようとするものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2004−77657号公報 特開2004−356958号公報
しかしながら、これら特許文献1並びに特許文献2にあっては、リモコンにおいて1つのマイクにより各スピーカからの出力音を採音しており、このため、これら1つのマイクにて採音した測定音信号のみを絶対的な信号情報として用いて音場設定を実施するので、これら測定音信号に外来ノイズ等が混入した場合や、何らかの影響により測定音信号が正確でなかった場合には、音場設定を実施するために必要となる所望の情報を得ること、特に、レベルセンシングにより正確な時間情報(遅延)を得ることは非常に困難となるので、各スピーカと聴取者との正確な距離や方向を安定的に把握することができず、よって、高い精度での補正を実施することができず、高品位な音場を提供できないという問題があった。
また、特許文献1にあっては、各スピーカからの音を採音するためのマイクがリモコンに設けられているものの、該リモコンにて採音(集音)された音は、本体となるアンプユニット7に無線にて送信されており、これら無線により採音(集音)された音を送信するための比較的高価な無線ユニットをリモコンに搭載する必要があることから、リモコンが比較的高価となってしまうとともに、これら無線ユニットにて採音(集音)された音を比較的長い期間に渡り送信するので、該送信に電力を消費するために、リモコンが電池等で動作する場合には、電池が短期間にて消耗してしまうという問題もあった。
また、特許文献2にあっては、各スピーカから周波数の異なる音を同時に出力して、これら周波数の異なる音を選択的に透過するフィルターを通じて検出し、その検出した各音の時間差と音の大きさの違いとから各スピーカからの出力音の補正値を特定するようにしているので、例えば、スピーカの数が2つであるか4つであるか、或いは5つである場合には、これらスピーカの数に応じた数のフィルターと検出回路を備えとともに、当該フィルターの増減に合わせた処理を実施する必要があるので、いちいち、各スピーカの数に応じたリモコンとする必要があるという問題もあった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、リモコンの機器構成が複雑化するとともに消費電力が大きくなることや、スピーカの数に応じたリモコンとすることを回避しつつ、より、高い精度での補正を実施することのできる音場再生装置および音場再生装置用リモコンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の音場再生装置は、
複数のスピーカと、該複数のスピーカから出力される各再生音の再生音信号を個別に処理する信号処理手段を有する音場再生機器と、該音場再生機器をリモコン制御するリモコンを備えた音場再生装置であって、
前記リモコンは、所定間隔に離間して配置され、前記各スピーカから発せられた音を入力するための少なくとも2つのマイクと、同一の前記スピーカから出力されて各マイクから入力する入力音の入力時間並びに入力音圧の変化に基づいて、当該スピーカの各マイクからの距離を特定する距離特定手段と、該距離特定手段に特定した各スピーカの各マイクからの距離に基づいて、各スピーカとリモコンとの仮想距離がほぼ等しくなるように各スピーカから出力される再生音の出力時間と音圧とを補正するための補正値を特定可能な補正値特定情報を前記音場再生機器に送信する送信手段と、を備え、
前記音場再生機器は、前記送信手段から送信される補正値特定情報を受信する受信手段と、該受信手段にて受信した補正値特定情報から特定される補正値に基づいて前記各スピーカに供給される再生音信号が前記信号処理手段により補正されるように制御する制御手段とを備えることを特徴としている。
この特徴によれば、リモコンに少なくとも2つのマイクと、スピーカの各マイクからの距離を特定する距離特定手段とを備えることで、スピーカがいくつであっても、共通して各スピーカと各マイクとの距離を高い精度にて絶対値的なデータとして特定できるようになるとともに、これら特定したスピーカの各マイクからの距離データ等の補正値を特定可能な補正値特定情報を、ごく短い時間において音場再生機器に送信するのみであるので、これら送信手段を動作させるための電力消費を非常に少ないものにでき、よって、リモコンの機器構成が複雑化するとともに消費電力が大きくなることや、スピーカの数に応じたリモコンとすることを回避しつつ、より、高い精度での補正を実施することができる。
本発明の請求項2に記載の音場再生装置は、請求項1に記載の音場再生装置であって、
前記距離特定手段に特定したスピーカの各マイクからの距離に基づいて、リモコンに対する各スピーカの幾何学的位置を特定する位置特定手段を有し、
前記送信手段は、各スピーカの仮想位置がほぼ対称状態となるように、隣接するスピーカから出力される再生音の音圧の相対比率を補正するための相対比率補正値をさらに特定可能な補正値特定情報を送信することを特徴としている。
この特徴によれば、各スピーカの幾何学的位置を特定し、これら特定した各スピーカの幾何学的位置が対称状態でないときに、これら各スピーカの仮想位置がほぼ対称状態となるように隣接するスピーカから出力される再生音の音圧の相対比率を補正するための相対比率補正値を特定可能な補正値特定情報を音場再生機器に送信し、該音場再生機器において補正値特定情報から特定される相対比率補正値により隣接するスピーカから出力される再生音の音圧の相対比率を補正することにより、さらに高品質な音場を簡便に提供することができる。
本発明の請求項3に記載の音場再生装置は、請求項1または2に記載の音場再生装置であって、
前記距離特定手段が、前記2つのマイクからの入力音が入力される適応フィルタを有し、該適応フィルタは、入力される一方の入力音を遅延させる遅延処理部とFIRフィルタとFIRフィルタの係数更新部とを含むことを特徴としている。
この特徴によれば、スピーカの各マイクからの距離特定を簡便な構成にて高精度に特定できるばかりか、これらの適応フィルタをプログラムにて形成することにより、これらプログラムを実行するためのデバイスをリモコンに搭載することで、距離特定手段を限られた大きさのリモコンに容易に付与することができる。
本発明の請求項4に記載の音場再生装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の音場再生装置であって、
前記距離特定手段は、前記2つの適応フィルタから出力される各信号が入力されるさらに2つの適応フィルタを有することを特徴としている。
この特徴によれば、スピーカが各適応フィルタに接続されている2つのマイクのどちらに近い側に存在するのかを正確かつ確実に特定することができるので、距離特定手段における距離特定の処理負荷を低減することができる。
本発明の請求項5に記載の音場再生装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の音場再生装置であって、
前記送信手段並びに前記受信手段は、前記音場再生機器をリモコン制御するための制御情報を送信する赤外線非接触通信手段にて形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、送信手段並びに受信手段を個別に設ける必要がなく、リモコンや音場再生機器のコスト上昇を抑えることができる。
本発明の請求項6に記載の音場再生装置用リモコンは、
複数のスピーカとから出力される各再生音の再生音信号を個別に処理する信号処理手段を有する音場再生機器をリモコン制御する音場再生装置用リモコンであって、
所定間隔に離間して配置され、前記各スピーカから発せられた音を入力するための少なくとも2つのマイクと、
