JP2002249984A - 補強繊維布帛巻物およびその製造方法ならびに製造装置 - Google Patents

補強繊維布帛巻物およびその製造方法ならびに製造装置

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JP2002249984A
JP2002249984A JP2001047817A JP2001047817A JP2002249984A JP 2002249984 A JP2002249984 A JP 2002249984A JP 2001047817 A JP2001047817 A JP 2001047817A JP 2001047817 A JP2001047817 A JP 2001047817A JP 2002249984 A JP2002249984 A JP 2002249984A
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resin
release sheet
fabric
fiber cloth
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Satoyuki Furukawa
智行 古川
Toru Kawakita
亨 川北
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂による目止めが均質に施され、製造時、
輸送時、保管時、使用時にも糸の乱れや目ずれが起こら
ず、強化材としての使用に最適な補強繊維布帛巻物を提
供する。 【解決手段】 補強繊維から構成され、樹脂の固着によ
り目止めされた補強繊維織物11などの補強繊維布帛
が、離型シート20aを介して巻物状に形成されてた補
強繊維布帛巻物10である。補強繊維からなる縦糸と横
糸とを製織する織機と、製織された補強繊維織物11の
少なくとも下面側に離型シート20aを配する離型シー
ト供給装置と、該離型シート20aを介して前記補強繊
維織物を11熱処理する加熱プレス装置を備えた加熱装
置と、前記離型シート20aとともに前記補強繊維織物
11を巻き取り、巻物状に形成する巻取装置とを有する
装置で製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化プラスチ
ックなどの強化材として優れた機械的特性を発現する補
強繊維布帛の巻物およびその製造方法、製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維や炭素繊維などの補強繊維か
らなる織物、編物、不織布などの布帛は、プラスチック
やコンクリートの強化材として使用されることが多い。
これらの布帛の機械的特性を最大限に引き出すために
は、強化材として使用する際に、布帛を構成する糸の乱
れや目ずれがなく、形状が安定していることが要求され
る。また、コンポジット表面に布帛が使われる場合に
は、目曲がりや目ずれが、意匠性や商品価値を大きく損
なわせる場合もある。そこで、これらの布帛は熱可塑性
樹脂を融着させる方法などで目止めされて形状が安定化
され、使用されることが多い。熱可塑性樹脂の融着が用
いられるのは、目止めされた状態で目的形状になじむ自
由度(ドレープ性)が布帛に求められる場合であるが、
熱硬化性樹脂の硬化または半硬化により目止めを行い、
形状安定化を行う場合もある。この場合は、布帛の自由
度(ドレープ性)を保つ為に、熱硬化性樹脂の付着量や
分布を調整したり、硬化状態を調整して半硬化とするこ
とが多い。これらの布帛のうち特に織物では、縦糸と横
糸との交差部分においてこれらの糸が屈曲しやすく、こ
のことが強化材として使用した場合に機械的特性を十分
に発現できない要因となりやすい。よって、厚みが小さ
く、縦糸および横糸の屈曲が少ない織物が要求されてい
る。しかし、薄型の織物では縦糸および横糸を構成して
いる補強繊維のフィラメント同士が互いに収束し、目開
きが生じやすいため、特に目止めが必要であり、様々な
目止め方法が提案されている。
【0003】熱可塑性樹脂で補強繊維織物を目止めし
て、布帛の形状を安定させる方法としては、例えば、補
強繊維に低融点の熱融着性樹脂をカバリングした後織物
を形成し、ついでこの織物を加熱して樹脂を融着させる
方法がある。また、特開昭64−40632号公報等に
開示されている、補強繊維と熱可塑性樹脂繊維を同時に
製織して織物とし、その後加熱して熱可塑性樹脂を軟
化、溶融後固化させて目止めする方法等がある。また、
本出願人らは特願2000−34179で、補強繊維に
熱可塑性樹脂粒子を付着させてこれを製織し、その後加
熱する方法を提案している。その他に熱硬化性樹脂を用
いた目止め織物の製造方法は、特開平8−158207
号公報の中にも開示されている。そして、熱可塑性樹脂
を使用した方法においては、通常、1対の加熱ロールで
織物を挟み込んで加熱し、熱可塑性樹脂を溶融、軟化す
ることにより行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな加熱ロールを使用して織物を加熱する方法では、加
熱ムラが生じることがあった。例えば、炭素繊維などの
強化繊維を織機で製織する場合、織物は一定の速度で連
