JPH062274A - 炭素繊維束 - Google Patents

炭素繊維束

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JPH062274A
JPH062274A JP16094092A JP16094092A JPH062274A JP H062274 A JPH062274 A JP H062274A JP 16094092 A JP16094092 A JP 16094092A JP 16094092 A JP16094092 A JP 16094092A JP H062274 A JPH062274 A JP H062274A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ガラス転移温度150℃以上の熱可塑性樹脂と
室温において液状の樹脂からなるサイジング剤が付与さ
れてなることを特徴とする炭素繊維束。 【効果】特に耐熱性樹脂をマトリックス樹脂とする複合
材料において、加工性と複合材料物性の優れたものを得
ることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維束、特に耐熱
性に優れた樹脂をマトリックスとする複合材料用に適し
たサイズされた炭素繊維束に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、炭素繊維複合材料は炭素繊維の高
い比強度、比剛性を利用して航空機材料に用いられてい
る。マトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂やフェノ
ール樹脂が用いられているが、航空機の高速化および一
次構造材(主翼、胴体など)への適用に伴い、これらの
材料では耐熱性、耐水性および高温吸水時の衝撃性に問
題があった。上記特性を改良するものとして、近年は耐
熱性に優れた樹脂、例えば、ビスマレイミド系樹脂、ポ
リエーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、
ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド
樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いた材料の開発が進
められている。
【0003】これらの樹脂と炭素繊維からなる複合材料
が優れた物性を発現するためには、炭素繊維にサイズ処
理を施して、マトリックス樹脂と炭素繊維との界面の接
着性を改良し、かつ加工性を改善することが必要であ
る。
【0004】ここでいう加工性とは、炭素繊維に集束性
を付与することで毛羽立ちを防止し、品位や作業性が良
好なこと、炭素繊維とマトリックス樹脂との相溶性が良
好なことなどが主なものである。
【0005】ところで、これまで上記の目的で種々の耐
熱樹脂でサイズされた炭素繊維が検討されてきた。
【0006】例えば、特開昭53−121872号公
報、特開昭58−160323号公報、特開昭60−3
2831号公報、特開昭62−21872号公報等で
は、ケルイミド601やBTレジンなどのビスマレイミ
ド樹脂でサイズする方法を推奨しているが、ビスマレイ
ミド樹脂が熱硬化性であるために、サイズされた炭素繊
維の硬度が大きくなって加工性が著しく損われてしまう
という問題があった。更に、このようなビスマレイミド
系サイジング剤は、200℃以上の温度で長期間にわた
って晒されると、熱分解を引き起こしてしまうので、界
面部分の接着性が低下してしまうという欠点もあった。
【0007】特開昭58−8188号公報、特開昭63
−6675号公報などでは、ポリイミドモノマの溶液を
用いてサイズを行なうことによって、炭素繊維に対して
良好な含浸性を実現している。しかし、生成するポリア
ミック酸やポリイミドの被膜が脆いために、軽微な外力
によって被膜が容易に剥がれ落ちてしまって、繊維の保
護が十分に出来ないために、多量の毛羽が生じてしまう
という欠点があった。特開昭61−75880号公報、
特開平4−91275号公報などでは、熱可塑性樹脂と
してポリアミドイミド“トーロン”(登録商標、アモコ
社製)をサイジング剤として使用しているが、“トーロ
ン”の硬度が大きいために、サイズされた炭素繊維の硬
度も大きくなって加工性が著しく損われてしまうという
欠点があった。
【0008】特開昭62−299580号公報、特開昭
64−40569号公報、などの特許では、熱可塑性樹
脂として“ウルテム”(登録商標、ゼネラルエレクトリ
ック[GE]社製)などの柔軟な構造を有するポリエー
テルイミドをサイジング剤として使用することによって
炭素繊維の硬度を低下させて加工性を改善する方法が述
べられているが、その加工性改善効果は十分ではないと
いう欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、例え
ば、ビスマレイミド系樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、
ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイ
ド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂等のような耐熱性樹脂をマトリックスとする複合材料
において、優れた加工性及び複合材料物性を発現するサ
イズされた炭素繊維束を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため次の構成を有する。すなわち、ガラス転移温
度150℃以上の熱可塑性樹脂と室温において液状の樹
脂からなるサイジング剤が付与されてなることを特徴と
する炭素繊維束である。
【0011】すなわち、本発明の炭素繊維束は、ガラス
転移温度150℃以上の熱可塑性樹脂(以下、A成分)
と室温において液状の樹脂(以下、B成分)とからなる
樹脂混合物をサイジング剤として用いたものである。A
成分の熱可塑性樹脂をサイジング剤として単独で使用し
た場合には、炭素繊維束の毛羽発生を防止する効果およ
び界面の接着性は何れも良好であるが、炭素繊維束の風
合いが硬くなってハンドリング性が不足してしまう。一
方、B成分の液状樹脂を単独で使用した場合には、液状
の樹脂が繊維の表面に付着することになるので、炭素繊
維束の風合いは柔らかくなるが、単繊維間の融着が生じ
るので実用的ではない。また、炭素繊維表面の保護効果
が弱いので、毛羽が発生しやすくなってしまう。つま
り、本発明では、界面の熱安定性が良好であり、かつ毛
羽を防止する効果に優れているA成分と炭素繊維束の風
合いを柔らかくする効果に優れているB成分とをブレン
ドして使用することによって、優れた界面接着性と加工
性とを有する炭素繊維束を提供することに成功したもの
である。
【0012】A成分としては、熱可塑性樹脂を使用する
ものである。熱硬化性樹脂の場合には、樹脂の硬度が高
くなりすぎるためにサイズ後の炭素繊維束の風合いが硬
くなるので好ましくない。この熱可塑性樹脂は、150
℃以上のガラス転移温度を有しているものである。ガラ
ス転移温度が150℃に満たない場合には、界面部分の
耐熱性が不十分となる。
【0013】このような熱可塑性樹脂として好ましく
は、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエ
ーテルケトンなどの耐熱性のエンジニアリングプラスチ
ックを挙げることが出来る。サイズ後の炭素繊維束の風
合いを考慮すると、柔軟なエーテル結合を有するポリエ
ーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケ
トンなどを用いることが特に好ましい。
【0014】かかる熱可塑性樹脂の分子量は、樹脂の力
学物性が低下するのを防ぐ一方、樹脂溶液の粘度が大き
くなりすぎて樹脂の製造が困難になるのを防ぐ観点か
ら、2,000〜100,000さらには3,000〜
70,000とすることが好ましい。
【0015】B成分としては、室温において液状の樹脂
を用いるものである。室温において液状ではなく固体状
ならば、炭素繊維束の風合いを柔らかくすることができ
ない。
【0016】界面の接着性を改善する観点からは、マト
リックス樹脂と反応し得る官能基を有していることが好
ましい。このような好ましい官能基としては、エポキシ
基、アミノ基、アリル基、プロペニル基などを挙げるこ
とが出来る。ビスマレイミドなどの耐熱性樹脂をマトリ
ックス樹脂として使用する場合には、樹脂に対する反応
性をさらに向上させる観点から、アリル基、プロペニル
基などがより効果的であり、特に好ましい。このような
樹脂の具体例としては、o,o′−ジアリル−ビスフェ
ノ−ルA、4,4′−ヒドロキシ−3,3′−アリル−
ジフェニル、ビス−(4−ヒドロキシ−3−アリル−フ
ェニル)−メタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジアリル−フェニル)−プロパン、オイゲノー
ルなどのアルケニルフェノール類、ジアリルエーテル、
アリルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテルなど
のアリルアルコールのエーテル類、アクリル酸アリル、
メタクリル酸アリル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジ
アリル、イソフタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル
などのアリルアルコールのエステル類を挙げることが出
来る。
【0017】本発明に用いるサイジング剤中の固形分に
占めるA成分の比率は、3〜80重量%とするものであ
る。A成分の比率が3重量%よりも小さい場合には、炭
素繊維束に毛羽の発生が多く見られるようになり、ま
た、単繊維間の融着が起る。逆に、A成分の比率が80
重量%よりも大きくなると、炭素繊維束の風合いが硬く
なり、ハンドリング性が低下してしまう。より好ましい
A成分の比率は、5〜70重量%の範囲である。
【0018】本発明に用いるサイジング剤組成物からサ
イジング液を作製する際には、適当な乳化剤等を用いて
水系溶媒中に分散させる方法を挙げることが出来る。ま