同一の前記スピーカから出力されて各マイクから入力する入力音の入力時間並びに入力音圧の変化に基づいて、当該スピーカの各マイクからの距離を特定する距離特定手段と、
前記距離特定手段に特定した各スピーカの各マイクからの距離に基づいて、各スピーカとリモコンとの仮想距離がほぼ等しくなるように各スピーカから出力される再生音の出力時間と音圧とを、前記信号処理手段において補正するための補正値を特定可能な補正値特定情報を前記音場再生機器に送信する送信手段と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、リモコンに少なくとも2つのマイクと、スピーカの各マイクからの距離を特定する距離特定手段とを備えることで、スピーカがいくつであっても、共通して各スピーカと各マイクとの距離を高い精度にて絶対値的なデータとして特定できるようになるとともに、これら特定したスピーカの各マイクからの距離データ等の補正値を特定可能な補正値特定情報を、ごく短い時間において音場再生機器に送信するのみであるので、これら送信手段を動作させるための電力消費を非常に少ないものにでき、よって、リモコンの機器構成が複雑化するとともに消費電力が大きくなることや、スピーカの数に応じたリモコンとすることを回避しつつ、音場再生機器においてより高い精度での補正を実施することができる。
本発明の請求項7に記載の音場再生装置用リモコンは、請求項6に記載の音場再生装置用リモコンであって、
前記距離特定手段に特定したスピーカの各マイクからの距離に基づいて、リモコンに対する各スピーカの幾何学的位置を特定する位置特定手段を有し、
前記送信手段は、各スピーカの仮想位置がほぼ対称状態となるように、隣接するスピーカから出力される再生音の音圧の相対比率を補正するための相対比率補正値をさらに特定可能な補正値特定情報を送信することを特徴としている。
この特徴によれば、各スピーカの幾何学的位置を特定し、これら特定した各スピーカの幾何学的位置が対称状態でないときに、これら各スピーカの仮想位置がほぼ対称状態となるように隣接するスピーカから出力される再生音の音圧の相対比率を補正するための相対比率補正値を特定可能な補正値特定情報を音場再生装置に送信し、該音場再生装置において補正値特定情報から特定される相対比率補正値により隣接するスピーカから出力される再生音の音圧の相対比率を補正することにより、さらに高品質な音場を簡便に提供することができる。
本発明の請求項8に記載の音場再生装置用リモコンは、請求項6または7に記載の音場再生装置用リモコンであって、
前記距離特定手段が、前記2つのマイクからの入力音が入力される適応フィルタを有し、該適応フィルタは、入力される一方の入力音を遅延させる遅延処理部とFIRフィルタとFIRフィルタの係数更新部とを含むことを特徴としている。
この特徴によれば、スピーカの各マイクからの距離特定を簡便な構成にて高精度に特定できるばかりか、これらの適応フィルタをプログラムにて形成することにより、これらプログラムを実行するためのデバイスをリモコンに搭載することで、距離特定手段を限られた大きさのリモコンに容易に付与することができる。
本発明の請求項9に記載の音場再生装置用リモコンは、請求項6〜8のいずれかに記載の音場再生装置用リモコンであって、
前記距離特定手段は、前記2つの適応フィルタから出力される各信号が入力されるさらに2つの適応フィルタを有することを特徴としている。
この特徴によれば、スピーカが各適応フィルタに接続されている2つのマイクのどちらに近い側に存在するのかを正確かつ確実に特定することができるので、距離特定手段における距離特定の処理負荷を低減することができる。
本発明の請求項10に記載の音場再生装置用リモコンは、請求項6〜9のいずれかに記載の音場再生装置用リモコンであって、
前記送信手段は、前記音場再生機器をリモコン制御するための制御情報を送信する赤外線非接触通信手段にて形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、送信手段をリモコンに個別に設ける必要がなく、リモコンのコスト上昇を抑えることができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本実施例における音場再生装置の全体像を示す平面図である。尚、本発明は少なくとも2つ以上にスピーカを有する音場再生装置に適応可能であるが、本実施例においては、本発明の効果がより顕著に得ることができることから、5.1チャンネルの6個のスピーカを有する音場再生装置に基づいて説明する。
まず、本実施例の音場再生装置は、音場再生本体装置1と、音場再生本体装置1に接続されて配置された5つのスピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eとウーハースピーカと、音場再生本体装置1をリモコン制御するリモコン2から構成されている。音場再生本体装置1は、多チャンネルの再生信号を再生して、再生した各チャンネルの再生音信号を対応する5つの各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eとウーハースピーカに供給して出力することで、聴取者(リスナー)は、臨場感のある立体音響を楽しむことができる。また、聴取者(リスナー)は、図2に示すリモコン2を操作することにより、任意の聴取位置において、移動することなく音量や再生する楽曲の選択や、再生の開始並びに停止等の各調整やコントロールを行うことができる。
本実施例では、音場再生本体装置1に接続された5つの各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eが、図1に示すように、聴取者(リスナー)の聴取位置と異なる距離a,b,c,d,eに配置されているとともに、各スピーカボックス、例えば、スピーカボックス3aとスピーカボックス3eとが、聴取位置に対して非対象的に配置されている。
次に、本実施例に用いた音場再生本体装置1について説明すると、本実施例の音場再生本体装置1は、図3のブロック図に示すように、本体マイコン(MPU)11に接続された本発明における受信手段となるIR受信部10、複数の操作キーから成る本体操作部12、液晶パネルからなる表示部13、楽曲のデジタルデータが固定記憶された記録媒体から再生データを読み取る再生データ読み取り装置14を備えている。
本体マイコン(MPU)11は、IR受信部10にてリモコン2から受信したリモコン2における操作内容を特定可能な制御情報並びに本体操作部12からの操作信号の入力に応じて音場再生本体装置1をコントロールし、本体マイコン11の各種動作における状態を表示部13に表示する。
また、本体マイコン(MPU)11は、取る再生データ読み取り装置14に接続されて再生データに基づく各チャンネルの再生信号を、後述する各チャンネルの補正値により補正する補正機能や設定操作時において各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから所定の周波数を中心とした所定帯域に帯域制限された白色雑音を用いた設定用信号を発生する設定用信号発生機能とを有する本発明における信号処理手段となるデジタルシグナルプロセッサ(DSP)15、該DSP15にて処理された各チャンネルのデジタル信号データをA/D変換するDAC16、再生音の音量や音質を調整する音量音質調整部(VOLUME)17に接続されており、本体マイコン(MPU)11は、これらDSP15やDAC16や音量音質調整部(VOLUME)17を制御して、音場再生本体装置1の動作制御を実施する。
通常の再生時においては、再生データ読み取り装置14にて記録媒体より読み取られたデジタル信号データは、DSP15にて補正処理された後、DAC16でアナログ信号に変換される。そして、変換されたアナログ信号は音量音質調整部(VOLUME)17にて各チャンネルの再生信号に分離され、各アンプ(AMP)にて増幅された後、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eとウーハースピーカに供給されて出力される。