続的に繰り出されるのではなく、一定の間隔を持って間
欠的に繰り出される。このように繰り出される織物を加
熱ロールで加熱すると、織物の加熱ロールに挟まれてい
る部分は加熱時間が長くなるが、その他の部分は挟まれ
ている時間が短く加熱が不十分となり、加熱ムラが生じ
てしまう。このような加熱ムラがある織物は、補強繊維
が本来有する機械的特性を十分発現できず、強化材とし
て適さなくなる。更に熱硬化性樹脂を用いた場合、樹脂
の硬化の程度を調整し半硬化状態での固着を実現するこ
とは不可能である。
【0005】このような加熱ムラを低減する方法とし
て、1対ではなく複数の対ロールを連設し、これらで加
熱することにより、できるだけムラを低減させる方法も
考えられる。しかし、このような方法では装置が大型化
するうえ、各対ロールの設置精度の誤差や回転速度の微
妙な差異によって織物に応力が加わり、織物に皺やひず
みを生じさせてしまう場合があった。このような皺やひ
ずみがある織物は、やはり補強繊維が有する機械的特性
を十分発現できないものとなる。また、織物が繰り出さ
れる速度のムラを吸収するために、織機の後ろにダンサ
ーロールを設ける方法などがあるが、ダンサーロールの
動作によって、織物の糸の乱れや目ずれが起こる場合が
あった。
【0006】また、こうして目止めされた補強繊維布帛
は、通常、巻取装置で連続的に巻き取られ、補強繊維布
帛巻物として保管、輸送され、使用される。ところが、
布帛のうち特に織物の場合、巻取工程中において、織物
を形成している横糸には装置から張力が加わらないた
め、たとえ目止めされていても主に横糸が自重で撓み、
目ずれを起こしてしまう場合があった。さらに、巻取工
程中だけでなく、その前の工程や、輸送中の衝撃などで
目ずれを起こす場合や、また、この巻物から補強繊維布
帛を引き出して使用する場合に糸が乱れる場合もあり、
強化材としての使用に適さなくなる場合もあった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、樹脂による目止めが均質に施され、かつ、製造時、
輸送時、保管時、さらには、使用時に巻物から布帛を引
き出す場合にも、使用する糸の乱れや目ずれが起こら
ず、強化材として十分な機械的特性を発現できる補強繊
維布帛巻物を効率的に提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の補強繊維布帛巻
物は、補強繊維から構成され、樹脂の固着により目止め
された補強繊維布帛が、離型シートを介して巻物状に形
成されていることを特徴とする。前記補強繊維を形成し
ているフィラメントの少なくとも一部が、樹脂の固着に
よって互いに部分的に接合され、目止めされていること
が好ましい。本発明の補強繊維布帛の製造方法は、樹脂
が塗布された補強繊維からなる縦糸と横糸とを製織する
製織工程と、製織された補強繊維織物を熱処理する熱処
理工程とを有し、前記熱処理工程は加熱プレス装置で行
うことを特徴とする。本発明の補強繊維布帛巻物の製造
方法は、樹脂が塗布された補強繊維からなる縦糸と横糸
とを製織する製織工程と、製織された補強繊維織物を熱
処理する熱処理工程とを有し、前記熱処理工程は加熱プ
レス装置で行うことを特徴とする。前記樹脂は、樹脂粒
子が液相中に分散した樹脂エマルジョンであることが好
ましい。本発明の補強繊維布帛巻物の製造方法は、樹脂
が塗布された補強繊維からなる縦糸と横糸とを製織する
製織工程と、製織された補強繊維織物の少なくとも下面
側に離型シートを配し、該離型シートを介して前記補強
繊維織物を加熱プレス装置で熱処理する熱処理工程と、
前記離型シートとともに前記補強繊維織物を巻き取り、
巻物状に形成する巻取工程とを有することを特徴とす
る。前記熱処理工程において前記補強繊維織物の両側に
離型シートを配し、かつ、前記巻取工程の前には、前記
補強繊維織物の上面側の離型シートを剥離する剥離工程
を備えていてもよい。また、前記樹脂は、樹脂粒子が液
相中に分散した樹脂エマルジョンであることが好まし
い。
【0009】本発明の補強繊維布帛の製造装置は、樹脂
が塗布された補強繊維からなる縦糸と横糸とを製織する
織機と、製織された補強繊維織物を熱処理する加熱装置
とを有し、前記加熱装置は加熱プレス装置を備えている
ことを特徴とする。前記樹脂は、樹脂が液相中に分散し
た樹脂エマルジョンであることが好ましい。本発明の補
強繊維布帛巻物の製造装置は、樹脂が塗布された補強繊
維からなる縦糸と横糸とを製織する織機と、製織された
補強繊維織物の少なくとも下面側に離型シートを配する
離型シート供給装置と、該離型シートを介して前記補強
繊維織物を熱処理する加熱装置と、前記離型シートとと
もに前記補強繊維織物を巻き取り、巻物状に形成する巻
取装置とを有し、前記加熱装置は加熱プレス装置を備え
ていることを特徴とする。前記離型シート供給装置は、
前記補強繊維織物の下面側に離型シートを配する第1の
離型シート供給装置と、前記補強繊維織物の上面側に離
型シートを配する第2の離型シート供給装置とを備え、
かつ、巻取装置の上流側に、前記補強繊維織物から前記
上面側の離型シートを剥離する剥離装置を備えていても
よい。前記樹脂は、樹脂粒子が液相中に分散した樹脂エ
マルジョンであることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の補強繊維布帛巻物10の一例であり、補
強繊維織物11の一方の側に離型シート20aが配さ
れ、この離型シート20aが内側になるように巻物状に
形成されたものである。この例において補強繊維織物1
1は、図2に示すように、マルチフィラメント糸の補強
繊維が扁平形状に開繊拡幅された縦糸12と横糸13と
が製織されたものであり、樹脂15の固着によって目止
めされている。使用される補強繊維としては、ガラス繊
維、炭素繊維、アルミナ繊維などの無機繊維や、アラミ
ド繊維などの有機繊維が挙げられる。また、補強繊維の
形態もマルチフィラメント糸の他、モノフィラメントも
使用できる。これらは用途に応じて選択できるが、特に
炭素繊維は軽量で比強度および比弾性率に優れ、さら
に、耐熱性、耐薬品性にも優れているため、強化材とし
て好ましい。また、炭素繊維としては、通常、フィラメ
ント数が1,000〜48,000本であるものが使用
される。
【0011】このような補強繊維織物11においては、
縦糸12および横糸13は厚みが0.04〜0.15m
mで、糸幅が3mm以上であることが好ましい。このよ
うな厚みおよび糸幅であると、この補強繊維織物11を
強化材として使用した場合に十分に機械的特性を発現す
るとともに、溶融樹脂を離型紙上に塗工して張り合わせ
るホットメルト法では勿論のこと、樹脂溶液を含浸させ
て溶剤法等でプリプレグを製造する場合などにも目開き
しにくい。また、この補強繊維織物11を樹脂溶液に浸
漬した際の、縦糸12および横糸13の糸幅の変化率
は、20%以下であることが好ましい。変化率が20%
を超えると、この補強繊維織物11に樹脂溶液を含浸さ
せる際の目開きが大きくなり形状がくずれ、強化材とし
ての特性を発揮できない場合がある。また、織物目付け
は250g/m2 以下であることが好ましい。織物目付
を250g/m2 以下とすると軽量で優れた強化材とな
る。さらに、補強繊維織物11の開口率は小さい方が好
ましく、好ましくは5%以下である。開口率の大きな補
強繊維織物11は、縦糸12と横糸13の交差点におけ
る各糸の屈曲度合い、すなわちクリンプが大きいため、
機械的特性を最大限に発揮できず、また、外観も悪いた
め商品価値が劣る。開口率が5%を超えると、補強繊維
布織物11の目開きが多く、この補強繊維織物11を強
化材として使用した場合に、機械的特性が十分に発現し
ない場合がある。ここでいう開口率とは、補強繊維織物
11において、100mm×100mmの単位面積にお
ける、縦糸12または横糸13のいずれもが存在しない
開口部の合計面積の比率である。開口部の面積測定は、
(株)キーエンス製、CV−100等の市販の画像処理
センサーを使用し、下記の計算式により求めることがで
きる。 開口率(%)=開口部の面積の和(mm2)×100/
10000(mm2
【0012】この補強繊維織物11において樹脂15
は、補強繊維織物11に対し、溶融樹脂を離型紙上に塗
工して張り合わせるホットメルト法では勿論のこと、樹
脂溶液を含浸させて溶剤法等でプリプレグを製造する場
合などでも、補強繊維織物11に目開きが生じないよう
に目止めするものであり、アクリル系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポ
リプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などの樹
脂が、1種または2種以上組み合わせて用いられる。こ
の他に、プリプレグに用いる熱硬化性樹脂、例えばエポ
キシ系樹脂やその他の樹脂、またはそれらを組み合わせ
て用いることも可能である。この場合は、補強繊維織物
11の自由度(ドレープ性)を保つ為に、樹脂15の付
着量や分布を適宜調整したり、固着を行う場合に硬化状
態を調整して半硬化状態で固着させる場合がある。樹脂
15の固着による目止め方法には特に制限はなく、樹脂
15で全体が被覆された補強繊維を製織し、ついでこれ
を加熱して目止めする方法などでもよいが、この例にお
いては、縦糸12と横糸13を形成している補強繊維の
各フィラメント14間に樹脂15が部分的に存在してい
て、この樹脂15の融着によってフィラメント14同士
が互いに接合されている。また、この例において樹脂1
5は、補強繊維織物11を構成しているフィラメント1
4にほぼ均一に分散しているが、補強繊維織物11を構
成しているフィラメント14の一部に分散したような形
態であってもよい。例えば、補強繊維織物11の縦糸1
2を構成しているフィラメント14のみ、または横糸1
3を構成しているフィラメント14のみが樹脂15によ
って互いに部分的に接合されていてもよい。また、特定
の部分を構成しているフィラメント14にのみ樹脂15
が分散して固着していて、特定の部分のフィラメント1
4のみが互いに接合されていてもよい。また、樹脂15
は、フィラメント14の間だけでなく、フィラメント1
4の表面に部分的に固着していてもかまわない。樹脂1
5に熱硬化性樹脂を用いた場合は、補強繊維織物11の
自由度(ドレープ性)を保つ為に、固着部分を制限する
場合もあるだけでなく、半硬化状態で固着の程度を適宜