た、熱可塑性樹脂を溶解する際に一般的に用いられるジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドンなどの極性非プロトン溶媒に溶解する場合
には、これらの溶媒に溶解する方法を取ることも出来
る。
【0019】本発明に用いるサイジング剤を炭素繊維束
に付着させる手段としては、通常下記の方法が好ましく
用いられる。すなわち、上記のサイジング液中に炭素繊
維束を連続走行させながら浸漬処理を施し、しかる後に
乾燥して溶媒を除去する方法である。
【0020】サイジング剤の付着量としては、炭素繊維
束を構成する炭素繊維が連続繊維であるか短繊維である
かによって、適宜調整すればよいが、一般に繊維重量に
対して、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは
0.2重量%以上である。なお、この付着量が5重量%
を超えると、炭素繊維束が硬くなりすぎて作業性が悪く
なることがある。
【0021】本発明に用いる炭素繊維束としては、公知
の炭素繊維(黒鉛化繊維を含む)の束(ストランド)が
用いられる。具体的には、ピッチ系炭素繊維束、レーヨ
ン系炭素繊維束、アクリロニトリル系炭素繊維束等であ
るが、これらのうち、高強度のものが入手容易なアクリ
ロニトリル系炭素繊維束が特に好ましい。
【0022】また、これらの炭素繊維束は、ストランド
強度485kgf/mm2 以上、ストランド伸度1.6%以上
のものが好ましい。すなわち、航空機の二次構造材料の
みならず、一次構造材料として使用するためには、スト
ランド物性として好ましくは、ストランド強度485kg
f/mm2 以上、ストランド伸度1.6%以上、より好まし
くは、ストランド強度540kgf/mm2 以上、ストランド
伸度1.8%以上のものが求められるからである。
【0023】なお、本発明の炭素繊維束に用いるマトリ
ックス樹脂としては、複合材料の耐熱性を向上させる観
点から、耐熱性樹脂が好ましく、具体的には、ビスマレ
イミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリ
エーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等
が例示できる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、実施例中、捩り硬さ、ストランド物性およ
びコンポジット物性は、次の方法にしたがって測定し
た。 <捩り硬さ>炭素繊維束約15cmを切り取り、荷重2
5gをかけて10回転の捩りを与えた後放置し、初期か
らの捩れ角度を測定する。捩り角度が大きいほど、炭素
繊維束の風合いが硬いことを示す。
【0025】<毛羽の発生数>図1に示す装置を用い
て、炭素繊維ストランドを5つの擦過ピンに接触させつ
つ糸速度3m/分で走行させて毛羽を発生させる。図1
中の円は外径10mmの擦過ピンを表わす。炭素繊維ス
トランドの初期張力は単繊維1本あたり0.0417
g、例えば単繊維12000本のストランドでは500
gとし、最終張力は単繊維1本あたり0.25g、例え
ば単繊維12000本のストランドでは3000gとす
る。擦過ピンに対するストランドの接触角は順に、57
°、113°、113°、113°、57°とし、擦過
ピンの軸の水平間隔は25mmとする。
【0026】最終の擦過ピンを通過したストランドに発
生した毛羽は、ストランドの上部と下部を通過して光電
管に入射する光を遮ることになるので、毛羽カウンター
によって毛羽として検知される。
【0027】<ストランド物性>JIS R 7601
の樹脂含浸ストランド試験方法に準じて、引張強度、引
張弾性率および引張伸度を測定した。なお、樹脂処方は
“ベークライト[BAKELITE]”ERL4221
(登録商標、ユーシーシー[UCC]社製)/三フッ化
ホウ素モノエチルアミン/アセトンの100/3/5重
量部の混合物を用いた。
【0028】<コンポジット物性> [コンポジット試験片の作製]先ず、円周約2.7mの
鋼製ドラムに、炭素繊維束と組み合わせるマトリックス
樹脂をシリコーン塗布ペーパー上にコーティングした樹
脂フィルムを巻き、次に該樹脂フィルム上にクリールか
ら引き出した炭素繊維束をトラバースを介して巻き取
り、配列して、更にその繊維束の上から前記樹脂フィル
ムを再度かぶせて後、加圧ロールで回転加圧して樹脂を
繊維束内に含浸せしめ、幅300mm、長さ2.7mの
一方向プリプレグを作製した。
【0029】この時、繊維束間への樹脂含浸を良くする
ために、ドラムは50〜60℃に加熱した。ドラムの回
転数とトラバースの送り速度とを調整することによっ
て、繊維目付200g/m2 、樹脂量約35重量%のプ
リプレグを作製した。
【0030】このようにして作製したプリプレグを裁
断、積層し、オートクレーブを用いて加熱硬化して、引
張強度測定用として肉厚約1mm、および圧縮層間剪断
強度(以下、CILS)測定用として肉厚約5mmの硬
化板をそれぞれ作製した。
【0031】[引張り強度およびCILSの測定]上記
硬化板は、引張強度試験用として幅12.7mm、長さ
230mmの試験片とし、該試験片の両端に厚さ約1.