次に、本実施例に用いたリモコン2について説明すると、本実施例のリモコン2は、図2に示すように、通常の赤外線を使用したオーディオ機器用のリモコンとほぼ同様とされており、その前面21には、音量や再生の開始、停止や楽曲の選択をするための各種の操作キーから成る操作部27が設けられているとともに、できるだけ各マイク間の距離が大きくなるように、該前面21の対角となる角部位置と、当該対角となる角部に挟まれた1つの角部位置には、3つのマイク22a,22b,22cが設けられている。
また、リモコン2の一側面23には、図示しない赤外線透過窓が設けられており、該赤外線透過窓を介して、音場再生本体装置1に赤外線通信用の赤外線信号が出力される。
本実施例のリモコン2の構成は、図3のブロック図に示すようになっており、前記した赤外線透過窓を介して赤外線信号を送信するIR送信部26と、前述した3つのマイク22a,22b,22cに接続されて、これら各マイク22a,22b,22cにて採音されたアナログの入力音をデジタル信号データにA/D変換するADC29と、該ADC29にてA/D変換された入力音のデジタル信号データを格納するためのフラッシュメモリ24と、これらフラッシュメモリ24に記憶(格納)されている前記各マイク22a,22b,22cにて採音された入力音のデジタル信号データをデジタル処理して各マイク22a,22b,22cと各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eとの距離とを特定する本発明における距離特定手段となるデジタルシグナルプロセッサ(DSP)28と、前述した各操作キーから成る操作部27とから主に構成されているとともに、これら各デバイスは、図示しない電池から供給される動作電力にて動作するようになっている。
また、本実施例のDSP28には、信号処理プログラムにより、図4に示すように、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから出力される個々に異なる周波数帯域に帯域制限された白色雑音を用いた設定用信号音を抽出するための帯域フィルタと、各マイク22a,22b,22cの内、1つのマイクからの音を基準信号とし、他のマイクからの音が対象信号として入力される2つの適応フィルタA,Bと、これら各適応フィルタA,Bから出力信号が基準信号並びに対象信号として入力される、さらに2つの適応フィルタC,Dとが形成されている。
このように、本実施例では、各マイク22a,22b,22cからの音を2つの適応フィルタA,Bに入力するようにしており、このようにすることは、適応フィルタAと適応フィルタBには、互いに反対のフィルタ結果が生じることになるので、これら双方のフィルタ結果を比較することで、得られたフィルタ結果が正しいものか否かを迅速に判定でき、より正確なフィルタ結果を得ることができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら2つの適応フィルタA,Bを用いずに、1つの適応フィルタのみを用いるようにしても良い。
この本実施例に用いる適応フィルタのモデルとしては、図4に示すように、基準信号を予め定められた遅延幅により所定の遅延段数にて遅延させて遅延基準信号とする遅延処理を行う遅延処理部30と、対象信号が入力されるFIRフィルタと、該FIRフィルタとともに対象信号が入力されて最小二乗平均法によりFIRフィルタの係数を更新するためのフィルタ係数更新部とから構成されており、本実施例の適応フィルタでは、2つの入力信号である基準信号と対象信号の差分を最小二乗平均法による近似で求めるものである。
このように構成された適応フィルタにおける動作について以下に説明する。例えば、FIRフィルタ31のタップ長を32タップに定義し、適応フィルタの入力信号を
基準信号=対象信号 ・・・・・ (1)
と仮定し、かつ、
遅延基準信号 = 基準信号 ・・・・・ (2)
と定義した場合、適応フィルタが近似したFIRフィルタ31のフィルタ特性は、時間遅延=0の入力信号のみが出力される、すなわち対象信号がそのまま出力されるバイパス処理としてのフィルタ特性に近似される。
ここで、位相差すなわち時間遅延の差分に着目した場合、
遅延基準信号=基準信号+1tap delay ・・・・・ (3)
とした場合、すなわち、基準信号をFIRフィルタの1タップ分遅延させる処理をDelayで行った場合、適応フィルタが近似して同定したFIRのフィルタ特性は、基準信号に対して時間遅延=1tap delayの出力信号が出力されるFIRフィルタのフィルタ特性に近似される。
もし、遅延時間を2タップ、3タップと増やした場合、適応フィルタが同定するフィルタ特性は、対象信号がそれぞれ2タップ、3タップだけ遅延する信号を出力するフィルタ特性に近似される。
次に、振幅差すなわち音圧レベルの差分に着目した場合、
遅延基準信号= 基準信号*(−6dB) ・・・・・ (4)
とした場合、すなわち、基準信号を6dBだけ減衰させた信号を入力し、遅延処理部30では無遅延とした場合、適応フィルタが近似して同定したFIRフィルタのフィルタ特性は、対象信号の信号レベルが6dB減衰され、時間遅延=0tap delayの出力信号が出力されるFIRフィルタのフィルタ特性に近似される。
これらの適応フィルタを用い、1つの音源である各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eからの出力音を2つのマイク22a,22cで採音して、各マイク22a,22cからの距離を特定する原理について以下に説明する。まず、これら2つのマイク22a,22cで採音した音信号の相関関係を求めるのに先立ち、諸条件を仮定する。
まず、2つのマイク22a,22cで採音した信号をそれぞれRA、RCとする。また、マイク22a,22c間の距離をdとする。
次に、RAを適応フィルタAの基準信号、RCを適応フィルタAの対象信号とするとともに、RCを適応フィルタBの基準信号、RAを適応フィルタBの対象信号とする。
また、適応フィルタAと適応フィルタBのFIRフィルタのタップ長を256タップ、遅延処理部30における遅延量を128タップとする。
以上の条件下において適応信号処理を行うことで、RA信号とRC信号間の相関関係を求める。
この条件において、例えばスピーカボックス3aから設定用信号(音)が発せられた状態を仮定する。なお、スピーカボックス3aから各マイク22a,22cまでの距離は不明のため、未知数としてマイク22aまでの距離をr、マイク22cまでの距離をlとする。また、これら距離rと距離lの差分をdifとする。
マイク22aが採音したRAの音圧レベルをa(dB)とする。また、マイク22cが採音したRCの音圧レベルをb(dB)とする。
ここで、a>bである場合、音源であるスピーカボックス3aの位置は、マイク22aとマイク22cの中間点よりもマイク22a側に位置することが特定できる。
この条件において適応フィルタにおける同定結果は、適応フィルタAのFIRフィルタ特性は128タップよりも長いタップ数でピークとなるインパルス特性、適応フィルタBのFIRフィルタ特性は128タップよりも短いタップ数でピークとなるインパルス特性となると推測できるとともに、インパルスのピーク値は適応フィルタAのピーク値のほうが適応フィルタBのピーク値よりも小さくなると推測できる。
具体的に示すと、まず、本離散的信号処理におけるサンプリング周波数を、例えば44100Hzとする。一般に、音速は340m/secであるので、
340000(mm) ÷ 44100(Hz) ≒ 7.7(mm) ・・・ (5)