調整する場合がある。補強繊維織物11中の樹脂15の
含有量には特に制限はないが、10重量%以下が好まし
い。含有量が10重量%を超えると、補強繊維織物11
の風合いが硬くなったり、プリプレグを製造する場合の
樹脂溶液含浸性が低下する場合がある。特に樹脂15が
熱可塑性樹脂である場合、より好ましくは5重量%以
下、さらに好ましくは2重量%以下である。一方、樹脂
15として熱硬化性樹脂を用いる場合は、補強繊維織物
11の自由度(ドレープ性)を保つ為に含有量を特に制
限する場合もあり、自由度(ドレープ性)の観点からは
1重量%以下が好ましい。
【0013】本発明の補強繊維布帛巻物10において、
離型シート20aは、補強繊維布帛巻物10の製造時、
輸送時、保管時、さらにはこれの使用に際してこの巻物
から布帛を引き出す際などに、補強繊維の自重や外部か
らの衝撃などによって、補強繊維布帛を構成している補
強繊維が乱れ、目ずれが生じることを防ぐために配され
るものである。この離型シート20aは、補強繊維布帛
の使用時には、容易に剥離できる。離型シート20aと
しては、適度の剛性を有して補強繊維織物11などの補
強繊維布帛の形状を安定に維持でき、かつ、巻物を形成
するのに適した柔軟性をも有するもので、さらに、補強
繊維布帛と過度に密着せず、補強繊維布帛から容易に剥
離できるものが好ましい。また、加熱による伸縮の少な
いものが好ましい。このような離型シート20aとして
は、例えば、坪量60〜100g/m2の紙の両面にシ
リコン樹脂などからなる離型剤が塗布されたもの、厚さ
20〜40μmのポリエチレン又はポリプロピレンフイ
ルムなどが挙げられる。なお図1では、補強繊維布帛と
して、縦糸12と横糸13からなる補強繊維織物11を
例示しているが、布帛の形態は織物に限定されず、編
物、不織布等であってもよい。また、図1で離型シート
20aは、補強繊維織物11の内側になるように巻物状
に形成されているが、外側であってもよいし、さらに
は、補強繊維織物11の両側に配されていてもよい。
【0014】このような補強繊維布帛巻物10は、補強
繊維布帛が離型シート20aを介して巻物状に形成され
たものであるので、この補強繊維布帛の製造時、輸送
時、保管時、さらには補強繊維布帛巻物10から布帛を
引き出す際などにおける、補強繊維の乱れ、目ずれを抑
制することができる。よって、形状を維持したままプラ
スチックやコンクリートの強化材として使用でき、補強
繊維の有する機械的特性を最大限に発現できる。また、
このように離型シート20aによって補強繊維の乱れ、
目ずれを抑制できるため、目止めに使用する樹脂15の
使用量が少なくても、補強繊維布帛の形状を維持でき、
図示例のように、フィラメント14同士が互いに部分的
にのみ接合された形態の補強繊維織物11であっても、
十分に形状を安定化できる。また、離型シート20aを
介在させることによって樹脂15の使用量を少なくでき
るため、樹脂15の使用量の増加による補強繊維布帛の
表面特性、風合い、自由度(ドレープ性)の低下等をも
防ぐことができる。これは、熱硬化性樹脂の硬化または
半硬化により目止めを行う場合に特に有効である。さら
には、糸幅が比較的広く、かつ厚みの小さい薄型の補強
繊維織物11であっても、十分にその形状を安定に維持
することができる。
【0015】図1に示す補強繊維布帛巻物10を製造す
るためには、まず、縦糸12および横糸13に使用され
る補強繊維に、樹脂15の粒子が液相中に分散した樹脂
エマルジョンを塗布、乾燥する。また、補強繊維には開
繊拡幅処理を行うことが好ましい。樹脂エマルジョンと
しては、補強繊維を構成しているフィラメント14の直
径よりも小さな粒径、好ましくは9μm以下の粒径の樹
脂15の粒子が、5〜70重量%、好ましくは20〜5
0重量%の範囲で液相中に分散しているものが好まし
い。また、樹脂エマルジョンとしては、樹脂15の重合
時に乳化したものが粒径のコントロールが容易であるた
め好ましいが、重合後に乳化したものでもよい。また、
溶媒としては水が好ましいが、エマルジョンの安定性を
高めるために、アルコール類、アセトン類などの有機溶
媒が添加されていてもよい。
【0016】樹脂エマルジョンの補強繊維への塗布と、
補強繊維の開繊拡幅処理の方法には特に制限はないが、
補強繊維への樹脂エマルジョンの塗布と、補強繊維の開
繊拡幅処理を連続的に行うと効率的である。樹脂エマル
ジョンの塗布法としては、浸漬法、ロールタッチ法、ロ
ールコート法、スプレー法(加圧霧化、遠心霧化)等が
例示できるが、特に塗布ローラを具備した装置を使用し
て、ロールタッチ法やロールコート法でエマルジョンを
塗布することが好ましい。塗布ローラを使用すると、塗
布ローラの幅や回転数、補強繊維の塗布ローラーへの接
触長さ等の塗布条件を変化させたり、さらには、塗布ロ
ーラに、このローラへの樹脂エマルジョンの付着量を調
節するためのナイフを設けることによって、補強繊維へ
の樹脂エマルジョンの塗布量を容易に調整でき、かつ、
補強繊維に均一に塗布することができる。また、樹脂の
特性に合わせた温度制御・管理を行うことも連続均一塗
布には有効である。また、一旦塗布された樹脂エマルジ
ョンを拭き取るための拭き取り治具を、塗布ローラに次