2mm、長さ約50mmのガラス繊維強化エポキシ樹脂
(GFRP)製のタブを接着し、必要に応じて、試験片
中央には、弾性率および破壊歪を測定するための歪ゲー
ジを貼りつけ、インストロン社製万能試験機を用いて負
荷速度1mm/分で測定した。
【0032】また、CILS測定用には、図2に示した
とおり、中央部に幅2mm、深さ2.8mmの溝を片面
に1本ずつ6mm間隔ずらして設けた一方向積層板(幅
12.7mm、高さ76mm、厚さ2mm)からなる試
験片を作製し、インストロン社製万能試験機を用いて負
荷速度1.27mm/分で測定した。
【0033】(実施例1)サイズしていない12000
フィラメントからなる高強度中弾性率炭素繊維束“トレ
カ”T800H(登録商標、東レ(株)製、ストランド
強度558kgf/mm2 、ストランド弾性率30.4×10
3 58kgf/mm2 、ストランド伸度1.9%)を用いて、
ポリイミド“Lark−TPI”(三井東圧(株)製)
とo,o′−ジアリル−ビスフェノールAからなる反応
性液状樹脂5292B(チバガイギー社製)とを含有す
る(両成分の重量比率:50/50)ジメチルアセトア
ミドの溶液中に連続的に浸漬処理し、しかる後に180
℃で乾燥し、サイズ付与を行なった。この結果を表1に
示した。毛羽の発生は少なく、また捩り硬さは小さく
て、風合いは良好であった。
【0034】これらの炭素繊維束について、マトリック
ス樹脂として次の組成のマレイミド樹脂を用いてコンポ
ジット試験片を作製し、引張強度(炭素繊維の体積含有
率60%に換算した値、以下、同様)とCILSを評価
し、結果を表1に示した。 <マレイミド樹脂組成> 5292A(チバガイギー社ビスマレイミド樹脂)60部 5292B(チバガイギー社反応性希釈剤) 40部 表1に見られるように、マレイミド樹脂において、高い
引張強度と高いCILSが得られた。
【0035】
【表1】 (実施例2)液状樹脂として、チバガイギー社製の反応
性液状樹脂5292Bに代えて、油化シェルエポキシ
(株)製の液状エポキシ樹脂Ep828を使用した他
は、実施例1と同様の評価を行なった。その結果を表1
に併せて示した。サイズ付与後の炭素繊維束について
は、毛羽の発生は少なく、また捩り硬さは小さくて、風
合いは良好であった。CILSの値は、実施例1のそれ
に比べるとやや低く、界面の接着性は劣っていた。
【0036】(比較例1)液状樹脂を使用せず、ポリイ
ミド“Lark−TPI”を単独で使用した他は、実施
例1と同様にして評価を行なった。その結果を表1に併
せて示した。ストランド物性やコンポジット物性は、実
施例1,2と同等のレベルであった。しかし、サイズ付
与後の炭素繊維束については、毛羽の発生は比較的少な
い一方で、捩り硬さが大きくなり、風合いが著しく劣っ
ていた。
【0037】(比較例2)熱可塑性樹脂を使用せず、反
応性液状樹脂5292Bを単独で使用した他は、実施例
1と同様にして評価を行なった。その結果を表1に併せ
て示した。ストランド物性やコンポジット物性は、実施
例1,2と同等のレベルであった。しかし、サイズ付与
後の炭素繊維束については、捩り硬さは小さく、風合い
は良好であったが、毛羽の発生が多く、作業性が著しく
劣っていた。
【0038】(比較例3)“トレカ”T800Hをサイ
ズすることなく用いた場合には、ストランド物性やコン
ポジット物性は、実施例1,2と同等のレベルであった
が、毛羽の発生が著しく多く作業性は極端に劣ってい
た。
【0039】(比較例4)ビスフェノールA系エポキシ
樹脂でサイズした“トレカ”T800Hを用いた場合に
は、ストランドやコンポジットの引張物性は実施例1,
2と同等のレベルであったが、捩り硬さは高くて硬い風
合いとなり、また、サイジング剤の耐熱性が劣っている
ために界面部分の接着性の指標であるCILSが大きく
低下した。
【0040】
【発明の効果】本発明の炭素繊維束は、これにより特に
耐熱性樹脂をマトリックス樹脂とする複合材料におい
て、加工性と複合材料物性の優れたものを得ることが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭素繊維束の毛羽の発生数測定装置の側面図で
ある。
【図2】CILS測定用の一方向積層板からなる試験片
の平面図である。
【図3】CILS測定用の一方向積層板からなる試験片
の側面図である。
【図4】CILS測定用の一方向積層板からなる試験片
に形成する溝の拡大断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/10 LQJ 9167−4J 79/08 LRB 9285−4J 81/06 LRF 7308−4J D06M 101:40

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス転移温度150℃以上の熱可塑性樹
    脂と室温において液状の樹脂からなるサイジング剤が付
    与されてなることを特徴とする炭素繊維束。
  2. 【請求項2】ガラス転移温度150℃以上の熱可塑性樹
    脂がポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミ
    ド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエ
    ーテルケトンからなる群より選ばれた1種以上の熱可塑
    性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の炭素繊維
    束。
  3. 【請求項3】室温において液状の樹脂がアミノ基、エポ
    キシ基、アリル基およびプロペニル基からなる群より選
    ばれた一種以上の官能基を有することを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の炭素繊維束。
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