となり、1離散時間差当たりの距離差は約7.7mmに相当することとなる。
仮に、適応フィルタAの同定結果、つまり適応フィルタAのFIRフィルタのフィルタ係数のピークが145タップに位置したインパルス特性であり、適応フィルタBの同定結果、つまり適応フィルタBのFIRフィルタのフィルタ係数のピークが111タップに位置したインパルス特性となったと仮定する。これは、128タップを基準遅延とした場合の相対遅延時間であり、採音信号間の位相差が17タップの遅延分に相当することを示している。そこで、17タップ分の時間遅延を距離で表すと、
7.7(mm) × 17(taps) = 130.9(mm) ・・・・・ (6)
となり、音源となるスピーカボックス3aとマイク22a並びにマイク22c間の距離の差分difが130.9(mm)であると特定できる。
次に、マイク22a並びにマイク22cにて採音した信号RA、RCの音圧レベルの相対関係に着目する。公知の関係として、ある信号源を距離r1、r2で測定した場合、r1を基準とした距離に相対する音圧レベルの減衰量は、
減衰量(dB)= 20 log ( r1 / r2 ) ・・・・・ (7)
として求めることが可能である。
そこで、前述の推測情報をもとに(7)式に測定情報を代入する。具体的には、マイク22aが採音したRAの音圧レベルをa(dB)、マイク22cが採音したRCの音圧レベルをb(dB)、スピーカボックス3aとマイク22aとの距離をr、スピーカボックス3aとマイク22cの距離をlとしており、a>bからr<lは明白で、且つdifが130.9(mm)であるので、(7)式は具体的には
( a−b ) = 20 log ( r / l ) ・・・・・ (8)
となる。
そして、さらに右辺は、
20 log ( r / l ) = 20 log { r / ( r + dif ) } ・・・・・ (9)
とすることができる。
そこで、(8)式と(9)式とから、
r / ( r−dif ) = 10 ^ {(a-b)/20} ・・・・・ (10)
となる。
ここで、10 ^ {(a-b)/20}を定数Cとした場合、(10)式は
r = ( dif x C ) / ( C - 1 ) ・・・・・ (11)
となる。
また、同様に、lは、
l =r−dif = ( dif x C ) / ( C - 1 ) −dif・・ (12)
となる。
すなわち、RAとRCの音圧レベルの相対比と、距離rと距離lとの距離差(dif)がわかれば、距離rと距離lの距離を算出することができる。
また、RAの音圧レベルとRCの音圧レベルとを比較することで、いずれのFIRフィルタ特性が128タップよりも長いタップ数でピークとなるインパルス特性を有するか、或いは128タップよりも短いタップ数でピークとなるインパルス特性を有するかを推定できるようになり、このようにどちら側にインパルス特性を有するかを推定することは、分析誤差を小さくすることから好ましいが、これらRAの音圧レベルとRCの音圧レベルとの大きさの比較を、リアルタイムに容易に特定できるようにするために2つの適応フィルタA、Bによって同定して求めたfiltered信号に着目する。この信号は対象信号と遅延基準信号の相関の高い信号となっている。換言すれば、両信号において相関性の低い成分は除外されることとなる。この2つの信号を比較することによって相対比が同定できればよいこととなる。
そこで、具体的には、本実施例のように、適応フィルタAの出力信号を適応フィルタCの基準信号、適応フィルタAの出力信号を適応フィルタDの対象信号とするとともに、適応フィルタBの出力信号を適応フィルタDの基準信号、適応フィルタBの出力信号を適応フィルタCの対象信号とする。尚、適応フィルタCと適応フィルタDのFIRフィルタのタップ長を256タップ、Delayの遅延量を128タップとする。
以上の条件下において適応信号処理を行うことで、適応フィルタAの出力信号と適応フィルタBの出力信号の相関関係を求める。具体的に、前述にて仮定した条件では、適応フィルタCのFIRフィルタのタップ長として17タップの2倍となる34タップの遅延時間において、音圧レベルがb/a(dB)の信号が出力信号として検出される一方、適応フィルタDでは、対象信号が基準信号よりも位相が早く入力される状態となるため適応フィルタDは収束せず、結果として、発散信号が出力信号として検出される。
すなわち、適応フィルタCが収束し他方(適応フィルタD)が発散した場合、音源であるスピーカボックス3aはマイク22a側に存在し、適応フィルタCが発散して他方(適応フィルタD)が収束した場合、音源であるスピーカボックス3aはマイク22c側に存在し、両者がそれぞれ収束した場合、スピーカボックス3aはマイク22aとマイク22cの中間地点に位置することがわかる。
なお、このように、両者がそれぞれ収束した場合であるスピーカボックス3aはマイク22aとマイク22cの中間地点に位置することが判明した場合には、マイク22aとマイク22cとスピーカボックス3aとの距離が等しく、よって距離rと距離lとの距離差(dif)が0となってしまうか、或いは非常に小さな値となるので、対象とするマイクをマイク22aとマイク22cから、マイク22aとマイク22b、或いはマイク22cとマイク22bに変更して、同様の処理を実施して各マイクから音源であるスピーカボックス3aとの距離を特定することで、正確にスピーカボックス3aと各マイクとの距離を特定できるようになる。
このようにして、各マイク22a,22bとスピーカボックス3aとの距離rと距離lとを特定することにより、この距離rと距離lとの平均から、リモコン2とスピーカボックス3aとの距離aが特定できるとともに、該スピーカボックス3aのリモコン2に対する幾何学的な配置位置を、図5に示すように、マイク22aを中心に半径rの円で、マイク22cを中心に半径lの円で、マイク22aとマイク22c間の距離をdとしたときの2円の交点を求めることで特定することができる。
次に、実際に本実施例の音場再生装置において音場設定を実施する流れについて以下に説明する。
まず、聴取者は、自身が聴取したい位置においてリモコン2に設けられている設定キーを操作する。この際、各マイク22a,22b,22cが設けられているリモコン2をできるだけ自身の耳に近い位置において設定キーを操作することで、より理想に近い音場設定を実施することができる。
この操作に応じて制御マイコン25は、IR送信部26を介して音場再生本体装置1に対し、制御情報として音場設定要求を送信するとともに、後述するデジタル録音を開始したことを報知する報知音をサウンダ20から出力する。
この音場設定要求の受信に応じて本体マイコン(MPU)11は、DSP15に対して設定用信号発生指示を出力することで、DSP15により各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eに対応する各チャンネル毎に、異なる周波数を中心として帯域制限した設定用信号音を生成して割り当て、該生成した設定用信号音を音量音質調整部(VOLUME)17並びにアンプ(AMP)を通じて、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから同時に出力させる。
具体的に、これら設定用信号音としては、本実施例では、スピーカボックス3aに1000Hz,スピーカボックス3bに1500Hz,スピーカボックス3cに2000Hz,スピーカボックス3dに2500Hz,スピーカボックス3eに3000Hzの各周波数を中心として帯域制限を施した白色雑音の音を割り当て、これらの音を適応フィルタが十分に収束できる期間、例えば本実施例では約3秒間、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから出力させる。