いで設けて、補強繊維上の所望の部分のみに樹脂15の
粒子が付着した状態にしてもよい。
【0017】また、開繊拡幅装置としては、例えば、特
開平11−172562号に開示されている空気開繊
法、振動バーを利用する方法、ロール開繊法、超音波開
繊法等で補強繊維を開繊する装置が挙げられる。なお、
樹脂エマルジョンの塗布と、開繊拡幅処理はどちらを先
に行ってもよい。樹脂エマルジョンを塗布した後に開繊
拡幅処理を行うと、得られる補強繊維織物11は柔らか
い風合いが維持されたものとなり、開繊拡幅処理後に樹
脂エマルジョンを塗布すると、扁平形状に開繊拡幅され
た補強繊維の糸幅がより安定に固定され、得られる補強
繊維織物11は、より形状が安定なものとなる。以上の
ようにして、樹脂エマルジョンが塗布され、開繊拡幅処
理された補強繊維は、薄型の扁平形状となるとともに、
補強繊維を構成する少なくとも一部のフィラメント14
に樹脂15の粒子が点接された状態となる。このような
補強繊維は巻き回されてロール状に形成される。
【0018】次に、ロール状に形成されたこの補強繊維
から、図3に示す補強繊維布帛巻物10の製造装置を用
いて、補強繊維布帛巻物10を製造する方法を説明す
る。この補強繊維布帛巻物10の製造装置は、樹脂エマ
ルジョンが塗布、乾燥され、開繊拡幅処理された補強繊
維からなる縦糸12と横糸13とを製織する織機30
と、この織機30で製織された補強繊維織物11の両側
に離型シート20a、20bを配する離型シート供給装
置である第1の離型シート供給装置40および第2の離
型シート供給装置41と、これらの離型シート20a、
20bを介して補強繊維織物11を熱処理する加熱装置
50と、補強繊維織物11から上面側の離型シート20
bを剥離する剥離装置60と、下面側の離型シート20
aが内側になるように補強繊維織物11を巻き取って、
巻物状に形成する巻取装置70とを具備している。加熱
装置50は、2枚の加熱板52、53を備えた加熱プレ
ス装置51を具備して構成されている。なお、この製造
装置においては、加熱装置50の後に備えられた一対の
ロール80が、これらの工程中で補強繊維織物11を引
き出して移動させる駆動ロールになっていて、織機30
の後に備えられた一対のロール31は補強繊維織物11
を引き出すほどには駆動していない。よって、複数の対
ロールが駆動して織物を引き出し、これら複数の対ロー
ルの回転速度の微妙な差異によって補強繊維織物11に
応力が加わり、補強繊維織物11に皺やひずみが生じて
しまうことを防げるようになっている。
【0019】図3の製造装置において、織機30はレピ
ア織機であって、ヘルド32に通され配列された複数本
の縦糸12が、ヘルド32の上下運動によって上下二つ
のグループに分けられる。そして、これら上下のグルー
プの間に形成された開口部33を、レピア34に把持さ
れた図示略の横糸が通される。ついで、コーム35によ
って、開口部33に通された横糸が縦糸11と直交する
ように打ち込まれる。このような動作を繰り返して、製
織工程を連続的に行う。ついで、製織された補強繊維織
物11の両側には、第1の離型シート供給装置40と第
2の離型シート供給装置41とから離型シート20a、
20bがそれぞれ配される。この例において第1の離型
シート供給装置40および第2の離型シート供給装置4
1は、連続的に離型シート20a、20bを供給可能な
供給ロールである。
【0020】そして、これらの離型シート20a、20
bを介した状態で、この補強繊維織物11を加熱プレス
装置51の2枚の加熱板52、53で挟んで熱処理する
熱処理工程を行う。この熱処理工程によって、縦糸12
および横糸13に付着した樹脂15の粒子が軟化溶融ま
たは硬化し、フィラメント14同士はこれらの樹脂15
の粒子の固着によって接合する。ついで、冷却プレート
からなる冷却装置90で補強繊維織物11を強制冷却し
て樹脂15を固化した後、補強繊維織物11の両側に配
された離型シート20a、20bのうちの上面側の離型
シート20bを、剥離ロールを備えた剥離装置60で剥
離する剥離工程を行う。冷却装置90によって強制冷却
することによって、剥離工程における離型シート20a
の剥離性が向上する。また、冷却装置90の形態には制
限はなく、冷却ロールであってもよい。そして、巻取装
置70によって、補強繊維織物11の下面側の離型シー
ト20aが内側になるように補強繊維織物11を巻き取
る巻取工程を行い、補強繊維織物11を巻物状に形成す
る。なお、剥離される上面側の離型シート20bは、剥
離工程で剥離されるため、下面側の離型シート20aの
ように、必ずしも剛性を備えたものでなくてもよく、熱
処理工程で安定である限り、ポリプロピレン、ポリエチ
レンなどの樹脂フィルムであってもよい。また、図3の
製造装置において、織機30としてはレピア織機が例示
されているが、シャトル織機、グリッパ織機、ジェット
織機などのその他の織機30であってもよい。
【0021】このような製造方法においては、加熱装置
50として2枚の加熱板52、53で補強繊維織物11
を挟んで加熱する加熱プレス装置51が使用されてい
る。よって、1対の加熱ロールで補強繊維織物11を挟
んで加熱する方法などに比べ、補強繊維織物11全体を
ムラなく加熱することができる。すなわち、この例のよ