このようにして、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから出力される各周波数にて帯域制限された設定用信号音は、リモコン2に設けられている3つのマイク22a,22b,22cにて採音されてADC29に入力される。
このADC29は、これら3つのマイク22a,22b,22cから入力されてきた設定用信号音を、所定のサンプリング周波数(本実施例では、前述の説明で例示した44100Hz)にて個々にA/D変換してデジタル信号データとし、制御マイコン25は、これら各マイク22a,22b,22cの設定用信号音のデジタル信号データを、設定キー操作があった時点から所定時間となる約3秒間においてフラッシュメモリ24に格納する。つまり、各マイク22a,22b,22cにて採音した各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから出力される各周波数の設定用信号音をフラッシュメモリ24に一次的にデジタル録音し、該3秒間が経過した時点において、制御マイコン25は、デジタル録音処理が終了したことを所定の報知音をサウンダ20から出力して報知するとともに、処理中を示す態様のことなる報知音、例えば断続的な「ピ・ピ・ピ」の報知音を継続して出力することで処理中であることを聴取者に対して報知する。
そして、制御マイコン25は、フラッシュメモリ24にデジタル録音した各マイク22a,22b,22cにて採音した設定用信号音のデジタル信号データをDSP28に提供して該DSP28において各マイク22a,22b,22cからの距離を、前述したようにして特定させる。
具体的に、DSP28においては、これら提供されたデジタル信号データの内、特定の周波数に帯域制限された設定用信号音を抽出する帯域フィルタ処理を実施することで、特定対象とする個々スピーカボックスの周波数の設定用信号音を、所定周波数毎に抽出する。つまり、提供された各マイク22a,22b,22cのデジタル信号データから、初めに1000Hzにて帯域制限された音を抽出して、該抽出した1000Hzにて帯域制限された設定用信号音のデジタル信号データを適応フィルタA並びに適応フィルタBに対象信号と基準信号として提供する。尚、この際、適応フィルタに提供するマイクの組み合わせとしては、離間している距離が最も大きいマイク22aとマイク22cに組み合わせと、離間している距離が次に大きいマイク22bとマイク22cの組み合わせについて、平行して処理を実施し、適応フィルタCと適応フィルタDの双方が収束する組み合わせがある場合には、当該組み合わせでない他方の組み合わせにおいて特定した距離の差分difを特定可能なタップ数と、音圧比と、マイクの組み合わせを特定可能な情報とを、制御マイコン25に対して出力することで、制御マイコン25において、これら距離の差分difと音圧比に基づいて、当該組み合わせの2つのマイクからの距離が特定される。
そして、制御マイコン25は、これら1000Hzにて帯域制限された設定用信号音のデジタル信号データによる処理後において、再度DSP28に対して、フラッシュメモリ24にデジタル録音した各マイク22a,22b,22cにて採音した設定用信号音のデジタル信号データを提供して、1500Hzにて帯域制限された設定用信号音のデジタル信号データを抽出させて、前述の1000Hzにて帯域制限された設定用信号音の場合と同様の処理を実施させるとともに、該1500Hzにて帯域制限された設定用信号音の処理後に順次2000Hz、2500Hz、3000Hzにて帯域制限された設定用信号音の処理を実施させて、各周波数にて帯域制限された設定用信号音を出力した各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eとマイクとの距離を特定する。
このように、本実施例では、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから異なる周波数にて帯域制限された設定用信号音を同時に出力し、マイク22a,22b,22cにて採音したこれらの出力音を一度、デジタル録音しておいて、該録音した設定用信号音から各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから出力された設定用信号音を、各周波数にて帯域制限された設定用信号音を抽出することで抽出して、個々のスピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから出力された設定用信号音に基づく距離の特定を実施するようにしており、このようにすることは、設定用信号音の採音に要する時間を最小限に抑えることができので、この採音期間中においてリモコン2を保持している聴取者により該リモコン2が移動される危険性を大幅に低減でき、よってリモコン2が採音期間中において移動することによるスピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの幾何学的位置の特定精度が低下してしまうことを回避できるようになる。
つまり、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから順次、所定時間(例えば3秒間)音を出力し、マイク22a,22b,22cにて該出力音を採音してDSP28にて処理していく場合には、全てのスピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eからの音を採音し終わるまでに、所定時間となる3秒間に出力インターバルの秒数(例えば1秒)を加算した時間(例えば4秒)にスピーカボックスの数(チャンネル数)を乗じた時間となる約20秒程度の比較的長い時間を要するようになり、この間、より高精度の設定を行うために、聴取者がリモコン2を耳の近傍位置に保持し続けることは聴取者に大きな負担をかけるばかりか、この間において、リモコン2の保持位置がずれると、スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの幾何学的位置の特定精度も低下してしまうことになるので、これらを回避するために、本実施例では、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから異なる周波数にて帯域制限された設定用信号音を同時に出力し、その音をデジタル録音しておくことで、これら採音期間を最小限としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、リモコン2を聴取者が着席している椅子等の自身の近傍位置に載置することができる場合であれば、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから順次、個別に音(所定周波数にて帯域制限された設定用信号音でなく例えば、帯域制限されていない白色雑音や再生中の音でも良い)を出力し、マイク22a,22b,22cにて採音して、デジタル録音することなく、該採音した音をDSP28にて処理するようにしても良い。
尚、このように、順次、スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから音を出力して採音する場合には、スピーカボックス3aからスピーカボックス3eまで、順次採音して距離特定を実施するとともに、最後に再度スピーカボックス3aからの音を採音して、最初に特定したスピーカボックス3aとの距離aと、最後に特定したスピーカボックス3aとの距離aとを比較し、双方の距離aに違いがないことを確認し、違いがあるときはエラーを報知して、再度、設定処理を実行するようにしても良い。
このようにして制御マイコン25は、マイク22aとマイク22cからの各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの距離を、DSP28から出力されてくる距離の差分difと音圧比とマイクの離間距離に基づいて、前述した式(11)と式(12)とから特定する。
尚、DSP28から出力されてきたマイクの組み合わせがマイク22aとマイク22c以外の組み合わせ、つまり、マイク22bとマイク22cの組み合わせである場合には、マイク22bからの距離を特定した後、マイクaとマイク22bとマイク22cの離間距離と配置角度(本実施例では90度で直角)から、三角関数による補正によりマイク22bからの距離をマイク22aからの距離に修正して、全てのスピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eのマイク22aとマイク22cからの距離を特定する。
そして、制御マイコン25は、これら特定したマイク22aとマイク22cからの各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの特定距離データを、再生音の各種補正値を特定可能な補正値特定情報としてIR送信部26を介して音場再生本体装置1に対して送信するとともに、該送信に基づいて継続的にサウンダ20から出力していた「ピ・ピ・ピ」の報知音の出力を、例えば、比較的長い「ピー」の連続音を出力して、リモコン2における処理が終了したことを報知する。
この特定距離データを受信した音場再生本体装置1の本体マイコン11は、該受信した特定距離データを内蔵している図示しないEEPROMに更新記憶するとともに、表示部13に設定処理中であることを示す表示を表示するとともに、設定の処理中であることを示す報知音を、スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから出力して、設定処理が本体側にて実施中であることを聴取者に報知する。
そして、本体マイコン11は、該更新記憶した特定距離データと、マイク22aとマイク22cとの離間距離dとから、図5に示すように、各マイク22aとマイク22cからの特定距離の円弧が交わる位置を特定することで、図6(a)に示すように、リモコン2(聴取者)に対する各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの幾何学的な配置位置を特定する。
そして、これら幾何学的な配置位置を特定した各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eと聴取者(リモコン2)との距離、具体的には、2つのマイク22aとマイク22cとの特定距離の平均の距離が最も長く、よって出力音が最も遅く聴取者に到達するスピーカボックス、具体的に本実施例においてはスピーカボックス3dの距離dを特定し、当該スピーカボックス3d以外のスピーカボックス3a,3b,3c,3eの各距離a,b,c,eと該距離dとの差をそれぞれ算出し、該算出した各距離差(距離d−距離a、距離d−距離b、距離d−距離c、距離d−距離e)と音速とに基づいて、各スピーカボックス3a,3b,3c,3eから出力する各チャンネルの再生音の遅延時間補正値を特定するとともに、各距離a,b,c,eと該距離dとの比率と式(7)に示す減衰の関係式とに基づいて、距離の短いスピーカボックスからの出力音圧を下げる一方、スピーカボックスdのように距離の大きいスピーカボックスからの出力音圧を上げるように、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから出力する各チャンネルの再生音の音圧補正値を算出して、内蔵している図示しないEEPROMに記憶されている各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eが対応するチャンネルの各補正値を更新する。
すなわち、このようにして算出された遅延時間補正値並びに音圧補正値により、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eが対応するチャンネルの再生音を補正することで、図6(b)に示すように、全てのスピーカボックス3a’,3b’,3c’,3d,3e’と聴取者(リモコン2)との仮想距離(遅延時間的には距離dに相当)が同じとなるように音場が設定される。
そして、本体マイコン11は、さらに、図6(b)に示すように同一仮想距離に補正した各スピーカボックス3a’,3b’,3c’,3d,3e’の幾何学的な仮想配置位置に基づいて、各スピーカボックス3a’,3b’,3c’,3d,3e’が聴取者(リモコン2)の存在位置に関して対称的な配置状態となっているかを判定し、対称的な配置状態でない場合には、対称的な配置状態とするために仮想距離の同心円上を移動させる移動対象のスピーカボックス、例えば本実施例であればスピーカボックス3a’,3b’,3c’を特定する。
そして、これらスピーカボックス3a’,3b’,3c’を、図6(c)に示すような対称的な配置状態とするために仮想距離の同心円上を移動させるための相対比率補正値を特定する。具体的には、これら仮想距離の同心円上を移動させる手法としては、パノラミック・ポテンショメーター(パンポット)技術を使用して行う。このパンポット技術は、2つの音源で生成されたステレオ空間において、単一音源をステレオ空間のどこにでも任意に定位させることができる技術であり、このパンポット技術を用い、例えば、2つのステレオ配置されたスピーカによって中心となるセンター信号を再生する技術はファントム再生と呼称されている。
このパンポット技術は、例えば2つの音源となる左スピーカからのL信号をSignal*cosθ、右スピーカからのR信号をSignal*sinθと定義した場合、このθの値を0°から90°までの値で制御することによって、音像の定位位置を制御することが可能である。
例えば、θ=0°の場合、L=Signal,R=0となり、左スピーカのみの再生となる。また、θ=90°の場合、L=0、R=Signalとなり、右スピーカのみの再生となる。また、θ=45°とした場合、L=R=0.707*Signalとなり、センター部に音像を定位させることができる。従って、隣接するスピーカから出力される音の音圧、すなわち振幅を、これらθの値によって補正することで、音像の仮想位置を制御することができる。
具体的に、図6(b)においては、前述したように、音源となるスピーカボックス3a’,3b’,3c’が対称的な配置状態となっていないので、その仮想位置を移動させる必要があり、これらの内、例えばスピーカボックス3a’の仮想位置(音像位置)は、スピーカボックス3e’の仮想位置(音像位置)に対して、聴取者の後ろ側にゆき過ぎているので、補正後のスピーカボックス3a’の仮想音源と、当該スピーカボックス3a’に隣接するスピーカであるスピーカボックス3b’の仮想音源を用いて、スピーカボックス3a’の仮想位置(音像位置)がスピーカボックス3e’と対称となる対象仮想位置(音像位置)であるスピーカボックス3a”の位置となるように前述のパンポット制御を行う。
このパンポット制御を行うための相対比率補正値を特定する具体的な処理内容を、スピーカボックス3a’をスピーカボックス3a”に補正する場合を例に以下に説明すると、補正後の仮想位置(音像位置)であるスピーカボックス3a”の位置を挟むことになるスピーカボックス3a’(実際にはスピーカボックス3a)とスピーカボックス3b’(実際にはスピーカボックス3b)2つのスピーカを用いてパンポット再生を行う。同様に、スピーカボックス3b’の仮想位置(音像位置)をスピーカボックス3b”に補正する場合にも、スピーカボックス3a’(実際にはスピーカボックス3a)とスピーカボックス3b’(実際にはスピーカボックス3b)の2つのスピーカを用いてパンポット再生を行い、スピーカボックス3c’の仮想位置(音像位置)をスピーカボックス3c”に補正する場合には、スピーカボックス3c’(実際にはスピーカボックス3c)とスピーカボックス3dの2つのスピーカを用いてパンポット再生を行って仮想位置(音像位置)を移動させる。