うに、レピア織機などの織機30で製織する場合、補強
繊維織物11は一定の速度で連続的に繰り出されるので
はなく、一定の間隔を持って間欠的に繰り出される。さ
らに、炭素繊維などのような補強繊維を製織する場合に
は、織機30の回転数は、通常10〜50rpm程度で
あり、補強繊維織物11の生産速度が比較的小さい。そ
のため、加熱ロールのような加熱装置を使用して補強繊
維織物11を加熱すると、補強繊維織物11のある部分
は長時間加熱ロールに挟まれて加熱時間が長くなるが、
その他の部分は挟まれている時間が短く加熱が不十分と
なり、大きな加熱ムラが生じる。しかしながら、2枚の
加熱板52、53で補強繊維織物11を挟んで加熱する
加熱プレス装置51を使用して、織機30の回転数に対
応して2枚の加熱板52、53を適宜開閉し、補強繊維
織物11の挟持と開放とを繰り返すことによって、織機
30から供給される補強繊維織物11全体をムラなく加
熱することができる。
【0022】また、加熱ロールを使用する場合には、こ
のように補強繊維織物11全体を均一に加熱することが
難しいうえ、回転するロールによる加熱方法であるた
め、各箇所に対する加熱時間に制限があった。よって、
十分な加熱時間を確保できず、樹脂15の種類などによ
っては、十分に樹脂15を加熱して固着させることがで
きなかった。また、加熱条件を微調整することも困難で
あった。更に、樹脂15として熱硬化性樹脂を用いて、
硬化状態を調整して半硬化で固着を行うことは、不可能
であった。しかしながら、このような加熱プレス装置5
1を使用して、2枚の加熱板52、53の開閉を繰り返
し、その回数や、1回当たりの加熱時間およびプレス圧
力を調整することによって、補強繊維織物11の任意の
箇所におけるトータルの加熱の程度を容易に調整し、樹
脂15の種類やその粒径などに応じた種々の加熱条件を
設定できる。このように、加熱装置50として特に加熱
プレス装置51を備えたものを使用することによって、
比較的遅い回転数で作動する織機30から補強繊維織物
11が一定の間隔を持って繰り出されるような場合で
も、容易に織機30の生産速度に連動して、補強繊維織
物11全体をムラなく、所望の加熱条件で連続的かつ容
易に加熱でき、繊維強化プラスチックの強化材に適した
補強繊維織物11を製造できる。なお、熱処理工程にお
ける加熱条件は樹脂15の種類、粒径などによるが、通
常、圧力は1〜10kg/cm2、温度は60〜200
℃で、任意の箇所におけるトータルの加熱時間は10〜
60秒の範囲である。
【0023】また、熱処理工程においては、織機30か
ら繰り出された補強繊維織物11の両側にそれぞれ離型
シート20a、20bを配し、これらの離型シート20
a、20bを介した状態で、補強繊維織物11を加熱プ
レス装置51で加熱する。よって、補強繊維織物11は
離型シート20a、20b間で形状が整えられた状態で
熱処理される。よって熱処理工程における皺などの発生
を防ぐことができる。さらに、このような製造方法にお
いては、熱処理工程の後、少なくとも下面側の離型シー
ト20aは補強繊維織物11の下側に配されたままであ
る。よって、熱処理工程以後の工程において、補強繊維
織物11の撓み、特にこれら工程中において装置から張
力を受けず、比較的フリーな状態にある補強繊維織物1
1の横糸13が自重で下方に撓むことを防止できる。ま
た、これらの工程中、特に巻取工程において、補強繊維
織物11は下面側の離型シート20a上で形状が整えら
れた状態で巻き取られるので、補強繊維織物11が撓ま
ず、形状を維持したまま巻物状にすることができる。な
お、図示例では巻取工程において、離型シート20aが
内側になるように補強繊維織物11が巻き回されている
が、外側になるように巻き回されてもよい。
【0024】また、図3の製造装置においては、第1の
離型シート供給装置40と第2の離型シート供給装置4
1とによって、補強繊維織物11の両側に離型シート2
0a、20bが配され、その後の剥離装置で上面側の離
型シート20bが剥離されているが、上面側の離型シー
ト20bは必ずしも剥離されなくてもよい。すなわち、
補強繊維織物11の両側に離型シート20a、20bが
配された状態で巻物状にされてもよい。また、図4のよ
うに、離型シート供給装置として第1の離型シート供給
装置40のみが備えられた形態の製造装置を使用して、
補強繊維織物11の下面側のみに離型シート20aを配
し、熱処理工程および巻取工程を行ってもよい。これら
の場合には、剥離装置60を設ける必要がなく、補強繊
維布帛巻物10の製造装置および製造工程を簡略化でき
る。なお、補強繊維織物11の下面側のみに離型シート
20aを配する場合には、2枚の加熱板52、53のう
ち、熱処理工程において補強繊維と直接接する上側の加
熱板52の接触面52aに、フッ素樹脂層を設ける方法
などで離型性を付与することが好ましい。
【0025】このようにして得られた補強繊維布帛巻物
10は、適宜保管、輸送された後、繊維強化プラスチッ
ク等の強化材として使用される。繊維強化プラスチック
の強化材として使用される場合、補強繊維布帛は、樹脂
が溶解している樹脂溶液に浸漬される浸漬法や、溶融樹
脂が使用されるホットメルト法等の公知の方法でプリプ