これらパンポット再生を行う場合の各スピーカボックスからの再生信号の補正は、前述したパンポット技術における原理説明にあるように、例えばスピーカボックス3a”の位置への補正を実施する場合には、再生用出力信号をSIGとし、スピーカボックス3a’からの補正出力音をSIGxcosθとし、スピーカボックス3b’からの補正出力音をSIGxsinθとするとともに、聴取者を中心としてスピーカボックス3a’とスピーカボックス3b’とが成す角度をL、聴取者を中心としてスピーカボックス3a’と補正後のスピーカボックス3a”とが成す角度をL’を特定し、これら特定した角度Lを90度として換算したL’の値であるθを、L:90=L’:θの関係式から算出し、このθの値に基づくcosθをスピーカボックス3a’から出力される出力音の相対比率補正値として特定するとともに、このθの値に基づくsinθをスピーカボックス3b’から出力される出力音の相対比率補正値として特定し、それぞれ、該当するスピーカボックス3aとスピーカボックス3bとから出力する音を補正する相対比率補正値として内蔵している図示しないEEPROMに記憶されているスピーカボックス3a,3bが対応するチャンネルの相対比率補正値として更新記憶する。
そして、これら相対比率補正値に基づいて、各スピーカボックス3a’,3b’から出力される出力音、つまり、遅延並びに音圧補正がなされた再生用出力信号をSIGとし、該SIGに各相対比率補正値を乗算して補正する、つまり、スピーカボックス3a’からの出力音をSIGxcosθとし、スピーカボックス3b’からの出力音をSIGxsinθとすることで、スピーカボックス3a’の仮想位置をスピーカボックス3a”の仮想位置に移動させることができる。
そして、これらの相対比率補正値の特定を、対象仮想位置への移動対象として特定したスピーカボックス3b’,3c’について、それぞれ実施する。尚同一のスピーカボックスに該に他の隣接するスピーカボックスとの間における相対比率補正値が設定されている場合には、該相対比率補正値に新たな相対比率補正値を乗じて相対比率補正値を更新する。
そして、これらEEPROMに記憶されている相対比率補正値を更に前記音圧補正値に乗じて補正し、これら相対比率補正値にて補正された音圧補正値により各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eからの出力音(再生用出力信号)を補正することで、隣接するスピーカボックスから成るファントム再生の効果により、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの配置状態が、図6(c)に示すように仮想的に対称的な配置状態となるように音場が設定される。
このようにして、本体マイコン11に内蔵されているEEPROMに記憶されて設定された各チャンネルの各補正値は、当該設定の後、或いは音場再生本体装置1が起動する毎に読み出されてDSP15に出力されることで、該DSP15における補正機能により、各チャンネルの再生音の遅延調整や音圧調整による補正が実施された後、該補正された再生音が各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから出力されることで、聴取者は、理想的な音場による立体音響を聴取することができるようになる。
以上、本実施例によれば、リモコンに少なくとも2つのマイクと、スピーカの各マイクからの距離を特定する距離特定手段とを備えることで、スピーカがいくつであっても、各スピーカと各マイクとの距離を共通して、高い精度にて絶対値的なデータとして特定できるようになるとともに、これら特定したスピーカの各マイクからの距離データ等の補正値を特定可能な補正値特定情報を、ごく短い時間において音場再生機器に送信するのみであるので、これら送信手段を動作させるための電力消費を非常に少ないものにでき、よって、リモコンの機器構成が複雑化するとともに消費電力が大きくなることや、スピーカの数に応じたリモコンとすることを回避しつつ、より、高い精度での補正を実施することができる。
また、本実施例によれば、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの幾何学的位置を特定し、これら特定した各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの幾何学的位置が対称状態でないときに、これら各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの仮想位置がほぼ対称状態となるように隣接するスピーカボックスから出力される再生音の音圧の相対比率を補正するための相対比率補正値を特定可能な補正値特定情報(本実施例では特定距離データ)を音場再生機器1に送信し、該音場再生機器1において補正値特定情報から特定される相対比率補正値により隣接するスピーカから出力される再生音の音圧の相対比率を補正することにより、さらに高品質な音場を簡便に提供することができる。
また、本実施例によれば、適応フィルタを用いることでスピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの各マイク22a〜22cからの距離特定を簡便な構成にて高精度に特定できるばかりか、これらの適応フィルタをプログラムにて形成することにより、これらプログラムを実行するためのデバイスであるDSP28をリモコン2に搭載することで、距離特定手段を限られた大きさのリモコンに容易に付与することができる。
また、本実施例によれば、適応フィルタC,Dを用いることで、スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eが各適応フィルタA,Bに接続されている2つのマイクのどちらに近い側に存在するのかを正確かつ確実に特定することができるので、距離特定手段における距離特定の処理負荷を低減することができる。
また、本実施例によれば、通常においてリモコンや音場再生機器1に搭載されている赤外線非接触通信手段を送信手段並びに受信手段として使用することで、これら送信手段並びに受信手段を個別に設ける必要がなく、リモコンや音場再生機器のコスト上昇を抑えることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施例では、音場再生本体装置1側において、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの幾何学的な配置位置を特定して、各種の補正値を算出するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの幾何学的な配置位置を特定処理や、各種の補正値を算出する処理を、リモコン2側にて実施し、算出した各種の補正値のデータ自体を音場再生本体装置1側に送信するようにしても良い。
また、前記実施例では、リモコン2に3つのマイク22a,22b,22cを設けて、適宜な2つのマイクの組み合わせを選出することで、より正確に各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの幾何学的な配置位置を特定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらリモコン2に設けるマイクの数は、例えば、音源となるスピーカボックスの数が2つのように、比較的少ない場合等においては、これらリモコン2に2つのマイク、例えば、対角線上に配置されたマイク22a,22cのみを設けて、各スピーカボックスの幾何学的な配置位置を特定するようにしても良い。
また、前記実施例では、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eの幾何学的な配置位置がほぼ対称状態となるように、各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eから出力される出力音を信号処理手段となるDSP15にて補正しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら幾何学的な配置位置を対称状態とする補正、すなわち、図6(b)までの補正のみを実施して、図6(c)に示す補正を実施しないようにしても良い。
また、前記実施例では、3つのマイク22a,22b,22cの内、適宜な2つのマイクの組み合わせを選出し、これら選出したマイクにて採音した音(再生音)を適応フィルタに入力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら3つのマイクを設ける場合には、図7に示すように、1つのマイク、例えばマイク22bにて採音した音(再生音)を、2つの適応フィルタの基準信号とし、マイク22a,22cにて採音した音(再生音)を各適応フィルタの対象信号として入力し、各フィルタにて特定される各マイク22a,22cとマイク22bとのdifの値と、各3つのマイク22a,22b,22cの配置位置と各スピーカボックスa,b,c,d,eとが成す三角形の三角関数とから、各マイク22a,22b,22cと各スピーカボックス3a,3b,3c,3d,3eとの距離を特定するようにしても良い。
本発明の実施例における音場再生装置の全体像を示す平面配置図である。 本発明の実施例に用いたリモコン2を示す外観斜視図である。 本発明の実施例における音場再生装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例におけるDSP28にて形成されるフィルタの構成並びに適応フィルタのモデルを示す説明図である。 本発明の実施例における各マイクから音源であるスピーカボックスの配置位置を特定する方法を示す図である。 本発明の実施例における各補正値による各スピーカボックスの仮想配置状況を示す図である。 その他のフィルタの構成例を示す説明図である。
符号の説明
1 音場再生本体装置
2 リモコン
7 アンプユニット
10 受信部
11 本体マイコン
12 本体操作部
13 表示部
14 装置
20 サウンダ
22a マイク
22b マイク
22c マイク
24 フラッシュメモリ
25 制御マイコン
26 送信部
27 操作部
30 遅延処理部
31 FIRフィルタ

Claims (10)

  1. 複数のスピーカと、該複数のスピーカから出力される各再生音の再生音信号を個別に処理する信号処理手段を有する音場再生機器と、該音場再生機器をリモコン制御するリモコンを備えた音場再生装置であって、
    前記リモコンは、所定間隔に離間して配置され、前記各スピーカから発せられた音を入力するための少なくとも2つのマイクと、同一の前記スピーカから出力されて各マイクから入力する入力音の入力時間並びに入力音圧の変化に基づいて、当該スピーカの各マイクからの距離を特定する距離特定手段と、該距離特定手段に特定した各スピーカの各マイクからの距離に基づいて、各スピーカとリモコンとの仮想距離がほぼ等しくなるように各スピーカから出力される再生音の出力時間と音圧とを補正するための補正値を特定可能な補正値特定情報を前記音場再生機器に送信する送信手段と、を備え、
    前記音場再生機器は、前記送信手段から送信される補正値特定情報を受信する受信手段と、該受信手段にて受信した補正値特定情報から特定される補正値に基づいて前記各スピーカに供給される再生音信号が前記信号処理手段により補正されるように制御する制御手段とを備えることを特徴とする音場再生装置。
  2. 前記距離特定手段に特定したスピーカの各マイクからの距離に基づいて、リモコンに対する各スピーカの幾何学的位置を特定する位置特定手段を有し、
    前記送信手段は、各スピーカの仮想位置がほぼ対称状態となるように、隣接するスピーカから出力される再生音の音圧の相対比率を補正するための相対比率補正値をさらに特定可能な補正値特定情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の音場再生装置。
  3. 前記距離特定手段が、前記2つのマイクからの入力音が入力される適応フィルタを有し、該適応フィルタは、入力される一方の入力音を遅延させる遅延処理部とFIRフィルタとFIRフィルタの係数更新部とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の音場再生装置。
  4. 前記距離特定手段は、前記2つの適応フィルタから出力される各信号が入力されるさらに2つの適応フィルタを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の音場再生装置。
  5. 前記送信手段並びに前記受信手段は、前記音場再生機器をリモコン制御するための制御情報を送信並びに受信する赤外線非接触通信手段にて形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の音場再生装置。
  6. 複数のスピーカとから出力される各再生音の再生音信号を個別に処理する信号処理手段を有する音場再生機器をリモコン制御する音場再生装置用リモコンであって、
    所定間隔に離間して配置され、前記各スピーカから発せられた音を入力するための少なくとも2つのマイクと、
    同一の前記スピーカから出力されて各マイクから入力する入力音の入力時間並びに入力音圧の変化に基づいて、当該スピーカの各マイクからの距離を特定する距離特定手段と、
    前記距離特定手段に特定した各スピーカの各マイクからの距離に基づいて、各スピーカとリモコンとの仮想距離がほぼ等しくなるように各スピーカから出力される再生音の出力時間と音圧とを、前記信号処理手段において補正するための補正値を特定可能な補正値特定情報を前記音場再生機器に送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とする音場再生装置用リモコン。
  7. 前記距離特定手段に特定したスピーカの各マイクからの距離に基づいて、リモコンに対する各スピーカの幾何学的位置を特定する位置特定手段を有し、
    前記送信手段は、各スピーカの仮想位置がほぼ対称状態となるように、隣接するスピーカから出力される再生音の音圧の相対比率を補正するための相対比率補正値をさらに特定可能な補正値特定情報を送信することを特徴とする請求項6に記載の音場再生装置用リモコン。
  8. 前記距離特定手段が、前記2つのマイクからの入力音が入力される適応フィルタを有し、該適応フィルタは、入力される一方の入力音を遅延させる遅延処理部とFIRフィルタとFIRフィルタの係数更新部とを含むことを特徴とする請求項6または7に記載の音場再生装置用リモコン。
  9. 前記距離特定手段は、前記2つの適応フィルタから出力される各信号が入力されるさらに2つの適応フィルタを有することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の音場再生装置用リモコン。
  10. 前記送信手段は、前記音場再生機器をリモコン制御するための制御情報を送信する赤外線非接触通信手段にて形成されていることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の音場再生装置用リモコン。
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