レグとされ、使用される。プリプレグ中においては、補
強繊維布帛の重量を100重量%とした場合、この補強
繊維布帛に対して30〜60重量%の樹脂が含浸される
ことが好ましい。含浸量が30重量%未満ではボイドを
発生しやすく、得られた繊維強化プラスチックの強度が
不十分となりやすい。一方、60重量%を超えると樹脂
フローが起こり所定の厚みのプリプレグが得られない場
合がある。また、プリプレグに使用される樹脂として
は、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の他、ナイロン樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等
の熱可塑性樹脂が挙げられる。このような補強繊維布帛
巻物を使用してプリプレグを製造し、さらにこれを使用
して繊維強化プラスチックなどの複合材料とすることに
よって、補強繊維が本来有する機械的特性が十分に発現
される複合材料を製造できる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して具体的に説明
する。 (実施例)フィラメント数12,000本(繊度72,
000デニール)の炭素繊維(三菱レイヨン(株)製パ
イロフイル)を開繊拡幅し、これにアクリル系樹脂が水
中に分散している熱可塑性樹脂エマルジョンを、ロール
タッチ法により炭素繊維束の一面全体に塗布した。その
後、この補強繊維を乾燥した。このようにして得られた
糸を縦糸12および横糸13として使用し、図3に示す
製造装置を使用して図1の補強繊維布帛巻物10を得
た。織機30の回転数は10rpmであった。また、加
熱プレス装置51の温度は200℃、プレスの圧力は5
kg/cm2 で、加熱時間は任意の織物の箇所におい
て、トータルで60秒とした。また、この補強繊維布帛
巻物10に使用される離型シート20aとしては、両面
シリコンコート離型紙(坪量120g/m2)を使用し、
剥離される離型シート20bとしては、ポリプロピレン
シート(厚さ40μm)を使用した。得られた補強繊維
布帛巻物10は目ずれ、糸の乱れがなく、製織工程直後
の開口率2%を維持していた。また、縦糸幅は22m
m、横糸幅は22mm、熱可塑性樹脂15の含有量は約
1重量%であり、薄型の補強繊維布帛の形状が、少ない
熱可塑性樹脂15の使用量で安定に維持されていた。ま
た、織物目付けは約80g/m2 であった。また、得ら
れた補強繊維布帛巻物10は長時間輸送においても形状
が安定していた。さらに、この補強繊維布帛巻物10か
ら、離型シート20aを剥離しながら補強繊維織物11
を引き出して、これに、エポキシ系樹脂をホットメルト
法で含浸させプリプレグを製造したが、比較的フリーな
状態にある横糸13の自重による撓みが発生せず、ま
た、開口がほとんどなく、目ずれ、糸の乱れなどのない
安定な形状のままでプリプレグ化することができた。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の補強繊維
布帛巻物は、補強繊維から構成され、樹脂の固着により
目止めされた補強繊維布帛が、離型シートを介して巻物
状に形成された補強繊維布帛巻物であるので、製造時、
輸送時、保管時、さらには補強繊維布帛巻物から布帛を
引き出す際などにおける、補強繊維の乱れ、目ずれを抑
制することができる。よって、プラスチックやコンクリ
ートの強化材として使用する場合にも、補強繊維の有す
る機械的特性を最大限に発現できる。また、このように
離型シートによって補強繊維の乱れ、目ずれを抑制でき
るため、目止めに使用する樹脂の使用量が少なくても、
補強繊維布帛の形状を維持し、十分に安定化できる。ま
た、本発明の製造方法によれば、熱処理工程で加熱プレ
ス装置を使用するので、織機で製織されて加熱装置に供
給される補強繊維織物の全体をムラなく、また、所望の
加熱条件で連続的かつ容易に加熱でき、繊維強化プラス
チックの強化材に適した補強繊維織物を製造できる。ま
た、熱処理工程以後の工程においては、補強繊維織物の
少なくとも下面側に離型シートが配された状態となるの
で、工程中における補強繊維の下方への撓みを防ぎ、補
強繊維織物の目ずれ、糸の乱れを抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 補強繊維布帛巻物の一形態を示す斜視図であ
る。
【図2】 図1の補強繊維布帛巻物における補強繊維布
帛の斜視図である。
【図3】 補強繊維布帛製造装置の一例を示す概略構成
図である。
【図4】 補強繊維布帛製造装置の他の一例を示す概略
構成図である。
【符号の説明】
10…補強繊維布帛巻物、11…補強繊維織物、12…
縦糸、13…横糸、14…フィラメント、15…樹脂、
20a…離型シート、20b…離型シート、30…織
機、40…第1の離型シート剥離装置、41…第2の離
型シート剥離装置、50…加熱装置、51…加熱プレス
装置、52…加熱板、53…加熱板、60…剥離装置、
70…巻取装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06C 7/00 D06C 7/00 A 15/10 15/10 D06M 15/263 D06M 15/263 // B29K 105:08 B29K 105:08 C08L 63:00 C08L 63:00 Fターム(参考) 3B154 AA14 AB09 AB20 BA31 BA32 BA35 BA60 BB02 BB12 BB39 BB61 BB62 BC28 BD14 BD18 BE07 DA06 DA21 4F072 AA04 AA07 AB06 AB08 AB09 AB10 AB28 AC08 AC12 AD13 AD23 AD37 AD38 AD44 AG03 4L033 AA01 AA04 AB05 AC15 CA18 CA69 CA70 4L048 AA05 AB07 AB27 BA01 DA41 EB00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補強繊維から構成され、樹脂の固着によ
    り目止めされた補強繊維布帛が、離型シートを介して巻
    物状に形成されていることを特徴とする補強繊維布帛巻
    物。
  2. 【請求項2】 前記補強繊維を形成しているフィラメン
    トの少なくとも一部が、樹脂の固着によって互いに部分
    的に接合され、目止めされていることを特徴とする請求
    項1に記載の補強繊維布帛巻物。
  3. 【請求項3】 前記樹脂の含有量が10重量%以下であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の補強繊維
    布帛巻物。
  4. 【請求項4】 前記補強繊維布帛は、補強繊維からなる
    縦糸と横糸が製織された織物であることを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の補強繊維布帛巻物。
  5. 【請求項5】 樹脂が塗布された補強繊維からなる縦糸
    と横糸とを製織する製織工程と、製織された補強繊維織
    物を熱処理する熱処理工程とを有し、前記熱処理工程は
    加熱プレス装置で行うことを特徴とする補強繊維布帛の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 樹脂は、樹脂粒子が液相中に分散した樹
    脂エマルジョンであることを特徴とする請求項5に記載
    の補強繊維布帛の製造方法。
  7. 【請求項7】 樹脂が塗布された補強繊維からなる縦糸
    と横糸とを製織する製織工程と、製織された補強繊維織
    物の少なくとも下面側に離型シートを配し、該離型シー
    トを介して前記補強繊維織物を加熱プレス装置で熱処理
    する熱処理工程と、前記離型シートとともに前記補強繊
    維織物を巻き取り、巻物状に形成する巻取工程とを有す
    ることを特徴とする補強繊維布帛巻物の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記熱処理工程において前記補強繊維織
    物の両側に離型シートを配し、かつ、前記巻取工程の前
    に、前記補強繊維織物の上面側の離型シートを剥離する
    剥離工程を備えていることを特徴とする請求項7に記載
    の補強繊維布帛巻物の製造方法。
  9. 【請求項9】 樹脂は、樹脂粒子が液相中に分散した樹
    脂エマルジョンであることを特徴とする請求項7または
    8に記載の補強繊維布帛の製造方法。
  10. 【請求項10】 樹脂が塗布された補強繊維からなる縦
    糸と横糸とを製織する織機と、製織された補強繊維織物
    を熱処理する加熱装置とを有し、 前記加熱装置は加熱プレス装置を備えていることを特徴
    とする補強繊維布帛の製造装置。
  11. 【請求項11】 樹脂は、樹脂が液相中に分散した樹脂
    エマルジョンであることを特徴とする請求項10に記載
    の補強繊維布帛の製造装置。
  12. 【請求項12】 樹脂が塗布された補強繊維からなる縦
    糸と横糸とを製織する織機と、製織された補強繊維織物
    の少なくとも下面側に離型シートを配する離型シート供
    給装置と、該離型シートを介して前記補強繊維織物を熱
    処理する加熱装置と、前記離型シートとともに前記補強
    繊維織物を巻き取り、巻物状に形成する巻取装置とを有
    し、 前記加熱装置は加熱プレス装置を備えていることを特徴
    とする補強繊維布帛巻物の製造装置。
  13. 【請求項13】 前記離型シート供給装置は、前記補強
    繊維織物の下面側に離型シートを配する第1の離型シー
    ト供給装置と、前記補強繊維織物の上面側に離型シート
    を配する第2の離型シート供給装置とを備え、 かつ、巻取装置の上流側に、前記補強繊維織物から前記
    上面側の離型シートを剥離する剥離装置を備えているこ
    とを特徴とする請求項12に記載の補強繊維布帛巻物の
    製造装置。
  14. 【請求項14】 樹脂は、樹脂粒子が液相中に分散した
    樹脂エマルジョンであることを特徴とする請求項12ま
    たは13に記載の補強繊維布帛巻物の製造装置。
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